JP2007312834A - 中留及び時計 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡易な構成で容易に長さ調整が可能な中留及びこの中留を備えた時計を提供する。
【解決手段】下バンド5Bに連結されると共に上バンド5Aの端部に設けられたピン部60を保持するピン保持部30を備え、このピン保持部30が、ピン部60を収容してバンドの長さ方向に延びる空間αを空けて開閉自在に連結される一対の連結体31、32と、一対の連結体31、32を閉じる方向に付勢する付勢部材とを有し、一対の連結体31、32が、空間αをバンドの長さ方向に間隔を空けて複数の空間α1、α2に仕切る仕切壁36L、36Uを有し、上バンド5Aにその長さ方向への外力が作用した場合、その外力によりピン部60が一対の連結体31、32を開いて空間α1から仕切壁36L、36Uを跨いだ隣接空間α2に移動自在とした。
【選択図】図9

Description

本発明は、中留の長さ調整機構に関する。
身体に巻回される帯状装身具には、様々な中留が用いられる。例えば、帯状装身具の1つである腕時計では、二つ折れ中留、三つ折れ中留、あるいは両開き(観音開き)中留のような折り畳み型の中留が使用される。このような折り畳み型中留には、中留カバーにバンドに連結された移動部材を移動自在に支持し、この移動部材内に中留の施錠/解錠用のプッシュボタンを係止し、プッシュボタンの初期の可動範囲で中留を解錠し、それ以上の可動範囲でプッシュボタンとバンド連結体との係止を解除し、プッシュボタンの操作で中留の解錠とバンド長さの微調整とを可能にしたものが提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2005−270748号公報
しかし、従来のものは、使用者にプッシュボタン押下時の解錠位置と長さ調整位置とを判別させる必要があるため、使用者にとって判りやすい操作ではなかった。また、中留カバー内に配置される移動部材内にプッシュボタンを係止する必要があるため、構造が複雑化してしまう問題もあった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成で容易に長さ調整が可能な中留及びこの中留を備えた時計を提供することを目的としている。
上述課題を解決するため、本発明は、中留において、一方の帯状体に連結されると共に他方の帯状体の端部に設けられたピン部を保持するピン保持部を備え、このピン保持部が、前記ピン部を収容して前記帯状体の長さ方向に延びる空間を空けて開閉自在に連結される一対の連結体と、前記一対の連結体を閉じる方向に付勢する付勢部材とを有し、前記一対の連結体が、前記空間を前記帯状体の長さ方向に間隔を空けて仕切る仕切壁を有し、前記帯状体にその長さ方向への外力が作用した場合、その外力により前記ピン部が前記一対の連結体を開いて前記仕切壁を跨いだ隣接空間に移動自在としたことを特徴とする。
この発明によれば、帯状体にその長さ方向への外力が作用した場合、その外力によりピン部が一対の連結体を開いて仕切壁を跨いだ隣接空間に移動自在としたので、帯状体をその長さ方向へ移動させる簡易な操作で帯状体の長さを容易に調整することができる。また、ピン保持部が、ピン部を収容して帯状体の長さ方向に延びる空間を空けて開閉自在に連結される一対の連結体と、一対の連結体を閉じる方向に付勢する付勢部材とから構成されるので、簡易な構成にすることができる。
上記構成において、前記連結体の一方を、前記一方の帯状体に連結された表カバーの内側に回動自在に連結し、前記連結体の他方を、前記一方の連結体と前記表カバーとの間に位置させることが好ましい。この構成によれば、一対の連結体を表カバー側に回動させた状態では連結体が開かず、ピン部が外れてしまう事態や、帯状体の長さが変わってしまう事態を確実に回避することができる。
上記構成において、前記仕切壁は、前記ピン部を前記一対の連結体を開ける位置へ案内する傾斜面を有することが好ましい。この構成によれば、傾斜面がピン部を一対の連結体を開ける位置へ案内するので、帯状体の長さをより容易に調整することができる。
この場合、前記傾斜面は、前記一対の帯状体を離間させる方向へ外力が作用した場合に、前記ピン部を前記一対の連結体を開ける位置へ案内する第1傾斜面と、前記一対の帯状体を近接させる方向へ外力が作用した場合に、前記ピン部を前記一対の連結体を開ける位置へ案内する第2傾斜面とを有し、前記第2傾斜面を、前記第1傾斜面より緩い傾斜にすることが好ましい。この構成によれば、一対の帯状体を近接させる方向へ外力を作用させる作業を、一対の帯状体を離間させる方向へ外力を作用させる作業よりも、その作業に要する力を小さくすることができる。
また、本発明は、時計本体と、この時計本体に連結される一対のバンドと、前記一対のバンドを連結する中留とを備え、この中留が、一方のバンドに連結されると共に他方のバンドの端部に設けられたピン部を保持するピン保持部を備え、このピン保持部が、前記ピン部を収容して前記バンドの長さ方向に延びる空間を空けて開閉自在に連結される一対の連結体と、前記一対の連結体を閉じる方向に付勢する付勢部材とを有し、前記一対の連結体が、前記空間を前記バンドの長さ方向に間隔を空けて仕切る仕切壁を有し、前記バンドにその長さ方向への外力が作用した場合、その外力により前記ピン部が前記一対の連結体を開いて前記仕切壁を跨いだ隣接空間に移動自在としたことを特徴とする。
この発明によれば、バンドにその長さ方向への外力が作用した場合、その外力によりピン部が一対の連結体を開いて仕切壁を跨いだ隣接空間に移動自在としたので、バンドをその長さ方向へ移動させる簡易な操作でバンドの長さを容易に調整することができる。また、ピン保持部が、ピン部を収容してバンドの長さ方向に延びる空間を空けて開閉自在に連結される一対の連結体と、一対の連結体を閉じる方向に付勢する付勢部材とから構成されるので、簡易な構成にすることができる。
上記構成において、前記中留は、表カバーを有し、この表カバーの内側に、当該中留の施錠/解錠を行う施錠部と前記一対の連結体とを備え、前記連結体の一方を、前記表カバーの内側に回動自在に連結し、前記連結体の他方を、前記一方の連結体と前記表カバーとの間に位置させることが好ましい。
この構成によれば、一対の連結体を表カバー側に回動させた状態では連結体が開かず、ピン部が外れてしまう事態や、バンドの長さが変わってしまう事態を確実に回避することができる。
また、本発明は、一対の帯状体を連結する中留を備えた帯状装身具において、前記中留は、一方の帯状体に連結されると共に他方の帯状体の端部に設けられたピン部を保持するピン保持部を備え、このピン保持部が、前記ピン部を収容して前記帯状体の長さ方向に延びる空間を空けて開閉自在に連結される一対の連結体と、前記一対の連結体を閉じる方向に付勢する付勢部材とを有し、前記一対の連結体が、前記空間を前記帯状体の長さ方向に間隔を空けて仕切る仕切壁を有し、前記帯状体にその長さ方向への外力が作用した場合、その外力により前記ピン部が前記一対の連結体を開いて前記仕切壁を跨いだ隣接空間に移動自在としたことを特徴とする。
この発明によれば、帯状体にその長さ方向への外力が作用した場合、その外力によりピン部が一対の連結体を開いて仕切壁を跨いだ隣接空間に移動自在としたので、帯状体をその長さ方向へ移動させる簡易な操作で帯状体の長さを容易に調整することができる。また、ピン保持部が、ピン部を収容して帯状体の長さ方向に延びる空間を空けて開閉自在に連結される一対の連結体と、一対の連結体を閉じる方向に付勢する付勢部材とから構成されるので、簡易な構成にすることができる。
本発明は、一方の帯状体に連結されると共に他方の帯状体の端部に設けられたピン部を保持するピン保持部を備え、このピン保持部が、ピン部を収容して帯状体の長さ方向に延びる空間を空けて開閉自在に連結される一対の連結体と、一対の連結体を閉じる方向に付勢する付勢部材とを有し、一対の連結体が、空間を帯状体の長さ方向に間隔を空けて仕切る仕切壁を有し、帯状体にその長さ方向への外力が作用した場合、その外力によりピン部が一対の連結体を開いて仕切壁を跨いだ隣接空間に移動自在としたので、帯状体をその長さ方向へ移動させる簡易な操作で帯状体の長さを容易に調整することができ、かつ、帯状体の長さを調整する構造を簡易な構成にすることができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る腕時計の外観構成を示す図である。この腕時計1は、時刻表示を行う時計本体3と、この時計本体3の上下端部(いわゆる、かん部)に連結された一対のバンド5とから構成されている。時計本体3は、ステンレス、チタン等で形成された金属ケース内に、ムーブメント、文字板及び時刻表示針等が配置され、風防ガラス及び裏蓋で水密構造に封止されている。なお、本実施形態では、時刻をアナログ表示する腕時計を例示したが、時刻をデジタル表示する腕時計であってもよい。
バンド5は、ステンレス、チタン等の金属材料で形成された駒を多数連結して構成される。バンド5は、上バンド5Aと下バンド5Bとからなり、バンド5A及び5Bは、中留10で係止されて腕時計1を装着部位(装着者の手首)に装着させる。なお、バンド5は、金属材料で形成された駒を多数連結して構成するものに限らず、例えば、皮バンド、ウレタンゴム等のラバー系バンドであってもよい。
中留10は、図2に示すように、表カバー11と、この表カバー11に連結ピン12で連結された左右一対の中板13と、これら中板13に連結ピン14で連結された下板15とを備え、中板13と下板15とを表カバー11の下に折り畳み自在に構成される。また、下板15には、連結ピン16を介して下バンド5Bが連結される。
表カバー11は、バンド5の長手方向に延出する蓋部11Aと、左右の側壁11B、11Cとを有し、図3に示すように、蓋部11Aと側壁11B、11Cが囲む間隙内には、ボタンユニット20と、上バンド5Aを保持するピン保持部30とが収容されている。
ボタンユニット20は、下板15に設けられたフック15Aに係合する施錠部として機能するものであり、左右一対のプッシュボタン22、23(図2参照)を左右方向へ移動自在に収容し、これらボタン22、23を図示せぬ付勢部材(ばね等)により左右外方へ各々付勢している。
プッシュボタン22、23は、表カバー11の左右側壁11B、11Cに設けられた開口部11Dを通って左右外方に突出し、外部から押下可能に配置されている。プッシュボタン22、23には、ボタンユニット20裏側の開口部20H内に露出する一対の係止部22A、23Aが設けられており、これら一対の係止部22A、22Bが、上記付勢部材によりその間隙を狭める方向へ付勢されている。
中留10を折り畳んだ場合には、下板15のフック15Aがボタンユニット20の開口部20H内へ進入し、そこで一対の係止部22A、23Bに挟持されて中留10が折り畳んだ状態に施錠される。また、中留10を解錠する場合は、プッシュボタン22、23を両方同時に押下操作すると、一対の係止部22A、23A間の間隙が拡がり、ボタンユニット20とフック15Aとの係合が解かれる。
このように、中留10の解錠をプッシュボタン22、23の同時操作で行うようにしたので、プッシュボタン22、23のいずれか一方に障害物が当たってボタン22、23の一方が押されたとしても、中留10は外れず、腕時計1の脱落を防ぐことができる。
ピン保持部30は、表カバー11よりも幅狭に形成され、このピン保持部30の左右両側にスペーサ40を各々配置した状態で、表カバー11に通された一本の連結ピン41を介して回動自在に表カバー11に連結されている。スペーサ40は、ピン保持部30と表カバー11の側壁との間の間隙を埋める部材であり、このスペーサ40によりピン保持部30がバンド中央位置に位置決めされ、バンド幅方向への移動が規制される。
ピン保持部30は、図4に示すように、底板部材31と、この底板部材31に開閉自在にピン連結される蓋部材32とを備えて構成され、これらは開閉自在な一対の連結体を構成している。より具体的には、底板部材31は、略平板状の平板部33と、この平板部33の一端側に形成された連結部34と、平板部33の他端側に形成された蓋取付部35と、平板部33の連結部34と蓋取付部35との間から上方に立設する仕切壁36Lとを備えている。連結部34には、連結ピン41を通す孔部41Aが形成され、蓋取付部35には、蓋部材取付用の連結ピン45を通す孔部45Aが形成され、上記仕切壁36Lは孔部41Aと孔部15Aの間に位置する。
ている。
蓋部材32は、略平板状の平板部37と、この平板部37の一端側に形成された立下部38と、平板部37の他端側に設けられた切欠部37Aの左右に設けられた取付部39とを一体に備え、取付部39の孔部45B及び底板部材31の蓋取付部35の孔部45Aとに連結ピン45を挿入することによって、蓋部材32が連結ピン45を軸に開閉自在に連結される。
ここで、底板部材31の蓋取付部35の孔部45Aは、段付き孔に形成され、この段付き孔の大径部45A1には、付勢部材であるねじりコイルばね50が連結ピン45に挿通された状態で配置され、このねじりコイルばね50の一端部51は、図5に示すように、蓋取付部35と蓋部材32の取付部39との間隙を通って蓋部材32の外面に係止し、この蓋部材32を閉じる方向へ付勢している。
なお、本実施形態では、上記底板部材31及び蓋部材32を型成形で製造した場合を例示するが、板材に曲げ加工を施して形成してもよく、また、材質も金属材料に限らず、十分な強度を持つ樹脂材料等を広く適用可能である。
蓋部材32が閉じた場合、図6に示すように、蓋部材32と底板部材31との間には、バンド長さ方向に延びる空間αが形成され、この空間αは、底板部材31に形成された仕切壁36Lと、底板部材31に設けられ、仕切壁36Lと上下対称形状を有する仕切壁36Uとによって2つの空間α1、α2に仕切られる。
上記仕切壁36L、36Uの壁面は、仕切壁36L、36Uの頂点に向かって傾斜する面に形成され、より具体的には、空間α1側が比較的急傾斜の傾斜面(第1傾斜面)M1に形成され、空間α2側が傾斜面M1に比して緩やかな傾斜面(第2傾斜面)M2に形成されている。
上記ピン保持部30は、回動軸(連結ピン41)を支点に表カバー11側に回動した位置(以下、表カバー近接位置(図6参照)という。)では、図6に示すように、蓋部材32が底板部材31と表カバー11との間に位置し、表カバー11により蓋部材32が開くのが規制される。一方、ピン保持部30を回動軸を支点に回動させて蓋部材32を表カバー11から離れた位置(以下、表カバー離間位置(図7参照)という。)にすれば、図7に示すように、蓋部材32を開くことが可能になる。
この場合、蓋部材21は必要以上に開かないようにすることが好ましい。本実施形態では、蓋部材21を大きく開こうとした場合、蓋部材32の切欠部37Aの端面部37A1が、底板部材31の蓋取付部35の一部に当接して必要以上に開かない。この蓋部材32の最大開き角度は、上バンド5Aの後述する係合ピン60の直径よりも若干大きい程度の隙間が空く程度に規制されている。
この腕時計1では、図8に示すように、上バンド5Aの端部の駒5A1が、バンド5の長さ方向に凹んだ凹部55を有し、この凹部55には、ピン部として機能する係合ピン60が上バンド5Aの幅方向に掛け渡されている。そして、図7に示す表カバー離間位置でピン保持部30の蓋部材32を開き、係合ピン60を空間α内に挿入することにより、上バンド5Aとピン保持部30とを連結することができる。なお、この係合ピン60には、ばね棒を適用する方法及び連結ピンを圧入する方法等を適用すればよい。
本実施形態では、上バンド5Aの係合ピン60の位置を、ピン保持部30の空間α1または空間α2のいずれかの位置に変更することによって、バンド長さの微調整が可能である。
詳述すると、係合ピン60がピン保持部30の空間α1内に位置する場合、ユーザは、腕時計1を装着部位から取り外し、表カバー11をほぼ水平に保持することにより、図9(A)に示すように、ピン保持部30が自重により表カバー離間位置に位置する。そして、この状態を維持しながら、ユーザが上バンド5Aを下(鉛直方向)に引っ張ると、係合ピン60が、仕切壁36L、36Uの傾斜面M1に沿って仕切壁36L、36Uの中間位置に移動した状態で引っ張り力F1が作用するので、この引っ張り力F1の分力が仕切壁36L、36Uの両傾斜面M1に作用し、蓋部材32が開く。蓋部材32が開くと、係合ピン60が蓋部材32と底板部材31の間を通って仕切壁36L、36Uを下に通過し、図9(B)に示すように、係合ピン60がピン保持部30の空間α2内へ移動する。
これにより、係合ピン60がピン保持部30の空間α1から空間α2へ移動した移動量だけバンド5を長くすることができる。
また、係合ピン60がピン保持部30の空間α2内に位置する場合、ユーザは、腕時計1を装着部位から取り外し、表カバー11をほぼ水平に保持してピン保持部を自重により表カバー離間位置に位置させた後、上バンド5Aを上に押し上げる。この場合、係合ピン60が、仕切壁36L、36Uの傾斜面M2に当接し、この傾斜面M2に沿って仕切壁36L、36Uの中間位置に案内され、この位置で押し上げ力F2が作用するので、この押し上げ力F2の分力が仕切壁36L、36Uの両傾斜面M2に作用し、蓋部材32が開く。このため、係合ピン60が蓋部材32と底板部材31の間を通って仕切壁36L、36Uを上に移動し、図10(B)に示すように、係合ピン60がピン保持部30の空間α1内へ移動する。
これにより、係合ピン60がピン保持部30の空間α2から空間α1へ移動した移動量だけバンド5を短くすることができる。
ところで、バンド5を引っ張る作業よりもバンド5を押し上げる作業の方が一般に力を入れにくい作業となる。本構成では、バンド5を引っ張る場合(バンドを長くする場合)に係合ピン60が当接する仕切壁36L、36Uの傾斜面M1を、バンド5を押し上げる場合(バンド5を短くする場合)に当接する仕切壁36L、36Uの傾斜面M2よりも急傾斜に形成しているので、バンド5を短くする作業に必要な力F2を小さくすることができる。従って、バンド5を短くする場合も作業が不安定になることがない。
また、底板部材31を大きく回動させてその底面部をボタンユニット20に当接させ、この状態でバンド5の長さ調整を行う方法によっても、バンド5の長さ調整を容易に行うことが可能である。
以上説明したように、本実施形態では、上バンド5Aに設けられた係合ピン60を保持するするピン保持部30を、上バンド5Aの長さ方向に延びる空間αを空けて開閉自在に連結される底板部材31及び蓋部材32と、これらを閉じる方向に付勢するねじりコイルばね50とで構成し、上記空間αを仕切壁36L、36Rで複数の空間α1、α2に仕切ると共に、この空間α1、α2のいずれかに配置された係合ピン60から仕切壁36L、36Rに力(外力)が作用すると、蓋部材32が開いて係合ピン60が仕切壁36L、36Rを乗り越えて隣接する空間に移動するようにしている。
これにより、係合ピン60と一体の上バンド5Aを引っ張る、あるいは、押し上げるといった簡易な操作で、バンド長さを容易に調整することができ、かつ、部品点数も少なくてすむので、従来のバンド調整構造に比して、簡易な構成にすることができる。
また、本実施形態では、上バンド5Aを引っ張ればバンド5が長くなり、上バンド5Aを押し上げればバンド5が短くなるので、その操作方向がバンド長さの調整方向と一致し、感覚的に判りやすい操作でバンド調整を行うことができる。
また、各仕切壁36L、36Rに、係合ピン60を、ピン保持部30を開ける位置へ案内する傾斜面M1、M2を設けたので、バンド調整作業がより容易になる。しかも、バンド5を短くする際に係合ピン60が当接する傾斜面M2を、バンド5を長くする際に係合ピン60が当接する傾斜面M1よりも緩い傾斜としたので、バンド5を長くする作業よりも力を入れにくいバンド5を短くする作業に要する力を小さくでき、いずれの作業も安定して行うことができる。
また、本実施形態では、腕時計1を手首に装着した状態(表カバー近接位置(図6)に相当)では、蓋部材32が底板部材31と表カバー11との間に位置するので、この状態では蓋部材32が開かず、装着時に係合ピン60が外れてしまう事態やバンド5の長さが変わってしまう事態を確実に回避することができる。
また、ピン保持部30をその左右にスペーサ40を介して表カバー11に連結するので、スペーサ40の長さを変えれば幅の異なるバンドの中留に対応させることができ、男性用バンドや女性用バンドのいずれにも共用することができる。なお、ピン保持部30を板材に曲げ加工を施して形成する場合、スペーサ40に相当する部分を底板部材31と一体に形成してもよい。
また、表カバー11内にボタンユニット20とピン保持部30とを配置するので、表カバー11内のスペースをボタンユニット20及びピン保持部30のレイアウトスペースに効率よく利用でき、しかも、時計装着状態では、表カバー11内にボタンユニット20及びピン保持部30が隠れるので、中留10の外観をシンプルにすることができ、一般的な中留と同じ外観にすることができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形が可能である。例えば、上記実施形態では、ピン保持部30を構成する底板部材31及び蓋部材32の両方に仕切壁36L、36Uを設ける場合を説明したが、これに限らず、いずれか一方だけに仕切壁を設けてもよい。
また、上記実施形態では、ピン保持部30の空間αを2室に仕切り、2段階でバンド長さを調整可能に構成する場合を例示したが、これに限らず、上記空間αを3室以上に仕切り、バンド長さを3段階以上で調整可能に構成してもよい。
また、上記実施形態では、本発明を三つ折れ中留に適用する場合について説明したが、二つ折れ中留、両開き中留等の中留に広く適用することができる。
また、上記実施形態では、本発明を腕時計のバンド用中留に適用する場合について説明したが、ブレスレットやネックレス等の帯状装身具に使用する中留に広く適用することが可能である。
本発明の実施形態に係る腕時計の外観構成を示す図である。 腕時計の中留を拡げた図である。 中留を裏側から見た図である。 中留のピン保持部の分解斜視図である。 ピン保持部の斜視図である。 ピン保持部を表カバー側に回動させた状態を示す断面図である。 ピン保持部を表カバーと反対側に回動させた状態を示す断面図である。 上バンドの端部の駒の斜視図である。 Aは係合ピンがピン保持部の空間α1内に位置する状態を示す図であり、Bは係合ピンがピン保持部の空間α2内へ移動した状態を示す図である。 Aは係合ピンがピン保持部の空間α2内に位置する状態を示す図であり、Bは係合ピンがピン保持部の空間α1内へ移動した状態を示す図である。
符号の説明
1…腕時計、3…時計本体、5…バンド(帯状体)、5A…上バンド、5A1…駒、5B…下バンド、10…中留、11…表カバー、13…中板、15…下板、15A…フック、20…ボタンユニット、22、23…プッシュボタン、30…ピン保持部、31…底板部材、32…蓋部材、33、37…平板部、34…連結部、35…蓋取付部、36L、36U…仕切壁、38…立下部、39…取付部、40…スペーサ、50…ねじりコイルばね(付勢部材)、60…連結ピン(ピン部)、α、α1、α2…空間、M1、M2…傾斜面。

Claims (6)

  1. 一方の帯状体に連結されると共に他方の帯状体の端部に設けられたピン部を保持するピン保持部を備え、
    このピン保持部が、前記ピン部を収容して前記帯状体の長さ方向に延びる空間を空けて開閉自在に連結される一対の連結体と、前記一対の連結体を閉じる方向に付勢する付勢部材とを有し、
    前記一対の連結体が、前記空間を前記帯状体の長さ方向に間隔を空けて仕切る仕切壁を有し、前記帯状体にその長さ方向への外力が作用した場合、その外力により前記ピン部が前記一対の連結体を開いて前記仕切壁を跨いだ隣接空間に移動自在としたことを特徴とする中留。
  2. 前記連結体の一方を、前記一方の帯状体に連結された表カバーの内側に回動自在に連結し、前記連結体の他方を、前記一方の連結体と前記表カバーとの間に位置させたことを特徴とする請求項1に記載の中留。
  3. 前記仕切壁は、前記ピン部を前記一対の連結体を開ける位置へ案内する傾斜面を有することを特徴とする請求項1に記載の中留。
  4. 前記傾斜面は、前記一対の帯状体を離間させる方向へ外力が作用した場合に、前記ピン部を前記一対の連結体を開ける位置へ案内する第1傾斜面と、前記一対の帯状体を近接させる方向へ外力が作用した場合に、前記ピン部を前記一対の連結体を開ける位置へ案内する第2傾斜面とを有し、
    前記第2傾斜面を、前記第1傾斜面より緩い傾斜にしたことを特徴とする請求項3に記載の中留。
  5. 時計本体と、この時計本体に連結される一対のバンドと、前記一対のバンドを連結する中留とを備え、この中留が、一方のバンドに連結されると共に他方のバンドの端部に設けられたピン部を保持するピン保持部を備え、
    このピン保持部が、前記ピン部を収容して前記バンドの長さ方向に延びる空間を空けて開閉自在に連結される一対の連結体と、前記一対の連結体を閉じる方向に付勢する付勢部材とを有し、
    前記一対の連結体が、前記空間を前記バンドの長さ方向に間隔を空けて仕切る仕切壁を有し、前記バンドにその長さ方向への外力が作用した場合、その外力により前記ピン部が前記一対の連結体を開いて前記仕切壁を跨いだ隣接空間に移動自在としたことを特徴とする時計。
  6. 前記中留は、表カバーを有し、この表カバーの内側に、当該中留の施錠/解錠を行う施錠部と前記一対の連結体とを備え、前記連結体の一方を、前記表カバーの内側に回動自在に連結し、前記連結体の他方を、前記一方の連結体と前記表カバーとの間に位置させたことを特徴とする請求項5に記載の時計。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017074360A (ja) * 2015-10-14 2017-04-20 ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド ブレスレットのための調節可能リンク

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