JP2007229073A - バックル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ベルトが挿通される空間SP1,SP2がアーチ部35,36や凹部141によって拡がっているため、ベルトに厚い生地が用いられたりエンドパーツなどが付属していてもベルトの挿通に支障がなく、ベルトを容易かつ迅速に着脱できる。また、このようなアーチ部35,36や凹部141によって空間SP1,SP2が拡げられているので、第1、第2本体10,20やロック部材30の肉厚を全体的に薄くすることなどが不要であり、第1、第2本体10,20およびロック部材30の成形時や使用による撓みを防止できる。すなわち、アーチ部35,36や凹部141の形成により、構造的な強度を維持しつつ、空間SP1,SP2の開き量を大きくできるので、バックル1の薄型化と、ベルトの挿通し易さとを共に実現できる。
【選択図】図7
Description
なお、本体とロック部材との間の空間を単に拡げてベルトを挿通し易くした場合は、バックルの厚みが大きくなってしまい、適当でない。
また、このように凹部の形成によって空間が拡げられているので、本体やロック部材の肉厚を全体的に薄くしたり、ベルトの厚みに対して本体とロック部材とを十分に離すためにロック部材の軸支部を本体の基部から大きく突出させることなどが不要であり、本体およびロック部材の成形時や使用による撓みを防止できる。
すなわち、凹部の形成により、バックルの薄型化に際して構造的な強度を維持しつつ、前記の空間の開き量を大きくできるので、バックルの薄型化と、ベルトの挿通し易さとを共に実現できる。
また、ロック部材側凹部は略円弧状に形成され角張っていないため、ベルトを円滑に挿通できるとともに、前記空間の寸法が最も大きいロック部材側凹部の中央からベルトを一層容易に挿通できる。
また、第2本体についても、ロック部材との間の空間に臨む凹部が形成されているため、前述と同様に、ベルトの挿通を容易にできるとともに、バックルの薄型化を促進できる。
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
〔1.バックルの構成〕
図1は、本実施形態におけるバックル1の使用状態を示す側断面図である。本実施形態のバックル1の内部には、1本のベルト100の両端側がそれぞれ挿通されて固定されており、これによって着衣などが留められている。バックル1は、身体の前面側となる第1本体10と、身体と近接する側の第2本体20と、これらの第1本体10および第2本体20を互いに連結するとともに、これら第1、第2本体10,20に対して回動可能なロック部材30とを備えている。
本実施形態における第1本体10は、平面略矩形状の基板11と、基板11からバックル1内側にそれぞれ突出する一対の起立部12と、基板11の一端側で各起立部12間を結ぶ架設部13とを有する。これらの基板11、起立部12、および架設部13によってベルト100が挿通される挿通部10Aが構成されており、挿通部10Aの内部には、架設部13が設けられた側から、ベルト100の端部が挿通される。
基板11の表面側には、各起立部12が設けられた辺にそれぞれ沿って面取り部111が形成されている(図4)。また、基板11の裏面側には、各軸孔121を互いに結ぶ方向に沿って歯列140が形成され、この歯列140は本体側凹部としての複数の凹部141で構成されている。各凹部141は、基板11の裏面11Bから基板11の内側(表面11A側)に窪んでいる。
各起立部22には、ロック部材30が設けられる軸孔221が形成され、基板21の裏面側には、各軸孔221を互いに結ぶ方向に沿って歯列240が形成されている。この歯列240は、複数の凸部241で構成されている。各凸部241は、基板21の裏面21Bから面外方向に突出している。また、基板21の表面側には、各起立部12が設けられた辺にそれぞれ沿って面取り部211が形成されている(図4)。
第2本体20の基本的な構造は、前述の第1本体10の構造と略同様である。第1本体10と第2本体20とは、互いの起立部12,22が向き合うように配置される。
図7のようにロック部材30が起立した状態のとき、これらの空間SP1,SP2にそれぞれ臨むロック部材側凹部としてのアーチ部35,36が、軸部311,312間および軸部321,322間にそれぞれ形成されている。各アーチ部35,36は、軸部311,312に沿った方向および軸部321,322に沿った方向に対してそれぞれ円弧状に窪んでいる。
一方、第2挟持部34の先端にも、軸部321,322を互いに結ぶ方向に沿って歯列340が形成され、この歯列340は複数の凸部341で構成されている。ロック部材30が第2本体20側に回動された際に、この歯列340は、第2本体20の歯列240と隣り合う。
なお、アーチ部35,36が設けられていることにより、射出成形時の撓みを抑制できる。また、第1本体10の面取り部111は意匠性に寄与するだけでなく、この面取り部111の形成によって起立部12の肉厚を薄くでき、挿通部10Aの内寸を大きくできる。
次に、バックル1によってベルト100を留める手順について説明する。ここで使用するベルト100には、厚い生地が用いられ、装着時に前面側となる端部に樹脂製のエンドパーツ101が取付けられている。
図5に示すように、ロック部材30が第1本体10および第2本体20の面外方向に回動されているとき、第1挟持部33および第2挟持部34の向きは基板11および基板21に略平行であって、バックル1のロックは解除されている。この状態において、第2本体20の挿通部20Aに第2挟持部34とは反対側からベルト100の端部102を挿通し、空間SP2を通過させる。このとき、アーチ部36によって空間SP2が拡がっているので、第2本体20における歯列240の凸部241がベルト100を挿通する際の抵抗とならない。すなわち、ベルト100の端部102を空間SP2に容易に挿通できる。
ここで、空間SP1がアーチ部35により拡がっているので、ベルト100の生地よりも厚いエンドパーツ101が第1本体10の裏面側やロック部材30に当たることもなく、ベルト100は円滑に挿通される。アーチ部35は軸部311,312間の略中央で最も窪んでいるため、このアーチ部35中央からベルト100をより簡単に挿通できる。
また、第1本体10の基板11の裏面11Bに凹部141のみが形成され、裏面11Bから空間SP1に突出する部材がないことからも、ベルト100を空間SP1に容易に挿通できる。
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図8は、本実施形態のバックル2の使用状態を示す側断面図である。バックル2は、本体40と、この本体40に回動可能なロック部材50とを備えている。このバックル2は、ベルト200による持ち手の長さなどを調節するアジャスタとして用いられ、ロック部材50の本体40側への回動により、本体40とロック部材50との間にベルト200が挟持されることにより、持ち手の長さなどが調節される。
本体40は、平面略矩形状の基板21と、ロック部材50を軸孔221で軸支する一対の起立部22とを有する。基板21には、ベルト200が挿通される孔47,48が形成されるとともに、各軸孔221を互いに結ぶ方向に沿って歯列140が形成され、この歯列140は、本体側凹部としての複数の凹部141で構成されている。
また、挟持部53の先端には、複数の凸部331が並ぶ歯列330が形成され、この歯列330は、ロック部材50の回動により、本体40側の歯列140と噛合する。
本実施形態によっても、第1実施形態で述べた効果と略同様の効果を奏する。
本発明は、前述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が許容される。
そして、ロック部材側凹部についても、前述のアーチ部35,36に限らず、本体とロック部材との間の空間を拡張し得る任意の形状であってよい。
一方、第1実施形態の第2本体20における歯列240を第1本体10の歯列140と同様に、凹部によって構成することも検討できる。すなわち、裏面21Bから突出する凸部ではなく、裏面21Bから表面21A側に窪む凹部を第2本体20の基板21裏面側に形成すればよい。
また、前記各実施形態のように、1本のベルト100の両端を留めたり、ベルト200の長さを調整するほか、本発明のバックルによって2本のベルトを連結することも勿論可能である。ベルトの用途は問わず、本体とロック部材との間の空間に挿通して挟持し得る帯状のテープや紐などのすべてのベルト類を使用できる。
上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
Claims (5)
- 本体(10,20,40)と、
この本体(10,20,40)に回動可能に設けられ前記本体(10,20,40)との間にベルト(100,200)を挿通する空間(SP1,SP2)を有するロック部材(30,50)とを備え、
前記ロック部材(30,50)は、前記本体(10,20,40)側に回動された際にベルト(100,200)を前記本体(10,20,40)との間に挟持する挟持部(33,34,53)を有し、
前記空間(SP1,SP2)を構成する前記本体(10,20,40)と前記ロック部材(30,50)との少なくとも一方には、前記空間(SP1,SP2)に臨む凹部(141,35,36)が形成されていることを特徴とするバックル(1,2)。 - 前記ロック部材(30,50)には、前記凹部としてロック部材側凹部(35,36)が形成され、
前記ロック部材側凹部(35,36)は、前記ロック部材(30,50)の回動軸(311,312,321,322)に略沿った方向に対して略円弧状に窪んでいる
ことを特徴とする請求項1に記載のバックル(1,2)。 - 前記本体(10,40)には、前記凹部として本体側凹部(141)が形成され、
前記本体側凹部(141)には、前記ロック部材(30,50)が前記本体(10,40)側に回動された際に前記挟持部(33,53)が対向する
ことを特徴とする請求項1または2に記載のバックル(1,2)。 - 前記挟持部(33,53)には、前記ロック部材30の回動軸(311,312)に略沿って並ぶ複数の凸部(331)により歯列(330)が形成され、
前記本体側凹部(141)は、前記ロック部材(30)が前記本体(10,40)側に回動された際に前記凸部(331)とそれぞれ対向する位置に複数形成されて歯列(140)を構成している
ことを特徴とする請求項3に記載のバックル(1,2)。 - 前記本体(10)は、第1本体とされ、
前記ロック部材(30)において前記第1本体(10)に設けられた側と反対側に、前記ロック部材(30)との間にベルト(100)を挿通する空間(SP2)を有するとともに前記ロック部材(30)が回動可能に設けられる第2本体(20)を備え、
前記挟持部として、前記第1本体(10)との間にベルト(100)を挟持する第1挟持部(33)が前記ロック部材(30)の前記第1本体(10)に対する回動軸(311,312)の近傍に設けられるとともに、前記第2本体(20)との間にベルト(100)を挟持する第2挟持部(34)が前記ロック部材(30)の前記第2本体(20)に対する回動軸(321,322)の近傍に設けられ、
前記空間(SP2)を構成する前記第2本体(20)と前記ロック部材(30)との少なくとも一方には、前記空間(SP2)に臨む凹部(36)が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のバックル(1)。
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