JP5125384B2 - 駆動力伝達装置及び駆動力伝達装置の調整方法 - Google Patents

駆動力伝達装置及び駆動力伝達装置の調整方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5125384B2
JP5125384B2 JP2007263964A JP2007263964A JP5125384B2 JP 5125384 B2 JP5125384 B2 JP 5125384B2 JP 2007263964 A JP2007263964 A JP 2007263964A JP 2007263964 A JP2007263964 A JP 2007263964A JP 5125384 B2 JP5125384 B2 JP 5125384B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wheel
torque
vehicle
driving force
drive wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007263964A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009090835A (ja
Inventor
明夫 松本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2007263964A priority Critical patent/JP5125384B2/ja
Publication of JP2009090835A publication Critical patent/JP2009090835A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5125384B2 publication Critical patent/JP5125384B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Testing Of Devices, Machine Parts, Or Other Structures Thereof (AREA)
  • Arrangement And Driving Of Transmission Devices (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Description

本発明は、駆動力伝達装置及び駆動力伝達装置の調整方法に関するものである。
従来、車両の駆動力伝達系に設けられ、電磁クラッチに供給される電流に応じて入力側から出力側に伝達するトルクを変化させるトルクカップリングを備え、電流と伝達トルクとの関係を示すI−T特性情報に基づいて電磁クラッチに電流を供給することで、所望のトルクを入力側から出力側に伝達する駆動力伝達装置がある。こうした駆動力伝達装置は、例えば4輪駆動車両における補助駆動輪側への駆動力伝達経路に設けられ、補助駆動輪に伝達するトルクを制御している(例えば、特許文献1)。
ところで、駆動力伝達装置に用いられるトルクカップリングでは、各構成部品の寸法ばらつきなどに起因して、ECUから供給される電流と入力側から出力側に伝達するトルクとの関係(I−T特性)がトルクカップリング毎にばらつく。また、一般にECUとトルクカップリングとは別々に製造されて車両への搭載時に組み合わされるため、トルクカップリング毎のばらつきに対応したI−T特性情報を車両への搭載前にECUに記憶させておくことは困難である。
そこで、特許文献2に記載された電磁クラッチと同様に、I−T特性をトルクカップリング毎に測定するとともに、測定されたI−T特性に応じてトルクカップリングをランク分けし、ランク毎に抵抗値の異なる抵抗素子をトルクカップリングに取り付ける。一方、ECUには各ランクに応じた複数のI−T特性情報を記憶させておく。そして、ECUがトルクカップリングに取り付けられた抵抗素子の抵抗値を読み取ることで該トルクカップリングのランクを認識し、そのランクのI−T特性情報を用いて電流を電磁クラッチに供給することで、トルクカップリングにより伝達されるトルクのばらつきを低減している。
特開2002−340053号公報 特開平5−332373号公報
ところで、近年、車両においては、従来にも増して、高精度にトルクを伝達することが要求されるようになっている。しかしながら、上記従来の構成では、所定範囲にあるI−T特性のトルクカップリングを同一のランクに分類しているため、同一ランクに分類された各トルクカップリングの間においてなお、その個体毎にI−T特性のばらつきが生じ、高精度に伝達トルクを制御することができないという問題があった。また、同じ指令電流値に対して、ECUを構成する電子部品の値のばらつきに起因してECU毎に電流値のばらつきが生じるため、これによってもトルクカップリングにより伝達されるトルクがばらついてしまう。
さらに、上記従来の構成では、I−T特性に応じて分類されたトルクカップリングのランクを認識するために抵抗素子が必要となり、その抵抗素子を取り付ける必要があるため、部品点数の増加及びコスト増大を招いていた。
またさらに、上記従来の構成では、ECUやトルクカップリング以外の車両の駆動力伝達系の構成部品に起因するばらつきを抑制することはできなかった。
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、I−T特性のばらつきに応じて高精度に伝達トルクを制御できる駆動力伝達装置及びその調整方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、車両の駆動力伝達系に設けられ、電磁クラッチに供給される電流に応じて入力側から出力側に伝達する伝達トルクを変化させるトルクカップリングと、前記電磁クラッチに出力する電流と前記伝達トルクとの関係を示すI−T特性情報を記憶する記憶手段を有し、該記憶手段に記憶されたI−T特性情報に基づいて前記トルクカップリングに電流を出力する制御手段と、を備えた駆動力伝達装置であって、前記車両が走行しておらず前記I−T特性情報を学習可能な学習可能状態であるか否かを判定する判定手段と、前記判定手段により前記車両が前記学習可能状態であると判定された場合に、前記電磁クラッチに供給する電流を変化させるとともに前記入力側に設けられた駆動輪と前記出力側に設けられた駆動輪との間の車輪速差の変化を測定し、測定した値に基づいて前記記憶手段に記憶されたI−T特性情報を補正する学習手段とを備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、車両が学習可能状態である場合に、電磁クラッチに所定の電流を供給したときの車輪速差の変化を測定し、該測定した値に基づいて記憶手段に記憶されたI−T特性情報が補正される。従って、トルクカップリング毎のばらつきに対応したI−T特性情報により伝達トルクが制御されるため、I−T特性に応じたランク分けによりトルクカップリングのばらつきに対応する場合に比べ、高精度に伝達トルクが制御される。また、トルクカップリングに組み合わされた制御手段が電磁クラッチに電流を供給して車輪速差を測定し、トルクカップリングのI−T特性情報を作成するため、制御手段のばらつきも含まれたI−T特性情報となり、より高精度に伝達トルクが制御される。さらに、車輪速差の変化に基づいてトルクカップリングのI−T特性情報を作成するため、例えばディファレンシャル装置等の駆動力伝達系の構成部品に起因するばらつきも含まれたI−T特性情報となり、実際の車両走行時において好適に伝達トルクが制御される。さらにまた、上記従来のように、制御手段がトルクカップリングのI−T特性情報を認識するための抵抗素子を設ける必要がなく、部品点数が削減される。
また、車両を整備した場合やトルクカップリング又は制御手段を交換した場合などに、例えば整備工場などでトルクカップリングのI−T特性マップを調整することが可能になるため、高精度なトルク伝達の制御が維持される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の駆動力伝達装置において、前記トルクカップリングは、駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪と前記車両の状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪とを備えた4輪駆動車に、前記補助駆動輪への伝達トルクを変更可能に搭載され、前記判定手段は、4輪駆動状態での加速時における前記主駆動輪及び前記補助駆動輪の少なくとも何れか一方の車輪速が第1の所定車輪速から第2の所定車輪速に達するまでの加速度が所定加速度以上であり、且つ前記第2の所定車輪速に達した後に前記車両の変速機がニュートラルとなった場合に、前記車両が前記学習可能状態であると判定し、前記学習手段は、前記主駆動輪又は前記補助駆動輪にブレーキが作用して前記主駆動輪と前記補助駆動輪との間の車輪速差が所定の速度範囲内になった後に、前記電磁クラッチに所定の電流を供給した際の前記主駆動輪及び前記補助駆動輪の車輪速差の変化を測定し、測定した値に基づいて前記記憶手段に記憶されたI−T特性情報を補正することを要旨とする。
上記構成によれば、例えば車両を支持装置等でリフトアップして主駆動輪及び補助駆動輪を空中に浮かせることで、車両を学習可能状態に移行させることが可能になるため、シャシダイナモ(前輪及び後輪を回転又は固定可能な装置)のように高価な装置を用いずとも、駆動力伝達装置の調整を行うことが可能になる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の駆動力伝達装置において、前記トルクカップリングは、駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪と前記車両の状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪とを備えた4輪駆動車に、前記補助駆動輪への伝達トルクを変更可能に搭載され、前記判定手段は、前記車両の変速機がニュートラルであり、且つ前記主駆動輪及び前記補助駆動輪のうちの何れか一方が外部からの駆動力の入力により駆動されるとともに何れか他方が固定された状態において、前記主駆動輪と前記補助駆動輪との間の車輪速差が所定の速度範囲内になった場合に、前記車両が前記学習可能状態であると判定し、前記学習手段は、前記外部からの駆動力の入力が遮断された後に前記電磁クラッチに所定の電流を供給した際の前記主駆動輪及び前記補助駆動輪の車輪速差の変化を測定し、測定した値に基づいて前記記憶手段に記憶されたI−T特性情報を補正することを要旨とする。
上記構成によれば、車両を例えばシャシダイナモ上に載置して前輪及び後輪の何れか一方を固定することで、車両を学習可能状態に移行させることが可能になるため、車両をリフトアップする必要がなく、速やかに駆動力伝達装置の調整を行うことが可能になる。
請求項4に記載の発明は、車両の駆動力伝達系に設けられ、電磁クラッチに供給される電流に応じて入力側から出力側に伝達する伝達トルクを変化させるトルクカップリングと、前記電磁クラッチに出力する電流と前記伝達トルクとの関係を示すI−T特性情報を記憶する記憶手段を有し、該記憶手段に記憶されたI−T特性情報に基づいて前記トルクカップリングに電流を出力する制御手段と、を備えた駆動力伝達装置の調整方法であって、前記車両を、該車両が走行しておらず前記I−T特性情報を学習可能な学習可能状態にする移行ステップと、前記車両を前記学習可能状態にした場合に、前記電磁クラッチに供給する電流を変化させるとともに前記入力側に設けられた駆動輪と前記出力側に設けられた駆動輪との間の車輪速差の変化を測定し、測定した値に基づいて前記記憶手段に記憶されたI−T特性情報を補正する学習ステップとを備えたことを要旨とする。
上記構成によれば、記憶手段に記憶されたI−T特性情報が電磁クラッチ毎のばらつきに対応したI−T特性情報に補正されるため、I−T特性に応じたランク分けによりトルクカップリングのばらつきに対応する場合に比べ、高精度に伝達トルクが制御される。また、トルクカップリングに組み合わされた制御手段が電磁クラッチに電流を供給してトルクカップリングのI−T特性情報を作成するため、制御手段のばらつきも含まれたI−T特性情報が作成され、より高精度に伝達トルクが制御される。さらに、車輪速差の変化に基づいてトルクカップリングのI−T特性情報を作成するため、例えばディファレンシャル装置等の駆動力伝達系の構成部品に起因するばらつきも含まれたI−T特性情報となり、実際の車両走行時において好適に伝達トルクが制御される。さらにまた、上記従来のように、制御手段がトルクカップリングのI−T特性情報を認識するための抵抗素子を設ける必要がなく、部品点数が削減される。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の駆動力伝達装置の調整方法であって、前記トルクカップリングは、駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪と前記車両の状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪とを備えた4輪駆動車に、前記補助駆動輪への伝達トルクを変更可能に搭載され、前記移行ステップは、前記主駆動輪及び前記補助駆動輪を空中に浮かせるステップと、空中に浮いた状態の前記主駆動輪及び前記補助駆動輪を所定の車輪速以上の回転状態にするステップと、前記車両の変速機をニュートラルにするステップとから構成され、前記学習ステップは、前記主駆動輪と前記補助駆動輪との間の車輪速差所定の速度範囲内になった後に、前記電磁クラッチに所定の電流を供給した際の前記主駆動輪及び前記補助駆動輪の車輪速差の変化を測定するステップと、測定した値に基づいて前記記憶手段に記憶されたI−T特性情報を補正するステップとから構成されることを要旨とする。
上記構成によれば、例えば車両を支持装置等でリフトアップして主駆動輪及び補助駆動輪を空中に浮かせることで、車両を学習可能状態に移行させることが可能になるため、例えばシャシダイナモ(前輪及び後輪を回転又は固定可能な装置)のように高価な装置を用いずとも、駆動力伝達装置の調整を行うことが可能になる。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の駆動力伝達装置の調整方法であって、前記トルクカップリングは、駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪と前記車両の状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪とを備えた4輪駆動車に、前記補助駆動輪への伝達トルクを変更可能に搭載され、前記移行ステップは、前記主駆動輪及び前記補助駆動輪のうちの何れか一方を外部からの駆動力の入力により回転可能にするとともに何れか他方を固定した状態にするステップと、前記車両の変速機をニュートラルにするステップと、前記外部からの駆動力の入力により前記主駆動輪と前記補助駆動輪との車輪速差を所定の速度範囲内にするステップとから構成され、前記学習ステップは、前記外部からの駆動力の入力が遮断された後に前記電磁クラッチに所定の電流を供給した際の前記主駆動輪及び前記補助駆動輪の車輪速差の変化を測定するステップと、測定した値に基づいて前記記憶手段に記憶されたI−T特性情報を補正するステップとから構成されることを要旨とする。
上記構成によれば、車両を例えばシャシダイナモ上に載置して前輪及び後輪の何れか一方を固定することで、車両を学習可能状態に移行させることが可能になるため、車両をリフトアップする必要がなく、速やかに駆動力伝達装置の調整が行うことが可能になる。
本発明によれば、I−T特性のばらつきに応じて高精度に伝達トルクを制御可能な駆動力伝達装置及びその調整方法を提供することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、前輪駆動車をベースとする4輪駆動車である。車両1の前部(図1において左側)にはエンジン2が搭載されるとともに、そのエンジン2に組み付けられたトランスアクスル3には、一対のフロントアクスル4が連結されている。また、トランスアクスル3には、上記各フロントアクスル4とともにプロペラシャフト5が連結されている。プロペラシャフト5は、トルクカップリング6を介してピニオンシャフト(ドライブピニオンシャフト)7と連結可能となっている。そして、ピニオンシャフト7は、リヤディファレンシャル8を介して一対のリヤアクスル9と連結されている。従って、エンジン2のトルクは、トランスアクスル3からフロントアクスル4を介して前輪10fに伝達されるとともに、トランスアクスル3からプロペラシャフト5、トルクカップリング6、ピニオンシャフト7、リヤディファレンシャル8及び各リヤアクスル9を介して後輪10rに伝達されるようになっている。なお、トルクカップリング6は、ピニオンシャフト7、及びリヤディファレンシャル8とともに、ディファレンシャルキャリヤ11内に収容されている。
トルクカップリング6は、電磁コイルに供給される電流量に応じてその摩擦係合力が変化する電磁クラッチ12を備えており、その摩擦係合力に基づくトルクをプロペラシャフト5からリヤディファレンシャル8へと伝達するように構成されている。また、トルクカップリング6には、制御手段、判定手段及び学習手段としてのECU13が接続されている。そして、ECU13は、電磁クラッチ12への電流供給を通じてトルクカップリング6の作動を制御することにより、主駆動輪である前輪10fと補助駆動輪である後輪10rとの間の駆動力配分(後輪10rに伝達するトルク)を制御する。つまり、トルクカップリング6及びECU13により駆動力伝達装置14が構成されている。
詳述すると、ECU13には、アクセル開度センサ15及び車輪速センサ16a〜16dが接続されている。ECU13は、各車輪速センサ16a〜16dにより検出された各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlに基づいて車速V及び前輪10fと後輪10rとの間の車輪速差ΔWを算出する。また、ECU13には、アクセル開度センサ15により検出されたアクセル開度信号Saが入力されるとともに、上位ECU(図示略)からギヤポジション信号Sgやサイドブレーキ信号Sbr等の各種信号が入力される。そして、ECU13は、これら車速V,車輪速差ΔW及びアクセル開度信号Saに基づいて指令トルクを算出する。なお、ECU13は、所定のマップを参照することにより、車速V及び車輪速差ΔWに基づいた第1トルクと車速V及びアクセル開度信号Saに基づいた第2トルクとを算出するとともに、これら第1トルクと第2トルクとを足し合わせることで指令トルクを算出する。
また、ECU13には、電磁クラッチ12に供給する電流と、後輪10rに伝達するトルクとの関係を示すI−T特性マップを記憶する記憶手段としてのメモリ17が設けられている。そして、ECU13は、上記のように算出した指令トルクをメモリ17に記憶されたI−T特性情報としてのI−T特性マップに照らし合わせ、該指令トルクに基づいた指令電流値を算出し、指令電流値に応じた電流を電磁クラッチ12に供給する。なお、I−T特性マップは、指令トルクの絶対値が大きくなる程、電流が大きくなるように設定されている。
次に、上記のように構成された駆動力伝達装置14のばらつき調整方法について説明する。
本実施形態では、先ず、前輪10f及び後輪10rに路面から摩擦力が作用しない状態、即ち4輪駆動状態での加速時における各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの平均値Vaveが第1の所定車輪速V1から第2の所定車輪速V2に達するまでの加速度αが所定加速度αth以上となるようにする。続いて、平均値Vaveを第2の所定車輪速V2以上にした後に変速機(図示略)のギヤポジションがニュートラル位置とする(学習可能状態)。次に、ECU13は、前輪10f又は後輪10rにブレーキを作用させて車輪速差ΔWを所定の速度範囲内にした後に、電磁クラッチ12に所定の電流値(例えば、低μ路などで実用される低い電流値)を供給する。そして、ECU13は、そのときの車輪速差ΔWの変化を測定し、測定した値に基づいてメモリ17に記憶されたトルクカップリング6のI−T特性マップを補正することで、駆動力伝達装置14の調整を行う。
具体的には、図2に示すように、作業者が車両1を支持装置20にリフトアップすることで前輪10f及び後輪10rを空中に浮かせて前輪10f及び後輪10rに路面から摩擦力が作用しない状態(フリー状態)にする。次に、例えばアクセルペダル(図示略)を操作することで、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの平均値Vaveが第2の所定車輪速V2(例えば、60km/h)以上の回転状態とする。なお、前輪10f及び後輪10rはフリー状態であるため、アクセルを操作すると、車輪速差ΔWが大きくなることで前輪10fと後輪10rとの間の駆動力配分が50:50になり、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlは略同じ車輪速になる。また、車両1がリフトアップされて前輪10f及び後輪10rがフリー状態では、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlの平均値Vaveが第1の所定車輪速V1から第2の所定車輪速V2に達するまでの加速度αが所定加速度αth(前輪10f及び後輪10rが接地状態である場合に比べ、十分に大きな値)以上になる。続いて、作業者は、シフトレバー(図示略)を操作してギヤポジションをニュートラル位置(エンジン2のトルクが主駆動輪に伝達されない状態)にすることで、学習可能状態にする。
ECU13は、車両1が学習可能状態になると、トルクカップリング6に供給する電流を停止するとともに、図示しないブレーキ制御装置にブレーキ制御信号を出力して前輪10fのみを停止させ、車輪速差ΔWが所定の速度範囲内(第1の所定車輪速差W1よりも大きく第2の所定車輪速差W2よりも小さい範囲)になることを待つ。なお、本実施形態では、前輪10fは、I−T特性マップの補正が行われる間を通して、ブレーキにより停止状態が維持されるようになっている。続いて、ECU13は、車輪速差ΔWが所定の速度範囲内になると、所定の電流を電磁クラッチ12に供給して、車輪速差ΔWが規定値ω1になるまでの時間tを測定する。そして、ECU13が、測定した時間tと予め設定された基準時間Tとを比較し、メモリ17に記憶されたトルクカップリング6のI−T特性マップを補正する。
次に、駆動力伝達装置14の調整方法の処理手順について図3のフローチャートに従って詳細に説明する。先ず、ECU13は、車両状態量として上記各センサからセンサ値を取り込むと(ステップ101)、車両1が学習可能状態、即ち学習制御に移行可能な状態であるか否かの判定を行う(ステップ102)。
車両1が学習制御に移行可能な状態であるか否かの判定は、図4のフローチャートに示すように、前輪10f及び後輪10rの状態を判定する(ステップ201)。本実施形態では、平均値Vaveが第1の所定車輪速V1(例えば、5km/h)から第2の所定車輪速V2になるまでの時間が予め設定された所定時間よりも小さい場合に、その間の加速度αが所定加速度αth以上であり、前輪10f及び後輪10rがフリー状態であると判定する。
次に、ECU13は、ステップ201で行った判定の結果に基づいて加速度αが所定加速度αth以上であるか否かを判定し(ステップ202)、加速度αが所定加速度αth以上である場合(ステップ202:YES)には、平均値Vaveが第2の所定車輪速V2以上であるか否かを判定する(ステップ203)。ECU13は、平均値Vaveが第2の所定車輪速V2以上である場合(ステップ203:YES)には、ギヤポジションがニュートラル位置であるか否かを判定し(ステップ204)、ギヤポジションがニュートラル位置である場合(ステップ204:YES)には、学習制御に移行する移行フラグをセットし(ステップ205)、処理を終了する。一方、加速度αが所定加速度αthより小さい場合(ステップ202:NO)には、ステップ203〜204の処理を実行せず、移行フラグをセットしない。同様に、平均値Vaveが第2の所定車輪速V2よりも小さい場合(ステップ203:NO)及びギヤポジションがニュートラル位置でない場合(ステップ204:NO)には、移行フラグをセットしない。
上記のようにステップ102で行った学習制御移行判定の結果に基づき、ECU13は、移行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ103)。移行フラグがセットされている場合(ステップ103:YES)には、ECU13は、学習制御を実行し(ステップ104)、移行フラグがセットされていない場合(ステップ103:NO)には、処理を終了する。
次に学習制御の処理手順について、図5のフローチャートに従って説明する。先ず、ECU13は、トルクカップリング6に出力する電流を停止する(ステップ301)とともに、ブレーキ制御信号を出力し(ステップ302)、車輪速差ΔWが所定の速度範囲内になるようにする。そして、ECU13は、トルクカップリング6に所定の電流を供給して車輪速差ΔWの変化を測定し(ステップ303)、測定した値基づいてI−T特性マップを補正する(ステップ304)。
このようにして、個体毎に応じたトルクカップリング6のI−T特性がメモリ17に記憶されるため、I−T特性に応じたランク分けによりトルクカップリング6のばらつきに対応する場合に比べ、高精度に伝達トルクが制御される。また、トルクカップリング6に組み合わされたECU13が電流を電磁クラッチ12に供給してトルクカップリング6のI−T特性マップを補正するため、ECU13のばらつきも含まれたI−T特性となり、より高精度に伝達トルクが制御される。さらに、車輪速差ΔWの変化に基づいてトルクカップリング6のI−T特性マップを補正するため、リヤディファレンシャル8等の駆動力伝達系の構成部品に起因するばらつきも含まれたI−T特性マップとなり、実際の車両走行時において好適に伝達トルクが制御される。さらにまた、上記従来のように、ECU13がトルクカップリング6のI−T特性情報を認識するための抵抗素子を設ける必要がなく、部品点数が削減される。
以上記述したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)ECU13は、車両1が学習可能状態であるか否かを判定する。そして、ECU13は、車両1が学習可能状態であると判定された場合に、電磁クラッチ12に所定の電流を供給したときの車輪速差ΔWの変化を測定し、測定した値に基づいてメモリ17に記憶されたトルクカップリング6のI−T特性マップを補正するようにした。従って、個体毎に応じたI−T特性マップにより伝達トルクが制御されるため、I−T特性に応じたランク分けによりトルクカップリングのばらつきに対応する場合に比べ、高精度に伝達トルクを制御できる。また、トルクカップリング6に組み合わされたECU13が電流を電磁クラッチ12に供給してトルクカップリング6のI−T特性マップを作成するため、ECU13のばらつきも含まれたI−T特性マップとなり、より高精度に伝達トルクを制御できる。さらに、車輪速差ΔWの変化に基づいてトルクカップリング6のI−T特性マップを作成するため、リヤディファレンシャル8等の駆動力伝達系の構成部品に起因するばらつきも含まれたI−T特性マップとなり、実際の車両走行時において好適に伝達トルクを制御できる。さらにまた、上記従来のように、ECUがトルクカップリング6のI−T特性情報を認識するための抵抗素子を設ける必要がなく、部品点数を削減することが可能になり、コスト増大を防止できる。
(2)車両1を整備した場合やトルクカップリング6又はECU13を交換した場合などに、例えば整備工場などでトルクカップリング6のI−T特性マップを調整することが可能になるため、高精度なトルク伝達の制御を維持することができる。
(3)トルクカップリング6に、低μ路などで実用される低い電流値を供給してトルクカップリング6のI−T特性情報を作成することで、低μ路などで実用される機会の多い電流域でのばらつきを低減し、高精度に伝達トルクを制御できる。
(4)車両1をリフトアップして各車輪がフリー状態にすることで、車両1を学習可能状態に移行させることが可能になるため、シャシダイナモ30のように高価な装置を用いずとも、駆動力伝達装置14の調整を行うことができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。なお、説明の便宜上、同一の構成については上記第一実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
本実施形態では、駆動力伝達装置14のばらつきの調整を行うに際して、先ずギヤポジションがニュートラル位置であり、且つ前輪10f及び後輪10rのうちの何れか一方が外部からの駆動力の入力により駆動されるとともに何れか他方が固定され、車輪速差ΔWが所定の速度範囲内になった状態(学習可能状態)にする。そして、外部からの駆動力が遮断された後に、電磁クラッチ12に所定の電流値を供給して、そのときの車輪速差ΔWの変化を測定し、測定した値に基づいてメモリ17に記憶されたトルクカップリング6のI−T特性マップを補正することで、駆動力伝達装置14の調整を行う。
具体的には、図6に示すように、車両1をシャシダイナモ30上に載置する。なお、シャシダイナモ30は、駆動力の入力により前輪10fを回転又は固定させる前輪ローラ31と、駆動力の入力により後輪10rを回転又は固定させる後輪ローラ32とを備えている。車両1をシャシダイナモ30上に載置した後に、後輪10rを後輪ローラ32により固定するとともに、サイドブレーキ(図示略)により後輪10rを制動することで、後輪10rを固定状態にする。続いて、例えばシフトレバーを操作してギヤポジションをニュートラル位置にすることで、前輪10fにエンジン2のトルクが伝達されない状態にする。続いて、前輪ローラ31を所定速度で回転させることで、車輪速差ΔWが所定範囲内の車輪速差となるようにして学習可能状態にし、前輪ローラ31への駆動力の入力を停止して、前輪10fと前輪ローラ31が惰性で回転する状態にする。ECU13は、車両1が学習可能状態になり、且つ前輪ローラ31への駆動力の入力を停止した後に、所定の電流を電磁クラッチ12に供給して、車輪速差ΔWが規定値ω1になるまでの時間tを測定する。そして、ECU13が、測定した時間tと予め設定された基準時間Tとを比較してトルクカップリング6のI−T特性マップを補正する。なお、後輪10rは、I−T特性マップの補正が行われる間を通して、停止状態が維持されるようになっている。また、前輪ローラ31は、車輪速差ΔWが所定範囲内の車輪速差になると駆動力の入力が停止されるようになっている。
次に、駆動力伝達装置14の調整方法の処理手順について説明する。上記第1実施形態と同様、図3のフローチャートに示すように、ECU13は、車両状態量として上記各センサからセンサ値を取り込むと(ステップ101)、車両1が学習可能状態、即ち学習制御に移行可能な状態であるか否かの判定を行う(ステップ102)。
車両1が学習制御に移行可能な状態であるか否かの判定は、図7のフローチャートに示すように、前輪10f及び後輪10rの状態を判定する(ステップ401)。本実施形態では、ECU13は、例えばアクセル開度が0である状態において、前輪10f又は後輪10rが回転状態である場合に、車両1がシャシダイナモ30上に載置されていると判定し、サイドブレーキ信号Sbrが入力されるとともに後輪10rの車輪速Vrr,Vrlが0である場合に、後輪10rが固定された状態であると判定する。
次に、ECU13は、ステップ301で行った判定の結果に基づいて車両1が、シャシダイナモ30上に載置され、後輪10rが固定された状態であるか否かを判定する(ステップ402)。後輪10rが固定された状態でシャシダイナモ30上に載置されている場合(ステップ402:YES)には、ギヤポジションがニュートラル位置にあるか否かを判定する(ステップ403)。そして、ECU13は、ギヤポジションがニュートラル位置である場合(ステップ403:YES)には、所定時間内に車輪速差ΔWが第1の所定車輪速差W1よりも大きく第2の所定車輪速差W2よりも小さい値になるか否かを判定する(ステップ404)。所定時間内に車輪速差ΔWが第1の所定車輪速差W1よりも大きく第2の所定車輪速差W2よりも小さい値になった場合(ステップ404:YES)には、学習制御に移行する移行フラグをセットし(ステップ405)、処理を終了する。
一方、車両1が、後輪10rが固定された状態でシャシダイナモ30に載置されていない場合(ステップ402:NO)には、ステップ403〜405の処理を実行せず、移行フラグをセットしない。同様に、ギヤポジションがニュートラル位置でない場合(ステップ403:NO)、及び所定時間内に車輪速差ΔWが第1の所定車輪速差W1よりも大きく第2の所定車輪速差W2よりも小さい値にならない場合(ステップ404:NO)には、移行フラグをセットしない。
図3に示すように、上記のようにステップ102で行った学習制御移行判定の結果に基づき、ECU13は、移行フラグがセットされているか否かを判定する(ステップ103)。移行フラグがセットされている場合(ステップ103:YES)には、ECU13は、学習制御を実行し(ステップ104)、移行フラグがセットされていない場合(ステップ103:NO)には、処理を終了する。なお、学習制御は、図5に示すフローチャートのステップ303,304と同様の処理により実行される。
以上、本実施形態によれば、第一実施形態の(1)〜(3)の効果と同様の効果に加えて以下の効果を奏する。
(5)車両1をシャシダイナモ30上に載置して後輪10rを固定することで、車両1を学習可能状態に移行させることが可能になるため、車両1をリフトアップする必要がなく、速やかに駆動力伝達装置14の調整を行うことができる。
なお、上記各実施形態は、以下の態様で実施してもよい。
・上記第1実施形態では、前輪10fのみを停止させることで、車輪速差ΔWが所定の速度範囲内になるようにしたが、これに限らず、車輪速差ΔWが所定の速度範囲内になれば、前輪10fは回転した状態であってもよい。
・上記第1実施形態では、前輪10fは、I−T特性マップの補正が行われる間を通して、ブレーキにより停止状態が維持されるようしたが、これに限らず、一旦車輪速差ΔWが所定の速度範囲内になった後に、ブレーキを解除して前輪10fが回転するようにしてもよい。
・上記第1実施形態では、前輪10fを停止させたが、これに限らず、後輪10rを停止させてもよい。
・上記第1実施形態では、ECU13がブレーキ制御装置にブレーキ制御信号を出力することで前輪10fを停止させたが、これに限らず、ブレーキペダルを操作してブレーキを作用させてもよい。
・上記第1実施形態では、平均値Vaveが第1の所定車輪速V1から第2の所定車輪速V2になるまでの時間が予め設定された所定時間よりも小さい場合に、その加速度αが所定加速度αth以上であると判定した。しかし、これに限らず、各車輪速Vfr,Vfl,Vrr,Vrlから加速度を演算し、演算された加速度と所定加速度αthとを比較するようにしてもよい。なお、この場合には、前輪10f及び後輪10rのうちの何れか一方の加速度が所定加速度αth以上となればよい。
上記第1実施形態では、平均値Vaveが第2の所定車輪速V2に達するまでの加速度αが所定加速度αth以上であるか否かを判定したが、前輪10f及び後輪10rのうちの何れか一方の加速度が所定加速度αth以上か否かを、学習可能状態であるか否かの判定条件としてもよい。
・上記第1実施形態では、車両1を支持装置20にリフトアップすることで前輪10f及び後輪10rをフリー状態にしたが、これに限らず、前輪10f及び後輪10rをフリー状態することが可能であれば、車両1をリフトアップしなくともよい。
・上記第2実施形態では、後輪10rを固定したが、これに限らず、前輪10fを固定するようにしてもよい。
・上記第2実施形態では、車両1をシャシダイナモ30上に載置したが、これに限らず、前輪10f及び後輪10rを回転又は固定させることが可能であれば、その他の装置であってもよい。
・上記各実施形態では、低μ路などで実用される低い電流値を供給してトルクカップリング6のI−T特性マップを作成したが、電磁クラッチ12に供給する電流値はどのような値であってもよい。
・上記各実施形態では、本発明を、前輪10fを主駆動輪とする車両1の駆動力伝達装置14に具体化したが、後輪10rを主駆動輪とする車両の駆動力伝達装置に具体化してもよい。
・上記各実施形態では、駆動力伝達装置を4輪駆動車両における補助駆動輪側への駆動力伝達経路に設け、補助駆動輪に伝達するトルクを制御するようにしたが、これに限らず、例えば、車両の左右輪の差回転を制限する差動制限装置に適用してもよい。
駆動力伝達装置を備えた車両の概略構成図。 支持装置より車両がリフトアップされた状態を示す概略構成図。 駆動力伝達装置のばらつき調整方法の処理手順を示すフローチャート。 第1実施形態の学習制御移行判定の処理手順を示すフローチャート。 第1実施形態の学習制御の処理手順を示すフローチャート。 車両がシャシダイナモ上に載置された状態を示す概略構成図。 第2実施形態の学習制御移行判定の処理手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…車両、2…エンジン、6…トルクカップリング、10f…前輪、10r…後輪、12…電磁クラッチ、13…ECU、14…駆動力伝達装置、17…メモリ、20…支持装置、30…シャシダイナモ、31…前輪ドラム、32…後輪ドラム、Sbr…サイドブレーキ信号、Sg…ギヤポジション信号、T…基準時間、α…加速度、ΔW…車輪速差。

Claims (6)

  1. 車両の駆動力伝達系に設けられ、電磁クラッチに供給される電流に応じて入力側から出力側に伝達する伝達トルクを変化させるトルクカップリングと、
    前記電磁クラッチに出力する電流と前記伝達トルクとの関係を示すI−T特性情報を記憶する記憶手段を有し、該記憶手段に記憶されたI−T特性情報に基づいて前記トルクカップリングに電流を出力する制御手段と、を備えた駆動力伝達装置であって、
    前記車両が走行しておらず前記I−T特性情報を学習可能な学習可能状態であるか否かを判定する判定手段と、
    前記判定手段により前記車両が前記学習可能状態であると判定された場合に、前記電磁クラッチに供給する電流を変化させるとともに前記入力側に設けられた駆動輪と前記出力側に設けられた駆動輪との間の車輪速差の変化を測定し、測定した値に基づいて前記記憶手段に記憶されたI−T特性情報を補正する学習手段と
    を備えたことを特徴とする駆動力伝達装置。
  2. 前記トルクカップリングは、駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪と前記車両の状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪とを備えた4輪駆動車に、前記補助駆動輪への伝達トルクを変更可能に搭載され、
    前記判定手段は、4輪駆動状態での加速時における前記主駆動輪及び前記補助駆動輪の少なくとも何れか一方の車輪速が第1の所定車輪速から第2の所定車輪速に達するまでの加速度が所定加速度以上であり、且つ前記第2の所定車輪速に達した後に前記車両の変速機がニュートラルとなった場合に、前記車両が前記学習可能状態であると判定し、
    前記学習手段は、前記主駆動輪又は前記補助駆動輪にブレーキが作用して前記主駆動輪と前記補助駆動輪との間の車輪速差が所定の速度範囲内になった後に、前記電磁クラッチに所定の電流を供給した際の前記主駆動輪及び前記補助駆動輪の車輪速差の変化を測定し、測定した値に基づいて前記記憶手段に記憶されたI−T特性情報を補正することを特徴とする請求項1に記載の駆動力伝達装置。
  3. 前記トルクカップリングは、駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪と前記車両の状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪とを備えた4輪駆動車に、前記補助駆動輪への伝達トルクを変更可能に搭載され、
    前記判定手段は、前記車両の変速機がニュートラルであり、且つ前記主駆動輪及び前記補助駆動輪のうちの何れか一方が外部からの駆動力の入力により駆動されるとともに何れか他方が固定された状態において、前記主駆動輪と前記補助駆動輪との間の車輪速差が所定の速度範囲内になった場合に、前記車両が前記学習可能状態であると判定し、
    前記学習手段は、前記外部からの駆動力の入力が遮断された後に前記電磁クラッチに所定の電流を供給した際の前記主駆動輪及び前記補助駆動輪の車輪速差の変化を測定し、測定した値に基づいて前記記憶手段に記憶されたI−T特性情報を補正することを特徴とする請求項1に記載の駆動力伝達装置。
  4. 車両の駆動力伝達系に設けられ、電磁クラッチに供給される電流に応じて入力側から出力側に伝達する伝達トルクを変化させるトルクカップリングと、
    前記電磁クラッチに出力する電流と前記伝達トルクとの関係を示すI−T特性情報を記憶する記憶手段を有し、該記憶手段に記憶されたI−T特性情報に基づいて前記トルクカップリングに電流を出力する制御手段と、を備えた駆動力伝達装置の調整方法であって、
    前記車両を、該車両が走行しておらず前記I−T特性情報を学習可能な学習可能状態にする移行ステップと、
    前記車両を前記学習可能状態にした場合に、前記電磁クラッチに供給する電流を変化させるとともに前記入力側に設けられた駆動輪と前記出力側に設けられた駆動輪との間の車輪速差の変化を測定し、測定した値に基づいて前記記憶手段に記憶されたI−T特性情報を補正する学習ステップとを備えたことを特徴とする駆動力伝達装置の調整方法。
  5. 前記トルクカップリングは、駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪と前記車両の状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪とを備えた4輪駆動車に、前記補助駆動輪への伝達トルクを変更可能に搭載され、
    前記移行ステップは、
    前記主駆動輪及び前記補助駆動輪を空中に浮かせるステップと、
    空中に浮いた状態の前記主駆動輪及び前記補助駆動輪を所定の車輪速以上の回転状態にするステップと、
    前記車両の変速機をニュートラルにするステップとから構成され、
    前記学習ステップは、
    前記主駆動輪と前記補助駆動輪との間の車輪速差所定の速度範囲内になった後に、前記電磁クラッチに所定の電流を供給した際の前記主駆動輪及び前記補助駆動輪の車輪速差の変化を測定するステップと、
    測定した値に基づいて前記記憶手段に記憶されたI−T特性情報を補正するステップとから構成されることを特徴とする請求項4に記載の駆動力伝達装置の調整方法。
  6. 前記トルクカップリングは、駆動源のトルクが常時伝達される主駆動輪と前記車両の状態に応じて必要時に前記駆動源のトルクが伝達される補助駆動輪とを備えた4輪駆動車に、前記補助駆動輪への伝達トルクを変更可能に搭載され、
    前記移行ステップは、
    前記主駆動輪及び前記補助駆動輪のうちの何れか一方を外部からの駆動力の入力により回転可能にするとともに何れか他方を固定した状態にするステップと、
    前記車両の変速機をニュートラルにするステップと、
    前記外部からの駆動力の入力により前記主駆動輪と前記補助駆動輪との車輪速差を所定の速度範囲内にするステップとから構成され、
    前記学習ステップは、
    前記外部からの駆動力の入力が遮断された後に前記電磁クラッチに所定の電流を供給した際の前記主駆動輪及び前記補助駆動輪の車輪速差の変化を測定するステップと、
    測定した値に基づいて前記記憶手段に記憶されたI−T特性情報を補正するステップとから構成されることを特徴とする請求項4に記載の駆動力伝達装置の調整方法。
JP2007263964A 2007-10-10 2007-10-10 駆動力伝達装置及び駆動力伝達装置の調整方法 Expired - Fee Related JP5125384B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007263964A JP5125384B2 (ja) 2007-10-10 2007-10-10 駆動力伝達装置及び駆動力伝達装置の調整方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007263964A JP5125384B2 (ja) 2007-10-10 2007-10-10 駆動力伝達装置及び駆動力伝達装置の調整方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009090835A JP2009090835A (ja) 2009-04-30
JP5125384B2 true JP5125384B2 (ja) 2013-01-23

Family

ID=40663251

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007263964A Expired - Fee Related JP5125384B2 (ja) 2007-10-10 2007-10-10 駆動力伝達装置及び駆動力伝達装置の調整方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5125384B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5837391B2 (ja) * 2011-10-31 2015-12-24 アイシン・エーアイ株式会社 車両の駆動状態制御装置
JP6753352B2 (ja) 2017-04-04 2020-09-09 トヨタ自動車株式会社 4輪駆動車両の制御装置
JP7024659B2 (ja) * 2018-08-09 2022-02-24 トヨタ自動車株式会社 四輪駆動車両

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08177889A (ja) * 1994-12-26 1996-07-12 Nippondenso Co Ltd 車両用電磁クラッチ制御装置
JP3838302B2 (ja) * 1998-03-31 2006-10-25 トヨタ自動車株式会社 車両用トルク配分クラッチの制御装置
JP2001003963A (ja) * 1999-06-23 2001-01-09 Aisan Ind Co Ltd 電磁クラッチの制御装置
JP3525847B2 (ja) * 2000-03-15 2004-05-10 日産自動車株式会社 四輪駆動車の駆動力配分制御装置
JP4429845B2 (ja) * 2004-08-23 2010-03-10 本田技研工業株式会社 四輪駆動車両の故障検出装置
JP4542964B2 (ja) * 2005-08-02 2010-09-15 株式会社ジェイテクト 駆動力配分装置
JP4840566B2 (ja) * 2005-11-11 2011-12-21 スズキ株式会社 車両の駆動力配分制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009090835A (ja) 2009-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9061685B2 (en) Drive state control apparatus for vehicle
JP5039451B2 (ja) 駆動トルクの配分方法
KR101046457B1 (ko) 4륜 구동차의 구동력 배분 제어 방법 및 장치
JP2001047996A (ja) 車両車輪滑り制御方法および装置
CN111806420B (zh) 控制轮轴转矩分布的方法
JP2009241766A (ja) 駆動力伝達装置、駆動力伝達装置の制御方法及び差動制限装置
CN107284447A (zh) 传动系输入转矩控制系统
EP1495903B1 (en) Power distribution control apparatus of four-wheel drive vehicle
JP5125384B2 (ja) 駆動力伝達装置及び駆動力伝達装置の調整方法
EP1813513B1 (en) Apparatus for axle velocity correction
US20080288149A1 (en) Method And System For Regulating Vehicle Dynamics
US11313420B2 (en) Control system in a four-wheel-drive motor vehicle and method for control
US9014938B2 (en) Travel control apparatus for four-wheel drive vehicle and travel control method for four-wheel drive vehicle
JP2012035835A (ja) 少なくとも選択的に4輪駆動される自動車用の全輪クラッチのトルク分配を制御するための方法および装置
JPH08136572A (ja) 車両における加速度センサ装置
JP2006250948A (ja) 車両用加速度センサの出力補正装置
US20040016585A1 (en) Four-wheel drive vehicle
JP2006528568A (ja) 少なくともパートタイム的に四輪駆動される自動車両のための制御装置
CN110402215B (zh) 通过操纵操作单元设定在机动车的车桥的车轮之间的转矩分配
JP2017087786A (ja) 四輪駆動車両の制御装置
US10065501B2 (en) Control system for an all-wheel clutch
JP4474413B2 (ja) 少なくとも一時的に四輪稼動される自動車用の制御システム
US11498578B2 (en) Method and drive system for estimating cardan shaft moments in drive trains
US8762019B2 (en) Operation method of a transmission device
US20100121544A1 (en) Driving power distribution control apparatus, differential limiting control apparatus, method for controlling torque coupling, and method for controlling differential apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100917

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121002

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121015

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees