JPH08177889A - 車両用電磁クラッチ制御装置 - Google Patents

車両用電磁クラッチ制御装置

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JPH08177889A
JPH08177889A JP6321099A JP32109994A JPH08177889A JP H08177889 A JPH08177889 A JP H08177889A JP 6321099 A JP6321099 A JP 6321099A JP 32109994 A JP32109994 A JP 32109994A JP H08177889 A JPH08177889 A JP H08177889A
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JP
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clutch
electromagnetic clutch
rotational speed
vehicle
speed
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JP6321099A
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English (en)
Inventor
Shinichi Iwamoto
伸一 岩元
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Denso Corp
Original Assignee
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)
  • Hydraulic Clutches, Magnetic Clutches, Fluid Clutches, And Fluid Joints (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 電磁クラッチの初期のバラツキや経時変化等
によるクラッチ滑りに対処でき、走行状態等に応じた適
切なクラッチトルクを得ること。 【構成】 ECU63内のCPUには各種スイッチのオ
ン/オフ信号及び各種センサからのパルス信号が入力さ
れ、ECU63から出力される種々のクラッチ電流が電
磁クラッチ1の給電用ブラシ19を介してコイル15に
流れて電磁クラッチ1のクラッチトルクが制御される。
電磁クラッチ1が例えば、直結制御モードでは、車速と
変速比とで算出される機関回転数より回転角センサ59
からの信号に基づく実回転数の方が所定回転数以上高い
ときには、電磁クラッチ1のクラッチ滑りが生じている
としてクラッチ電流が高くされ適切なクラッチトルクが
付与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用動力伝達装置に
おける電磁クラッチ制御装置に関し、特に、車両の走行
状態等に対応するクラッチ電流(クラッチトルク)制御
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、車両用電磁クラッチ制御装置に関
連する先行技術文献としては、特公平5−32256号
公報にて開示されたものが知られている。このもので
は、セレクトレバーによるセレクト位置、アクセルペダ
ルによるアクセル開度、車速等により複数の制御モード
が設定され、電磁クラッチが種々の事情や走行状態に応
じて制御され、走行性能を向上させる技術が示されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来におい
ては、アクセル開度や車速が所定値以上のクラッチ直結
状態での電流値は一定とされている。このため、電磁ク
ラッチの初期のバラツキや経時変化等により(クラッチ
電流−クラッチトルク)特性において、同じ電流値に対
するクラッチトルクが変化し低下したときには予期せぬ
クラッチ滑りが生じることで走行性能の悪化、燃費の悪
化、更には電磁クラッチ自身の耐久性を著しく低下させ
るという不具合があった。
【0004】また、このような不具合がクラッチ直結状
態だけでなく発進時に存在すると過大なクラッチ滑りの
発生につながり発進性能を低下させることとなる。
【0005】そこで、この発明は、かかる不具合を解決
するためになされたもので、電磁クラッチの初期のバラ
ツキや経時変化等によるクラッチ滑りに対処でき、走行
状態等に応じた適切なクラッチトルクが得られる車両用
電磁クラッチ制御装置の提供を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる車両用
電磁クラッチ制御装置は、内燃機関のクランク軸の所定
角度毎の出力信号から実際の機関回転数である実回転数
を検出する回転数検出手段と、アクセル開度及び車速が
所定値以上で変速比の変化がない定常走行状態のときの
車速と変速比とに基づいて機関回転数を算出する回転数
演算手段と、前記回転数演算手段で算出された前記機関
回転数と前記回転数検出手段で検出された前記実回転数
とを比較する回転数比較手段と、前記回転数比較手段で
前記実回転数が前記機関回転数より所定回転数以上高い
ときには前記クランク軸と最終出力段との間に挿設され
る電磁クラッチのクラッチトルクを上昇方向に補正する
クラッチ電流補正手段と、前記クラッチ電流補正手段で
の今回の補正分を次回の補正前の値として更新する補正
値学習手段とを具備するものである。
【0007】請求項2にかかる車両用電磁クラッチ制御
装置は、請求項1の具備する手段に加えて、前記クラッ
チ電流補正手段が前記電磁クラッチの全運転域に対する
電流値に基づき前記クラッチ電流を補正するものであ
る。
【0008】請求項3にかかる車両用電磁クラッチ制御
装置は、請求項1または請求項2の具備する手段に加え
て、前記定常走行状態のときの前記電磁クラッチのクラ
ッチトルクを前記内燃機関で発生するトルクに応じて付
与するものである。
【0009】
【作用】請求項1の車両用電磁クラッチ制御装置におい
ては、回転数比較手段によりアクセル開度及び車速が所
定値以上で変速比の変化がない定常走行状態のときの車
速と変速比とに基づき回転数演算手段で算出された機関
回転数と内燃機関のクランク軸の所定角度毎の出力信号
から回転数検出手段で検出された実回転数とが比較され
る。この比較結果で、実回転数が機関回転数より所定回
転数以上高いときにはクラッチ滑りが発生しているとし
て、クラッチ電流補正手段でクランク軸と最終出力段と
の間に挿設された電磁クラッチのクラッチトルクが上昇
するようにクラッチ電流が補正される。この電磁クラッ
チのクラッチトルクを増加させるにはクラッチ滑りをな
くすためクラッチ電流が高くされる。そして、補正値学
習手段では回転数補正手段による今回の補正分が次回の
補正前の値として更新される。即ち、次回の補正の際に
は、更新された前回の補正値に基づく電磁クラッチのク
ラッチトルクが基準とされる。
【0010】請求項2の車両用電磁クラッチ制御装置で
は、請求項1の作用に加えて、クラッチ電流補正手段で
は電磁クラッチの全運転域としての直結、発進、その他
の制御モード域に対する電磁クラッチのクラッチトルク
を上昇させるための電流値に基づき機関回転数が補正さ
れる。
【0011】請求項3の車両用電磁クラッチ制御装置で
は、請求項1または請求項2における定常走行状態のと
きの電磁クラッチのクラッチトルクが内燃機関で発生す
るトルクに対応するパラメータである機関回転数と負荷
としてのスロットル開度、吸入空気量、吸気圧または噴
射パルス幅等とに応じて付与される。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。
【0013】図1は本発明の一実施例にかかる車両用電
磁クラッチ制御装置の全体構成を示す概略図である。
【0014】セレクトレバー50の個所に設置されて
R,D,Ds レンジの各セレクト位置を検出するスイッ
チ51,52,53、アクセルペダル54の個所に設置
されて踏込状態を検出するアクセルスイッチ55及びア
クセル開度を検出するアクセル開度センサ56、チョー
ク及びエアコンの使用状態を検出するそれぞれのスイッ
チ57,58、図示しない内燃機関のクランク軸10の
所定角度毎の回転角を検出する回転角センサ59を有す
る。また、イグニッションコイル60の一次側から機関
回転数に応じたイグニッションパルスが取出され、スピ
ードメータ61のケーブル取出口等から車速に応じた車
速パルスが取出される。そして、上記スイッチのオン/
オフ信号及びパルス信号がECU(Electronic Control
Unit:電子制御装置)63に入力され、ECU63から
出力される種々のクラッチ電流が電磁粉式クラッチと呼
称される電磁クラッチ1のコイル15に流れてクラッチ
トルク制御するように構成されている。
【0015】図2は本発明の一実施例にかかる車両用電
磁クラッチ制御装置が適用される電磁クラッチ付無段変
速機を示す断面図である。
【0016】図2において、2は電磁クラッチ1を内蔵
した電磁クラッチ付無段変速機である。この無段変速機
2の伝動系は主として、入力側から前後進切換部3、プ
ーリ比変換部4及び終減速部5からなる。そして、クラ
ッチハウジング6の一方に電磁クラッチ1が収容され、
そのクラッチハウジング6の他方と、そこに接合される
メインケース7、そのメインケース7のクラッチハウジ
ング6と反対側に接合されるサイドケース8の内部に無
段変速機2の前後進切換部3、プーリ比変換部4及び終
減速部5が組付けられている。
【0017】電磁クラッチ1は、図示しない内燃機関か
らのクランク軸10にドライブプレート11を介して一
体結合するリング上のドライブメンバ12、変速機入力
軸13に回転方向に一体的にスプライン結合するディス
ク状のドリブンメンバ14を有する。そして、ドリブン
メンバ14の外周部側にコイル15が内蔵されて両メン
バ12,14の間に円周に沿いギャップ16が形成さ
れ、このギャップ16はその内側の電磁粉を有するパウ
ダ室17と連通している。また、コイル15を具備する
ドリブンメンバ14のハブ部のスリップリング18には
給電用ブラシ19が摺接し、スリップリング18から更
にドリブンメンバ14内部を通りコイル15に結線され
てクラッチ電流回路が構成されている。
【0018】このため、コイル15にクラッチ電流を流
すと、ギャップ16を介してドライブメンバ12とドリ
ブンメンバ14との間に生じる磁力線により、そのギャ
ップ16にパウダ室17からの電磁粉が鎖状に結合して
集積し、これによる結合力でドライブメンバ12に対し
ドリブンメンバ14が滑りながら一体結合してクラッチ
接続状態になる。一方、クラッチ電流をカットすると、
電磁粉によるドライブメンバ12とドリブンメンバ14
との間の結合力が消失してクラッチ切断状態になる。そ
して、この場合のクラッチ電流の制御を無段変速機2の
前後進切換部3の操作に連動して行うようにすれば、P
またはNレンジから前進のD,Ds または後退のRレン
ジへの切換時に自動的に電磁クラッチ1が接断して、ク
ラッチペダル操作が不要になる。
【0019】次に、無段変速機2において、前後進切換
部3は電磁クラッチ1からの入力軸13とこれに同軸上
に配置された主軸20との間に設けられる。即ち、入力
軸13に前進被係合側を兼ねた後進ドライブ用のギヤ2
1が形成され、主軸20には後進被係合側のギヤ22が
回転自在に嵌合してあり、これらのギヤ21,22が軸
23で指示されたカウンタギヤ24、軸25で支持され
たアイドラギヤ26を介して歯合されてなる。そして、
主軸20とギヤ21及びギヤ22との間に切換機構27
が設けられている。
【0020】ここで、常時噛合っているギヤ21,2
4,26,22は電磁クラッチ1のコイル15を有する
ドリブンメンバ14に連結されており、クラッチ切断時
のこの部分の慣性質量が比較的大きい点に対応して、切
換機構27は主軸20のハブ28にスプライン嵌合する
スリーブ29が、シンクロ機構30,31を介して各ギ
ヤ21,22に噛合い結合するように構成されている。
これにより、PまたはNレンジの中立位置では切換機構
27のスリーブ29がハブ28とのみ嵌合して、主軸2
0が入力軸13から切離される。
【0021】次に、スリーブ29を、シンクロ機構30
を介してギヤ21側に噛合わせると、入力側13に対し
主軸20が直結してDまたはDs レンジの前進状態にな
る。一方、スリーブ29を逆にシンクロ機構31を介し
てギヤ22側に噛合わせると、入力軸13はギヤ21,
24,26,22を介し主軸20に連結され、内燃機関
の動力が減速逆転して、Rレンジの後進状態となる。
【0022】プーリ比変換部4は、主軸20に対し副軸
35が平行配置され、これら両軸20,35にそれぞれ
主プーリ36、副プーリ37が設けられ、かつ両プーリ
36,37の間にエンドレスの駆動ベルト34が掛渡さ
れている。プーリ36,37はいずれも2分割に構成さ
れ、一方のプーリ半体36a,37aに対し、他方のプ
ーリ半体36b,37bがプーリ間隔を可変にすべく移
動可能にされ、可動側プーリ半体36b,37bにはそ
れ自体ピストンを兼ねた油圧サーボ装置38,39が付
設され、更に副プーリ37の可動側プーリ半体37bに
はプーリ間隔を狭くする方向にスプリング40が付勢さ
れている。
【0023】また、油圧制御系として作動源のオイルポ
ンプ41が主プーリ36の隣りに設置される。このオイ
ルポンプ41は高圧用のギヤポンプであり、ポンプ駆動
軸42が主プーリ36、主軸20及び入力軸13の内部
を貫通してクランク軸10と直結し、内燃機関運転中常
に油圧を生じるようになっている。そして、このオイル
ポンプ41の油圧を制御して各油圧サーボ装置38,3
9に給排油し、主プーリ36と副プーリ37のプーリ間
隔を逆の関係に変化させ、駆動ベルト34のプーリ3
6,37におけるプーリ比を無段階に変換し、無段変速
した動力を副軸35に出力する。
【0024】終減速部5は、プーリ変換部4の高速段側
最小プーリ比が例えば、0.5と非常に小さく、このた
め副軸35の回転数が大きい点に鑑み、副軸35に対し
1組の中間減速ギヤ43を介して出力軸44が連結され
る。そして、この出力軸44のドライブギヤ45にファ
イナルギヤ46が噛合い、ファイナルギヤ46から差動
機構47を介して左右の駆動輪の車軸48,49に伝動
構成される。
【0025】次に、本発明の一実施例にかかる車両用電
磁クラッチ制御装置で使用されているECU63内のC
PUの処理手順を図3及び図4のフローチャートに基づ
いて説明する。
【0026】〈直結制御モード処理ルーチン:図3及び
図5参照〉直結制御モード処理ルーチンを図3に基づ
き、図5のマップを参照して説明する。なお、この直結
制御モード処理ルーチンは約32ms毎に実行される。
【0027】まず、ステップS101で、アクセルスイ
ッチ55からの信号によりアクセルペダル54が踏込ま
れておりアクセル開であるかが判定される。ステップS
101の判定条件が成立せずアクセル閉であるときに
は、ステップS102に移行し、車速VSPDが所定値
βを越えているかが判定される。ステップS102の判
定条件が成立しないときには、ステップS103の他の
制御モード処理として詳述しないアイドル時等の処理に
移行する。
【0028】一方、ステップS101の判定条件が成立
するときには、ステップS104に移行し、車速VSP
Dが所定値αを越えているかが判定される。ステップS
104の判定条件が成立しないときには、ステップS1
05の後述の発進制御モード処理に移行する。
【0029】ここで、ステップS104の判定条件が成
立するときには、直結制御モードであるとして、以下の
直結制御モード処理が実行される。ステップS106
で、車速VSPDに変速比から求めた補正係数KGEA
Rを乗算して機関回転数Ntが算出される(Nt=KG
EAR×VSPD)。次にステップS107に移行し
て、回転角センサ59の出力信号に基づく実際の機関回
転数である実回転数NeとステップS106で算出され
た機関回転数Ntとの回転数偏差DLNEを求める(N
e−Nt=DLNE)。次にステップS108に移行し
て、ステップS107で求められた回転数偏差DLNE
が所定値Aを越えているかが判定される。ステップS1
08の判定条件が成立せず、即ち、回転数偏差DLNE
が所定値Aより小さいときには、電磁クラッチ1の滑り
は発生しておらず、クラッチトルクは適正であるとし
て、ステップS109に移行する。ステップS109
で、電磁クラッチ1の電流補正値ILRNの更新を行わ
ない(ILRNn =ILRNn-1 )。
【0030】一方、ステップS108の判定条件が成立
するときには、電磁クラッチ1に滑りが発生しクラッチ
トルクが低下したとして、ステップS110に移行し、
回転数偏差DLNEに応じた電磁クラッチ1の電流補正
値ILRNが算出される(ILRN=f(DLN
E))。即ち、図5の回転数偏差DLNEの増加に伴っ
て電流補正値ILRNが比例的に増加するマップに基づ
いて、回転数偏差DLNEに対する電流補正値ILRN
が算出される。ステップS109またはステップS11
0の処理ののち、ステップS111に移行し、直結制御
モードにおける最終電流値であるクラッチ電流値ICL
Hが直結制御モードの基本電流値IDRCTに電流補正
値ILRNを加算して求められる。
【0031】次にステップS112に移行して、ステッ
プS111で算出されたクラッチ電流値ICLHが所定
値a以下であるかが判定される。ステップS111の判
定条件が成立するときには、上限規制範囲内であるので
そのまま本ルーチンを終了する。一方、ステップS11
1の判定条件が成立しないときには、ステップS113
に移行し、上限規制範囲を越えているためガード処理と
してクラッチ電流値ICLHが所定値aとされたのち、
ステップS114に移行する。ステップS114では、
電磁クラッチ1のクラッチトルクの低下が著しいとして
異常を知らせるため、ダイアグランプ点灯の処理が行わ
れたのち本ルーチンを終了する。
【0032】〈発進制御モード処理ルーチン:図4及び
図6参照〉図4は、図3におけるステップS105の発
進制御モード処理を詳述する処理ルーチンであり、図6
のマップを参照して説明する。
【0033】ステップS201で、発進制御モードの基
本電流値ISRTに応じた電磁クラッチ1の電流補正係
数KILRNが算出される(KILRN=f(ISR
T))。即ち、図6の基本電流値ISRTの増加に伴っ
て電流補正係数KILRNが比例的に増加するマップに
基づいて、基本電流値ISRTに対する電流補正係数K
ILRNが算出される。次にステップS202に移行し
て、直結制御モードにて求めた電流補正値ILRNに電
流補正係数KILRNを乗算した値を発進制御モードで
の基本電流値ISRTに加算して発進制御モードにおけ
る最終電流値であるクラッチ電流値ICLHが求められ
る。
【0034】上記実施例において、クラッチ電流値IC
LHを直結制御モードまたは発進制御モード別に求める
理由は、発進制御モードの際には比較的低電流を用いる
ことが多いが、低電流のときにはクラッチ電流値の低下
に比較して電磁クラッチ1のクラッチトルクの低下の程
度が、直結制御モードでのクラッチ電流値のように高電
流での低下の程度よりも一般的に少ない(クラッチ電流
値が直結制御モードと発進制御モードとで一致しない)
ことによる。
【0035】このように、本実施例の車両用電磁クラッ
チ制御装置は、内燃機関のクランク軸10の所定角度毎
の出力信号から実際の機関回転数である実回転数Neを
検出する回転角センサ59からなる回転数検出手段と、
アクセル開度及び車速VSPDが所定値α以上で変速比
の変化がない定常走行状態のときの車速と変速比とに基
づいて機関回転数Ntを算出するECU63にて達成さ
れる回転数演算手段と、前記回転数演算手段で算出され
た機関回転数Ntと前記回転数検出手段で検出された実
回転数Neとを比較するECU63にて達成される回転
数比較手段と、前記回転数比較手段で実回転数Neが機
関回転数Ntより所定回転数A以上高いときにはクラン
ク軸10と最終出力段との間に挿設される電磁クラッチ
1のクラッチトルクが上昇するように基本電流値IDR
CTを補正するECU63にて達成されるクラッチ電流
補正手段と、前記クラッチ電流補正手段での今回の補正
分としての電流補正値ILRNを次回の補正前の値とし
て更新するECU63にて達成される補正値学習手段と
を具備するものであり、これを請求項1の実施例とする
ことができる。
【0036】したがって、回転数比較手段によりアクセ
ル開度及び車速VSPDが所定値α以上で変速比の変化
がない定常走行状態のときの車速と変速比とに基づき回
転数演算手段で算出された機関回転数Ntと内燃機関の
クランク軸10の所定角度毎の出力信号から回転数検出
手段で検出された実回転数Neとが比較される。この比
較結果で、実回転数Neが機関回転数Ntより所定回転
数A以上高いときにはクラッチ滑りが発生しているとし
て、クランク軸10と最終出力段との間に挿設された電
磁クラッチ1のクラッチトルクが上昇するように基本電
流値IDRCTが補正される。この電磁クラッチ1のク
ラッチトルクを増加させるにはクラッチ滑りをなくすた
めクラッチ電流値ICLHが高くされる。そして、補正
値学習手段ではクラッチ電流補正手段による今回の補正
分としての電流補正値ILRNが次回の補正の際の補正
前の値として更新される。即ち、次回の補正の際には、
更新された前回の補正値に基づく電磁クラッチ1のクラ
ッチトルクが基準とされる。
【0037】故に、電磁クラッチ1の初期のバラツキや
経時変化等により発生するクラッチ滑りがその都度解消
され、定常走行状態に応じた適切なクラッチトルクを常
に得ることができる。
【0038】また、本実施例の車両用電磁クラッチ制御
装置は、ECU63にて達成されるクラッチ電流補正手
段が電磁クラッチ1の全運転域に対する電流値に基づき
クラッチ電流を補正するものであり、これを請求項2の
実施例とすることができる。
【0039】したがって、クラッチ電流補正手段では電
磁クラッチ1の全運転域としての直結、発進、その他の
制御モード域に対する電磁クラッチ1のクラッチトルク
を上昇させるための電流値に基づいてクラッチ電流が補
正される。このため、電磁クラッチ1のあらゆる運転域
におけるクラッチトルクが電流値に基づいて適切に上昇
されクラッチ電流が補正される。
【0040】ここで、上記実施例の図3においては、直
結制御モードでの基本電流値IDRCTを固定値とした
が、本発明を実施する場合には、これに限定されるもの
ではなく、内燃機関で発生されるトルクに対応するパラ
メータである機関回転数、負荷としてのスロットル開
度、吸入空気量、吸気圧、噴射パルス幅等のうち少なく
とも1つのパラメータから設定されるものであってもよ
い。
【0041】このような車両用電磁クラッチ制御装置
は、上記実施例における定常走行状態のときの電磁クラ
ッチ1のクラッチトルクを内燃機関で発生するトルクに
応じて付与するものであり、これを請求項3の実施例と
することができる。
【0042】このため、直接的に検出できない内燃機関
で発生されるトルクが入力可能なセンサ等の出力信号に
基づいて予め記憶されたマップ等を用いることで算出可
能となり、電磁クラッチ1のクラッチトルクに対応する
クラッチ電流値が適切に付与される。
【0043】ところで、上記実施例の図3においては、
ステップS108の判定条件が成立すると直ちにステッ
プS110に移行しているが、本発明を実施する場合に
は、これに限定されるものではなく、ステップS108
で回転数偏差DLNEが所定値Aを越えたのち、所定時
間経過するのを待って、ステップS110に移行し、電
磁クラッチ1の電流補正値ILRNを算出するようにし
てもよい。
【0044】また、上記実施例の図3のステップS11
1においては、直結制御モードのクラッチ電流値ICL
Hを直結制御モードでの基本電流値IDRCTに電流補
正値ILRNを加算して求めるとしたが、本発明を実施
する場合には、これに限定されるものではなく、図7に
示すような、回転数偏差DLNEの増加に伴って電流補
正係数KILRN2が比例的に増加するマップに基づい
て、回転数偏差DLNEに対して設定される電流補正係
数KILRN2を乗算して算出するものであってもよ
い。
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の車両用
電磁クラッチ制御装置によれば、回転数比較手段により
アクセル開度及び車速が所定値以上で変速比の変化がな
い定常走行状態のときの車速と変速比とに基づき回転数
演算手段で算出された機関回転数と内燃機関のクランク
軸の所定角度毎の出力信号から回転数検出手段で検出さ
れた実回転数とが比較され、この比較結果で、実回転数
が機関回転数より所定回転数以上高いときにはクラッチ
滑りが発生しているとして、クラッチ電流補正手段でク
ランク軸と最終出力段との間に挿設された電磁クラッチ
のクラッチトルクが上昇されクラッチ電流が補正され、
補正値学習手段ではクラッチ電流補正手段による今回の
補正分が次回の補正前の値として更新される。これによ
り、電磁クラッチの初期のバラツキや経時変化等により
発生するクラッチ滑りがその都度解消され、定常走行状
態に応じた適切なクラッチトルクを常に得ることができ
る。
【0046】請求項2の車両用電磁クラッチ制御装置に
よれば、請求項1の効果に加えて、クラッチ電流補正手
段では電磁クラッチの全運転域としての直結、発進、そ
の他の制御モード域に対する電磁クラッチのクラッチト
ルクを上昇させるための電流値に基づき機関回転数が補
正される。これにより、電磁クラッチのあらゆる運転域
におけるクラッチトルクが電流値に基づいて適切に上昇
されクラッチ電流を補正することができる。
【0047】請求項3の車両用電磁クラッチ制御装置に
よれば、請求項1または請求項2における定常走行状態
のときの電磁クラッチのクラッチトルクが内燃機関で発
生するトルクに対応するパラメータである機関回転数と
負荷としてのスロットル開度、吸入空気量、吸気圧また
は噴射パルス幅等とに応じて付与される。これにより、
直接的に検出できない内燃機関で発生されるトルクが入
力可能なセンサ等の出力信号に基づいて予め記憶された
マップ等を用いることで算出可能となり、電磁クラッチ
のクラッチトルクに対応する電流値を適切に付与するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の一実施例にかかる車両用電磁
クラッチ制御装置の全体構成を示す概略図である。
【図2】 図2は本発明の一実施例にかかる車両用電磁
クラッチ制御装置が適用される電磁クラッチ付無段変速
機を示す断面図である。
【図3】 図3は本発明の一実施例にかかる車両用電磁
クラッチ制御装置で使用されているECU内のCPUの
直結制御モード処理手順を示すフローチャートである。
【図4】 図4は本発明の一実施例にかかる車両用電磁
クラッチ制御装置で使用されているECU内のCPUの
発進制御モード処理手順を示すフローチャートである。
【図5】 図5は回転数偏差DLNEと電流補正値IL
RNとの関係を示すマップである。
【図6】 図6は発進制御モードの基本電流値ISRT
と電流補正係数KILRNとの関係を示すマップであ
る。
【図7】 図7は回転数偏差DLNEと電流補正係数K
ILRN2との関係を示すマップである。
【符号の説明】
1 電磁クラッチ(電磁粉式クラッチ) 2 無段変速機 3 前後進切換部 4 プーリ比変換部 5 終減速部 10 クランク軸 50 セレクトレバー 54 アクセルペダル 55 アクセルスイッチ 59 回転角センサ 63 ECU(電子制御装置)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関のクランク軸の所定角度毎の出
    力信号から実際の機関回転数である実回転数を検出する
    回転数検出手段と、 アクセル開度及び車速が所定値以上で変速比の変化がな
    い定常走行状態のときの車速と変速比とに基づいて機関
    回転数を算出する回転数演算手段と、 前記回転数演算手段で算出された前記機関回転数と前記
    回転数検出手段で検出された前記実回転数とを比較する
    回転数比較手段と、 前記回転数比較手段で前記実回転数が前記機関回転数よ
    り所定回転数以上高いときには前記クランク軸と最終出
    力段との間に挿設される電磁クラッチのクラッチトルク
    を上昇方向に補正するクラッチ電流補正手段と、 前記クラッチ電流補正手段での今回の補正分を次回の補
    正前の値として更新する補正値学習手段とを具備するこ
    とを特徴とする車両用電磁クラッチ制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の車両用電磁クラッチ制
    御装置において、前記クラッチ電流補正手段は前記電磁
    クラッチの全運転域に対する電流値に基づき前記クラッ
    チ電流を補正することを特徴とする車両用電磁クラッチ
    制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の車両用
    電磁クラッチ制御装置において、前記定常走行状態のと
    きの前記電磁クラッチのクラッチトルクを前記内燃機関
    で発生するトルクに応じて付与することを特徴とする車
    両用電磁クラッチ制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009090835A (ja) * 2007-10-10 2009-04-30 Jtekt Corp 駆動力伝達装置及び駆動力伝達装置の調整方法

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