JP3525847B2 - 四輪駆動車の駆動力配分制御装置 - Google Patents
四輪駆動車の駆動力配分制御装置Info
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Description
前輪と後輪に配分する駆動系に設けられたトルク配分ク
ラッチにより前輪と後輪に伝達されるトルク配分比が制
御される四輪駆動車の駆動力配分制御装置の技術分野に
属する。
としては、例えば、特開平11−278080号公報に
記載のものが知られている。
クを演算し、演算された目標トルクをトルク配分クラッ
チへの電流値に変換し、トルク配分コントローラからト
ルク配分クラッチに対し変換された電流値を出力し、電
流値の大きさによりトルク配分クラッチを締結する技術
が記載されている。
来の四輪駆動車の駆動力配分制御装置にあっては、予め
決められた固定の目標トルク−電流値マップに基づき目
標トルクをトルク配分クラッチへの電流値に変換するも
のであるため、トルク配分クラッチの個体バラツキや環
境バラツキや長期使用による経時変化等により、トルク
配分コントローラから出力される電流値に対し、トルク
配分クラッチでは所望する目標トルクに一致する実伝達
トルクが発生していなく、所望のトルク配分制御性能が
得られないことがあるという問題がある。
オープンループ制御であり、出力する電流値が管理され
るだけで、トルク配分クラッチで実際に発生している伝
達トルクを知り得ない。これに対し、試作されたトルク
配分クラッチを用いた実験結果により、目標トルク−電
流値マップを設定し、これを用いて電流値制御を行って
いるため、製造や組立によるトルク配分クラッチの個体
バラツキや、温度や湿度等によるトルク配分クラッチの
環境バラツキや、長期使用によるクラッチ特性の経時変
化等があった場合、目標トルク−電流値マップと実伝達
トルク−電流値特性が一致しなくなる。
配分クラッチの個体バラツキや環境バラツキや長期使用
による経時変化等にかかわらず、目標トルク−電流値マ
ップと実伝達トルク−電流値特性の一致性を高め、安定
して所望のトルク配分制御性能を得ることができる四輪
駆動車の駆動力配分制御装置を提供することにある。
は、エンジントルクを前輪と後輪に配分する駆動系に設
けられたトルク配分クラッチに対するトルク配分コント
ローラからの制御指令により前輪と後輪に伝達されるト
ルク配分比が制御される四輪駆動車の駆動力配分制御装
置において、前後回転数差を検出する前後回転数差検出
手段と、トルク配分クラッチの締結により伝達する最適
な目標トルクを運転状態に応じて演算する目標トルク演
算手段と、前記目標トルクを前記トルク配分クラッチへ
の電流値に変換する目標トルク−電流値変換手段と、4
輪駆動状態での走行中、目標トルクと前後回転数差とを
掛け合わせた滑り摩擦による熱負荷相当値が規定値以上
という条件が成立し、かつ、高トルク入力時,発進時,
直進時,モード切り替えが有る場合にはモード切り替え
直後でない時,4輪駆動走行時,等の電流補正許可判別
を誤ることなく実行できる条件が全て成立する時であ
り、かつ、車輪速ハンチング時,駆動力配分制御装置フ
ェール時,制動ロック防止装置フェール時,制動ロック
防止装置作動時,等の電流値補正により車両の前後トル
ク配分特性変化影響を与える条件のいずれの条件も成立
していない間に1回のみ、目標トルクに対する電流値を
設定値だけ増すように、前記目標トルク−電流値変換手
段に設定されている目標トルク−電流値マップを補正す
る学習補正制御手段と、を前記トルク配分コントローラ
に設けたことを特徴とする。
四輪駆動車の駆動力配分制御装置において、前記学習補
正制御手段を、補正許可条件が成立している時に行う1
回の補正量は、学習補正制御を行う際、製造や組立によ
るトルク配分クラッチの個体バラツキや、温度や湿度等
によるトルク配分クラッチの環境バラツキにより予想さ
れるトルク配分クラッチのバラツキ範囲内とし、補正
後、再度補正許可条件が成立すると、さらに、設定最大
回数あるいは設定最大電流までは同量の補正を繰り返す
手段としたことを特徴とする。
求項2記載の四輪駆動車の駆動力配分制御装置におい
て、前記学習補正制御手段を、補正後、目標トルクと前
後回転数差とを掛け合わせた滑り摩擦による熱負荷相当
値が規定値以上とならない状態が設定期間継続した場
合、設定期間の経過後、目標トルクに対する電流値を減
らす方向に補正量を戻す手段としたことを特徴とする。
は、エンジントルクを前輪と後輪に配分する駆動系に設
けられたトルク配分クラッチに対するトルク配分コント
ローラからの制御指令により前輪と後輪に伝達されるト
ルク配分比が制御される。このとき、前後回転数差検出
手段において、前後回転数差が検出され、目標トルク演
算手段において、トルク配分クラッチの締結により伝達
する最適な目標トルクが運転状態に応じて演算され、目
標トルク−電流値変換手段において、目標トルクがトル
ク配分クラッチへの電流値に変換され、学習補正制御手
段において、4輪駆動状態での走行中、目標トルクと前
後回転数差とを掛け合わせた滑り摩擦による熱負荷相当
値が規定値以上という条件が成立する毎に、目標トルク
に対する電流値を設定値だけ増すように、目標トルク−
電流値変換手段に設定されている目標トルク−電流値マ
ップが補正され、トルク配分コントローラからトルク配
分クラッチに対し、補正された目標トルク−電流値マッ
プに基づいて決められた電流値が出力される。すなわ
ち、試作されたトルク配分クラッチを用いた実験結果に
基づいて、これに近似する目標トルク−電流値マップを
設定し、これを用いて電流値制御を行うと、製造や組立
によるトルク配分クラッチの個体バラツキや、温度や湿
度等によるトルク配分クラッチの環境バラツキや、長期
使用によるクラッチ特性の経時変化等があった場合、目
標トルク−電流値マップと実伝達トルク−電流値特性が
一致しなくなる。一方、電流値が適正であれば、エンジ
ントルクを前後輪に配分しての4輪駆動状態での走行中
には、各輪が受け持つトルクレベルが低く抑えられるこ
とで駆動スリップによる前後回転数差の発生が抑えら
れ、目標トルクと前後回転数差とを掛け合わせた滑り摩
擦による熱負荷相当値は大きな値になることはない。つ
まり、4輪駆動状態での走行中であるにもかかわらず、
目標トルクと前後回転数差とを掛け合わせた値が大きな
値であるということは、電流値が適正値より低いと推定
することができる。よって、4輪駆動状態での走行中、
目標トルクと前後回転数差とを掛け合わせた滑り摩擦に
よる熱負荷相当値が規定値以上という条件が成立する毎
に目標トルク−電流値マップを補正することにより、ト
ルク配分クラッチの個体バラツキや環境バラツキや長期
使用による経時変化等にかかわらず、目標トルク−電流
値マップと実伝達トルク−電流値特性の一致性を高め、
安定して所望のトルク配分制御性能を得ることができ
る。加えて、学習補正制御手段において、目標トルクと
前後回転数差とを掛け合わせた滑り摩擦による熱負荷相
当値が規定値以上になった時、電流補正許可判別を誤る
ことなく実行できる条件と車両の前後トルク配分特性変
化による影響が少ない条件を補正許可条件とし、補正許
可条件が全て成立している間に1回のみ目標トルク−電
流値マップが補正される。すなわち、滑り摩擦による熱
負荷相当値が規定値以上になるのは、高トルク入力時、
かつ、発進時、かつ、直進時、かつ、モード切り替えが
有る場合にはモード切り替え直後でない時、かつ、4W
D走行時等の条件が全て成立する時であり、これらの条
件のうち1つでも成立しない条件があると、電流補正許
可判別を誤るおそれがある。また、車輪速ハンチング時
やETS(駆動力配分制御装置)フェール時やABS
(制動ロック防止装置)フェール時やABS作動時とい
う条件のうちいずれか1つの条件が成立していると、電
流値補正による車両の前後トルク配分特性変化で車両挙
動が急変する等の影響が出てしまう。よって、補正許可
条件が全て成立している間だけ目標トルク−電流値マッ
プを補正することで、精度の高い電流補正許可判別を行
うことができると共に、電流値補正による車両の前後ト
ルク配分特性変化を防止することができる。
制御手段において、補正許可条件が成立している時に行
う1回の補正量は、当初予想されるトルク配分クラッチ
のバラツキ範囲内とされ、補正後、再度補正許可条件が
成立すると、さらに、設定最大回数あるいは設定最大電
流までは同量の補正が繰り返えされる。すなわち、1回
の補正量を大きくすると過補正になり、予想外の駆動力
配分制御性能低下となる場合があるし、また、無制限に
補正回数や電流増加を許可すると、トルク配分クラッチ
の伝達トルクが過大となり、駆動系やサスペンションを
破損させるおそれがある。よって、1回の補正量をバラ
ツキの範囲内とすることで、予想外の駆動力配分制御性
能低下を未然に防止できるし、また、補正回数や電流増
加の最大値を制限することで、駆動系やサスペンション
の破損を未然に防止することができる。
制御手段において、補正後、目標トルクと前後回転数差
とを掛け合わせた滑り摩擦による熱負荷相当値が規定値
以上とならない状態が設定期間継続した場合、設定期間
の経過後、目標トルクに対する電流値を減らす方向に補
正量を戻す補正がなされる。すなわち、一時的に高負荷
が作用したことにより電流補正許可条件が成立し、目標
トルクに対する電流値を増す方向に補正がなされること
があるが、電流値を増す補正がなされたままにしておく
と、全体的に高めの伝達トルクとするトルク配分制御が
なされ、この場合にも所望のトルク配分制御性能を得る
ことができない。よって、補正後に戻し補正条件が成立
すると補正値を元に戻す補正を行うことで、一時的な高
負荷による目標トルク−電流値マップのずれ発生を防止
することができる。
に対応する四輪駆動車の駆動力配分制御装置である。
駆動力配分制御装置を示す全体システム図で、1はエン
ジン、2は自動変速機、3はフロントディファレンシャ
ル、4はリヤディファレンシャル、5は右前輪、6は左
前輪、7は右後輪、8は左後輪、9はトルク配分クラッ
チ、10はトルク配分コントローラ、11は右前輪速セ
ンサ、12は左前輪速センサ、13は右後輪速センサ、
14は左後輪速センサ、15はアクセル開度センサ、1
6はエンジン回転センサ、17はATコントローラであ
る。
駆動車は、左右の前輪5,6へはエンジン駆動力が直接
伝達され、左右の後輪7,8へはトルク配分クラッチ9
を介してエンジン駆動力が伝達される前輪駆動ベースの
四輪駆動車である。即ち、トルク配分クラッチ9が締結
解放状態であれば、前輪:後輪=100:0のトルク配
分比となり、トルク配分クラッチ9がエンジントルクの
1/2トルク以上にてにて締結されていれば、前輪:後
輪=50:50の等トルク配分比となり、トルク配分コ
ントローラ10からのトルク配分クラッチ9に対する制
御指令により、前輪5,6と後輪7,8に伝達されるト
ルク配分比が、トルク配分クラッチ9の締結トルクに応
じて可変に制御される。
輪速センサ11,12,13,14からの車輪速信号
と、アクセル開度センサ15からのアクセル開度信号
と、エンジン回転センサ16からのエンジン回転信号
と、ATコントローラ17からのギア位置信号等を入力
し、決められた制御則にしたがった演算処理を行い、そ
の演算処理結果による制御指令をトルク配分クラッチ9
に出力する。
に採用されたトルク配分コントローラ10でのトルク配
分制御ブロック図である。
ンサ11,12,13,14からの車輪速信号に基づい
て前輪右車輪速度VwFRと前輪左車輪速度VwFLと後輪
右車輪速度VwRRと後輪左車輪速度VwRLが計算され
る。尚、この計算部100は、アンチスキッドブレーキ
システム(ABS)が搭載された車両では、ABSコン
トローラでの計算結果を流用することで省略しても良
い。
VwFR,VwFL,VwRR,VwRLに基づいて推定車体速
VFFが計算される。
車体速VFFとゲインマップによりゲインKhが計算され
る。
検出手段)では、左右前輪車輪速度VwFR,VwFLと左
右後輪車輪速度VwRR,VwRLとの差により前後回転数
差△Vwが計算される。
後回転数差△Vwに応じた前後回転数差トルクT△Vが
計算される。
計算される。
開度センサ15からのセンサ信号に基づいてアクセル開
度ACCが計算される。
定車体速VFFと旋回半径Rにより駆動力マップトルクT
ACCが計算される。
は、アクセル開度ACCと旋回半径Rによりアクセル開度
感応トルクTSが計算される。
差トルクT△VとイニシャルトルクTVと駆動力マップ
トルクTACCとアクセル開度感応トルクTSのうち目標
トルクT1が選択される。
演算手段)では、目標トルク選択部110により選択さ
れた目標トルクT1に対しトルク増加/減少のフィルタ
処理を行って最終目標トルクTが決定される。
トルク−電流値変換手段)では、設定された最終目標ト
ルク−電流値に基づいて最終目標トルクTに対応する電
流値iに電流変換される。
(i=0)の判断時以外は最終目標トルク〜電流変換部
112により変換されたPWM出力が、トルク配分クラ
ッチ9内のソレノイドに出力される。
(学習補正制御手段)では、4輪駆動状態での走行中、
最終目標トルクTと前後回転数差△Vwとを掛け合わせ
た滑り摩擦による熱負荷相当値QCLUが規定値(例え
ば、1000kgm・rpm)以上という条件が成立す
る毎に、最終目標トルクTに対する電流値iを設定値
(例えば、+5%)だけ増すように、最終目標トルク〜
電流変換部112に設定されている最終目標トルク−電
流値マップが書き換え補正される。
目標トルク決定部111,最終目標トルク〜電流変換部
112,最終出力判断部113及びトルク−電流マップ
学習補正制御部114を示す制御ブロック図で、トルク
−電流マップ学習補正制御部114は、入力情報に基づ
き電流許可条件を判別する電流許可条件判別部114a
と、電流補正量を決定する電流補正量決定部114b
と、電流補正の最大値をチェックすると共に補正可否の
判断を行う電流補正最大値チェック及び補正可否判断部
114cと、補正可否判断に基づいて最終目標トルク−
電流値マップを書き換える最終目標トルク−電流値マッ
プ書き換え部114dを有する。
配分コントローラ10のトルク−電流マップ学習補正制
御部114で行われるマップ学習補正処理の流れを示す
フローチャートで、以下、各ステップについて説明す
る。
力される。ここで、電流許可判別信号として、高トルク
入力フラグbFCLUと、後輪右輪速度VwRR及び後輪
左輪速度VwRLと、旋回半径Rと、モード切り替えタイ
マ値MODDTと、4WDモードデータETS_MOD
Dと、ホイールスピン信号WSと、ETSフェール信号
及びABSフェール信号と、クラッチ保護制御信号bF
CLUONと、ABS作動フラグFASが入力される。
可条件が全て成立しているかどうかが判別される。 1.高トルク入力フラグbFCLU=1 :(比較的高いエネルギが入った時=前後回転数差が付
いた時) 2.max(VwRR,VwRL)<10km/h(定数) :(発進時) 3.旋回半径R>30m(定数) :(直進時) 4.モード切り替え終了時 :(モードスイッチ切り替え直後は禁止) 5.4WDモードデータETS_MODD=4WD :(2WDの時は禁止) 6.ホイールスピン信号WS=0 :(非ホイールスピン時=ハンチング時は禁止) 7.ETS&ABS非フェール時 :(フェール中は禁止) 8.ABS作動フラグFAS=0 :(ABS非作動時)
後回転数差△Vwとを掛け合わせた滑り摩擦による熱負
荷相当値QCLUが規定値以上かどうかが判断される。
正許可であると判断され、ステップ42でQCLU≧規
定値であると判断されると、最終目標トルク−電流値マ
ップの補正値が最大補正値以内かどうかが判断される。
ここで、許可条件成立時に1回補正が可能であるが、補
正後に再度許可条件が成立すると、さらに設定値(+5
%)の補正が可能である。そこで、補正許可条件が成立
すると無制限に補正を許可するのではなく、最大7回
(+35%)まで可能であると補正回数の制限をしてい
る。また、学習補正では、最終目標トルクTではなく電
流値iを学習しているため、学習後の最大電流は、例え
ば,3Aまでと最大学習電流を制限している。よって、
ステップ43では、補正回数が7回以内かどうか、もし
くは、最大電流が3A以下かどうかが判断される。
最大補正値を超えていたら現特性(最終目標トルク−電
流値マップ)がそのまま保持される。
正値以内と判断されたら、現在の最終目標トルク−電流
値マップが、最終目標トルクに対する電流値を+5%
(電流補正量)だけ増した最終目標トルク−電流値マッ
プに書き換える補正が1回のみ行われる。つまり、ステ
ップ45の枠内に示すように、最終目標トルク−電流値
マップが、最終目標トルクTがT0であるとき、電流値
iがi0からi1に増える特性に書き換えられる。
の駆動トルクは、前輪駆動をベースとし、前輪5,6と
後輪7,8に配分する駆動系に設けられたトルク配分ク
ラッチ9に対するトルク配分コントローラ10からの制
御指令により前輪5,6と後輪7,8に伝達されるトル
ク配分比が制御される。
前後回転数差計算部103において、前後回転数差△V
wが計算され、最終目標トルク決定部111において、
トルク配分クラッチ9の締結により伝達する最適な最終
目標トルクTが運転状態に応じて決定され、最終目標ト
ルク−電流変換部112において、最終目標トルクTが
トルク配分クラッチ9への電流値iに変換され、トルク
−電流マップ学習補正制御部114において、4輪駆動
状態での走行中、最終目標トルクTと前後回転数差△V
wとを掛け合わせた滑り摩擦による熱負荷相当値QCL
Uが規定値以上という条件が成立する毎に、最終目標ト
ルクTに対する電流値iを設定値だけ増すように、最終
目標トルク〜電流変換部112に設定されている最終目
標トルク−電流値マップを書き換え補正され、トルク配
分コントローラ10からトルク配分クラッチ9に対し、
補正された最終目標トルク−電流値マップに基づいて決
められた電流値iが出力される。
を用いて電流iに対する実伝達トルクを計測すると、図
4に示すような実験結果が得られる。この実験結果に基
づいて、これに近似する最終目標トルク−電流値マップ
を設定し、これを用いて電流値制御を行うと、製造や組
立によるトルク配分クラッチ9の個体バラツキや、温度
や湿度等によるトルク配分クラッチ9の環境バラツキ
や、長期使用によるクラッチ特性の経時変化等があった
場合、最終目標トルク−電流値マップと実伝達トルク−
電流値特性が一致しなくなる。
ルクを前後輪に配分しての4輪駆動状態での走行中に
は、各輪が受け持つトルクレベルが低く抑えられること
で駆動スリップによる前後回転数差の発生が抑えられ、
最終目標トルクTと前後回転数差△Vwとを掛け合わせ
た滑り摩擦による熱負荷相当値QCLUは大きな値にな
ることはない。つまり、4輪駆動状態での走行中である
にもかかわらず、熱負荷相当値QCLUが大きな値であ
るということは、電流値iが適正値より低いと推定する
ことができる。
相当値QCLUが規定値以上という条件が成立する毎に
最終目標トルク−電流値マップを書き換え補正すること
により、トルク配分クラッチ9の個体バラツキや環境バ
ラツキや長期使用による経時変化等にかかわらず、最終
目標トルク−電流値マップと実伝達トルク−電流値特性
の一致性を高め、安定して所望のトルク配分制御性能を
得ることができる。
114において、最終目標トルクTと前後回転数差△V
wとを掛け合わせた滑り摩擦による熱負荷相当値QCL
Uが規定値以上になった時、電流補正許可判別を誤るこ
となく実行できる条件と車両の前後トルク配分特性変化
による影響が少ない条件を含む上記8つの条件を補正許
可条件とし、補正許可条件が全て成立している間に1回
のみ最終目標トルク−電流値マップが補正される。
以上になるのは、高トルク入力時、かつ、発進時、か
つ、直進時、かつ、モード切り替え直後でない時、か
つ、4WD走行時等の条件が全て成立する時であり、こ
れらの条件のうち1つでも成立しない条件があると、電
流補正許可判別を誤るおそれがある。また、車輪速ハン
チング時やETSフェール時やABSフェール時やAB
S作動時という条件のうちいずれか1つの条件が成立し
ていると、電流値補正による車両の前後トルク配分特性
変化で車両挙動が急変する等の影響が出てしまう。
ている間だけ最終目標トルク−電流値マップを補正する
ことで、精度の高い電流補正許可判別を行うことができ
ると共に、電流値補正による車両の前後トルク配分特性
変化を防止することができる。
部114において、補正許可条件が成立している時に行
う1回の補正量は、当初予想されるトルク配分クラッチ
のバラツキ範囲内(+5%)とし、補正後、再度補正許
可条件が成立すると、さらに、設定最大回数(7回)あ
るいは設定最大電流(3A)までは同量の補正が繰り返
えされる。
補正になり、予想外の駆動力配分制御性能低下となる場
合があるし、また、無制限に補正回数や電流増加を許可
すると、トルク配分クラッチ9の伝達トルクが過大とな
り、駆動系やサスペンションを破損させるおそれがあ
る。
とすることで、予想外の駆動力配分制御性能低下を未然
に防止できるし、また、補正回数や電流増加の最大値を
制限することで、駆動系やサスペンションの破損を未然
に防止することができる。
ていないが、トルク−電流マップ学習補正制御部114
において、補正後、最終目標トルクTと前後回転数差△
Vwとを掛け合わせた滑り摩擦による熱負荷相当値QC
LUが規定値以上とならない状態が設定期間継続した場
合、設定期間の経過後、最終目標トルクTに対する電流
値iを減らす方向に補正量を戻す補正がなされる。
により電流補正許可条件が成立し、最終目標トルクTに
対する電流値iを増す方向に補正がなされることがある
が、電流値iを増す補正がなされたままにしておくと、
全体的に高めの伝達トルクとするトルク配分制御がなさ
れ、この場合にも所望のトルク配分制御性能を得ること
ができない。
と補正値を元に戻す補正を行うことで、一時的な高負荷
による最終目標トルク−電流値マップのずれ発生を防止
することができる。
達する最適な最終目標トルクTを運転状態に応じて決定
する最終目標トルク決定部111と、最終目標トルクT
をトルク配分クラッチ9への電流値iに変換する最終目
標トルク〜電流変換部112と、4輪駆動状態での走行
中、最終目標トルクTと前後回転数差△Vwとを掛け合
わせた滑り摩擦による熱負荷相当値QCLUが規定値以
上という条件が成立する毎に、最終目標トルクTに対す
る電流値iを設定値だけ増すように、最終目標トルク〜
電流変換部112に設定されている最終目標トルク−電
流値マップを書き換え補正するトルク−電流マップ学習
補正制御部114とをトルク配分コントローラ10に設
けたため、トルク配分クラッチ9の個体バラツキや環境
バラツキや長期使用による経時変化等にかかわらず、最
終目標トルク−電流値マップと実伝達トルク−電流値特
性の一致性を高め、安定して所望のトルク配分制御性能
を得ることができる。
114を、最終目標トルクTと前後回転数差△Vwとを
掛け合わせた滑り摩擦による熱負荷相当値QCLUが規
定値以上になった時、電流補正許可判別を誤ることなく
実行できる条件と車両の前後トルク配分特性変化による
影響が少ない条件を補正許可条件とし、補正許可条件が
全て成立している間に1回のみ最終目標トルク−電流値
マップを補正する手段としたため、精度の高い電流補正
許可判別を行うことができると共に、電流値補正による
車両の前後トルク配分特性変化を防止することができ
る。
114を、補正許可条件が成立している時に行う1回の
補正量は、当初予想されるトルク配分クラッチのバラツ
キ範囲内(+5%)とし、補正後、再度補正許可条件が
成立すると、さらに、設定最大回数(7回)あるいは設
定最大電流(3A)までは同量の補正を繰り返す手段と
したため、予想外の駆動力配分制御性能低下を未然に防
止できるし、また、駆動系やサスペンションの破損を未
然に防止することができる。
114を、補正後、最終目標トルクTと前後回転数差△
Vwとを掛け合わせた滑り摩擦による熱負荷相当値QC
LUが規定値以上とならない状態が設定期間継続した場
合、設定期間の経過後、最終目標トルクTに対する電流
値iを減らす方向に補正量を戻す手段としたため、一時
的な高負荷による最終目標トルク−電流値マップのずれ
発生を防止することができる。
は、前輪駆動ベースの四輪駆動車への適用例を示した
が、後輪駆動ベースの四輪駆動車にも適用することがで
きる。
正許可条件を示したが、これらの条件にさらに別の条件
を加えても、また、これらの条件の中から不要な条件を
削除しても良い。
熱負荷相当値QCLUが規定値以上とならない状態が設
定期間継続とし、規定値は電流値を増す補正時の値と同
じ値とする例を示したが、電流値を増す補正条件の規定
値と、電流値を減らす補正条件の規定値とを異ならせて
設定するような例としても良い。
制御装置を示す全体システム図である。
たトルク配分コントローラでのトルク配分制御ブロック
図である。
の最終目標トルク決定部,最終目標トルク〜電流変換
部,最終出力判断部及びトルク−電流マップ学習補正制
御部を示す制御ブロック図である。
の最終目標トルク〜電流変換部に設定されている最終目
標トルク−電流値マップを設定するための実験結果であ
る実伝達トルク特性図である。
のトルク配分コントローラのトルク−電流マップ学習補
正制御部で行われるマップ学習補正処理の流れを示すフ
ローチャートでである。
Claims (3)
- 【請求項1】 エンジントルクを前輪と後輪に配分する
駆動系に設けられたトルク配分クラッチに対するトルク
配分コントローラからの制御指令により前輪と後輪に伝
達されるトルク配分比が制御される四輪駆動車の駆動力
配分制御装置において、 前後回転数差を検出する前後回転数差検出手段と、 トルク配分クラッチの締結により伝達する最適な目標ト
ルクを運転状態に応じて演算する目標トルク演算手段
と、 前記目標トルクを前記トルク配分クラッチへの電流値に
変換する目標トルク−電流値変換手段と、 4輪駆動状態での走行中、目標トルクと前後回転数差と
を掛け合わせた滑り摩擦による熱負荷相当値が規定値以
上という条件が成立し、かつ、高トルク入力時,発進
時,直進時,モード切り替えが有る場合にはモード切り
替え直後でない時,4輪駆動走行時,等の電流補正許可
判別を誤ることなく実行できる条件が全て成立する時で
あり、かつ、車輪速ハンチング時,駆動力配分制御装置
フェール時,制動ロック防止装置フェール時,制動ロッ
ク防止装置作動時,等の電流値補正により車両の前後ト
ルク配分特性変化影響を与える条件のいずれの条件も成
立していない間に1回のみ、目標トルクに対する電流値
を設定値だけ増すように、前記目標トルク−電流値変換
手段に設定されている目標トルク−電流値マップを補正
する学習補正制御手段と、 を前記トルク配分コントローラに設けたことを特徴とす
る四輪駆動車の駆動力配分制御装置。 - 【請求項2】 請求項1記載の四輪駆動車の駆動力配分
制御装置において、 前記学習補正制御手段を、補正許可条件が成立している
時に行う1回の補正量は、学習補正制御を行う際、製造
や組立によるトルク配分クラッチの個体バラツキや、温
度や湿度等によるトルク配分クラッチの環境バラツキに
より予想されるトルク配分クラッチのバラツキ範囲内と
し、補正後、再度補正許可条件が成立すると、さらに、
設定最大回数あるいは設定最大電流までは同量の補正を
繰り返す手段としたことを特徴とする四輪駆動車の駆動
力配分制御装置。 - 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の四輪駆動
車の駆動力配分制御装置において、 前記学習補正制御手段を、補正後、目標トルクと前後回
転数差とを掛け合わせた滑り摩擦による熱負荷相当値が
規定値以上とならない状態が設定期間継続した場合、設
定期間の経過後、目標トルクに対する電流値を減らす方
向に補正量を戻す手段としたことを特徴とする四輪駆動
車の駆動力配分制御装置。
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