JP5124811B2

JP5124811B2 - ゴルフボール

Info

Publication number: JP5124811B2
Application number: JP2006333958A
Authority: JP
Inventors: 厚紀笠嶋; 克典佐藤
Original assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Current assignee: Bridgestone Sports Co Ltd
Priority date: 2005-12-16
Filing date: 2006-12-12
Publication date: 2013-01-23
Anticipated expiration: 2026-12-12
Also published as: US20070142129A1; US7261651B2; JP2007160098A

Description

本発明は、ゴルフボールの打球が良く上がり、熟練者でなくても打ち易いゴルフボールに関し、特に、ゴルフ練習場等に使用される練習用に好適なゴルフボールに関する。

ラウンドゴルフを行う初心者にとっては、ゴルフコースのプレイ中、ドライバー，フェアウェイウッドなど飛距離を稼ぐクラブによる打球が思うように高く上がらなくなり、低い飛び，ボール着地が早過ぎることによって予期した飛距離を得ることができないことをしばしば経験するものである。

一方、ゴルフ練習場、特に都市内または都市近郊に設置された練習場においては、立地条件の面から限られた広さの敷地を防球ネットで包囲した、所謂都市型ゴルフ場が多く利用されているが、このようなゴルフ練習場で使用するゴルフボールは、通常の弾道を描いてしまい、飛ぶ打球は防球ネットを超えて外に飛び出し、周辺地域に危害を及ぼすおそれがある。

上記の理由から、ゴルフ練習場で使用する場合には、ゴルフボールの飛距離を抑制する必要があり、具体的には、ディンプルの容積を大きくし、空気抵抗を増大させて対処することが多く行われている。このようなゴルフボールとしては、例えば、特開平２−２９５５７３号公報（特許文献１）、特開平４−１１７９６９号公報（特許文献２）等に提案されたものがある。しこのようなボールによる打球は、弾道の高さが低くなり過ぎてしまい、打撃者（プレイヤー）にとって違和感のあるボールの弾道を描いてしまう欠点がある。

特開平２−２９５５７３号公報特開平４−１１７９６９号公報

本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、ドライバーなどの距離を稼ぐクラブによる打球が上がり易くなると共に、ゴルフプレイヤーにとって違和感のないボール弾道を得ることができるゴルフボールを提供することを目的とする。

本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ゴルフボールの球面上に多数のディンプルを有するゴルフボールにおいて、ディンプルの直径、ディンプル総数及びディンプル空間体積について着目し、具体的には、ディンプル直径が２〜６ｍｍ有し、総数２５０〜３３０個とし、そのうち直径４．５ｍｍ以上の大型ディンプルを少なくとも全体の６０％以上含むと共に、ディンプルの端縁によって囲まれた平面下のディンプル空間体積の合計が３２０〜３６０ｍｍ³であるようにディンプル設計を行うことにより、意外にも、ドライバー等のクラブにより打撃しても、打球が上がり易くなり、ゴルフプレイヤーにとって違和感のないボール弾道を得ることができ、特に、限られた広さを有するゴルフ練習場で使用されるゴルフボールとして有用であることを知見し、本発明を完成したものである。

従って、本発明は、下記のゴルフボールを提供する。
〔１〕球面上に多数のディンプルを有するゴルフボールにおいて、ボール直径が４２．６７〜４２．７ｍｍであり、上記ディンプルは、直径が２〜６ｍｍを有し、総数２５０〜３３０個、そのうち直径４．５ｍｍ以上の大型ディンプルを少なくとも全体の６０％以上含むと共に、ディンプルの端縁によって囲まれた平面下のディンプル空間体積の合計が３２０〜３６０ｍｍ³であり、ディンプルの端縁によって囲まれた平面下のディンプル空間体積を、上記平面を底面とし、この底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値の全ディンプルの平均値が０．４０〜０．４９の範囲内であり、ディンプル断面上の壁面において、ディンプルの端縁からディンプル最大深さの７０％の位置をＡ，Ａ、最深位置をＢとした場合、これらの位置を通る円弧を想定したときの該円弧の曲率半径Ｒ_bが９〜２４ｍｍの範囲内であり、かつディンプルの端縁からディンプル最大深さの３０％位置Ｃを通る壁面に対する接線と両端縁を結んだ線分との間の角度が６．５〜９．２°の範囲内であることを特徴とするゴルフボール。

本発明のゴルフボールは、ドライバーなどの距離を稼ぐクラブで打撃した場合、打球が上がり易くなり、違和感のないボール弾道を得ることができ、熟練者でなくても打ち易いボールである。

以下、本発明を、図面に基づき更に詳しく説明する。
図１は、本発明において第１実施例を示すゴルフボールの平面図であり、図２は、同ボールに使用されたディンプルの断面拡大図であり、図３はディンプルの拡大斜視図である。

これらの図において、ゴルフボールＧの球面上に多数のディンプルＤを有するが、このディンプルは直径Ｄｍが２〜６ｍｍを有し、合計２５０〜３３０個であり、そのうち直径Ｄｍが４．５ｍｍ以上の大型ディンプルＤ_Lを少なくとも全体の６０％を含む。本実施例においてはディンプルの平面形状は円形である。ディンプルの平面形状が多角形など円形以外の形状の場合、差し渡し距離を直径に代えて用いる。そして、ディンプルの端縁ｅに囲まれた平面より下のディンプル空間容積の合計は３２０〜３６０ｍｍ³である。全ディンプルに含まれる上記直径Ｄｍが４．５ｍｍ以上の大型ディンプルの比率の上限として８５％とすることがバランス良く配置する点から好ましく、また、ディンプルの上記空間体積の合計は３２５〜３５０ｍｍ³がより好ましい。

本発明において、直径４．５ｍｍ以上の大型ディンプルＤ_Lの直径の上限は６ｍｍである。また小形ディンプルＤ_Sの下限値は２ｍｍである。この数値を超えてしまうとパット時のボールの転がりに支障をきたす場合がある。一方、ディンプルの総数を２５０〜３３０個と少な目に配置し、且つディンプルの総空間体積を３２０〜３６０ｍｍ³にすることによって違和感のない弾道で飛距離を抑制することができる。

ディンプルの上端に位置する端縁ｅに囲まれた平面下のディンプル空間体積を、上記平面を底面とし、この底面からディンプルの最大深さＤ_pを高さとする円柱体積で除した値Ｖ_oの全ディンプルの平均値は０．４０〜０．４９の範囲内にあることが好適である。

ここで、上記Ｖ_o値について更に詳しく説明する。このＶ_o値は図３に示すように端縁ｅによって囲まれた平面Ｌ（円；直径Ｄｍ）下のディンプル空間の体積を求める。一方、上記平面を底面ｊとし（底面をディンプルの上記平面と同一にし）、平面Ｌからのディンプル最大深さＤ_pを高さとする円柱の体積を求める。そして、この円柱体積に対するディンプル空間体積の比がＶ_o値である。

そして、図２に示されるように、ディンプル断面の壁面において、ディンプルの端縁ｅからディンプル最大深さの７０％の深さＤ₇の位置をＡ，Ａ、最大深さ位置をＢとすると、これらの位置Ａ，Ｂ，Ａを通る円弧を想定したとき、この円弧の曲率半径Ｒ_bは９〜２４ｍｍである。

なお、位置Ａ，Ｂ，Ａに含まれるディンプル底部の形状は、位置Ａ，Ｂ，Ａを通る円弧と一致する場合があり、また、一致しない場合もある。

図２に示されるように、ディンプル断面上の壁面において、ディンプル端縁ｅから最大深さの３０％の深さＤ₃の位置Ｃを通る壁面に対する接線Ｊとディンプル両端縁を結んだ線分Ｌ₁との角度は６．５〜９．２°である。なお、図２において、ディンプルＤの端縁ｅから側方へ続く部分は陸部ａであり、陸部の頂点に接して延びる１点鎖線の円弧ｍはボールの径方向最外側にあって陸部の各頂点に接して延びる仮想円の一部である。

本発明のゴルフボールの構造については、ボール全体が合成ゴムなどの単一弾性材料によるワンピースボール、ゴム等の弾性コアとその外側を１種又は複数種の樹脂カバーで被覆したツーピースまたはマルチピース構造を適用することができる。ゴルフボールの内部構造を構成するコアやカバーの材料については特に制限はなく、種々の公知の合成樹脂や合成ゴムを主材として適宜採用することができる。

この場合、ボール重量、直径等のボール性状についてはゴルフ規則に従って適宜設定することができ、通常、直径４２．６７ｍｍ以上、重量４５．９３ｇ以下に形成することができる。

ディンプルの配列方法については特に制限はなく、球面２０面体，球面１２面体，球面８面体、更にはランダム配列等の公知の方法を採用することができる。

以下、本発明の実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記実施例に制限されるものではない。

〔実施例１〜３，比較例１〜４〕
以下に述べる実施例１〜３及び比較例１〜４の間で飛行性の比較テストを行った。このテストにあたり、ボールの構造については図４に断面図を示すように、ポリブタジエンゴムにて形成された直径３９．１ｍｍを有するソリッドコア（単一層）１と、このコア１を厚さ１．８ｍｍの一層のアイオノマー樹脂カバー２によって被覆してなるツーピースソリッド構造Ｇ（ボール直径：４２．７ｍｍ）を共通して用いた。そして、これらの実施例及び比較例のディンプル配置については、実施例１（図１），実施例２（図５），実施例３（図６），比較例１（図７），比較例２（図６），比較例３（図８），比較例４（図５）の各図の配置例を使用した。

次に、本実施例及び比較例におけるディンプルの詳細を下記表１・表２に示した。

本実施例及び比較例により得られたテスト結果を表３に示す。

飛び性能
打撃ロボットにクラブとしてドライバー（Ｗ＃１）を取り付け、ヘッドスピード４５ｍ／ｓの条件で各ボールを打撃し、キャリー・トータルを測定した。
仰角
「ポータブルＳＶ」（株式会社フローベル社製）を用いて測定した。

実施例１のゴルフボールのディンプル配列を示した平面図である。図１におけるディンプルの断面拡大図である。ディンプル空間体積Ｖ_oを説明するための説明図である。ツーピースゴルフボールの内部構造を示した断面図である。実施例２，比較例４のゴルフボールのディンプル配列を示した平面図である。実施例３，比較例２のゴルフボールのディンプル配列を示した平面図である。比較例１のゴルフボールのディンプル配列を示した平面図である。比較例３のゴルフボールのディンプル配列を示した平面図である。

符号の説明

Ｇゴルフボール
Ｄディンプル
Ｄ_L 大径ディンプル
Ｄ_m ディンプルの直径
ｅディンプルの端縁
Ｌディンプルの平面

Claims

球面上に多数のディンプルを有するゴルフボールにおいて、ボール直径が４２．６７〜４２．７ｍｍであり、上記ディンプルは、直径が２〜６ｍｍを有し、総数２５０〜３３０個、そのうち直径４．５ｍｍ以上の大型ディンプルを少なくとも全体の６０％以上含むと共に、ディンプルの端縁によって囲まれた平面下のディンプル空間体積の合計が３２０〜３６０ｍｍ³であり、ディンプルの端縁によって囲まれた平面下のディンプル空間体積を、上記平面を底面とし、この底面からのディンプルの最大深さを高さとする円柱体積で除した値の全ディンプルの平均値が０．４０〜０．４９の範囲内であり、ディンプル断面上の壁面において、ディンプルの端縁からディンプル最大深さの７０％の位置をＡ，Ａ、最深位置をＢとした場合、これらの位置を通る円弧を想定したときの該円弧の曲率半径Ｒ_bが９〜２４ｍｍの範囲内であり、かつディンプルの端縁からディンプル最大深さの３０％位置Ｃを通る壁面に対する接線と両端縁を結んだ線分との間の角度が６．５〜９．２°の範囲内であることを特徴とするゴルフボール。