JP5124335B2 - 木造建物用建築金物とその保護皮膜形成方法 - Google Patents

木造建物用建築金物とその保護皮膜形成方法 Download PDF

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Description

この発明は、木造建物に使用するいわゆる建築金物の防錆処理(耐腐食性の改善)に関する。
木造建物ではホールダウン金物や釘、ねじ、ボルトなどのいわゆる建築金物が多く用いられる。また、建物の耐久性を向上させるために、使用する木材に防腐防蟻薬剤を塗布・浸透させたり、耐震性能を向上させるために、柱に固定したホールダウン金物とコンクリート基礎に埋め込んだアンカーボルトとを緊結し、建物架構とコンクリート基礎との結合を強化している。
建築金物は多くが厚手の鋼板(2.3mm厚程度のものが多い)や径が12mm、16mmの鋼棒を素材とするので、その成形品の表面に防錆処理が必要である。
これまで建築金物の防錆処理としては、一般に、電気亜鉛めっきの上にクロメート皮膜か燐酸皮膜を形成しさらにその上に樹脂などの有機皮膜を形成したもの、あるいは溶融亜鉛めっき処理によるものが多い(特許文献1)。
しかし、これらの建築金物を防腐防蟻処理した木材に接触使用すると、防腐防蟻薬剤の多くは銅を含んでいるので、建築金物の亜鉛(卑)と銅(貴)との間で電食が発生し、亜鉛が急速に消耗して短時間で鉄の赤錆を生じる。
また、米松など酸性度の高い木酸を発生する樹種では、これに従来の防錆処理による建築金物を接触使用すると、亜鉛の無機被膜が酸と反応して短期間で鉄の赤錆が発生する。
また、コンクリート基礎に埋め込まれたアンカーボルトは、コンクリート中ではコンクリートによる強アルカリ性環境のため鋼材の腐食は生じないが、アンカーボルトが露出するコンクリートとの境界面箇所では、コンクリートの打設当初は水和が完了するまで打設表面に滞留する強アルカリ性の水溶液に曝されて、亜鉛めっき層が薄くなっている。このため、アンカーボルトの素材表面が空気と接して赤錆を生じることがある。
このような、赤錆は長期的には建築金物として強度上の疑念がある。また、目立つので、施主の目にとまる状況では、施工に対して不信感を持たれかねない。
一方、従来の電気亜鉛めっきの上にクロメート処理を施す防錆処理は、防錆性能に優れるが有害物質に指定されている6価クロムを含有している。このため、これを使用しない防錆処理も提案されている(特許文献2)。特許文献2のものは、鉄亜鉛−合金層、金属製のベースコート層及び珪素系のトップコート層を形成することにより、クロムを使用しない構成としているが、酸やアルカリ、銅など異種金属との電食に対しての耐食性に弱い。
特開2007−24295号公報 特開2007−333186号公報
この発明は、木造建物用建築金物に特有である防腐防蟻処理木材に使用して赤錆を生じない金物とすること、酸性環境、アルカリ環境に強い金物とすること、及び安価であると共に、保護皮膜に靭性があって傷がつきにくく、また、保護皮膜が薄く均一な金物を得ることと、その保護皮膜の形成方法の提供を課題とする。
成形後の木造建物用建築金物の鋼板素地に亜鉛めっき(多くは電気めっき)を施し、第1層を形成する。
ついで、エポキシ変成塗料を塗装し、焼付けることによりプライマー層(第2層)を形成する。
さらにメラミン変成アクリル塗料のトップコートを塗装し、焼付けて第3層を形成する。
第1〜3層からなる複合皮膜を保護皮膜とする。
第2層の亜鉛めっき層に焼き付けたエポキシ変成塗料の皮膜は、焼き付けにより亜鉛めっき層と密着し、また、第3層のメラミン変成アクリル塗料の皮膜とも良好に結合する。このため、第2層のエポキシ変成塗料皮膜がプライマー層となって、メラミン変成アクリル塗料の皮膜を亜鉛めっき層の表面へ強力に結合した強靭な保護皮膜となる。
亜鉛めっき層をエポキシ変成塗料及びメラミン変成アクリル塗料の皮膜で2重に被覆した構造となるので、亜鉛めっき層の保護が確実である。
エポキシ変成塗料及びメラミン変成アクリル塗料は安価であり、また、膜厚の調整を行いやすく、保護皮膜の厚さを薄く均一なものにしやすい。
カラーリングが可能である。
〔電気亜鉛めっき工程〕
電気亜鉛めっき自動ライン1を用いて、成形後の木造建物用建築金物2(鋼製、以下、ワーク)の表面に膜厚8μmの亜鉛層(第1層)を形成する。
〔第1回塗装工程〕
亜鉛めっきされたワーク2を自動塗装コーター3のバスケットに入れてエポキシ変成塗料に浸漬し、次いで、遠心力により振り切りを行う。ワーク2の表面に均一で薄い塗膜が形成される。カラーリングの際は色調によってコーター内部のタンクを変更する。
〔第1回乾燥焼付け工程〕
塗装後、コーター3のバスケットを反転させて、ワーク2をネットコンベアーオーブン4のネットコンベアー5上にばら撒く。ワーク2はネットコンベアー5に乗ってオーブン内部を通過し、乾燥され、ついで200℃で20分間焼き付けられる。乾燥、焼付けは連続的に行われる。これによって、厚さ約1μmのプライマー層(第2層)が形成される。
〔放熱工程〕
第1回乾燥焼付け工程を終了したワーク2は、第2層と亜鉛めっき層との密着を完了させ、トップコートへの塗装が安定して行われるように、ネットコンベアー上あるいは、その末端に配置した容器中で常温になるまで放熱される。
〔第2回塗装工程〕
プライマー層が形成されたワーク2は再び自動塗装コーター3によってメラミン変成アクリル塗料に浸漬され、振り切りによって余剰の塗料が除去され、塗装される。この場合、塗料の濃度や遠心振り切りの程度を調整して皮膜の厚さを焼付け後約6μm程度となるように調整しておく。コーター3内部のタンクはメラミン変成アクリル塗料を入れたものに交換しておく。
〔第2回乾燥焼付け工程〕
第1回同様、ワーク2を自動塗装コーター3からネットコンベアーオーブン4のネットコンベアー上に落とし、乾燥の後オーブン内で200℃、20分間の焼付けを行う。これにより膜厚約6μmのメラミン変成アクリル塗料の皮膜(第3層)が形成される。
このようにして形成された保護皮膜の断面を図2に模式的示す。保護皮膜は防錆を主たる目的としたものであり、第1層が亜鉛めっき、第2層が高耐食性有機プライマー層、第3層が高耐食性トップコーティングから構成される膜厚約15μmの複合皮膜である。この構造は、亜鉛の高い犠牲防食性能を保有すると共に有機皮膜による耐電食性能及び耐酸・耐アルカリ性能に優れたものである。また、クロムの使用はない。
〔防腐防蟻処理木材との接触腐食試験〕
図3は、防腐防蟻処理木材との接触腐食の状態(屋外暴露)を本願の保護皮膜を施した鋼板と他の保護皮膜を備えたものとの試験による比較である。
防腐防蟻処理薬剤は「マイトレックACQ」(株式会社コシイプレザービングの商標)である。試験に際しての他の各種条件は図中に記載している。
(1)の本願発明の保護皮膜を施したものは赤錆の発生(写真では黒く見える部分)が明らかに少ない(ほとんど発生していない)。
〔酸性度の高い木酸を含む木材との接触腐食試験〕
図4は、酸性度の高い木酸(pH3.75)を含む木材として米松を選択し、これに貫通して固定されるボルトを対象とした試験の状況である。
試験に際しての各種条件は図中に記載している。
(1)の本願発明の保護皮膜を施したものは赤錆の発生が明らかに少ない(ほとんど発生していない)。
〔電食試験〕
図5は、ステンレス板を本願による保護皮膜で防錆処理したビスと亜鉛フレーク積層皮膜(ノンクロム)で処理したビスとでそれぞれ木材に固定し、塩水噴霧試験を実施した結果である。
試験に際しての各種条件は図中に記載している。
図から明らかなように、(1)の本願による保護皮膜で防錆処理したビスの場合は、ステンレス板との間に電食による赤錆の発生はほとんど見られない。一方、(2)の亜鉛フレーク積層皮膜(ノンクロム)で処理したビスの場合は、150時間後においてすでに赤錆の発生が激しく、(3)の1000時間後にはビス頭を判別できないくらいの激しい腐食となっている。
以上のように、この発明は簡単で安価な構成であるが、実用において、安定した、かつ、優れた効果を発揮する。
また、比較試験では防錆性能を主としたが、本願の発明による保護皮膜は次の作用効果も合わせ発揮する。
アンカーボルトなどのコンクリート基礎境界面腐食に対し、高い耐アルカリ性能を発揮する。
皮膜厚さが約15μmなのでボルト・ナットなどのねじ部の嵌合をスムーズに行える。
保護皮膜が強靭で締め付けなどの作業で傷がつきにくい。
確認検査の時、使用ビスの長さを目で確認できるようにするためのカラーリングなども可能である。
工程を説明するための図。 保護皮膜の断面構造を示す図。 屋外暴露試験の結果を示す写真。 接触腐食試験の結果を示す写真。 塩水噴霧試験の結果を示す図。
符号の説明
1 電気亜鉛めっき自動ライン
2 ワーク(木造建物用建築金物)
3 自動塗装コーター
4 ネットコンベアーオーブン
5 ネットコンベアー

Claims (2)

  1. 鋼板素地に亜鉛めっきを施した後、エポキシ変成塗料を焼付けてプライマー層を形成し、さらに、メラミン変成アクリル塗料のトップコートを焼付けることにより素地表面に複合皮膜を形成して保護皮膜としてあることを特徴とした木造建物用建築金物。
  2. 鋼板素地に亜鉛めっきを施し、ついで、エポキシ変成塗料を塗装し焼付けてプライマー層を形成し、さらに、メラミン変成アクリル塗料のトップコートを塗装して焼付け複合皮膜とすることを特徴とした木造建物用建築金物の保護皮膜形成方法。
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