JP5124311B2 - 作動装置 - Google Patents
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Description
それに対し、本作動装置の制御装置においては、加速度情報取得装置により取得された装置本体の加速度情報がそのまま駆動源に対する作動指令にフィードバックされるのではなく、位置指令部の位置指令を入力として加速度指令を出力する第3フィードフォワード補償器の出力との差分が駆動源に対する作動指令にフィードバックされるようになっており、装置本体の振動がアクティブに抑制される。
しかも、本作動装置の制御装置は、位置制御系と加速度制御系とのフィードバック補償器を共に可動部材の移動につれてパラメータが変化する可変構造とするのであり、位置決め応答の過程において目標位置近傍までは位置決め応答性能重視の制御系によって位置決めを行い、目標位置近傍において装置本体の振動抑制性能重視の制御系へ切り替え、両制御系の特長を時変的に取り込み、位置決め応答システム全体としての性能を向上させるものである。
このように、基本的な目標値追従特性は従来通りフィードフォワード補償器により規定し、モータ位置決め精度を害しない範囲内で装置本体の残留振動をフィードバック補償器の変更(可変制御系)により実現するものであり、それによって、可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制という2つの目的を高度に達成することが可能となった。それと同時に、停止中に他の機器からの振動の伝達による装置本体の振動が停止精度に与える影響を低減させる効果も得られる。
制御対象の特性自体が時間の経過につれて変化する場合に良好な制御を行うために、制御系の制御特性が時間の経過に伴って変化する時変制御系を導入することは既に知られているが、本作動装置の制御装置におけるように、高速位置決め性能と振動抑制性能というように、複数の制御目的を共に達成するために制御系を可変とすることは未だ知られていない。
その装置本体に対して相対移動可能な可動部材と、
駆動源を備え、前記装置本体に対して前記可動部材を相対移動させる駆動装置と、
前記駆動源を制御することにより前記可動部材の前記装置本体に対する相対位置を制御する制御装置と
を含む作動装置であって、前記制御装置が、
(a)前記可動部材の位置を指令する位置指令部と、(b)その位置指令部からの位置指令を入力として前記駆動源に対する第1作動指令を出力する第1フィードフォワード補償器と、(c)前記位置指令部からの位置指令を入力として新たな位置指令を出力する第2フィードフォワード補償器と、(d)前記可動部材の位置に関する情報を取得する位置情報取得装置と、(e)前記第2フィードフォワード補償器の出力と前記位置情報取得装置の出力との差分を入力として前記駆動源に対する第2作動指令を出力する第1フィードバック補償器とを備えた位置制御系と、
(f)前記装置本体の加速度に関する情報を取得する加速度情報取得装置と、(g)前記位置指令部の位置指令を入力として加速度指令を出力する第3フィードフォワード補償器と、(h)その第3フィードフォワード補償器の出力と前記加速度情報取得装置の出力との差分を入力として前記駆動源に対する第3作動指令を出力する第2フィードバック補償器とを備えた加速度制御系と
を含むことを特徴とする作動装置。
(2)前記第1フィードバック補償器と前記第2フィードバック補償器との両方を含み、かつ、それら両補償器が可変補償器とされた(1)項に記載の作動装置。
前述のように、(1)項に記載の制御装置によれば、可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制という2つの目的を従来より良好に達成し得るのであるが、さらに改良の余地がある。外乱成分の主成分である非線形摩擦の影響が低周波数領域で顕著であるため、位置決め応答性能の向上のためには低周波数領域での低感度化を重視した制御系設計が望ましい。一方、装置本体の振動抑制に関しては、装置本体の振動周波数での低感度化を重視した制御系設計が望ましい。しかし、ある安定余有を確保した上では、ボードの感度積分定理から全周波数帯で望ましい感度特性を得ることは不可能であり、感度特性の悪い帯域が存在することを避け得ず、可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制という2つの目的を高度に達成することは困難である。
そこで、本項に係る発明においては、第1フィードバック補償器と第2フィードバック補償器とを可動部材の移動に伴って変化する可変フィードバック補償器とすることとしたのである。例えば、位置制御系と加速度制御系とのフィードバック補償器を共に可動部材の移動につれてパラメータが変化する可変構造とするのであり、位置決め応答の過程において目標位置近傍までは位置決め応答性能重視の制御系によって位置決めを行い、目標位置近傍において装置本体の振動抑制性能重視の制御系へ(制御目的の異なる制御系へ)滑らかに切り替え、両制御系の特長を時変的に取り込み、位置決め応答システム全体としての性能を向上させるのである。
制御対象の特性自体が時間の経過につれて変化する場合に良好な制御を行うために、制御系の制御特性が時間の経過に伴って変化する時変制御系を導入することは既に知られている。しかし、本項に係る発明におけるように、高速位置決め性能と振動抑制性能というように、複数の制御目的を共に達成するために制御系を可変とすることは未だ知られていない。
なお、本発明における可変制御系は、時間の経過に伴って制御特性が変化する時変制御系に限定されるものではなく、例えば、可動部材の移動速度,移動加速度(減速度を含む),目標位置までの距離等の変化に伴って制御特性が変化するものをも包含する。
以上のように、本項の発明は、基本的な目標値追従特性は従来通りフィードフォワード補償器により規定し、モータ位置決め精度を害しない範囲内で装置本体の残留振動をフィードバック補償器の変更(可変制御系)により実現するものであり、それによって、可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制という2つの目的を高度に達成することが可能となった。それと同時に、停止中に他の機器からの振動の伝達による装置本体の振動が停止精度に与える影響を低減させる効果も得られる。
(3)前記第1フィードバック補償器と前記第2フィードバック補償器とが、前記第1フィードフォワード補償器の第1作動指令に対する影響の度合いが、通常は前記第1フィードバック補償器の第2作動指令が大きく、前記位置指令部により指令された目標位置の近傍においては前記第2フィードバック補償器の第3作動指令が大きくなる可変補償器とされた(2)項に記載の作動装置。
(4)前記第1フィードバック補償器と前記第2フィードバック補償器とが、前記可動部材の前記目標位置近傍の交替領域において滑らかに交替する(3)項に記載の作動装置。
(5)前記制御装置が、前記可動部材の移動距離,最大移動速度,移動方向および前記可動部材と共に移動する質量の少なくとも1つに応じて前記交替領域を変更する交替領域変更部を含む(4)項に記載の作動装置。
可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制という2つの目的を高度に達成するためには、第1フィードバック補償器と第2フィードバック補償器との交替領域、特に交替開始点の選定が重要であり、制御装置を交替領域変更装置を含むものとすれば、交替領域を、可動部材の移動距離,最大移動速度,移動方向および可動部材と共に移動する質量の大きさ等に適したものに変更することができ、一層良好に2つの目的を達成することができる。
また、交替領域変更部を、交替領域の変更に伴う可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制とに対して、より良好な交替領域を学習する学習部を含むものとすれば、制御装置の制御特性が作動装置の作動中に自動的に改良されることとなり、設計段階において交替領域の選定に要する時間を短縮しつつ、2つの目的を高度に達成することが可能となる。
(6)前記第3フィードフォワード補償器が、位置指令から作動指令までの伝達特性を有する第1フィードフォワード補償器と作動指令から加速度検出装置の出力までの伝達特性との積で表現される(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の作動装置。
第3フィードフォワード補償器を本項に記載の構成とすることにより、第3フィードフォワード補償器から、位置情報取得装置により取得される可動部材の位置に関する情報が第2フィードフォワード補償器の出力に追従する場合の加速度応答が出力されることとなる。
(7)前記可動部材が、前記装置本体に設けられた直線ガイドに案内されて直線移動する直線移動部材である(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の作動装置。
可動部材が装置本体に対して相対回転させられる回転部材である作動装置に本発明を適用することも可能であるが、可動部材が直線移動部材である場合、特に、直線移動部材が直線ガイドに案内される場合に非線形摩擦の影響を受け易く、本発明の効果を特に有効に享受することができる。
(8)前記駆動装置が、互いに螺合したねじ軸とボールナットとを含み、それらねじ軸とボールナットとの一方が前記駆動源により回転させられる一方、他方の回転が阻止されることにより、前記直線移動部材を直線移動させるものである(7)項に記載の作動装置。
直線ガイドに案内される可動部材を駆動する駆動装置として、リニヤモータ等を採用することも可能であるが、回転駆動源とボールねじとの組合わせにより可動部材を駆動する駆動装置においては、ボールねじにおいて非線形摩擦の影響を受け易く、本発明の適用効果が大きい。
(9)前記装置本体に、回路基板を保持する基板保持装置が取り付けられる一方、前記可動部材に、電子回路部品を保持し、前記可動部材の移動に伴って、前記基板保持装置に保持された回路基板の表面に平行な方向に移動させられ、その回路基板に電子回路部品を装着する部品装着ヘッドが取り付けられた(1)項ないし(8)項のいずれかに記載の作動装置。
本項は、電子回路部品装着機の装着装置に本発明を適用した場合の例であり、可動部材を高速で点から点へ順次移動させることが要求される。制御量に対してセンサを取り付けてフィードバック制御をすることは従来から行われており、駆動源の回転位置を検出するロータリエンコーダや可動部材の位置を検出するリニアスケールに加えて、装置本体の加速度を検出する加速度センサを設け、フィードバック制御を行うことは従来から行われていた。しかし、電子回路部品装着機におけるように、駆動源に、可動部材を1つの位置から次の位置へ移動させるべきことを指令する作動指令が順次与えられて、可動部材が点から点へ順次移動する作動に対して、加速度センサを用いて停止位置を高速整定させることは行われていなかった。
本項の発明によれば、電子回路部品装着機の電子回路部品の回路基板に対する装着位置の精度が向上する効果が得られる。また、電子回路部品装着機の装置本体から床に伝達される振動が低減する効果も得られる。
(10)前記装置本体が、下フレームと、その下フレームから立ち上がった複数本のコラムと、それらコラムに支持された上フレームとを含み、その上フレームに第1可動部材が水平な第1方向に移動可能に保持され、その第1可動部材に第2可動部材が前記第1方向と直交する水平な第2方向に移動可能に保持され、その第2可動部材に前記装着ヘッドが取り付けられた(9)項に記載の作動装置。
装置本体が本項の構成を有し、上フレームに第1,第2可動部材が保持され、高速で移動させられる場合には、両可動部材の加速,減速に伴って装置本体に振動が生じ易く、可動部材の位置決め精度に悪影響を及ぼし易い。特に、基板保持装置が下フレームに保持される一方、装着ヘッドが上フレームに保持される場合には、装置本体の振動により、基板保持装置に保持された回路基板と装着ヘッドに保持された電子回路部品との装置位置が振動的に変動し、電子回路部品の回路基板に対する装着位置精度が低下し易いため、本発明を適用することの効果が大きい。この場合、後述の(12)項〜(14)項に記載の位置に加速度センサを設けることが有効であり、(16)項あるいは(17)項に記載の位置に設けることが特に有効である。
(11)前記装置本体が共通のベースに複数支持され、当該作動装置が共通のベース上に構成された(10)項に記載の作動装置。
複数の電子部品装着モジュールが共通のベース上に載置され、固定されて電子部品装着システムが構成される場合が、本項の作動装置の代表的なものであり、この種の電子回路部品装着システムにおいては、隣接する電子回路部品装着モジュールの振動がベースを介して伝達されるため、各電子部品装着モジュールにおいて、それぞれの可動部材の移動に伴う装置本体の振動を低減させるのみでは十分とは言えない事態が生じる。この場合に、本発明を適用すれば、ベースを介して伝達される振動に起因する装置本体の振動も抑制されるため、電子部品装着モジュールにおける電子回路部品の装着位置精度を向上させることができる。この場合、(14)項に記載の通り、ベースに加速度センサを設けることが有効になる。
なお、本項の特徴は(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の作動装置にも適用可能である。
(12)前記加速度情報取得装置が、前記装置本体の、水平面内において互いに直交する2方向の少なくとも1方向における加速度を検出可能な位置に設けられた1つ以上の加速度センサを含む(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の作動装置。
可動部材が一直線に平行な方向にのみ移動させられる作動装置においては、その一直線に平行な方向における装置本体の加速度が検出されればよい場合が多い。しかし、可動部材が一直線に平行な方向にのみ移動させられる場合であっても、装置本体の構造等によっては、水平面内において互いに直交する2方向における加速度が検出されることが望ましい場合もある。可動部材が、水平面内において互いに直交する2方向に移動させられる場合には、一般に水平面内において互いに直交する2方向における加速度が検出されることが望ましい。
(13)前記加速度情報取得装置が、前記下フレーム,前記複数本のコラムおよび前記上フレームのうちの少なくとも1つの、前面,後面および側面の少なくとも1つの、少なくとも1箇所に設けられた1つ以上の加速度センサを含む(10)項または(11)項に記載の作動装置。
(14)前記加速度情報取得装置が、前記第1可動部材と前記第2可動部材との少なくとも一方の、前面,後面および側面の少なくとも1つの、少なくとも1箇所に設けられた1つ以上の加速度センサを含む(10)項,(11)項または(13)項に記載の作動装置。
(15)前記装置本体が共通のベースに複数支持されて当該作動装置が共通のベース上に構成され、前記加速度情報取得装置が、前記共通のベースの前面,後面および側面の少なくとも1つの少なくとも1箇所に設けられた1つ以上の加速度センサを含む(10)項,(12)項ないし(14)項のいずれかに記載の作動装置。
(16)前記加速度情報取得装置が2つ以上の加速度センサを含み、それら2つ以上の加速度センサのうちの2つの出力の差を前記装置本体の加速度情報として取得する(12)項ないし(15)項のいずれかに記載の作動装置。
作動装置からそれが設置された床への振動の伝達を低減させることが望まれる場合には、装置本体全体の振動を低減させることが必要であるが、例えば、次項におけるように特定の2つの部分の相対振動を低減させることが望まれる場合には、それら2部分に設けられた2つの加速度センサの出力の差が検出され、制御に使用されるようにすることが有効であることがある。
(17)前記加速度情報取得装置が、前記装置本体の前記部品装着ヘッドを保持する部分の加速度を検出する第1加速度センサと、前記装置本体の前記基板保持装置を保持する部分の加速度を検出する第2加速度センサとを含み、それら第1,第2加速度センサの出力の差を前記装置本体の加速度情報として取得する(16)項に記載の作動装置。
得られた数学モデルの周波数特性を図7,8に示す。図7から明らかなように、装置本体20の振動による1次振動モード(32Hz),Yスライド装置72の機構振動である2次振動モード(60Hz),Yナット80の柔軟性による3次振動モード(198Hz)が存在する。また,図8から明らかなように,装置本体20の振動系には32Hzと49Hzの2つの振動モードが存在する。なお、この場合、Yスライド76の5mmの移動距離に対し、位置指令開始後320Ts(Tsはサンプリング時間)以内に、ロータリエンコーダ206の±1パルスの精度内にYスライド76を整定させることを目標制御仕様とした。
そこで、これらの問題を解決するために、装置本体20の加速度αsをフィードバックすることにより、アクティブな振動抑制を試みた。そのために設計した制御系を図10に示す。この制御系は前記図9の制御系に装置本体20の加速度を補償する加速度フィードフォワード補償器Ns(s)および加速度フィードバック補償器Cs(s)を追加したものである。そして、この多変数系を取り扱うために、状態方程式をベースとする制御理論を適用することとし、その代表的な手法の一つであるH∞制御を導入した。
この図10に示す制御系によれば、図9の制御系に比較して、高速位置決め性能と制振性能との両方をより良好に達成することができ、この制御系は本発明の一実施例である。
一般に、状態量フィードバック制御, H∞制御,μ設計法など線形時不変制御系設計手法では、どのような設計過程であったとしても、設計された補償器は周波数整形を基とするものとして表現(等価変換)できる。そのため多くの制御系では、ある安定余有を確保した上で、必要となる帯域で望ましい感度特性となるよう調整される場合が多い。しかし、高次振動モードや無駄時間,センサノイズなどの影響から、安定性を確保した上で望ましい感度特性を実現できるとは限らない。また、ある安定余有を確保した制御系の実現を考えた場合、ボードの感度積分定理から、全周波数帯で望ましい感度特性を得ることは不可能であり、感度特性の悪い帯域が存在することを避け得ない。
この事情は装着モジュール10の制御においても同様であり、位置決め応答性能の向上を考えた場合には、外乱成分の主成分である非線形摩擦の影響が低周波数領域で顕著であるため、低周波数領域での低感度化を重視した制御系設計が望ましい。一方,装置本体20の振動抑制に関しては、装置本体20の振動周波数での低感度化を重視した制御系設計が望ましいが、上記の制約から両性能を高度に両立させることは困難である。
このように、ある周波数帯での特性を重視した制御系を用いることで、設計指針に基づいた性能を実現できるものの、装着モジュール10における位置決め応答性能と装置本体20の振動抑制の両立という複数の制御目的を高度に両立させることは困難であることが明らかとなった。
制御対象の特性が時間の経過につれて変化する場合に良好な制御を行うために、制御系の制御特性が時間の経過に伴って変化する時変制御系を導入することは既に知られているが、本発明におけるように、高速位置決め性能と制振性能というように、複数の制御目的を共に達成するために制御系を可変とすることは未だ知られていない。
そこで、この可変制御系の概念を図14に基づいて説明する。なお、本発明における可変制御系は、前述のように、時間の経過に伴って制御特性が変化する時変制御系に限定されるものではないが、以下においては時変制御系とする場合を例として説明する。
1) 位置決め応答中の初期時刻から、目標値整定以前、以後などで望ましいと思われる補償器を複数設計する。
2) 設計した各補償器を変更するタイミングを決定する。
3) 設計した補償器及び補償器変更タイミングから補間処理によって位置決め応答全時間帯における補償器を算出する。
なお、各補償器は線形時不変制御系として設計できることから、従来の制御系設計手法および結果をそのまま利用できる。
時変補償器としては、例えば、下記(3)式で表される初期時刻から0.2sまでは定数ゲインCc(s,t)、0.2s〜0.3sの間にノッチフィルタCn(s、t)の特性となるような時変補償器の採用が可能である。なお、数学的に厳密ではないが、分かり易さを考慮し、各補償器をCc(s,t),Cn(s、t)と表記する。
図16は,ボード線図にて時変制御系の特性を確認したもので,定数ゲインからノッチフィルタの特性へと滑らかに変化していることが確認できる。図17は、この時変補償器にノッチフィルタ減衰周波数の正弦波を入力として与えた際の時間応答特性であり、時変的に補償器が変化している様子が確認でき、前記時変制御系設計手順により時変補償器が設計可能であることが確認できた。
このように、補償器特性変化前後での極,零点数が異なったとしても極零相殺の利用や、ナイキスト周波数近くの零点を用いるなどし、極零点数を一定としておけば様々な特性の時変制御系を実現できる。
制御系設計として考慮すべき事項としては、
1)モータ位置応答の定常偏差を補償するためにCm(s)に積分器を含ませる(制御系のI型を確保)こと、
2)サーボ加速度計の測定帯域(0〜200Hz程度)を考慮し、Cs(s)は高域で大きな減衰特性を持たせること
という2点が挙げられる。そこで、各制御系の設計に当たっては、コントローラ1では低周波数域での感度特性の向上、つまりはCm(s)の低域でのゲインを大きく設計し、コントローラ2では、特に装置本体20の残留振動の抑制を目的としていることから、装置本体20の1次振動モード32Hz付近の加速度感度特性が小さくなるよう設計を行う。そこでCm(s)はPID補償器をベースとし、安定化フィルタを付加する形で、また、Cs(s)に関してはPD補償器と安定化フィルタにより構成するものとした。
図23〜図25にシミュレーション結果を示す。各図中、鎖線はフィードフォワード指令を示し、点線はコントローラ1,破線はコントローラ2,実線はコントローラ3の各々による応答を示す。前記段落〔0036〕,〔0037〕に記載したように、コントローラ1,2では両者の設計段階で重視した特性は良好なものの、他方の特性については十分な性能を有しているとは言い難い。それに対し、時変制御系であるコントローラ3はコントローラ1,2の長所を時変的に取り込むことを目的に設計されており、モータ軌跡追従誤差をコントローラ2に比べ小さくでき、かつ、振動周波数特性から装置本体20の1次振動モードに当たる32Hzの残留振動をコントローラ1に比べて小さくできており、時変制御系設計指針通りの結果となっていることが確認できる。なお、49Hz付近の2次振動モードの影響が大きく出ているが、これはコントローラ2の設計段階で積極的に考慮していないためであり、時不変制御系設計次第で改善可能である。
Claims (9)
- 装置本体と、
その装置本体に対して相対移動可能な可動部材と、
駆動源を備え、前記装置本体に対して前記可動部材を相対移動させる駆動装置と、
前記駆動源を制御することにより前記可動部材の前記装置本体に対する相対位置を制御する制御装置と
を含む作動装置であって、前記制御装置が、
(a)前記可動部材の位置を指令する位置指令部と、(b)その位置指令部からの位置指令を入力として前記駆動源に対する第1作動指令を出力する第1フィードフォワード補償器と、(c)前記位置指令部からの位置指令を入力として新たな位置指令を出力する第2フィードフォワード補償器と、(d)前記可動部材の位置に関する情報を取得する位置情報取得装置と、(e)前記第2フィードフォワード補償器の出力と前記位置情報取得装置の出力との差分を入力として前記駆動源に対する第2作動指令を出力する第1フィードバック補償器とを備えた位置制御系と、
(f)前記装置本体の加速度に関する情報を取得する加速度情報取得装置と、(g)前記位置指令部の位置指令を入力として加速度指令を出力する第3フィードフォワード補償器と、(h)その第3フィードフォワード補償器の出力と前記加速度情報取得装置の出力との差分を入力として前記駆動源に対する第3作動指令を出力する第2フィードバック補償器とを備えた加速度制御系と
を含み、かつ、前記第1フィードバック補償器と前記第2フィードバック補償器とが、前記第1フィードフォワード補償器の第1作動指令に対する影響の度合いが、通常は前記第1フィードバック補償器の第2作動指令が大きく、前記位置指令部により指令された目標位置の近傍においては前記第2フィードバック補償器の第3作動指令が大きくなる可変補償器とされたことを特徴とする作動装置。 - 前記第1フィードバック補償器と前記第2フィードバック補償器とが、前記可動部材の前記目標位置近傍の交替領域において滑らかに交替する請求項1に記載の作動装置。
- 前記第3フィードフォワード補償器が、位置指令から作動指令までの伝達特性を有する第1フィードフォワード補償器と作動指令から加速度検出装置の出力までの伝達特性との積で表現される請求項1または2に記載の作動装置。
- 前記可動部材が、前記装置本体に設けられた直線ガイドに案内されて直線移動する直線移動部材である請求項1ないし3のいずれかに記載の作動装置。
- 前記装置本体に、回路基板を保持する基板保持装置が取り付けられる一方、前記可動部材に、電子回路部品を保持し、前記可動部材の移動に伴って、前記基板保持装置に保持された回路基板の表面に平行な方向に移動させられ、その回路基板に電子回路部品を装着する部品装着ヘッドが取り付けられた請求項1ないし4のいずれかに記載の作動装置。
- 前記装置本体が、下フレームと、その下フレームから立ち上がった複数本のコラムと、それらコラムに支持された上フレームとを含み、その上フレームに第1可動部材が水平な第1方向に移動可能に保持され、その第1可動部材に第2可動部材が前記第1方向と直交する水平な第2方向に移動可能に保持され、その第2可動部材に前記装着ヘッドが取り付けられた請求項5に記載の作動装置。
- 前記装置本体が共通のベースに複数支持され、当該作動装置が共通のベース上に構成された請求項1ないし6のいずれかに記載の作動装置。
- 前記加速度情報取得装置が、前記装置本体の、水平面内において互いに直交する2方向の少なくとも1方向における加速度を検出可能な位置に設けられた1つ以上の加速度センサを含む請求項1ないし7のいずれかに記載の作動装置。
- 前記加速度情報取得装置が2つ以上の加速度センサを含み、それら2つ以上の加速度センサのうちの2つの出力の差を前記装置本体の加速度情報として取得する請求項1ないし8のいずれかに記載の作動装置。
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