JP5124311B2 - 作動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、装置本体に相対移動可能に保持された可動部材が駆動装置により装置本体に対して相対移動させられる作動装置に関するものであり、特に、可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制とを両立させる技術に関する。
この種の作動装置において、可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制とを両立させるための提案が下記特許文献1〜3等になされている。特許文献1および2には、装置本体の振動に起因する加速度を加速度検出装置により検出し、駆動装置の駆動源に対する作動指令にフィードバックすることにより、可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制との両方を達成することが記載されている。また、特許文献3には、装置本体が振動する制御対象に対する位置指令パラメータの設計、もしくは位置指令と補償器の両方のパラメータの設計に要する作業時間を短縮するために、遺伝アルゴリズムを用いて自律設計を行うことが記載されている。すなわち、電動機で駆動される位置決め装置を搭載した装置本体が振動する制御対象に対して、電動機の回転位置、または位置決め装置の可動部材の位置に関する情報である位置情報を用いて位置決め制御系を構成する際に、可動部材の特定の移動距離もしくは複数の移動距離に対して、位置決め仕様を満足し、装置本体の振動抑制に関する制御目標を考慮し、かつ、動作上の安全性も考慮した位置指令パラメータ、もしくは位置指令と補償器との両方のパラメータを、遺伝アルゴリズムを用いて自律設計することが記載されている。
特開平5−250041号公報 特開平6−151272号公報 特開2004−240609号公報
しかしながら、特許文献1〜3に記載された制御系では未だ可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制との両方を十分に達成し得ない場合があり、さらに改良の余地がある。本発明は、この改良を課題として為されたものである。
上記課題を解決するために、本発明は、(1)装置本体と、(2)その装置本体に対して相対移動可能な可動部材と、(3)駆動源を備え、装置本体に対して可動部材を相対移動させる駆動装置と、(4)駆動源を制御することにより可動部材の装置本体に対する相対位置を制御する制御装置とを含む作動装置において、制御装置を、(A)(a)可動部材の位置を指令する位置指令部と、(b)その位置指令部からの位置指令を入力として駆動源に対する第1作動指令を出力する第1フィードフォワード補償器と、(c)位置指令部からの位置指令を入力として新たな位置指令を出力する第2フィードフォワード補償器と、(d)可動部材の位置に関する情報を取得する位置情報取得装置と、(e)第2フィードフォワード補償器の出力と位置情報取得装置の出力との差分を入力として駆動源に対する第2作動指令を出力する第1フィードバック補償器とを備えた位置制御系と、(B)(f)装置本体の加速度に関する情報を取得する加速度情報取得装置と、(g)位置指令部の位置指令を入力として加速度指令を出力する第3フィードフォワード補償器と、(h)その第3フィードフォワード補償器の出力と加速度情報取得装置の出力との差分を入力として駆動源に対する第3作動指令を出力する第2フィードバック補償器とを備えた加速度制御系とを含むものとし、かつ、第1フィードバック補償器と第2フィードバック補償器とを、第1フィードフォワード補償器の第1作動指令に対する影響の度合いが、通常は第1フィードバック補償器の第2作動指令が大きく、位置指令部により指令された目標位置の近傍においては第2フィードバック補償器の第3作動指令が大きくなる可変補償器としたことを特徴とする。
発明の作用,効果
作動装置において、従来、不可観測な制御量に対しては、フィードフォワード補償器や位置指令を、要求仕様を満足できるように調整することが行われていた。しかしながら、その場合には不可観測な制御量に対してフィードバック制御が全く機能しないため、このような対応策には限界があった。
それに対し、本作動装置の制御装置においては、加速度情報取得装置により取得された装置本体の加速度情報がそのまま駆動源に対する作動指令にフィードバックされるのではなく、位置指令部の位置指令を入力として加速度指令を出力する第3フィードフォワード補償器の出力との差分が駆動源に対する作動指令にフィードバックされるようになっており、装置本体の振動がアクティブに抑制される。
しかも、本作動装置の制御装置は、位置制御系と加速度制御系とのフィードバック補償器を共に可動部材の移動につれてパラメータが変化する可変構造とするのであり、位置決め応答の過程において目標位置近傍までは位置決め応答性能重視の制御系によって位置決めを行い、目標位置近傍において装置本体の振動抑制性能重視の制御系へ切り替え、両制御系の特長を時変的に取り込み、位置決め応答システム全体としての性能を向上させるものである。
このように、基本的な目標値追従特性は従来通りフィードフォワード補償器により規定し、モータ位置決め精度を害しない範囲内で装置本体の残留振動をフィードバック補償器の変更(可変制御系)により実現するものであり、それによって、可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制という2つの目的を高度に達成することが可能となった。それと同時に、停止中に他の機器からの振動の伝達による装置本体の振動が停止精度に与える影響を低減させる効果も得られる。
制御対象の特性自体が時間の経過につれて変化する場合に良好な制御を行うために、制御系の制御特性が時間の経過に伴って変化する時変制御系を導入することは既に知られているが、本作動装置の制御装置におけるように、高速位置決め性能と振動抑制性能というように、複数の制御目的を共に達成するために制御系を可変とすることは未だ知られていない。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)項と(2)項と(3)項とを合わせたものが請求項1に相当し、その請求項1に(4)項の要件を加えたものが請求項2に相当する。そして、それら請求項1又は請求項2に(6)項の要件を加えたものが請求項3に相当し、請求項1ないし3のいずれかに(7)項の要件を加えたものが請求項4に相当し、請求項1ないし4のいずれかに(9)項の要件を加えたものが請求項5に相当し、その請求項5に(10)項の要件を加えたものが請求項6に相当し、請求項1ないし6のいずれかに(11)項の要件を加えたものが請求項7に相当し、請求項1ないし7のいずれかに(12)項の要件を加えたものが請求項8に相当し、請求項1ないし8のいずれかに(16)項の要件を加えたものが請求項9に相当する。
(1)装置本体と、
その装置本体に対して相対移動可能な可動部材と、
駆動源を備え、前記装置本体に対して前記可動部材を相対移動させる駆動装置と、
前記駆動源を制御することにより前記可動部材の前記装置本体に対する相対位置を制御する制御装置と
を含む作動装置であって、前記制御装置が、
(a)前記可動部材の位置を指令する位置指令部と、(b)その位置指令部からの位置指令を入力として前記駆動源に対する第1作動指令を出力する第1フィードフォワード補償器と、(c)前記位置指令部からの位置指令を入力として新たな位置指令を出力する第2フィードフォワード補償器と、(d)前記可動部材の位置に関する情報を取得する位置情報取得装置と、(e)前記第2フィードフォワード補償器の出力と前記位置情報取得装置の出力との差分を入力として前記駆動源に対する第2作動指令を出力する第1フィードバック補償器とを備えた位置制御系と、
(f)前記装置本体の加速度に関する情報を取得する加速度情報取得装置と、(g)前記位置指令部の位置指令を入力として加速度指令を出力する第3フィードフォワード補償器と、(h)その第3フィードフォワード補償器の出力と前記加速度情報取得装置の出力との差分を入力として前記駆動源に対する第3作動指令を出力する第2フィードバック補償器とを備えた加速度制御系と
を含むことを特徴とする作動装置。
(2)前記第1フィードバック補償器と前記第2フィードバック補償器との両方を含み、かつ、それら両補償器が可変補償器とされた(1)項に記載の作動装置。
前述のように、(1)項に記載の制御装置によれば、可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制という2つの目的を従来より良好に達成し得るのであるが、さらに改良の余地がある。外乱成分の主成分である非線形摩擦の影響が低周波数領域で顕著であるため、位置決め応答性能の向上のためには低周波数領域での低感度化を重視した制御系設計が望ましい。一方、装置本体の振動抑制に関しては、装置本体の振動周波数での低感度化を重視した制御系設計が望ましい。しかし、ある安定余有を確保した上では、ボードの感度積分定理から全周波数帯で望ましい感度特性を得ることは不可能であり、感度特性の悪い帯域が存在することを避け得ず、可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制という2つの目的を高度に達成することは困難である。
そこで、本項に係る発明においては、第1フィードバック補償器と第2フィードバック補償器とを可動部材の移動に伴って変化する可変フィードバック補償器とすることとしたのである。例えば、位置制御系と加速度制御系とのフィードバック補償器を共に可動部材の移動につれてパラメータが変化する可変構造とするのであり、位置決め応答の過程において目標位置近傍までは位置決め応答性能重視の制御系によって位置決めを行い、目標位置近傍において装置本体の振動抑制性能重視の制御系へ(制御目的の異なる制御系へ)滑らかに切り替え、両制御系の特長を時変的に取り込み、位置決め応答システム全体としての性能を向上させるのである。
制御対象の特性自体が時間の経過につれて変化する場合に良好な制御を行うために、制御系の制御特性が時間の経過に伴って変化する時変制御系を導入することは既に知られている。しかし、本項に係る発明におけるように、高速位置決め性能と振動抑制性能というように、複数の制御目的を共に達成するために制御系を可変とすることは未だ知られていない。
なお、本発明における可変制御系は、時間の経過に伴って制御特性が変化する時変制御系に限定されるものではなく、例えば、可動部材の移動速度,移動加速度(減速度を含む),目標位置までの距離等の変化に伴って制御特性が変化するものをも包含する。
以上のように、本項の発明は、基本的な目標値追従特性は従来通りフィードフォワード補償器により規定し、モータ位置決め精度を害しない範囲内で装置本体の残留振動をフィードバック補償器の変更(可変制御系)により実現するものであり、それによって、可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制という2つの目的を高度に達成することが可能となった。それと同時に、停止中に他の機器からの振動の伝達による装置本体の振動が停止精度に与える影響を低減させる効果も得られる。
(3)前記第1フィードバック補償器と前記第2フィードバック補償器とが、前記第1フィードフォワード補償器の第1作動指令に対する影響の度合いが、通常は前記第1フィードバック補償器の第2作動指令が大きく、前記位置指令部により指令された目標位置の近傍においては前記第2フィードバック補償器の第3作動指令が大きくなる可変補償器とされた(2)項に記載の作動装置。
(4)前記第1フィードバック補償器と前記第2フィードバック補償器とが、前記可動部材の前記目標位置近傍の交替領域において滑らかに交替する(3)項に記載の作動装置。
(5)前記制御装置が、前記可動部材の移動距離,最大移動速度,移動方向および前記可動部材と共に移動する質量の少なくとも1つに応じて前記交替領域を変更する交替領域変更部を含む(4)項に記載の作動装置。
可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制という2つの目的を高度に達成するためには、第1フィードバック補償器と第2フィードバック補償器との交替領域、特に交替開始点の選定が重要であり、制御装置を交替領域変更装置を含むものとすれば、交替領域を、可動部材の移動距離,最大移動速度,移動方向および可動部材と共に移動する質量の大きさ等に適したものに変更することができ、一層良好に2つの目的を達成することができる。
また、交替領域変更部を、交替領域の変更に伴う可動部材の高速位置決めと装置本体の振動抑制とに対して、より良好な交替領域を学習する学習部を含むものとすれば、制御装置の制御特性が作動装置の作動中に自動的に改良されることとなり、設計段階において交替領域の選定に要する時間を短縮しつつ、2つの目的を高度に達成することが可能となる。
(6)前記第3フィードフォワード補償器が、位置指令から作動指令までの伝達特性を有する第1フィードフォワード補償器と作動指令から加速度検出装置の出力までの伝達特性との積で表現される(1)項ないし(5)項のいずれかに記載の作動装置。
第3フィードフォワード補償器を本項に記載の構成とすることにより、第3フィードフォワード補償器から、位置情報取得装置により取得される可動部材の位置に関する情報が第2フィードフォワード補償器の出力に追従する場合の加速度応答が出力されることとなる。
(7)前記可動部材が、前記装置本体に設けられた直線ガイドに案内されて直線移動する直線移動部材である(1)項ないし(6)項のいずれかに記載の作動装置。
可動部材が装置本体に対して相対回転させられる回転部材である作動装置に本発明を適用することも可能であるが、可動部材が直線移動部材である場合、特に、直線移動部材が直線ガイドに案内される場合に非線形摩擦の影響を受け易く、本発明の効果を特に有効に享受することができる。
(8)前記駆動装置が、互いに螺合したねじ軸とボールナットとを含み、それらねじ軸とボールナットとの一方が前記駆動源により回転させられる一方、他方の回転が阻止されることにより、前記直線移動部材を直線移動させるものである(7)項に記載の作動装置。
直線ガイドに案内される可動部材を駆動する駆動装置として、リニヤモータ等を採用することも可能であるが、回転駆動源とボールねじとの組合わせにより可動部材を駆動する駆動装置においては、ボールねじにおいて非線形摩擦の影響を受け易く、本発明の適用効果が大きい。
(9)前記装置本体に、回路基板を保持する基板保持装置が取り付けられる一方、前記可動部材に、電子回路部品を保持し、前記可動部材の移動に伴って、前記基板保持装置に保持された回路基板の表面に平行な方向に移動させられ、その回路基板に電子回路部品を装着する部品装着ヘッドが取り付けられた(1)項ないし(8)項のいずれかに記載の作動装置。
本項は、電子回路部品装着機の装着装置に本発明を適用した場合の例であり、可動部材を高速で点から点へ順次移動させることが要求される。制御量に対してセンサを取り付けてフィードバック制御をすることは従来から行われており、駆動源の回転位置を検出するロータリエンコーダや可動部材の位置を検出するリニアスケールに加えて、装置本体の加速度を検出する加速度センサを設け、フィードバック制御を行うことは従来から行われていた。しかし、電子回路部品装着機におけるように、駆動源に、可動部材を1つの位置から次の位置へ移動させるべきことを指令する作動指令が順次与えられて、可動部材が点から点へ順次移動する作動に対して、加速度センサを用いて停止位置を高速整定させることは行われていなかった。
本項の発明によれば、電子回路部品装着機の電子回路部品の回路基板に対する装着位置の精度が向上する効果が得られる。また、電子回路部品装着機の装置本体から床に伝達される振動が低減する効果も得られる。
(10)前記装置本体が、下フレームと、その下フレームから立ち上がった複数本のコラムと、それらコラムに支持された上フレームとを含み、その上フレームに第1可動部材が水平な第1方向に移動可能に保持され、その第1可動部材に第2可動部材が前記第1方向と直交する水平な第2方向に移動可能に保持され、その第2可動部材に前記装着ヘッドが取り付けられた(9)項に記載の作動装置。
装置本体が本項の構成を有し、上フレームに第1,第2可動部材が保持され、高速で移動させられる場合には、両可動部材の加速,減速に伴って装置本体に振動が生じ易く、可動部材の位置決め精度に悪影響を及ぼし易い。特に、基板保持装置が下フレームに保持される一方、装着ヘッドが上フレームに保持される場合には、装置本体の振動により、基板保持装置に保持された回路基板と装着ヘッドに保持された電子回路部品との装置位置が振動的に変動し、電子回路部品の回路基板に対する装着位置精度が低下し易いため、本発明を適用することの効果が大きい。この場合、後述の(12)項〜(14)項に記載の位置に加速度センサを設けることが有効であり、(16)項あるいは(17)項に記載の位置に設けることが特に有効である。
(11)前記装置本体が共通のベースに複数支持され、当該作動装置が共通のベース上に構成された(10)項に記載の作動装置。
複数の電子部品装着モジュールが共通のベース上に載置され、固定されて電子部品装着システムが構成される場合が、本項の作動装置の代表的なものであり、この種の電子回路部品装着システムにおいては、隣接する電子回路部品装着モジュールの振動がベースを介して伝達されるため、各電子部品装着モジュールにおいて、それぞれの可動部材の移動に伴う装置本体の振動を低減させるのみでは十分とは言えない事態が生じる。この場合に、本発明を適用すれば、ベースを介して伝達される振動に起因する装置本体の振動も抑制されるため、電子部品装着モジュールにおける電子回路部品の装着位置精度を向上させることができる。この場合、(14)項に記載の通り、ベースに加速度センサを設けることが有効になる。
なお、本項の特徴は(1)項ないし(9)項のいずれかに記載の作動装置にも適用可能である。
(12)前記加速度情報取得装置が、前記装置本体の、水平面内において互いに直交する2方向の少なくとも1方向における加速度を検出可能な位置に設けられた1つ以上の加速度センサを含む(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の作動装置。
可動部材が一直線に平行な方向にのみ移動させられる作動装置においては、その一直線に平行な方向における装置本体の加速度が検出されればよい場合が多い。しかし、可動部材が一直線に平行な方向にのみ移動させられる場合であっても、装置本体の構造等によっては、水平面内において互いに直交する2方向における加速度が検出されることが望ましい場合もある。可動部材が、水平面内において互いに直交する2方向に移動させられる場合には、一般に水平面内において互いに直交する2方向における加速度が検出されることが望ましい。
(13)前記加速度情報取得装置が、前記下フレーム,前記複数本のコラムおよび前記上フレームのうちの少なくとも1つの、前面,後面および側面の少なくとも1つの、少なくとも1箇所に設けられた1つ以上の加速度センサを含む(10)項または(11)項に記載の作動装置。
(14)前記加速度情報取得装置が、前記第1可動部材と前記第2可動部材との少なくとも一方の、前面,後面および側面の少なくとも1つの、少なくとも1箇所に設けられた1つ以上の加速度センサを含む(10)項,(11)項または(13)項に記載の作動装置。
(15)前記装置本体が共通のベースに複数支持されて当該作動装置が共通のベース上に構成され、前記加速度情報取得装置が、前記共通のベースの前面,後面および側面の少なくとも1つの少なくとも1箇所に設けられた1つ以上の加速度センサを含む(10)項,(12)項ないし(14)項のいずれかに記載の作動装置。
(16)前記加速度情報取得装置が2つ以上の加速度センサを含み、それら2つ以上の加速度センサのうちの2つの出力の差を前記装置本体の加速度情報として取得する(12)項ないし(15)項のいずれかに記載の作動装置。
作動装置からそれが設置された床への振動の伝達を低減させることが望まれる場合には、装置本体全体の振動を低減させることが必要であるが、例えば、次項におけるように特定の2つの部分の相対振動を低減させることが望まれる場合には、それら2部分に設けられた2つの加速度センサの出力の差が検出され、制御に使用されるようにすることが有効であることがある。
(17)前記加速度情報取得装置が、前記装置本体の前記部品装着ヘッドを保持する部分の加速度を検出する第1加速度センサと、前記装置本体の前記基板保持装置を保持する部分の加速度を検出する第2加速度センサとを含み、それら第1,第2加速度センサの出力の差を前記装置本体の加速度情報として取得する(16)項に記載の作動装置。
以下、請求可能発明の実施例を図を参照しつつ詳しく説明する。なお、請求可能発明は、下記実施例の他、上記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に、請求可能発明の一実施例としての電子回路部品装着システム(以下、装着システムと略称する)の概略を示す。本装着システムは、複数の電子回路部品装着モジュール(以下、装着モジュールと略称する)10を備えている。これら装着モジュール10はシステム本体としてのシステムベース12上に直列に配列されており、複数の装着モジュール10の各々が回路基板としての1枚のプリント配線板への電子回路部品の装着を分担して行う。複数の装着モジュール10が並ぶ方向をX軸方向とする。
複数の装着モジュール10は、図2に2つを代表的に示すように、それぞれ装置本体20に、部品供給装置22,配線板保持装置24,配線板搬送装置26,装着装置28等を配設してモジュール化されており、それぞれ同様にシステムベース12に取り付けられて装着システムを構成する。なお、図2においては、一方の装着モジュール10が、上カバー30が外された状態で図示されている。各装着モジュール10は、特開2004−104075に記載の装着モジュールと同様に構成されており、ここでは簡単に説明する。
部品供給装置22は、例えば、電子回路部品がテーピングされた部品供給テープから電子回路部品を1つずつ供給する部品供給具の一種である部品供給フィーダとしてのテープフィーダ34を複数備えている。これらテープフィーダ34は、フィーダ支持部材としてのパレット(図示省略)に着脱可能に搭載され、パレットごと、装置本体20に取り付けられて電子回路部品を供給する。
配線板搬送装置26は、本実施形態においては、複数、例えば、2つの配線板コンベヤ40,42を備えている。これら配線板コンベヤ40,42はそれぞれ、独立してプリント配線板をX軸に平行な方向に搬送するものとされており、互いに平行に設けられ、Y軸方向において隣接している。Y軸は水平面内においてX軸と直交する軸である。配線板コンベヤ40,42はそれぞれ、電動モータの一種であるサーボモータを駆動源とし、案内部材としての一対のガイドレールおよび無端の巻掛部材としての一対のコンベヤベルトを備えており、コンベヤベルトを周回させることによりプリント配線板を正逆両方向に搬送することができる。本装着システムには、複数の装着モジュール10の各配線板コンベヤ40が直列につながって構成されるフロント搬送ラインと、各配線板コンベヤ42が直列につながって構成されるリヤ搬送ラインとの2本の搬送ラインが設けられている。
前記装着装置28は、図2に示すように、装着ヘッド46および装着ヘッド移動装置48を備えている。装着ヘッド46は、本実施形態においては、ヘッド本体50と、ヘッド本体50に保持された少なくとも1つの装着ユニット52とを備えている。装着ユニット52はそれぞれ、ヘッド本体50に昇降可能かつ自身の軸線まわりに回転可能に保持され、部品保持具の一種であり、電子回路部品を負圧により吸着して保持する吸着ノズルを保持する。装着ヘッド46は複数種類ある。例えば、保持する装着ユニット52の数によって複数種類あり、装着ヘッド移動装置48に着脱可能に保持される。
装着ヘッド46は、装置本体20に配備されたXYロボット型の移動装置である装着ヘッド移動装置48によって、水平面内の任意の位置へ移動させられ、装着ユニット52が部品供給装置22と配線板コンベヤ40あるいは配線板コンベヤ42とに跨る領域を移動させられ、吸着ノズルにより複数のテープフィーダ34のうちの一つから電子回路部品を受け取り、配線板保持装置24に保持されたプリント配線板に装着する。装着ユニット52はまた、図示を省略する装着ユニット昇降装置により昇降させられ、吸着ノズルによる電子回路部品の受取り,装着を行う。装着ユニット52はさらに、図示を省略する装着ユニット回転装置により自身の軸線まわりに回転させられる。本実施形態においては、装着ヘッド移動装置48および装着ユニット昇降装置が、装着ユニット52と配線板保持装置24とに電子回路部品の装着に必要な相対運動を付与する相対運動付与装置を構成している。
また、装着ヘッド移動装置48には、撮像デバイスとしてのCCDカメラを有する配線板撮像装置54(図6参照)が設けられており、装着ヘッド移動装置48により水平面内の任意の位置へ移動させられてプリント配線板を撮像するようにされている。
さらに、複数の装着モジュール10の各々には、部品供給装置22と配線板搬送装置26との間に撮像デバイスとしてのCCDカメラを有する部品撮像装置56が配備されており、この部品撮像装置56は、装着ユニット52によって保持された電子回路部品を撮像する。
装着モジュール10の装置本体20を図3に示す。装置本体20は、下フレーム60と、その下フレーム60から立ち上がった1本の後コラム62および2本の前コラム64と、それら後コラム62および前コラム64に支持された上フレーム66とを備え、下フレーム60が前記システムベース12に支持されている。複数の装置本体20は、システムベース12に前記Y軸に平行な方向に移動可能に支持されている。各装置本体20は、Y軸方向の寸法がX軸方向の寸法より大きくされ、平面視の形状がY軸方向に長いほぼ矩形の形状を有しており、それらがX軸方向において互いに近接して配列されているため、装置本体20の内奥部へのアクセスが困難である。そのため、システムベース12の上面には複数対のガイドレール68が設けられ、それらガイドレール68の各対に各装置本体20の被案内部が嵌合されて、各装置本体20をガイドレール68の案内により個別にY軸方向に引き出し可能とされており、その引き出した状態で装置本体20の内奥部へアクセスできるようにされているのである。この引き出し時には、システムベース12に図示しない台車が連結され、その台車上に各装置本体20が引き出される。また、各装置本体20は全体をシステムべース12から台車上へ移動させることが可能であり、台車により任意の場所へ搬送できるようにされているため、システムベース12上における装着モジュール10の設置数や配列順序を任意に変更することができる。ただし、装着モジュール10の作動時には、各装置本体20が図示しない固定装置によりシステムベース12固定され、複数の装置本体20とシステムベース12とがあたかも一体のフレームであるかのように機能する。
前記装着ヘッド移動装置48を概念的に図4に示す。装着ヘッド移動装置48は、装着ヘッド46を、直交する2方向に移動させる2つの直線移動装置を含んで構成されている。その1つが、前後方向、すなわち配線板搬送方向に直角な方向である前記Y軸方向の移動装置であるYスライド装置72であり、もう1つが、左右方向、すなわち配線板搬送方向に平行な方向である前記X軸方向の移動装置であるXスライド装置73である。これら2つの直線移動装置によって、装着ヘッド46が一平面内の任意の位置に移動させられる。
Yスライド装置72は、Y軸方向に平行に上フレーム66に設けられた2本のY軸方向ガイド(以下「Yガイド」と略称する)74と、Yガイド74に案内されてY軸方向に移動するYスライド76と、Y軸駆動装置84とを含んで構成されている。Y軸駆動装置84は、上フレーム66に設けられてY軸方向に延びるYねじ軸78と、Yねじ軸78に螺合して回転可能かつ相対移動不能にYスライド76に保持されたYナット80と、後方に設けられてYねじ軸78を回転させる電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるY軸モータ82とを含んで構成されている。Yスライド76およびそれに保持されたXスライド装置73や装着ヘッド46等がYスライド装置72の可動部材となっており、Y軸モータ82が駆動源となっているのである。なお、Yガイド74とYスライド76に固定のボールスライドとは共同してリニアボールガイドを構成し、Yねじ軸78とYナット80とはボールねじを構成している。
Xスライド装置73は、複段式移動装置すなわち2段式移動装置であり、互いに平行な方向に移動する第1Xスライド装置90と第2Xスライド装置92との2つのスライド装置を含んで構成されている。第1Xスライド装置90は、X軸方向に平行な2本の第1X軸方向ガイド(以下、「X1ガイド」と略称する)94を有する第1Xスライド96と、Yスライド76に固定的に設けられ、X1ガイド94を摺動可能に保持するスライド保持部98と、スライド保持部98に設けられてX軸方向に延びるX1ねじ軸100と、X1ねじ軸100に螺合して回転可能かつ相対移動不能に第1Xスライド96に保持されたX1ナット102と、スライド保持部98に設けられてX1ねじ軸100を回転させる電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるX1軸モータ104とを含んで構成され、そのうち、X1ねじ軸100,X1ナット102およびX1軸モータ104により、X1軸モータ104を駆動源とするX1軸駆動装置110が構成されている。また、第2Xスライド装置92は、X軸方向に平行に第1Xスライド96に設けられた2本の第2X軸方向ガイド(以下「X2ガイド」と略称する)112と、X2ガイド112上を摺動する第2Xスライド114と、第1Xスライド96に設けられてX軸方向に延びるX2ねじ軸116と、X2ねじ軸116に螺合して回転可能かつ相対移動不能に第2Xスライド114に保持されたX2ナット118と、X1スライド96に設けられてX2ねじ軸116を回転させる電動モータ(エンコーダ付サーボモータ)であるX2軸モータ120とを含んで構成され、そのうち、X2ねじ軸116,X2ナット118およびX2軸モータ120により、X2軸モータ120を駆動源とするX2軸駆動装置122が構成されている。
Xスライド装置73は、伸縮型(テレスコピック型)の移動装置とされているのであり、そのXスライド装置73の可動部材である第2Xスライド114に装着ヘッド46が保持されているのである。Y軸モータ82,X1軸モータ104,X2軸モータ120の回転が制御されることにより、装着ヘッド46は、一平面内を移動し、作業領域内の任意の位置に位置させられる。
前記配線板コンベヤ40,42には、図1に示す配線板供給装置140によってプリント配線板が供給される。配線板供給装置140は、直列に並ぶ複数の装着モジュール10のうち、配線板搬送方向、本実施形態においては、表裏両面のいずれにも電子回路部品が装着されていないプリント配線板が部品装着のために搬送される方向(図1においては左から右へ向かう方向)において最も上流側に位置する装着モジュール10の上流側に隣接して設けられており、その装着モジュール10の後側の配線板コンベヤ42にプリント配線板を供給する。
複数の装着モジュール10に対して、配線板コンベヤ42による配線板搬送方向において最も下流に位置する装着モジュール10より下流側に隣接して表裏反転装置142および配線板送り込み装置144が設けられている。表裏反転装置142は、最下流の装着モジュール10からプリント配線板を受け取って搬送姿勢のまま表裏反転させる。表裏反転装置142はプリント配線板を、その中心を通り、Y軸方向に平行な軸線まわりに180度回転させて反転させる装置とされているのである。配線板送り込み装置144は、表裏反転装置142により反転させられたプリント配線板をそのままの姿勢で、すなわち表面に直角な軸線まわりに回転させることなく、配線板コンベヤ42による配線板搬送方向において最下流に位置する装着モジュール10の配線板コンベヤ40に送り込むように構成されている。
複数の装着モジュール10はそれぞれ、図5に示すように、部品供給装置22を始めとする自らに配備された各種装置を制御するための装着モジュール制御装置150を備えている。装着モジュール制御装置150は、CPU152,ROM154,RAM156,入出力インタフェース158およびそれらを接続するバス160を有するコンピュータ162を主体とするものである。入出力インターフェース158には、装着モジュール制御装置150に属するそれぞれの駆動回路164を介して、部品供給装置22,配線板保持装置24,装着装置28,配線板コンベヤ40,42等が接続されている。
入出力インタフェース158にはさらに、前記配線板撮像装置54が配線板画像処理ユニット170を介して、前記部品撮像装置56が部品画像処理ユニット172を介してそれぞれ接続されており、撮像データに基づいて電子回路部品の保持姿勢情報およびプリント配線板の部品装着点の位置誤差情報等が取得される。また、ROM154には、装着モジュール10の基本動作プログラム等が記憶されており、さらに、RAM156には、電子回路部品をプリント配線板に装着するための部品装着プログラム、プリント配線板に装着される電子回路部品に関する情報等が記憶されている。部品装着プログラムは、部品装着作業が行われるプリント配線板の種類に応じて設定されている装着順序データ,装着位置データ,装着部品データ等を含み、プリント配線板の表面に電子回路部品を装着するための表面装着用プログラムおよび裏面に電子回路部品を装着するための裏面装着用プログラムの両方が記憶されている。RAM156にはまた、装着される電子回路部品に関する部品固有データおよび部品供給装置22におけるテープフィーダ配置データ(どの電子回路部品がどのテープフィーダ34から供給されるか)といった部品供給装置関連データ等の各種データが記憶されている。
本装着システムは、複数の装着モジュール10,配線板供給装置140,表裏反転装置142,配線板送り込み装置144を含む装着システム全体を統括制御するシステム制御装置180を備えている。システム制御装置180はコンピュータを主体として構成されている。装着モジュール制御装置150の入出力インタフェース158には、他の装着モジュール10およびシステム制御装置180が、通信ケーブル182を介して接続されており、装着モジュール制御装置150は、システム制御装置180や他の装着モジュール10の装着モジュール制御装置150との間で通信を行い、情報のやり取りや指令の送,受信等を行う。
本装着システムの各装着モジュール10において電子回路部品の装着が行われる際には、装着ヘッド46が1つの電子回路部品をプリント配線板の1つの装着位置に装着した後、次の電子回路部品を次の装着位置に装着するために、現位置から次の目標位置へ移動させられるのであるが、装着作業の能率を向上させるために可能な限り高速で移動させられ、かつ、電子回路部品の装着位置精度を向上させるために、精度よく次の装着位置に停止させられることが必要である。この装着位置の精度は、駆動源の停止位置精度に左右されることは勿論であるが、装着モジュール10全体の振動、特に装置本体20の振動に起因する装着ヘッド46と配線板保持装置24との振動的な相対移動の影響も受ける。そこで、上記Yスライド装置72,第1Xスライド装置90および第2Xスライド装置92の駆動源であるY軸モータ82,X1軸モータ104およびX2軸モータ120は、装着ヘッド46の高速位置決め性能と装着モジュール10の制振性能との両方を高め得るように制御される。この制御は前記コンピュータ162による制御ソフトの実行によって行われるが、理解を容易にするためにブロック線図で示せば図6に示す通りである。
以下、理解を容易にするために、可動部材の主要部を構成するYスライド76が、装置本体20により直接保持されているYスライド装置72を例として説明するが、Xスライド装置73も同様の手法で高速位置決め性能と制振性能との両立を図り得る。Xスライド装置73は、Yスライド装置72を介して装置本体20に保持されており、かつ、第1Xスライド装置90と第2Xスライド装置92との2段式移動装置となっている分モデルが複雑となるが、原理的には同じ考え方で制御を行い得るのである。
図6の制御系は、Yスライド76とそれに保持されたX軸スライド装置73および装着ヘッド46を可動部材とする公知の二自由度位置制御系に、加速度制御系を加えて新たな二自由度制御系を構成するとともに、2つのフィードバック補償器を可変構造としたものである。すなわち、公知の二自由度制御系である位置制御系190に、加速度制御系192を追加するとともに、位置制御系190と加速度制御系192とのフィードバック補償器208,218を共に時間の経過につれてパラメータが変化する可変構造としたものなのである。位置制御系190は、位置指令rを出力する位置指令部200と、その位置指令部200からの位置指令rを入力とし、制御対象の駆動源たるY軸モータ82に対する第1作動指令r1を出力するフィードフォワード補償器202と、位置指令部200からの位置指令rを入力とし、新たな位置指令としてY軸モータ82の回転位置指令θ* mを出力するフィードフォワード補償器204と、可動部材の位置に関する位置情報取得装置としてY軸モータ82に設けられたロータリエンコーダ206(図5参照。アブソリュートエンコーダであり、1パルス当たり2μm,5μm,10μm等種々の分解能のものが使用可能である)と、フィードフォワード補償器204の出力θ* mとロータリエンコーダ206の出力θmとの差分を入力としてY軸モータ82に対する作動指令r2を出力するフィードバック補償器208とを備えたものとされている。また、加速度制御系192は、装置本体20の加速度情報を取得する加速度情報取得装置としての加速度センサ214(図5参照)と、位置指令部200の位置指令rを入力とし、加速度指令α* bを出力するフィードフォワード補償器216と、そのフィードフォワード補償器216の出力α* bと前記加速度センサ214の出力αsとの差分を入力とし、Y軸モータ82に対する作動指令r3を出力するフィードバック補償器218とを備えたものとされている。
前記装置本体20の加速度情報を取得する加速度情報取得装置としては、図3に2点鎖線の白丸印で示す複数の設置位置の少なくとも1つに加速度センサを設け、各加速度センサの検出結果である1つ以上の位置の加速度の集合を装置本体20の加速度情報として使用したり、複数、例えば2つの加速度センサの出力の差を装置本体20の加速度情報として使用したりすることができる。しかし、ここにおいては、簡略化のために、図3に実線で描かれた白丸印の位置、すなわち、下フレーム60の前面の中央部に1つの加速度センサ214を設け、この1つの加速度センサ214の出力を装置本体20の加速度情報として使用するものとする。なお、本実施例においては加速度センサ214がサーボ型加速度計とされているが、圧電型や静電容量型等、他の方式の加速度計を使用することも可能である。
フィードフォワード補償器202の伝達特性D(s)と、フィードフォワード補償器204の伝達特性Nm(s)とは、トルク指令としての電流値指令からY軸モータ82の回転位置までのプラントモデルを用いて既約分解によって設計されるものであるが、公知のものであり、かつ、例えば特開2004−240609号公報に詳細に記載されている。また、フィードフォワード補償器216の伝達特性Ns(s)は、フィードフォワード補償器202とのマッチングを確保するために、上記フィードフォワード補償器202の、位置指令rから電流値指令までの伝達特性である伝達特性D(s)と、電流値指令から加速度センサ214の取付部の加速度応答までの伝達特性(後述の数学モデルPs(s))との積で表現される。このように表現することにより、フィードフォワード補償器216から、位置決め観測量θmがNm(s)の出力であるθ* mに追従する場合の加速度応答α* bが出力されることとなる。以下、図6の制御系の理解を容易にするために、この制御系への到達過程を説明する。
まず、制御対象として、Yスライド装置72を作動させる場合の装着モジュール10を想定し、それの数学モデルPm(s),Ps(s)を取得するために、制御入力であるY軸モータ82へ電流値指令からモータ回転位置および装置本体加速度までの周波数特性を取得し、それぞれ(1)式および(2)式で表される数学モデルを基に偏分反復法によりシステム同定を行った。

Figure 0005124311
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ここにおいて、Ktはトルク定数,Km,Ksはモード係数,ζm,ζsはモード減衰比,ωm,ωsはモード固有角周波数,Tdm,Tdsは無駄時間である。
得られた数学モデルの周波数特性を図7,8に示す。図7から明らかなように、装置本体20の振動による1次振動モード(32Hz),Yスライド装置72の機構振動である2次振動モード(60Hz),Yナット80の柔軟性による3次振動モード(198Hz)が存在する。また,図8から明らかなように,装置本体20の振動系には32Hzと49Hzの2つの振動モードが存在する。なお、この場合、Yスライド76の5mmの移動距離に対し、位置指令開始後320Ts(Tsはサンプリング時間)以内に、ロータリエンコーダ206の±1パルスの精度内にYスライド76を整定させることを目標制御仕様とした。
上記Yスライド装置72を作動させる場合の装着モジュール10の制御のために構成した2自由度位置決め制御系を図9に示す。図において、P(s)は装着モジュール10のプラント特性、D(s),Nm(s)はフィードフォワード補償器、Cm(s)はフィードバック補償器、rは位置指令、θmはモータ回転位置、αsは装置本体20の振動加速度、dは外乱であり、この位置決め制御系はフィードバック系統とフィードフォワード系統との両方を備えた2自由度制御系となっている。装着モジュール10においては前述のリニアボールガイドやボールねじにおける非線形摩擦が外乱dとして作用し、位置決め応答性能を低下させる。図9の制御系において装着モジュール10とフィードフォワード補償器D(s),Nm(s)との間にモデル化誤差が存在せず、かつ、外乱やノイズが十分に小さければ、フィードフォワード補償器D(s),Nm(s)により規定された所望の応答を実現できる。しかし、実際にはモデル化誤差をなくすことは事実上不可能であり、非線形摩擦等の外乱dが存在するため、フィードフォワード補償器D(s),Nm(s)のみでは所望の応答を実現できない。そこで、モデル化誤差を非線形摩擦等と共に制御系に加わる外乱と見なし、フィードバック補償器Cm(s)によって外乱を抑圧し、所望の応答を実現しようと設計したのが図9の制御系である。
しかし、高次振動モードや無駄時間等の影響から、安定性を確保した上で所望の応答を実現するための外乱抑圧特性を実現することが困難であることが判明した。また、図9から明らかなように、この制御系においては、装置本体20の加速度αsは測定されているものの、Y軸モータ82への電流値指令から装置本体20の加速度までの振動系に対する制御にフィードバック情報としては使用されておらず、そのため、高速位置決め性能と制振性能(振動抑制性能)との両方を達成することが困難であることが判明した。
そこで、これらの問題を解決するために、装置本体20の加速度αsをフィードバックすることにより、アクティブな振動抑制を試みた。そのために設計した制御系を図10に示す。この制御系は前記図9の制御系に装置本体20の加速度を補償する加速度フィードフォワード補償器Ns(s)および加速度フィードバック補償器Cs(s)を追加したものである。そして、この多変数系を取り扱うために、状態方程式をベースとする制御理論を適用することとし、その代表的な手法の一つであるH∞制御を導入した。
この図10に示す制御系によれば、図9の制御系に比較して、高速位置決め性能と制振性能との両方をより良好に達成することができ、この制御系は本発明の一実施例である。
さて、図10の制御系において、過渡応答を含む目標値追従特性はフィードフォワード補償器により規定され、フィードバック制御系は主として位置決め整定近傍および整定以後の残留振動に大きく影響する。
一般に、状態量フィードバック制御, H∞制御,μ設計法など線形時不変制御系設計手法では、どのような設計過程であったとしても、設計された補償器は周波数整形を基とするものとして表現(等価変換)できる。そのため多くの制御系では、ある安定余有を確保した上で、必要となる帯域で望ましい感度特性となるよう調整される場合が多い。しかし、高次振動モードや無駄時間,センサノイズなどの影響から、安定性を確保した上で望ましい感度特性を実現できるとは限らない。また、ある安定余有を確保した制御系の実現を考えた場合、ボードの感度積分定理から、全周波数帯で望ましい感度特性を得ることは不可能であり、感度特性の悪い帯域が存在することを避け得ない。
この事情は装着モジュール10の制御においても同様であり、位置決め応答性能の向上を考えた場合には、外乱成分の主成分である非線形摩擦の影響が低周波数領域で顕著であるため、低周波数領域での低感度化を重視した制御系設計が望ましい。一方,装置本体20の振動抑制に関しては、装置本体20の振動周波数での低感度化を重視した制御系設計が望ましいが、上記の制約から両性能を高度に両立させることは困難である。
このことを確認する目的で、位置決め応答性能を重視して設計した制御系(コントローラ1と称する)と装置本体20の制振性能を重視して設計した制御系(コントローラ2と称する)とを用い、装着モジュール10について実験を行った結果を図11ないし図13に示す。これらの図において、一点鎖線はフィードフォワード指令値、点線は位置決め応答性能重視のコントローラ1による実験結果、破線は振動抑制重視のコントローラ2による実験結果である。図11(a)に示すモータ位置偏差応答波形から明らかなように、点線で示す位置決め応答性能重視の制御系に比べ、破線で示す制振性能重視の制御系では目標値への誤差収束速度が遅い。また、図12(a)に示すモータ軌跡追従誤差からも同様のことが確認できる。一方、図11(b)、図12(b)に示す装置本体20の加速度応答波形及び加速度軌跡追従誤差からは両者間には大きな差は確認されない。しかし、図13に示す装置本体20の加速度周波数特性および残留加速度周波数特性から、装置本体20の1次振動モードに当たる32Hz付近の振動を制振性能重視のコントローラ2により抑制できているものの、49Hz付近の2次振動モードは逆に大きくなる結果となっている。そして、加速度に関しては同一の振幅を持つ32Hzと49Hzの加速度を、変位に変換した場合、32Hzの成分を1とすると49Hzの成分は0.43となり、変位領域では低周波数成分の影響が顕著となることが判明した。これは、装置本体20の制振性能重視のコントローラ2が後述のように特に32Hzの振動を抑制すべく設計されている結果である。なお、装置本体20の残留加速度とは、目標仕様に当たる320Ts以降での装置本体20の加速度応答を指す。
このように、ある周波数帯での特性を重視した制御系を用いることで、設計指針に基づいた性能を実現できるものの、装着モジュール10における位置決め応答性能と装置本体20の振動抑制の両立という複数の制御目的を高度に両立させることは困難であることが明らかとなった。
そこで、さらに改良した制御系として設計したのが前記図6の制御系である。この制御系は、高速位置決め性能と制振性能との両立を可変制御系の導入により図るものである。
制御対象の特性が時間の経過につれて変化する場合に良好な制御を行うために、制御系の制御特性が時間の経過に伴って変化する時変制御系を導入することは既に知られているが、本発明におけるように、高速位置決め性能と制振性能というように、複数の制御目的を共に達成するために制御系を可変とすることは未だ知られていない。
そこで、この可変制御系の概念を図14に基づいて説明する。なお、本発明における可変制御系は、前述のように、時間の経過に伴って制御特性が変化する時変制御系に限定されるものではないが、以下においては時変制御系とする場合を例として説明する。
図14(a)はY軸モータ82の回転位置応答を、(b)は装置本体20の加速度応答を、(c)は制御目的に対する重みをそれぞれ示している。図中,点線はY軸モータ82の位置決め応答性能重視の制御系、破線は装置本体20の制振性能重視の制御系による応答例である。本時変制御手法は、位置決め応答の過程において図14(c)に示すように垂直の細線で示す時刻までは、位置決め応答性能重視の制御系によって目標値近傍への位置決めを行い、上記時刻を境に装置本体20の制振性能重視の制御系へ(制御目的すなわち設計指針の異なる制御系へ)滑らかに切り替え、両制御系の特長を時変的に取り込み、位置決め応答システム全体としての性能を向上させようとするものである。すなわち、基本的な目標値追従特性は従来通りフィードフォワード補償器により規定し、モータ位置決め精度を害しない範囲内で装置本体20の残留振動をフィードバック補償器の変更(時変制御系)により実現しようとするものである。なお、停止中に、他の機器からの振動の伝達による装置本体20の振動が停止精度に与える影響を低減させることができる効果も得られる。
次に、時変制御系の設計を、ゲインスケジューリングの代表的な設計法であるパラメータ凍結法を利用する場合を例として説明する。この設計は以下の手順により行われる。
1) 位置決め応答中の初期時刻から、目標値整定以前、以後などで望ましいと思われる補償器を複数設計する。
2) 設計した各補償器を変更するタイミングを決定する。
3) 設計した補償器及び補償器変更タイミングから補間処理によって位置決め応答全時間帯における補償器を算出する。
なお、各補償器は線形時不変制御系として設計できることから、従来の制御系設計手法および結果をそのまま利用できる。
時変補償器としては、例えば、下記(3)式で表される初期時刻から0.2sまでは定数ゲインCc(s,t)、0.2s〜0.3sの間にノッチフィルタCn(s、t)の特性となるような時変補償器の採用が可能である。なお、数学的に厳密ではないが、分かり易さを考慮し、各補償器をCc(s,t),Cn(s、t)と表記する。

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図15に時変補償器のパラメータを示す。図中、黒丸印で予め時不変補償器として設計するパラメータを、また、実線で時変補償器における各サンプリングタイムでのパラメータを示している。この場合,時不変補償器としては、定数ゲインCc(s,t)およびノッチフィルタCn(s,t)の2つを予め設計することとなる。初期時刻から0.2sまでは,極零相殺状態にて定数1を実現し,0.2sから0.3sまでの間に各パラメータを時変的に変化(補間処理)させることで時変補償器を実現する。本実施例においては0.2sから0.3sまでの間が位置決め応答性能重視の制御系と制振性能重視の制御系との交替領域なのである。
図16は,ボード線図にて時変制御系の特性を確認したもので,定数ゲインからノッチフィルタの特性へと滑らかに変化していることが確認できる。図17は、この時変補償器にノッチフィルタ減衰周波数の正弦波を入力として与えた際の時間応答特性であり、時変的に補償器が変化している様子が確認でき、前記時変制御系設計手順により時変補償器が設計可能であることが確認できた。
このように、補償器特性変化前後での極,零点数が異なったとしても極零相殺の利用や、ナイキスト周波数近くの零点を用いるなどし、極零点数を一定としておけば様々な特性の時変制御系を実現できる。
次に、装着ジュール10に対する時変制御系設計に用いるための時不変制御系設計について説明する。この場合の制御系ブロック線図は前記図6に示す通りである。ここでの制御系設計は時変制御系への拡張を前提としたものであり、設計の煩雑さを考慮し、位置決め応答性能重視の制御系であるコントローラ1と、装置本体20の制振性能重視の制御系であるコントローラ2との2通りの制御系設計を行う。その際、各制御系設計評価に用いる評価指標として、一巡伝達特性L(s),モータ回転位置感度特性Sm(s)および装置本体20の加速度感度特性Ss(s)を以下の(4)式ないし(6)式のように定義する。

Figure 0005124311
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一巡伝達特性によって閉ループ系の安定性を、モータ回転位置感度特性によりY軸モータ82の位置決め応答性能を、加速度感度特性により装置本体20の制振性能を評価する。なお、モータ位置感度特性はY軸モータ82の出力端外乱からY軸モータ82の回転位置まで、また、加速度感度特性は装置本体20の加速度出力端外乱から装置本体20の加速度までの特性である。
制御系設計として考慮すべき事項としては、
1)モータ位置応答の定常偏差を補償するためにCm(s)に積分器を含ませる(制御系のI型を確保)こと、
2)サーボ加速度計の測定帯域(0〜200Hz程度)を考慮し、Cs(s)は高域で大きな減衰特性を持たせること
という2点が挙げられる。そこで、各制御系の設計に当たっては、コントローラ1では低周波数域での感度特性の向上、つまりはCm(s)の低域でのゲインを大きく設計し、コントローラ2では、特に装置本体20の残留振動の抑制を目的としていることから、装置本体20の1次振動モード32Hz付近の加速度感度特性が小さくなるよう設計を行う。そこでCm(s)はPID補償器をベースとし、安定化フィルタを付加する形で、また、Cs(s)に関してはPD補償器と安定化フィルタにより構成するものとした。
設計した各補償器の特性を図18および図19に示すとともに、図20(a)にモータ位置感度特性(ゲイン特性のみ)、図20(b)に加速度感度特性(ゲイン特性のみ)を、図21にナイキスト線図を示す。各図中、点線はコントローラ1、破線はコントローラ2の特性を示す。コントローラ1では、設計指針通り低周波数領域でのゲインを高くすることで低周波数領域での低感度化を、コントローラ2では、装置本体20の1次振動モード32Hz付近の加速度感度特性が約−10dB程度と設計指針通り低感度化が実現できていることが確認できる。ここで、コントローラ2ではCs(s)内に不安定零点を配置し、積極的に位相特性を利用した制御系を構成することで、上記の特性を実現している。また、図21から両制御系とも十分な安定余有を確保できていることが確認できる。
続いて時変制御系の設計について説明する。ここでは、段落〔0040〕で述べた手順に従い、上記時不変制御系から時変制御系へと拡張する。時変制御系設計において、予め設計した各補償器を変更するタイミング、補間方式は最大の自由度であり最も性能に影響を与える。しかし、高すぎる自由度は設計を煩雑にし、所望の性能の実現には多大な試行錯誤が必要となる場合が多い。そこで、本実施例においては、図22に示すように、時変制御系切り替えタイミングを、目標位置近傍のtc1まではコントローラ1を用い、tc1からtc2においてコントローラ1からコントローラ2へと時変的に制御系を切り替え、tc2以降ではコントローラ2を用いるものとし、tc1,tc2の2つのパラメータを望ましい位置決め応答特性を実現するよう調整することとした。そして、試行錯誤によりtc1=175Ts,tc2=220Tsと決定した。
このようにして得た時変制御系を評価するためにシミュレーションを行った。シミュレーションに用いる制御系としては、位置決め応答性能重視のコントローラ1,制振性能重視のコントローラ2および時変制御系のコントローラ3の3種類を用いた。なお、全ての制御系において同一のフィードフォワード補償器を用いた。
図23〜図25にシミュレーション結果を示す。各図中、鎖線はフィードフォワード指令を示し、点線はコントローラ1,破線はコントローラ2,実線はコントローラ3の各々による応答を示す。前記段落〔0036〕,〔0037〕に記載したように、コントローラ1,2では両者の設計段階で重視した特性は良好なものの、他方の特性については十分な性能を有しているとは言い難い。それに対し、時変制御系であるコントローラ3はコントローラ1,2の長所を時変的に取り込むことを目的に設計されており、モータ軌跡追従誤差をコントローラ2に比べ小さくでき、かつ、振動周波数特性から装置本体20の1次振動モードに当たる32Hzの残留振動をコントローラ1に比べて小さくできており、時変制御系設計指針通りの結果となっていることが確認できる。なお、49Hz付近の2次振動モードの影響が大きく出ているが、これはコントローラ2の設計段階で積極的に考慮していないためであり、時不変制御系設計次第で改善可能である。
上記シミュレーションの結果を確認するために、シミュレーションと同じ条件で装着モジュール10のYスライド装置72を作動させる実験を行った。その結果を図25〜図28に示す。図より、シミュレーション結果とほぼ同様の結果となっていることが確認でき、時変制御系を用いることで両制御性能の両立を実現出来ていることが確認できた。なお、図25(a)においてコントローラ2,3によるモータ位置特性に振動が生じているが、これは、サーボ加速度計におけるノイズの影響を受けた振動が励起され、3次振動モードの周波数での残留振動が生じてしまったためと考えられる。
以上2つの実施例においては、可動部材の位置に関する情報を取得する位置情報取得装置として、可動部材の駆動装置の駆動源であるY軸モータ82に設けられたロータリエンコーダ206が使用されていた。Y軸モータ82と可動部材の主体を成すYスライド76とは、Yねじ軸78とYナット80とによって構成されるボールねじによって接続されているため、Y軸モータ82の回転位置とYスライド76の直線移動位置との間には一定の関係がある。したがって、Y軸モータ82の回転位置をYスライド76の位置に関する情報として利用することができるのである。しかし、可動部材の位置に関する情報の取得はこれに限定されるものではなく、例えば、Yスライド76と装置本体20(特に上フレーム66)との間にリニアスケールを設け、これによりYスライド76の位置を直接検出することも可能である。要するに可動部材の位置と1対1に対応する情報であれば可動部材の位置に関する情報として使用し得るのである。
また、上記2実施例においては、第1フィードバック補償器としてのフィードバック補償器208と第2フィードバック補償器としてのフィードバック補償器218との交替領域が一定とされていたが、可動部材の移動距離,最大移動速度,移動方向(XY平面内における移動の方向。装置本体のXY平面内の各方向における剛性が均一ではない場合に特に有効である)および前記可動部材と共に移動する質量の少なくとも1つに応じて変更されるようにすることも可能である。例えば、装着ヘッド46の現位置から目標位置への移動距離と移動方向との組合わせに応じて複数種類の加速,減速パターンが設定され、各パターンに応じて両フィードバック補償器の交替開始時期が選定されるようにするのである。さらに具体的には、例えば、移動距離と移動方向とがそれぞれ複数範囲に分けられ、それら範囲の組合わせに対して複数種類の加速,減速パターンが設定されたテーブルが準備され、そのテーブルを使用して加速,減速パターンが選択されるとともに、選択された加速,減速パターンに予め対応付けられた交替開始時期が読み出されるようにすることができる。もっと単純に、装着ヘッド46の現位置から目標位置への移動距離のみが複数範囲に分けられ、それら範囲の各々に対して交替開始時期が予め設定されたテーブルを使用して、交替開始時期が決定されるようにすることも可能である。
請求可能発明の一実施例を含む電子回路部品装着システムを概略的に示す平面図である。 図1に示す電子回路部品装着システムの構成要素であり、請求可能発明の一実施例である電子回路部品装着モジュールを示す斜視図である。 上記電子回路部品装着モジュールの装置本体を示す斜視図である。 上記電子回路部品装着モジュールの装着ヘッド移動装置を概念的に示す分解斜視図である。 上記電子回路部品装着モジュールの制御装置を示すブロック図である。 前記装着ヘッド移動装置におけるY軸モータの制御ソフトを概念的に示すブロック図である。 前記装着ヘッド移動装置におけるY軸スライド装置の周波数特性を示すグラフである。 前記装着ヘッド移動装置におけるY軸スライド装置の周波数特性を示すグラフである。 図6の制御ソフトに到達する過程において作成されたY軸モータの制御ソフトの一つを概念的に示すブロック図である。 図6の制御ソフトに到達する過程において作成されたY軸モータの制御ソフトの別の一つであり、請求可能発明の一実施例である制御スフトを概念的に示すブロック図である。 図10に示す制御ソフトによって前記Y軸スライド装置を制御した場合のモータ位置偏差応答波形および装置本体加速度応答波形を示すグラフである。 図10に示す制御ソフトによって前記Y軸スライド装置を制御した場合のモータ軌跡追従誤差および装置本体加速度軌跡追従誤差を示すグラフである。 図10に示す制御ソフトによって前記Y軸スライド装置を制御した場合の装置本体加速度周波数特性および装置本体残留加速度周波数特性を示すグラフである。 前記図6に示した制御ソフトにおける時変制御系の設計概念を説明するためのグラフである。 図6に示した制御ソフトにおける時変フィードバック補償器におけるパラメータを説明するためのグラフである。 上記時変フィードバック補償器を含む時変制御系の特性を表すボード線図である。 上記時変フィードバック補償器にノッチフィルタ減衰周波数の正弦波を入力として与えた場合の時間応答特性を示すグラフである。 モータ位置補償用時変フィードバック補償器の特性を示すグラフである。 装置本体加速度補償用時変フィードバック補償器の特性を示すグラフである。 上記モータ位置補償用時変フィードバック補償器のモータ位置感度特性および装置本体加速度補償用時変フィードバック補償器の加速度感度特性を示すグラフである。 上記モータ位置補償用時変フィードバック補償器および装置本体加速度補償用時変フィードバック補償器のナイキスト線図である。 上記モータ位置補償用時変フィードバック補償器と上記装置本体加速度補償用時変フィードバック補償器との切り替えタイミングを説明するためのグラフである。 図6に示す制御ソフトについて行った数値シミュレーションの結果を示す図11に対応するグラフである。 図6に示す制御ソフトについて行った数値シミュレーションの結果を示す図12に対応するグラフである。 図6に示す制御ソフトについて行った数値シミュレーションの結果を示す図13に対応するグラフである。 図6に示す制御ソフトを用いて前記Y軸スライド装置を制御した場合の結果を示す図11に対応するグラフである。 図6に示す制御ソフトを用いて前記Y軸スライド装置を制御した場合の結果を示す図12に対応するグラフである。 図6に示す制御ソフトを用いて前記Y軸スライド装置を制御した場合の結果を示す図13に対応するグラフである。
符号の説明
10:電子回路部品装着モジュール(装着モジュール) 12:システムベース 20:装置本体 22:部品供給装置 24:配線板保持装置 26:配線板搬送装置 28:装着装置 34:テープフィーダ 40,42:配線板コンベヤ 46:装着ヘッド 48:装着ヘッド移動装置 50:ヘッド本体 52:装着ユニット 54:配線板撮像装置 56:部品撮像装置 60:下フレーム 62:後コラム 64:前コラム 66:上フレーム 68:ガイドレール 72:Yスライド装置 73:Xスライド装置 74:Y軸方向ガイド(Yガイド) 76:Yスライド 78:Yねじ軸 80:Yナット 82:Y軸モータ 84:Y軸駆動装置 90:第1Xスライド装置 92:第2Xスライド装置 96:第1Xスライド 104:X1軸モータ 114:第2Xスライド 120:X2軸モータ 150:装着モジュール制御装置 162:コンピュータ 190:位置制御系 192:加速度制御系 200:位置指令部 202:フィードフォワード補償器 204:フィードフォワード補償器 206:ロータリエンコーダ 208:フィードバック補償器 214:加速度センサ 216:フィードフォワード補償器 218:フィードバック補償器

Claims (9)

  1. 装置本体と、
    その装置本体に対して相対移動可能な可動部材と、
    駆動源を備え、前記装置本体に対して前記可動部材を相対移動させる駆動装置と、
    前記駆動源を制御することにより前記可動部材の前記装置本体に対する相対位置を制御する制御装置と
    を含む作動装置であって、前記制御装置が、
    (a)前記可動部材の位置を指令する位置指令部と、(b)その位置指令部からの位置指令を入力として前記駆動源に対する第1作動指令を出力する第1フィードフォワード補償器と、(c)前記位置指令部からの位置指令を入力として新たな位置指令を出力する第2フィードフォワード補償器と、(d)前記可動部材の位置に関する情報を取得する位置情報取得装置と、(e)前記第2フィードフォワード補償器の出力と前記位置情報取得装置の出力との差分を入力として前記駆動源に対する第2作動指令を出力する第1フィードバック補償器とを備えた位置制御系と、
    (f)前記装置本体の加速度に関する情報を取得する加速度情報取得装置と、(g)前記位置指令部の位置指令を入力として加速度指令を出力する第3フィードフォワード補償器と、(h)その第3フィードフォワード補償器の出力と前記加速度情報取得装置の出力との差分を入力として前記駆動源に対する第3作動指令を出力する第2フィードバック補償器とを備えた加速度制御系と
    を含み、かつ、前記第1フィードバック補償器と前記第2フィードバック補償器とが、前記第1フィードフォワード補償器の第1作動指令に対する影響の度合いが、通常は前記第1フィードバック補償器の第2作動指令が大きく、前記位置指令部により指令された目標位置の近傍においては前記第2フィードバック補償器の第3作動指令が大きくなる可変補償器とされたことを特徴とする作動装置。
  2. 前記第1フィードバック補償器と前記第2フィードバック補償器とが、前記可動部材の前記目標位置近傍の交替領域において滑らかに交替する請求項1に記載の作動装置。
  3. 前記第3フィードフォワード補償器が、位置指令から作動指令までの伝達特性を有する第1フィードフォワード補償器と作動指令から加速度検出装置の出力までの伝達特性との積で表現される請求項1または2に記載の作動装置。
  4. 前記可動部材が、前記装置本体に設けられた直線ガイドに案内されて直線移動する直線移動部材である請求項1ないしのいずれかに記載の作動装置。
  5. 前記装置本体に、回路基板を保持する基板保持装置が取り付けられる一方、前記可動部材に、電子回路部品を保持し、前記可動部材の移動に伴って、前記基板保持装置に保持された回路基板の表面に平行な方向に移動させられ、その回路基板に電子回路部品を装着する部品装着ヘッドが取り付けられた請求項1ないしのいずれかに記載の作動装置。
  6. 前記装置本体が、下フレームと、その下フレームから立ち上がった複数本のコラムと、それらコラムに支持された上フレームとを含み、その上フレームに第1可動部材が水平な第1方向に移動可能に保持され、その第1可動部材に第2可動部材が前記第1方向と直交する水平な第2方向に移動可能に保持され、その第2可動部材に前記装着ヘッドが取り付けられた請求項に記載の作動装置。
  7. 前記装置本体が共通のベースに複数支持され、当該作動装置が共通のベース上に構成された請求項1ないしのいずれかに記載の作動装置。
  8. 前記加速度情報取得装置が、前記装置本体の、水平面内において互いに直交する2方向の少なくとも1方向における加速度を検出可能な位置に設けられた1つ以上の加速度センサを含む請求項1ないしのいずれかに記載の作動装置。
  9. 前記加速度情報取得装置が2つ以上の加速度センサを含み、それら2つ以上の加速度センサのうちの2つの出力の差を前記装置本体の加速度情報として取得する請求項1ないしのいずれかに記載の作動装置。
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