以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。図1は第1の実施形態に係るパチンコ機の全体構成を示す正面図であり、図2はパチンコ機の背面図である。これらの図に示すパチンコ機において、前後面が開口する四角筒状の外枠1の前端面には、前枠2が、左側辺部の垂直な軸を中心に回動可能に装着されている。
前枠2の前面には、図1に示すように、矩形状の窓枠5が、左側辺部の垂直な軸を中心に回動可能に装着されており、窓枠5の内周面には透明なガラス窓5aが固定されている。また、前枠2の後面には額縁状の機構盤が固定されている。この機構盤には、後述する遊技盤100が着脱可能に装着されている。遊技盤100はガラス窓5aにより前方から覆われている。
また窓枠5のうちガラス窓5aの外周部に位置する部分には、複数のランプカバー6が固定されており、各ランプカバー6の後方には複数のLED6aが配置されている。これら各LED6aは窓枠5に固定されたものであり、各ランプカバー6は後方のLED6aが発光することに基づいて照明される。
また前枠2の前面の下端部には、横長な長方形状の下皿板3が固定されており、下皿板3の前面には、上面が開口する下皿3aが固定されている。また前枠2の前面には、下皿板3の上方に位置する上皿板4が装着されており、上皿板4の前面には、上面が開口する上皿4aが固定されている。上皿板4の後面の右端部には、遊技音を出力するスピーカ7が固定されている。
下皿板3の前面の右端部にはハンドル台8が固定されており、ハンドル台8には発射ハンドル9が、前後方向へ延びる水平な軸を中心に回動可能に装着されている。この発射ハンドル9の後方には、図2に示すように、発射モータ9aが固定されている。発射モータ9aの回転軸には、図1に示すように、打球槌9bが連結されている。発射モータ9aは打球槌9bの駆動源であり、発射モータ9aに駆動電力が与えられて打球槌9bが駆動することにより、上皿4a内の遊技球が上皿4a内から遊技盤100の遊技領域に弾き出される。
また図2に示すように、パチンコ機の背面にはメイン基板ケース200a、及び図柄表示制御ケース(図示せず)が固定されている。メイン基板ケース200a内にはメイン制御基板が収納されており、図柄表示制御基板ケース内には図柄表示制御基板が収容されている。メイン制御基板及び図柄表示制御基板には、それぞれCPU、ROM、RAM、I/Oが設けられている。
図3は、遊技盤100の正面概略図であり、図4及び図5は、遊技盤100が有する装飾枠体101の斜視図である。図4及び図5は、後述する第1飛込防止部材150の上面壁150aの形状が互いに異なるが、図5に示す形状が図3に対応している。遊技盤100は、遊技球が転動可能な遊技領域を有する。遊技領域には複数の釘12が設けられており、遊技領域の略中央には図柄表示装置20、及び図柄表示装置20の周囲を覆う装飾枠体101が設けられている。釘12は、装飾枠体101の下方にも複数設けられている。図柄表示装置20は、例えば液晶表示装置であるが、他の表示装置であっても良い。
遊技盤100には、第1始動口143が設けられている。第1始動口143は、装飾枠体101及び図柄表示装置20の下方に位置する。第1始動口143には、第1始動口143に遊技球が入球したことを検出するセンサ(図示せず)が設けられている。遊技球が第1始動口143内に入球したことをセンサが検出すると、検出信号がメイン制御基板のCPUに出力される。するとメイン制御基板のCPUは、メイン制御基板のROM及びRAMに記憶されているプログラムや情報を用いて大当たり抽選処理を行い、リーチ状態、完全外れ、大当たり状態、及びリーチ外れ状態のいずれかを抽選により選択する。そしてメイン制御基板のCPUは、変動パターン信号を図柄表示制御基板に送信する。変動パターン信号の種類は、リーチ状態、完全外れ、大当たり状態、及びリーチ外れ状態のいずれが選択されたかによって変更される。
図柄表示制御基板のROM及びRAMには、図柄変動表示に用いられる各種データが、複数の変動パターン信号それぞれに対応付けて記憶されている。図柄制御基板のCPUは、変動パターン信号を受信すると、受信した変動パターン信号に対応したデータを読み出し、これらを用いて図柄表示装置20が表示する図柄を変動させ、その後停止させる。この図柄の変動及び停止による演出は、変動パターン信号の種類によって異なる。具体的には、図柄制御基板のCPUは、図柄表示装置20に、3つの図柄の変動表示を開始させる。そして図柄表示制御基板のCPUは、変動表示の開始から所定時間が経過すると、図柄表示装置20において、2つの図柄を停止させる。この2つの図柄の組合せに応じてリーチ状態であるか完全外れであるかが報知される。さらに所定時間が経過すると、図柄表示制御基板のCPUは、残りの一つの図柄を停止させる。これにより、大当たり状態及びリーチ外れ状態のいずれであるかが遊技者に報知される。
大当たり状態が報知されると、メイン制御基板は大当たり遊技を開始させる。大当たり遊技は、大入賞口170の扉を開放することによって大入賞口170への遊技球の入賞を許容するものであり、遊技者は、通常の遊技状態、即ち、大当たりが発生していない遊技状態で得ることが出来る賞球よりも多くの賞球を得ることが出来る。大入賞口170の扉は、所定個数の遊技球が入賞するまで、または所定時間が経過するまで開放される。
また、図柄表示装置20で図柄の変動表示が行われている間に別の遊技球が第1始動口143内に入球する場合がある。この場合の入球は保留球としてカウントされる。保留球がカウントされている場合、上記した動作が終了した後に再び変動処理が開始され、再び上記した動作が繰り返される。
装飾枠体101の内側(具体的には、下枠の上面部分)には、第1ステージ140及び第2ステージ130が設けられている。また装飾枠体101のうち遊技領域に面する外側壁には、入口部102,104,106が設けられている。入口部102,104は互いに上下に並んで設けられており、入口部106は、図柄表示装置20を介して入口部102,104とは反対側に設けられている。遊技領域に弾き出された複数の遊技球は、遊技領域を転動した後、一部が入口部102,104,106に入球する。遊技者は、遊技球が入口部102,104,106に入球することを期待しつつ、遊技を行う。
入口部104に入球した遊技球は、第1ワープ通路104aを介して、振分装置であるクルーン110の転動面に案内され、入口部106に入球した遊技球は、第2ワープ通路106aを介して、クルーン120の転動面に誘導される。クルーン110,120は、装飾枠体101の横枠の内側壁に取付けられており、第1ステージ140の転動面及び第2ステージ130の転動面のいずれよりも高い位置に配置されている。クルーン110,120の転動面に案内された遊技球は、転動面を内周壁110a,120aに沿ってある程度の時間ほど旋回した後、内周壁110a,120aより内側に形成された穴に落下する。そして、第1ステージ140の転動面及び第2ステージ130の転動面の境界、すなわち後述する壁部140aで当たった後に、第1ステージ140の転動面又は第2ステージ130の転動面のいずれかに落球する。すなわち、クルーン110又はクルーン120並びに第1ステージ130と第2ステージ140の境界である壁部140aにより、振分装置が構成される。
第1ステージ140の転動面の後方には、壁部140aが立設されている。壁部140aには第1開口145が形成されている。第1ステージ140の転動面を転動する遊技球は、第1開口145に入球可能である。第1開口145に入球した遊技球は、遊技球案内通路146a(図7で図示:図3では図示せず)を介して、第1始動口143の上方に位置する第3開口146から装飾枠体101の外に排出され、遊技領域に戻される。第3開口146から遊技領域に戻された遊技球は、高い確率で第1始動口143に入球する。
また第2ステージ130の転動面は、壁部140aの後方かつ該壁部140aの上部に接する位置に設けられており、第1ステージ140の転動面より高い。第2ステージ130の転動面の後方には、壁部130aが設けられている。
図4に示すように、第2ステージ130の転動面には、遊技球が入球可能な第2始動口135が形成されている。第2ステージ130の転動面を転動する遊技球は、第2始動口135に入球可能である。第2始動口135には、第2始動口135に遊技球が入球したことを検出するセンサ(図示せず)が設けられている。遊技球が第2始動口135内に入球したことをセンサが検出すると、検出信号がメイン制御基板のCPUに出力される。すると上記したメイン制御基板のCPU及び図柄表示制御基板のCPUは、第1始動口143内に遊技球が入球したときと同様の処理を行う。
一方、入口部102に入球した遊技球は、第3ワープ通路102aを介して第2ステージ130の転動面に誘導され、一部の遊技球が第2始動口135に入球する。
なお、入口部102は、本発明に係る第2入口部に相当し、入口部104,106は、本発明に係る第1入口部に相当する。また第1ワープ通路104a,第2ワープ通路106aが本発明に係る第1ワープ通路に相当し、第3ワープ通路102aが本発明に係る第2ワープ通路に相当する。なお、クルーン110,120に振分機能を持たせず、クルーン110,120に導入された遊技球の全てが第1ステージ140の転動面上に落球する構成としても良い。
図6は、遊技盤100の要部を拡大した正面図である。図3、図4、図5、及び図6に示すように、第1ステージ140の転動面には、遊技球が転動する方向すなわち転動面の長手方向(図3及び図5における左右方向)において転動面の略中央に位置する凸面144、及び凸面144の両脇に位置する2つの凹面142が、凸面144と連続的に繋がるように設けられている。凸面144の後方には第1開口145が位置している。凹面142は本発明における出口部の一例であり、転動面を転動する遊技球のうち第1開口145に入球しなかった遊技球は、2つの凹面142のいずれかから遊技領域に戻される。
また第2ステージ130の転動面には、転動面の長手方向(図3及び図5における左右方向)において転動面の略中央に位置する凸面134、及び凸面134の両脇に位置する2つの凹面132が、凸面134と連続的に繋がるように設けられている。転動面の長手方向において、凸面134の位置は第1ステージ140の凸面144と略同じであるが、凹面132の位置は、第1ステージ140の凹面142より凸面134,144から離れている。凸面134の背後には、図4に示す第2始動口135が位置している。転動面を転動する遊技球のうち第2始動口135に入球しなかった遊技球は、2つの凹面132のいずれかから第1ステージ140の転動面に排出され、その多くは凹面142から遊技領域に戻るが、一部は第1開口145及び遊技球案内通路146a(図7で図示)を介して第1始動口143に入球する。従って、第2ステージ130の転動面を転動する遊技球は、最初から第1ステージ140の転動面を転動する遊技球と比較していずれかの始動口に入球する確率が高い。
また、第2ステージ130の転動面を転動する遊技球が第2始動口135に入球する確率は、第1ステージ140の転動面を転動する遊技球が第1開口145に入球する確率より高くなるように設定されている。このような設定は、入口部102,104,106の位置、第3ワープ通路102aの形状、第1ワープ通路104aの形状、第2ワープ通路106aの形状、第1ステージ140の転動面の形状、及び第2ステージ130の転動面の形状を適切に設計することにより、実現できる。
入口部102に入球した遊技球は、上記したように、必ず第2ステージ130の転動面に案内される。このため、入口部102に遊技球が入球した時点で、遊技者は遊技球が第2始動口135又は第1始動口143に入球する可能性がある、という期待を持つことができる。
また入口部104,106に入球した遊技球は、上記したように、クルーン110,120によって第1ステージ140の転動面又は第2ステージ130の転動面に振り分けられる。このため、入口部104,106に遊技球が入球した時点では、遊技者は第1ステージ140の転動面及び第2ステージ130の転動面のいずれを遊技球が転動するか分からず、この結果、入口部104,106に遊技球が入球した後も、遊技者は、遊技球が、始動口に入球する確率が高い第2ステージ130の転動面を転動する可能性がある、という期待を持ち続けることができる。
第1ステージ140には、第1開口145の前面及び前面上方を覆う第1飛込防止部材150が設けられている。第1飛込防止部材150は、上面壁150a及び前面壁150cを有している。前面壁150cは、第1ステージ140の転動面の前方端部から上方に突出しており、その高さは第1開口145の直径より高い。上面壁150aは、壁部140aのうち第1開口145の上方に位置する部分に繋がっているか、または端面が当該部分に接している。壁部140aと第1飛込防止部材150によりトンネル形状が形成され、転動面のうち第1開口145の前方に位置する部分の上方、並びにこの部分の前方は連続的に覆われているが、凹面142は覆われていない。すなわち上方から見た場合、上面壁150aの両端部は、凹面142に略隣接している。第1飛込防止部材150が設けられることにより、釘12に当たってジャンプした遊技球が第1開口145に向けて飛球してきても、この遊技球が第1開口145に直接入ることは防止される。特に上面壁150aを設けているため、釘12に当たってジャンプした遊技球が第1開口145の上方から飛球してきても、この遊技球が第1開口145に直接入ることが防止される。
また第1飛込防止部材150の上面壁150aのうち、少なくとも第1始動口143の上方に位置する部分は、転動面の長手方向に傾斜している。図4に示す例では、上面壁150aの全面が傾斜しており、遊技盤100の前方から見た場合に片下がりになっている。図5に示す例では、上面壁150aの長手方向中央部すなわち第1始動口143の上方に位置する部分に、断面が略二等辺三角形状の凸部150dが設けられている。凸部150dの稜線は、転動面の長手方向に対して略垂直に交わる方向を向いており、凸部150dの側面は、転動面の長手方向に傾斜する傾斜面になっている。
このようにすると、第1飛込防止部材150の上面壁150a上に位置する遊技球は、第1飛込防止部材150の両脇のいずれかから落球する可能性が高くなる。従って、第1飛込防止部材150の上面壁150aから落球する遊技球が直接第1始動口143に入球することが抑制される。また、第2ステージ130の転動面を転動する遊技球が第1飛込防止部材150の上面壁150a上に移動することもありえるが、この場合においても、上面壁150aから落球する遊技球が直接第1始動口143に入球することが抑制される。
なお、上面壁150aは、遊技盤100の前方から見た場合に両肩下がりになっていてもよい。この場合、稜線が第1始動口143の上方に位置するのが好ましい。このようにしても、第1飛込防止部材150の上面から落球する遊技球が直接第1始動口143に入球することが抑制される。
図7の各図は、図6のA−A´断面を示す概略図である。図7(A)に示す例が図3、図4、図6に対応している。図7(A)に示す例において、壁部140aのうち第1飛込防止部材150の上面壁150aが接続されている部分の上部は、第2ステージ130の転動面より上方に突出しており、リブ136となっている。リブ136は、第1飛込防止部材150の上面壁150aより上方に突出している。リブ136が設けられることにより、第2ステージ130の転動面を転動する遊技球が上面壁150a上に移動することが抑制され、さらには遊技球が上面壁150a上から落球して第1始動口143に入球することが抑制される。
なお、リブ136は上面壁150a上に設けられていても良いし、第2ステージ130の転動面上に設けられていても良い。
図7(B)に示す例において、第1開口145は第1ステージ140の転動面に設けられている。また第1飛込防止部材150の上面壁150aの端面150bは、壁部140aから離れており、隙間137を形成している。隙間137の幅は遊技球の直径未満である。また隙間137は、好ましくは遊技球の半径以上である。このようにすると、上面壁150a上の遊技球は、隙間137に嵌った状態で隙間137に沿って転動面の長手方向に移動しやすくなり、その結果、上面壁140aの両脇から落球しやすくなる。従って、遊技球が上面壁150a上から落球して第1始動口143に入球することが、さらに抑制される。
図7(C)に示す例は、図7(A)に示す例と概略同じ構成を有しているが、第2始動口135が設けられておらず、その代わりに、遊技球案内通路146aに繋がる第2開口134aを第2ステージ130の凸面134に設けられている点が、図7(A)に示す例と異なる。すなわち本図に示す例において、第2ステージ130の転動面を転動した遊技球の一部は、第2開口134a、遊技球案内通路146a、及び第3開口146を介して第1始動口143に入球する。このように、第2ステージを転動する遊技球をいずれかの始動口に案内するルートは、様々に変形することができる。
図7(D)に示す例は、図7(A)に示す例と概略同じ構成を有しているが、リブ136が壁部140aの一部を構成しておらず、第2ステージ130の転動面上すなわち壁部140aより少し後方に位置している点が、図7(A)に示す例と異なる。このようにしても、図7(A)に示した例と同様の効果を得ることができる。
また図3〜図6に示すように、装飾枠体101には、板状の第2飛込防止部材160が設けられている。第2飛込防止部材160は、装飾枠体101で囲われた領域の下部の前面を部分的に覆うことにより、釘12に当たってジャンプした遊技球が、第1ステージ140の転動面又は第2ステージ130の転動面に入ることを抑制する。
上記した図に示す例において、第2飛込防止部材160は略劣弧形状を有しており、2つの端部160a,160bに近づくにつれて幅が広くなっている。装飾枠体101の前面に、該前面と略平行かつ劣弧が上に凸になる方向に取付けられている。遊技盤100の正面から見た場合、第2飛込防止部材160の2つの端部160a,160bは、第1ステージ140が有する凸面144及び凹面142、並びに第2ステージ130が有する凸面134及び凹面132を挟んで、互いに対向する位置に固定されている。
なお、第2飛込防止部材160の形状は上記した形状に限定されるものではなく、例えば装飾枠体101で囲われた領域のうちクルーン110,120より下に位置する領域の全面を覆う形状であってもよい。
第2飛込防止部材160の上部には、クルーン110,120を固定する2つの固定用凸部162が設けられている。固定用凸部162は、第2飛込防止部材160の背面上部から背面側に突出している。そしてネジ164が固定用凸部162を下から上に向けて挿通しており、このネジ164の先端部がクルーン110,120のうち遊技機の前面側かつ第3ワープ通路102aとは反対側の部分が下部に螺合することにより、当該部分が第2飛込防止部材160の上部に固定されている。さらにクルーン110は、第3ワープ通路102a側の部分が装飾枠体101に固定されており、クルーン120は、第2ワープ通路106a側の部分が装飾枠体101に固定されている。
このため、クルーン110,120は、少なくとも装飾枠体101及び第2飛込み防止部材160によって、互いに離間した2点が支持されている構造になり、クルーン110,120上を遊技球が回転する際に遊技球の遠心力が加わっても、揺れにくくなる。この結果、クルーン110,120が遊技球を第1ステージ140に振り分ける確率及び第2ステージ130に振り分ける確率は、設計通りの値になる。また第2飛込防止部材160がクルーン110,120を支持しているため、クルーン110,120を支持する部材を別途設ける必要がない。
図8は、クルーン110,120の平面形状、並びにクルーン110,120と第1ステージ140及び第2ステージ130の位置関係を示す上面図である。図8に示すように、クルーン110,120は、それぞれ一つの穴112,122を有する。穴112,122は長穴になっており、その長手方向は、第1ステージ140及び第2ステージ130の転動面が延伸する方向に向いている。穴112,122の短軸方向の幅は遊技球の直径より僅かに大きい程度であり、長軸方向の長さは例えば遊技球の直径の2〜3倍程度である。
このようにすると、遊技球は、転動面が延伸する方向に移動しつつ穴112,122を落下することが可能になる。この結果、遊技球は、穴112,122を落下する際に、転動面が延伸する方向の速度をある程度維持することができ、第1ステージ140又は第2ステージ130の転動面上を、従来と比較して速い速度で転動することができる。
また穴112,122の短軸方向の幅は、遊技球の直径より僅かに大きい程度である為、遊技球は、穴112,122を落下する際に、第1ステージ140又は第2ステージ130の転動面の幅方向の速度を失う。このため、穴112,122を落下した遊技球は、落下直後に第1ステージ140又は第2ステージ130の転動面から落下しにくくなる。
図9は、図8のB−B´断面を示す図である。本図及び図8に示すように、穴112,122は第1ステージ140の転動面及び第2ステージ130の転動面の境目である壁部140a(すなわち段差)の上方に位置している。穴112,122を落下した遊技球は、壁部140aに当たった後、第1ステージ140の転動面又は第2ステージ130の転動面のいずれかに振り分けられる。このように、穴112,122を、第1ステージ140の転動面及び第2ステージ130の転動面の境界を形成する段差の上方に配置することにより、1穴のクルーン110,120に振り分け機能を持たせることができる。従って、クルーン110,120を振り分け装置として使用する場合、2穴のクルーンを用いる場合と比較してクルーンの形状を単純にすることができる。
また、2穴のクルーンを用いると、穴に遊技球が入った時点で、いずれのステージの転動面に遊技球が振り分けられたかが分かってしまうが、本実施形態では、穴112,122に入った時点では、いずれのステージの転動面に遊技球が振り分けられるか分からない。従って、遊技者は、始動口に入る確率が相対的に高い第2ステージ130の転動面に遊技球が振り分けられるという期待を、長く持つことができる。
また、穴112,122の短軸方向の中心の位置をずらすことにより、いずれのステージの転動面に遊技球が振り分けられやすくなるかを調節することができる。例えば図8,9に示す例では、壁部140aの上方ではなく第1ステージ140の転動面の上方に位置している。このため、穴112,122を落下する遊技球は、第1ステージ140の転動面に振り分けられる確率が高くなっている。
以上、本発明の第1の実施形態によれば、第1開口145の前面及び前面上方を覆う第1飛込防止部材150を設けた為、釘12に当たってジャンプした遊技球が第1開口145に直接飛び込むことを防止できる。また第1飛込防止部材150の上面壁150aは、転動面の長手方向に傾斜しているため、第1飛込防止部材150の上面壁150a上に位置する遊技球は、第1飛込防止部材150の両脇のいずれかから落球する可能性が高くなる。従って、第1飛込防止部材150の上面壁150aから落球する遊技球が直接第1始動口143に入球することが抑制される。さらにリブ136が第2ステージ130の転動面より上方に突出しているため、第2ステージ130の転動面を転動する遊技球が上面壁150a上に移動することが抑制され、さらには遊技球が上面壁150a上から落球して第1始動口143に入球することが抑制される。
従って、遊技球が始動口に入球する確率が設計値から変化することを抑制できる。
また、装飾枠体101で囲われた領域の下部の前面は、少なくとも一部が第2飛込防止部材160で覆われている為、釘12に当たってジャンプした遊技球が、第1ステージ140の転動面又は第2ステージ130の転動面に入ることが抑制される。
また遊技者は、遊技球が入口部102,104,106に入球することを期待しつつ、遊技を行うが、入口部104,106に入球した遊技球は、クルーン110,120によって第1ステージ140の転動面又は第2ステージ130の転動面に振り分けられる。このため、入口部106に遊技球が入球した時点では、遊技者は第1ステージ140の転動面及び第2ステージ130の転動面のいずれを遊技球が転動するか分からず、この結果、入口部106に遊技球が入球した後も、遊技者は、クルーン110、120の転動面上を遊技球が転動している間、遊技球が始動口に入球する確率が相対的に高い第2ステージの転動面を転動する可能性がある、という期待を持ち続けることができる。このことは、入口部102に入球した遊技球は必ず第2ステージ130の転動面を転動することと相俟って、遊技機の趣向性を高めている。
また、入口部104,106に入球した遊技球は、クルーン110,120の転動面を所定時間ほど転動した後に、第1ステージ140の転動面又は第2ステージ130の転動面に振り分けられる。従って、入口部104,106に入球した遊技球が遊技盤面に滞留する時間が長くなり、その結果、遊技盤面に多くの遊技球があるように遊技者に見せることができる。
また、クルーン110,120は、それぞれ一穴のクルーンであり、穴112,122は、第1ステージ140の転動面と第2ステージ130の転動面の境界に位置する壁部140aの上方に位置している。このため、クルーン110,120に振り分け機能を持たせる場合に、穴を2つ形成する必要がない。このため、クルーン110,120の形状を単純にすることができる。
また穴112,122は長穴になっており、その長手方向は、第1ステージ140及び第2ステージ130の転動面が延伸する方向に向いている。このため、遊技球は、穴112,122を落下する際に、転動面が延伸する方向の速度をある程度維持することができ、その結果、振り分けられた後の遊技球は、第1ステージ140又は第2ステージ130の転動面上を十分転動することができる。
また穴112,122の短軸方向の幅は、遊技球の直径より僅かに大きい程度である。このため、遊技球は、穴112,122を落下する際に、第1ステージ140又は第2ステージ130の転動面の幅方向の速度を失い、落下直後に第1ステージ140又は第2ステージ130の転動面から落下しにくくなる。
また、クルーン110,120の前面側の部分は、第2飛込防止部材160の上部に固定されており、クルーン110の第3ワープ通路102a側の部分及びクルーン120の第2ワープ通路106a側の部分は装飾枠体101の内側壁に固定されている。このため、クルーン110,120は、クルーン110,120上を遊技球が回転する際に遊技球の遠心力が加わっても、揺れにくくなる。この結果、クルーン110,120が遊技球を第1ステージ140に振り分ける確率及び第2ステージ130に振り分ける確率は、設計通りの値になる。
図10の各図は、本発明の第2の実施形態に係る遊技機の構成を説明するための断面図であり、第1の実施形態における図7(A)に相当する図である。本図に示す例は、リブ136が形成されていない点、及び第1飛込防止部材150が、第2ステージ130の転動面のうち第2始動口135の前方に位置する部分の上方及び前方も覆っている点を除いて、第1の実施形態の図7(A)に示した遊技機と同様の構成である。
本実施形態において第1飛込防止部材150の上面壁150aは、第2ステージ130の転動面の後方に位置する壁部130aに繋がっている。以下、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。特に上面壁150aは、第2ステージ130の転動面の後方に位置する壁部130aに繋がっているため、第2ステージ130の転動面を転動する遊技球が落球しても、この遊技球は第1飛込防止部材150の前面壁150cによって止められ、第1始動口143に入球することはない。
図11の各図は、本発明の第3の実施形態に係る遊技機の構成を説明するための断面図である。図11(A)は第1の実施形態における図7(A)に相当する図であり、図11(B)は第1の実施形態における図9に相当する図である。本実施形態に係る遊技機は、第2ステージ130の転動面が第1ステージ140の転動面と略同じ高さにある点、第2ステージ130の転動面と第1ステージ140の転動面の境界にリブ141が形成されている点、第1開口145が凸面144の底面に形成されている点、壁部140aが第2ステージ130の転動面の後方に位置している点、第1飛込防止部材150が凸面144及び凸面134の前面及び前面上方を覆っている点を除いて、第1の実施形態と同様の構成である。
また図11(B)に示すように、クルーン110,120の穴112,122はリブ136の上方に位置している。穴112,122の中心位置は、第1ステージ140の転動面の上方に位置している。
以下、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態によっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
図12は、本発明の第4の実施形態に係る遊技機の構成を説明するための断面図であり、第1の実施形態における図8に相当する図である。本実施形態に係る遊技機は、クルーン110に穴112a,112bが形成されている点、及びクルーン120に穴122a,122bが形成されている点を除いて、第1の実施形態と同様の構成である。穴112a,122aは第2ステージ130の転動面上に位置しており、穴112b,122bは第1ステージ140の転動面上に位置している。なお、穴112a,112b,122a,122bは、長穴であっても良いし、長穴でなくても良い。以下、第1の実施形態と同様の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
本実施形態によっても、クルーン110,120の形状に関する効果を除いて、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、入口部102に入球した遊技球が、第3ワープ通路102aを介して第1ステージ140の転動面に誘導されるようにしてもよい。
100…遊技盤、101…装飾枠体、102,104,106…入口部、102a…第1ワープ通路、104a…第2ワープ通路、130…第2ステージ、134a…第2開口、135…第2始動口、140…第1ステージ、140a…壁部、145…第1開口、146a…遊技球案内通路、106a…第3ワープ通路、143…第1始動口