JP5118741B2 - 遮断器 - Google Patents

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本発明は、電源と負荷との間に挿入され、負荷側に所定値より大きい電流が流れた場合に給電を遮断する遮断器に関する。
遮断器は、製品として多くの種類が提供されているとともに、非特許文献1などでも紹介されている。図1と図2は本願の出願人が製造・販売している従来の遮断器の1つの構成を示す図である。図1は、ON状態(給電状態)の従来の遮断器を示している。図2は、OFF状態(遮断状態)の従来の遮断器を示している。図1(A)と図2(A)は正面図、図1(B)と図2(B)はA−A線でケースのみを切断したときの平面図、図1(C)と図2(C)はB−B線で切断したときの正面からみた断面図である。
遮断器900は、固定接点10、第1端子20、可動接点30、可動片40、接続導体50、電磁部60、第2端子70、引き外し部80、鉄片85、ハンドル90、消弧部100、ケース110を備える。固定接点10と第1端子20とは電気的に接続されている。例えば1つの導体の一端に固定接点10を形成し、他端を第1端子20としてもよい。可動接点30は可動片40の一端に形成され、固定接点10と接続される位置である閉極位置と、固定接点10から最も離れた位置であるトリップ位置の間を移動できる。図1は可動接点30が閉極位置にあるときの図であり、図2は可動接点30がトリップ位置にあるときの図である。接続導体50は、可動片40の状態にかかわらず一端が可動片40と接触しており、他端は電磁部60と接続している。電磁部60は、コイル状に導線が巻かれた構造であり、電磁石として機能する。また、電磁部60の接続導体50と反対側は、第2端子70に接続されている。
ON状態(可動接点30が閉極位置)のときに第1端子20から第2端子70に流れる電流は電磁部60を通るので、電流が所定値(遮断器の規格値)よりも大きくなる(過大電流が流れると)と電磁部60で生じる磁界の強さも強くなる。鉄片85は、電磁部60の作る磁界の強さが強くなると電磁部60に引き付けられる。鉄片85が引き付けられたことをトリガとして、引き外し部80が、可動片40を動かし、可動接点30をトリップ位置に移動させる。
一般的には、閉極位置からトリップ位置に移動するまでに3〜5ミリ秒かかる。一方、電源電圧が数十ボルトを越えると、可動接点30が固定接点10から離れる際には可動接点30と固定接点10との間にアークが発生し、可動接点30がトリップ位置に移動した後も電流が流れた状態が続く。例えば、電源電圧が100Vの場合、電流が遮断されるまでには、10m秒から数10m秒は必要である(10m秒から数10m秒はアークによって電流が流れた状態が続く)。
消弧部100は、アークをできるだけ速く消滅させる機能を果たしており、規格値が大きい遮断器には備えられている。なお、消弧部100の原理については、非特許文献2などに示されている。また、非特許文献2には、その他のアークを消滅させる方法(固定接点とトリップ位置の可動接点との距離は離す、接点を真空中や放電が発生しにくいガス中に配置する、アーク発生時に圧縮空気を吹き付ける、永久磁石を用いるなど)も示されている。
ハンドル90は、人手で可動接点30の位置を、閉極位置またはトリップ位置に移動させるための構成部である。ケース110は、上述の構成部を収納している。
中島廣一編著,「選び方・使い方 遮断器・開閉器」,6.1各遮断器の特徴,オーム社,pp116〜118,平成17年11月. 日本プラントメンテナンス協会編,「遮断器・開閉器のメンテナンス」,2.4各種遮断器・開閉器の原理と特徴,日本プラントメンテナンス協会、pp32〜55,1997年3月.
しかしながら、従来技術は印加されている電圧が高いときには電流を遮断するまでに要する時間が延び、更に電圧が高くなると遮断できない状態(電流をゼロにすることができず、流れ続ける状態)になるという課題がある。また、従来のアークを消滅させる方法では、遮断器が大きくなってしまう。永久磁石を用いると電流の極性が限定されるなどの問題がある。
本発明は、アークをより速く遮断でき、印加電圧が高いときであっても電流を遮断できる遮断器を提供することを目的とする。
本発明の遮断器は、第1端子、第2端子、固定接点、可動接点、トリップ手段、誘電体板を備える。第1端子と第2端子とが、外部と電気的に接続される。固定接点は、第1端子と電気的に接続されている。可動接点は、第2端子と電気的に接続され、固定接点と接続される位置である閉極位置と、固定接点から離れた位置であるトリップ位置との間を移動できる。トリップ手段は、可動接点が閉極位置のときに、第1端子と第2端子との間に所定値より大きい電流が流れた場合に、可動接点をトリップ位置に移動させる。誘電体板は、閉極位置とトリップ位置との間に可動接点の軌道に沿って配置され、可動接点の軌道側に突出した軌道の長さより短い幅の凸部を有する。
本発明の遮断器によれば、閉極位置とトリップ位置との間に可動接点の軌道に沿って凸部を有する誘電体板が配置されている。原理は解明できていないが、実験結果から可動接点の軌道の長さよりも短い幅の凸部にはアークが継続することを妨げる機能があると考えられる。したがって、本発明の遮断器は、アークをより速く遮断でき、印加電圧が高いときであっても電流を遮断できる。
ON状態(給電状態)の従来の遮断器を示す図。 OFF状態(遮断状態)の従来の遮断器を示す図。 本発明の遮断器の構成例を示す図。 凸部の効果を確認する実験を説明するための図。 凸部の効果を確認する実験の結果を表形式で示す図。 凸部の効果を確認する実験の結果をグラフで示す図。 遮断時の第1端子と第2端子との間の電圧・電流の様子を示す図。 凸部の位置を確認する実験を説明するための図。 凸部の位置を確認する実験の結果を示す図。 凸部の角のシャープさを確認する実験を説明するための図。 凸部の幅を確認する実験を説明するための図。 凸部の幅を確認する実験の結果を示す図。 消弧部を具備したときの効果を確認する実験に用いた消弧部の構造を示す図。 消弧部を具備したときの効果を確認する実験の結果を表形式で示す図。 消弧部を具備したときの効果を確認する実験の結果をグラフで示す図。 凸部と消弧部の両方を具備したときの効果を確認する実験を説明するための図。 凸部と消弧部の両方を具備したときの効果を確認する実験の結果を表形式で示す図。 凸部と消弧部の両方を具備したときの効果を確認する実験の結果をグラフで示す図。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
図3に本発明の遮断器の構成例を示す。図3(A)は正面図、図3(B)はC−C線での断面図である。本発明の遮断器200は、第1端子20、第2端子70、固定接点10、可動接点30、トリップ手段150、誘電体板160、ケース210を備える。第1端子20と第2端子70とは、外部と電気的に接続される。固定接点10は、第1端子20と電気的に接続されている。可動接点30は、第2端子70と電気的に接続され、固定接点10と接続される位置である閉極位置と、固定接点10から離れた位置であるトリップ位置との間を移動できる。図3では、実線で示された可動接点30が閉極位置を示しており、一点鎖線で示した可動接点30がトリップ位置を示している。
トリップ手段150は、可動片40、引き外し機構145、ハンドル90で構成される。トリップ手段150は、可動接点30が閉極位置のときに、第1端子20と第2端子70との間に所定値より大きい電流が流れた場合に、可動接点30をトリップ位置に移動させる。例えば、図1と図2で説明した遮断器900の場合は、接続導体50、電磁部60、引き外し部80、鉄片85が引き外し機構145に該当する。なお、図1と図2で説明した遮断器900は完全電磁式のトリップ手段であるが、熱動電磁式や電子式(非特許文献1参照)などのトリップ手段でもよい。
誘電体板160は、閉極位置とトリップ位置との間に可動接点30の軌道(図3の矢印)に沿って配置され、軌道側に突出した軌道の長さより短い幅の凸部165を有する。誘電体板160は、例えば、図3に示すように可動接点30の軌道を挟むように両側に配置すればよい。また、凸部は、図3では片方の誘電体板160に対して1つ形成されている(言い換えると、軌道方向に1つの凸部165が形成されている)だけだが、2つ以上形成してもよい。ケース210は、これらの構成部を収納する。
遮断器200は、閉極位置とトリップ位置との間に可動接点30の軌道に沿って軌道の長さより短い幅の凸部165を有する誘電体板160が配置されている。原理については明確ではないが、後述する実験結果から、凸部165にはアークが継続することを妨げる機能があると考えられる。したがって、遮断器200は、アークをより速く遮断でき、印加電圧が高いときであっても電流を遮断できる。
さらに、図3では点線で示している消弧部100も備えてもよい。誘電体板160を図3に示すように消弧部100の側面に配置すれば、遮断器全体の大きさを大きくすることなく誘電体板160と消弧部100の両方を備えることも可能である。なお、凸部165も消弧部100もアークを消滅させる機能を有する点で共通するが、後述する実験結果のとおり、消弧部100は主に電流が大きい場合にもアークをより速く遮断でき、凸部は主に電源電圧が高い場合でもアークをより速く遮断できる性質を有している。したがって、凸部と消弧部の両方を具備した場合には、両方のアークを消滅させる効果を利用できるので、電流が大きい場合でも電圧が高い場合でも、より速くアークを消滅させることができる。
[実験]
凸部の効果を確認する実験
実験では、まず図1と図2で説明した従来の遮断器の消弧部100を取り除き、形状の異なる複数種類の誘電体板160を可動接点30の軌道に沿って配置した。そして、それぞれの場合について、電源電圧を変化させて、トリップ手段が動作し始めてから電流が切れるまでの時間を測定した。図4は、凸部の効果を確認する実験を説明するための図であって、図3(A)のC−C線と同じ位置での断面を示す図である。図4(A)は凸部165がない誘電体板160の場合、図4(B)は凸部165が誘電体板160ごとに1つ形成された場合、図4(C)は凸部165が誘電体板160ごとに2つ形成された場合を示している。なお、この実験では、トリップ手段が動作開始する電流を13Aとした。
A1、A2、A3は、凸部165がない誘電体板160同士の間隔D1をかえたものである(図4(A)参照)。A1はD1=5.2mm、A2はD1=7.2mm、A3はD1=11.2mmとした場合である。Bは、凸部165が誘電体板160ごとに1つ形成されたものであり(図4(B)参照)、誘電体板160同士の間隔D1=7.2mm、凸部165同士の間隔D2=5.2mmとした場合である。また、凸部165の幅L2は1mmであり、凸部165は固定接点とトリップ位置の可動接点30とのほぼ真ん中に位置している。Cは、凸部165が誘電体板160ごとに2つ形成されたものであり(図4(C)参照)、誘電体板160同士の間隔D1=7.2mm、凸部165同士の間隔D2=5.2mmとした場合である。各凸部165の幅L2は1mmであり、同一の誘電体板160上の凸部165同士の隙間も1mmである。そして、凸部165は固定接点とトリップ位置の可動接点30とを結ぶ線の垂直二等分線についてほぼ対称に形成されている。なお、A1、A2、A3、B、Cともに、固定接点10とトリップ位置の可動接点30との距離L1は11.6mmである。
図5と図6は、凸部の効果を確認する実験の結果を示す図である。図5は実験結果を表形式で示したもの、図6は実験結果をグラフで示したものである。図5の空欄は測定できなかったこと(電流を遮断できなかったこと)を示している。また、図7は、遮断時の電圧・電流の様子を示すである。図7(A)は電源電圧が125VのときのA1の遮断時の電圧・電流の様子、図7(B)は電源電圧が125VのときのA2の遮断時の電圧・電流の様子、図7(C)は電源電圧が125VのときのBの遮断時の電圧・電流の様子を示している。図7の各図の上側が第1端子20と第2端子70との間の端子間電圧を示しており、下側が第1端子20と第2端子70との間に流れた電流を示している。固定接点10と可動接点30とが接触しているときは、第1端子20と第2端子70との間の抵抗はほぼ0Ωなので、端子間電圧は0Vである。固定接点10と可動接点30とが離れ始めると、第1端子20と第2端子70との間の抵抗が大きくなるため端子間電圧が大きくなり、電流が遮断された後は端子間電圧が電源電圧と同じになる。
図5と図6に示した実験結果から、BとCが、アークをより速く遮断でき、印加電圧が高いときであっても電流を遮断できることが分かる。また、A1、A2、A3の結果から、誘電体板160同士の間隔D1が狭い方が、印加電圧が高いときであっても電流を遮断できることが分かる。しかし、全体的に誘電体板160同士の間隔D1が狭いA1よりも、全体的には誘電体板同士の間隔が広いBやCの方が、アークをより速く遮断でき、印加電圧が高いときであっても電流を遮断できる。つまり、凸部165を有することで、アークをより速く遮断でき、印加電圧が高いときであっても電流を遮断できる。なお、BとCの間には特に差はなかった。したがって、凸部165は1つ以上あればよく、数を特定する必要はないと考えられる。
凸部の位置を確認する実験
図8は、凸部の位置を確認する実験を説明するための図であって、図3(A)のC−C線と同じ位置での断面を示す図である。この実験では、L1=11.6mm、L2=3mm、D1=7.2mm、D2=5.2mmである。そして、図中のXの値をいくつか選択し、トリップ手段が動作し始めてから電流が切れるまでの時間を測定した。なお、この実験では、電源電圧を直流125V、トリップ手段が動作開始する電流を13Aとした。
図9は凸部の位置を確認する実験の結果を示す図である。例えば、X=0.3mmのときは32m秒、X=4.3mmのとき(固定接点と前記トリップ位置の可動接点との中間)は18m秒、X=8.3mmのときは31m秒である。この結果から、凸部165が1つの場合は、固定接点10とトリップ位置の可動接点30との真ん中に凸部165を形成すればよい。また、遮断器の特性を極性(第1端子と第2端子のどちらを陽極につなぐか)に依存させないためには、凸部165は、固定接点10とトリップ位置の可動接点30とを結ぶ線の垂直二等分線について対称に形成した方がよい。なお、ここでの「対称」には、設計上許容できる範囲も含まれる。
凸部の角のシャープさを確認する実験
図10は、凸部の角のシャープさを確認する実験を説明するための図であって、図3(A)のC−C線と同じ位置での断面を示す図である。図10(A)は凸部の角を90度にした場合、図10(B)は凸部に傾斜を持たせた場合を示している。L1=11.6mm、D1=7.2mm、D2=5.2mmである。この実験では、電源電圧を直流138V、トリップ手段が動作開始する電流を13Aとした。
トリップ手段が動作し始めてから電流が切れるまでの時間は、図10(A)の場合は23m秒、図10(B)の場合は83秒であった。したがって、凸部165には傾斜を設けない方がよいことがわかる。別な表現を用いると、凸部は、可動電極の軌道と垂直な面と平行な面で形成すればよい。なお、ここでの「垂直」、「平行」とは、製造上許容する範囲を含む意味である。
凸部の幅を確認する実験
図11は、凸部の幅を確認する実験を説明するための図であって、図3(A)のC−C線と同じ位置での断面を示す図である。L1=11.6mm、D1=7.2mm、D2=5.2mmであり、凸部165は固定接点10とトリップ位置の可動接点30との真ん中に形成している。この実験では、電源電圧を直流138V、トリップ手段が動作開始する電流を13Aとし、凸部165の幅L2を変えて、トリップ手段が動作し始めてから電流が切れるまでの時間を測定した。
図12に、凸部の幅を確認する実験の結果を示す。トリップ手段が動作し始めてから電流が切れるまでの時間は、例えば、L2=3mmのとき88m秒、L2=2mmのとき47m秒、L2=1mmのとき28m秒であった。
この実験から、凸部165の幅を広くしない方がよいことは分かる。このことは、凸部165の幅をL1と同じになるまで広げた形状と等価な、凸部の効果を確認する実験のA1の特性が悪いことと整合している。
一方、狭くする方向の最適値を求めるには至っていない。ただし、一般的な機械加工などで製造する範囲では、凸部の幅は狭い方がよいと思われる。
消弧部を具備したときの効果を確認する実験
図13に消弧部を具備したときの効果を確認する実験に用いた消弧部の構造を示す。図13(A)は消弧部の平面図、図13(B)はD−D線での断面図である。消弧部100’は4つの鉄板101とサポータ102で構成されている。サポータ102は紙などの絶縁体で形成されている。この実験では、誘電体板160がない状態で消弧部100’を具備したときの効果を確認するために、電源電圧を63Vとし、電流を変化させてトリップ手段が動作し始めてから電流が切れるまでの時間を測定した。
図14と図15は、消弧部を具備したときの効果を確認する実験の結果を示す図である。図14は実験結果を表形式で示したもの、図15は実験結果をグラフで示したものである。これらの図から分かるように、消弧部を具備することで電流が大きいときでも、トリップ手段が動作し始めてから電流が切れるまでの時間を短くできる。
凸部と消弧部の両方を具備したときの効果を確認する実験
図16は、凸部と消弧部の両方を具備したときの効果を確認する実験を説明するための図であって、図3(A)のC−C線と同じ位置での断面を示す図である。L1=11.6mm、L2=3mm、D1=7.2mm、D2=5.2mmであり、凸部165は固定接点10とトリップ位置の可動接点30との真ん中に形成している。この実験では、電流を90Aとし、電源電圧を変化させてトリップ手段が動作し始めてから電流が切れるまでの時間を測定した。
図17と図18は、凸部と消弧部の両方を具備したときの効果を確認する実験の結果を示す図である。図17は実験結果を表形式で示したもの、図18は実験結果をグラフで示したものである。これらの図から分かるように、消弧部だけでなく、凸部も具備することで電源電圧が高いときでも、トリップ手段が動作し始めてから電流が切れるまでの時間を短くできる。
[予想される理由]
上述の実験だけでは、本発明の効果が得られる理由を特定することはできないが、以下に予想される理由を説明する。アークを速く消滅させる方法としては、
(1)高圧にし、障害物となる空気の分子の密度を高くする
(2)周りの空気ごと電子を吹き飛ばす
(3)消弧部を用いてアークの経路を長くする
などが知られている。
今回の実験では、凸部の効果を確認する実験で、凸部のない誘電体板160同士の間隔D1を最も狭くしたA1よりも、間隔D1は広いが凸部があるBやCの方が、電流が切れるまでの時間が短かった。したがって、高圧にしたこと(アークが発生する空間を小さくして、気圧が高くなるようにしたこと)で本発明の効果が得られたとは考えにくい。また、周りの空気を吹き飛ばしてはいない。したがって、凸部が障害物となってアークの流れを乱し、アークのエネルギー損失が大きくなっているから、アークが早く消滅するのではないかと予想される。
また、注目すべきは、凸部の位置を確認する実験と凸部の幅を確認する実験の結果だと思われる。アークは電子が陰極の接点から陽極の接点に飛ぶ現象であり、電子同士は反発するので、アークは直線的な経路で飛ぶのではなく、2つの接点の中間部分で広がっている。凸部の位置を確認する実験と凸部の幅を確認する実験の結果から、アークが最も広がっている2つの接点(固定接点とトリップ位置の可動接点)の中間部分に幅の狭い凸部を設けると、上記の予想される理由が効果的に作用し、アークを消滅させやすいのではないかと考えられる。
なお、上述の実験結果と理由の考察から、凸部の幅が可動接点の軌道の長さより短ければ少なくとも本発明の効果が得られ、2つの接点(固定接点とトリップ位置の可動接点)の中間部分に幅の狭い凸部を設けると最も効果的であると考えられる。
10 固定接点 20 第1端子
30 可動接点 40 可動片
50 接続導体 60 電磁部
70 第2端子 80 引き外し部
85 鉄片 90 ハンドル
100、100’ 消弧部 101 鉄板
102 サポータ 110、210 ケース
145 引き外し機構 150 トリップ手段
160 誘電体板 165 凸部
200、900 遮断器

Claims (5)

  1. 外部と電気的に接続する第1端子と第2端子と、
    前記第1端子と電気的に接続された固定接点と、
    前記第2端子と電気的に接続され、前記固定接点と接続される位置である閉極位置と、前記固定接点から離れた位置であるトリップ位置との間を移動できる可動接点と、
    前記可動接点が閉極位置のときに、前記第1端子と前記第2端子との間に所定値より大きい電流が流れた場合に、前記可動接点をトリップ位置に移動させるトリップ手段と、
    前記閉極位置と前記トリップ位置との間であって、前記可動接点の軌道に沿って配置され、前記軌道側に突出した前記軌道の長さの25%より短い幅の凸部を有する誘電体板と、
    を備える遮断器。
  2. 請求項1記載の遮断器であって、
    前記凸部の幅は、前記軌道の長さの9%より広い
    ことを特徴とする遮断器。
  3. 請求項1または2記載の遮断器であって、
    前記誘電体板は、前記軌道をはさんだ両側にある
    ことを特徴とする遮断器。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の遮断器であって、
    前記凸部は、前記固定接点と前記トリップ位置の可動接点とを結ぶ線の垂直二等分線について対称に形成されている
    ことを特徴とする遮断器。
  5. 請求項1からのいずれかに記載の遮断器であって、
    前記凸部は、前記軌道と垂直な面と平行な面で形成されている
    ことを特徴とする遮断器。
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