JPH10334785A - 気中直流遮断器、気中交流遮断器、及び気中直流遮断器の結線方法 - Google Patents

気中直流遮断器、気中交流遮断器、及び気中直流遮断器の結線方法

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JPH10334785A
JPH10334785A JP9142784A JP14278497A JPH10334785A JP H10334785 A JPH10334785 A JP H10334785A JP 9142784 A JP9142784 A JP 9142784A JP 14278497 A JP14278497 A JP 14278497A JP H10334785 A JPH10334785 A JP H10334785A
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Japan
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contact
movable contact
fixed contact
air
circuit breaker
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Application number
JP9142784A
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English (en)
Inventor
Mitsuru Tsukima
満 月間
Takao Mihashi
孝夫 三橋
Mitsugi Takahashi
貢 高橋
Yasushi Nakayama
靖 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01HELECTRIC SWITCHES; RELAYS; SELECTORS; EMERGENCY PROTECTIVE DEVICES
    • H01H9/00Details of switching devices, not covered by groups H01H1/00 - H01H7/00
    • H01H9/30Means for extinguishing or preventing arc between current-carrying parts
    • H01H9/34Stationary parts for restricting or subdividing the arc, e.g. barrier plate
    • H01H9/342Venting arrangements for arc chutes

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電流遮断時に、接点間に電離気体が多く残留
するような場合に、接点間で絶縁破壊が起こり易く、遮
断性能が低下してしまうなどの課題があった。 【解決手段】 可動接点及び固定接点の内、その近傍に
残留する電離気体が排除され易い方の接点が陽極に、他
方の接点が陰極になるように、各端子部の極性が指定さ
れているものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電流遮断動作時
に、接点間にアークが発生する気中直流遮断器、気中交
流遮断器、及び気中直流遮断器の結線方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】図24は、例えば特開平4−31572
8号公報に記載された従来の気中直流遮断器の開成状態
を示す断面図であり、図において、1は気中直流遮断器
の可動接触子であり、この可動接触子1は基部の回動支
点(図示せず)を中心として回動するように支持されて
いる。2は可動接触子1の一端に固着された可動接点、
3は可動接触子1の回動により可動接点2と接離する固
定接点、4は固定接点3を一端に有する固定接触子、5
は固定接触子4の他端に接続された固定接触子側の端子
部である。6は可動接触子1の回動を妨げないように、
可動接触子1の回動の軌跡に沿って切り込みの入った略
馬蹄形の消弧グリッドであり、可動接点2及び固定接点
3の開離時に、それらの接点間に発生するアークを引き
延ばし、冷却すべく機能する。7は消弧グリッド6を保
持する消弧側板である。8は可動接触子1を回動させる
機構部であり、この機構部8は、電流検出部(図示せ
ず)を内蔵しており、電流検出部が短絡電流などの大電
流を検知した場合に作動するように構成されている。9
は機構部8を手動で操作するためのハンドル、10は可
動接触子1側の端子部、11は可動接触子1を端子部1
0に接続する導体部である。12は上記の気中直流遮断
器構成部品の収納容器であり、ベース12aとカバー1
2bとから成る。13はカバー12bの壁部に設けられ
た排気口である。
【0003】次に動作について説明する。図24に示す
ように、開成状態においては、気中直流遮断器の可動接
点2及び固定接点3は開離しており、この状態におい
て、固定接触子4側の端子部5を回路の電源側に接続
し、可動接触子1側の端子部10を負荷側に接続する。
この状態で、ハンドル9を図中に矢印Bで示す方向に操
作すると、機構部8が動作し、可動接触子1が、基部の
回動支点を中心として回動する。その結果、可動接点2
が固定接点3と接触した閉成状態となり、電力が電源か
ら負荷に供給される。
【0004】図25は、従来の気中直流遮断器の閉成状
態を示す断面図であり、この閉成状態においては、通電
の信頼性を確保するために、可動接点2が、固定接点3
に対して規定の接触圧力で押さえ付けられる。この状態
で、ハンドル9を操作して機構部8を動作させた場合、
または短絡事故等により回路に大電流が流れ、この大電
流を機構部8内の電流検出部が検知して、機構部8を動
作させた場合には、可動接触子1は、接点開離方向に回
動し、可動接点2を固定接点3から開離させる。このと
き、可動接点2及び固定接点3間にアークが発生する。
【0005】図26は、このような従来の気中直流遮断
器における電流遮断時の状態を示す断面図であり、図に
おいて、Aは可動接点2及び固定接点3間に発生したア
ークを示すものとする。短絡事故等により回路に大電流
が流れると、可動接点2と固定接点3の接触面における
電磁反発力が非常に強くなり、その結果、電磁反発力
は、可動接点2にかかる前述の接触圧力に打ち勝つよう
になる。そのため、可動接触子1は、機構部8の動作を
待たずに接点開離方向に回動し、この回動により、可動
接点2は、固定接点3から開離する。この際に、可動接
点2及び固定接点3間にアークが発生することが良く知
られている。
【0006】このように可動接点2及び固定接点3間に
発生したアークAは、消弧グリッド6の吸引作用によ
り、消弧グリッド6の方向、即ち端子部5の方向に引き
伸ばされ、消弧グリッド6によって冷却される。その結
果、通電電流が低下して、やがて電流零点をむかえてア
ークAは消弧される。このようにして、気中直流遮断器
の電流遮断動作が完了する。
【0007】次に、従来の気中直流遮断器を直流回路に
おいて使用する場合の一般的な結線方法を図27(a)
及び(b)に示す。なお、従来の気中直流遮断器として
3極型の気中直流遮断器を使用した場合の結線方法を図
27(a)に、また、4極型の気中直流遮断器を使用し
た場合の結線方法を図27(b)に示す。
【0008】図27(a)及び(b)に示すように、従
来の気中直流遮断器においては、それぞれの極につい
て、固定接触子側の端子部5a、5b、5c、5dは電
源側に、可動接触子側の端子部10a、10b、10
c、10dは負荷側になるように、各極が直列に接続さ
れる。しかしながら、従来の気中直流遮断器において
は、電源側及び負荷側の極性については指定されていな
い。
【0009】このように、従来の気中直流遮断器は、各
端子部の極性を考慮したものではなく、従って、電流遮
断時に、接点間に電離気体が多く残留するような場合に
は、可動接点2及び固定接点3間、あるいは、可動接触
子1及び固定接触子4などの導体間で絶縁破壊が起こり
易く、遮断性能が低下するという問題点があった。ここ
で電離気体と、例えば特開昭58−169734号公報
で述べられているようなアークガスとの差異を示す。ア
ークガスとは、アーク発生によって生じる電離気体や高
温及び常温の中性気体全体を意味する。アークガスの中
で、絶縁耐力に最も大きく寄与するのが電離気体であ
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来の気中直流遮断器
は以上のように構成されているので、各端子部の極性を
考慮したものではなく、従って、電流遮断時に、接点間
に電離気体が多く残留するような場合には、接点間、あ
るいは、可動接触子及び固定接触子などの導体間で絶縁
破壊が起こり易く、遮断性能が低下してしまうなどの課
題があった。
【0011】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、電離気体が高密度且つ長時間残留
する陽極接点近傍を効率良く排気することができ、その
結果、接点間の絶縁回復時間を早め、遮断性能を向上さ
せることができる気中直流遮断器を得ることを目的とす
る。
【0012】また、この発明は、電流遮断時に、その近
傍に残留する電離気体が排除され易い方の接点が陽極接
点となるように開極タイミングを調整することができ、
その結果、遮断性能を向上させることができる気中交流
遮断器を得ることを目的とする。
【0013】さらに、この発明は、直流回路に接続する
際に、極性を指定した結線が容易になる気中直流遮断器
の結線方法を得ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る気中直流遮断器は、一端に可動接点を有する可動接触
子と、可動接触子に接続された可動接触子側の端子部
と、可動接触子の開閉動作により、可動接点と接離可能
な固定接点を一端に有する固定接触子と、固定接触子の
他端に接続された固定接触子側の端子部と、電流遮断時
に、内部に残留する電離気体を排除する排除手段とを備
えており、接続の際に、可動接点及び固定接点の内、そ
の近傍に残留する電離気体が排除され易い方の接点が陽
極に、他方の接点が陰極になるように、各端子部の極性
が指定されているものである。
【0015】請求項2記載の発明に係る気中直流遮断器
は、排除手段として、排気口を可動接点近傍に設け、可
動接点が陽極になるように、各端子部の極性を指定した
ものである。
【0016】請求項3記載の発明に係る気中直流遮断器
は、排除手段として、排気口を固定接点近傍に設け、固
定接点が陽極になるように、各端子部の極性を指定した
ものである。
【0017】請求項4記載の発明に係る気中直流遮断器
は、排除手段が、陽極側接点近傍に配置されたブローア
ウトコイル対を備えるように構成し、ブローアウトコイ
ル対への通電時に発生する磁界を利用して、電離気体を
排除するように構成したものである。
【0018】請求項5記載の発明に係る気中直流遮断器
は、排除手段を、陽極側接点近傍に配置された永久磁石
対を備えるように構成し、永久磁石対からの磁界を利用
して、電離気体を排除するように構成したものである。
【0019】請求項6記載の発明に係る気中直流遮断器
は、排除手段が、噴出口が陽極接点に向けられたシリン
ダと、シリンダ内に挿入されたピストンと、可動接触子
の回動により、ピストンを押圧するように構成された掛
け金とを備えるように構成したものである。
【0020】請求項7記載の発明に係る気中直流遮断器
は、排除手段が、陽極接点近傍に配置されており、その
開口部が陽極接点に向けられた圧力だめを備えるように
構成したものである。
【0021】請求項8記載の発明に係る気中直流遮断器
は、気中直流遮断器を、各極が並列に配置された多極型
気中直流遮断器として構成し、少なくとも一つの極にお
ける固定接触子及び可動接触子の配置を、他の極におけ
る固定接触子及び可動接触子の配置に対して反転させた
ものである。
【0022】請求項9記載の発明に係る気中交流遮断器
は、一端に可動接点を有する可動接触子と、可動接触子
に接続された可動接触子側の端子部と、可動接触子の開
閉動作により、可動接点と接離可能な固定接点を一端に
有する固定接触子と、固定接触子の他端に接続された固
定接触子側の端子部と、電流遮断時に、内部に残留する
電離気体を排除する排除手段とを備えており、可動接点
及び固定接点の内、その近傍に残留する電離気体が排除
され易い方の接点が、電流遮断時に陽極接点となるよう
に開極タイミングを調整するように構成したものであ
る。
【0023】請求項10記載の発明に係る気中交流遮断
器は、排除手段として、排気口を可動接点近傍に設け、
電流遮断時に、可動接点が陽極接点となるように、開極
タイミングを調整するものである。
【0024】請求項11記載の発明に係る気中交流遮断
器は、排除手段として、排気口を固定接点近傍に設け、
電流遮断時に、固定接点が陽極接点となるように、開極
タイミングを調整するものである。
【0025】請求項12記載の発明に係る気中直流遮断
器の結線方法は、少なくとも一つの単極型気中直流遮断
器を直流回路に接続する際に、電離気体が排除され易い
方の接点側の端子部を直流回路の電源側の正極に接続
し、他方の端子部を負荷側の正極に接続するものであ
る。
【0026】請求項13記載の発明に係る気中直流遮断
器の結線方法は、少なくとも一つの単極型気中直流遮断
器を直流回路に接続する際に、電離気体が排除され易い
方の接点側の端子部を直流回路の負荷側の負極に接続
し、他方の端子部を電源側の負極に接続するものであ
る。
【0027】
【発明の実施の形態】従来の気中直流遮断器において
は、電流遮断時に、接点間に電離気体が多く残留するよ
うな場合に、可動接点及び固定接点間、あるいは、可動
接触子及び固定接触子などの導体間で絶縁破壊が起こり
易く、遮断性能が低下するという問題点があった。
【0028】そこで、発明者らは、レーザ誘起蛍光法
(LIF:laser-induced fluorescence)と呼ばれる手法を
用いて、気中直流遮断器の陰極側接点及び陽極側接点近
傍における電離気体の分布状態の測定を行った。以下に
その測定方法を示す。
【0029】レーザ誘起蛍光法によれば、プラズマ中の
ある特定の粒子を、その粒子の吸収遷移に同調させた波
長可変レーザを用いて選択的に励起すると、粒子密度に
比例した誘起蛍光が放射される。従って、その蛍光強度
を測定することにより、レーザ光の光路上における特定
の粒子の密度を観測することができる。なお、測定に
は、約20mmの間隔で対向配置したタングステン製の
直径5mmの棒状電極を使用した。
【0030】このタングステン製の棒状電極間に交流半
サイクル電流(ピーク電流値約4kA、周波数60H
z)を流し、電極間に張った銅細線の溶断によりアーク
を発弧させ、このアーク中に、タングステンイオンの吸
収遷移に波長を合わせたレーザ光を入射した。このよう
なレーザ光の入射により、タングステンイオンが選択的
に励起され、タングステンイオンの密度に比例した誘起
蛍光が放射される。従って、本測定においては、このタ
ングステンイオンからの蛍光強度及びその時間変化を測
定した。
【0031】図1にタングステンイオンからの蛍光強度
の測定結果を示す。図において、横軸は時間であり、電
極間の通電電流が零となる時間を零としている。また、
縦軸はタングステンイオンからの蛍光強度を示し、タン
グステンイオンの密度に比例した値である。なお、図中
の□印は陰極近傍で測定した蛍光強度を示し、▽印は陽
極近傍で測定した蛍光強度を示す。
【0032】この測定結果からわかるように、電流零点
付近では、陰極近傍で測定した蛍光強度に対して、陽極
近傍で測定した蛍光強度が非常に高い値を示しており、
また、陽極近傍においては、電流零点以降においても、
タングステンイオンからの誘起蛍光が観測されている。
従って、アーク発生後の電流零点以降においては、陰極
近傍に比べて、陽極近傍にタングステンイオンが高密度
かつ長時間存在すると考えられる。
【0033】即ち、電流遮断時、即ちアーク発生後の電
流零点以降においては、気中直流遮断器における陰極側
接点の近傍よりも、陽極側接点の近傍に電離気体が高密
度かつ長時間残留しているものと考えられる。
【0034】このように、アークの発生後に、陰極側接
点の近傍よりも、陽極側接点の近傍に電離気体が高密度
かつ長時間残留することから、電極の極性を考慮してい
ない従来の気中直流遮断器では、電離気体が陽極近傍に
残留し、遮断性能を低下させていたことが理解できる。
【0035】この発明は、上記測定により得られた、ア
ーク発生後の電流零点以降においては、気中直流遮断器
における陰極側接点の近傍よりも、陽極側接点の近傍
に、電離気体が高密度かつ長時間残留する、という新た
な知見に基づいて成されたものである。
【0036】以下、この発明の実施の一形態を説明す
る。 実施の形態1.図2は、この発明の実施の形態1による
気中直流遮断器の開成状態を示す断面図である。図にお
いて、1は気中直流遮断器の可動接触子であり、この可
動接触子1は、基部の回動支点(図示せず)を中心とし
て回動するように支持されている。2は可動接触子1の
一端に固着された可動接点、3は可動接触子1の回動に
より可動接点2と接離する固定接点、4は固定接点3を
一端に有する固定接触子、5は固定接触子4の他端に接
続された固定接触子側の端子部であり、直流回路の負荷
14側に接続されている。6は可動接触子1の回動を妨
げないように、可動接触子1の回動の軌跡に沿って切り
込みの入った略馬蹄形の消弧グリッドであり、可動接点
2及び固定接点3の開離時に、それらの接点間に発生す
るアークを引き延ばして冷却すべく機能する。7は消弧
グリッド6を保持する消弧側板である。8は可動接触子
1を回動させる機構部であり、この機構部8は、電流検
出部(図示せず)を内蔵しており、電流検出部が、短絡
電流などの大電流を検知した場合に作動するように構成
されている。9は機構部8を手動で操作するためのハン
ドル、10は可動接触子側の端子部であり、電源14側
に接続されている。11は可動接触子1を端子部10に
接続する導体部、12はベース12aとカバー12bと
から成る収納容器である。13aはカバー12bの壁部
に設けられた排気口(排除手段)であり、電流遮断動作
時に、可動接点2近傍に存在する電離気体を効率よく排
除するために、開成状態において可動接点2の近傍に位
置するように配置されている。14は可動接点2が陽極
になるように、その正極が端子部10に接続された直流
電源、15は直流回路の負荷である。
【0037】次に動作について説明する。図2に示すよ
うに、開成状態においては、気中直流遮断器の可動接点
2は、固定接点3から開離しており、この状態におい
て、固定接触子4の端子部5を回路の負荷15側に、可
動接触子1の端子部10を回路の電源14側にそれぞれ
接続する。
【0038】なお、この実施の形態1においては、排気
口13aを可動接点2の近傍に配置して、電流遮断動作
時に、可動接点2近傍の電離気体が、効率よく排除され
るように構成されている。従って、電離気体を排除する
能力に優れた側、即ち可動接点2側が陽極になるよう
に、固定接触子4側の端子部5は直流回路の負極側に、
可動接触子1側の端子部10は直流回路の正極側に接続
される。この状態において、ハンドル9を図中に矢印B
で示す方向に操作すると、機構部8が動作し、可動接触
子1が、基部の回動支点を中心として回動する。この回
動により、可動接点2が固定接点3と接触した閉成状態
となり、電力が直流電源14から負荷15に供給され
る。
【0039】図3は、この発明の実施の形態1による気
中直流遮断器の閉成状態を示す断面図であり、このよう
な閉成状態においては、通電の信頼性を確保するため
に、可動接点2が、固定接点3に対して規定の接触圧力
で押さえ付けられている。この状態で、ハンドル9を操
作して機構部8を動作させた場合、または負荷14側の
回路での短絡事故等により回路に大電流が流れ、電流検
出部が、この大電流を検知して機構部8を動作させた場
合には、可動接触子1は、接点開離方向に回動し、可動
接点2を固定接点3から開離させる。このとき、可動接
点2及び固定接点3間にアークが発生する。
【0040】図4は、この発明の実施の形態1による気
中直流遮断器の電流遮断時の状態を示す断面図であり、
図において、Aは可動接点2及び固定接点3間に発生し
たアークである。なお、短絡事故等により回路に大電流
が流れると、可動接点2と固定接点3の接触面に働く電
磁反発力が非常に強くなり、その結果、電磁反発力は、
可動接点2にかかる前述の接触圧力に打ち勝つようにな
る。そのため、可動接触子1は、機構部8の動作を待た
ずに接点開離方向に回動し、この回動により、可動接点
2が固定接点3から開離する。この際に、可動接点2及
び固定接点3間にアークが発生することが良く知られて
いる。
【0041】可動接点2及び固定接点3間に発生したア
ークAは、消弧グリッド6の吸引作用により、消弧グリ
ッド6の方向に、即ち端子部5の方向に駆動され、引き
伸ばされる。その結果、消弧グリッド6によりアークA
は冷却される。こうして、通電電流は限流され、やがて
電流零点をむかえてアークAは消弧され、気中直流遮断
器の電流遮断動作が完了する。
【0042】このように、実施の形態1による気中直流
遮断器においては、排気口13aが、開成状態において
可動接点2の近傍に位置するように設けられており、電
流遮断動作時に固定接点3付近に比べて、可動接点2付
近に存在する電離気体の方がより排除し易い構造となっ
ている。
【0043】一方、前述の測定結果から、電流遮断動作
時、即ちアーク発生後の電流零点以降においては、気中
直流遮断器における陰極側接点の近傍よりも、陽極側接
点の近傍に電離気体が高密度かつ長時間残留することが
判っている。そこで、この実施の形態1による気中直流
遮断器は、固定接触子4側の端子部5を直流回路の負極
側に、また可動接触子1側の端子部10を直流回路の正
極側に接続するように、各端子部5及び10の極性が指
定されている。なお、このように各端子部5及び10の
極性を指定することにより、固定接点3を陰極接点に、
可動接点2を陽極接点に指定することができる。
【0044】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、電離気体
が高密度且つ長時間残留する陽極接点の近傍、即ち可動
接点2の近傍を効率良く排気することができ、従って、
接点間、あるいは、可動接触子1及び固定接触子4など
の導体間での絶縁破壊を防止することができ、遮断性能
を向上させることができる。
【0045】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、排気口を、開成状態において可動接点の近傍に位置
するように配置し、且つ固定接点が陰極接点に、可動接
点が陽極接点になるように各端子部の極性を指定してい
るので、電離気体が高密度且つ長時間残留する陽極接点
の近傍を効率良く排気することができ、その結果、接点
間の絶縁回復時間を早め、遮断性能を向上させることが
できるなどの効果が得られる。
【0046】実施の形態2.前述の実施の形態1による
気中直流遮断器においては、可動接触子が回動するため
に、電流零点時での可動接点の正確な位置を特定し難
く、従って、排気口の位置を最適に設定することが難し
いという問題がある。そこで、この実施の形態2による
気中直流遮断器においては、排気口を固定接点の近傍に
設け、その結果、電流遮断動作時に、可動接点近傍に比
べて固定接点近傍に存在する電離気体の方が排気され易
いような構造としている。
【0047】図5は、この発明の実施の形態2による気
中直流遮断器の部分断面図である。図において、13b
は電流遮断動作時に、可動接点2近傍よりも固定接点3
近傍に存在する電離気体をより効率良く排除可能とすべ
く、固定接点3の近傍に設けられた排気口(排除手
段)、16は可動接触子1の基部に設けられた回動支点
である。なお、前述の実施の形態1と同一又は相当部分
については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0048】次に動作について説明する。この実施の形
態2においては、排気口13bは、固定接点3の近傍に
設けられており、電流遮断動作時に、可動接点2付近に
比べて固定接点3付近に存在する電離気体の方が排気さ
れやすいような構造となっている。そのため、この気中
直流遮断器は、固定接触子4側の端子部5を直流回路の
正極側に、また可動接触子1側の端子部10を直流回路
の負極側に接続するように、各端子部5及び10の極性
が指定されている。なお、このように各端子部5及び1
0の極性を指定することにより、固定接点3を陽極接点
に、可動接点2を陰極接点に指定することができる。
【0049】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、電離気体
が高密度且つ長時間残留する陽極接点近傍、即ち固定接
点3の近傍を効率良く排気することができ、従って、接
点間、あるいは、可動接触子1及び固定接触子4などの
導体間での絶縁破壊を防止することができ、遮断性能を
向上させることができる。また、排気口を不動の固定接
点の近傍に設けているので、排気口の最適な位置や大き
さを容易に設定することができる。
【0050】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、排気口を固定接点の近傍に設け、且つ固定接点が陽
極接点に、可動接点が陰極接点になるように各端子部の
極性を指定しているので、実施の形態1の場合と同様
に、接点間の絶縁回復時間を早め、遮断性能を向上させ
ることができるなどの効果が得られる。また、排気口
を、可動接触子の回動と共に移動する可動接点の近傍で
はなく、不動の固定接点の近傍に設けるように構成した
ので、排気口の最適な位置や大きさを容易に設定し得、
その結果、より効率良く電離気体を排除することができ
るなどの効果が得られる。
【0051】実施の形態3.図6(a)は、この発明の
実施の形態3による気中直流遮断器の部分断面図であ
り、図において、16は可動接触子1の基部に設けられ
た回動支点、17は可動接点2の近傍に配置されたブロ
ーアウトコイル対(排除手段)である。なお、前述の実
施の形態1と同一又は相当部分については、同一符号を
付し、その説明を省略する。
【0052】次に動作について説明する。図6(b)
は、この発明の実施の形態3による気中直流遮断器にお
ける可動接点2付近の斜視図であり、図に示すように、
ブローアウトコイル対17は、可動接点2を挟むように
可動接点2の両側に設けられたブローアウトコイル17
a及び17bから構成されている。このブローアウトコ
イル17a及び17bに通電電流が流れると、図6
(b)に矢印で示すような向きに磁界が発生し、この磁
界により発生するローレンツ力により、電流遮断動作時
に可動接点2の近傍に存在する電離気体を、図6(a)
中に矢印で示すように排気口13a側へ排除するように
構成されている。
【0053】このように、この実施の形態3において
は、電流遮断動作時に、固定接点3付近に比べて可動接
点2付近に存在する電離気体の方が排除されやすいよう
な構造になっている。そこで、この実施の形態3におい
ては、固定接触子4側の端子部5を直流回路の負極側
に、また可動接触子1側の端子部10を直流回路の正極
側に接続するように、各端子部5及び10の極性が指定
されている。なお、このように各端子部5及び10の極
性を指定することにより、固定接点3を陰極接点に、可
動接点2を陽極接点に指定することができる。
【0054】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、ブローア
ウトコイル対17により、電離気体が高密度且つ長時間
残留する陽極接点近傍、即ち可動接点2の近傍の電離気
体を効率良く排除することができ、従って、接点間、あ
るいは、可動接触子1及び固定接触子4などの導体間で
の絶縁破壊を防止することができ、遮断性能を向上させ
ることができる。
【0055】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、ブローアウトコイル対を可動接点の近傍に配置し、
且つ固定接点が陰極接点に、可動接点が陽極接点になる
ように各端子部の極性を指定しているので、実施の形態
1の場合と同様に、接点間の絶縁回復時間を早め、遮断
性能を向上させることができるなどの効果が得られる。
【0056】実施の形態4.図7(a)は、この発明の
実施の形態4による気中直流遮断器の部分断面図であ
り、図において、17は固定接点3の近傍に配置された
ブローアウトコイル対である。なお、前述の実施の形態
2と同一又は相当部分については、同一符号を付し、そ
の説明を省略する。
【0057】次に動作について説明する。図7(b)
は、この発明の実施の形態4による気中直流遮断器にお
ける固定接点3付近の斜視図であり、図に示すように、
ブローアウトコイル対17は、固定接点3を挟むように
固定接点3の両側に設けられたブローアウトコイル17
c及び17dから構成されている。このブローアウトコ
イル17c及び17dに通電電流が流れると、図7
(b)に矢印で示すような向きに磁界が発生し、この磁
界により発生するローレンツ力により、電流遮断動作時
に可動接点3の近傍に存在する電離気体を、図7(a)
中に矢印で示すように排気口13b側へ排除するように
構成されている。
【0058】このように、この実施の形態4において
は、電流遮断動作時に、可動接点2付近に比べて固定接
点3付近に存在する電離気体の方が排除されやすいよう
な構造になっている。そこで、この実施の形態4におい
ては、固定接触子4側の端子部5を直流回路の正極側
に、また可動接触子1側の端子部10を直流回路の負極
側に接続するように、各端子部5及び10の極性が指定
されている。なお、このように各端子部5及び10の極
性を指定することにより、固定接点3を陽極接点に、可
動接点2を陰極接点に指定することができる。
【0059】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、ブローア
ウトコイル対17により、電離気体が高密度且つ長時間
残留する陽極接点近傍、即ち固定接点3の近傍の電離気
体を効率良く排除することができ、従って、接点間、あ
るいは、可動接触子1及び固定接触子4などの導体間で
の絶縁破壊を防止することができ、遮断性能を向上させ
ることができる。
【0060】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、ブローアウトコイル対を固定接点の近傍に配置し、
且つ固定接点が陽極接点に、可動接点が陰極接点になる
ように各端子部の極性を指定しているので、実施の形態
2の場合と同様に、接点間の絶縁回復時間を早め、遮断
性能を向上させることができるなどの効果が得られる。
また、排気口の最適な位置や大きさを容易に設定し得、
その結果、より効率良く電離気体を排除することができ
るなどの効果が得られる。
【0061】実施の形態5.この発明の実施の形態5に
おける気中直流遮断器は、前述の実施の形態3における
ブローアウトコイル対の代わりに永久磁石対を設けたも
のである。図8(a)は、この発明の実施の形態5によ
る気中直流遮断器の部分断面図であり、図において、1
8は可動接点2の近傍に配置された永久磁石対(排除手
段)である。なお、前述の実施の形態3と同一又は相当
部分については、同一符号を付し、その説明を省略す
る。
【0062】次に動作について説明する。図8(b)
は、この発明の実施の形態5による気中直流遮断器にお
ける可動接点2付近の斜視図であり、図に示すように、
永久磁石対18は、可動接点2を挟むように可動接点2
の両側に設けられた永久磁石18a及び18bから構成
されている。この実施の形態5によれば、この永久磁石
18a及び18bにより図8(b)に矢印で示すような
向きに磁界を発生させ、この磁界により発生するローレ
ンツ力により、電流遮断動作時に可動接点2の近傍に存
在する電離気体を、図8(a)中に矢印で示すように排
気口13a側へ排除するように構成されている。
【0063】このように、この実施の形態5において
は、電流遮断動作時に、固定接点3付近に比べて可動接
点2付近に存在する電離気体の方が排除されやすいよう
な構造になっている。そこで、この実施の形態5におい
ては、固定接触子4側の端子部5を直流回路の負極側
に、また可動接触子1側の端子部10を直流回路の正極
側に接続するように、各端子部5及び10の極性が指定
されている。なお、このように各端子部5及び10の極
性を指定することにより、固定接点3を陰極接点に、可
動接点2を陽極接点に指定することができる。
【0064】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、永久磁石
対18により、電離気体が高密度且つ長時間残留する陽
極接点近傍、即ち可動接点2の近傍の電離気体を効率良
く排除することができ、従って、接点間、あるいは、可
動接触子1及び固定接触子4などの導体間での絶縁破壊
を防止することができ、遮断性能を向上させることがで
きる。
【0065】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、永久磁石対を可動接点の近傍に配置し、且つ固定接
点が陰極接点に、可動接点が陽極接点になるように各端
子部の極性を指定しているので、実施の形態3の場合と
同様に、接点間の絶縁回復時間を早め、遮断性能を向上
させることができるなどの効果が得られる。
【0066】実施の形態6.この発明の実施の形態6に
おける気中直流遮断器は、前述の実施の形態4における
ブローアウトコイル対の代わりに永久磁石対を設けたも
のである。図9(a)は、この発明の実施の形態6によ
る気中直流遮断器の部分断面図であり、図において、1
8は固定接点3の近傍に配置された永久磁石対(排除手
段)である。なお、前述の実施の形態4と同一又は相当
部分については、同一符号を付し、その説明を省略す
る。
【0067】次に動作について説明する。図9(b)
は、この発明の実施の形態6による気中直流遮断器にお
ける固定接点3付近の斜視図であり、図に示すように、
永久磁石対18は、固定接点3を挟むように固定接点3
の両側に設けられた永久磁石18c及び18dから構成
されている。この実施の形態6によれば、この永久磁石
18c及び18dにより図9(b)に矢印で示すような
向きに磁界を発生させ、この磁界により発生するローレ
ンツ力により、電流遮断動作時に固定接点3の近傍に存
在する電離気体を、図9(a)中に矢印で示すように排
気口13b側へ排除するように構成されている。
【0068】このように、この実施の形態6において
は、電流遮断動作時に、可動接点2付近に比べて固定接
点3付近に存在する電離気体の方が排除されやすいよう
な構造になっている。そこで、この実施の形態6におい
ては、固定接触子4側の端子部5を直流回路の正極側
に、また可動接触子1側の端子部10を直流回路の負極
側に接続するように、各端子部5及び10の極性が指定
されている。なお、このように各端子部5及び10の極
性を指定することにより、固定接点3を陽極接点に、可
動接点2を陰極接点に指定することができる。
【0069】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、永久磁石
対18により、電離気体が高密度且つ長時間残留する陽
極接点近傍、即ち固定接点3の近傍の電離気体を効率良
く排除することができ、従って、接点間、あるいは、可
動接触子1及び固定接触子4などの導体間での絶縁破壊
を防止することができ、遮断性能を向上させることがで
きる。
【0070】以上のように、この実施の形態6によれ
ば、永久磁石対を固定接点の近傍に配置し、且つ固定接
点が陽極接点に、可動接点が陰極接点になるように各端
子部の極性を指定しているので、実施の形態4の場合と
同様に、接点間の絶縁回復時間を早め、遮断性能を向上
させることができるなどの効果が得られる。また、排気
口の最適な位置や大きさを容易に設定し得、その結果、
より効率良く電離気体を排除することができるなどの効
果が得られる。
【0071】実施の形態7.図10は、この発明の実施
の形態7による気中直流遮断器の部分断面図であり、図
において、6aは固定接点3近傍よりも、可動接点2近
傍においてその空間密度が高くなるように構成された消
弧グリッドである。なお、前述の実施の形態1と同一又
は相当部分については、同一符号を付し、その説明を省
略する。
【0072】次に動作について説明する。この実施の形
態7においては、図に示すように、可動接点2付近の消
弧グリッド6aの空間密度を、固定接点3付近の消弧グ
リッド6aの空間密度より高く設定し、可動接点2近傍
のアーク駆動力を、固定接点3近傍に比べて向上させた
構成としている。そこで、この実施の形態7において
は、固定接触子4側の端子部5を直流回路の負極側に、
また可動接触子1側の端子部10を直流回路の正極側に
接続するように、各端子部5及び10の極性が指定され
ている。なお、このように各端子部5及び10の極性を
指定することにより、固定接点3を陰極接点に、可動接
点2を陽極接点に指定することができる。
【0073】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、電離気体
が高密度且つ長時間残留する陽極接点近傍、即ち可動接
点2の近傍の電離気体を効率良く排除することができ、
従って、接点間、あるいは、可動接触子1及び固定接触
子4などの導体間での絶縁破壊を防止することができ、
遮断性能を向上させることができる。
【0074】以上のように、この実施の形態7によれ
ば、消弧グリッドを、固定接点近傍よりも可動接点近傍
においてその空間密度が高くなるように構成し、且つ固
定接点が陰極接点に、可動接点が陽極接点になるように
各端子部の極性を指定しているので、実施の形態1の場
合と同様に、接点間の絶縁回復時間を早め、遮断性能を
向上させることができるなどの効果が得られる。
【0075】実施の形態8.図11は、この発明の実施
の形態8による気中直流遮断器の部分断面図であり、図
において、6bは可動接点2近傍よりも、固定接点3近
傍においてその空間密度が高くなるように構成された消
弧グリッドである。なお、前述の実施の形態2と同一又
は相当部分については、同一符号を付し、その説明を省
略する。
【0076】次に動作について説明する。この実施の形
態8においては、図に示すように、固定接点3付近の消
弧グリッド6bの空間密度を、可動接点2付近の消弧グ
リッド6bの空間密度より高く設定し、固定接点3近傍
のアーク駆動力を、可動接点2近傍に比べて向上させた
構成としている。そこで、この実施の形態8において
は、固定接触子4側の端子部5を直流回路の正極側に、
また可動接触子1側の端子部10を直流回路の負極側に
接続するように、各端子部5及び10の極性が指定され
ている。なお、このように各端子部5及び10の極性を
指定することにより、固定接点3を陽極接点に、可動接
点2を陰極接点に指定することができる。
【0077】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、電離気体
が高密度且つ長時間残留する陽極接点近傍、即ち固定接
点3の近傍の電離気体を効率良く排除することができ、
従って、接点間、あるいは、可動接触子1及び固定接触
子4などの導体間での絶縁破壊を防止することができ、
遮断性能を向上させることができる。
【0078】以上のように、この実施の形態8によれ
ば、消弧グリッドを、可動接点近傍よりも固定接点近傍
においてその空間密度が高くなるように構成し、且つ固
定接点が陽極接点に、可動接点が陰極接点になるように
各端子部の極性を指定しているので、実施の形態2の場
合と同様に、接点間の絶縁回復時間を早め、遮断性能を
向上させることができるなどの効果が得られる。また、
排気口の最適な位置や大きさを容易に設定し得、その結
果、より効率良く電離気体を排除することができるなど
の効果が得られる。
【0079】実施の形態9.この実施の形態9において
は、前述の実施の形態2における固定接触子4をJ字状
に形成し、このJ字状の固定接触子に囲まれた空間に、
より強いアーク駆動力が働くように構成したものであ
る。図12(a)は、この発明の実施の形態9による気
中直流遮断器の部分断面図であり、図12(b)は、J
字状固定接触子の斜視図である。図において、40は一
体形成されたJ字状の固定接触子であり、負荷側の端子
部5から水平方向に延びる第1導体部40aと、第1導
体部40aにおける端子部5とは反対側の端部から下方
へ向けて屈曲形成された第2導体部40bと、第2導体
部40bの下端から第1導体部40aと平行に延びる第
3導体部40cとからなる。なお、この第3導体部40
cの上面に固定接点3が固着されている。また、21は
固定接点3に対する可動接触子1の開閉動作を妨げない
ように、第1導体部40a及び第2導体部40bに設け
られたスリット、22は可動接触子1と第1導体部40
aとの間でアークが発生しないようにすべく、スリット
21の内面及び第1導体部40aの上面に設けられた絶
縁物である。なお、前述の実施の形態2と同一又は相当
部分については、同一符号を付し、その説明を省略す
る。
【0080】次に動作について説明する。この実施の形
態9においては、固定接触子40側の端子部5を直流回
路の正極側に、また可動接触子1側の端子部10を直流
回路の負極側に接続するように、各端子部5及び10の
極性が指定されている。なお、このように各端子部5及
び10の極性を指定することにより、固定接点3を陽極
接点に、可動接点2を陰極接点に指定することができ
る。
【0081】このようにJ字状に形成された固定接触子
40においては、通電電流は、端子部5から第1導体部
40a、第2導体部40b、及び第3導体部40cを順
に経て固定接点3に至る。従って、第1導体部40a、
第2導体部40b、及び第3導体部40cを流れる電流
により、J字状の固定接触子40に囲まれた空間に、図
12(a)に矢印で示す方向にアークAを引き延ばす、
より強い駆動力が働く。
【0082】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、このJ字
状の固定接触子40に囲まれた空間に働くより強い駆動
力により、電離気体が高密度且つ長時間残留する陽極接
点近傍、即ち固定接点3の近傍の電離気体を効率良く排
除することができ、従って、接点間、あるいは、可動接
触子1及び固定接触子40などの導体間での絶縁破壊を
防止することができ、遮断性能を向上させることができ
る。
【0083】以上のように、この実施の形態9によれ
ば、固定接点近傍においてより強いアーク駆動力が働く
ように、固定接触子をJ字状に形成し、且つ固定接点が
陽極接点に、可動接点が陰極接点になるように各端子部
の極性を指定しているので、実施の形態2の場合と同様
に、接点間の絶縁回復時間を早め、遮断性能を向上させ
ることができるなどの効果が得られる。
【0084】実施の形態10.図13は、この発明の実
施の形態10による気中直流遮断器の部分断面図であ
る。図において、41は一体形成された固定接触子であ
り、負荷側の端子部5から水平方向に延びる第1導体部
41aと、第1導体部41aにおける端子部5とは反対
側の端部から下方へ向けて屈曲形成された第2導体部4
1bと、第2導体部41bの下端から第1導体部41a
とは反対方向に水平に延びる第3導体部41cと、第3
導体部41cの先端から垂直方向に立ち上がる第4導体
部41dと、第4導体部41dの上端から第1導体部4
1a側に向けて水平に延びる第5導体部41eとからな
る。なお、この第5導体部41eの上面に固定接点3が
固着されている。なお、前述の実施の形態2と同一又は
相当部分については、同一符号を付し、その説明を省略
する。
【0085】次に動作について説明する。この実施の形
態10においては、固定接触子41側の端子部5を直流
回路の正極側に、また可動接触子1側の端子部10を直
流回路の負極側に接続するように、各端子部5及び10
の極性が指定されている。なお、このように各端子部5
及び10の極性を指定することにより、固定接点3を陽
極接点に、可動接点2を陰極接点に指定することができ
る。
【0086】このような形状に形成された固定接触子4
1においては、通電電流は、端子部5から第1導体部4
1a、第2導体部41b、第3導体部41c、第4導体
部41d、及び第5導体部41eを順に経て固定接点3
に至る。従って、第5導体部41eを流れる電流成分に
より、固定接点3の近傍の電離気体に対して、図13に
矢印で示す方向に強い駆動力が働く。
【0087】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、この固定
接点3の近傍に働く強い駆動力により、電離気体が高密
度且つ長時間残留する陽極接点近傍、即ち固定接点3の
近傍の電離気体を効率良く排除することができ、従っ
て、接点間、あるいは、可動接触子1及び固定接触子4
1などの導体間での絶縁破壊を防止することができ、遮
断性能を向上させることができる。
【0088】以上のように、この実施の形態10によれ
ば、固定接触子を流れる電流成分により、固定接点の近
傍の電離気体に対して強い駆動力が働くように、固定接
触子を構成し、且つ固定接点が陽極接点に、可動接点が
陰極接点になるように各端子部の極性を指定しているの
で、実施の形態2の場合と同様に、接点間の絶縁回復時
間を早め、遮断性能を向上させることができるなどの効
果が得られる。
【0089】実施の形態11.この実施の形態11にお
いては、前述の実施の形態10における固定接触子41
の変形例を示す。図14(a)は、この発明の実施の形
態11による気中直流遮断器の断面図、図14(b)
は、固定接触子の斜視図である。図において、42は固
定接触子であり、負荷側の端子部5から水平方向に延び
る第1導体部42aと、第1導体部42aにおける端子
部5とは反対側の端部から下方へ向けて屈曲形成された
第2導体部42bと、第2導体部42bの下端から第1
導体部42aとは反対方向に水平に延びる第3導体部4
2cとからなる。また、50は第2導体部42bに設け
られた第1の切り溝、51は第3導体部42cに設けら
れた第2の切り溝である。52は上面に固定接点3が固
着された接点板であり、接続導体42cから折り返すよ
うにロー付けして接続されている。なお、前述の実施の
形態10と同一又は相当部分については、同一符号を付
し、その説明を省略する。
【0090】次に動作について説明する。この実施の形
態11においては、固定接触子42側の端子部5を直流
回路の正極側に、また可動接触子1側の端子部10を直
流回路の負極側に接続するように、各端子部5及び10
の極性が指定されている。なお、このように各端子部5
及び10の極性を指定することにより、固定接点3を陽
極接点に、可動接点2を陰極接点に指定することができ
る。
【0091】このような形状に形成された固定接触子4
2においては、通電電流は、端子部5から第1導体部4
2a、第2導体部42b、第3導体部42c、及び接点
板52を順に経て固定接点3に至る。従って、接点板5
2には、第3導体部42cを流れる電流Ibとは逆方向
の電流Idが流れ、この電流Idにより固定接点3の近
傍の電離気体に対して、実施の形態10と同様に、強い
駆動力が働く。
【0092】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、この固定
接点3の近傍に働く強い駆動力により、電離気体が高密
度且つ長時間残留する陽極接点近傍、即ち固定接点3の
近傍の電離気体を効率良く排除することができ、従っ
て、接点間、あるいは、可動接触子1及び固定接触子4
2などの導体間での絶縁破壊を防止することができ、遮
断性能を向上させることができる。
【0093】以上のように、この実施の形態11によれ
ば、接点板を流れる電流成分により、固定接点の近傍の
電離気体に対して強い駆動力が働くように、固定接触子
を構成し、且つ固定接点が陽極接点に、可動接点が陰極
接点になるように各端子部の極性を指定しているので、
実施の形態2の場合と同様に、接点間の絶縁回復時間を
早め、遮断性能を向上させることができるなどの効果が
得られる。
【0094】実施の形態12.この実施の形態12にお
いては、前述の実施の形態9におけるJ字状の固定接触
子40の変形例を示す。図15は、この発明の実施の形
態12による固定接触子の斜視図である。図において、
43は固定接触子であり、負荷側の端子部5から水平方
向に延びた第1導体部43aと、この第1導体部43a
における端子部5とは反対側の端部から、第1導体部4
3aと同方向に延びる第2導体部43bと、第2導体部
43bの中央部分を半円形状をなすように湾曲した第3
導体部43cと、第2導体部43bにおける、第1導体
部43aとは反対側の端部を結ぶ第4導体部43dと、
第4導体部43dから端子部5の方向に、第2導体部4
3bに設けられたスリット21内を通って延びる第5導
体部43eとからなる。なお、第5導体部43eの上面
に固定接点3が固着されている。
【0095】次に動作について説明する。この実施の形
態12においては、固定接触子43側の端子部5を直流
回路の正極側に、また可動接触子1側の端子部10を直
流回路の負極側に接続するように、各端子部5及び10
の極性が指定されている。なお、このように各端子部5
及び10の極性を指定することにより、固定接点3を陽
極接点に、可動接点2を陰極接点に指定することができ
る。
【0096】このような形状に形成された固定接触子4
3においては、通電電流は、端子部5から第1導体部4
3a、第2導体部43b、第3導体部43c、第4導体
部43d、及び第5導体部43eを順に経て固定接点3
に至る。従って、第3導体部43c及び第5導体部43
eを流れる電流成分により、図中に示すような磁界Φが
発生し、この磁界Φにより、固定接点3の近傍に電離気
体を排除する強い駆動力が働く。
【0097】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、この強い
駆動力により、電離気体が高密度且つ長時間残留する陽
極接点近傍、即ち固定接点3の近傍の電離気体を効率良
く排除することができ、従って、接点間、あるいは、可
動接触子1及び固定接触子43などの導体間での絶縁破
壊を防止することができ、遮断性能を向上させることが
できる。
【0098】以上のように、この実施の形態12によれ
ば、固定接点近傍において強い駆動力が働くように固定
接触子を構成し、且つ固定接点が陽極接点に、可動接点
が陰極接点になるように各端子部の極性を指定している
ので、実施の形態2の場合と同様に、接点間の絶縁回復
時間を早め、遮断性能を向上させることができるなどの
効果が得られる。
【0099】実施の形態13.図16は、この発明の実
施の形態13による気中直流遮断器の部分断面図であ
り、図において、61は可動接触子1の回動支点16に
固着された掛け金(排除手段)、62aは可動接点2に
向けられた噴出口を有するシリンダ(排除手段)、63
aはシリンダ62a内にはめ込まれており、可動接触子
1の回動動作、即ち掛け金61の回動動作に応答して、
可動接点2に向けてシリンダ62aから空気を噴出させ
るピストン(排除手段)である。なお、前述の実施の形
態1と同一又は相当部分については、同一符号を付し、
その説明を省略する。
【0100】また、この実施の形態13においては、固
定接触子4側の端子部5を直流回路の負極側に、また可
動接触子1側の端子部10を直流回路の正極側に接続す
るように、各端子部5及び10の極性が指定されてい
る。なお、このように各端子部5及び10の極性を指定
することにより、固定接点3を陰極接点に、可動接点2
を陽極接点に指定することができる。
【0101】次に動作について説明する。図16に示す
ように、掛け金61は、可動接触子1の回動と共に移動
して、ピストン63aを押圧するように構成されてい
る。従って、電流遮断動作時に、可動接触子1が、可動
接点2を固定接点3から開離させる方向に回動すると、
掛け金61がピストン63aを押圧して、シリンダ62
aから可動接点2に向けて空気が噴出される。
【0102】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、この可動
接点2に向けて噴出された空気流により、電離気体が高
密度且つ長時間残留する陽極接点近傍、即ち可動接点2
の近傍の電離気体を排気口13a側へ効率良く排除する
ことができ、従って、接点間、あるいは、可動接触子1
及び固定接触子4などの導体間での絶縁破壊を防止する
ことができ、遮断性能を向上させることができる。
【0103】以上のように、この実施の形態13によれ
ば、シリンダから可動接点に向けて噴出された空気流に
より、可動接点近傍の電離気体を排気口側へ排除するよ
うに構成し、且つ可動接点が陽極接点に、固定接点が陰
極接点になるように各端子部の極性を指定しているの
で、実施の形態1の場合と同様に、接点間の絶縁回復時
間を早め、遮断性能を向上させることができるなどの効
果が得られる。
【0104】実施の形態14.図17はこの発明の実施
の形態14による気中直流遮断器の部分断面図であり、
図において、61は可動接触子1の回動支点16に固着
された掛け金、62bは固定接点3に向けられた噴出口
を有するシリンダ(排除手段)、63bはシリンダ62
b内にはめ込まれており、可動接触子1の回動動作、即
ち掛け金61の回動動作に応答して、固定接点3に向け
てシリンダ62bから空気を噴出させるピストン(排除
手段)である。なお、前述の実施の形態2と同一又は相
当部分については、同一符号を付し、その説明を省略す
る。
【0105】また、この実施の形態14においては、固
定接触子4側の端子部5を直流回路の正極側に、また可
動接触子1側の端子部10を直流回路の負極側に接続す
るように、各端子部5及び10の極性が指定されてい
る。なお、このように各端子部5及び10の極性を指定
することにより、固定接点3を陽極接点に、可動接点2
を陰極接点に指定することができる。
【0106】次に動作について説明する。図17に示す
ように、掛け金61は、可動接触子1の回動と共に移動
して、ピストン63bを押圧するように構成されてい
る。従って、電流遮断動作時に、可動接触子1が、可動
接点2を固定接点3から開離させる方向に回動すると、
掛け金61がピストン63bを押圧して、シリンダ62
bから固定接点3に向けて空気が噴出される。
【0107】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、この固定
接点3に向けて噴出された空気流により、電離気体が高
密度且つ長時間残留する陽極接点近傍、即ち固定接点3
の近傍の電離気体を排気口13b側へ効率良く排除する
ことができ、従って、接点間、あるいは、可動接触子1
及び固定接触子4などの導体間での絶縁破壊を防止する
ことができ、遮断性能を向上させることができる。
【0108】以上のように、この実施の形態14によれ
ば、シリンダから固定接点に向けて噴出された空気流に
より、固定接点近傍の電離気体を排気口側へ排除するよ
うに構成し、且つ固定接点が陽極接点に、可動接点が陰
極接点になるように各端子部の極性を指定しているの
で、実施の形態2の場合と同様に、接点間の絶縁回復時
間を早め、遮断性能を向上させることができるなどの効
果が得られる。
【0109】実施の形態15.図18(a)は、この発
明の実施の形態15による気中直流遮断器の部分断面図
であり、図18(b)は、可動接触子の斜視図である。
図において、64aは可動接点2に隣接して設けられて
おり、その開口部が可動接点2に向けられた圧力だめ
(排除手段)である。なお、前述の実施の形態1と同一
又は相当部分については、同一符号を付し、その説明を
省略する。
【0110】また、この実施の形態15においては、固
定接触子4側の端子部5を直流回路の負極側に、また可
動接触子1側の端子部10を直流回路の正極側に接続す
るように、各端子部5及び10の極性が指定されてい
る。なお、このように各端子部5及び10の極性を指定
することにより、固定接点3を陰極接点に、可動接点2
を陽極接点に指定することができる。
【0111】次に動作について説明する。図18(a)
及び図18(b)に示すように、圧力だめ64aは、可
動接点2に隣接して設けられており、圧力だめ64aの
開口部は、可動接点2に向けられている。そのため、回
路に短絡電流が流れ、その結果、可動接触子1が回動す
ると、可動接点2及び固定接点3間に発生したアークか
らのホットガスが、圧力だめ64aに流入する。更に、
通電電流が電流零点に近づくと、アークの温度は低下
し、圧力だめ64a外の圧力が圧力だめ64a内の圧力
より低くなり、その結果、圧力だめ64a内のガスが、
可動接点2に向けて放出される。
【0112】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、この可動
接点2に向けて放出されたガス流により、電離気体が高
密度且つ長時間残留する陽極接点近傍、即ち可動接点2
の近傍の電離気体を排気口13a側へ効率良く排除する
ことができ、従って、接点間、あるいは、可動接触子1
及び固定接触子4などの導体間での絶縁破壊を防止する
ことができ、遮断性能を向上させることができる。
【0113】以上のように、この実施の形態15によれ
ば、圧力だめから可動接点に向けて放出されるガス流に
より、可動接点近傍の電離気体を排気口側へ排除するよ
うに構成し、且つ可動接点が陽極接点に、固定接点が陰
極接点になるように各端子部の極性を指定しているの
で、実施の形態1の場合と同様に、接点間の絶縁回復時
間を早め、遮断性能を向上させることができるなどの効
果が得られる。
【0114】実施の形態16.図19は、この発明の実
施の形態16による気中直流遮断器の部分断面図であ
り、図において、64bは固定接点3に隣接して設けら
れており、その開口部が固定接点3に向けられた圧力だ
め(排除手段)である。なお、前述の実施の形態2と同
一又は相当部分については、同一符号を付し、その説明
を省略する。また、この実施の形態16においては、固
定接触子4側の端子部5を直流回路の正極側に、また可
動接触子1側の端子部10を直流回路の負極側に接続す
るように、各端子部5及び10の極性が指定されてい
る。なお、このように各端子部5及び10の極性を指定
することにより、固定接点3を陽極接点に、可動接点2
を陰極接点に指定することができる。
【0115】次に動作について説明する。図19に示す
ように、圧力だめ64bは、固定接点3に隣接して設け
られており、圧力だめ64bの開口部は、固定接点3に
向けられている。そのため、回路に短絡電流が流れ、可
動接触子1が回動すると、可動接点2及び固定接点3間
に発生したアークからのホットガスが、圧力だめ64b
に流入する。更に、通電電流が電流零点に近づくと、ア
ークの温度は低下し、圧力だめ64b外の圧力が圧力だ
め64b内の圧力より低くなり、その結果、圧力だめ6
4b内のガスが、固定接点3に向けて放出される。
【0116】そのため、電流遮断動作時に、接点間に電
離気体が多く残留するような場合においても、この固定
接点3に向けて放出されたガス流により、電離気体が高
密度且つ長時間残留する陽極接点近傍、即ち固定接点3
の近傍の電離気体を排気口13b側へ効率良く排除する
ことができ、従って、接点間、あるいは、可動接触子1
及び固定接触子4などの導体間での絶縁破壊を防止する
ことができ、遮断性能を向上させることができる。
【0117】以上のように、この実施の形態16によれ
ば、圧力だめから固定接点に向けて放出されるガス流に
より、固定接点近傍の電離気体を排気口側へ排除するよ
うに構成し、且つ可動接点が陰極接点に、固定接点が陽
極接点になるように各端子部の極性を指定しているの
で、実施の形態2の場合と同様に、接点間の絶縁回復時
間を早め、遮断性能を向上させることができるなどの効
果が得られる。
【0118】実施の形態17.前述の実施の形態1から
16においては、直流回路において使用される気中直流
遮断器について説明した。従って、この実施の形態17
においては、交流回路において使用される気中交流遮断
器について、以下に示す。図20は、この発明の実施の
形態17による気中交流遮断器の開極タイミング調整方
法を示す説明図である。なお、気中交流遮断器の基本的
構造は、前述の実施の形態1から16で説明した気中直
流遮断器と同様であるので、その説明を省略する。
【0119】次に動作について説明する。短絡事故等に
より、交流回路中に短絡電流等の大電流が流れると、機
構部8に内蔵された電流検出部がこの大電流を検出し
て、機構部8を動作させる。その結果、可動接触子1が
回動し、可動接点2と固定接点3が開離して、電流遮断
が行われる。
【0120】なお、従来の気中交流遮断器においては、
上記のような場合に、図20(a)に示すような通電電
流が、電流検出部において検出される。そのため、従来
の気中交流遮断器においては、電流遮断時の開極タイミ
ングを調整することができなかった。ここで、図中の時
間領域tcにおいて固走接点3は陰極に、時間領域ta
において固定接点3は陽極になるものとする。
【0121】一方、この実施の形態17による気中交流
遮断器においては、機構部8内の電流検出部にダイオー
ドを配置し、このダイオードを介して通電電流を検出す
ることにより、図20(a)に示すような従来の通電電
流を、図20(b)に示すように整流する。更に、この
ようにして整流された電流に対して、その電流値を所定
の基準値と比較して、電流値が所定の基準値以下である
場合には、通常状態と判断して、機構部8を動作させ
ず、電流値が所定の基準値を超えた場合に、機構部8を
動作させるように構成されている。
【0122】このように、電流検出部を、ダイオードを
介して通電電流を整流し、整流した電流に基づいて検出
を行うように構成することにより、時間領域taにおい
て、即ち固定接点3が陽極接点であるタイミングにおい
て、電流遮断動作を開始することができ、従って、電流
遮断動作時に、固定接点3が陽極となるように開極タイ
ミングを調整することができる。また、ダイオードの極
性を逆にすることにより、電流遮断動作時に、可動接点
2が陽極となるように開極タイミングを調整することも
できる。
【0123】以上のように、この実施の形態17によれ
ば、電流遮断動作時に、電離気体を排除する能力に優れ
た方の接点が陽極接点となるように開極タイミングを調
整するように構成したので、接点間の絶縁回復時間を早
め、遮断性能を向上させることができ、その結果、遮断
性能に優れた気中交流遮断器を得ることができるなどの
効果が得られる。
【0124】実施の形態18.図21は、この発明の実
施の形態18による気中交流遮断器の開極タイミング調
整方法を示す説明図であり、図において、70は交流電
流が流れる導電路、71は導電路70の近傍に配置さ
れ、導電路70のまわりに発生する磁界に応じて回動す
る永久磁石、72は永久磁石71の回動支点である。ま
た、73は永久磁石71の回動軌道上に配置されてお
り、永久磁石71の回動を検知する検知装置である。
【0125】次に動作について説明する。永久磁石71
は、導電路70の近傍に、支点72を中心として回動可
能な状態で配置されている。導電路70に交流通電電流
が流れると、この通電電流により磁界が発生する。な
お、この磁界の向きは、図中にΦ1、Φ2で示すように
周期的に変化する。そのため、導電路70の近傍に配置
された永久磁石71は、この磁界の周期的変化と共に、
図中の上下方向に、回動支点72を中心として振動的に
回動する。このように、永久磁石71が、回動支点を中
心として回動すると、永久磁石71は、その回動軌道上
に配置された検知装置73と接触するようになる。この
ように、検知装置73が、永久磁石71の所定の方向へ
の、所定量の回動を検知すると、検知装置73は、回路
に過電流又は短絡電流が流れたと判断し、機構部8を動
作させる。このようにして、電流遮断動作が開始され
る。
【0126】なお、検知装置73は、電流遮断動作時
に、電離気体を排除する能力に優れた方の接点が陽極接
点となるように、通電電流の極性を考慮して、永久磁石
71の回動軌跡上の所望の方向に配置されている。従っ
て、検出装置73は、通電電流が所望の極性にあると
き、即ち電離気体を排除する能力に優れた方の接点が陽
極であるときに、永久磁石71の回動を検出するように
構成されている。
【0127】このようにして、電流遮断動作時に、電離
気体を排除する能力に優れた方の接点が陽極接点となる
ように、接点間の開極タイミングが調整される。即ち、
この発明の実施の形態18による気中交流遮断器は、可
動接触子1又は固定接触子4等の導電路70の近傍に、
回動可能な永久磁石71が配置されており、且つ永久磁
石71の回動軌道上の所定の位置に、検知装置73が配
置されたものである。
【0128】なお、このような気中交流遮断器における
開極タイミングの調整は、交流回路を流れる過電流又は
短絡電流を検出すると共に、その極性を同時に検出する
ように構成することにより、電子回路を用いて実現する
こともできる。
【0129】以上のように、この実施の形態18によれ
ば、電流遮断動作時に、電離気体を排除する能力に優れ
た方の接点が陽極接点となるように、開極タイミングを
調整するように構成したので、接点間の絶縁回復時間を
早め、遮断性能を向上させることができ、その結果、遮
断性能に優れた気中交流遮断器を得ることができるなど
の効果が得られる。
【0130】実施の形態19.図22は、この発明の実
施の形態19による多極型気中直流遮断器を示す説明図
である。なお、説明を簡単化するために、2極型気中直
流遮断器の場合について、以下に説明する。
【0131】通常の気中直流遮断器の構成を図22
(a)に示す。この気中直流遮断器においては、固定接
点及び可動接点からなる接点対が、互いに並列に配置さ
れている。従って、例えば、電離気体を排除する能力に
優れた方の電極が、両極とも固定接点であるような場合
には、図22(c)に示すように、導線をひきまわす必
要があり、従って、配線が複雑になる。
【0132】一方、この実施の形態19による気中直流
遮断器の構成を図22(b)に示す。このように、この
実施の形態19による気中直流遮断器においては、例え
ば、電離気体を排除する能力に優れた方の電極が、両極
とも固定接点であるような場合には、一方の接点対にお
ける固定接触子4及び可動接触子1の配置が、他方の接
点対における固定接触子4及び可動接触子1の配置に対
して逆転した構造となる。
【0133】このように構成することにより、この実施
の形態19による気中直流遮断器においては、図22
(d)に示すように、電離気体を排除する能力に優れた
方の電極である固定接点側が陽極に、且つ可動接点側が
陰極になるように、容易に配線することができ、また、
配線を簡素化することができる。なお、2極以上の多極
型気中直流遮断器の場合でも、電離気体を排除する能力
に優れた方の電極の位置を並列に設けることによって、
同様に配線を簡素化することができる。
【0134】以上のように、この実施の形態19によれ
ば、多極型気中直流遮断器における少なくとも一つの極
の固定接触子及び可動接触子の配置を、各接点近傍にお
ける電離気体の排除能力を考慮して、他の極における固
定接触子及び可動接触子の配置に対して反転させるよう
に構成したので、遮断性能に優れた気中直流遮断器の結
線を簡素化し得るなどの効果が得られる。
【0135】実施の形態20.この実施の形態20は、
前述の実施の形態1から16による気中直流遮断器を複
数個接続する場合の結線方法を示すものである。図23
(a)及び(b)は、この発明の実施の形態20による
単極型気中直流遮断器の結線方法を示す説明図である。
なお、以下においては、電離気体を排除する能力に優れ
た方の電極が固定接点側であるような単極型気中直流遮
断器を用いた場合について説明する。
【0136】図に示すように、この実施の形態20によ
る単極型気中直流遮断器の結線方法によれば、単極型気
中直流遮断器を複数個(この場合は2個)接続する場合
に、一方の気中直流遮断器における固定接点側の端子部
5を電源の正極に接続し、他方の気中直流遮断器におけ
る可動接点側の端子部10を電源の負極に接続するよう
に結線するものである。このように結線することによ
り、前述の実施の形態19の場合と同様に、極性を指定
した配線を容易にすることができ、また、配線を簡素化
することができる。
【0137】以上のように、この実施の形態20によれ
ば、単極型気中直流遮断器を複数個接続する場合に、一
方の気中直流遮断器における、電離気体を排除する能力
に優れた方の接点を電源の正極側に接続し、他方の気中
直流遮断器においては、反対側の接点を電源の負極側に
接続するように構成したので、前述の実施の形態19の
場合と同様に、極性を指定した配線を容易にすることが
でき、また、配線を簡素化することができ、従って、気
中直流遮断器を効果的に使用することができるなどの効
果が得られる。
【0138】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、気中直流遮断器の可動接点及び固定接点の内、そ
の近傍に残留する電離気体が排除されやすい方の接点が
陽極に、他方の接点が陰極になるように、各端子部の極
性を指定するように構成したので、電離気体が高密度且
つ長時間残留する陽極接点の近傍を効率良く排気するこ
とができ、その結果、接点間の絶縁回復時間を早め、遮
断性能を向上させることができる効果がある。
【0139】請求項2記載の発明によれば、排除手段と
して、排気口を可動接点近傍に設け、可動接点が陽極に
なるように、各端子部の極性を指定するように構成した
ので、電離気体が高密度且つ長時間残留する陽極接点の
近傍を効率良く排気することができ、その結果、接点間
の絶縁回復時間を早め、遮断性能を向上させることがで
きる効果がある。
【0140】請求項3記載の発明によれば、排除手段と
して、排気口を固定接点近傍に設け、固定接点が陽極に
なるように、各端子部の極性を指定するように構成した
ので、電離気体が高密度且つ長時間残留する陽極接点の
近傍を効率良く排気することができ、その結果、接点間
の絶縁回復時間を早め、遮断性能を向上させることがで
きる効果がある。また、排気口を、可動接触子の回動と
共に移動する可動接点の近傍ではなく、不動の固定接点
の近傍に設けるように構成したので、排気口の最適な位
置や大きさを容易に設定し得、その結果、より効率良く
電離気体を排除することができる効果がある。
【0141】請求項4記載の発明によれば、排除手段
が、陽極側接点近傍に配置されたブローアウトコイル対
を備えるように構成し、ブローアウトコイル対への通電
時に発生する磁界を利用して、電離気体を排除するよう
に構成したので、陽極接点近傍の電離気体を効率良く排
除することができ、従って、接点間の絶縁回復時間を早
め、遮断性能を向上させることができる効果がある。
【0142】請求項5記載の発明によれば、排除手段
が、陽極側接点近傍に配置された永久磁石対を備えるよ
うに構成し、永久磁石対からの磁界を利用して、電離気
体を排除するように構成したので、陽極接点近傍の電離
気体を効率良く排除することができ、従って、接点間の
絶縁回復時間を早め、遮断性能を向上させることができ
る効果がある。
【0143】請求項6記載の発明によれば、排除手段
が、噴出口が陽極接点に向けられたシリンダと、シリン
ダ内に挿入されたピストンと、可動接触子の回動によ
り、ピストンを押圧するように構成された掛け金とを備
えるように構成したので、電流遮断動作時に、接点間に
電離気体が多く残留するような場合においても、シリン
ダの噴出口から噴出される空気流により、電離気体が高
密度且つ長時間残留する陽極接点近傍の電離気体を排気
口側へ効率良く排除することができ、従って、接点間の
絶縁回復時間を早め、遮断性能を向上させることができ
る効果がある。
【0144】請求項7記載の発明によれば、排除手段
が、陽極接点近傍に配置されており、その開口部が陽極
接点に向けられた圧力だめを備えるように構成したの
で、電流遮断動作時に、接点間に電離気体が多く残留す
るような場合においても、圧力だめの開口部から放出さ
れるガス流により、電離気体が高密度且つ長時間残留す
る陽極接点近傍の電離気体を排気口側へ効率良く排除す
ることができ、従って、接点間の絶縁回復時間を早め、
遮断性能を向上させることができる効果がある。
【0145】請求項8記載の発明によれば、気中直流遮
断器を、各極が並列に配置された多極型気中直流遮断器
として構成し、且つ、少なくとも一つの極における固定
接触子及び可動接触子の配置が、他の極における固定接
触子及び可動接触子の配置に対して反転するように構成
したので、遮断性能に優れた気中直流遮断器の結線を簡
素化し得る効果がある。
【0146】請求項9記載の発明によれば、気中交流遮
断器の可動接点及び固定接点の内、その近傍に残留する
電離気体が排除され易い方の接点が、電流遮断時に陽極
接点となるように開極タイミングを調整するように構成
したので、接点間の絶縁回復時間を早め、遮断性能を向
上させることができ、その結果、遮断性能に優れた気中
交流遮断器を得ることができる効果がある。
【0147】請求項10記載の発明によれば、排除手段
として、排気口を可動接点近傍に設け、電流遮断時に、
可動接点が陽極接点となるように、開極タイミングを調
整するように構成したので、電離気体が高密度且つ長時
間残留する陽極接点の近傍を効率良く排気することがで
き、その結果、接点間の絶縁回復時間を早め、遮断性能
を向上させることができる効果がある。
【0148】請求項11記載の発明によれば、排除手段
として、排気口を固定接点近傍に設け、電流遮断時に、
固定接点が陽極接点となるように、開極タイミングを調
整するように構成したので、電離気体が高密度且つ長時
間残留する陽極接点の近傍を効率良く排気することがで
き、その結果、接点間の絶縁回復時間を早め、遮断性能
を向上させることができる効果がある。また、排気口
を、可動接触子の回動と共に移動する可動接点の近傍で
はなく、不動の固定接点の近傍に設けるように構成した
ので、排気口の最適な位置や大きさを容易に設定し得、
その結果、より効率良く電離気体を排除することができ
る効果がある。
【0149】請求項12記載の発明によれば、少なくと
も一つの単極型気中直流遮断器を直流回路に接続する際
に、電離気体が排除され易い方の接点側の端子部を直流
回路の電源側の正極に接続し、他方の端子部を負荷側の
正極に接続するように構成したので、配線を容易にする
ことができ、また、配線を簡素化することができ、その
結果、気中直流遮断器を効果的に使用することができる
効果がある。
【0150】請求項13記載の発明によれば、少なくと
も一つの単極型気中直流遮断器を直流回路に接続する際
に、電離気体が排除され易い方の接点側の端子部を直流
回路の負荷側の負極に接続し、他方の端子部を電源側の
負極に接続するように構成したので、配線を容易にする
ことができ、また、配線を簡素化することができ、その
結果、気中直流遮断器を効果的に使用することができる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 電流遮断時に電極間に残留するタングステン
イオンの測定結果を示すグラフ図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による気中直流遮断
器の開成状態を示す断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による気中直流遮断
器の閉成状態を示す断面図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による気中直流遮断
器の電流遮断時の状態を示す断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態2による気中直流遮断
器の部分断面図である。
【図6】 (a)はこの発明の実施の形態3による気中
直流遮断器の部分断面図、(b)は可動接触子の斜視図
である。
【図7】 (a)はこの発明の実施の形態4による気中
直流遮断器の部分断面図、(b)は固定接触子の斜視図
である。
【図8】 (a)はこの発明の実施の形態5による気中
直流遮断器の部分断面図、(b)は可動接触子の斜視図
である。
【図9】 (a)はこの発明の実施の形態6による気中
直流遮断器の部分断面図、(b)は固定接触子の斜視図
である。
【図10】 この発明の実施の形態7による気中直流遮
断器の部分断面図である。
【図11】 この発明の実施の形態8による気中直流遮
断器の部分断面図である。
【図12】 (a)はこの発明の実施の形態9による気
中直流遮断器の部分断面図、(b)は固定接触子の斜視
図である。
【図13】 この発明の実施の形態10による気中直流
遮断器の部分断面図である。
【図14】 (a)はこの発明の実施の形態11による
気中直流遮断器における開成状態での主要部を示す断面
図、(b)は固定接触子の斜視図である。
【図15】 この発明の実施の形態12による気中直流
遮断器における固定接触子の斜視図である。
【図16】 この発明の実施の形態13による気中直流
遮断器の部分断面図である。
【図17】 この発明の実施の形態14による気中直流
遮断器の部分断面図である。
【図18】 (a)はこの発明の実施の形態15による
気中直流遮断器の部分断面図、(b)は可動接触子の斜
視図である。
【図19】 この発明の実施の形態16による気中直流
遮断器の部分断面図である。
【図20】 この発明の実施の形態17による気中交流
遮断器の開極タイミング調整方法を示す説明図である。
【図21】 この発明の実施の形態18による気中交流
遮断器の開極タイミング調整方法を示す説明図である。
【図22】 この発明の実施の形態19による多極型気
中直流遮断器を示す説明図である。
【図23】 この発明の実施の形態20による単極型気
中直流遮断器の結線方法を示す説明図である。
【図24】 従来の気中直流遮断器の開成状態を示す断
面図である。
【図25】 従来の気中直流遮断器の閉成状態を示す断
面図である。
【図26】 従来の気中直流遮断器の遮断時の状態を示
す断面図である。
【図27】 従来の気中直流遮断器を直流回路で使用す
る際の一般的結線方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 可動接触子、2 可動接点、3 固定接点、4 固
定接触子、5,10端子部、13a,13b 排気口
(排除手段)、17 ブローアウトコイル対(排除手
段)、18 永久磁石対(排除手段)、61 掛け金
(排除手段)、62a,62b シリンダ(排除手
段)、63a,63b ピストン(排除手段)、64
a,64b 圧力だめ(排除手段)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 靖 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端に可動接点を有する可動接触子と、
    前記可動接触子に接続された可動接触子側の端子部と、
    前記可動接触子の開閉動作により、前記可動接点と接離
    可能な固定接点を一端に有する固定接触子と、前記固定
    接触子の他端に接続された固定接触子側の端子部と、電
    流遮断時に、内部に残留する電離気体を排除する排除手
    段とを備える気中直流遮断器において、前記気中直流遮
    断器を直流回路に直列に接続する際に、前記可動接点及
    び前記固定接点の内、その近傍に残留する電離気体が排
    除され易い方の接点が陽極に、他方の接点が陰極になる
    ように、各端子部の極性が指定されていることを特徴と
    する気中直流遮断器。
  2. 【請求項2】 排除手段は、可動接点近傍に設けられた
    排気口からなり、前記可動接点が陽極になるように、各
    端子部の極性が指定されていることを特徴とする請求項
    1記載の気中直流遮断器。
  3. 【請求項3】 排除手段は、固定接点近傍に設けられた
    排気口からなり、且つ前記固定接点が陽極になるよう
    に、各端子部の極性が指定されていることを特徴とする
    請求項1記載の気中直流遮断器。
  4. 【請求項4】 排除手段は、陽極側接点近傍に配置され
    たブローアウトコイル対を備えており、該ブローアウト
    コイル対への通電時に発生する磁界を利用して、電離気
    体を排除することを特徴とする請求項1から請求項3の
    うちのいずれか1項記載の気中直流遮断器。
  5. 【請求項5】 排除手段は、陽極側接点近傍に配置され
    た永久磁石対を備えており、該永久磁石対からの磁界を
    利用して、電離気体を排除することを特徴とする請求項
    1から請求項3のうちのいずれか1項記載の気中直流遮
    断器。
  6. 【請求項6】 排除手段は、噴出口が陽極接点に向けら
    れたシリンダと、前記シリンダ内に挿入されたピストン
    と、可動接触子の回動により、前記ピストンを押圧する
    ように構成された掛け金とを備えることを特徴とする請
    求項1から請求項3のうちのいずれか1項記載の気中直
    流遮断器。
  7. 【請求項7】 排除手段は、陽極接点近傍に配置されて
    おり、その開口部が陽極接点に向けられた圧力だめを備
    えることを特徴とする請求項1から請求項3のうちのい
    ずれか1項記載の気中直流遮断器。
  8. 【請求項8】 気中直流遮断器は、各極が並列に配置さ
    れた多極型気中直流遮断器からなり、少なくとも一つの
    極における固定接触子及び可動接触子の配置を、他の極
    における固定接触子及び可動接触子の配置に対して反転
    させたことを特徴とする請求項1記載の気中直流遮断
    器。
  9. 【請求項9】 一端に可動接点を有する可動接触子と、
    前記可動接触子に接続された可動接触子側の端子部と、
    前記可動接触子の開閉動作により、前記可動接点と接離
    可能な固定接点を一端に有する固定接触子と、前記固定
    接触子の他端に接続された固定接触子側の端子部と、電
    流遮断時に、内部に残留する電離気体を排除する排除手
    段とを備える気中交流遮断器において、前記可動接点及
    び前記固定接点の内、その近傍に残留する電離気体が排
    除され易い方の接点が、電流遮断時に陽極接点となるよ
    うに開極タイミングを調整することを特徴とする気中交
    流遮断器。
  10. 【請求項10】 排除手段は、可動接点近傍に設けられ
    た排気口からなり、電流遮断時に、前記可動接点が陽極
    接点となるように、開極タイミングを調整することを特
    徴とする請求項9記載の気中交流遮断器。
  11. 【請求項11】 排除手段は、固定接点近傍に設けられ
    た排気口からなり、電流遮断時に、前記固定接点が陽極
    接点となるように、開極タイミングを調整することを特
    徴とする請求項9記載の気中交流遮断器。
  12. 【請求項12】 気中直流遮断器は、単極型気中直流遮
    断器からなり、少なくとも一つの気中直流遮断器を直流
    回路に接続する際に、電離気体が排除され易い方の接点
    側の端子部を直流回路の電源側の正極に接続し、他方の
    端子部を負荷側の正極に接続することを特徴とする請求
    項1記載の気中直流遮断器の結線方法。
  13. 【請求項13】 気中直流遮断器は、単極型気中直流遮
    断器からなり、少なくとも一つの気中直流遮断器を直流
    回路に接続する際に、電離気体が排除され易い方の接点
    側の端子部を直流回路の負荷側の負極に接続し、他方の
    端子部を電源側の負極に接続することを特徴とする請求
    項1記載の気中直流遮断器の結線方法。
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