JP5118597B2 - 電力分配合成器 - Google Patents

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Description

本発明は、高周波信号を電力分配または電力合成する電力分配合成器に関する。
従来の電力分配合成器の構成を図21,22に示す。図21は斜視図を示し、図22は図21のA−A断面図を示す。図21では、構造の理解を容易にするため、誘電体114を透明なものとして表現している。基板110上には誘電体114を挟んで接地導体112が形成されており、接地導体112上には誘電体114が形成されている。さらに、誘電体114を挟んで接地導体112上には、ストリップ導体120,130が接地導体112と平行に形成されている。ストリップ導体120,130は、基板110と垂直方向に関して誘電体114を挟んで互いに近接配置されていることで、互いに電磁気的に結合している。ストリップ導体120の一端部及び他端部にはポート121,122がそれぞれ配置されており、ストリップ導体130の一端部及び他端部にはポート131,132がそれぞれ配置されている。ストリップ導体120,130の電気長は、伝搬する高周波信号の波長λの1/4に等しい。
図21,22に示す構成において、ポート121に高周波信号が入力された場合は、ストリップ導体120,130間の電磁気結合により高周波信号がポート122,131に電力分配(2分配)されて出力される。その際には、ポート122から出力される高周波信号とポート131から出力される高周波信号との間に90°の位相差が生じる。一方、ポート122,131に高周波信号が入力された場合は、ストリップ導体120,130間の電磁気結合によりこれらの高周波信号が電力合成されてポート121から出力される。その際には、ポート122に入力された高周波信号とポート131に入力された高周波信号との間の位相差が90°変化して電力合成される。なお、ポート132は、終端抵抗(ダミーロード)を介して接地される。
また、従来のミキサ(バランスミキサ)回路の構成を図23に示す。電力分配器51は、入力されたIF信号(第1高周波信号)を電力分配して出力する。電力分配器51では、IF信号が90°の位相差をもって2分配される。電力分配器52は、入力された局部発振信号(第2高周波信号)を電力分配して出力する。電力分配器52では、2分配された局部発振信号に90°の位相差が生じる。ミキサ53は、電力分配器51で分配された一方のIF信号に電力分配器52で分配された一方の局部発振信号を混合することで、このIF信号をRF信号に周波数変換(アップコンバート)する。ミキサ54は、電力分配器51で分配された他方のIF信号に電力分配器52で分配された他方の局部発振信号を混合することで、このIF信号をRF信号に周波数変換(アップコンバート)する。電力合成器55は、ミキサ53でアップコンバートされた一方のRF信号とミキサ54でアップコンバートされた他方のRF信号とを電力合成して出力する。電力合成器55では、ミキサ53からの一方のRF信号とミキサ54からの他方のRF信号が同相で電力合成される。図21,22に示す電力分配合成器を図23に示すミキサ回路の電力分配器51や電力分配器52に適用することが可能である。
ミキサ53,54でアップコンバートされたRF信号には、局部発振信号の周波数FloとIF信号の周波数Fifとの和Flo+Fifに係る周波数成分と、局部発振信号の周波数FloとIF信号の周波数Fifとの差Flo−Fifに係る周波数成分とが含まれる。ミキサ53,54からのRF信号が電力合成器55で合成される際には、和Flo+Fifに係る周波数成分及び差Flo−Fifに係る周波数成分の一方(希望波成分)が同相合成されるともに、和Flo+Fifに係る周波数成分及び差Flo−Fifに係る周波数成分の他方(イメージ成分)が逆相合成されて抑圧される。このように、図23に示すミキサ回路は、イメージリジェクトミキサとして機能する。
特許第3142010号公報 特開平9−107212号公報 米国特許出願公開第2006/0028295号明細書
図21,22に示す構成の電力分配合成器では、ストリップ導体120,130を基板110と垂直方向に関して誘電体114を挟んで互いに近接配置することで、ストリップ導体120,130間の電磁気結合を強めることが可能となる。しかし、電力分配された高周波信号が出力される、または電力合成される高周波信号が入力されるポート122,131は、接地導体112に対する距離が互いに異なるストリップ導体120,130にそれぞれ配置されているため、ポート122,131の特性インピーダンスが互いに異なる。図21,22に示す構成においてポート122,131のインピーダンス特性(反射特性)を電磁気解析により計算した結果を図24,25に示す。図24はポート122,131の反射特性(反射係数の振幅特性)を示し、図25はポート122,131の複素反射係数をスミスチャート上に表したものを示す。図24では、使用周波数帯域の中心周波数を1として横軸の周波数を正規化している。図24,25に示すように、ポート122,131のインピーダンス特性(反射特性)に差が生じていることがわかる。ポート122,131の特性インピーダンスが互いに異なると、ポート122,131にそれぞれ接続される回路の動作条件が互いに異なってくる。例えば、図21,22に示す電力分配合成器を図23に示すミキサ回路の電力分配器51や電力分配器52に適用した場合は、ミキサ53,54にそれぞれ接続されるポート122,131の特性インピーダンスが互いに異なることで、ミキサ53,54の動作条件が互いに異なってくる。その結果、イメージ成分の抑圧効果が少なくなる。
本発明は、電力分配された高周波信号が出力される、または電力合成される高周波信号が入力される2つのポートの特性インピーダンス差を抑えることを目的とする。
本発明に係る電力分配合成器は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る電力分配合成器は、高周波信号を電力分配または電力合成する電力分配合成器であって、基板上に形成された接地導体と、誘電体を挟んで接地導体上に形成された第1信号導体であって、その一端部及び他端部に第1ポート及び第2ポートがそれぞれ配置され、第1ポートと第2ポートとの間の電気長が高周波信号の波長の1/4またはその奇数倍にほぼ等しい第1信号導体と、誘電体を挟んで接地導体上に形成され、第1信号導体と電磁気的に結合する第2信号導体であって、その一端部及び他端部に第3ポート及び第4ポートがそれぞれ配置され、第3ポートと第4ポートとの間の電気長が高周波信号の波長の1/4またはその奇数倍にほぼ等しい第2信号導体と、を備え、第1信号導体は、一端部に第1ポートが配置された第1ストリップ導体と、一端部に第2ポートが配置され、接地導体に対する距離が第1ストリップ導体と異なる第2ストリップ導体と、第1ストリップ導体の他端部と第2ストリップ導体の他端部とを接続する第1接続導体と、を含み、第2信号導体は、一端部に第3ポートが配置され、第1ストリップ導体と電磁気的に結合し、接地導体に対する距離が第2ストリップ導体とほぼ等しい第3ストリップ導体と、一端部に第4ポートが配置され、第2ストリップ導体と電磁気的に結合し、接地導体に対する距離が第3ストリップ導体と異なる第4ストリップ導体と、第3ストリップ導体の他端部と第4ストリップ導体の他端部とを接続し、第1接続導体と電磁気的に結合する第2接続導体と、を含むことを要旨とする。
本発明の一態様では、第1ストリップ導体と第2ストリップ導体と第3ストリップ導体と第4ストリップ導体とで電気長が互いにほぼ等しいことが好適である。
本発明の一態様では、第1ストリップ導体及び第4ストリップ導体は互いに対称配置された導体部分を有し、第2ストリップ導体及び第3ストリップ導体は互いに対称配置された導体部分を有することが好適である。
本発明の一態様では、第1接続導体及び第2接続導体はビアであることが好適である。
また、本発明に係るミキサ回路は、第1高周波信号を2分配する第1分配器と、第2高周波信号を2分配する第2分配器と、第1分配器で分配された一方の第1高周波信号に第2分配器で分配された一方の第2高周波信号を混合することで当該第1高周波信号の周波数を変換する第1ミキサと、第1分配器で分配された他方の第1高周波信号に第2分配器で分配された他方の第2高周波信号を混合することで当該第1高周波信号の周波数を変換する第2ミキサと、第1ミキサで周波数変換された一方の第1高周波信号と第2ミキサで周波数変換された他方の第1高周波信号とを合成する合成器と、を備えるミキサ回路であって、第1分配器と第2分配器と合成器とのいずれか1つまたはいずれか2つが、本発明に係る電力分配合成器であることを要旨とする。
本発明によれば、電力分配された高周波信号が出力される、または電力合成される高周波信号が入力される第2ポートと第3ポートは、接地導体に対する距離が互いにほぼ等しい第2ストリップ導体及び第3ストリップ導体にそれぞれ配置されているため、第2ポートと第3ポートの特性インピーダンス差を抑えることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1〜4は、本発明の実施形態に係る電力分配合成器の構成の概略を示す図である。図1は斜視図を示し、図2は図1のA−A断面図を示し、図3は図1のB−B断面図を示し、図4は図1のC−C断面図を示す。ただし、図1では、構造の理解を容易にするため、誘電体14を透明なものとして表現している。本実施形態に係る電力分配合成器は、高周波信号を電力分配または電力合成するためのものである。
基板10上には、誘電体14を挟んで膜状の接地導体12が形成されている。接地導体12は、基板10の表面上の全面に渡って形成されている。ここでの基板10については、半導体基板を用いることもできるし、誘電体基板を用いることもできる。接地導体12上には、膜状の誘電体14が形成されている。さらに、誘電体14を挟んで接地導体12上には、第1信号導体20及び第2信号導体30が形成されている。第1信号導体20と第2信号導体30は、誘電体14を挟んで互いに近接配置されていることで、互いに電磁気的に結合している。第1信号導体20の一端部には第1ポート21が配置されており、第1信号導体20の他端部には第2ポート22が配置されている。第1信号導体20の一端部と他端部との間の電気長、すなわち第1ポート21と第2ポート22との間の電気長は、高周波信号の波長λの1/4(あるいはその奇数倍)に等しい(あるいはほぼ等しい)。同様に、第2信号導体30の一端部には第3ポート31が配置されており、第2信号導体30の他端部には第4ポート32が配置されている。第2信号導体30の一端部と他端部との間の電気長、すなわち第3ポート31と第4ポート32との間の電気長も、高周波信号の波長λの1/4(あるいはその奇数倍)に等しい(あるいはほぼ等しい)。
本実施形態に係る電力分配合成器において、第1ポート21〜第4ポート32のうち、1つのポートに高周波信号(例えば30〜40GHz程度の信号)が入力された場合は、高周波信号が電力分配されて他の2つのポートから出力される。例えば第1ポート21に高周波信号が入力された場合は、高周波信号が第1信号導体20を伝搬して第2ポート22から出力されるとともに、第1信号導体20と第2信号導体30との電磁気結合により第3ポート31からも出力される。つまり、第1ポート21に入力された高周波信号が第2ポート22及び第3ポート31に電力分配(2分配)される。その際には、第2ポート22から出力される高周波信号と第3ポート31から出力される高周波信号との間に90°の位相差が生じる。一方、第1ポート21〜第4ポート32のうち、2つのポートに高周波信号が入力された場合は、これらの高周波信号が電力合成されて他の1つのポートから出力される。例えば第2ポート22及び第3ポート31に高周波信号が入力された場合は、第1信号導体20と第2信号導体30との電磁気結合によりこれらの高周波信号が電力合成されて第1ポート21から出力される。その際には、第2ポート22に入力された高周波信号と第3ポート31に入力された高周波信号との間の位相差が90°変化して電力合成される。なお、第4ポート32(残りのポート)は、終端抵抗(ダミーロード)を介して接地される。
同様に、第3ポート31に高周波信号が入力された場合は、高周波信号が第4ポート32及び第1ポート21に電力分配(2分配)されて出力される。その際には、第4ポート32から出力される高周波信号と第1ポート21から出力される高周波信号との間に90°の位相差が生じる。一方、第4ポート32及び第1ポート21に高周波信号が入力された場合は、これらの高周波信号が電力合成されて第3ポート31から出力される。その際には、第4ポート32に入力された高周波信号と第1ポート21に入力された高周波信号との間の位相差が90°変化して電力合成される。なお、第2ポート22は、終端抵抗(ダミーロード)を介して接地される。
第1信号導体20は、接地導体12と平行に配置された第1ストリップ導体23及び第2ストリップ導体24を有する。第1ポート21は第1ストリップ導体23の一端部に配置されており、第2ポート22は第2ストリップ導体24の一端部に配置されている。
本実施形態では、第1ストリップ導体23及び第2ストリップ導体24は、互いに異なる層に配置されており、接地導体12に対する距離が互いに異なる。図1〜4に示す例では、第1ストリップ導体23が第2ストリップ導体24よりも下層に配置されており、第1ストリップ導体23と接地導体12との間の距離が、第2ストリップ導体24と接地導体12との間の距離よりも短い。さらに、第1信号導体20は、互いに異なる層の第1ストリップ導体23の他端部と第2ストリップ導体24の他端部とを電気的に接続する第1接続導体25を有する。第1ストリップ導体23と第1接続導体25と第2ストリップ導体24の総電気長が高周波信号の波長の1/4(あるいはその奇数倍)に等しく(あるいはほぼ等しく)なるように設計される。
第2信号導体30は、接地導体12と平行に配置された第3ストリップ導体33及び第4ストリップ導体34を有する。第3ポート31は第3ストリップ導体33の一端部に配置されており、第4ポート32は第4ストリップ導体34の一端部に配置されている。第3ストリップ導体33は、基板10(接地導体12)と垂直方向に関して、誘電体14を挟んで第1ストリップ導体23に近接して配置されていることで、第1ストリップ導体23と電磁気的に結合している。第4ストリップ導体34は、基板10(接地導体12)と垂直方向に関して、誘電体14を挟んで第2ストリップ導体24に近接して配置されていることで、第2ストリップ導体24と電磁気的に結合している。
本実施形態では、第3ストリップ導体33及び第4ストリップ導体34は、互いに異なる層に配置されており、接地導体12に対する距離が互いに異なる。そして、第3ストリップ導体33は、第2ストリップ導体24と同層に配置されており、接地導体12に対する距離が第2ストリップ導体24と等しい(あるいはほぼ等しい)。さらに、第4ストリップ導体34は、第1ストリップ導体23と同層に配置されており、接地導体12に対する距離が第1ストリップ導体23と等しい(あるいはほぼ等しい)。図1〜4に示す例では、第3ストリップ導体33及び第2ストリップ導体24が第4ストリップ導体34及び第1ストリップ導体23よりも上層に配置されており、第3ストリップ導体33(第2ストリップ導体24)と接地導体12との間の距離が、第4ストリップ導体34(第1ストリップ導体23)と接地導体12との間の距離よりも長い。ただし、第3ストリップ導体33及び第2ストリップ導体24を第4ストリップ導体34及び第1ストリップ導体23よりも下層に配置し、第3ストリップ導体33(第2ストリップ導体24)と接地導体12との間の距離を、第4ストリップ導体34(第1ストリップ導体23)と接地導体12との間の距離よりも短くすることも可能である。さらに、第2信号導体30は、互いに異なる層の第3ストリップ導体33の他端部と第4ストリップ導体34の他端部とを電気的に接続する第2接続導体35を有する。第2接続導体35は、誘電体14を挟んで第1接続導体25に近接して配置されていることで、第1接続導体25と電磁気的に結合している。第3ストリップ導体33と第2接続導体35と第4ストリップ導体34の総電気長が高周波信号の波長の1/4(あるいはその奇数倍)に等しく(あるいはほぼ等しく)なるように設計される。なお、上層に位置する第3ストリップ導体33及び第2ストリップ導体24については、図3,4に示すように誘電体14の内部に配置されていてもよいし、図5,6に示すように誘電体14上に形成されていてもよい。
第1ストリップ導体23と第2ストリップ導体24と第3ストリップ導体33と第4ストリップ導体34とで電気長は互いに等しい(あるいはほぼ等しい)。そして、第1接続導体25と第2接続導体35とで電気長は互いに等しい(あるいはほぼ等しい)。さらに、第1ストリップ導体23及び第4ストリップ導体34は、互いに対称配置された導体部分を有し、第2ストリップ導体24と第3ストリップ導体33は、互いに対称配置された導体部分を有する。
第1信号導体20(第1ストリップ導体23、第2ストリップ導体24、及び第1接続導体25)と、第2信号導体30(第3ストリップ導体33、第4ストリップ導体34、及び第2接続導体35)の構成例を図7〜9に示す。図7は基板10の上側から見た図を示し、図8は図7のA部の拡大図を示し、図9は図8のB−B断面図を示す。図7〜9に示す構成例では、第1ストリップ導体23の他端部と第2ストリップ導体24の他端部とが第1接続導体としての第1ビアホール25を介して電気的に接続されており、第3ストリップ導体33の他端部と第4ストリップ導体34の他端部とが第2接続導体としての第2ビアホール35を介して電気的に接続されている。第1ビアホール25と第2ビアホール35は、基板10(接地導体12)と平行方向に関して、誘電体14を挟んで互いに近接して配置されていることで、互いに電磁気的に結合している。第1ストリップ導体23と第4ストリップ導体34は、基板10(接地導体12)と直交する軸10aに対して互いに対称配置された導体部分を有し、第2ストリップ導体24と第3ストリップ導体33は、基板10と直交する軸10aに対して互いに対称配置された導体部分を有する。第1ビアホール25と第2ビアホール35は、基板10と直交する軸10aに対して互いに対称配置されている。
以上説明した本実施形態によれば、電力分配された高周波信号が出力される、または電力合成される高周波信号が入力される2つのポート(例えば第2ポート22及び第3ポート31)は、接地導体12に対する距離が互いに等しいストリップ導体(例えば第2ストリップ導体24及び第3ストリップ導体33)にそれぞれ配置されているため、これらの2つのポート22,31間で特性インピーダンスが異なってくるのを抑える(理想的には特性インピーダンスを等しくする)ことができる。その結果、これらの2つのポート22,31にそれぞれ接続される回路の動作条件が互いに異なってくるのを抑えることができる。なお、基板10と垂直方向に関して、第1ストリップ導体23と第3ストリップ導体33が誘電体14を挟んで互いに近接して配置され、第2ストリップ導体24と第4ストリップ導体34が誘電体14を挟んで互いに近接して配置されているため、第1信号導体20と第2信号導体30との電磁気結合を強めた状態を維持しながら、第2ポート22と第3ポート31の特性インピーダンス差を抑えることができる。
さらに、本実施形態では、第1ストリップ導体23と第2ストリップ導体24と第3ストリップ導体33と第4ストリップ導体34とで電気長を互いに等しくすることで、第2ポート22と第3ポート31の特性インピーダンス差をさらに少なくすることができる。さらに、基板10と直交する軸10aに対して、第1ストリップ導体23と第4ストリップ導体34を互いに対称配置し、第2ストリップ導体24と第3ストリップ導体33を互いに対称配置することで、第2ポート22と第3ポート31の特性インピーダンス差をさらに少なくすることができる。
本実施形態に係る電力分配合成器において第2ポート22と第3ポート31のインピーダンス特性(反射特性)を電磁気解析により計算した結果を図10,11に示す。図10は第2ポート22と第3ポート31の反射特性(反射係数の振幅特性)を示し、図11は第2ポート22と第3ポート31の複素反射係数をスミスチャート上に表したものを示す。図10では、使用周波数帯域の中心周波数を1として横軸の周波数を正規化している。図10,11に示すように、第2ポート22と第3ポート31のインピーダンス特性(反射特性)にほとんど差が生じていないことがわかる。また、本実施形態に係る電力分配合成器において、第1ポート21と第2ポート22との間の通過特性、及び第1ポート21と第3ポート31との間の通過特性を電磁気解析により計算した結果を図12,13に示す。図12は、第1ポート21と第2ポート22との間の通過振幅特性、及び第1ポート21と第3ポート31との間の通過振幅特性を示し、図13は、第1ポート21と第2ポート22との間の通過位相特性、及び第1ポート21と第3ポート31との間の通過位相特性を示す。図12,13でも、使用周波数帯域の中心周波数を1として横軸の周波数を正規化している。図12,13に示すように、第1ポート21と第2ポート22との間の通過特性、及び第1ポート21と第3ポート31との間の通過特性にほとんど劣化が生じていないことがわかる。
本実施形態では、例えば図14,15に示すように、接地導体12における第1ストリップ導体23及び第4ストリップ導体34と対向する位置にスリット12aを形成することも可能である。接地導体12にスリット12aを形成することで、第1信号導体20及び第2信号導体30の電磁気結合度を調整することができる。
次に、本実施形態に係る電力分配合成器を備えるミキサ回路の構成例について説明する。以下の説明では、図23に示した関連技術と同様の構成または対応する構成には同一の符号を付し、説明を省略する構成については図23に示した関連技術と同様である。
図16に示すミキサ回路(イメージリジェクトミキサ)の構成例では、本実施形態に係る電力分配合成器が電力分配器52に用いられている。第1ポート21には局部発振信号が入力され、第2ポート22はミキサ53に接続され、第3ポート31はミキサ54に接続され、第4ポート32は終端抵抗(ダミーロード)Rを介して接地されている。電力分配器52は、第1ポート21に入力された局部発振信号を電力分配して第2ポート22及び第3ポート31からミキサ53及びミキサ54へそれぞれ出力する。電力分配器52では、第2ポート22から出力される局部発振信号と第3ポート31から出力される局部発振信号との間に90°の位相差が生じる。図16に示す構成例によれば、第2ポート22と第3ポート31で特性インピーダンスが異なってくるのを抑えることができるため、第2ポート22及び第3ポート31にそれぞれ接続されるミキサ53,54の動作条件が互いに異なってくるのを抑えることができる。その結果、イメージ成分の抑圧効果を向上させることができる。また、本実施形態に係る電力分配合成器を電力分配器51及び電力分配器52の両方に用いることもできる。
また、図17に示す構成例では、本実施形態に係る電力分配合成器が電力合成器55に用いられている。第2ポート22はミキサ53に接続され、第3ポート31はミキサ54に接続され、第4ポート32は終端抵抗(ダミーロード)Rを介して接地されている。電力合成器55は、第2ポート22及び第3ポート31に入力されたミキサ53,54からのRF信号を電力合成して第1ポート21から出力する。電力合成器55では、第2ポート22に入力されたRF信号と第3ポート31に入力されたRF信号との間の位相差が90°変化して電力合成される。図17に示す構成例においても、第2ポート22及び第3ポート31にそれぞれ接続されるミキサ53,54の動作条件が互いに異なってくるのを抑えることができる。また、本実施形態に係る電力分配合成器を電力分配器51及び電力合成器55の両方に用いることもできる。
また、図18に示す構成例では、電力分配器51は、入力されたRF信号(第1高周波信号)を電力分配して出力する。電力分配器51では、2分配されたRF信号に90°の位相差が生じる。電力分配器52は、入力された局部発振信号(第2高周波信号)を電力分配して出力する。電力分配器52では、2分配された局部発振信号を同相で出力する。ミキサ53は、電力分配器51で分配された一方のRF信号に電力分配器52で分配された一方の局部発振信号を混合することで、このRF信号をIF信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。ミキサ54は、電力分配器51で分配された他方のRF信号に電力分配器52で分配された他方の局部発振信号を混合することで、このRF信号をIF信号に周波数変換(ダウンコンバート)する。電力合成器55は、ミキサ53でダウンコンバートされた一方のIF信号とミキサ54でダウンコンバートされた他方のIF信号とを電力合成して出力する。電力合成器55では、ミキサ53からのIF信号とミキサ54からのIF信号が90°の位相差をもって電力合成される。
図18に示す構成例では、本実施形態に係る電力分配合成器が電力分配器51に用いられている。第1ポート21にはRF信号が入力され、第2ポート22はミキサ53に接続され、第3ポート31はミキサ54に接続され、第4ポート32は終端抵抗(ダミーロード)Rを介して接地されている。電力分配器51は、第1ポート21に入力されたRF信号を電力分配して第2ポート22及び第3ポート31からミキサ53及びミキサ54へそれぞれ出力する。電力分配器51では、第2ポート22から出力されるRF信号と第3ポート31から出力されるRF信号との間に90°の位相差が生じる。このように、本実施形態に係るミキサ回路をアップコンバートだけでなくダウンコンバートに用いることもできる。また、本実施形態に係る電力分配合成器を電力分配器51及び電力合成器55の両方に用いることもできる。
また、図19に示す構成例では、本実施形態に係る電力分配合成器が電力分配器52に用いられている。また、本実施形態に係る電力分配合成器を電力分配器52及び電力合成器55の両方に用いることもできる。
本実施形態に係る電力分配合成器を備えるミキサ回路と、図21,22に示す電力分配合成器を備えるミキサ回路とにおいて、イメージ成分の抑圧量を比較した計算結果を図20に示す。図20に示すように、本実施形態に係るミキサ回路によりイメージ成分の抑圧効果を向上できていることがわかる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の実施形態に係る電力分配合成器の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器の他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器の他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器においてポート22,31の反射特性を電磁気解析により計算した結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器においてポート22,31のインピーダンス特性を電磁気解析により計算した結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器においてポート21,22間及びポート21,31間の通過振幅特性を電磁気解析により計算した結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器においてポート21,22間及びポート21,31間の通過位相特性を電磁気解析により計算した結果を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器の他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器の他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器を備えるミキサ回路の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器を備えるミキサ回路の他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器を備えるミキサ回路の他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係る電力分配合成器を備えるミキサ回路の他の概略構成を示す図である。 本発明の実施形態に係るミキサ回路においてイメージ成分の抑圧量を計算した結果を示す図である。 関連技術に係る電力分配合成器の概略構成を示す図である。 関連技術に係る電力分配合成器の概略構成を示す図である。 関連技術に係るミキサ回路の概略構成を示す図である。 関連技術に係る電力分配合成器においてポート122,131の反射特性を電磁気解析により計算した結果を示す図である。 関連技術に係る電力分配合成器においてポート122,131のインピーダンス特性を電磁気解析により計算した結果を示す図である。
符号の説明
10 基板、12 接地導体、14 誘電体、20 第1信号導体、21 第1ポート、22 第2ポート、23 第1ストリップ導体、24 第2ストリップ導体、25 第1接続導体(第1ビアホール)、30 第2信号導体、31 第3ポート、32 第4ポート、33 第3ストリップ導体、34 第4ストリップ導体、35 第2接続導体(第2ビアホール)、51,52 電力分配器、53,54 ミキサ、55 電力合成器。

Claims (3)

  1. 高周波信号を電力分配または電力合成する電力分配合成器であって、
    基板上に形成された接地導体と、
    誘電体を挟んで接地導体上に形成された第1信号導体であって、その一端部及び他端部に第1ポート及び第2ポートがそれぞれ配置され、第1ポートと第2ポートとの間の電気長が高周波信号の波長の1/4またはその奇数倍にほぼ等しい第1信号導体と、
    誘電体を挟んで接地導体上に形成され、第1信号導体と電磁気的に結合する第2信号導体であって、その一端部及び他端部に第3ポート及び第4ポートがそれぞれ配置され、第3ポートと第4ポートとの間の電気長が高周波信号の波長の1/4またはその奇数倍にほぼ等しい第2信号導体と、
    を備え、
    第1信号導体は、
    一端部に第1ポートが配置された第1ストリップ導体と、
    一端部に第2ポートが配置され、接地導体に対する距離が第1ストリップ導体と異なる第2ストリップ導体と、
    第1ストリップ導体の他端部と第2ストリップ導体の他端部とを接続する第1接続導体と、
    を含み、
    第2信号導体は、
    一端部に第3ポートが配置され、第1ストリップ導体と電磁気的に結合し、接地導体に対する距離が第2ストリップ導体とほぼ等しい第3ストリップ導体と、
    一端部に第4ポートが配置され、第2ストリップ導体と電磁気的に結合し、接地導体に対する距離が第3ストリップ導体と異なる第4ストリップ導体と、
    第3ストリップ導体の他端部と第4ストリップ導体の他端部とを接続し、第1接続導体と電磁気的に結合する第2接続導体と、
    を含む、電力分配合成器。
  2. 請求項1に記載の電力分配合成器であって、
    第1ストリップ導体と第2ストリップ導体と第3ストリップ導体と第4ストリップ導体とで電気長が互いにほぼ等しい、電力分配合成器。
  3. 請求項1または2に記載の電力分配合成器であって、
    第1ストリップ導体及び第4ストリップ導体は互いに対称配置された導体部分を有し、第2ストリップ導体及び第3ストリップ導体は互いに対称配置された導体部分を有する、電力分配合成器。
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