JP5117930B2 - 泥土の中性固化工法及び新規石コウ系固化改良材 - Google Patents

泥土の中性固化工法及び新規石コウ系固化改良材 Download PDF

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Description

本発明は、泥土の中性固化工法及び当該中性固化工法に使用される新規石コウ系固化改良材に関する。
現在、下水道の普及・処理の高度化に伴い、大量の汚泥が発生しており、例えば東京都だけで年間100万トンの汚泥(脱水汚泥)が生じている(汚泥は、全量焼却処理し、45,000トンの焼却灰が発生。)。
これらの焼却灰は、凝集状態にあるため、これを分級、粉砕処理して微細粒子として分散せしめ、粒径を調整したもの(以下、「粒度調整灰」という。)は、粒子が微細化され、その分散性、比表面積が増大する等の物理的特性が改善されているので、土木用資材の原料として活用され始めている。
しかしながら、このような用途(需要)として使用できる量は十分ではなく、40%近くは依然として、産業廃棄物として埋め立て処分されている。周知のように、いずれの自治体においても、既存の埋め立て地は、連日ひきもきらずに搬入されてくる大量のゴミ・産業廃棄物で充満しており、新たに利用できる埋め立て処分地は、もはや物理的に限界に達していて、担当者はその確保に苦慮している状態にある。
また、当該焼却灰をそのまま廃棄した場合は、場合によっては当該焼却灰中に濃縮された水銀、カドミウム、鉛等の土壌汚染物質(有害物質)が、廃棄サイトの土壌中に溶出、拡散するおそれがあり、かかる観点からも焼却土をそのまま廃棄することはできない。
このような状況にあるため、下水汚泥由来の焼却灰を原料とした粒度調整灰の土木資材への新規な用途を創出することは喫緊の課題となっている。
一方、シールド工事や浚渫工事、地盤改良工事等の各種建設工事、土木工事の現場では、含水率の高い泥土や泥水(以下、単に「泥土」と称する。)が大量に発生する。これらは泥状で、そのままでは、ダンプカーでの輸送も出来ないので、固化材で処理して、運搬等に適した性状まで固化している。
従来固化材としては、セメント系固化材や石灰系固化材が一般的であったが、これらは強いアルカリ性であるため、得られた固化物(改良土)が強いアルカリ性を呈し、当該固化土壌では、植物の植生に大きな問題となるので、再利用困難である。
このため最近では、中性の固化材として石コウ系固化材が注目されている(例えば、特許文献1〜5を参照。)。
本発明者らの知見によれば、前記した粒度調整灰自体は、それ自体では、泥土の固化には殆ど効果がないが、石コウ系固化材と併用し、または石コウ系固化材の一部を置換して使用する場合には、予想外のことに、むしろ石コウ系固化材の固化作用を促進するか、またはその効果を落とすことなく、置換できることを見いだした。
特開2001−182044号公報(特許請求の範囲(請求項1〜7)、〔0007〕〜〔0021〕) 特開2002−1394号公報(特許請求の範囲(請求項1〜6)、〔0001〕〜〔0015〕) 特開2003−20478号公報(特許請求の範囲(請求項1〜2)、〔0015〕〜〔0022〕) 特開2004−130278号公報(特許請求の範囲(請求項1〜3)、〔0016〕〜〔0021〕) 特開2006−225475号公報(特許請求の範囲(請求項1〜5)、〔0001〕〜〔0018〕) 前田ら、「改質した下水汚泥焼却灰の有効利用に関する研究」、下水道協会誌、第42巻、513号、2005年、7月号、127〜140頁)
本発明の目的は、泥土を石コウ系固化材で固化するに際し、粒度調整灰を併用する工法において、少なくとも第4種の改良土(コーン指数200kN/m2以上(以下特に断らない場合同じ意味を表す。))、好ましくは第3種の改良土(コーン指数400kN/m2以上(以下特に断らない場合同じ意味を表す。))で、かつ、改良土が中性のpHを呈し、植生にも優れた改良土(改質土)を得ることである。
本発明に従えば、以下の中性固化工法及び改良固化材が提供される。
〔1〕
泥土を石コウ系固化材により、中性固化処理して、当該泥土を改良土とする中性固化改良工法において、当該石コウ系固化材と共に粒度調整処理した汚泥焼却灰を配合・併用することにより当該石コウ系固化材の使用量を減少したことを特徴とする泥土の中性固化工法であって、
前記粒度調整焼却灰を、前記石コウ系固化材に対して、5〜50質量%使用し、かつ、当該粒度調整焼却灰の体積平均粒径が、5〜20μmのものであり、
少なくとも第4種の中性の改良土(200kN/m 2 以上)を得ることができる中性固化工法
〔2〕
泥土1m3に対して、前記石コウ系固化材及び粒度調整焼却灰を1〜300Kg使用する〔1〕に記載の泥土の中性固化工法。
〔3〕
前記泥土が建設泥土又は浚渫泥土である〔1〕又は〔2〕に記載の泥土の中性固化工法。
また、本発明に従えば、以下の新規な石コウ系固化改良材が提供される。
〔4〕
泥土を中性固化する中性固化改良工法に使用される石コウ系固化材に粒度調整処理した汚泥焼却灰を配合してなる当該石コウ系固化材の使用量を減少した新規石コウ系固化改良材であって、
前記粒度調整焼却灰はを前記石コウ系固化材に対して、5〜50質量%配合され、かつ、当該粒度調整焼却灰の体積平均粒径が5〜20μmのものであり、少なくとも第4種の中性の改良土(200kN/m 2 以上)を得ることができることを特徴とする新規石コウ系固化改良材。
〔5〕
泥土1m3に対して、1〜300Kg使用される〔4〕記載の新規石コウ系固化改良材。
〔6〕
適用される泥土が建設泥土又は浚渫泥土である〔4〕又は〔5〕に記載の新規石コウ系固化改良材。

以下に詳述するように、本発明の石コウ系固化材を用いた固化工法および石コウ系固化改良材によれば、泥土を石コウ系固化材で固化するに際し、粒度調整灰を併用する工法において、少なくとも第4種の改良土(200kN/m2以上)、好ましくは第3種の改良土(400kN/m2以上)で、かつ、中性のpHの改良土を得ることができる。
以下、本発明の中性固化工法について詳細に説明する。
(粒度調整灰)
図7は本発明の工法を示すモデル図である。以下、図面を参照しながら本発明を説明する。
図において、粒度調整灰自体10の製法自体は、公知であり、活性汚泥による下水処理場の余剰汚泥等が濃縮槽で濃縮され、汚泥脱水機により脱水された後、焼却炉にて焼却された汚泥焼却灰をサイクロンで粗粉(凝集物)と微粉に分級した後、当該粗粉をさらに粉砕機により粉砕することにより、容易に製造される(非特許文献1を参照。)。当該粒度調整灰は例えばいわゆる「スーパーアッシュ」なる名称として製造されているもの(販売者、東京都下水道サービス社)が入手可能である。
粒度調整灰の物性は、原料汚泥の種類等によって変わりうるが、通常、中心径が1〜15μm、体積平均系が5〜20μm、比表面積が6000〜15000cm2/g程度のものである。
また、その化学組成(質量%)は、通常、SiO2:20〜35(%)、CaO:8〜20(%)、Fe23:3〜12(%)、Al23:10〜18(%)、MgO:2〜5(%)程度のものである。
なお、電子顕微鏡観察により、原料灰の凝集物(団粒)は、殆ど解砕され、丸みを帯びた微細粒子からなるものであることが確認されている。
(石コウ系固化材)
石コウ系固化材20とは、半水石コウ(CaSO4・(1/2)H2O)及び/又は無水石コウ(CaSO4)(以下、単に「半水石コウ等」という)を主体とし、Al23、MgO、Fe23、SiO2、などの強度や固化を促進する成分(以下、「固化促進成分」という。)を配合したものであり、CaSO4の割合が、20〜80質量%、好ましくは30〜70質量%のものである。当該半水石コウ等は、天然に産出されるものでも、リン鉱石の硫酸分解によるリン酸製造工程において、副生される副生石コウでもよく、特に限定するものではない。これらは、市販されているものを好適に使用することができる。
半水石コウとしては、α型、β型いずれでもよく、また粒径1〜100μm、好ましくは10〜60μmのものである。
より具体的には、固化促進成分として、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、スラグ(高炉スラグ、転炉スラグ、電気炉スラグ)、アルミニウム、ケイ砂、酸化鉄、水酸化鉄、酸化マグネシウム、シリカゲル、アルミン酸カルシウム等が使用される。
半水石コウ等は、水の存在下に2水和物(CaSO4・2H2O)まで、結晶化する過程で、泥土の水分を固定化し、これを凝集・固化する基本的な役割を奏する。
本発明においては、石コウ系固化材と併用し、または石コウ系固化材の一部(特定量)を置換して上記粒度調整灰を使用することにより、石コウ系固化材の固化作用を促進するか、またはその効果を落とすことがない。すなわち、本発明においては、粒度調整灰を、石コウ系固化材に対して5〜50質量%、好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは15〜25質量%、最も好ましく20質量%程度を使用する。なお、ここにいう質量%(X)とは、石コウ系固化材の質量部をA、粒度調整灰の質量部をSとすれば、X=(S/(A+S))×100で算出されるものである。
(凝集剤)
本発明においては、泥土の凝集を促進するため、後記するように、凝集剤30を配合することも好ましい。
凝集剤としては、吸収性及び/又は保水性を有する、水溶性高分子化合物が好ましい。たとえば、ポリビニールアルコール系ポリマー、ポリアクリル酸系ポリマー及びそのナトリウムやカリウム塩類、ポリアクリルアミド系ポリマー及びそのナトリウムやカリウム塩、ポリオキシエチレン系ポリマー、ポリN−ビニルカルボン酸アミド、デンプン系グラフト重合体のアルカリ加水分解物(例えばデンプン/アクリロニトリルグラフト重合体のアルカリ加水分解物)、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、コンドロイチン硫酸、アガロース等が好ましいものとして挙げられる。これらは、単独でまたは2種以上組み合わせて配合することができる。
なお、凝集剤としては、泥土の含水率等に応じて、さらに補助的に、ポリ塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸バンド等をさらに配合してもよい。
凝集剤は、対象泥土の含水率、砂含量、凝固状態等により異なりうるが、通常、対象泥土1m3に対し0.1〜10kg、好ましくは0.5〜5kg、さらに好ましくは1〜3kg配合する。なお、これら凝集剤を使用する場合は、石コウ系固化材系と同時に泥土に添加してもよいが、好ましくは、当該凝集剤を先に泥土に添加して、泥土を凝集状態とすることである。
(対象泥土)
本発明の対象とする泥土40としては、特に限定するものではなく、例えばトンネル工事(シールド工事)、堀削工事(ボーリング、杭埋設)、建築工事等の建設現場での発生建設泥土;湖沼、河川、港湾等で発生する浚渫泥土;を主体とするが、さらには、下水処理の泥土、浄水場の泥土に対しても好適に適用可能である。
(中性固化処理工程)
本発明は、図7に示したように、上記した対象泥土40を、石コウ系固化材20により、中性固化処理50するに際し、粒度調整処理した汚泥焼却灰10を配合・併用することを特徴とする泥土の中性固化工法であるが、当該中性固化処理を行う装置としては、ミキサー(混合機)または捏和機が好ましい。
使用するミキサー等としては、少なくとも撹拌機、又は撹拌手段を備え、泥土を収容し、これに石コウ系固化材系、粒度調整灰、さらには凝集剤を加えてスラリー状にてこれらを効率良く混合して泥土の凝集、固化反応を行わしめ、改良土を排出しうるものであれば、特に限定するものではない。
例えば、回転型混合機でも、固定型混合機のいずれでもよく、前者では円筒型混合機、二重円錐型混合機、V型混合機等が使用可能であり、後者としては、スクリュー型混合機、リボン型混合機、回転円板型混合機、流動化型混合機等の混合機が使用可能である。これらは、回分式でも、連続式のいずれの方式で実施することも可能である。
(石コウ系固化改良材)
本発明においては、本発明の好ましい態様である図8に示すように、粒度調整灰10と石コウ系固化材20をあらかじめ十分に混合工程22に付し、新規石コウ系固化改良材25としておくことが、取り扱いの便宜上から、またはよりその効果を再現性よく、安定的に奏させるために好ましい。
混合装置としては、特に限定するものでなく、通常使用されるV型混合機、リボン型混合機、二重円錐型混合機、ミューラー型混合機、単軸または複軸型混合機等が好適に使用される。また、上記中性固化処理工程に使用される固体混合機をこの固化改良材の調製に使用することも可能である。
中性処理固化工程50自体は、泥土(含水量、砂分含量等)の種類、処理量、使用ミキサーの種類等によって変わりうるが、一般的には、以下のようにして行われる。
まず、使用するミキサーにスラリー状の泥土40を供給、投入し、通常、まず凝集剤30を加えて常法により、30秒〜5分、好ましくは40秒〜3分、さらに好ましくは50秒〜2分程度撹拌して、泥土中の水分を泥土粒子とともに固定して泥土粒子凝集体を生成せしめる。凝集剤の添加量は、すでに説明したように、対象泥土1m3に対し通常0.1〜10kg、好ましくは0.5〜5kg、さらに好ましくは1〜3kg配合する。
ひきつづいて、撹拌しながら石コウ系固化材20及び粒度調整灰10を、好ましくは、図8に示すように、あらかじめ石コウ系固化改良材25として調製したものを添加して、混合を60秒〜10分、好ましくは80秒〜6分、さらに好ましくは100秒〜4分程度継続することにより、上記泥土粒子凝集体を、そのまま団粒化・固化することにより、強度のある団粒物からなる改良土(改質土)が形成される。すなわち、石コウ系固化材中の半水石コウ等が水分と反応して二水石コウに結晶化し、凝固(硬化)する際に、この土粒子凝集体をそのまま全体として硬化、一体化させるのである。
石コウ系固化材20の使用量は、基本的に、泥土1m3に対して、1〜300Kg、好ましくは10〜100Kg、さらに好ましくは30〜80Kg程度であるが、本発明によれば、当該石コウ系固化材と共に前記した粒度調整灰を配合・併用することができ、この場合、石コウ系固化材の少なくとも一部を、同量の粒度調整灰で置換しても、石コウ系固化材単独使用の場合より高い固化作用が奏されるか、少なくとも同程度の効果が奏されるものであるから、石コウ系固化材及び粒度調整灰の合計(すなわち石コウ系固化改良材)を、泥土1m3に対して、1〜300kg、好ましくは1〜150Kg、さらに好ましくは10〜100Kg、最も好ましくは30〜80Kg程度使用することになる。
なお、粒度調整灰の石コウ系固化材に対する配合量は、すでに述べたように、石コウ系固化材に対して5〜50質量%、好ましくは10〜40質量%、さらに好ましくは15〜25質量%、最も好ましく20質量%程度である。
以下に詳述するように、本発明の石コウ系固化材を用いた固化工法および新規石コウ系固化改良材によれば、泥土を石コウ系固化材で固化するに際し、粒度調整灰を併用する工法において、少なくとも第4種の改良土(200kN/m2以上)、好ましくは第3種の改良土(400kN/m2以上)で、かつ、中性のpHの改良土を得ることができ、さらに、泥土の種類等によっては、第2種の改良土(800kN/m2以上)に対応する改良土を得ることができる。
以上のごとくして、好ましくは、凝集剤を添加して泥土の凝集処理、さらに石コウ系固化材及び粒度調整灰を添加して凝集体の団粒化・固化処理を行うことにより、泥土は中性状態で固化され、中性の改良土(改質土)が生成する。当該改良土は中性のpHを呈し、植物の植生に実害を与えない植栽土であるため、効果的に泥土をリサイクルすることができる。
なお、対象泥土の種類によっては(例えば砂含量が高いもの等)、汚泥焼却灰のうち、凝集体の含量が比較的少ないものについては、粒度調整せずにそのまま使用することも可能である。
以下、実施例をあげて本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的範囲がこれに限定されるものではない。なお、%とあるものは、とくに断りなき限り、質量%である。
(1)試験対象泥土としては、泥土圧シールドの切削泥土を使用し、この砂分%を調整して3種類の試料泥土(α、β、γ)とした。すなわち、泥土αは、砂含量δは30%、含水比62.7%、泥土βは、砂含量δは50%、含水比47.7%、泥土γは、砂含量δは70%、含水比28.0%のものである。(注:ここで、砂含量は、泥土を乾燥後の固体質量基準である。また、泥土の状態は、いずれもヘドロ状を呈するものであった。)
(2)粒度調整灰としては、下水汚泥焼却灰を分級・粉砕処理して粒径調整したもの(東京都下水道サービス社販売、スーパーアッシュ、中心径5.6〜10.3μm、体積平均径8.3〜14.0μm、比表面積8360〜12700cm2/g、真比重2.5〜2.6)を使用した。なお、当該粒度調整灰の化学組成は、当該粒度調整前の通常の焼却灰と変わらないものであった。
(3)石コウ系固化材としては、半水石コウを主体とし、これにアルミナ、シリカ、酸化鉄、酸化マグネシウムを配合したもので、主成分はCaSO4 、65%、SiO2、7%、Al23、3%、MgO、1%、Fe23、0.05%である。
凝集剤としては、粉状のアクリルアミド/アクリル酸ナトリウムの共重合体を2kg使用した。
(4)粒度調整灰配合石コウ系固化改良材として、当該配合灰(S)の含量を、(S/(A+S))=0%、10%、20%、30%、及び40%のものをあらかじめ調製し、これを上記試料泥土に配合して固化処理試験を行った。
(5)試験装置としては、強制2軸式試験練りミキサー(冨士機社製、パドル撹拌方式、容量5リットル)を用いた。所定量の上記調整した泥土をミキサーに仕込み、凝集剤2kgを添加して1分間混合した。引き続き、上記した、粒度調整灰配合量を変えた石コウ系固化材(石コウ系固化改良材)を、石コウ質量(A)として、泥土1m3あたり、30kg又は50kg添加し、さらに2分間混合し、改良土を得た。
得られた改良土をミキサーから排出して自然養生を行い、養生時間θ=3時間後、及び12時間後の改良土の物性(コーン指数C、pH、溶出成分濃度)の測定を行った。
(a)コーン指数Cは地盤工学会(締固めた土のコーン指数の試験方法(JGST716)に準じて行った。
(b)また改良土等のpH測定は、地盤工学会基準「土懸濁液のpH試験方法」(JGS0211−2000)に準じて行った。
(6)結果の考察
結果を表1〜6、図1〜6にまとめて示す。このうち、表1〜3、図1〜3は養生時間θが3時間の場合、表4〜6、図4〜6は養生時間θが12時間の場合である。
例えば表1(図1)には、泥土(砂分30%)養生時間θ=3時間の結果を示すが、焼却灰の添加率X(=S/(A+S))が約20%までは、コーン指数Cは石コウ系固化材そのものを配合した場合(X=0%)と、実質的に変化ないか、又はそれよりもやや高い値を示すことが特筆される。
実際には、粒土調整灰配合量X=40%の石コウ系固化改良材をしても、泥土の種類により(例えば砂含量δ=50%、δ=70%の場合等)は、十分使用可能であるとしてよい。
Figure 0005117930
Figure 0005117930
Figure 0005117930
また、表4〜6、図4〜6は、養生時間θが12時間の場合を示すが、ほとんどθが3時間の場合と変わらない結果がえられることがわかった。
(なお、当然のことながら、改良土のpHは、石コウ系固化材のpH7.35〜7.45、粒度調整灰のpH7.36〜7.41の範囲にあった。)
Figure 0005117930
Figure 0005117930
Figure 0005117930
また、以上実施例の結果得られた改良土については、泥土α、β、γともアルキル水銀化合物、総水銀、カドミウム、鉛、六価クロム、セレン、シアンは、不検出であった。
以上により、泥土を石コウ系固化材で中性処理する場合、このうちのかなりの部分(例えば10〜40%、好ましくは20%前後)を粒度調整灰を配合して置換し、新規な石コウ系固化改良材として使用することができる。このよう粒度調整灰配合石コウ系固化改良材を使用することにより、実質的に石コウ系固化材と同等の固化処理を行うことが可能である。
これはまた2つの利点を有する。すなわち、石コウ系固化材はpHが中性であり、改良土の植生上大きな利点があるが、セメント系固化材より高価とされているところ、これを安価な粒度調整灰で配合して、その一部またはかなりの部分を置換することにより、コストを大幅に下げられる。
また、従来産業廃棄物として廃棄せざるを得なかった粒度調整灰を、泥土処理の石コウ系固化材に配合する新規な用途として活用、消費できるので、まさに一石二鳥の効果を奏するものであり、その産業上の利用可能性、その意義はきわめて大きいと云わざるを得ないのである。
本発明の石コウ系固化材を用いた固化工法および新規石コウ系固化改良材によれば、泥土を石コウ系固化材で固化するに際し、粒度調整灰を併用する工法において、少なくとも第4種の改良土(200kN/m2以上)、好ましくは第3種の改良土(400kN/m2以上)で、かつ、中性のpHの改良土を得ることができる。また、泥土の種類等によっては、第2種の改良土(800kN/m2以上)に対応する改良土を得ることができる。
また、本発明によれば、粒度調整灰を石コウ系固化材と併用することにより、石コウ系固化材の使用量を減らすとともに、従来廃棄していた粒度調整灰を有効に活用、消費できるので、その産業上の利用可能性はきわめて大きい。
実施例の結果を示すグラフである。 実施例の結果を示すグラフである。 実施例の結果を示すグラフである。 実施例の結果を示すグラフである。 実施例の結果を示すグラフである。 実施例の結果を示すグラフである。 本発明の工法を示すモデル図である。 本発明の工法の別の態様を示すモデル図である。
符号の説明
10 粒度調整灰
20 石コウ系固化材
22 混合工程
25 新規石コウ系固化改良材
30 凝集剤
40 泥土
50 中性固化処理工程
60 改質土又は改良土

Claims (6)

  1. 泥土を石コウ系固化材により、中性固化処理して、当該泥土を改良土とする中性固化改良工法において、当該石コウ系固化材と共に粒度調整処理した汚泥焼却灰を配合・併用することにより当該石コウ系固化材の使用量を減少したことを特徴とする泥土の中性固化工法であって、
    前記粒度調整焼却灰を、前記石コウ系固化材に対して、5〜50質量%使用し、かつ、当該粒度調整焼却灰の体積平均粒径が、5〜20μmのものであり、
    少なくとも第4種の中性の改良土(200kN/m 2 以上)を得ることができる中性固化工法
  2. 泥土1m3に対して、前記石コウ系固化材及び粒度調整焼却灰を1〜300Kg使用する請求項1に記載の泥土の中性固化工法。
  3. 前記泥土が建設泥土又は浚渫泥土である請求項1又は2に記載の泥土の中性固化工法。
  4. 泥土を中性固化する中性固化改良工法に使用される石コウ系固化材に粒度調整処理した汚泥焼却灰を配合してなる当該石コウ系固化材の使用量を減少した新規石コウ系固化改良材であって、
    前記粒度調整焼却灰は前記石コウ系固化材に対して、5〜50質量%配合され、かつ、当該粒度調整焼却灰の体積平均粒径が5〜20μmのものであり、少なくとも第4種の中性の改良土(200kN/m 2 以上)を得ることができることを特徴とする新規石コウ系固化改良材。
  5. 泥土1m3に対して、1〜300Kg使用される請求項に記載の新規石コウ系固化改良材。
  6. 適用される泥土が建設泥土又は浚渫泥土である請求項4又は5に記載の新規石コウ系固化改良材。
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