JP5117628B1 - 把持装置及び建設機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型・コンパクト化を図ることで小型の機器等に搭載可能な把持装置及びこの把持装置が搭載された建設機械を提供する。
【解決手段】太陽歯車73と同心に環状の内歯車71を配置し、内歯車71と太陽歯車73との間の環状空間に複数の中間歯車68を介装した歯車機構30を備え、複数の中間歯車68は建設機械10等に取り付けられるブラケットに回転自在に支持され、内歯車71を回転駆動させる把持装置揺動シリンダを備え、把持装置揺動シリンダにより回転駆動される内歯車71にアッパフォーク36を取り付け、内歯車71の回転力が各中間歯車68を介して伝達される太陽歯車73にアッパフォーク36と協働して搬送物等を把持するロアフォーク32を取り付けた。
【選択図】図4

Description

本発明は、搬送物等を把持する把持装置及び建設機械に関する。
搬送物等を把持する把持装置としては、本体バケットに対して開閉バケットが開閉可能に取付けられ、本体バケット側に設けられた歯車に開閉バケット側に設けられた歯車を噛み合わせ、本体バケット側の歯車をモータで駆動させて開閉バケットを開閉することで土砂をすくい取るバケット装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
実開平6−12548号公報
上記特許文献1では、バケット装置で重量のある土砂をすくい取る場合に、大きな開閉力が必要になるため、一対の歯車を大型にしなければならない。歯車が大型になれば、バケット装置自体も大型になり、ひいては、バケット装置が搭載される建設機械等の大型化を招く。また、建設機械等では、アームの先端にアタッチメントとしてバケット装置が着脱自在に取付けられるため、バケット装置にモータを取付けると、バケット装置自体の重量が増大し、バケット装置を動かすために大きな動力が必要になる。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、小型・コンパクト化を図ることで小型の機器等に搭載可能であり、また、軽量化を図ることが可能な把持装置及びこの把持装置が搭載された建設機械を提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため、本発明の把持装置は、太陽歯車と同心に環状の内歯車を配置し、前記内歯車と前記太陽歯車との間の環状空間に複数の中間歯車を介装した歯車機構を備え、前記複数の中間歯車は機器等に取り付けられるブラケットに回転自在に支持され、前記内歯車を回転駆動させるアクチュエータを備え、前記アクチュエータにより回転駆動される前記内歯車に第1部材を取り付け、前記内歯車の回転力が前記各中間歯車を介して伝達される前記太陽歯車に前記第1部材と協働して搬送物等を把持する第2部材を取り付けた、ことを特徴とする。
この構成によれば、複数の中間歯車を介して内歯車から太陽歯車、又は太陽歯車から内歯車に伝えられる動力を複数の中間歯車で分担することができ、中間歯車を小型にできるため、歯車機構の小型・コンパクト化を図ることができる。
上記構成において、前記歯車機構は歯車箱に収納され、前記歯車箱を構成する一対の側板と前記内歯車との間にOリングが設けられ、前記歯車箱内がシールされるようにしても良い。この構成によれば、歯車箱内に土埃、泥水、異物等が入り込むのを防止することができる。
また、上記構成において、前記内歯車と前記太陽歯車との歯数の比率を変更することにより、前記第1部材と前記第2部材との揺動角度の比率を変更可能としても良い。この構成によれば、把持する搬送物に応じて内歯車と太陽歯車との歯数の比率を変更することで、搬送作業を効率良く行うことができる。
また、上記構成において、前記第1部材と前記第2部材とを接近させるとともにほぼ水平に配置した把持状態では、前記第1部材の下方に前記第2部材が配置されていても良い。この構成によれば、太陽歯車は、内歯車に対して歯数が少ないため、内歯車よりも太陽歯車の回動角度を大きくすることができる。従って、第1部材をほぼ水平な位置から上方に揺動させたときに、第2部材のほぼ水平な位置から下方への揺動角度を第1部材の揺動角度よりも大きくすることができる。
また、上記構成において、前記第1部材及び前記第2部材は、建設機械に備えるフォークであっても良い。この構成によれば、小型の建設機械に把持装置を搭載することができ、一対のフォークで把持した搬送物を把持解除時に容易に落下させることができる。
また、上記構成において、前記第1部材及び前記第2部材は、建設機械に備えるスケルトン型のバケットであっても良い。この構成によれば、小型の建設機械に把持装置を搭載することができ、一対のバケットで把持した搬送物を把持解除時に容易に落下させることができる。
また、本発明の建設機械は、太陽歯車と同心に環状の内歯車を配置し、前記内歯車と前記太陽歯車との間の環状空間に複数の中間歯車を介装した歯車機構を備え、前記複数の中間歯車は建設機械のアームに取り付けられるブラケットに回転自在に支持され、前記内歯車を回転駆動させるアクチュエータを備え、前記アクチュエータにより回転駆動される前記内歯車に第1部材を取り付け、前記内歯車の回転力が前記各中間歯車を介して伝達される前記太陽歯車に前記第1部材と協働して搬送物等を把持する第2部材を取り付けた、ことを特徴とする。
この構成によれば、複数の中間歯車を介して内歯車から太陽歯車、又は太陽歯車から内歯車に伝えられる動力を複数の中間歯車で分担することができ、中間歯車を小型にできるため、歯車機構の小型・コンパクト化を図ることができる。
本発明は、太陽歯車と同心に環状の内歯車を配置し、内歯車と太陽歯車との間の環状空間に複数の中間歯車を介装した歯車機構を備え、複数の中間歯車は機器等に取り付けられるブラケットに回転自在に支持され、内歯車を回転駆動させるアクチュエータを備え、アクチュエータにより回転駆動される内歯車に第1部材を取り付け、内歯車の回転力が各中間歯車を介して伝達される太陽歯車に第1部材と協働して搬送物等を把持する第2部材を取り付けたので、複数の中間歯車を介して内歯車から太陽歯車、又は太陽歯車から内歯車に伝えられる動力を複数の中間歯車で分担することができ、中間歯車を小型にできるため、歯車機構の小型・コンパクト化を図ることができ、ひいては、把持装置を小型の機器等に搭載することができる。
本発明の建設機械(第1実施形態)を示す側面図である。 把持装置及びその取付構造を示す側面図である。 図2のIII矢視図である。 図3のIV−IV線断面図である。 図2のV−V線断面図である。 把持装置の作用を示す作用図である。 建設機械(第2実施形態)を示す側面図である。 スケルトンバケット及びその取付構造を示す側面図である。 図8のIX矢視図である。 把持装置(第3実施形態)を示す断面図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の建設機械10(第1実施形態)を示す側面図である。
建設機械10は、不整地、軟弱地等を走行可能なクローラ式走行装置11と、このクローラ式走行装置11に旋回装置12を介して取付けられた旋回体13と、この旋回体13の前部下部に設けられたベース部13aに支軸14を介して揺動自在に取付けられたブーム16と、このブーム16の先端部に支軸17を介して揺動自在に取付けられたアーム18と、このアーム18の先端部に取付けられた把持装置20と、ブーム16を揺動させるためにベース部13a、ブーム16間に取付けられたブームシリンダ21と、アーム18を上下に揺動させるためにブーム16、アーム18間に取付けられたアームシリンダ22と、把持装置20を揺動させるためにアーム18、把持装置20間に取付けられた把持装置揺動シリンダ23と、この把持装置揺動シリンダ23及び把持装置20のそれぞれを連結する連結部材34と、アーム18及び把持装置揺動シリンダ23のそれぞれを連結する連結アーム43とから構成されている。
上記のブームシリンダ21、アームシリンダ22及び把持装置揺動シリンダ23は、油圧により駆動される油圧シリンダである。なお、符号25は運転席、26,27は操作ノブ、28はキャノピーである。また、符号FRは建設機械10の運転席に着座した運転者を基準にした前方、即ち建設機械10の前方を示している(以下同じ)。更に、以下に示す左及び右も運転者を基準にした方向である。
図2は、把持装置20及びその取付構造を示す側面図である。
把持装置20は、アーム18の先端に着脱自在に取付けられたブラケット80と、このブラケット80に取付けられた歯車機構30と、この歯車機構30の出力軸31側に取付けられたロアフォーク32と、把持装置揺動シリンダ23に備えるロッド33の先端部に連結部材34を介して連結されるとともに歯車機構30の外周部側に取付けられたアッパフォーク36とからなる。上記したように、把持装置20のブラケット80は、アーム18に着脱自在に取付けられているので、アタッチメントとしての把持装置20をアーム18から取り外して、アーム18の先端部に別のアタッチメントを取付けることが可能である。なお、符号38は把持装置揺動シリンダ23と連結部材34とを連結する連結ピン、41は連結部材34とアッパフォーク36とを連結する支軸、42はアーム18に設けられた支軸である。
歯車機構30は、ロアフォーク32とアッパフォーク36とを複数の歯車を介して接続し、アッパフォーク36を揺動させることで歯車機構30を介してロアフォーク32が揺動し、この結果、図に示したアッパフォーク36とロアフォーク32とが接近した状態(閉じた状態)から離間した状態(開いた状態)、又は離間した状態から接近した状態に変化して、搬送物の把持と把持解除とを可能にしている。
図3は、図2のIII矢視図である。
アーム18は、その先端部に左右一対のアーム延長部35,35が着脱自在に取付けられ、これらのアーム延長部35,35の先端部が歯車機構30側に接続されている。
歯車機構30は、把持装置20の幅方向(左右方向)の中央に配置された円板状の部分であり、この歯車機構30を貫通して出力軸31が幅方向に延び、出力軸31の両端部にロアフォーク32に連結さている。
ロアフォーク32は、把持装置20の幅方向両側に配置された左右一対の側部フォーク単体45,45と、これらの側部フォーク単体45,45間に配置された中央フォーク単体46と、これらの側部フォーク単体45,45及び中央フォーク単体46を幅方向に連結する連結バー47とからなる。なお、符号51は側部フォーク単体45,45及び中央フォーク単体46の一端面にそれぞれ取付けられた当て板である。
連結部材34は、連結ピン38と支軸41とを連結する左右一対の連結プレート53,53を備える。
アッパフォーク36は、把持装置20の幅方向に並べられた左右一対のフォーク単体55,55と、これらのフォーク単体55,55を連結する2つの連結バー56,57とからなり、一方の連結バー56は歯車機構30の外周部にも取付けられ、連結バー56を介して歯車機構30の外周部とフォーク単体55,55とが一体に回動可能になる。なお、符号58はフォーク単体55,55の一端面にそれぞれ取付けられた当て板である。
連結アーム43は、把持装置20の幅方向に並べられた左右一対のアーム単体61,61からなり、アーム単体61,61によって連結ピン38と支軸42とが連結される。
図4は、図3のIV−IV線断面図であり、歯車機構30を説明する図である。
歯車機構30は、一対の側板65,65(奥側の側板65のみ図示)に複数のボルト66でそれぞれ取付けられた複数のカラー67と、これらのカラー67のそれぞれに回転可能に支持された中間歯車68と、これらの中間歯車68に噛み合うように複数の中間歯車68の外側に配置された環状の内歯車71と、後に詳述するブラケット80に回動可能に支持された出力軸31と、この出力軸31に取付けられるとともに複数の中間歯車68に噛み合う太陽歯車73とからなる。カラー67は筒状であり、その内側にボルト66が挿入されている。
内歯車71には連結バー56を介してアッパフォーク36が取付けられ、出力軸31にはロアフォーク32が接続される。
内歯車71と太陽歯車73とは、歯数の比が例えば2:1であり、内歯車71が回動すれば、内歯車71の回転は複数の中間歯車68を介して太陽歯車73に伝わり、内歯車71の回動角度に対して太陽歯車73の回動角度は2倍になる。
図5は、図2のV−V線断面図である。
歯車機構30において、一対の側板65,65間に複数のカラー67が配置された状態で、側板65,65及び複数のカラー67を貫通するボルト66と、このボルト66の先端にねじ結合されたナット75とにより、側板65,65が締結される。この結果、側板65,65間の距離が一定に保たれ、中間歯車68と側板65,65とのクリアランスが一定になり、中間歯車68の回転を安定させることができる。
一対の側板65,65は、複数の中間歯車68、内歯車71及び太陽歯車73を収納する歯車箱76を構成している。
側板65,65は、その外側面65cにアーム延長部35,35から把持装置20の幅方向内方に延びる筒部83,83が取付けられている。
上記のアーム延長部35、筒部83及び側板65は、それぞれ溶接されて一体的なブラケット80を構成し、左右一対のブラケット80,80に複数のカラー67を介して複数の中間歯車68が支持される。
内歯車71は、その側面71a,71aが一対の側板65,65に摺動可能に支持されている。側板65の内側面65aの外周側には環状のOリング溝65bが形成され、このOリング溝65bにOリング77が配置されて、側板65と内歯車71との間がシールされている。このように、Oリング77を設けることで、歯車箱76内に、土埃、泥、雨水等が入り込まないようにすることができ、歯車箱76内における歯車回動支持部分及び歯車噛み合い部分の摩耗等の影響を抑制することができる。
出力軸31は、その軸方向中央部に形成された雄スプライン72aと、軸方向両端部に軸直角方向に開けられたピン穴72b,72bとを備える。雄スプライン72aは、太陽歯車73に形成された雌スプライン73aとスプライン結合され、動力が伝達される。ピン穴72bは、出力軸31にロアフォーク32の側部フォーク単体45,45を取付ける際に、側部フォーク単体45,45にそれぞれ設けられたボス部45aが出力軸31から抜けないようにする抜け止めピン81を挿入する部分である。なお、符号45bはボス部45aに設けられたピン挿通穴、85は抜け止めピン81の抜け止めをする割りピン、86は出力軸31に相対回転可能に嵌合されるとともに側板65,65とボス部45a,45との間に配置された筒部材である。
以上に述べた把持装置20の作用を次に説明する。
図6は、把持装置20の作用を示す作用図であり、図6(A)は搬送物90を把持した状態を示す作用図、図6(B)は搬送物90の把持を解除した状態を示す作用図である。
図6(A)において、把持装置揺動シリンダ23を作動させ、ロッド33を押し出してアッパフォーク36を半時計回りに揺動させることで、アッパフォーク36と一体的に内歯車71が半時計回りに回動し、この内歯車71に噛み合う複数の中間歯車68がそれぞれ半時計回りに回転し、これらの中間歯車68に噛み合う太陽歯車73が時計回りに回動し、太陽歯車73と一体的に回動する出力軸31に取付けられたロアフォーク32が時計回りに揺動する。この結果、アッパフォーク36とロアフォーク32とで搬送物90が把持される。
また、搬送物90を把持した状態から、白抜き矢印に示すように、把持装置揺動シリンダ23のロッド33を引くことで、アッパフォーク36を矢印Aで示すように揺動させ、矢印Bで示すように歯車機構30の内歯車71を回動させる。これにより、各中間歯車68が矢印Cで示すように回転し、太陽歯車73及び出力軸31が、矢印Dで示すように一体的に回転する。これに伴い、出力軸31に取付けられたロアフォーク32が矢印Eに示すように揺動する。
図6(B)はアッパフォーク36及びロアフォーク32をそれぞれ揺動させて開いた状態を示している。アッパフォーク36は、図1に示した状態から上方へ揺動角度θ1(例えば、45°)、ロアフォーク32は、図1に示した状態から下方へ揺動角度θ2(例えば、90°)揺動している。ロアフォーク32の揺動角度θ2は、アッパフォーク36の揺動角度θ1よりも大きい。この結果、アッパフォーク36とロアフォーク32とで把持されていた搬送物90を下方へ容易に落下させることができる。従って、図1において、建設機械10のブーム16及びアーム18を揺動させて把持装置20を大きく下に向ける必要がなく、また、従来は建設機械のアームに振動を与えて搬送物の落下を促すこともあったが、本実施形態では、そのような操作も必要がなく、従来よりも作業性を格段に向上させることができる。
更に、内歯車71から太陽歯車73に動力が伝達されるときに、複数の中間歯車68に動力が分散して伝わるため、中間歯車68を小型にすることができる。従って、歯車機構30の外径、幅をより小さくして小型化を図ることができる。
上記の図1、図4〜図6に示したように、太陽歯車73と同心に環状の内歯車71を配置し、内歯車71と太陽歯車73との間の環状空間に複数の中間歯車68を介装した歯車機構30を備え、複数の中間歯車68は機器としての建設機械10等に取り付けられるブラケット80に回転自在に支持され、内歯車71を回転駆動させるアクチュエータとしての把持装置揺動シリンダ23を備え、把持装置揺動シリンダ23により回転駆動される内歯車71に第1部材としてのアッパフォーク36を取り付け、内歯車71の回転力が各中間歯車68を介して伝達される太陽歯車73にアッパフォーク36と協働して搬送物90等を把持する第2部材としてのロアフォーク32を取り付けた。
この構成によれば、複数の中間歯車68を介して内歯車71から太陽歯車73、又は太陽歯車73から内歯車71に伝えられる動力を複数の中間歯車68で分担することができ、中間歯車68を小型にできるため、歯車機構30の小型・コンパクト化を図ることができ、ひいては、把持装置20の小型・コンパクト化を図ることができ、把持装置20を小型の建設機械10に搭載することができる。
また、図5に示したように、歯車機構30は歯車箱76に収納され、歯車箱76を構成する一対の側板65と内歯車71との間にOリング77が設けられ、歯車箱76内がシールされるので、歯車箱76内に土埃、泥水、異物等が入り込むのを防止することができ、各歯車の摩耗を抑制することができて寿命を延ばすことができる。
また、図4に示したように、内歯車71と太陽歯車73との歯数の比率を変更することにより、アッパフォーク36とロアフォーク32との揺動角度の比率を変更可能としたので、把持される搬送物90等に応じて内歯車71と太陽歯車73との歯数の比率を変更することで、搬送作業を効率良く行うことができる。
また、図6に示したように、内歯車71よりも太陽歯車73の歯数が少ないために、内歯車71よりも太陽歯車73の回動角度を大きくすることができる。従って、アッパフォーク36とロアフォーク32とを接近させるとともにほぼ水平に配置した把持状態では、アッパフォーク36の下方にロアフォーク32が配置されているので、アッパフォーク36をほぼ水平な位置から上方に揺動させたときに、ロアフォーク32のほぼ水平な位置から下方への揺動の角度βをアッパフォーク36の上方への揺動の角度αよりも大きくすることができ、アッパフォーク36とロアフォーク32とで把持された搬送物90等を下方に容易に落下させることができる。
また、図1に示したように、第1部材及び第2部材は、建設機械10に備えるフォークとしてのアッパフォーク36及びロアフォーク32であるので、小型の建設機械10に把持装置20を搭載することができ、一対のアッパフォーク36及びロアフォーク32で把持した搬送物90を把持解除時に容易に落下させることができる。
また、把持装置20は、アッパフォーク36及びロアフォーク32を駆動させるモータを備えておらず、アーム18側に取付けられた把持装置揺動シリンダ23でアッパフォーク36及びロアフォーク32を揺動させるため、把持装置20の軽量化を図ることができる。従って、把持装置20をアーム18側に対して動かす際の動力を抑えることができる。
<第2実施形態>
図7は、建設機械100(第2実施形態)を示す側面図である。図1に示した第1実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
建設機械100は、第1実施形態の建設機械10(図1参照)に対して、アーム18の先端部に取付けられた把持装置としてのスケルトンバケット110のみが異なる。
即ち、建設機械100は、クローラ式走行装置11と、旋回装置12と、旋回体13と、ブーム16と、アーム18と、スケルトンバケット110と、ブームシリンダ21と、アームシリンダ22と、把持装置揺動シリンダ23とから主に構成されている。
図8は、スケルトンバケット110及びその取付構造を示す側面図である。
スケルトンバケット110は、例えば、搬送物に泥等が付着している場合に、搬送物を把持した状態で、その付着した泥等をふるい落とすことが可能な把持装置であり、アーム18の先端にブラケット80を介して取付けられた歯車機構30と、この歯車機構30の出力軸31側に取付けられたロアバケット112と、把持装置揺動シリンダ23に備えるロッド33の先端部に連結部材34を介して連結されるとともに歯車機構30の外周部側に取付けられたアッパバケット113とからなり、図示したようにロアバケット112とアッパバケット113とが閉じた状態では、ロアバケット112とアッパバケット113とで有底筒状の容器になる。
ロアバケット112は、出力軸31側に取付けられるロア基部115と、このロア基部115に一体に設けられたロアスケルトン部116とからなり、ロア基部115及びロアスケルトン部116のそれぞれの両側面は、それぞれプレート121,122で形成されている。
アッパバケット113は、歯車機構30の外周部(内歯車71(図4参照))側に取付けられるアッパ基部117と、このアッパ基部117に一体に設けられたアッパスケルトン部118とからなり、アッパ基部117及びアッパスケルトン部118のそれぞれの両側面は、それぞれプレート123,124で形成されている。
歯車機構30は、ロアバケット112とアッパバケット113とを複数の歯車を介して接続し、ロアバケット112を揺動させることで歯車機構30を介してアッパバケット113が揺動し、図に示したアッパバケット113とロアバケット112とが接近した状態(閉じた状態)から離間した状態(開いた状態)、又は離間した状態から接近した状態と変化して、搬送物の把持と把持解除とを可能にしている。
アッパバケット113とロアバケット112とで搬送物を把持し、アッパバケット113とロアバケット112との合わせ面がほぼ水平な状態から、アッパバケット113とロアバケット112とが揺動して開いたときには、歯車機構30によって、ロアバケット112の下方への揺動角度が、アッパバケット113の上方への揺動角度よりも大きくなり、第1実施形態の把持装置20(図1参照)と同様に、把持した搬送物を容易に落下させることができる。
図9は、図8のIX矢視図であり、スケルトンバケット110の背面を示している。
図8及び図9に示すように、ロアバケット112において、ロア基部115は、両側のプレート121,121間に底壁を形成するように断面円弧形状のバケットプレート126が取付けられ、ロアスケルトン部116は、両側のプレート122,122間に、穴の開いた底壁を形成するように縦に延びる側面視円弧形状の複数のリブ127と、これらのリブ127間に渡された複数のバー128と、複数のリブ127を連結するためにロアスケルトン部116の先端部に設けられた先端バー131とを備える。
図8に戻って、アッパバケット113において、アッパ基部117は、両側のプレート123,123(手前側のプレート123のみ図示)間に底壁を形成するように断面円弧形状のバケットプレート133が取付けられ、アッパスケルトン部118は、ロアスケルトン部116と同様に、両側のプレート124,124(手前側のプレート124のみ図示)間に、穴の開いた底壁を形成するように縦に延びる側面視円弧形状の複数のリブ134と、これらのリブ134間に渡された複数のバー136と、複数のリブ134を連結するためにアッパスケルトン部118の先端部に設けられた先端バー137とを備える。
このように、アッパバケット113及びロアバケット112は籠状に形成されているため、泥、水分等が付着した搬送物等を把持した場合に、籠の目から泥、水分等を容易に排出することができる。
以上の図7及び図8に示したように、第1部材及び第2部材は、建設機械100に備えるスケルトン型のバケットとしてのアッパバケット113及びロアバケット112であるので、小型の建設機械100に把持装置20を搭載することができ、一対のアッパバケット113及びロアバケット112で把持した搬送物90を把持解除時に容易に落下させることができる。
<第3実施形態>
図10は、把持装置150(第3実施形態)を示す断面図である。図1に示した第1実施形態と同一構成については同一符号を付け、詳細説明は省略する。
把持装置150は、アーム18(図1参照)の先端に着脱自在に取付けられたブラケット80と、このブラケット80に取付けられた歯車機構160と、この歯車機構160に備える上側出力軸161に取付けられるとともに連結部材34の先端部に支軸41を介して揺動自在に連結された複数のアッパフォーク162と、歯車機構160に備える下側出力軸164に取付けられた複数のロアフォーク165と、ワイヤー等を介して搬送物を釣り上げるために支軸41に揺動自在に取付けられたフック167とからなる。
歯車機構160は、歯車箱171と、この歯車箱171に回転自在に支持された上側出力軸161及び下側出力軸164と、歯車箱171内に配置されるとともに上側出力軸161に取付けられた上側歯車173と、歯車箱171内に配置されるとともに下側出力軸164に取付けられた下側歯車174とからなり、上側歯車173と下側歯車174とが噛み合っている。上側歯車173と下側歯車174とは同一形状の部品であり、歯数及び歯幅が同一なので、成形及び管理等のコストを下げることができる。
歯車箱171は、一対の側板65,65(奥側の側板65のみ図示)と、これらの側板65,65の周縁部に取付けられた外周壁部材176と、側板65,65と外周壁部材176との間をシールするOリング(不図示)とからなる。Oリングは、歯車箱171内に土埃、泥水、異物等が入り込むのを防止する部品である。
以上に述べた把持装置150の作用を次に説明する。
把持装置揺動シリンダ23(図6(A)参照)を作動させ、ロッド33(図6(A)参照)を押し出してアッパフォーク162を半時計回りに揺動させることで、アッパフォーク162と一体的に上側出力軸161を介して上側歯車173が半時計回りに回動し、この上側歯車173に噛み合う下側歯車174が時計回りに回動し、下側歯車174に下側出力軸164を介して取付けられたロアフォーク165が時計回りに揺動する。この結果、アッパフォーク162とロアフォーク165とが閉じて、アッパフォーク162とロアフォーク165とで搬送物90を把持することが可能になる。
また、搬送物90を把持した状態(図の状態)から、把持装置揺動シリンダ23のロッド33を引くことで、アッパフォーク162を時計回りに揺動させ、上側出力軸161を介して上側歯車173を時計回りに回動させる。これにより、下側歯車174が半時計回りに回動し、下側出力軸164を介してロアフォーク165が半時計回りに揺動する。この結果、アッパフォーク162とロアフォーク165とが開き、搬送物90の把持が解除されて搬送物90を落下させることが可能になる。
上側歯車173と下側歯車174とは歯数が同一であるため、上側出力軸161の断面中心を通る水平線181を基準としたときに上側出力軸161を中心にして上方へ揺動するアッパフォーク162の揺動角度θ3と、下側出力軸164の断面中心を通る水平線182を基準としたときに下側出力軸164を中心にして下方へ揺動するロアフォーク165の揺動角度θ4とを同一にすることができる。
上側歯車173及び下側歯車174の歯数を異ならせる、例えば、上側歯車1173に対して下側歯車174の歯数を少なくすれば、アッパフォーク162及びロアフォーク165を開いたときに、アッパフォーク162の揺動角度θ3に対してロアフォーク165の揺動角度θ4を大きくすることができ、ロアフォーク165をより下方まで揺動させることができて、把持していた搬送物90を容易に落下させることができる。
また、把持装置150は、アッパフォーク162及びロアフォーク165を駆動させるモータを備えておらず、アーム18側に取付けられた把持装置揺動シリンダ23でアッパフォーク162及びロアフォーク165を揺動させるため、把持装置150の軽量化を図ることができる。従って、把持装置150をアーム18(図1参照)側に対して動かす際の動力を抑えることができる。
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施形態において、図5では、出力軸31に雄スプライン72aを形成し、太陽歯車73に雌スプライン73aを形成して雄スプライン72aと雌スプライン73aとをスプライン結合するようにしたが、これに限らず、出力軸31に直接に太陽歯車73を取付けても良い。
また、図4では、内歯車71と太陽歯車73の歯数の比を2:1にした例を示したが、これに限らず、把持装置20の使用環境に応じて適宜変更しても良い。
また、図5に示したように、内歯車71と側板65との間をOリング77でシールするようにしたが、これに限らず、例えば、シールリップを有するオイルシールでシールしても良い。この場合、歯車箱76(図5参照)内に充填された潤滑油の洩れや、外部から歯車箱76内への異物の混入をオイルシールで防ぐことが可能である。
更に、本発明は、建設機械に限らず、土木、造園、管工事、農業、畜産業、林業、漁業、鉄鋼・製鉄業、造船業等の各種産業、工事や災害地の瓦礫処理、建築物の解体作業、ごみ処理等で使用される把持装置の他、挟持装置、搬送装置、ふるい装置に利用可能である。
10,100 建設機械、機器
20,150 把持装置
23 把持装置揺動シリンダ(アクチュエータ)
30 歯車機構
31 出力軸
32 ロアフォーク(第2部材)
36 アッパフォーク(第1部材)
65 側板
68 中間歯車
71 内歯車
73 太陽歯車
76 歯車箱
77 Oリング
80 ブラケット
90 搬送物
110 スケルトンバケット(把持装置)
112 ロアバケット(第2部材)
113 アッパバケット(第1部材)

Claims (7)

  1. 太陽歯車と同心に環状の内歯車を配置し、前記内歯車と前記太陽歯車との間の環状空間に複数の中間歯車を介装した歯車機構を備え、前記複数の中間歯車は機器等に取り付けられるブラケットに回転自在に支持され、
    前記内歯車を回転駆動させるアクチュエータを備え、
    前記アクチュエータにより回転駆動される前記内歯車に第1部材を取り付け、
    前記内歯車の回転力が前記中間歯車を介して伝達される前記太陽歯車に前記第1部材と協働して搬送物等を把持する第2部材を取り付けた、
    ことを特徴とする把持装置。
  2. 前記歯車機構は歯車箱に収納され、前記歯車箱を構成する一対の側板と前記内歯車との間にOリングが設けられ、前記歯車箱内がシールされることを特徴とする請求項1に記載の把持装置。
  3. 前記内歯車と前記太陽歯車との歯数の比率を変更することにより、前記第1部材と前記第2部材との揺動角度の比率を変更可能としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の把持装置。
  4. 前記第1部材と前記第2部材とを接近させるとともにほぼ水平に配置した把持状態では、前記第1部材の下方に前記第2部材が配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の把持装置。
  5. 前記第1部材及び前記第2部材は、建設機械に備えるフォークであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の把持装置。
  6. 前記第1部材及び前記第2部材は、建設機械に備えるスケルトン型のバケットであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の把持装置。
  7. 太陽歯車と同心に環状の内歯車を配置し、前記内歯車と前記太陽歯車との間の環状空間に複数の中間歯車を介装した歯車機構を備え、前記複数の中間歯車は建設機械等のアームに取り付けられるブラケットに回転自在に支持され、
    前記内歯車を回転駆動させるアクチュエータを備え、
    前記アクチュエータにより回転駆動される前記内歯車に第1部材を取り付け、
    前記内歯車の回転力が前記中間歯車を介して伝達される前記太陽歯車に前記第1部材と協働して搬送物等を把持する第2部材を取り付けた、
    ことを特徴とする建設機械。
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