JP5116141B2 - 塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物 Download PDF

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Description

本発明は、塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物に関し、詳しくは、ステアロイルベンゾイルメタンを含有するペースト状乃至液状の塩化ビニル樹脂用安定剤組成物、及び該安定剤組成物を含有する、主として、種々の樹脂部品等の成形材料として用いられる塩化ビニル系樹脂組成物に関する。
塩化ビニル系樹脂は、加熱成形加工を行う際に、主として脱塩化水素に起因する熱分解を起こしやすく、機械的性質の劣化や色調の悪化を生じるため、一種又は数種の熱安定剤を添加して使用されている。
この塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物の成分の一種として、色調の安定化に優れるβ−ジケトン化合物が用いられており、ジベンゾイルメタン又はステアロイルベンゾイルメタン(以下、SBM)が広く用いられている。特に前記SBMは、FDAに認可された衛生性に優れた安定剤成分であり、玩具などに用いられている。
一方、ハンドリング性の点から、ペースト状又は液状である安定剤組成物が求められている。粉末の安定剤成分や高粘度の安定剤成分をペースト状や液状の安定剤組成物として用いる方法としては、エポキシ化植物油やジ−2−エチルヘキシルフタレートなどの塩化ビニル樹脂用の安定剤や可塑剤として公知の液状物を、前記安定剤成分に配合する方法が知られている。しかしながら、このようにして得られたペースト状又は液状の安定剤組成物は、長期保存した場合や冬期において、流動性の悪化、固化、成分の沈殿、相分離が生じるなどの問題があった。
特にSBMを配合したペースト状安定剤は粘度が高くなる傾向にあるため、その流動性を向上させるために多量のエポキシ化大豆油などを配合する必要があった。このように希釈された安定剤を用いて十分な安定化効果を得るには、安定剤組成物を多量に配合する必要があるため、得られる塩化ビニル樹脂組成物の物性が低下する。そこで物性の低下を防いで配合量を制限した場合には、十分な色調の安定化ができないという問題があった。
従って本発明の第1の目的は、ハンドリング性に優れると共に、色調安定化効果の高い塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、色調の安定性に優れると共に、物性の低下が生じることのない、塩化ビニル系樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記の諸課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の脂肪酸メチルエステル少量のSBM及び金属系安定剤を配合することにより、低粘度のペースト状乃至液状の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物を得ることができることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、(A)炭素原子数12〜30の脂肪酸メチルエステル(B)ステアロイルベンゾイルメタン、及び、(C)金属系安定剤を含有する塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物であって、該組成物中の前記(A)成分の含有率が10〜80質量%、及び、前記(B)成分の含有率が1〜8質量%であることを特徴とする、ペースト状乃至液状の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物、及び該安定剤組成物を含有してなる塩化ビニル系樹脂組成物である。
本発明においては、上記(A)炭素原子数12〜30の脂肪酸メチルエステルの含有量が20〜80質量%であることが好ましい。また、上記(A)炭素原子数12〜30の脂肪酸メチルエステルとして、植物油脂肪酸メチルエステルを使用することが好ましく、特に、大豆油脂肪酸メチルエステルを使用することが好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物は、高い色調改善効果を有し、衛生性にも優れたSBMを含有するにも関わらず、低温時(−5〜10℃)に優れた流動性を有すると共に、長期保存性に優れ、低温保存後も固化や相分離などの経時変化が抑えられたペースト状乃至液状であるので、製造適性に優れると共に物性的にも優れた、塩化ビニル系樹脂組成物を得るのに好適である。
以下、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
本発明のペースト状乃至液状塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物は、(A)炭素原子数12〜30の脂肪酸メチルエステルを10〜80質量%、より好ましくは20〜80質量%、(B)ステアロイルベンゾイルメタン(SBM)を1〜8質量%、及び(C)金属系安定剤を必須成分として含有する、液体中に微細な固体粒子を懸濁させた組成物であり、流動性を有する。
上記の脂肪酸メチルエステルの含有量が、10質量%未満では流動性の改善効果が小さく、80質量%より多く含有すると、塩化ビニル系樹脂に対する可塑化効果が大きくなりすぎるので、得られる塩化ビニル系樹脂組成物の物性が低下したり、夏場などの高温環境下では、製品の表面に粘着性が発現するなどの不具合が発生する。特に、20質量%以上含有すると流動性の改善効果が大きく好ましい。また、前記ステアロイルベンゾイルメタンの含有量が、1質量%未満では色調の安定化効果が小さく、8質量%より多く配合すると流動性が低下してハンドリング性が悪くなる。
本発明で使用する炭素原子数12〜30の脂肪酸メチルエステルを構成する脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸などの、飽和又は不飽和の脂肪酸や、天然油脂を加水分解して得られる脂肪酸の混合物である大豆油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、桐油脂肪酸、菜種油脂肪酸、綿実油脂肪酸、獣脂脂肪酸、魚油脂肪酸などが挙げられる。
本発明においては、上記の脂肪酸メチルエステルとして、低温時の流動性に優れた植物油脂肪酸のメチルエステルを使用することが好ましく、特に大豆油脂肪酸のメチルエステルを使用することが、入手の容易さや低温時の流動性の観点から好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物を構成する金属系安定剤としては、少なくとも塩化ビニル系樹脂の安定剤として通常用いられる金属系安定剤のいずれかが用いられる他、更に、通常金属系安定剤と共に用いられる各種添加剤を用いることができる。
上記金属系安定剤としては、例えば、鉛系安定剤、有機酸金属塩、有機スズ安定剤及びこれらの複合安定剤などが挙げられる。
鉛系安定剤としては、例えば、鉛白、塩基性珪酸鉛、塩基性硫酸鉛、二塩基性硫酸鉛、三塩基性硫酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、シリカゲル共沈珪酸鉛、二塩基性フタル酸鉛、三塩基性マレイン酸鉛、サリチル酸鉛、ステアリン酸鉛、塩基性ステアリン酸鉛、二塩基性ステアリン酸鉛、ラウリン酸鉛、オクチル酸鉛、12−ヒドロキシステアリン酸鉛、ベヘニン酸鉛、ナフテン酸鉛などが挙げられる。
有機酸金属塩としては、カルボン酸、有機リン酸類又はフェノール類の金属(Li、Na、K、Mg、Ca、Ba、Sr、Zn、Sn、Alなど)塩などが用いられ、該カルボン酸としては、例えば、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、2−エチルヘキシル酸、カプリン酸、ネオデカン酸、ウンデシレン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、クロロステアリン酸、12−ケトステアリン酸、フェニルステアリン酸、リシノール酸、リノール酸、リノレイン酸、オレイン酸、アラキン酸、ベヘン酸、エルカ酸、ブラシジン酸及び類似酸並びに獣脂脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、桐油脂肪酸、大豆油脂肪酸、菜種油脂肪酸及び綿実油脂肪酸などの天然に産出する上記の酸の混合物、安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、エチル安息香酸、イソプロピル安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、サリチル酸、5−t−オクチルサリチル酸、ナフテン酸、シクロヘキサンカルボン酸等が挙げられる。
また、前記有機リン酸類としては、例えば、モノ又はジオクチルリン酸、モノ又はジドデシルリン酸、モノ又はジオクタデシルリン酸、モノ又はジ(ノニルフェニル)リン酸、ホスホン酸ノニルフェニルエステル、ホスホン酸ステアリルエステルなどが挙げられる。前記フェノール類としては、フェノール、クレゾール、エチルフェニル、シクロヘキシルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなどが挙げられる。
これらの有機酸金属塩は、正塩、酸性塩、塩基性塩あるいは過塩基性錯体であってもよい。
前記有機スズ系安定剤としては、例えば、メチルスタノイック酸、ブチルスタノイック酸、オクチルスタノイック酸、ジメチル錫オキサイド、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジメチル錫サルファイド、ジブチル錫サルファイド、ジオクチル錫サルファイド、モノブチル錫オキサイド・サルファイド、メチルチオスタノイック酸、ブチルチオスタノイック酸、オクチルチオスタノイック酸、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジステアレート、ジオクチル錫ジオレート、ジブチル錫塩基性ラウレート、ジブチル錫ジクロトネート、ジブチル錫ビス(ブトキシジエチレングリコールマレート)、ジブチル錫メチル・オクチル・ネオペンチルグリコールマレート、ジブチル錫イソオクチル・1,4−ブタンジオールマレート、ジブチル錫ジメタクリレート、ジブチル錫ジシンナメート、ジオクチル錫ビス(オレイルマレート)、ジブチル錫ビス(ステアリルマレート)、ジブチル錫イタコネート、ジオクチル錫マレート、ジメチル錫ジクロトネート、ジオクチル錫ビス(ブチルマレート)、ジブチル錫ジメトキシド、ジブチル錫ジラウロキシド、ジオクチル錫エチレングリコキシド、ペンタエリスリトール・ジブチル錫オキシド縮合物、ジブチル錫ビス(ラウリルメルカプタイド)、ジメチル錫ビス(ステアリルメルカプタイド)、モノブチル錫トリス(ラウリルメルカプタイド)、ジブチル錫−β−メルカプトプロピオネート、ジオクチル錫−β−メルカプトプロピオネート、ジブチル錫メルカプトアセテート、モノブチル錫トリス(イソオクチルメルカプトアセテート)、モノオクチル錫トリス(2−エチルヘキシルメルカプトアセテート)、ジブチル錫ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジオクチル錫ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジオクチル錫ビス(2−エチルヘキシルメルカプトアセテート)、ジメチル錫ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、ジメチル錫ビス(イソオクチルメルカプトプロピオネート)、モノブチル錫トリス(イソオクチルメルカプトプロピオネート)、ビス〔モノブチルジ(イソオクトキシカルボニルメチレンチオ)錫〕サルファイド、ビス〔ジブチルモノ(イソオクトキシカルボニルメチレンチオ)錫〕サルファイド、モノブチルモノクロル錫ビス(イソオクチルメルカプトプロピオネート)、モノブチルモノクロロ錫ビス(イソオクチルメルカプトアセテート)、モノブチルモノクロロ錫ビス(ラウリルメルカプタイド) 、ブチル錫ビス(エチルセロソルブマレート)、ビス(ジオクチル錫ブチルマレート)マレート、ビス(メチル錫ジイソオクチルチオグリコレート)ジサルファイド、ビス(メチル/ジメチル錫モノ/ジイソオクチルチオグリコレート)ジサルファイド、ビス(メチル錫ジイソオクチルチオグリコレート)トリサルファイド、ビス(ブチル錫ジイソオクチルチオグリコレート)トリサルファイド、2−ブトキシカルボニルエチル錫トリス(ブチルチオグリコレート)などが挙げられる。
前記金属系安定剤の含有量は、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物中の20〜50質量%であることが必要であり、30〜40質量%であることがより好ましい。
本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物には、通常塩化ビニル系樹脂に用いられている可塑剤を、本発明の効果を損なわない範囲で、適宜使用することができる。上記可塑剤としては、例えば、ジブチルフタレート、ブチルヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジラウリルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルテレフタレートなどのフタレート系可塑剤;ジオクチルアジペート、ジイソノニルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジ(ブチルジグリコール)アジペートなどのアジペート系可塑剤;トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、トリ(イソプロピルフェニル)ホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリ(ブトキシエチル)ホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどのホスフェート系可塑剤;多価アルコールとして、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコールなどと、二塩基酸として、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などとを用い、必要により一価アルコール、モノカルボン酸をストッパーに使用したポリエステル系可塑剤;その他、テトラヒドロフタル酸系可塑剤、アゼライン酸系可塑剤、セバチン酸系可塑剤、ステアリン酸系可塑剤、クエン酸系可塑剤、トリメリット酸系可塑剤、ピロメリット酸系可塑剤、ビフェニレンポリカルボン酸系可塑剤などが挙げられる。上記可塑剤を添加する場合の含有量は、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物中の20〜80質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。
また、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物には、更に、塩化ビニル系樹脂用添加剤として通常用いられている各種添加剤、例えば、有機ホスファイト化合物、フェノール系又は硫黄系抗酸化剤、ハイドロタルサイト化合物、エポキシ化合物、ポリオール化合物、β−ジケトン化合物、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤、充填剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で添加することもできる。
上記有機ホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノ、ジ混合ノニルフェニル)ホスファイト、ジフェニルアシッドホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ジフェニルデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリ(2−エチルヘキシル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、ジブチルアシッドホスファイト、ジラウリルアシッドホスファイト、トリラウリルトリチオホスファイト、ビス(ネオペンチルグリコール)・1,4−シクロヘキサンジメチルジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、フェニル−4,4’−イソプロピリデンジフェノール・ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(C12〜15混合アルキル)−4,4’−イソプロピリデンジフェニルジホスファイト、水素化−4,4’−イソプロピリデンジフェノールポリホスファイト、ビス(オクチルフェニル)・ビス〔4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)〕・1,6−ヘキサンジオール・ジホスファイト、テトラトリデシル・4,4’−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)・1,1,3−トリス(2−メチル−5−第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン・トリホスファイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2−ブチル−2−エチルプロパンジオール・2,4,6−トリ第三ブチルフェノールモノホスファイトなどが挙げられる。上記有機ホスファイト化合物を添加する場合の含有量は、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物中の5〜70質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましい。
前記フェノール系抗酸化剤としては、例えば、2,6−ジ第三ブチル−p−クレゾール、2,6−ジフェニル−4−オクタデシロキシフェノール、ステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ジステアリル(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ホスホネート、チオジエチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2−オクチルチオ−4,6−ジ(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェノキシ)−s−トリアジン、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−第三ブチルフェノール)、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェノール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)ブロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン、2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−アクリロイルオキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェノール、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン−ビス〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−ブチルフェニル)プロピオネート〕、トリエチレングリコールビス〔β−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕などが挙げられる。
上記フェノール系抗酸化剤を添加する場合の含有量は、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物中の1〜20質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。
前記硫黄系抗酸化剤としては、例えば、チオジプロピオン酸のジラウリル、ジミリスチル、ミリスチルステアリル、ジステアリルエステルなどのジアルキルチオジプロピオネート類、及びペンタエリスリトールテトラ(β−ドデシルメルカプトプロピオネート)などのポリオールのβ−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類などが挙げられる。
上記硫黄系抗酸化剤を添加する場合の含有量は、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物中の1〜20質量%であることが好ましく、5〜10質量%であることがより好ましい。
前記ハイドロタルサイト化合物としては、下記一般式(I)で表される、マグネシウムとアルミニウム、又は亜鉛、マグネシウム及びアルミニウムからなる複塩化合物が好ましく用いられる。これらは、結晶水を脱水したものであってもよい。

Mgx1Znx2Al2・(OH)2(x1+x2)+4・(CO31-y/2(ClO4)y・mH2O(I)

式中のx1、x2及びyは、各々下記式で表される条件を満足する数を表し、mは0又は任意の整数を表す。0≦x2/x1<10、2≦(x1+x2)<20、0≦y≦2。
上記ハイドロタルサイト化合物は、天然物であっても合成品であってもよい。該合成品の合成方法としては、特公昭46−2280号公報、特公昭50−30039号公報、特公昭51−29129号公報、特公平3−36839号公報、及び特開昭61−174270号公報などに記載された公知の方法を例示することができる。また、本発明においては、上記ハイドロタルサイト化合物の結晶構造、結晶粒子径などに制限されることなく使用することが可能である。
また、上記ハイドロタルサイト化合物としては、その表面を、ステアリン酸のような高級脂肪酸、オレイン酸アルカリ金属塩のような高級脂肪酸金属塩、ドデシルベンゼンスルホン酸アルカリ金属塩のような有機スルホン酸金属塩、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸エステル又はワックスなどで被覆したものを使用することもできる。
上記ハイドロタルサイト化合物の含有量は、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物中の1〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。ハイドロタルサイト化合物の量が20質量%を超えると、長期保存時に相分離する可能性があるため好ましくない。
前記エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシ化桐油、エポキシ化魚油、エポキシ化牛脂油、エポキシ化ヒマシ油、エポキシ化サフラワー油などのエポキシ化動植物油、エポキシ化ステアリン酸メチル、−ブチル、−2−エチルヘキシル、−ステアリルエステル、エポキシ化ポリブタジエン、トリス(エポキシプロピル)イソシアヌレート、エポキシ化トール油脂肪酸エステル、エポキシ化アマニ油脂肪酸エステル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビニルシクロヘキセンジエポキサイド、ジシクロヘキセンジエポキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエポキシシクロヘキサンカルボキシレートなどのエポキシ化合物などが挙げられる。
上記エポキシ化合物を添加する場合の含有量は、本発明の塩化ビニル系樹脂組成物中の0.5〜20質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
前記ポリオール化合物としては、例えば、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのステアリン酸ハーフエステル、ビス(ジペンタエリスリトール)アジペート、グリセリン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
前記ポリオール化合物を添加する場合の含有量は、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物中の1〜50質量%であることが好ましく、5〜30質量%であることがより好ましい。
前記β−ジケトン化合物としては、例えば、アセチルアセトン、トリアセチルメタン、2,4,6−ヘプタトリオン、ブタノイルアセチルメタン、ラウロイルアセチルメタン、パルミトイルアセチルメタン、ステアロイルアセチルメタン、フェニルアセチルアセチルメタン、ジシクロヘキシルカルボニルメタン、ベンゾイルホルミルメタン、ベンゾイルアセチルメタン、ジベンゾイルメタン、オクチルベンゾイルメタン、ビス(4−オクチルベンゾイル)メタン、ベンゾイルジアセチルメタン、4−メトキシベンゾイルベンゾイルメタン、ビス(4−カルボキシメチルベンゾイル)メタン、2−カルボキシメチルベンゾイルアセチルオクチルメタン、デヒドロ酢酸、シクロヘキサン−1,3−ジオン、3,6−ジメチル−2,4−ジオキシシクロヘキサン−1カルボン酸メチル、2−アセチルシクロヘキサノン、ジメドン、2−ベンゾイルシクロヘキサンなどが挙げられる。
また本発明においては、これらβ−ジケトン化合物の金属塩を使用することもできる。該β−ジケトン金属塩を提供し得る金属種としては、例えば、リチウム、ナトリウム及びカリウム等のアルカリ金属;マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム及びバリウム等のアルカリ土類金属;亜鉛、アルミニウム、錫、アルキル錫などが挙げられる。
上記β−ジケトン化合物を添加する場合の含有量は、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物中の0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)などの2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−ベンゾトリアゾリル)フェノール、2−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾールのポリエチレングリコールエステルなどの、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなどのベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリドなどの置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β,β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどのシアノアクリレート類などが挙げられる。
上記紫外線吸収剤を添加する場合の含有量は、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物中の0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
前記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラエチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/ジブロモエタン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イルアミノ〕ウンデカンなどのヒンダードアミン化合物が挙げられる。上記ヒンダードアミン系光安定剤を添加する場合の含有量は、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物中の0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜5質量%であることがより好ましい。
前記充填剤の具体例としては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、炭酸亜鉛、硫化亜鉛、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミナけい酸ナトリウム、ハイドロタルサイト、ハイドロカルマイト、けい酸アルミニウム、けい酸マグネシウム、けい酸カルシウム、ゼオライト等のけい酸金属塩、活性白土、タルク、クレイ、ベンガラ、アスベスト、三酸化アンチモンなどが挙げられる。
上記充填剤を添加する場合の含有量は、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物中の5〜50質量%であることが好ましく、10〜30質量%であることがより好ましい。
また、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物には、塩化ビニル系樹脂に通常使用される安定化助剤を、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。かかる安定化助剤としては、例えば、ジフェニルチオ尿素、アニリノジチオトリアジン、メラミン、安息香酸、ケイヒ酸、p−第三ブチル安息香酸、ゼオライト、過塩素酸塩などが挙げられる。
その他、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物には、必要に応じて塩化ビニル系樹脂に通常使用される添加剤、例えば、架橋剤、帯電防止剤、防曇剤、プレートアウト防止剤、表面処理剤、滑剤、難燃剤、蛍光剤、防黴剤、殺菌剤、発泡剤、金属不活性剤、離型剤、顔料、加工助剤、酸化防止剤、光安定剤等を、本発明の効果を損なわない範囲で添加することができる。
また、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物は、塩化ビニル系樹脂の加工方法とは無関係に使用することが可能であり、例えば、ロール加工、押出成型加工、溶融流延法、加圧成型加工等に好適に使用することができる。
本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物は、低温時(−5〜10℃)の流動性、及び、低温状態で長期保存した後の流動性が良好であり、固化や相分離することがない。もちろん高温状態における長期保存によっても、固化や相分離することはない。
本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物を添加した本発明の塩化ビニル系樹脂組成物は、例えば、壁材、床材、窓枠、壁紙などの建材;電線被覆材;自動車用内外装材;ハウス、トンネルなどの農業用資材;ラップ、トレイなどの食品包装材;塗料、ホース、パイプ、シート、玩具などの雑貨・日用品;衛生材料など、種々の用途に用いることができる。特に、本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物が、無毒である大豆油を使用している場合には、食品・衛生用途や玩具、日用品等に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
尚、実施例は、本発明のペースト状である塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物の調製及びそれらの評価、並びに該塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物を含有する塩化ビニル系樹脂組成物の調製及びそれらの評価を示し、比較例は、比較塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物の調製及びその評価、並びに該比較塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物を含有する比較塩化ビニル系樹脂組成物の調製及びその評価を示す。また、実施例中の「部」や「%」は質量基準によるものである。
〔実施例1〜3、比較例1〕
表1に示した配合で、本発明のペースト状塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物及び比較塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物を調製した。
得られた安定剤組成物について、25℃での粘度を測定して流動性を評価した結果を表1に示す。
更に、上記安定剤組成物を含有する塩化ビニル系樹脂組成物を、以下のように配合して調製した。
<配合>
塩化ビニル樹脂(重合度700) 100質量部
ジオクチルフタレート 40質量部
エポキシ化大豆油 3質量部
安定剤組成物(表1;表1の配合の基準は質量部) 1.5質量部
この塩化ビニル系樹脂組成物について170℃でカレンダー加工を行い、0.7mm厚のシートを作製した。該シートを190℃のギヤーオーブンに入れて黒化時間(分)を測定した。また、0.7mm厚の上記シートを張り合わせて180℃で5分又は30分間プレス加工を行い、2mm厚のシートをそれぞれ作製した。得られたこれらのシートについて、プレス着色性として黄色度(Y.I)を測定した。安定剤組成物中の粉末成分の比率を揃えるため、Ca/Zn系粉末安定剤とSBMの合計量を、安定剤組成物の43.2質量%と一定にした。結果を表1に示す。
実施例1、2、3の場合には、粘度が25,000以下であるためペーストとして取り扱えるが、比較例1、2の場合には粘度が30,000を超えており、流動性が乏しいため、ペースト状の安定剤としては取り扱えない。このことから、液状成分として本発明の特定の脂肪酸メチルエステルを配合することにより、流動性に優れたペースト状安定剤が得られたことが明らかである。また、実施例2と比較例3の比較から、本発明の場合と液状成分が同じ安定剤組成物であっても、SBMの配合量が多くなると流動性が急激に低下することが明らかであり、この場合には、樹脂組成物の190℃における黒化時間が短く、プレス着色評価でも本発明より劣っている。更に、実施例1と比較例4の比較から、SBMの使用量が少な過ぎると着色評価が低下することが明らかである。これらの実施例及び比較例から、本発明における特定範囲の配合量でSBMを用い、特定の脂肪酸メチルエステルを一定量に配合した場合にのみ、優れた流動性と着色改良効果を持つ、ペースト状塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物が得られることが明らかである。
なお、プロピオン酸メチルなどの低分子量化合物は、樹脂の加熱加工時に揮発してガスとなるため特に比較実験は行わず、ペースト状安定剤組成物の液状成分として汎用されるエポキシ化大豆油のみを比較対象とした。
本発明の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物は、高い色調改善効果を有し、低温時(−5〜10℃)に優れた流動性を有すると共に、長期保存性に優れ、低温保存後も固化や相分離などの経時変化が抑えられたペースト状乃至液状であるので、製造適性に優れると共に、物性的にも優れた塩化ビニル系樹脂組成物を得るのに好適である。

Claims (5)

  1. (A)炭素原子数12〜30の脂肪酸メチルエステル(B)ステアロイルベンゾイルメタン、及び、(C)金属系安定剤を含有する塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物であって、該組成物中の前記(A)成分の含有率が10〜80質量%、及び、前記(B)成分の含有率が1〜8質量%であることを特徴とする、ペースト状乃至液状の塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物。
  2. 前記(A)炭素原子数12〜30の脂肪酸メチルエステルの含有量が20〜80質量%である、請求項1に記載された塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物。
  3. 前記(A)炭素原子数12〜30の脂肪酸メチルエステルが植物油脂肪酸メチルエステルである、請求項1又は2に記載された塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物。
  4. 前記植物油脂肪酸メチルエステルが大豆油脂肪酸メチルエステルである、請求項3に記載された塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載された塩化ビニル系樹脂用安定剤組成物を含有することを特徴とする、塩化ビニル系樹脂組成物。
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