JP5115761B2 - 屈曲性和紙調不燃シート - Google Patents
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Description
前記難燃性不織布層と、前記難燃樹脂接着層とが、互に部分的に接着して、これら両層間に接着部と非接着部とを形成しており、前記接着部及び非接着部のいずれか一方が、互に離間して分布する多数の離間分布域において形成され、かつ、他方が、前記離間分布域を取り囲む連続域において形成されており、
前記非接着部の合計面積の、前記接着部と前記非接着部との総合計面積に対する比が、5〜30%の範囲内にある
ことを特徴とするものである。
本発明の屈曲性和紙調不燃シートにおいて、前記難燃性不織布層の、前記難燃樹脂接着層に対向している内面側に、前記非接着部の面積及び形状に対応する凹部が形成されていることが好ましい。
本発明の屈曲性和紙調不燃シートにおいて、前記難燃性不織布層が、その合計質量に対して50〜92質量%のセルロース繊維成分と、3〜15質量%の難燃剤とを含むことが好ましい。
本発明の屈曲性和紙調不燃シートにおいて、前記無機長繊維織物層が、ガラス長繊維及びシリカ長繊維から選ばれた1種以上を含むことが好ましい。
本発明の屈曲性和紙調不燃シートにおいて、前記難燃樹脂接着層の質量の、前記無機長繊維織物層及び前記難燃性不織布層の合計質量に対する比が5〜60%の範囲内にあることが好ましい。
本発明の屈曲性和紙調不燃シートは、JIS Z 8722に準拠して測定された15%以上50%以下の光線透過率を有することが好ましい。
本発明の屈曲性和紙調不燃シートは、輻射電気ヒーターを用いて、熱流密度が50kw/m2の輻射熱を照射する発熱性試験(ISO 5660 part1に準拠)に供したとき、加熱開始から20分後までの総発熱量が8MJ/m2以下であり、かつ加熱開始から20分後までの間において、最高発熱速度が、10秒間以上継続して、上限値200kw/m2を超えない燃焼特性を示すことが好ましい。
a=K/N-0.7 (1)
[但し、Kは経糸または緯糸の、下記式(2)により表されるカバーファクターを表し、
K=n/√N (2)
nは、無機長繊維織物の経及び緯方向長さ1インチ当たりの経糸または緯糸の密度を表し、Nは経糸または緯糸のtex繊度を表す]
が60以上であることが好ましい。特性値aが60未満であると、火災により膜材が燃焼した場合、膜材に空隙が発生し、遮煙性や遮炎性の維持が困難になる。
基布用織布としてガラス繊維布帛を用いる場合、このガラス繊維織布を構成するガラス繊維糸条にサイジング処理が施されていてもよい、またヒートクリーニング処理等でサイジングが除かれたものを用いてもよい。サイジング剤としては、デンプン、コーンスターチなどの親水性サイジング剤やプラスチックサイジング剤など疎水性サイジング剤の何れの処理剤であってもよい。
前記非接着部の合計面積の、前記接着部と前記非接着部との総合計面積に対する比(以下非接着部の占有比と記す)が、5〜30%の範囲内にある。非接着部の合計面積の占有比5〜30%を確保する手段としては、難燃性不織布の抄造時に用いる漉簀(すきす)に、例えば、図3に示された説明図のように、難燃性不織布製造用漉簀9に所望のパターンに従って、所定寸法、形状の多数の凸部10を設けておき、このような漉簀9を用いて抄紙すると、得られた不織布の、漉簀に接する表面側に、漉簀9の凸部に対応する凹部が形成され、得られた不織布の漉簀に接しない裏面側に、漉簀の凸部に対応する凸部が形成される。漉簀9上に形成される多数の凸部の形状、寸法、分布、個数はデザインされた所望のパターンに従って設定することができる。図1に示されているように、このようにして得られた難燃性不織布1には多数の凹部3が、互に離間して分非連続に分布し、これらの凹部3は、連続した凸部2によって取り囲まれている。上記の漉簀を用いて製造された難燃性不織布は、その凹部を有する面を、無機長繊維織物層上の難燃樹脂接着層に、重ね合せて押圧、接着操作を施すと、難燃性不織布と、難燃樹脂接着層とは、部分的に接着し、前記難燃性不織布の接合面の凹部は、互に離間して分布している多数の非接着部を形成し、かつ前記離間分布している非接着部と取り囲む連続接着部を形成する。非接着部の占有比を5〜30%の範囲内にするためには、漉簀9に設ける凸部10の寸法、形状、分布、個数を所望占有比に適合するように適宜に設定すればよい。上記凸部10を有する漉簀を用いて、製造された凹凸を有する難燃性不織布において、凹凸形成により不織布中の繊維分布密度はほぼ均一である。
(1)耐屈曲性評価
JIS−P−8115 紙及び板紙のMIT型試験機による耐折り強さ試験方法にて、試験片に9.8Nの荷重を掛け、500回折り曲げた。折り曲げ部分を目視観察し異常の有無を判断した。樹脂層の耐久性が劣る場合、無機繊維基布が損傷をうける、損傷が大きい時には基布の破断が起こる。表面紙層と接着層の接着力が不十分であると、表面紙層と接着層間で剥離が生じ建築材料としては使い勝手に劣るものとなる。
(2)光線透光率評価
JIS−Z−8722に準拠し、ミノルタ(株)製分光測色計CM−3600dを用いて条件g、C光源、2度視野にて測定を行った。
(3)燃焼性評価
ISO 5660 part1に準拠するコーンカロリーメーターを用いる発熱性試験において輻射電気ヒーターを用いて50kW/m2の輻射熱を照射し、加熱開始後20分間の総発熱量と加熱開始後20分間、発熱速度が継続して200kW/m2を超え時間を測定し、目視で燃焼後のサンプルを評価した。
評価基準及び表示は、下記のとおりである。
総発熱量 8MJ/m2以下:〇 8MJ/m2超えるもの:×
発熱速度 発熱量200kW/m2を超える時間が10秒未満:〇
発熱量200kW/m2を超える時間が10秒以上:×
総発熱量が8MJ/m2超えるものや発熱速度において発熱量200kW/m2を超える時間が10秒以上のものは延焼防止性に乏しく、また燃焼後にピンホールが発生するものは遮炎性や遮煙性に乏しくこれも延焼防止性が不十分となり、建築基準法における不燃材料を満たすことができない。
無機長繊維による織物として、下記の織り組織を有するガラス織物を使用した。このガラス織物の質量は215g/m2であり、前記式(1)により表される特性値aは経:103.8、緯:77.9であった。
67.5dtex×67.5dtex
44.7×33.5(本/25.4mm)
この基布の片面に、下記難燃樹脂接着層用配合物をコンマコーターによりコーティング加工し、180℃で1分間熱処理することにより質量60g/m2の難燃樹脂接着層を形成した。
<難燃樹脂層配合>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(ジオクチルフタレート、可塑剤) 65質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 15質量部
エポキシ化大豆油 2.0質量部
Ba−Zn系安定剤 1.5質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
次いで、下記組成からなる質量85g/m2難燃性不織布を、加圧面に、図4(B)(a)に記載のパターンの凹凸が形成されている加熱加圧板を用い、160℃の温度、圧着圧2Paで1分間圧着して難燃樹脂接着層に積層した。但し、このときの難燃樹脂層と難燃性不織布シート間の非接着部の合計占有比が15%になるように、上記凹凸配置パターンを調節した。
<難燃性不織布組成>
パルプ由来セルロース 80質量部
楮由来セルロース 10質量部
デンプン糊 5質量部
ホウ酸アルミニウム 5質量部
得られた和紙調不燃シートの全質量に対する難燃樹脂接着層の付着割合は16.7%であった。評価結果を表1に示す。
無機長繊維による織物として、下記の織り組織を有するガラス織物を使用した。このガラス織物の質量は215g/m2であり、特性値aは経:103.8、緯:77.9であった。
67.5dtex×67.5dtex
44.7×33.5(本/25.4mm)
この基布を下記難燃樹脂層配合中に浸漬し、マングルで絞り基布の両面に難燃樹脂接着層用組成物をコーティング加工し、180℃で1分間熱処理することにより質量120g/m2の難燃樹脂接着層を形成した。
<難燃樹脂接着層配合>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(ジオクチルフタレート、可塑剤) 65質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 15質量部
エポキシ化大豆油 2.0質量部
Ba−Zn系安定剤 1.5質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
次いで、下記組成からなる質量85g/m2難燃性不織布を、加圧面に図4(B)(a)に記載のパターンの凹凸を有する加熱加圧板を用いて、160℃の温度、圧着圧2Paで1分間圧着して難燃樹脂接着層の片面に積層した。但し、このときの難燃樹脂層と難燃不織布シートとの間の非接着部の合計占有比が15%になるように前記凹凸配置パターンを調節した。
<難燃性不織布組成>
パルプ由来セルロース 80質量部
楮由来セルロース 10質量部
デンプン糊 5質量部
ホウ酸アルミニウム 5質量部
得られた和紙調不燃シートの全質量に対する難燃樹脂接着層の付着割合は28.6%であった。評価結果を表1に示す。
無機長繊維による織物として、下記の織り組織を有するガラス織物を使用した。このガラス織物の質量は215g/m2であり、特性値aは経:103.8、緯:77.9であった。
67.5dtex×67.5dtex
44.7×33.5(本/25.4mm)
この基布を下記難燃樹脂接着層用配合物中に浸漬し、マングルで絞り基布の両面に難燃樹脂層をコーティング加工し、180℃で1分間熱処理することにより質量143g/m2の難燃樹脂接着層を形成した。
<難燃樹脂接着層配合>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(ジオクチルフタレート、可塑剤) 65質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 15質量部
エポキシ化大豆油 2.0質量部
Ba−Zn系安定剤 1.5質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
次いで、下記組成からなる質量55g/m2難燃性不織布を、加圧面に図4(B)(e)に記載のパターンの凹凸が形成されている加熱加圧板を用いて、160℃の温度、圧着圧2Paで1分間圧着して難燃樹脂層の両面に積層した。但し、このときの難燃樹脂接着層と難燃性不織布シート間の非接着部の合計占有比が10%になるように前記凹凸配置パターンを調節した。
<難燃性不織布組成>
パルプ由来セルロース 90質量部
デンプン糊 5質量部
ホウ酸アルミニウム 5質量部
得られた和紙調不燃シートの全質量に対する難燃樹脂層の付着割合は34.6%であった。評価結果を表1に示す。
無機長繊維による織物として、下記の織り組織を有するガラス織物を使用した。このガラス織物の質量は215g/m2であり、特性値aは経:103.8、緯:77.9であった。
67.5dtex×67.5dtex
44.7×33.5(本/25.4mm)
この基布を下記難燃樹脂層配合中に浸漬し、マングルで絞り基布の両面に難燃樹脂接着層をコーティング加工し、180℃で1分間熱処理することにより質量143g/m2の難燃樹脂接着層を形成した。
<難燃樹脂接着層配合>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(ジオクチルフタレート、可塑剤) 65質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 30質量部
酸化チタン 5質量部
エポキシ化大豆油 2.0質量部
Ba−Zn系安定剤 1.5質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
次いで、下記組成からなる質量55g/m2難燃性不織布を、加圧面に図4(B)(e)に記載のパターンの凹凸が形成されている加熱加圧板を用いて、160℃の温度、圧着圧2Paで1分間圧着して難燃樹脂接着層の両面に積層した。但し、このときの難燃樹脂接着層と難燃性不織布間の非接着部の合計占有比が10%になるように前記凹凸配置パターンを調節した。
<難燃性不織布組成>
パルプ由来セルロース 85質量部
デンプン糊 5質量部
ホウ酸アルミニウム 5質量部
酸化チタン 5質量部
得られた、和紙調不燃シートの全質量に対する難燃樹脂層の付着割合は30.6%であった。難燃樹脂接着層中の酸化チタンの添加により白度の高いものとなったが、光線透過率は8%であった。評価結果を表1に示す。
無機長繊維による織物として、下記の織り組織を有するガラス織物を使用した。このガラス織物の質量は215g/m2であり、特性値aは経:103.8、緯:77.9であった。
67.5dtex×67.5dtex
44.7×33.5(本/25.4mm)
この基布の片面に、下記難燃樹脂接着層用配合物をコンマコーターによりコーティング加工し、180℃で1分間熱処理することで質量30g/m2の難燃樹脂接着層を形成した。
<難燃樹脂接着層配合>
ウレタン系樹脂(固形分:38質量%) 100質量部
((株)ADEKA製、商標;アデカボンタイターHUX−380)
メラミンシアヌレート 30質量部
トリイソプロピルベンゼンカルボジイミド 3.0質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
次いで、下記組成からなる質量85g/m2難燃不織布を、加熱面に図4(B)(g)に記載のパターンの凹凸が形成されている加熱加圧板を用いて、160℃の温度、圧着圧2Paで1分間圧着して難燃樹脂接着層に積層した。但し、このときの難燃樹脂接着層と難燃性不織布間の非接着部の合計占有比は15%になるように前記凹凸配置パターンを調節した。
<難燃性不織布組成>
パルプ由来セルロース 90質量部
デンプン糊 5質量部
ホウ酸アルミニウム 5質量部
得られた和紙調不燃シートの質量に対する難燃樹脂層の付着割合は9.1%であった。評価結果を表1に示す。
無機長繊維による織物として、下記の織り組織を有するガラス織物を使用した。このガラス織物の質量は215g/m2であり、特性値aは経:103.8、緯:77.9であった。
67.5dtex×67.5dtex
44.7×33.5(本/25.4mm)
この基布の片面に、下記難燃樹脂接着層配合をコンマコーターによりコーティング加工し、180℃で1分間熱処理することで質量30g/m2の難燃樹脂接着層を形成した。
<難燃樹脂接着層配合>
ウレタン系樹脂(固形分:30質量%) 100質量部
(日本ポリウレタン工業(株)製、商標;ニッポラン5111)
メラミンシアヌレート 30質量部
コロネートHL 3.0質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
次いで、下記組成からなる質量85g/m2難燃性不織布を、加圧面に図4(B)(g)に記載のパターンの凹凸が形成されている加熱加圧板を用いて、160℃の温度、圧着圧2Paで1分間圧着して難燃樹脂接着層に積層した。但し、このときの難燃樹脂接着層と難燃性不織布間の非接着部の合計占有比は15%になるように前記凹凸配置パターンを調節した。
<難燃性不織布組成>
パルプ由来セルロース 80質量部
三椏由来セルロース 10質量部
デンプン糊 5質量部
ホウ酸アルミニウム 5質量部
得られた和紙調不燃シートの質量に対する難燃樹脂層の付着割合は9.1%であった。評価結果を表1に示す。
実施例1と同様にして和紙調不燃シートを作製した。但し、下記難燃樹脂層配合をコンマコーターによりコーティング加工し、160℃で1分間熱処理することにより質量30g/m2の難燃樹脂接着層を形成した。
<難燃樹脂接着層配合>
エチレン−酢酸ビニル系共重合樹脂(固形分:55質量%) 100質量部
(住化ケムテックス(株)製、商標;スミカフレックス400HQ)
リン酸アンモニウム 30質量部
トリイソプロピルベンゼンカルボジイミド 3.0質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
但し、このときの難燃樹脂層と難燃不織布シート間の非接着部の占有比が15%になるように前記凹凸配置パターンを調節した。
得られた和紙調不燃シートの質量に対する難燃樹脂接着層の付着割合は9.1%であった。評価結果を表1に示す。
実施例1と同様にして和紙調不燃シートを作製した。但し、難燃性不織布の抄造時に図4(B)(b)に記載の凹凸配置パターンを有する漉簀を用いて50μの凹凸高低差を持つ凹部の占有比25%に調整した。このときの難燃樹脂層と難燃不織布シート間非接着部の占有比は25%であった。得られた、和紙調不燃シートの質量に対する難燃樹脂層の付着割合は16.7%であった。評価結果を表1に示す。
実施例1と同様にして和紙調不燃シートを作製した。但し、下記組成からなる質量85g/m2の難燃性不織布を160℃の温度、圧着圧2Paで1分間圧着して難燃樹脂接着層に積層した。このときの難燃樹脂層と難燃不織布シート間の非接着部の占有比は20%であった。
<難燃性不織布組成>
パルプ由来セルロース 60質量部
ポリエステル綿 20質量部
楮由来セルロース 10質量部
デンプン糊 5質量部
リン酸アンモニウム 5質量部
得られた和紙調不燃シートの質量に対する難燃樹脂接着層の付着割合は16.7%であった。評価結果を表1に示す。
無機長繊維によるシート状織物として、下記の織り組織を有するガラス織物を使用した。このガラス織物の質量は325g/m2であり、特性値aは経:84.0、緯:73.2であった。
135dtex×135dtex
31.5×27.4(本/25.4mm)
この基布の片面に、下記難燃樹脂接着層用配合物をコンマコーターによりコーティング加工し、180℃で1分間熱処理することで質量80g/m2の難燃樹脂接着層を形成した。
<難燃樹脂接着層配合>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(ジオクチルフタレート、可塑剤) 65質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 15質量部
エポキシ化大豆油 2.0質量部
Ba−Zn系安定剤 1.5質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
次いで、下記組成からなる質量75g/m2難燃性不織布を、加圧面に、図4(B)(a)に記載のパターンの凹凸を有する加熱加圧板を用いて、160℃の温度、圧着圧2Paで1分間圧着して難燃樹脂接着層に積層した。但し、このときの難燃樹脂接着層と難燃性不織布間の非接着部の占有比が15%になるように、前記凹凸配置パターンを調節した。
<難燃性不織布組成>
パルプ由来セルロース 80質量部
楮由来セルロース 10質量部
デンプン糊 5質量部
トリクレジルホスフェート 5質量部
得られた和紙調不燃シートの質量に対する難燃樹脂層の付着割合は16.7%であった。評価結果を表1に示す。
無機長繊維による織物として、酸処理により二酸化珪素95質量%以上のシリカ長繊維からなる、下記の織り組織を有するシリカ織物を使用した。このシリカ織物の質量は325g/m2であり、特性値aは経:84.0、緯:73.2であった。
135dtex×135dtex
31.5×27.4(本/25.4mm)
この基布を下記難燃樹脂層配合中に浸漬し、マングルで絞り基布の両面に難燃樹脂層をコーティング加工し、180℃で1分間熱処理することで質量143g/m2の難燃樹脂接着層を形成した。
<難燃樹脂接着層配合>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(ジオクチルフタレート、可塑剤) 65質量部
三酸化アンチモン(難燃剤) 15質量部
エポキシ化大豆油 2.0質量部
Ba−Zn系安定剤 1.5質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
次いで、下記組成からなる質量55g/m2難燃性不織布を、加圧面に、図4(B)(a)に記載のパターンの凹凸を有する加熱加圧板を用いて、160℃の温度、圧着圧2Paで1分間圧着して難燃樹脂接着層の両面に積層した。但し、このときの難燃樹脂接着層と難燃性不織布との間の非接着部の占有比が10%になるように上記凹凸配置パターンを調節した。
<難燃性不織布組成>
パルプ由来セルロース 90質量部
デンプン糊 5質量部
ホウ酸アンミニウム 5質量部
得られた和紙調不燃シートの質量に対する難燃樹脂層の付着割合は24.7%であった。評価結果を表1に示す。
実施例1と同様にして和紙調不燃シートを作製した。但し、下記組成からなる質量60g/m2の難燃性不織布を160℃の温度、圧着圧2Paで1分間圧着して難燃樹脂接着層に積層した。このときの難燃樹脂層と難燃不織布シート間の非接着部の占有比は15%であった。
<難燃性不織布組成>
難燃ポリエステル綿 95質量%
(オキシホスホラン化合物を10重量%ポリエステル綿に共重合させた物)
デンプン糊 5質量%
得られた和紙調不燃シートの質量に対する難燃樹脂接着層の付着割合は17.9%であった。評価結果を表1に示す。
実施例2と同様にして和紙調不燃シートを作製した。但し、難燃樹脂接着層に更に下記組成からなる難燃樹脂層をコンマコーターによりコーティング加工し、160℃で1分間熱処理することで質量30g/m2の難燃樹脂接着層を積層した。
<積層する難燃樹脂接着層配合>
ウレタン系樹脂(固形分:30質量%) 100質量部
(日本ポリウレタン工業(株)製、商標;ニッポラン5111)
メラミンシアヌレート 30質量部
コロネートHL 3.0質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
得られた和紙調不燃シートの質量に対する難燃樹脂接着層の付着割合は33.3%であった。評価結果を表1に示す。
実施例1と同様にして和紙調不燃シートを作製した。但し、下記組成からなる質量60g/m2の不織布を下記難燃処理液に浸漬してピックアップ率100%に調整されたニップロールで圧搾した後、180℃で20秒間乾燥して、難燃性不織布とした。この難燃性不織布を160℃の温度、圧着圧2Paで1分間圧着して難燃樹脂接着層に積層した。このときの難燃樹脂層と難燃不織布シート間の非接着部の占有比は15%であった。
<不織布組成>
ポリエステル綿 95質量%
デンプン糊 5質量%
<難燃処理液>
環式ホスホン酸エステル化合物(難燃剤) 10質量部
希釈水 90質量部
得られた和紙調不燃シートの質量に対する難燃樹脂接着層の付着割合は17.6%であった。評価結果を表1に示す。
実施例1と同様にして和紙調不燃シートを作製した。但し、難燃性不織布の積層は、160℃の温度、圧着圧10Paで3分間圧着して難燃樹脂層に積層した。但しこのときの難燃樹脂接着層と難燃性不織布との間の非接着部の占有比が3%になるように前記凹凸配置パターンを調節した。得られた接着面における非接着部が過小であった。得られた、和紙調不燃シートの難燃樹脂接着層の付着割合は16.7%であった。評価結果を表1に示す。
実施例8と同様にして和紙調不燃シートを作製した。但し、難燃不織布シートの抄造時に、100μの高低差を持つ、図4B(d)に記載の凹凸パターンの、凸部の合計占有比が50%に調節された漉簀を用いた。このときの難燃樹脂層と難燃不織布シートとの間の非接着部の占有比は50%であった。
得られた、和紙調不燃シートの質量に対する難燃樹脂層の付着割合は16.7%であった。評価結果を表1に示す。
実施例1と同様にして和紙調不燃シートを作成した。但し、下記組成からなる質量85g/m2の難燃性不織布を120℃の温度、圧着圧2Paで1分間圧着して難燃樹脂層に積層した。但しこのときの難燃樹脂層と難燃不織布シート間の非接着部の占有比が3%になるように、前記凹凸配置パターンを調節したところ、ポリエチレン綿が溶融して凹凸形状が失われて平滑であった。
<難燃性不織布シート組成>
パルプ由来セルロース 25質量部
ポリエチレン繊維 60質量部
酢酸ビニル系樹脂 5質量部
デンプン糊 5質量部
リン酸アンモニウム 5質量部
得られた、和紙調不燃シートの質量に対する難燃樹脂層の付着割合は16.7%であった。評価結果を表1に示す。
実施例1と同様にして和紙調不燃シートを作成した。但し、無機長繊維からなる織物に替えて下記の織り組織を有するポリエステルフィラメント織物を使用した。このポリエステルフィラメント織物の質量は165g/m2で特性値aは経:99.2、緯:134.5であった。
555dtex×555dtex
28×35(本/25.4mm)
得られた、和紙調不燃シート中の難燃樹脂接着層の付着量は60g/m2で、和紙調不燃シートの質量に対する付着割合は19.4%であった。難燃樹脂層と難燃不織布シートとの間の非接着部の占有比は15%であった。基布がポリエステル織物のため、難燃性に劣り、建築基準法の不燃要件を満たす事ができなかった。評価結果を表1に示す。
2 凸部
3 凹部
4 無機長繊維織物層
5 難燃樹脂接着層
6 凹部及び凸部を有する難燃性不織布層
7 接着部
8 非接着部
9 凸部を有する難燃性不織布製造用漉簀
10 漉簀の凸部
11 難燃性不織布に凹凸を形成するエンボスロール
11a エンボスロール表面の一部分
12 エンボスロール表面上の凸部
13 エンボスロール表面上の凹部
Claims (7)
- 無機長繊維織物層と、難燃性樹脂組成物からなり、かつ前記無機長繊維織物層の少なくとも1面を被覆して接合している難燃樹脂接着層と、難燃化処理された繊維を含み、かつ前記難燃樹脂接着層上に積層されている難燃性不織布層とを含み、
前記難燃性不織布層と、前記難燃樹脂接着層とが、互に部分的に接着して、これら両層間に接着部と非接着部とを形成しており、前記接着部及び非接着部のいずれか一方が、互に離間して分布する多数の離間分布域において形成され、かつ、他方が、前記離間分布域を取り囲む連続域において形成されており、
前記非接着部の合計面積の、前記接着部と前記非接着部との総合計面積に対する比が、5〜30%の範囲内にある
ことを特徴とする屈曲性和紙調不燃シート。 - 前記難燃性不織布層の、前記難燃樹脂接着層に対向している内面側に、前記非接着部の面積及び形状に対応する凹部が形成されている、請求項1に記載の屈曲性和紙調不燃シート。
- 前記難燃性不織布層が、その合計質量に対して50〜92質量%のセルロース繊維成分と、3〜15質量%の難燃剤とを含む、請求項1又は2に記載の屈曲性和紙調不燃シート。
- 前記無機長繊維織物層が、ガラス長繊維及びシリカ長繊維から選ばれた1種以上を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の屈曲性和紙調不燃シート。
- 前記難燃樹脂接着層の質量の、前記無機長繊維織物層及び前記難燃性不織布層の合計質量に対する比が5〜60%の範囲内にある、請求項1〜4のいずれか1項に記載の屈曲性和紙調不燃シート。
- JIS Z 8722に準拠して測定された15%以上50%以下の光線透過率を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の屈曲性和紙調不燃シート。
- 輻射電気ヒーターを用いて、熱流密度が50kw/m2の輻射熱を照射する発熱性試験(ISO 5660 part1に準拠)に供したとき、加熱開始から20分後までの総発熱量が8MJ/m2以下であり、かつ加熱開始から20分後までの間において、最高発熱速度が、10秒間以上継続して、上限値200kw/m2を超えない燃焼特性を示す、請求項1〜6のいずれか1項に記載の屈曲性和紙調不燃シート。
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