JP5115016B2 - 燃料電池の排ガス処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池の排ガス処理装置に係り、詳しくは燃料電池の排気ガス中の水素濃度が基準値以下になるように処理する燃料電池の排ガス処理装置関する。
排気ガスによる地球温暖化の抑制のため動力源として燃料電池が注目され、一部実用化されている。燃料電池は水素と酸素との反応によって電気エネルギーを生成するが、燃料電池システムでは、カソードに酸素を直接使用する代わりに空気を供給して空気中の酸素を使用する構成が一般的である。そして、カソードで生成した水や窒素の一部が電解質膜をカソード側からアノード側へ逆拡散するため、燃料電池が稼動を続けると、アノードの水や窒素の濃度が高くなり、それらの濃度がある程度以上になると、発電効率が低下する。これを防止あるいは抑制するため、一般に、アノードに溜まった水分及び窒素を水素ガスと共に排出するアノードパージが行われている。アノードパージを行う際に、アノードオフガスをそのまま直接大気中に排気すると、水素濃度が高すぎる。そこで、水素ガスの濃度を下げる排ガス処理装置として、アノードオフガスをカソードオフガスで希釈して排気する排ガス処理装置が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
特許文献1に記載された排ガス処理装置は、図14に示すように、軸心を略水平にした希釈容器51と、アノードオフガスを希釈容器51内に放出するアノードオフガス放出孔52aを有するアノードオフガス導入路52と、希釈容器51の内底部に沿って貫通設置され希釈ガスが流通する希釈ガス路57とを備えている。また、希釈ガス路57を流通する希釈ガスを希釈容器51内に放出する希釈ガス放出孔58と、希釈容器51内で混合されたアノードオフガスと希釈ガスの混合ガスを希釈ガス路57に排出する混合ガス排出孔59とを備えている。さらに、希釈容器51内に略鉛直姿勢に設置され、希釈容器51内を上流室54と下流室55に区画する仕切板53と、上流室54と下流室55とを連通する連通ガス路56とを備え、アノードオフガス放出孔52aは、アノードオフガスを仕切板53に向かって放出するように設けられている。
特許文献2に記載された排ガス処理装置は、図15に示すように、燃料電池のアノードから排出された水素を、水素導入口60から導入し、滞留させる滞留室61aを有する滞留器61を備え、滞留した水素を水素排出口62から排出し、排出された水素をカソードオフガス(希釈用ガス)で希釈した後に外部に排出する。滞留室61aには、アノードオフガスが水素導入口60から滞留室61aに導入されるときを除いて、ドライエア導入部63からドライエアが導入されるようになっている。排ガス処理装置は、滞留室61aへの水素の導入を規制する第1閉塞体64と、滞留室61aからの水素の排出を規制する第2閉塞体65と、水素が水素導入口60から滞留室61aに導入されたとき、水素が水素排出口62から排出されないように、第1閉塞体64と第2閉塞体65とを連動させる連結アーム66とを備えている。連結アーム66は、滞留器61の軸方向に沿って配置されており、その側面視において、やや開いたL字形を呈し、上流側の第1腕66aと下流側の第2腕66bを備えている。
連結アーム66の中央部は、滞留器61内の配管67に、軸部材66cおよび台座66dを介して、回動自在に固定されている。そして、連結アーム66の曲がり程度は、第1閉塞体64が水素導入口60を閉じているときに第2閉塞体65は水素排出口62を開き、第1閉塞体64が水素導入口60を開いているときに第2閉塞体65は水素排出口62を閉じるように設定されている。第1腕66aの上流側端に付勢錘68が固定されており、付勢錘68の自重により、第1腕66aを介して、水素導入口60を閉じるように第1閉塞体64を付勢するようになっている。付勢錘68の質量(重さ)は、水素パージ時に配管67を流れ、第1閉塞体64の上流側面に到達した水素が、第1閉塞体64を滞留室61a側に押すことによって、水素導入口60を開くことができる質量に設定されている。
特開2006−31998号公報 特開2006−344470号公報
特許文献2の排ガス処理装置では、アノードオフガスが滞留室61aに導入されるときに第2閉塞体65により水素排出口62が閉塞され、水素排出口62から滞留室61a内の希釈されたアノードオフガスを排出するため、第2閉塞体65が開放位置に配置されると、第1閉塞体64により水素導入口60が閉塞される。したがって、アノードパージされた場合に高濃度の水素が排気されるのが抑制される。しかし、排ガス処理装置は構造が複雑であるばかりでなく、第1閉塞体64及び第2閉塞体65が円滑に移動(回動)できるように維持するためのメンテナンスに手間がかかるという問題がある。
一方、特許文献1の排ガス処理装置は、特許文献2と異なりアノードオフガスの上流室54への導入を規制したり、希釈ガス放出孔58からのガスの放出を規制したりするための複雑な構成は設けられていない。しかし、特許文献1の構成では、上流室54へ希釈ガスを導入する希釈ガス放出孔58と、下流室55から希釈されたアノードオフガスを排出する混合ガス排出孔59とが1本の希釈ガス路57の途中に形成された孔で構成されている。そのため、上流室54へ導入される希釈ガスの量と、下流室55から排出されるガスの量を適正な量に調整するのが難しいという問題がある。また、仕切板53で区画された上流室54にアノードオフガス及び希釈ガスが導入される構成のため、アノードパージされた場合に上流室54に導入された希釈ガスの流れに乗って、アノードオフガスが上流室54内に十分拡散されずに、希釈ガスと共に下流室55へ移動して混合ガス排出孔59から排出される割合が多くなる。つまりアノードパージされたとき一時的に排気ガス中の水素濃度が高くなる虞がある。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、従来技術に比較して簡単な構成で、排気部から大気中に排出される排気ガス中の水素濃度のピークを低くすることができる燃料電池の排ガス処理装置を提供することにある。
前記の目的を達成するため請求項1及び請求項2に記載の発明は、燃料電池のアノードオフガスが間欠的に導入されるとともに希釈用ガスで希釈して排出する燃料電池の排ガス処理装置である。そして、希釈容器を有し、前記希釈容器は、第1室と第2室とに仕切り板により区画されるとともに、前記仕切り板に前記第1室と前記第2室とを連通させる隙間が設けられ、前記第1室には排気部及び希釈用ガス導入部が設けられ、前記第2室にはアノードオフガス導入部が設けられている。
この発明では、仕切り板により区画された第1室に希釈用ガスが導入され、第2室にアノードオフガスが導入される。第1室と第2室とは仕切り板に形成された隙間を介して連通されており、排気部は第1室に設けられているため第2室に導入されたアノードオフガスは第1室を経て排気部から排出される。第2室に導入されたアノードオフガスは第2室内で膨張拡散する。一方、第1室に導入された希釈用ガスは拡がりながら隙間に向かって進むとともに一部は隙間と対応する部分から排気部に向かって進み、排気部から排出される。また、希釈用ガスの一部は隙間から第2室へ進入した後、隙間付近で向きを変えて第2室から出る方向へ移動する状態となる。そして、第2室の隙間付近まで移動したアノードオフガスは、隙間付近で進入、退出を繰り返す状態の希釈用ガスの作用により順次第2室から第1室へ移動するとともに、排気部を経て希釈容器外へ排出される。その結果、従来技術に比較して簡単な構成で、排気部から大気中に排出される排気ガス中の水素濃度のピークを低くすることができる。
特に請求項1に記載の発明は、前記希釈用ガス導入部は前記第1室に導入された希釈用ガスが前記隙間に向かう流れとなり、かつ前記隙間における流れがアノードオフガスが導入されていないときに隙間全体に流れるように、前記第1室へ導入される希釈用ガスの流れが前記仕切り板に当たって希釈用ガスの導入方向と垂直且つ前記仕切り板に平行な方向に拡がるように設けられている。この発明では、第1室に導入され、第2室へ至る希釈用ガスの流れが、アノードガスが導入された場合にアノードガスが直接排気部へ流れ込むことを抑制できる。また、第2室に導入されたアノードオフガスが希釈用ガスの作用により効率良く第1室へと移動して排気部から排出される。
特に請求項2に記載の発明は、前記アノードオフガス導入部と前記希釈用ガス導入部とは、前記アノードオフガスの導入方向と前記希釈用ガスの導入方向とが同じ方向になるように配置され、前記仕切り板は、前記アノードオフガス導入部側と反対側に傾く状態で配置され、前記隙間は前記仕切り板のうち前記アノードオフガス導入部から最も遠い位置に形成されている。この発明では、アノードオフガス導入部から第2室に導入されたアノードオフガスが第2室内で膨張、拡散して水素濃度が相対的に低くなった状態で隙間に到達し易くなる。また、希釈用ガス導入部から第1室に導入された希釈用ガスが仕切り板に沿って拡がりながら隙間の部分に到達した後、第2室内のガスと混合しつつ排気部から排出され易くなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記隙間は前記希釈容器の壁面と前記仕切り板の端部との間に形成されている。この発明では、仕切り板の配置角度や長さを変更することにより簡単に隙間を適正な値に設定することができる。
本発明によれば、従来技術に比較して簡単な構成で、排気部から大気中に排出される排気ガス中の水素濃度のピークを低くすることができる燃料電池の排ガス処理装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した排ガス処理装置を備えた燃料電池システムの一実施形態を図1〜図4にしたがって説明する。
図1に示すように、燃料電池システム11は、燃料電池12、水素タンク13、加圧手段としてのコンプレッサ14、加湿器15及び排ガス処理装置16を備えている。
燃料電池12は、例えば固体高分子型の燃料電池からなり、水素タンク13から供給される水素と、コンプレッサ14から供給される空気中の酸素とを反応させて直流の電気エネルギー(直流電力)を発生する。
水素タンク13は、燃料電池12の水素供給ポート(図示せず)に管路17を介して連結され、管路17には燃料電池12へ供給される水素の圧力を調整する調圧弁(図示せず)が設けられている。調圧弁は、水素タンク13に高圧で貯蔵された水素を所定の圧力まで減圧させて一定圧力で供給する圧力制御弁である。
コンプレッサ14は、管路18を介して加湿器15に接続されている。加湿器15は、供給管19aを介して燃料電池12の酸素供給ポート(図示せず)に接続され、管路19bを介してオフガス排出ポート(図示せず)に接続されている。そして、コンプレッサ14で加圧された空気が加湿器15で加湿された後、燃料電池12の酸素供給ポート(図示せず)に供給され、燃料電池12のカソード(図示せず)からのオフガスは管路19bを介して加湿器15に排出される。
加湿器15には燃料電池12のカソードオフガスを希釈用ガスとして排ガス処理装置16に導くカソードオフガス排管20の第1端部が接続され、カソードオフガス排管20の第2端部は排ガス処理装置16に接続されている。カソードオフガス排管20の途中には調圧バルブ21が設けられている。
燃料電池12の水素排出ポート(図示せず)には、パージガス用配管22の第1端部が接続され、パージガス用配管22の第2端部は排ガス処理装置16に接続されている。パージガス用配管22の途中にはパージ用開閉弁(アノードパージバルブ)23が設けられている。
調圧バルブ21及びパージ用開閉弁23は、制御手段としての制御装置24に電気的に接続されている。制御装置24は、調圧バルブ21の開度調整あるいはパージ用開閉弁23の開閉制御を行う。
次に排ガス処理装置16について詳述する。図2(a),(b)に示すように、排ガス処理装置16を構成する希釈容器25は縦長の四角箱状に形成され、縦が高さ方向となるようにして使用される。希釈容器25は、仕切部および希釈用ガス導流部としての仕切り板28を備え、カソードオフガスが導入される第1室26と、アノードオフガスが導入される第2室27とに仕切り板28により区画されている。本実施例では仕切り板28は仕切部と希釈用ガス導流部を兼ねている。仕切り板28は、基端が希釈容器25の天板25aに固定され、仕切り板28の端部としての先端と希釈容器25の分流部としての壁面25b、即ち希釈容器25の壁面との間に、第1室26と第2室27とを連通させる連通部としての隙間29が形成される状態に設けられている。つまり隙間29はスリット状に形成されている。スリットの長手方向は希釈用ガスの流れ方向に対して垂直に形成されている。仕切り板28は、第2室27に導入されるアノードオフガスの導入方向に対して、先端側程遠くなるように傾く状態で配置されている。仕切り板28は天板25aとの成す角度θが、例えば、45度±20度の範囲になるように配置されている。すなわち仕切り板28はカソードオフガスの導入方向に対して傾いて配置されている。
天板25aには希釈用ガスとしてのカソードオフガスを第1室26に導入する希釈用ガス導入部としてのカソードオフガス導入部30と、アノードオフガスを第2室27に導入するアノードオフガス導入部31と、希釈容器25に導入されたカソードオフガス及びアノードオフガスを第1室26から排出する排気部32とが設けられている。このように配置されるため、カソードオフガスは必ず第1室26を通り、一旦膨張して排気される構成になっている。カソードオフガス導入部30、アノードオフガス導入部31及び排気部32は、いずれもパイプで形成されている。カソードオフガス導入部30及び排気部32は同じ径のパイプで形成され、アノードオフガス導入部31はカソードオフガス導入部30より小さな径のパイプで形成されている。この実施形態では、各パイプはいずれも天板25aに垂直に固定されている。アノードオフガス導入部31とカソードオフガス導入部30とは、アノードオフガスの導入方向とカソードオフガスの導入方向とが同じになるように配置され、仕切り板28は基端部からアノードオフガス導入部31側と反対側(図2(b)の左側)に傾く状態で配置されている。この構成をとることで、隙間29は仕切り板28のうちアノードオフガス導入部31から最も遠い位置に形成されることになる。カソードオフガス導入部30はカソードオフガス排管20の第2端部に接続され、アノードオフガス導入部31はパージガス用配管22の第2の端部に接続される。排気部32は図示しないマフラーに接続される。
カソードオフガス導入部30は、第1室26に導入されたカソードオフガスが隙間29に向かう流れとなり、かつ隙間29における流れがアノードパージ以外のときに全体的に拡がるように設けられている。この実施形態ではカソードオフガス導入部30は、仕切り板28の基端近傍で天板25aの奥行き方向(図2(b)における紙面と垂直方向)の中央と対応する位置で、第1室26へ導入されるカソードオフガスの流れが仕切り板28に当たって仕切り板28の幅方向(希釈容器25の奥行き方向、すなわちカソードガスの導入方向と垂直且つ仕切り板28に平行な方向)に拡がるように設けられている。
アノードオフガス導入部31は、仕切り板28の基端近傍で天板25aの奥行き方向の中央と対応する位置に設けられている。アノードオフガス導入部31は、第2室27に導入されるアノードオフガスが隙間29から離れる方向に向かうように設けられている。
排気部32は、天板25aの奥行き方向の中央と対応する位置で、カソードオフガス導入部30から離れた位置に配置されている。
次に前記のように構成された燃料電池システム11の作用を説明する。
燃料電池システム11は、燃料電池12の稼動時には、水素タンク13からから所定の加圧状態で水素が燃料電池12のアノード(水素極)に供給される。また、コンプレッサ14が稼動されて、空気が所定の圧力に加圧されて燃料電池12のカソード(空気極)に供給される。アノードに供給された水素は、触媒によって水素イオンと電子とに解離し、水素イオンが電解質膜を通って水と共にカソードへ移動する。カソードでは、カソードに供給された空気中の酸素と、電解質膜中を移動してカソードに達した水素イオンと、外部回路を通ってきた電子とが結合して水を生成する。カソードで発生した水は、水蒸気の状態で未反応の空気と共にカソードオフガスとして加湿器15に排出され、排ガス処理装置16を経て大気中に排気される。
また、カソードの水や窒素の一部が電解質膜をカソード側からアノード側へ逆拡散するため、燃料電池12が稼動を続けると、アノードの水や窒素の濃度が高くなり、それらの濃度がある程度以上になると、発電効率が低下する。これを防止あるいは抑制するため、例えば、燃料電池12が所定時間稼動を継続した時点でパージ用開閉弁23が開放されて、アノードに溜まった水分及び窒素が水素ガスと共にパージガス用配管22へ排出されるアノードパージが行われる。アノードパージによりパージガス用配管22へ排出されたアノードオフガス(パージガス)は、パージガス用配管22を介して排ガス処理装置16に導入される。そして、導入されたアノードオフガスは排ガス処理装置16においてカソードオフガスにより希釈された後、図示しないマフラーを経て大気中に排気される。
パージ用開閉弁23の1回の開放時間は短い(例えば、0.1秒)。パージ用開閉弁23の開放間隔(パージ間隔)は、燃料電池12の稼動時間(発電量)に基づいて予め設定され、例えば、20〜30秒に設定される。
燃料電池12は、アノードには一定圧力で水素が供給され、カソードには燃料電池12が接続された図示しない負荷の要求に応じて、供給される空気の量が変更されるように稼動される。燃料電池12に接続された負荷の要求が高負荷のときに燃料電池12は高出力で稼動され、低負荷のとき低出力で稼動される。燃料電池12の高出力稼動時にはカソードに供給される空気の量が多くなる。そのため、燃料電池12が接続された負荷の要求が高負荷のときは、単にアノードオフガスをカソードオフガスで希釈して排気するだけで、排気ガス中の水素濃度は基準値以下になる。一方、燃料電池12に接続された負荷の要求が低負荷のときは、燃料電池12が低出力で稼動されて、カソードオフガスの量が相対的に減少し、アノードオフガスを排気ガス中の水素濃度を下げるように希釈するのには不十分な量になる。
しかし、この実施形態の燃料電池システム11では、排ガス処理装置16においてアノードオフガスがカソードオフガスによって以下のようにして希釈されて排気部32から排出されるため、加湿器15から排出されるカソードオフガスの量が少なくても、排気ガス中の水素濃度が基準値以下になるように希釈される。
図3(a)に示すように、カソードオフガス導入部30から第1室26に導入されたカソードオフガスは、仕切り板28に当たって拡がりながら仕切り板28の先端側に向かって移動し、隙間29付近において矢印Aで示す第2室27へ向かう流れと、矢印Bで示す排気部32へ向かう流れとに分流される。第2室27へ向かう流れの一部は、仕切り板28の先端部を回り込むようにして第2室27内に進入し、一部は仕切り板28の先端部から離れた位置で向きを変えて隙間29から第1室26側へ戻るように移動する状態となる。つまり、第1室26から第2室27へ流れた分、第2室27から第1室26へ戻る流れも生じる。したがってアノードパージが行なわれていないとき、すなわちアノードオフガスが第2室27へ導入されていないとき、隙間29の部分には、第1室26及び第2室27を行き来する流れが生じる。
ここで、隙間29の部分の流れはカソードオフガスが隙間29全体に流れる状況が好ましい。このことは、例えば前面が透明な希釈容器25を用い、仕切り板28の先端に糸を複数貼り付けて、タフト法により仕切り板28の先端付近における糸の挙動を観察することにより確認できる。具体的には、ある瞬間では図3(b),(c)に示すように、各糸33がそれぞれバラバラな方向に向いているが、継続して観察すると各糸33が所定の角度(所定の方向)を中心にして両側に振れるように振動する状況である。ただし、上記のタフト法により観察できる状況に限るものではない。
隙間29の部分の流れはカソードオフガスが隙間29全体に流れる状況とはつまり、隙間29には奥行き方向(図3(a)における紙面と垂直方向)における位置毎に流れの状態は異なるが、全体として見ると、第1室26及び第2室27を行き来する流れが存在する状態である。言い換えると隙間29全体について第1室26から第2室27へ流れる流れと、第2室27から第1室26へ流れる流れが生じている。
この状況を言い換えると、カソードオフガスがスリット状の隙間29へ、スリットの長手方向の長さに拡がって流れているといえる。カソードオフガスが隙間29に十分拡がらずに流れる場合、流れが強い部分たとえば奥行き方向の中央部では第1室26から第2室27へ流れ、流れが弱い奥行き方向の両端部では第2室27から第1室26へ流れるため、カソードオフガスがスリットの長手方向の長さ以上に拡がらないことになる。
一方、アノードオフガス導入部31から第2室27に導入されたアノードオフガスは、膨張、拡散しながら底壁25cに向かって進み、底壁25cの作用により向きを変えることにより、第2室27全体に拡散する(拡がる)状態になる。そして、第1室26及び第2室27を行き来する流れに達したアノードオフガスは、その流れによって第1室26へ移動し、排気部32に向かう流れとともに排気部32から排気される。また、隙間29におけるカソードオフガスの流れが、第2室から第1室への急激な流れの変化を抑制し、アノードパージの際に拡散する前のアノードオフガスが第1室へ流れ込むのを抑制する。即ち、アノードオフガス導入部31から第2室27に導入されたアノードオフガスが、拡散せずに隙間29に向かって進み、隙間29を通って第1室26に進み排気部32から排気されることはない。したがって、排ガス処理装置16に導入されたアノードパージガスは、加湿器15から排出されるカソードオフガスの量が少なくても、排気ガス中の水素濃度が基準値以下になるように希釈される。
実施例1,2として排ガス処理装置16を燃料電池システム11に組み込んで、排気部32から排気される排気ガス中の水素濃度を測定した。結果を、アノードパージ時以外のカソードオフガスの流れが隙間29全体に流れない実施例2の場合と仕切り板28を設けない比較例の場合の結果と共に図5に示す。図5において、実線が実施例1を示し、点線が実施例2を示し、破線が比較列を示す。
なお、実施例2は実施例1に対してカソードオフガス導入部30と排気部32の位置を入れ替えた点が実施例1と異なる構成である。即ち、実施例2の排ガス処理装置16は、図4に示すように、排気部32が仕切り板28の基端近くに配置され、カソードオフガス導入部30が仕切り板28の先端側に近い位置に配置されている。この構成の場合、カソードオフガス導入部30から導入されたカソードオフガスが仕切り板28に当ってから隙間29までの距離が短くなる。したがって、実施例2はカソードオフガスが奥行き方向に拡がりきらない状態で隙間29に達し、隙間29の奥行き方向中央では第1室から第2室への流れが発生し、奥行き方向端部では第2室から第1室への流れが発生する状態が生じている。
実施例1,2に使用した排ガス処理装置16の各部の寸法(図2(a),(b)に図示)及び実験条件は次のとおりである。 希釈容器25の内部の高さH:300mm、幅W:170mm、奥行きd:140mm
仕切り板28の角度θ:45度、隙間29の大きさC:5mm
天板25aから隙間29までの距離h:100mm
カソードオフガス導入部30及び排気部32の内径19mm
アノードオフガス導入部31の内径8mm
カソードオフガスの流量:1分間に183×10−3
水素ゲージ圧力:100kPa
アノードパージ間隔:25秒
なお、水素ゲージ圧力とはパージ用開閉弁23の直上流の圧力を意味する。
図5に示すように、比較例の場合は、アノードパージが行われるたびに、排気ガス中の水素濃度のピークが3.8〜3.9%になったのに対して、実施例1ではそのピークが1.1〜1.2%になり、実施例2ではほぼ1.7%になった。水素濃度の低下割合は、実施例1はピークの値が比較例のほぼ30%に下がり、実施例2ではほぼ44%に下がった。現在、排気ガス中の水素濃度は2%以下が好ましいとされているが、比較例ではその2倍近い値になった。しかし、実施例1,2の場合は、排気ガス中の水素濃度のピークをアノードパージが行われても2%未満に低く抑えることができた。隙間29でのアノードオフガスの流れを隙間29全体に流れるようにした実施例1の場合は、実施例2に比べてさらに水素濃度のピークを低く抑えることができた。
この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)排ガス処理装置16は、カソードオフガスが導入される第1室26と、アノードオフガスが導入される第2室27とに仕切り板28により区画されるとともに、仕切り板28の先端側に第1室26と第2室27とを連通させる隙間29が設けられている。第1室26には排気部32及びカソードオフガス導入部30が設けられ、第2室27にはアノードオフガス導入部31が設けられている。したがって、従来技術に比較して簡単な構成で、排気部32から大気中に排出される排気ガス中の水素濃度のピークを下げることができる。
(2)実施例1ではカソードオフガス導入部30は第1室に導入された希釈用ガスが隙間29に向かう流れとなり、かつ隙間29における流れがアノードオフガスが導入されていないときに隙間29全体に流れるように設けられている。したがって、第1室26に導入され、第2室27へ至る希釈用ガスの流れが、アノードガスが導入された場合にアノードガスが直接排気部32へ流れ込むことを抑制できる。
(3)アノードオフガス導入部31とカソードオフガス導入部30とは、アノードオフガスの導入方向とカソードオフガスの導入方向とが同じ方向になるように配置され、仕切り板28は、アノードオフガス導入部31側と反対側に傾く状態で配置され、隙間29は仕切り板28のうちアノードオフガス導入部31から最も遠い位置に形成されている。したがって、アノードオフガス導入部31から第2室27に導入されたアノードオフガスが第2室27内で膨張、拡散して水素濃度が相対的に低くなった状態で隙間29に到達し易くなる。また、カソードオフガス導入部30から第1室26に導入されたカソードオフガスが仕切り板28に沿って拡がりながら隙間29の部分に到達した後、第2室27内のガスと混合しつつ排気部32から排出され易くなる。
(4)実施例1では、排ガス処理装置16は、カソードオフガス導入部30から第1室26に導入されたカソードオフガスが隙間29に向かう流れとなり、かつ隙間29における流れがアノードパージ以外のときに隙間29全体に流れるように設けられている。したがって、アノードオフガスは、隙間29付近で進入、退出を繰り返す状態のカソードオフガスの作用により順次第2室27から第1室26へ移動するとともに、排気部32を経て排気され、従来技術に比較して簡単な構成で、排気部32から大気中に排出される排気ガス中の水素濃度を基準値以下にすることができる。
(5)カソードオフガス導入部30は、第1室26へ導入されるカソードオフガスの流れが仕切り板28に当たって仕切り板28の幅方向に拡がるように設けられている。したがって、第2室27に導入されたアノードオフガスがカソードオフガスの作用により効率良く第1室26へと移動して排気部32から排出される。また、カソードオフガスが仕切り板28に当ることで流速が落ちるため、第2室27へ流れ込んだカソードオフガスが第2室27内で渦を作らない。したがって、第2室においてアノードオフガスが渦に乗って拡散されずに隙間29へ近づくことが抑制される。
(6)隙間29は希釈容器25の壁面と仕切り板28の先端との間に形成されている。したがって、仕切り板28の配置角度や長さを変更することにより簡単に隙間29を適正な値に設定することができる。
(7)希釈容器25は四角箱状に形成されている。したがって、仕切り板28で希釈容器25を第1室26及び第2室27に区画するとともに、仕切り板28の先端と希釈容器25の壁面との間に隙間29を、隙間29における気流がアノードパージ以外のときに隙間29全体に流れるように形成するのが容易になる。
(8)アノードオフガスがアノードオフガス導入部31から第2室27に導入されるとアノードオフガス中に存在する水分が分離され、分離された水分が希釈容器25の底部に溜まる。同様に、カソードオフガス導入部30から第1室26に導入されたカソードオフガス中の水分(液滴)も分離され、分離された水分が希釈容器25の底部に溜まる。希釈容器25を縦置きに配置した場合は、希釈容器25の底部に溜まった水が隙間29を塞いだりすることはない。また、水の除去も容易に行うことが可能になる。
(9)仕切り板28は、希釈容器25を第1室26と第2室27とに区画する役割と、カソードオフガス導入部30から第1室26に導入されたカソードオフガス(希釈用ガス)を隙間29に導く役割(導流機能)とを果たす。したがって、仕切り部と希釈用ガス導流部が別々に設けられる場合に比較して構成が簡単になる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように具体化してもよい。
○ 排ガス処理装置16は、前記実施形態のようにカソードオフガス導入部30、アノードオフガス導入部31及び排気部32が上側になるように希釈容器25を縦置きに配置した状態で使用される構成に限らない。例えば、図6(a)に示すように、カソードオフガス導入部30、アノードオフガス導入部31及び排気部32が水平に延び、かつ仕切り板28の先端が下降傾斜する状態で希釈容器25を横置きに配置したり、図6(b)に示すように、仕切り板28の先端が上昇傾斜する状態で希釈容器25を横置きに配置したりしてもよい。希釈容器25を横置きに配置して使用する場合、図6(a)に示すように、アノードオフガス導入部31が上側となる配置に比較して、図6(b)に示すようにアノードオフガス導入部31が下側となる配置の方が好ましい。なぜならば、図6(a)に示すようにアノードオフガス導入部31が上側に位置する配置では、水素の比重が軽いため、水素が第2室27における隙間29から遠い位置に滞留し易くなるからである。なお、横置きの場合も便宜上カソードオフガス導入部30、アノードオフガス導入部31等が設けられている壁を天板25aとして記載する。
○ 排ガス処理装置16は、仕切り板28の先端が水平に延びる状態、即ち希釈容器25を縦置き(上記実施例)あるいは横置き(図6(a),(b))に配置して使用する代わりに、仕切り板28の先端が鉛直に延びる状態に配置して使用してもよい。
○ カソードオフガス導入部30、アノードオフガス導入部31及び排気部32は、天板25a上に天板25aの幅方向に一列に配置される状態に限らず、例えば、図7(a)に示すように千鳥状に配置されてもよい。また、図7(b)に示すように、天板25aの対角線上に一列に配置されてもよい。
○ カソードオフガス導入部30から第1室26に導入されたカソードオフガスを隙間29の全幅にわたって拡がり易くするため、図8(a)に示すように導流部を兼ねる仕切り板28に、仕切り板28の基端側から先端側に向かってその間隔が次第に拡がるように複数のリブ(凸条)34を設けてもよい。
○ アノードオフガス導入部31を天板25aではなく、例えば、図8(b)に示すように、側壁を貫通する状態で設けるとともにL字状のパイプで構成してもよい。この場合も、アノードオフガスはほぼ同様にして第2室27内で膨張、拡散される。また、前壁あるいは後壁(天板25a及び底壁25c以外で壁面25bと垂直な壁)を貫通する状態で設けてもよい。
○ カソードオフガス導入部30及び排気部32も天板25aに取り付ける構成に代えて、前壁あるいは後壁を貫通する状態に設けるとともにL字状のパイプで構成してもよい。
○ 希釈容器25の縦、横、奥行きの寸法、仕切り板28の角度θ、カソードオフガス導入部30、アノードオフガス導入部31及び排気部32の内径、隙間29の大きさは、実施例で用いた排ガス処理装置16の寸法に限らず適宜変更してもよい。例えば、希釈容器25を実施例より縦長にしたり、実施例より横の寸法を大きくしたり、希釈容器25の寸法は変えずに仕切り板28の角度θ及び天板25aから隙間29までの距離hを変更したりしてもよい。また、カソードオフガス導入部30及びアノードオフガス導入部31の内径を実施例の場合より大きくしたりあるいは小さくしたりしてもよく、隙間29の大きさを実施例の場合より大きくしたりあるいは小さくしたりしてもよい。
○ 希釈容器25の形状は断面矩形状の四角箱状に限らない。例えば、断面を台形状にしてもよい。また、四角箱状ではなく、断面円形や楕円形にしてもよい。また、仕切り板28も平板に限らず、曲板や途中に屈曲部を有する形状にしてもよい。希釈容器25や仕切り板28の形状あるいは前記各部の寸法を変更する場合、タフト法による試験など、事前に隙間29付近に進入、退出を繰り返す状態の流れが存在するように、寸法等を設定すれば隙間29全体に流れる流れが実現でき、排気部32から大気中に排出される排気ガス中の水素濃度のピークを下げることができる。
○ 仕切り板28の先端側に設けられる隙間29は、仕切り板28と壁面25bとの間で構成する代わりに、壁面25b側に仕切り板28の先端と平行に延びる突条やブラケット等を設けて、それらと仕切り板28の先端との間で構成してもよい。
○ アノードオフガス導入部31を単なるパイプで構成する代わりに、図9に示すように、膨張室35及びオリフィス36を備えた構成としてもよい。この場合、パージガス用配管22に排出されたアノードパージガスは、膨張室35及びオリフィス36が存在しない場合より低圧で第2室27に導入されるため、第2室27内に導入されたアノードオフガスは、拡散が不十分な状態で隙間29付近に近づき難くなる。
○ 図10(a)に示すように、アノードオフガス導入部31を構成する管が真っ直ぐに第2室27内まで延びるように構成してもよい。また、図10(b)に示すように、アノードオフガス導入部31を構成する管に、管の内径より小さな孔31aを複数形成してもよい。
○ カソードオフガス導入部30の形状は断面円形に限らず、スリット状にしてもよい。例えば、図11に示すように、カソードオフガス導入部30を構成する断面円形のパイプの先端に希釈容器25の奥行き方向に延びる偏平な連結部を備えたパイプを使用する。この場合、カソードオフガス導入部30から第1室26内に導入されたカソードオフガスが隙間29全体に流れる状況になり易い。
○ 希釈容器25の壁面25bと仕切り板28の端部との間に設けられる隙間29は、仕切り板28の全幅にわたってスリット状に延びるものに限らない。例えば、図12(a)に示すように、隙間29を複数の孔28aで構成してもよい。また、図12(b)に示すように、仕切り板28の全幅より短いスリット状の隙間29を設けてもよい。
○ 図13(a)に示すように、希釈容器25の壁面25bと仕切り板28の端部との間に設けられた隙間29より第2室27側に、邪魔板37を設けてもよい。邪魔板37は例えば、壁面25bに垂直に設けられる。
○ 図13(b)に示すように、希釈容器25内に仕切部38をアノードオフガスの導入方向及び希釈用ガス(カソードオフガス)の導入方向と同じ方向に延びるように配置し、仕切部38に対してカソードオフガス導入部30を排気部32より離れた位置に配置する。そして、仕切部38に対してカソードオフガス導入部30側の壁面25bに導流部39を設けてもよい。導流部39はカソードオフガスの流れがカソードオフガス導入部30から仕切部38の先端側に向かって流れる様に傾斜させて設ける。この場合、カソードオフガス導入部30から第1室26に導入されたカソードオフガスは、導流部39に当たって隙間29へと導かれるように流れる。
○ パージ用開閉弁23の開放間隔を予め設定せずに、制御装置24が燃料電池12の発電状態を判断して、発電効率が悪くなった時にパージ用開閉弁23を開放するようにしてもよい。
○ 燃料電池システム11は、燃料電池12で使用されなかった水素を水素供給経路としての管路17に戻すことが可能な水素循環経路を備えている構成としてもよい。例えば、パージガス用配管22のパージ用開閉弁23より上流と、管路17とを接続する水素循環経路を設け、水素循環経路に水素循環ポンプを設ける。燃料電池12では、水素を100%反応させることができないが、未反応の水素を再循環利用することにより、水素の利用率を高めることができる。
○ 燃料電池システム11は必ずしも、車両等の移動体に限らず、電源を必要とする電気製品に装備したり、定置式の燃料電池システムに適用したりしてもよい。
○ 燃料電池システム11の水素源は、高圧に圧縮された水素ガスが単に充填された水素タンク13に限らず、例えば、水素吸蔵合金を内蔵した水素タンクや水素化物から化学反応により水素を発生させて取り出すもの等であってもよい。また、水素源としてメタノール、天然ガスやガソリン等の燃料を改質器で改質した改質ガスを使用する構成としてもよい。
○ 排気部32はマフラーに接続しなくてもよい。
○ 上記実施形態ではアノードオフガスをカソードオフガスで希釈するがカソードオフガスに替えて、希釈用ガスとしてコンプレッサ14から送られる空気を直接用いてもよい。
○ 希釈容器25を、3つ以上の複数の室に区画してもよい。この場合複数の室は連通部に連通され、複数の室の少なくとも1つにアノードオフガス導入部31が接続され、アノードオフガス導入部が接続された室と別の室に排気部32が接続され、排気部32が接続された室又は排気部32が接続された室とアノードオフガス導入部31が接続された室との間の室に、カソードオフガス導入部30が接続されていればよい。このように構成することで、アノードオフガスが導入されていないときに、希釈用ガスであるカソードオフガスが、アノードオフガス導入部31が接続された室へ流れる流れが生じる。したがって、拡散する前のアノードオフガスが排気部32へ急激に流れ込むのを抑制するので、排気部32から大気中に排出される排気ガス中の水素濃度のピークを下げることができる。
○ 本発明においてアノードオフガスが間欠的に導入される例として、パージ用開閉弁23の開閉を挙げたが、これに限らない。例えばパージ用開閉弁23を、開度を調整可能な弁とし、連続的に開閉させても良いし、完全に閉とせず排気ガスの濃度が許容される程度に僅かに開いている状態を含んでも良い。
以下の技術的思想(発明)は前記実施形態から把握できる。
(1)前記希釈容器は四角箱状に形成されている。
(2)燃料電池のアノードオフガスを希釈容器に間欠的に導入するとともにカソードオフガスで希釈して排出する燃料電池の排ガス処理方法であって、前記希釈容器として、排気部及びカソードオフガス導入部が設けられた第1室と、アノードオフガス導入部が設けられた第2室とに仕切り板により区画されるとともに、前記仕切り板の先端側に前記第1室と前記第2室とを連通させる隙間が設けられた希釈容器を用い、カソードオフガスの流れが前記隙間の近傍において、一部は前記排気部に向かう流れとなり、一部は隙間付近で前記第2室への進入、退出を繰り返す状態の流れとなるように、前記仕切り板の基端側に設けられたカソードオフガス導入部から前記第1室にカソードオフガスを導入し、前記アノードオフガス導入部からは前記第2室に導入されたアノードオフガスが前記隙間から離れる方向に向かうように導入し、前記第2室内で膨張、拡散した後のアノードオフガスを前記第2室への進入、退出を繰り返す状態の流れとなるカソードオフガスにより第2室から第1室へ移動させるとともに排気部から排気する燃料電池の排ガス処理方法。
燃料電池システムの構成図。 (a)は一実施形態の排ガス処理装置の模式斜視図、(b)は排ガス処理装置の断面図。 (a)は排ガス処理装置の作用を示す模式断面図、(b),(c)は隙間付近におけるカソードオフガスの流れの状態をタフト法により確認した場合の糸の状態を示す模式図。 実施例2の排ガス処理装置の側断面図。 経過時間と排ガス中の水素濃度の関係を示すグラフ。 (a),(b)は排ガス処理装置の配置状態を変えたそれぞれ別の実施形態の側断面図。 (a),(b)はカソードオフガス導入部、アノードオフガス導入部及び排気部の配置を変更した別の実施形態を示す模式斜視図。 (a)は仕切り板の別の実施形態を示す模式斜視図、(b)はアノードオフガス導入部の別の実施形態を示す模式断面図。 別の実施形態における排ガス処理装置の模式図。 (a),(b)はアノードオフガス導入部を変えたそれぞれ別の実施形態の側断面図。 カソードオフガス導入部の形状を変えた別の実施形態の模式斜視図。 (a),(b)は仕切り板に形成された隙間を変えたそれぞれ別の実施形態の部分概略斜視図。 (a),(b)はそれぞれ別の実施形態における排ガス処理装置の側断面図。 従来技術の排ガス処理装置の模式斜視図。 別の従来技術の排ガス処理装置の側断面図。
符号の説明
12…燃料電池、16…排ガス処理装置、25…希釈容器、25b…壁面、26…第1室、27…第2室、28…仕切り板、29…隙間、30…カソードオフガス導入部、31…アノードオフガス導入部、32…排気部、38…仕切部。

Claims (3)

  1. 燃料電池のアノードオフガスが間欠的に導入されるとともに希釈用ガスで希釈して排出する燃料電池の排ガス処理装置であって、
    希釈容器を有し、
    前記希釈容器は、第1室と第2室とに仕切り板により区画されるとともに、前記仕切り板に前記第1室と前記第2室とを連通させる隙間が設けられ、前記第1室には排気部及び希釈用ガス導入部が設けられ、前記第2室にはアノードオフガス導入部が設けられており、
    前記希釈用ガス導入部は、前記第1室に導入された希釈用ガスが前記隙間に向かう流れとなり、かつ前記隙間における流れがアノードオフガスが導入されていないときに隙間全体に流れるように、前記第1室へ導入される希釈用ガスの流れが前記仕切り板に当たって希釈用ガスの導入方向と垂直且つ前記仕切り板に平行な方向に拡がるように設けられている燃料電池の排ガス処理装置。
  2. 燃料電池のアノードオフガスが間欠的に導入されるとともに希釈用ガスで希釈して排出する燃料電池の排ガス処理装置であって、
    希釈容器を有し、
    前記希釈容器は、第1室と第2室とに仕切り板により区画されるとともに、前記仕切り板に前記第1室と前記第2室とを連通させる隙間が設けられ、前記第1室には排気部及び希釈用ガス導入部が設けられ、前記第2室にはアノードオフガス導入部が設けられており、
    前記アノードオフガス導入部と前記希釈用ガス導入部とは、前記アノードオフガスの導入方向と前記希釈用ガスの導入方向とが同じ方向になるように配置され、
    前記仕切り板は、前記アノードオフガス導入部側と反対側に傾く状態で配置され、
    前記隙間は前記仕切り板のうち前記アノードオフガス導入部から最も遠い位置に形成されている燃料電池の排ガス処理装置。
  3. 前記隙間は前記希釈容器の壁面と前記仕切り板の端部との間に形成されている請求項1又は請求項2に記載の燃料電池の排ガス処理装置。
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