一般に、煙突に対してほぼ水平方向に横切るように風が吹いていると、該煙突の風下側の空間には負圧領域が生じてカルマン渦と呼ばれる渦流が発生し、これにより、煙突の頂部付近から該煙突の風下側の面に沿って下降気流が発生する。そのため、煙突の頂部開口部から大気中へ排煙を排出しているときに、排煙の排出速度と、上記煙突を横切るように吹いている風の風速とのバランスが崩れると、本来、上記煙突から上方へ排出すべき排煙が風下側へ変向されて、該煙突の風下側に生じる渦流に巻き込まれ、煙突の風下側の面に沿って煙突基端部付近へ下降してしまうダウンウォッシュと呼ばれる現象が発生する。このようなダウンウォッシュが発生すると、本来、上空に拡散すべき排ガス中に含まれている窒素酸化物や硫黄酸化物、煤塵等が煙突基端部付近に導かれるようになるため、該煙突基端部付近の環境が悪化するという問題が生じる。
そのために、上記のようなダウンウォッシュの発生を防ぐための手段の1つとしては、たとえば、図6(イ)(ロ)に示す如き煙突のダウンウォッシュ防止装置が従来提案されている。すなわち、上記ダウンウォッシュ防止装置は、煙突1の吐出開口部2となる頂部に、外周方向へ鍔状に張り出す円形ステージ3が設けてある。又、上記ステージ3との隙間を極力小さくして大気の流入を防ぐ外殻壁6aが周設されたベース部6を下端に有し、且つ該ベース部6の内側端部から上方へ向けて吐出流路9の開口面積を漸次狭めるように傾斜して延びるスカート部7と、該スカート部7の上端から略垂直に上方へ延びる垂直部8とを備えてなるノズル片5を、上記ステージ3上の周方向90度間隔位置に、半径方向に移動可能に配置すると共に、隣接するノズル片5の両側縁同士が互いに重なり合うように角筒状に組み合わせて可動ノズル4を形成して、該可動ノズル4の内側が、煙突1の吐出開口部2とほぼ同心的に連続した吐出流路9となるようにしてある。更に、上記各ノズル片5のベース部6には、それぞれのノズル片5を、上記ステージ3上にて放射方向(半径方向)に移動させるための駆動手段10を備えた構成としてある。
以上の構成としてあるダウンウォッシュ防止装置によれば、煙突1の頂部付近における風速Uが強くなることによって、煙突1から大気中への排ガス吐出速度Vと、上記煙突1頂部付近の風速Uとから求まるV/U値が1.4より小さくなっている場合には、図6(イ)(ロ)に一点鎖線で示す如く、上記駆動手段10により上記各ノズル片5をステージ3の中心方向へ移動させて、吐出流路9の上端の開口面積を縮小させることにより、大気中への排ガスの吐出速度Vを、V=1.4Uとなるように上昇させるようにしてある。一方、煙突1の頂部付近における風速Uが弱まることによって、V/U値が1.4より大きくなる場合は、上記駆動手段10により上記各ノズル片5をステージ3の外周方向へ移動させて、吐出流路9の上端の開口面積を拡大させることにより、大気中への排ガスの吐出速度Vを、V=1.4Uとなるように低下させるようにしてあり、これにより、上記排ガスの吐出速度Vを、常に0.5Uよりも大きくなるように維持することができるとされている(たとえば、特許文献1参照)。
又、上記ダウンウォッシュの発生を防ぐための別の手段としては、図7(イ)(ロ)に示す如き煙突の上部構造も提案されている。これは、外筒11と、該外筒11の内部に設けられて煙の通路とからなる内筒12とを具備してなる形式の煙突、たとえば、外筒RC造内筒S造煙突における外筒11の上部内周部に、屋上床13を設けて、該屋上床13における上記内筒12の貫通口(貫通部)に、内筒12から所要距離を離して該内筒12の外周を取り巻くエアカーテン用内筒14を、上記屋上床13の位置から上記内筒12の頂部に設けた内筒ノズル12aの位置まで延びるよう設けて、該エアカーテン用内筒14と上記内筒12との間に、エアスルースペース15を形成するようにしてある。又、上記外筒11の内部における上記屋上床13より所定の間隔を隔てた下方位置に、横風吸入層床16を設け、該横風吸入層床16における上記内筒12の貫通部分には、雨仕舞用カバー17を設けて、内筒12と横風吸入層床16の隙間から水漏れ及び空気漏れが発生する虞を防止できるようにしてある。更に、上記外筒11の外周壁の各面における上記屋上床13と横風吸入層床16との間の高さ位置に、図示しない付勢手段によって常時閉じる方向に付勢された内開き扉19を備えた開口部18をそれぞれ設けた構成としてある。更に又、上記外筒11の各面ごとの開口部18の総面積を、上記エアスルースペース15の面積の2倍以上とする考えも示されている。
以上の構成としてある煙突の上部構造によれば、横風が吹いていない状態では上記外筒11の各開口部18の内開き扉19が、いずれも閉じた状態とされる。一方、図7(イ)(ロ)に示す矢印x方向から横風が吹く場合には、上記外筒11にて横風に対向する面に設けられている開口部18の内開き扉19が、上記横風に押されて煙突内側へ開放される。これにより、該内開き扉19が開放された開口部18を通して風が外筒11内部に導入され、該外筒11内部に導入された風が、外筒11内を上昇して、上記エアスルースペース15を通して上方に吹き出されることでエアーカーテン20が形成されるようにしてあり、このエアーカーテン20の存在により、上記内筒12から排出される煙21が横風によってなぎ倒されることなく真っ直ぐ上方に排出されるようにすることで、ダウンウォッシュの発生を防止できるとされている(たとえば、特許文献2参照)。
ところで、船舶では、該船舶が前進航行していると、その前進速度と雰囲気との相対的な速度差に起因して、船体上の構造物に対し、通常、船首側から船尾方向に向けて雰囲気の相対流れ(所謂走行風)が生じるようになる。そのために、上記船舶の煙突に対して上記雰囲気の相対流れが船首側から船尾方向へ向けて作用している状態では、該煙突より排出する排煙の排出速度と、上記船舶の前進時に作用する上記雰囲気の相対流れ速度(雰囲気速度)とのバランスが崩れると、上述した一般の煙突と同様にダウンウォッシュが生じて、煙突の設置個所よりも後方となる甲板上の環境が悪化する虞が懸念される。
又、船体上にブリッジやマスト等の建屋(船体構造物)があり、その建屋の後方に該建屋よりも高さ寸法の低い煙突が設けられている型式の船舶においては、該船舶の前進航行に伴って船首側から船尾方向へ向かって生じる雰囲気の相対流れが上記建屋の部分を通過すると、該建屋の風下側となる後方(船尾側)の空間に負圧領域が生じてカルマン渦が発生するようになる。この際、上記建屋の高さ寸法が煙突の頂部よりも高いことに伴って、上記カルマン渦が発生する空間は、該煙突の頂部排出口も覆うようになることから、たとえば、上記船舶の前進速度の増加等に伴って、該船舶に作用する雰囲気の相対流れの速度が増加して、上記建屋の後方に発生するカルマン渦が強くなると、上記煙突より排出する排煙が、上記カルマン渦に巻き込まれて、煙突前方の建屋側へ引き込まれるようになることがある。この場合、上記建屋側に排煙が引き込まれることにより、該排煙中の窒素酸化物や硫黄酸化物、煤塵等が上記建屋付近に吸い寄せられて、該建屋付近の環境が悪化したり、煙突より排出される高温の排煙が建屋側へ吸い寄せられることにより、該建屋付近の温度が上昇して、建屋に取り付けられている各種機器が温度上昇の影響を受けるようになる虞も生じる。
そこで、上記のように船体上に建屋があり、その後方にある煙突の高さ寸法を上記建屋よりも高く設定できない型式の船舶においても、前進航行時に雰囲気の相対流れが生じる際に、煙突より排出する排煙が、ダウンウォッシュによって甲板上へ導かれたり、建屋の後方に生じるカルマン渦により該建屋付近に排煙が吸い寄せられるようになることを抑制できるようにするための対策が求められるようになってきている。
特開平7−207901号公報
特開平10−38263号公報
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
図1(イ)(ロ)及び図2は本発明の煙突の排煙変向抑制装置の実施の一形態として、内側を排煙23の流路とする一重円筒形式の煙突22に適用する場合を示すもので、該煙突22の上端部の内側に、排煙の流路を部分的に塞ぐ流路部分閉塞部材24を挿入配置すると共に、該流路部分閉塞部材24を、上記煙突22の上端部所要個所に、取付部としての取付部材25,26を介して取り付け、煙突22の上端部の内側に流路部分閉塞部材24を存在させることで上記煙突22の頂部開口部22aの開口面積を所要の割合で絞るようにする。これにより上記頂部開口部22aの開口面積の絞られた煙突22を通過して排出される排煙23の排出速度を高めることができるようにする。
詳述すると、上記流路部分閉塞部材24は、対象となる煙突22の内径よりも所要寸法小さい外径で上下方向に所要寸法延びる筒状部としての円筒部24aの下側に、該円筒部24aの下端側を下向きの円錐状に閉塞させるための錐体部としての中空の円錐部24bを一体に取り付けてなる構成としてある。これにより、上記流路部分閉塞部材24を上記煙突22の上端部の内側に同心状に挿入配置すると、煙突22の上端部における排煙23の流路が、上記煙突22の上端部の内周面と、上記流路部分閉塞部材24の円筒部24aの外周面との間に形成される上下方向に延びる環状流路27に制限されることから、該流路部分閉塞部材24よりも下方位置における煙突22内の流路断面積に比して、上記頂部開口部22aに至る煙突22の上端部における流路断面積を絞ることができるようにしてある。
又、該流路部分閉塞部材24の存在によって流路が絞られた状態で上記環状流路27に下方から進入する排煙23の流れを、スムーズな上向き流れに揃えるようにする、という点を考慮すると、上記流路部分閉塞部材24は、上記環状流路27の長さが上記煙突22の口径の2倍程度の長さ寸法となるように設定することが好ましい。なお、上記環状流路27が長いほど、排煙23の流れをスムーズな上向き流れとすることができるが、該排煙23を排出する際の抵抗が大きくなるため、この抵抗が過大とならない範囲で上記環状流路27の長さを適宜増減して調整するようにすればよい。
更に、上記流路部分閉塞部材24は、上記煙突22の上端部の内側に同心状に挿入配置した状態にて、上端部における外周部の所要個所を、取付部としての放射方向に延びる上部取付部材25を介して上記煙突22の頂部開口部の周縁に取り付けると共に、該流路部分閉塞部材24の下端部における外周部の所要個所を、取付部として放射方向斜め下向きに延びる下部取付部材26を介して上記煙突22の上端部の内周壁面に取り付けるようにしてある。
より具体的には、上記上部取付部材25は、上記煙突22の内側に同心状に配した流路部分閉塞部材24の円筒部24aの外周面位置から放射方向(径方向)に上記煙突22の外周面と対応する位置まで水平に延び、且つ外端部に、所要寸法下方へ屈曲させた係止片25aを備えた形状としてある。これにより、上記流路部分閉塞部材24の円筒部24aの上端部外周面における周方向複数個所、たとえば、4個所に、上記上部取付部材25の内端部を、それぞれ溶接等の所要の固定手段によりに一体に固定して、該上部取付部材25水平方向に張り出させた状態で、流路部分閉塞部材24を上記煙突22の上端部に挿入し、次いで、上記各上部取付部材25の外端部の係止片25aを、上記煙突22の頂部開口部22aの外周縁に引っ掛けるようにして係止させた後、該各上部取付部材25の係止片25aを、溶接等の所要の固定手段により煙突22の頂部開口部22aの外周縁にそれぞれ固定するようにすると、上記流路部分閉塞部材24を上記煙突22の上端部の内側に同心状に配置する際の位置決めを容易に且つ確実に行うことができる。しかも、該流路部分閉塞部材24に予め取り付けてある上記各上部取付部材25の係止片25aを、上記煙突22の頂部開口部22aの外周縁に引っ掛けることから、上記流路部分閉塞部材24の重量を、上記各上部取付部材25を介して煙突22の頂部にて支持させることができて、該各上部取付部材25の外端部の係止片25aを煙突22の頂部開口部22aの外周縁に固定する作業や、後述するように、流路部分閉塞部材24の円錐部24bへの下部取付部材26の内端部の固定作業を容易に実施することが可能となる。
上記下部取付部材26は、上記煙突22の上端部の内側に挿入配置された上記流路部分閉塞部材24の円錐部24bの上端部における周方向複数個所、たとえば、4個所と、その放射方向(径方向)外側位置より所要寸法下方となる煙突22の内周壁面の4個所との間にそれぞれ傾斜させて介装させ、流路部分閉塞部材24の下部を煙突22に取り付けるもので、各下部取付部材26の内端部には、上記流路部分閉塞部材24の円錐部24bの上端部の周方向4個所に設けてある貫通孔29に挿通させるための突部28が設けてあり、該突部28に雄ねじ(図示せず)を刻設した構成としてある。これにより、上記各下部取付部材26の外端部を、上記煙突22の所定高さ位置の内周面における周方向の4個所に、それぞれ溶接等の所要の固定手段により予め固定し、次いで、上記煙突22の内側へ上記流路部分閉塞部材24を同心状に挿入配置して、該流路部分閉塞部材24の円錐部24bの上端部周方向4個所に設けてある各貫通孔29に、上記各下部取付部材26の内端部に設けてある突部28をそれぞれ挿通させ、しかる後、流路部分閉塞部材24の内側から上記各突部28にナット30を螺着させることで、該各下部取付部材26の内周側端部を、上記流路部分閉塞部材24の下端部に固定できるようにしてある。したがって、上記流路部分閉塞部材24の下端部も、上記各下部取付部材26を介して煙突22内に同心状に容易に位置決めして固定できるようにしてある。
なお、一般に、流路を流通させる流体の流量が一定の場合、流体の温度変化や体積変化を無視すると、流路断面積と流速は反比例する。そこで、本発明では、上記流路部分閉塞部材24の円筒部24aの外周面と上記煙突22の上端部の内周面との間に形成される環状流路27の流路断面積は、上記流路部分閉塞部材24の配設位置よりも下方における煙突22内の流路断面積と、上記煙突22の排煙流れ方向の上流側に設けられている船舶のエンジンのような図示しない燃焼装置の運転により排出される排煙23の量(流量)とを考慮して、上記環状流路27を経て煙突22の頂部開口部22aより上方へ排出される排煙23の速度が、煙突22の頂部開口部22a付近に生じると想定される風速(雰囲気流れ速度)、たとえば、船舶の航行時に想定される相対的な雰囲気流れ速度の2倍以上となるように、上記流路部分閉塞部材24の配設位置よりも下方における煙突22内の流路断面積に対する絞り量を適宜設定するようにしてあるものとする。
又、図示してはいないが、上記流路部分閉塞部材24の円筒部24aの上端部に蓋を設けて、該流路部分閉塞部材24の内部に雨水が浸入して溜まることがないようにしてもよい。
以上の構成としてある本発明の煙突の排煙変向抑制装置を用いる場合は、上記流路部分閉塞部材24を、上部及び下部の各取付部材25及び26を介して煙突22の上端部の内側に同心状に取り付ける。具体的には、たとえば、上記流路部分閉塞部材24の円筒部24aの上端部外周面の周方向4個所に、予め、上記各上部取付部材25の内端部をそれぞれ取り付けておくと共に、煙突22の上端部所定高さ位置の内周壁面における周方向の4個所に、上記各下部取付部材26の外端部をそれぞれ取り付けておいて、次いで、上記各上部取付部材25が一体に取り付けてある流路部分閉塞部材24を、上記煙突22の上端部の内側に同心状に挿入配置し、上述したように該流路部分閉塞部材24の下端部に、上記各下部取付部材26の内端部をそれぞれ固定すると共に、上記各上部取付部材25の外端部を、上記煙突22の頂部開口部22aの外周縁に固定して、上記流路部分閉塞部材24を上記煙突22の上端部の内側に同心状に配設する。
この状態で、上記煙突22を通して排煙23の排出を行わせるようにすると、煙突22の中心部付近を通って下方から上昇する排煙23の流れは、上記流路部分閉塞部材24の配設個所に達した時点で、該流路部分閉塞部材24の円錐部24bに突き当たるため、該円錐部24bの外面に沿って外周方向へ円滑に分散させられて、上記煙突22の上端部の内周面と、上記流路部分閉塞部材24の円筒部24aの外周面との間に形成される環状流路27内へ導かれることにより、上記排煙23の流路断面積が絞られるようになる。この流路断面積の減少に伴って、上記環状流路27内では、排煙23の流通速度が増速され、この流速が増速された状態の排煙23が、該環状流路27より煙突22の頂部開口部22aを経て上方へ吹き出されるようになる。したがって、煙突22内に上記流路部分閉塞部材24を設けない場合に比して、煙突22より上方に吹き出す排煙23の排出速度を大きなものとすることができて、該排煙23の上方に向かう勢いを強めることができることから、該排煙23は、上記煙突22の頂部開口部22a付近に存在する雰囲気流れの影響を受けて偏向されることが抑制されるようになる。
このように、本発明の煙突の排煙変向抑制装置によれば、煙突22の頂部開口部22aより排出する排煙23の排出速度を高めることができるので、該煙突22の頂部開口部22a付近に雰囲気流れが存在する条件の下でも、上記排煙23をより高く上げることができ、したがって、該排煙23が、雰囲気流れの影響を受けて偏向することを抑制できる。このため、上記本発明の煙突の排煙変向抑制装置を船舶の煙突に採用すれば、該船舶の前進航行に伴って、該船舶の煙突22の頂部開口部22a付近に相対的な雰囲気流れが生じても、該煙突22より排出する排煙23がダウンウォッシュによって甲板上に導かれる虞を抑制することができる。更に、船体上にブリッジやマスト等の図示しない建屋を設けて、その建屋の後方に、該建屋よりも高さ寸法の低い煙突22を備えた型式の船舶の煙突22に採用すれば、該船舶の前進航行時に発生する相対的な雰囲気流れが、上記煙突22の前方に設けられているブリッジやマスト等のような建屋の部分を通過する際に発生するカルマン渦が煙突22付近に存在していても、該煙突22より排出する排煙23が、上記カルマン渦に巻き込まれて上記建屋付近に吸い寄せられるようになる虞を抑制することができる。したがって、上記船舶の甲板上や上記建屋付近の環境が悪化したり、高温の排煙23の影響を受けて温度上昇する虞を低減することが可能となる。
しかも、上記本発明の煙突の排煙変向抑制装置は、煙突22の上端部の内側に、上記流路部分閉塞部材24を配置すると共に、該流路部分閉塞部材24を、上部及び下部の各取付部材25及び26を介して煙突22側に固定するのみで形成できるため、装置構成を非常にシンプルなものとすることができて、煙突22への取り付けを、煙突22の設計変更を要することなく容易に実施できる。よって、既設の煙突22にも容易に取り付けることができる。
次に、図3(イ)(ロ)は本発明の変形例として他の形態を示すもので、下端部の外径を、本発明を適用する煙突22の上端部における内径に対応する径とし、且つ該下端部より上方に向けて徐々に狭窄して上端部に上記煙突22の頂部開口部22aよりも所要寸法小さい開口面積の開口を備えた錐台部としての円錐台部31aを備え、且つ該円錐台部31aの上端部開口の上側に、該円錐台部31aの上端部開口と同様の径で上下方向に所要寸法延びる円筒部31bを一体に取り付けてなる流路部分閉塞部材31を形成する。
更に、上記流路部分閉塞部材31を、上記煙突22の上端部の内側に挿入配置した状態にて、上記円錐台部31aの下端部外周を取付部として、その外側に位置する上記煙突22の上端部所要高さ位置における内周壁面に、溶接等の所要の固定手段により気密に取り付ける。
更に又、上記流路部分閉塞部材31の上端部となる上記円筒部31bの上端部を、図1(イ)(ロ)及び図2の実施の形態における上部取付部材25と同様の取付部としての取付部材32を介して上記煙突22の頂部開口部22aの外周縁に取り付けるようにしてもよい。
具体的には、上記取付部材32は、上記煙突22の内側に同心状に配置した流路部分閉塞部材31の円筒部31bの外周面位置から放射方向(径方向)に上記煙突22の外周面と対応する位置まで水平に延び、且つ外端部に、所要寸法下方へ屈曲させた係止片32aを備えた形状としてある。これにより、上記流路部分閉塞部材31の円筒部31bの上端部外周面における周方向複数個所、たとえば、4個所に、上記取付部材32の内端部を、それぞれ溶接等の所要の固定手段によりに一体に固定して、該取付部材32を水平方向に張り出させた状態の流路部分閉塞部材31を上記煙突22の上端部に挿入し、次いで、上記各取付部材32の外端部の係止片32aを、上記煙突22の頂部開口部22aの外周縁に引っ掛けるようにして係止させた後、該各取付部材32の係止片32aを、溶接等の所要の固定手段により煙突22の頂部開口部22aの外周縁にそれぞれ固定するようにすることで、上記流路部分閉塞部材31を上記煙突22の上端部の内側へ挿入するときの位置決めを容易に行うことができるようにしてある。しかも、該流路部分閉塞部材31に予め取り付けてある上記各取付部材32を上記煙突22の頂部開口部22aの外周縁に引っ掛けることで、上記流路部分閉塞部材31の重量を、上記各取付部材32を介して煙突22の頂部にて支持させることができて、該各取付部材32の外端部の係止片32aを煙突22の頂部開口部22aの外周縁に固定する作業や、上記したように流路部分閉塞部材31の円錐台部31aの下端部外周を煙突22の内周壁面へ固定する作業を容易に実施することが可能となる。
なお、上記流路部分閉塞部材31の円錐台部31aの上端部開口から円筒部31bの内側に形成される流路33の流路断面積は、前記実施の形態における環状流路27の流路断面積と同様に設定するものとしてある。その他、図1(イ)(ロ)及び図2に示したものと同一のものには同一符号が付してある。
以上の構成としてある他の形態の煙突の排煙変向抑制装置を用いる場合は、上述したように、上記流路部分閉塞部材31の円筒部31bの上端部における周方向の4個所に、取付部材32の内端部を取り付けた後、該各取付部材32が一体に取り付けてある流路部分閉塞部材31を、上記煙突22の上端部の内側に挿入配置して、該流路部分閉塞部材31の円錐台部31aの下端部を、煙突22の内周壁面に気密に固定すると共に、上記各取付部材32の外端部を、上記煙突22の頂部開口部22aの外周縁に固定して、上記流路部分閉塞部材31を上記煙突22の上端部の内側に配設する。
この状態で、上記煙突22を通して排煙23の排出を行わせるようにすると、煙突22の外周寄りの領域を通って下方から上昇する排煙23の流れは、上記流路部分閉塞部材31の配設個所に達した時点で、該流路部分閉塞部材31の円錐台部31aに突き当たるため、該円錐台部31aの内側面(下面)に沿って中心方向へ円滑に集められて、該円錐台部31aの上端部開口から、その上側に連なる上記円筒部31bの内側の流路33へ導かれる。このように、上記排煙23の流路断面積が絞られるようになることから、上記流路33内では、排煙23の流通速度が増速され、この流速が増速された状態の排煙23が、煙突22の頂部開口部22aとなる流路部分閉塞部材31の円筒部31bの上端部を経て上方へ吹き出されるようになる。したがって、上記煙突22の頂部開口部22aより上方に吹き出す排煙23の排出速度を大とすることができ、排煙の上方に向かう勢いを強めることができて、該排煙23は、上記煙突22の頂部開口部22a付近に存在する雰囲気流れの影響を受けても偏向され難い状態で排出されることになる。これにより、図1(イ)(ロ)に示す上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
しかも、上記煙突の排煙変向抑制装置は、煙突22の上端部の内側に、上記流路部分閉塞部材31を配置して、該流路部分閉塞部材31の円錐台部31aの下端部外周を煙突22側に固定すると共に、該流路部分閉塞部材31の上端部を、各取付部材32を介して煙突22側に固定するのみで形成できるため、装置構成を非常にシンプルなものとすることができて、煙突22への取り付けを、煙突22の設計変更を要することなく容易に実施できることから、既設の煙突22にも容易に取り付けて、上記したと同様の効果を得ることが可能となる。
次いで、図4(イ)(ロ)は本発明の実施の更に他の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)及び図2に示したと同様の構成に加えて、煙突22の頂部開口部22aの外周に、上向きにエアを吹き出してエアカーテン34を形成するためのエアカーテン形成部35を取り付けるようにしたものである。
詳述すると、上記エアカーテン形成部35は、上記煙突22の頂部開口部22aの外径よりも所要寸法大きな内径を有する上下方向の筒状部材としての円筒部材36を、上記煙突22の頂部位置から所要寸法下方位置までの外周に同心状に配置して、該円筒部材36の上端部を、半径方向の取付部材41を介して上記煙突22の頂部開口部22aの外周縁に取り付けると共に、上記円筒部材36の下端部と、その内側に位置する上記煙突22の外周面との間に、リング状の閉塞部材37を気密に取り付けて、上記円筒部材36の内周面と上記煙突22の外周面と上記閉塞部材37により囲まれて上端をスリット状ノズル38aとして開放させた環状空間38を形成させるようにしてある。更に、上記円筒部材36の下端部所要個所又は上記閉塞部材37の所要個所に、図示しないエア供給源より圧縮エア39を導くエア供給ライン40を接続して、該エア供給ライン40を経て導かれる圧縮エア39を、上記環状空間38の下端部に導くことができるようにしてある。これにより、上記環状空間38へ導入された圧縮エア39を、該環状空間38内を上昇させてから上記スリット状ノズル38aを経て上向きに吹き出させることで、上記煙突22の頂部外周部22aを取巻くエアカーテン34を形成できるようにしてある。
より具体的には、上記円筒部材36は、その上部に、上記煙突22の頂部開口部22aの外径よりもわずかに大きな内径を有する縮径部36aを形成して、該縮径部36aの内周面と、上記煙突22の頂部開口部22aの外周面との間に、上記円筒部材36の下部内側に形成されている上記環状空間38よりも狭幅のスリット状ノズル38aが、周方向の全長に亘り形成されるようにしてある。これにより、上記エア供給ライン40から上記環状空間38へ導入される圧縮エア39を、該環状空間38内で周方向に均等に分散させた後、上記スリット状ノズル38aを経て上方に勢いよく吹き出させてエアカーテン34を形成できるようにしてある。
上記取付部材41は、上記煙突22の外周に配置した円筒部材36の内周面位置から径方向内向きに上記煙突22の内周面と対応する位置まで水平に延び、且つ内端部に、所要寸法下方へ屈曲させた係止片41aを備えた形状としてある。これにより、上記エアカーテン形成部35を煙突22に取り付ける場合は、先ず、上記円筒部材36の上端部となる縮径部36aの上端部内周面における周方向複数個所、たとえば、4個所に、上記取付部材41の外端部を、それぞれ溶接等の所要の固定手段によりに一体に固定して水平方向内向きに配設すると共に、上記円筒部材36の下端部に、上記リング状の閉塞部材37の外周縁部を気密に取り付ける。次に、円筒部材36を、上記閉塞部材37を上記煙突22の上端部に嵌合させるようにして煙突22の上端部の外周に配置すると共に、該円筒部材36の上端部に取り付けてある上記各取付部材41の係止片41aを、上記煙突22の頂部開口部22aの外周縁に引っ掛けるようにして係止させる。次いで、該係止片41aを、上記煙突22の頂部開口部22aの外周縁に、溶接等の所要の固定手段により固定し、又、上記リング状の閉塞部材37の内周縁部を、煙突22の外周面に、溶接等の所要の固定手段により気密に固定する。しかる後、上記エア供給ライン40を、上記円筒部材36の下端部又は上記閉塞部材の所定個所に接続するようにすればよい。
なお、上記エア供給ライン40を経て導く圧縮エア39の供給源としては、図示しない専用のコンプレッサーを装備してもよいが、一般の船舶等において広く使用されている圧縮エアの余剰分を用いるようにすれば、上記エアカーテン34を形成するために新たにコンプレッサーを設ける必要をなくすことができてより好ましい。
その他の構成は図1(イ)(ロ)及び図2に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
本実施の形態によれば、図1(イ)(ロ)及び図2に示したものと同様にして煙突22の上端部の内側に流路部分閉塞部材24を同心状に配設することによって開口面積が絞られた煙突22の頂部開口部22aより上方へ排煙23を吹き出させるときに、上記エア供給ライン40を経てエアカーテン形成部35に導いた圧縮エア39を、上記環状空間38の上端開口部としてのスリット状ノズル38aより上方に吹き出させることで、上記煙突22の頂部開口部22aより排出する排煙23を取り囲むように上向きのエアカーテン34を形成できる。このため上記煙突22の頂部開口部22a付近に雰囲気流れが存在していても、この雰囲気流れを、上記エアカーテン34によって遮ることができて、該エアカーテン34の内側にて煙突22の頂部開口部22aより排出されている排煙23の流れが、該煙突22の頂部開口部22a付近に存在する雰囲気流れの影響を受けて変向されることを、より確実に抑制することができるようになる。更には、上記エアカーテン34を形成すべく上向きに吹き出しているエアの流れにより、上記排煙23の流れを誘引して該排煙23をより高く上げることも可能になり、このことによっても、上記煙突22の頂部開口部22aより排出する排煙23の流れが、雰囲気流れの影響を受けて変向されることを、より確実に抑制することができるようになる。
しかも、上述したように、円筒部材36の上端部と煙突22の頂部開口部22aの周縁との間に介在させる取付部材41を、円筒部材36の内周面位置から径方向内向きに上記煙突22の内周面と対応する位置まで水平に延び、且つ内端部に、所要寸法下方へ屈曲させた係止片41aを備えた構成としてあることから、上述したように、上記円筒部材36の上端部内周面に予め各取付部材41の外端部を取り付けてから、該円筒部材36を、煙突22の上端部の外周に配置して、上記各取付部材41の係止片41aを、該煙突22の頂部開口部22aの外周縁に引っ掛けることで、該円筒部材36を所定位置に容易に位置決めできることから、エアカーテン形成部35を、煙突22の上端部に容易に取り付けることが可能になる。
図5(イ)(ロ)はいずれも変形例の更に他の形態を示すもので、図3(イ)(ロ)に示したと同様の構成に加えて、煙突22の上端部の内側に配置してある流路部分閉塞部材31の上端開口部の外周に、上向きにエアを吹き出してエアカーテン34を形成するためのエアカーテン形成部42を設けるようにしたものである。
詳述すると、図5(イ)に示す上記エアカーテン形成部42は、煙突22の上端部の内周面と、上記流路部分閉塞部材31の円筒部31bの外周面及び円錐台部31aの上面によって囲まれて形成されている環状の空間を、エアカーテン34を形成させるための環状空間43として利用できるようにするために、上記流路部分閉塞部材31の円筒部31bの上端部の外周面と、煙突22の頂部の内周面との間にリング状の閉塞部材44を取り付けて、上記環状空間43の上端側を閉塞させるようにしてある。更に、該リング状閉塞部材44の径方向の中間部付近には、上記流路部分閉塞部材31の上端部を煙突22の頂部開口部22aの外周縁に係止させて取り付けるために周方向の4個所に配設してある取付部材32と上下に重なる周方向の4個所を除いて周方向に延びるスリット状ノズル45を穿設してある。
更に、上記環状空間43の下端部に対して圧縮エア39を供給できるように、上記環状空間43の下端部と対応する高さ位置となる煙突22の上端部の周方向所要個所に、図4(イ)(ロ)に示したと同様の図示しないエア供給源より圧縮エア39を導くエア供給ライン40を接続した構成としてある。これにより、上記エア供給ライン40を経て上記環状空間43の下端部へ導入した圧縮エア39を、該環状空間43内で周方向に均等に分散させた後、該環状空間43の上方に形成してある上記スリット状ノズル45を経て上向きに勢いよく吹き出させることで、上記流路部分閉塞部材31の上端開口部となる円筒部31bの頂部を取巻くエアカーテン34を形成できるようにしてある。
次に、図5(ロ)は別の例を示すもので、煙突22の上端部の内周面と、上記流路部分閉塞部材31の円筒部31bの外周面との隙間が大きい場合に採用するようにしたものである。すなわち、上記流路部分閉塞部材31の円筒部31bの外周に、該円筒部31bの外径よりも所要寸法大きな内径を有し、且つ上記煙突の内径よりも小さな外径を有する円筒部材44を、上記円筒部31bの上端位置から円錐台部31aの上面位置まで上下方向に延びるよう配置して、該円筒部材44の下端部を、上記円錐台部31aの上面に気密に取り付けることにより、上記円筒部材44の内周面と、上記流路部分閉塞部材31の円筒部31bの外周面及び円錐台部31aの上面によって囲まれる上端の開放された環状空間47を形成してある。更に、上記円筒部材46は、その上部に、上記流路閉塞部材31の円筒部31bの外径よりもわずかに大きな内径を有する縮径部46aを設けて、該縮径部46aの内周面と、上記円筒部31bの外周面との間に、上記円筒部材46の下部内側に形成されている上記環状空間47よりも狭幅の上記スリット状ノズル47aが、周方向の全長に亘り形成されるようにしてある。
更に、上記環状空間47の下端部に、上記と同様のエア供給ライン40を、煙突22の周壁を貫通させて接続するか、あるいは、図示してはいないが、煙突22の頂部を迂回させて配管して接続するようにすればよい。これにより、上記エア供給ライン40から上記環状空間47へ導入される圧縮エア39を、該環状空間47内で周方向に均等に分散させた後、上記スリット状ノズル47aを経て上方に勢いよく吹き出させてエアカーテン34を形成できるようにしてある。
図5(イ)(ロ)におけるその他の構成は図3(イ)(ロ)に示したものと同様であり、同一のものには同一の符号が付してある。
この形態によれば、図3(イ)(ロ)に示したものと同様にして煙突22の上端部の内側に流路部分閉塞部材31を配設することによって開口面積が絞られた煙突22の頂部開口部22aとなる上記流路部分閉塞部材31の円筒部31bの上端開口部より上方へ排煙23を吹き出させるときに、上記エア供給ライン40を経てエアカーテン形成部42に導いた圧縮エア39を、上記環状空間43,47を経て、スリット状ノズル45,47aより上方に吹き出させることで、上記流路部分閉塞部材31の円筒部31bの上端開口部より排出する排煙23を取り囲むように上向きのエアカーテン34を形成できる。このため上記煙突22の頂部開口部22a付近に雰囲気流れが存在していても、この雰囲気流れを、上記エアカーテン34によって遮ることで、該エアカーテン34の内側にて上記流路部分閉塞部材31の円筒部31bの上端開口部より排出されている排煙23の流れが、上記煙突22の頂部開口部22a付近に存在する雰囲気流れの影響を受けて変向されることを、より確実に抑制することができるようになる。更に、上記エアカーテン34を形成すべく上向きに吹き出されているエアの流れにより、上記排煙23の流れを誘引して該排煙23をより高く上げることも可能になる。したがって、上記煙突22の頂部開口部22aより排出する排煙の流れが、雰囲気流れの影響を受けて変向されることを、より確実に抑制することができるようになる。
しかも、上述したように、図5(イ)に示したエアカーテン形成部42は、煙突22の上端部の内側に、図3(イ)(ロ)に示したものと同様に、煙突22の上端部の内側に流路部分閉塞部材31を取り付ける際に、スリット状ノズル45を形成してあるリング状閉塞部材44も一緒に取り付けるようにすると共に、上記流路部分閉塞部材31の円筒部31bの上端開口部を取り囲む位置にエアカーテン34を吹き出させるための環状空間43を容易に形成できる。又、図5(ロ)に示したエアカーテン形成部42は、図3(イ)(ロ)に示したものと同様の流路部分閉塞部材31を煙突22の上端部の内側に取り付ける際、予め該流路部分閉塞部材31の円筒部31bの外周に該円筒部31bを取り囲む円筒部材46を同心状に配置して、該円筒部材46の下端部を上記流路部分閉塞部材31の円錐台部31aの上面に気密に取り付けておき、その後、この円筒部材46を一体に取り付けた状態の流路部分閉塞部材31を、図3(イ)(ロ)に示したものと同様に、係止片32aを備えた取付部材32を介して煙突の上端部の内側に取り付けることで、上記流路部分閉塞部材31の円筒部31bの上端開口部を取り囲む位置にエアカーテン34を吹き出させるための環状空間47を容易に形成できる。したがって、図5(イ)(ロ)に示したいずれのエアカーテン形成部42であっても、煙突22の大幅な設計変更を要することなく容易に付加することができるため、既設の煙突22にも容易に適用することが可能となる。
更に、上記図4(イ)(ロ)の実施の形態におけるエアカーテン形成部35、及び、図5(イ)(ロ)に示す形態におけるエアカーテン形成部42では、煙突22の頂部開口部22a付近における雰囲気流れの強さに応じて、エアカーテン34の形成状態と停止状態とを適宜切り替えるようにしてもよい。すなわち、たとえば、上記煙突22の頂部開口部22a付近に、雰囲気流れの強さを測定するための図示しないセンサ(風速センサ)を設けて、該センサによる雰囲気流れ速度の検出値がゼロとなる無風状態から、或る所定の速度検出値までの間は、上記エアカーテン34を停止させておき、上記所定の速度検出値を超えると、上記エアカーテン34形成用の圧縮エア39の図示しない供給源を操作したり、エア供給ライン40上の図示しない開閉弁を操作して、エアカーテン34を形成状態とするように切り換えるようにしたり、又は、船舶の航行速度が、ゼロから或る所定の航行速度に達するまでの間は、上記エアカーテンを停止させておき、上記所定の航行速度を超えると、図示しない制御装置により、上記と同様にエアカーテン34を形成状態に切り替えることができるようにしてもよい。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、上記各実施の形態では、いずれも円筒状の煙突22に適用する場合について説明したが、平面形状が角形や楕円等、円形以外の煙突に適用してもよい。この場合、図1(イ)(ロ)及び図2の実施の形態のものでは、上下方向に延びる流路部分閉塞部材24の上部の平面形状を、煙突22の頂部開口部22aの形状を所要寸法収縮させた相似形状となるようにすればよい。又、図4(イ)(ロ)の実施の形態のものでは、流路部分閉塞部材24の上部の平面形状を上記図1(イ)(ロ)の実施の形態と同様に設定すると共に、エアカーテン形成部35を、円筒部材36に代えて、煙突22の頂部開口部22aの形状を所要寸法拡大した相似形状で上下方向に延びる筒状部材を備えてなるものとすればよい。更に、図3(イ)(ロ)に示す形態、及び、図5(イ)に示す形態のものでは、流路部分閉塞部材31の下部を、円錐台部31aとすることに代えて、煙突22の上端部における内部形状に応じた錐台形状を備えた錐台部とすればよい。更に、上記流路部分閉塞部材31は、上記錐台部の上方に、該錐台部の上端開口部に連通する上下方向の流路33を内側に形成できれば、円筒部31bに代えて、いかなる平面形状の筒状部を設けるようにしてもよい。更に又、図5(ロ)の実施の形態のものにおける円筒部材46は、その平面形状を、上記流路部分閉塞部材31の筒状部の平面形状を所要寸法拡大させた相似形状となるようにすればよい。
図1(イ)(ロ)及び図2の実施の形態における下部取付部材26の内端部と流路部分閉塞部材24との下部の接続は、上記下部取付部材26の内端部に設けた突部28を、流路部分閉塞部材24の円錐部24bの上部の外周部に設けた貫通孔29に挿通させた後、該突部28の外周を、上記円錐部24bの内面側に溶接等により固定するようにしてもよい。
図3(イ)(ロ)に示す形態では、流路部分閉塞部材31の円錐台部31aにより流路が絞られた後の排煙23の流れをスムーズな上向き流れとするためには、上記円錐台部31aの上端開口部の上側に円筒部31bを設けることが好ましいが、該円筒部31bを省略して上記流路部分閉塞部材31を上記円錐台部31aのみの形状としてもよい。又、上記流路部分閉塞部材31の上端部と煙突22の頂部開口部22aの周縁との間に介在させる取付部材32は省略してもよい。
その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更を加え得ることは勿論である。