JPH0512609Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、排気筒を燃焼室上方に備えつけた燃
焼装置に関するものである。

従来の技術 従来の自然開放形の燃焼装置の一例は、第４図
に示すような内筒１、外筒２、底板３および外装
天板４と、複数個の孔を有する天板５および外装
筒６から構成された排気筒７を燃焼室上方に備え
つけていた。上記構成において、燃焼ガスは燃焼
室から内筒１の内部、天板５周囲の孔、外装筒６
上部の孔を通つて外部へ排出される。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら上記のような構成では天板５周囲
の孔を通過する排気ガスは外周方向の斜め上方に
噴出されるため、自然ドラフトによつて外装筒６
下部の孔および外筒２下端部と外装筒６下端部と
のすきまより外気を吸引する力が小さく排気ガス
と外気とを混合させて排気温度を下げる効果が少
なかつた。そのため高温の排気ガスによる火傷や
周辺隣接物の温度上昇などの危険性があり、安全
面において問題があつた。

本考案は、上記従来の問題点に鑑み、排気温度
を下げることによつて排気ガスの温度による危険
を除去し、安全性を確保することを目的とするも
のである。

問題点を解決するための手段 上記問題点を解決するために、本考案は燃焼室
の上方に設けた排気筒と、この排気筒内の煙道部
上部に設けた底部を傾斜面とする抵抗体と、この
抵抗体の外方の同周方向にすき間をへだてて設け
た風向調整板と、この風向調整板の外方の同周方
向にすき間をへだて、かつ側面に複数個の孔を有
する外装筒とを備え、前記抵抗体上面は前記風向
調整板上端部より高い位置に配設したものであ
る。

作 用 上記構成とすることにより、燃焼ガスが燃焼室
から煙道部内の内筒内部を通り、抵抗体と風向調
整板の間を通過する際に、排気ガスは強制的にほ
ぼ真上の方向に噴出されるため、自然ドラフトに
よつて外装体側面中央より下方孔から外気を吸引
する力が大きくなり、排気ガスと外気とを混合さ
せて排気温度を下げる効果が増大するものであ
る。

実施例 以下、本考案の一実施例を添付図面にもとづい
て説明する。第１図は本考案の一実施例における
燃焼装置１０の排気筒の縦断面図を示し、また、
第２図は燃焼装置の縦断面図を示す。この第１図
および第２図において、１１は燃焼室１２の上方
に備えつけられた排気筒で、バーナ１３によつて
前記燃焼室１２内で燃焼が行われる際に、排気ガ
スは、前記燃焼室１２内部を上昇し、バツフル板
８により缶体９内の水を加熱し、そして、排気筒
１１内を通過した後に外部へ排出される。１４
は、前記排気筒１１下部に構成されている煙道部
で内筒１５、外筒１６、外方に傾斜する上板１
７、底板１８、断熱性の吸音材１９より構成され
ている。２０は、前記煙道部１４の上方に取り付
けられた中に中空部を形成する抵抗体で、その外
方の円周方向に風向調整板２１が間〓を設けて上
板１７に取り付けられており、抵抗体２０の上面
は風向調整板２１上端部より高さｈだけ上方に位
置している。更に、抵抗体２０は、その底部の円
錐形状の斜面の延長線より上方に（寸法ｉ）位置
するように突起２４の先端を形成する。２２，２
３は、前記排気筒１１の外装体を構成している外
装筒および外装天板でなり、外装筒２２には上
部、中部および下部に各々複数個の孔が設けられ
ている。

排気ガスは、排気筒１１内部において、内筒１
５内部を上昇し、抵抗体２０に当たり方向を抵抗
体２０の底部の円錐形状に沿つて変え、風向調整
板２１と抵抗板２０のすき間でほぼ垂直の向きに
噴出される。この場合、風向調整板２１と外装筒
２２との間付近にある空気は、自然ドラフトによ
り上方へ吸引されると同時に、外装筒２２中央よ
り下方の孔から外気が吸入され、風向調整板２１
上端部上方において、排気ガスと空気とを混合さ
せた後に、その混合ガスは外装筒２２上部に設け
られた孔より外部へ排出されるため、煙道部１４
を通過する排気ガス温度に比べて排気温度を低下
させることができる。

しかも、抵抗体２０と風向調整板２１の間を通
過する排気ガスは、ほぼ真上の方向に流出される
ため風向調整板２１と外装筒２２の間付近にある
空気を吸引する力が強くなる。また抵抗体２０の
上面は風向調整板２１の上端部より高さｈだけ上
方に位置することにより、排気ガスの流速は抵抗
体２０側面側より風向調整板２１側の方が速くな
り、更に風向調整板２１と外装筒２２との間付近
くにある空気を吸引する力がより一層強くなる。
そのため、外装体２２中央部より下方の孔から吸
入される外気の量が多くなり、排気ガスと外気を
混合させて排気温度を低下させる効果を増大させ
ることができるものである。

第３図は、抵抗体２０の上面と風向調整板２１
の上端部の位置ｈと、外装筒２２より流出される
排気ガスの温度の関係を示した実験結果のグラフ
である。このグラフからも明らかなようにｈ寸法
がマイナス側、つまり、抵抗体２０の上面位置は
風向調整板２１の上端部の位置より低い場合は排
気ガス温度が高くなつている。ｈ寸法がプラス
側、つまり、抵抗体２０の上面位置が、風向調整
板２１の上端部２１より高い位置の場合は排気ガ
ス温度が低くなつている。つまり、抵抗体２０の
風向調整板２１の位置関係が、排気ガス温度に大
きく寄与していることがわかり、本考案の有効性
がわかるものである。

なお、排気筒など、円形で記載したが角形等の
異形であつても、同様の効果が得られることはい
うまでもない。

次に、本実施例の他の特長を列記すると次のも
のがある。

(1) 抵抗体２０の突起２４は、外装筒２２の孔か
らの雨水の侵入に対し、煙道部１４の内筒１５
や燃焼装置１０内に流入しないようにするた
め、いわゆる水切りの役目をなしている。つま
り、雨水は突起２４を伝つて上板１７上に滴下
させて、その傾斜面を風向調整板２１の下部、
及び外装筒２２の下部の孔より外部へ放出す
る。従つて風雨などの天候に左右されない燃焼
装置の燃焼性能を良好に維持することが出来
る。

(2) また、抵抗体２０は、その底部の円錐形状の
斜面の延長線より上方に突起２４を形成してい
る。従つて、排気ガスが抵抗体２０に当たつて
方向を変え、更に、風向調整板２１と抵抗体２
０のすき間でほゞ垂直の向きに噴出するとき、
排気抵抗に悪影響を与えないので、良好な排気
性能が維持できる。

考案の効果 以上のように本考案によれば、自然開放形の燃
焼装置において、燃焼室上方に備えつけられた排
気筒の、煙道部上方に抵抗体と風向調整板を配設
し、かつ、抵抗体上面は、風向調整板の上端部よ
り上方に位置させるよう構成したので、自然ドラ
フトによつて外気を吸引する力を増大させ排気ガ
スと外気とを混合させて、排気温度を低下させる
効果を非常に大きくすることができる。そのた
め、高温の排気ガスによる火傷や周辺隣接物の温
度上昇など危険を防止し安全性を確保することが
できるものである。

また、風向調整板を設けていることで屋外に設
置した場合でも、雨水が煙道部内筒内部より燃焼
室内に直接侵入することがなく、しかも、横風に
対しても燃焼室内に直接風圧がかかることがない
ため、常に燃焼状態を良好に保つことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す燃焼装置の排
気筒の縦断面図、第２図は同燃焼装置の縦断面
図、第３図は同排気筒のｈ寸法と排気温度の関係
を示す特性図、第４図は従来の燃焼装置の排気筒
の縦断面図である。 １０……燃焼装置、１１……排気筒、１２……
燃焼室、１４……煙道部、２０……抵抗体、２１
……風向調整板、２２……外装筒。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 燃焼室の上方に設けた排気筒と、この排気筒内
   の煙道部上部に設けた底部を傾斜面とする抵抗体
   と、この抵抗体の外方の同周方向にすき間をへだ
   てて設けた風向調整板と、この風向調整板の外方
   の同周方向にすき間をへだて、かつ側面に複数個
   の孔を有する外装筒とを備え、前記抵抗体上面は
   前記風向調整板上端部より高い位置に配設してな
   る燃焼装置。