JP5114033B2 - ワイヤーソーイングの方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ワイヤーソーイングの方法および装置に関する。
EP0837115B1に、硬質脆性材料により製作される結晶からワイヤソーを用いてウェハを切り分ける工程において、懸濁液の形態をとる加工液が用いられる工程がすでに開示されている。この加工液は、実質的に、摩耗作用を有する硬質材料粒子がその中に分散している非水溶液からなる。前記非水溶液は、75〜150の分子量を有するポリグリコールにより構成される化合物群と、この化合物の何らかの望ましい混合物であって、懸濁液の重量に基づいて最大限でも5重量%の水分を含有する混合物とから選択される。前記非水溶液の粘度は、好ましくは、20°Cにおいて50〜800mPasである。この工程は、使用されるワイヤーソーイング用懸濁液が相対的に頻繁な周期で交換されなければならず、前記スラリーの特性がワイヤーソーイング時において制御不能な態様で変化し得るという欠点を有する。
CH691039A5に、少なくとも1つがポリグリコールであるポリオールの混合物によって構成されるスラリーのワイヤーソーイングにおける使用が開示されている。このポリオール混合物は、スラリーが所定の粘度を有するような態様に選択され得る。前記文献には、さらにまた、このポリオール混合物が水分を含有し得ることが記載されている。
EP0686684A1には、水性液相の研削材によって構成されるワイヤーソーイング用懸濁液の使用が開示されている。このワイヤーソーイング用懸濁液は、たとえば水溶性ポリマー等の増粘剤を含有する。前記ワイヤーソーイング用懸濁液の粘度は、10s−1のせん断速度において10〜1000mPasである。
DE19938339A1には、鉱油とグリコールとによって構成されるグループから選択される少なくとも1つの代表物を含有する、ワイヤソーに用いられるワイヤーソーイング用懸濁液が開示されている。さらにまた、ポリシロキサンのグループから選択される少なくとも1つのまた他の添加物が用いられる。
US6422067B1に、ワイヤーソーイングに適するスラリーが、約2s−1のせん断速度で約400〜700mPasの粘度を、約380s−1のせん断速度で50〜300mPasの粘度を有する方法が記載されている。
本出願人に周知のワイヤーソーイング工程では、グリコール系キャリア液と摩耗作用を有する硬質材料としてのSiC粗粒(SiCフジミGC1000(SiC Fujimi GC 1000))とを用いる、グリコール系スラリーが使用される。このスラリーの含水量は、ワイヤーソーイング時において一定に維持される。
図11および12に、プルリオールE200(Pluriol E 200)という商品名で知られるキャリア物質からなる、グリコール系スラリーの、GaAs結晶のワイヤーソーイングにおける使用時間の増加に伴う変化が示されている。この場合は、前記スラリーの含水量は、(12±2)g/lで略一定に維持される。20.4s−1のせん断速度における前記スラリーの動的粘度が、図11の上部分において、前記スラリーのGaAs含量に対して座標で示されている。GaAs含量の増加は、前記スラリーがGaAsのワイヤーソーイングに用いられる時間の増加に対応する。スラリーの密度は、図11の下部分において、GaAs含量に対して座標で示されている。前記スラリーの動的粘度および密度は、GaAs含量とともに略線形に増加する。図12に、異なるGaAs含量におけるスラリーの動的粘度が、せん断速度に対して座標で示されている。この場合は、前記スラリーは、図示されている各々のGaAs含量において非ニュートン挙動を有する。
図13に、ベトロノールMFV1016(Betronol MF V 1016)という商品名で知られる、グリコールを基礎材料とするキャリア物質を含有するとともに、(18±5)g/lという略一定な含水量を有するスラリーの特性が示されている。この図には、さまざまな気体含量における前記スラリーの動的粘度がせん断速度に対して座標で示されている。前記のように、動的粘度は、GaAs含量の増加とともに、すなわちスラリーの使用時間が増加すると増加する。同時に、前記スラリーは、各GaAs含量において非ニュートン挙動を有する。
本出願人に周知の前記工程は、スラリーの特性が使用時間の増加とともに変化することが、この方法で製造されるGaAsウェハの品質の劣化を引き起こすという欠点を有する。特に、ワイヤーソーイング時においてGaAsウェハに対するワイヤの配向を示す構造が、ワイヤーソーイング後にGaAsウェハの表面上において裸眼で見て取れる。これらの構造は、片面研磨を受けたウェハでも、該ウェハを構成部品製造元に納入する前または構成部品のエピタキシャル製造の前に、その裏面が、たとえば表面研磨により再加工されなければならないことを意味する。
EP0837115B1 CH691039A5 EP0686684A1 DE19938339A1 US6422067B1 DE10052154A1 DE10128630A1
本発明の目的は、ワークから切り出されるウェハの品質の向上を達成するのに用いられ得るワイヤーソーイングの方法および装置とワイヤーソーイング用スラリーとを提供することにある。本発明のまた他の目的は、使用時間の増加が切り出されるウェハの特性に悪影響を与えることなしに、スラリーの使用時間を増加させることにある。
本発明の前記目的は、請求項1にしたがったワイヤソーと、請求項にしたがったワイヤーソーイングを手段としてワークを切り分ける方法とによって達成される。
本発明は上記の目的を達成するため、下記を備えることを特徴とする。
(1) ワーク(5)を切り分けるワイヤソー(1)であって、ワイヤ(3)と、スラリーを前記ワイヤ(3)に塗付するための塗付装置(7)と、該スラリーを取り巻く気体媒質の少なくとも一部の所定含水量を設定する装置(21、22、24、27)と、ワイヤソー内で気体媒質を移動させる装置(19)と、作動中にワイヤ(3)に塗付されたスラリーを回収する回収器(8)と、スラリータンク(9)を含み該回収器(8)を用いて回収されたスラリーを再循環させる再循環装置(9、13、14)と、切断部及びスラリータンク(9)における気体媒質の含水量がワイヤソーの一部分の外側の含水量とは無関係に設定可能となるように、ワイヤソーの少なくとも一部分を周囲から雰囲気的に分離するハウジング(18)とを備え、前記所定含水量を設定する装置(21、22、24、27)は、切断部から分離されて配置され、取入口(16)を介して切断部に接続される通路(23)内に設けられており、前記気体媒質を移動させる装置(19)は、前記所定含水量を設定するために前記通路(23)を介して気体媒質を移動させ、前記装置(19)は、前記通路(23)内に設けられ、前記通路(23)は、前記スラリータンク(9)の方に開いていることを特徴とするワイヤソー。
)請求項1に係るワイヤソーであって、ワイヤソーの作動時にワークが切り分けられる切り分け部における気体媒質の含水量を制御する制御装置(21、22、24)を備えることを特徴とするワイヤソー。
)請求項1または2に係るワイヤソーであって、さらに、ワイヤソーにおける気体媒質の温度を制御するための装置(24、25、26)を備えることを特徴とするワイヤソー。
)ワイヤソーを用いてワークを切り分ける方法であって、ワイヤ(3)に塗布されるスラリーを用いると共に、スラリーを取り囲む気体媒質の少なくとも一部分の含水量を制御し、ワイヤソーが作動しているときにワークが切り分ける切断部から分離されて配置され、取入口(16)を介して切断部に接続されるとともに、ワイヤ(3)に塗付されたスラリーを回収する回収器(8)を用いて回収されたスラリーを再循環させる再循環装置(9、13、14)のスラリータンク(9)の方に開かれている通路(23)を介して、前記通路(23)内に設けられた気体媒質を移動させる装置(19)により、気体媒質を移動させて、切断部及びスラリータンク(9)における気体媒質の含水量が所定含水量に設定されるように、気体媒質の含水量を、切断部の外側にて通路(23)内で制御することを特徴とする方法。
)請求項に係る方法であって、前記気体媒質はワイヤソー内において循環することを特徴とする方法。
()請求項またはに係る方法であって、前記スラリーはワイヤソー内において循環することを特徴とする方法。
)請求項からのいずれかに係る方法であって、ワークを切り分ける切り分け部における前記気体媒質の含水量が7〜17g/m3の範囲に適宜制御されることを特徴とする方法。
)請求項からのいずれかに係る方法であって、ワークが切り分けられる切り分け部における前記気体媒質の含水量が11〜15g/m3の範囲に適宜制御されることを特徴とする方法。
)請求項からのいずれかに係る方法であって、ワークが切り分けられる切り分け部における前記気体媒質の含水量が約5g/m3未満に適宜制御されることを特徴とする方法。
10)請求項からのいずれかに係る方法であって、スラリーの濃度および/または粘度に応じて前記気体媒質の含水量が可変的に制御されることを特徴とする方法。
11)請求項から10のいずれかに係る方法であって、前記気体媒質の含水量が、使用時間に応じて、所定の所望曲線に保持されることを特徴とする方法。
12)請求項から11のいずれかに係る方法であって、前記気体媒質の温度が制御されることを特徴とする方法。
本発明にしたがったワイヤソーの使用は、スラリーを取り巻く気体媒質の少なくとも一部分の含水量を制御することにより、スラリーの含水量を、したがってスラリーの流動学的性質と粘度とを目標とされる態様に設定することが可能になるという利点を有する。
ひとつの好適な実施例において、スラリーを取り巻く気体媒質の含水量が一定値に制御されて、水が、目標とされる態様でスラリー中に取り込まれるようになる。このことは、スラリーの密度の増加にもかかわらず粘度が低下するとともに、安定な値に達するという利点を有する。これにより、このようにして製造されるウェハは、スラリーの使用時間全体にわたって一定に維持される高品質のものとなる。
ワイヤソーの切断空間内の気体媒質において、7〜17g/m、好ましくは11〜15g/mの範囲内の制御された一定な含水量が得られることにより、ワイヤソーを用いて製造されるウェハの品質に関して一定な品質を達成することが可能になり、スラリーを頻繁に交換する必要がなくなる。
2s−1〜34s−1の範囲内のせん断速度と無関係に、220mPas未満、好ましくは170〜200mPasの範囲内の粘度を有するスラリーを使用することは、切り出されたウェハの表面の無構造化と、切断工程の長期的な高安定性とにつながる。ワイヤソーにおける空気流の含水量を手段としてスラリーの粘度を制御することにより、スラリーを長時間にわたって使用することが可能になり、ガリウム収支(単位体積による使用スラリーからのガリウムの回復)が従来の工程と比べて向上する。
本発明は、さらにまた、高い送り速度を可能にする一方で、依然として高いウェハ品質が達成されるという利点を有する。
本発明にしたがった装置および方法は、増粘剤を用いることなしに、単純かつ安価なポリエチレングリコールを使用することを可能にする。
ワイヤソーにおける空気の含水量を制御することは、ウェハを直接スラリーに加える場合より、スラリーの含水量がいずれの方向にも変化可能、すなわち増加および減少可能となるという点で有利である。
本発明は、ワイヤの特性の変動およびスラリーの密度の変動にもかかわらず、切断間隙内へのスラリーの恒常的な移送を確保することが可能になるという利点を有する。本発明は、スラリーの粘度がワイヤの摩耗状態に対して最適なレベルに設定されるため、ワイヤを頻繁に交換する必要がなくなることを意味する。
本発明にしたがって予備調整されたスラリーは、その特性が、本発明にしたがった方法を用いる切断時において十二分に制御され得るという利点を有する。
本発明のさらに他の利点および適切な改良は、添付図面を参照して行なわれる典型的な実施例の説明から明らかになろう。
図1に、本発明にしたがった第1の典型的な実施例のワイヤソー1が示されている。
このワイヤソー1は、互いに対して平行に配置され、かつそのまわりにおいてワイヤが多重案内されて、平行なワイヤ部分により構成されるとともに図1の図平面に対して垂直をなすワイヤ領域Eの範囲が定められるようになっているワイヤ案内ロール2を有する。ワーク5がソーストリップを用いて固定され得る送り装置4も配設される。この送り装置4は、自身に固定されるワーク5を、ワイヤ領域Eに対して垂直な方向にワイヤ領域Eを介して移動させるために用いられ得る。ワイヤ案内ロール2は、該ワイヤ案内ロール2を回転させてワイヤを自身の長手軸に沿って移動させ得る回転装置(図示せず)に接続される。
それを介してスラリーがワイヤ領域Eに塗付され得る2個のスラリーノズル7は、ワイヤ平面の上に設けられる。これらのスラリーノズル7は、ワイヤ平面Eを形成するワイヤ部分に沿う方向に、いずれの場合も1個のスラリーノズルがワークの2つの対向する側に位置するような態様に配置される。
ワイヤ案内ロール2の下には、漏斗状の回収装置8が配置される。この漏斗状の回収装置8の下側端部において、前記回収装置8を用いて回収されるスラリーがそれを介してスラリータンク9内へと通される出口が設けられる。スラリータンク9内において、スラリーを均一に混ぜる撹拌器10が設けられる。この撹拌器10は、軸11を介して、前記撹拌器を駆動するモータ12に接続される。スラリーを再びスラリータンクから供給管路14を介してスラリーノズル7へと汲み出すポンプ13が配設される。回収装置8とスラリータンク9とポンプ13と供給管路14とは、スラリーをワイヤソー内において循環させるスラリー再循環装置を形成する。
ワイヤソーの切断部、すなわちワイヤソーが作動しているときにワークが切り分けられるワイヤ領域Eのまわりの部分は、内側ハウジング15によって環境から分離される。空気取入口16は、ハウジング15において、ワイヤ平面Eより下の2つの対向する側壁に設けられる。ワイヤ平面Eより上の上側部、すなわち前記回収装置から遠いハウジング15の側部には、1個以上の空気排出口17が設けられる。ワイヤソー内における空気の含水量と温度とが自身の外側の環境と無関係に設定され得るような態様にワイヤソーを環境に対して気候的に密封する外側ハウジング18が、内側ハウジング15とスラリータンク9とのまわりに配置される。空気排出口17から空気取入口16へと空気流を案内するのに用いられる2つの空気循環路23は、外側ハウジング18と内側ハウジング15との間における空間内に形成される。これらの空気循環路23は、スラリータンク9の方に開かれている。
空気流の循環を矢印20により示される方向に維持するファン19は、前記空気循環路23内に配置される。
空気湿度センサ21が空気循環路23内に配置されて、内側ハウジング15から出てくる空気の含水量を測定する。さらにまた、空気加湿器22と空気乾燥器27とが、空気循環路23内に配置される。この空気加湿器22および空気乾燥器27は、制御装置24を介して空気湿度センサ21に接続される。前記制御装置24と空気湿度センサ21と空気乾燥器27と空気加湿器22とは、循環空気流の含水量を所定の値に閉ループ制御する制御回路を形成する。
さらに、前記制御装置24を介して互いに接続される加熱装置25と温度センサ26とが、空気循環路23内に配置される。前記制御装置24と温度センサ26と加熱装置とは、空気流の温度を所定の値に制御するのに用いられ得る閉ループ制御回路を形成する。
ワイヤソー1が動作しているときに、ソーストリップ6を用いて送り装置4に固定されるワーク5は、ワイヤ領域Eに対して垂直な方向に該領域を通過して移動せしめられる。ワイヤ3は、この場合は、ワイヤ案内ロール2の回転により、ワイヤ領域Eのワイヤ部分が自身の長手軸に沿って移動するような態様に移動せしめられる。切断作業時において、ワークの片側のワイヤ部分は、切断間隙内へと移動する一方で、ワークの反対側のワイヤ部分は、切断間隙外へと移動する。切断を行なうために、ワイヤは、常に同じ方向に、または交互に往復する態様で同期的に移動せしめられる。
スラリーは、ワイヤ部分が切断間隙内へと移動するワークの側においてスラリーノズル7を介してワイヤ領域Eのワイヤ部分に塗付される。前記ワイヤ部分は、スラリーを切断間隙内へと移送する。使用されるスラリーは、グリコールを基礎材料とするキャリア物質(たとえばBASF株式会社(BASF AG)により製造される「プルリオールE200(Pluriol E 200)」という商品名を有するポリエチレングリコールまたはMKUケミー有限会社(MKU Chemie GmbH)により製造される「ベトロノールMF V1016(Betronol MF V 1016)」というグリコールを基礎材料とする物質の混合物)と、SiC粗粒(たとえばSiCフジミGC100(SiC Fujimi GC 1000))等の摩耗作用を有する硬質材料とを含有する。SiC粗粒の摩耗作用と、ワイヤがスラリーとともに切断間隙を介して移動するときに材料が除去されることとにより、ワークのウェハは、ラッピング(ワイヤ切断ラッピング)によって除去される。この工程において、スラリーは、ワークから除去された材料を取り込んで、スラリーの密度は、切断工程における使用時間の増加とともに増加するようになる。この切断工程の時間の増加に伴うスラリーの挙動は、スラリーの密度がGaAs含量に対して示されている図2の下部分に示されている。図14から理解され得るように、スラリーのGaAs含量は、切り出されるGaAs単結晶の長さと直径とによって、切り出し個数とスラリーのGaAs含量との間において正確な関係を有して、切り出し個数、すなわち切り出されるGaAs単結晶の個数とともに増加する。切り出されるGaAs単結晶毎のウェハの個数は、一般に100〜200個である。切り出し個数の増加は、スラリーの使用時間の増加を意味する。したがって、GaAs含量の増加は、スラリーの使用時間が進むことに相当する。
ワークの切断に用いられるスラリーは、重力により、回収装置8を介してスラリータンク9内へと通過する。スラリータンク9内において、スラリーは、撹拌器10により均質に混ぜられて、該スラリーは、均質な特性を保つようになる。その後、スラリーは、再びスラリータンク9から供給管路14を介してスラリーノズル7へとポンプ13を手段として汲み出される。スラリーは、またしてもスラリーノズル7を介して、切断間隙内へと移動しているワイヤ平面Eのワイヤ部分に塗付される。このようにして、スラリーの循環が、ワイヤソー内において維持される。
ワイヤソー内の空気は、ファンの補助により、空気循環路23内において空気排出口17から空気取入口16へと運ばれる。その結果として、かつ空気取入口および排出口16、17の前記構成により、ワイヤソー内の空気は、図1において矢印20により示される方向に切断空間を通過する。その結果として、循環空気流が、ワイヤソー内において、空気循環路23と内側ハウジング15の内側の切断空間とを介して維持される。循環空気の含水量は、空気湿度センサ21と制御装置24と空気乾燥器27と空気加湿器22とを用いて制御される。同時に、循環空気の温度は、加熱装置25と温度センサ26と制御装置24とにより、固定された所定の値に制御される。
ワークを切り分ける工程に関する以下の説明において示されるスラリーの動的粘度の値は、ハーケ・ヴィスコテスター6L(Haake Viskotester 6L)を、円筒形状を有する少数試料用測定アダプタとともに用いて得られた。スピンドル6Lと、10mlの試料体積と、24.5°Cの測定温度とが用いられた。以下に示されるスラリーの含水量は、カールフィッシャー滴定によって判断された。カールフィッシャー滴定は、固形分の分離後に行なわれており、すなわち測定され、かつ記載されている含水量は、スラリーの液体部分に関する。
ワークを切断する工程の第1の実施形態において、空気の含水量は、一定値に制御された。
以下の本文に、ワークを切り分ける工程の第1の実施形態の特定の典型的な実施例を説明する。この典型的な実施例において、150mmの直径を有するGaAs単結晶は、2mm/分を上回る送り速度で切り出された。空気の含水量は、(12±1)g/mの一定値に制御され、ワイヤソー内における空気流の温度は、(23±1)°Cで一定に保たれ、切断空間内における空気の流量は、(400±50)m/時に設定された。ワイヤソー内における空気圧は、周囲圧力であった。ワイヤソー内において、スラリーは、(6000±500)kg/時の質量流量で循環せしめられた。単結晶の切断時において、ワイヤは、同期的に、すなわちワイヤ軸に沿って一定の方向に、8〜12m/秒の速度で移動せしめられた。
前記第1の実施形態の典型的な例では、DE10052154A1に記載の発明を利用している。特に、切断平面における所定の結晶方向と送り方向との間における角度ρは、切断作業時において切断面に対して垂直な方向にワイヤソーのワイヤに作用する力が互いに実質的に補償し合うような態様に選択された。
さらにまた、ここで記載した前記典型的な実施例において、単結晶は、ワイヤソー内において、DE10128630A1に記載の方法を用いて、オートコリメータを利用して配向された。
使用されたスラリーは、摩耗作用を有する硬質材料としてフジミにより製造された「SiCフジミGC1000(SiC Fujimi GC 1000)」を、キャリア物質としてMKUケミー有限会社(MKU Chemie GmbH)により製造された「ベトロノールMF V1016(Betronol MF V 1016)」中に懸濁させた懸濁液であった。このスラリーは、SiCとキャリア物質であるベトロノールとの間において、質量比mSic/mBetronol=0.8±0.2を有した。第1の切断作業前に、前記スラリーは、約300mPasの初期粘度を有して調製された。前記スラリーの含水量は、GaAs単結晶を用いることなしに前記工程にしたがって予備調整することによって約60g/lに増加せしめられた。
図2〜4に、スラリーのGaAs含量の増加、すなわち使用時間の増加に伴う前記の典型的な実施例のスラリーの特性が示されている。
前記スラリーの動的粘度と密度とが、図2において、GaAs含量に対して示されている。密度の増加にもかかわらず、スラリーの動的粘度は、使用時間が経過すると低下する。その結果として、ワークから切り取られるウェハの均一な表面特性を得ることが可能になる。
図3に、スラリーの動的粘度が、せん断速度の関数としてさまざまなGaAs含量に関して示されている。スラリーのGaAs含量の増加、すなわち切断工程におけるスラリーの使用時間の増加とともに、動的粘度は、7.8質量%のGaAs含量において、約190mPasのレベルまで連続的に低下する。切断工程における使用開始時点で、前記スラリーは、非ニュートン挙動を有しており、すなわち動的粘度は、せん断速度に強く依存しているが、使用時間が経過すると、せん断速度に対するスラリーの動的粘度の依存性は、次第に低下する。7.8質量%のGaAs含量では、スラリーの流動学的性質は、2s−1〜34s−1の範囲内では、ニュートン液体の流動学的性質に類似するとともに、実質的にせん断速度とは無関係である。
図4に、20.4s−1のせん断速度時における動的粘度と空気流中の含水量とがスラリーのGaAs含量の関数として示されている。
図5に、さまざまな一連の試験におけるスラリーの含水量がGaAs含量に対して示されている。このグラフにおいて異なる記号により示されている各々の一連の試験は、前記の典型的な実施例にしたがってスラリーを交換せずに行なわれた。スラリー中におけるGaAs含量の増加は、スラリーの使用時間の増加に対応する。前記さまざまな一連の試験は、個別の切断工程間において異なる非動作時間を有することにより相違する。各々の一連の試験では、スラリーの含水量は、約150g/lのレベルまで、GaAs含量の増加とともに漸近的に増加する。
前記第1の実施形態にしたがった方法は、表面粗さとウェハの曲率(そり、曲り)およびうねりとの観点において、ワークのウェハの均一な特性をもたらす。前記の典型的な実施例において製造されるウェハのそりは、トロペル・フラットマスター干渉計(登録商標)(Tropel FlatMaster Interferometer)を用いて測定された。切り出されたウェハのそりは、湿式化学エッチングにより破壊された層を除去した後では、10μm以下であった。切り出し後に、GaAsウェハの表面上には、特に切り出し時にワイヤが切断間隙から脱する縁部領域においても、いかなる構造も裸眼では見て取れなかった。たとえば、本発明にしたがった方法を用いると、裸眼では、切り出し時においてワイヤが移動した方向またはウェハに対して配向された方向を見て取ることさえできない。このようにして得られる表面は、切り出された状態において、かつまた破壊された層の湿式化学除去後において、裸眼では表面ラッピング(片面または両面)によって得られる層と見分けがつかない。この違いは、たとえば特にワイヤの移動方向を検出することができるトロペル・フラットマスター干渉計(登録商標)(Tropel FlatMaster Interferometer)等の特殊な測定技術を用いてのみ明らかにされ得る。本発明にしたがった方法を用いて得られる表面は、たとえば片面研磨ウェハの場合における裏面のように、またはLPE用に、たとえば片側または両側表面ラッピングにより再加工される必要なしに、単に破壊された層を湿式化学除去するだけで、ある一定の用途のための納入に適したものとなる。
DIN4768にしたがって測定されたこれらの表面の最大粗さRmaxは、ウェハ全体、特にワイヤが切断間隙から脱する縁部部分を含めて、l=15mmの全測定長およびλ=0.8mmの高域フィルタリングにおける限界波長で、10μm以下である。λ=2.5mmの高域フィルタリングでの限界波長でも、それ以外は同じ測定パラメータで、表面粗さは10μm以下である。この粗さは、マール(Mahr)により製造されている粗さ測定装置であるペルトメーターS5P(Perthometer S5P)を用いて、ワイヤに対して垂直に、RFHTB−50プローブを使用して測定された。この粗さを有することにより、前記表面は、たとえばLPE用に適する。
同時に、前記工程は、切断工程の高い運転時間安定性をもたらす。スラリーは、多数回の切断工程後に交換されるだけでよく、その結果として、使用されるスラリーからのGaの回復時におけるGa収支が向上し得る。
第2の実施形態にしたがった方法は、ワイヤソー内において循環する空気の含水量がスラリーの使用時間全体にわたって変動するという事実により、第1の実施形態にしたがった方法とは異なる。スラリーの使用時間中に空気流中の含水量を変化させることにより、スラリーの特性を、経時的に変化する異なるパラメータに適合させることが可能になる。
第2の実施形態にしたがった方法のひとつの特定の典型的な実施例を、図6〜9を参照して説明する。150mmの直径を有するGaAs単結晶が、前記のように切り分けられた。使用されたスラリーは、フジミにより製造された「SiCフジミGC1000(SiC Fujimi GC 1000)」という摩耗作用を有する硬質材料を、BASF株式会社(BASF AG)により製造された「プルリオールE200(Pluriol E 200)」というキャリア物質中に、mSic/mpluriol=0.8±0.2の質量比で懸濁させた懸濁液であった。圧力、温度、ワイヤソー内における空気流量およびスラリー流量、ワイヤの速度、送り速度に関して、前記の例証的実施例の第1の実施形態の方法と同じパラメータが用いられた。GaAs単結晶は、DE10052154A1およびDE10128630A1に記載の方法にしたがって、ワイヤソー内において前記と同じ態様に配向された。
図7において以下に示されるように、空気流中の含水量は、スラリーの使用時間、すなわちGaAs含量に従属する所定の所望値曲線Sに制御される。空気流中の含水量は、4質量%のGaAs含量まで、(13±2)g/mの値に制御された(図6の黒四画および黒丸)。図6から、スラリーの粘度は、この工程の第1の実施形態の前記典型的な実施例の場合のように、GaAs含量が増加すると、2s−1〜34s−1の範囲内ではせん断速度とは無関係である(190±20)mPasの漸近範囲内に低下することがわかる。4.0質量%のGaAs含量に達した後は、空気流中の含水量は、(2.5±1.0)g/mに制御された(図6の黒三角および白四角)。スラリーの粘度は、再び増加し、同時に、前記粘度は、再びせん断速度に従属するようになって、すなわちスラリー挙動は、非ニュートン挙動となる。
20.4s−1のせん断速度時におけるスラリーの動的粘度と空気流中の含水量とが、図7において、GaAs含量に対して示されている。この図からも、どのように動的粘度が、空気流中の含水量が高い場合に使用時間の増加とともに、すなわちGaAs含量の増加とともに低下し、空気流中の含水量が低い場合に、使用時間の増加とともに再び増加するかがはっきりとわかる。
スラリーの動的粘度と密度とが、図8において、GaAs含量に対して示されている。図8から、スラリーの動的粘度は、第2の実施形態の方法により、スラリーの密度とは無関係に設定され得ることがわかる。
スラリーの含水量は、図9において、GaAs含量に対して示されている。この含水量は、4質量%未満のGaAs含量では連続的に増加し、前記のようにワイヤソー内における空気流の含水量が(13±2)g/mから(2.5±1.0)g/mに低下せしめられた後の4質量%を超えるGaAs含量では低下することがはっきりとわかる。
この第2の実施形態の方法を用いて、ワイヤ特性の変動を補償して、たとえワイヤ特性が変化しても、ワークから切り出されるウェハの表面品質が一定に維持されるようにすることができる。したがって、頻繁なワイヤ交換またはワイヤ交換時におけるスラリーの交換の必要性を回避することが可能になる。
図10に、本発明のワイヤソーの第2の典型的な実施例にしたがったワイヤソー100が示されている。図10において、図1に示された第1の典型的な実施例にしたがったワイヤソーの要素と同じ要素は、同じ参照符号により示されており、ここでは、これらの要素の説明を繰り返すことはしない。
この第2の典型的な実施例にしたがったワイヤソー100は、循環空気流がスラリータンクから分離されるという事実により、第1の典型的な実施例にしたがったワイヤソー1とは異なる。スラリータンク9は、ワイヤソーの外側空間に対して実質的に気密的な態様に閉鎖されるハウジング30内に配置される。循環空気流20は、空気排出口17から空気循環路40を介して空気取入口16へと通される。
前記第2の典型的な実施例にしたがった前記ワイヤソーにおいて、空気循環路40は、貯蔵容器9の方には開かれていない。したがって、ハウジング30内の空気の含水量は、循環空気流20とは無関係となる。その結果として、循環空気流と循環スラリーとの間における水分交換は、切断部に集中せしめられ得る。目標とされる水分交換は、ワイヤ平面上および切断間隙内において利用可能な空気とスラリーとの間において大きい界面が得られるため、切断部において特に首尾よく行なわれ得る。
前記の例および実施例に対する改変は可能である。
ワイヤソー内における循環空気流は、該空気流が最下部から上方に切断部のワイヤ領域Eを介して通過するような態様に説明された。空気が最上部から下方に切断部のワイヤ平面を介して通過する逆方向の循環もまた可能である。
ワイヤソーの前記第1の典型的な実施例および第2の典型的な実施例において、空気流とスラリーとの間における水分交換は、切断部において行なわれる。しかしながら、この水分交換は、空気がスラリーと接触するいかなるその他の場所でも行なわれ得る。たとえば、供給管路14内に専用の水分交換装置を設けることができる。
ワイヤソーの前記第1の典型的な実施例および第2の典型的な実施例は、特定の構成の空気取入口16と空気排出口17とを有して説明された。空気取入口および空気排出口を異なる構成にして、ワイヤソー内において空気流を案内することも可能である。ワイヤソー内における空気流の温度と含水量とを制御することができることを条件として、空気湿度センサ、温度センサ、ファン19、加熱装置25および空気加湿器22を異なる構成にすることが可能である。
本発明にしたがったワイヤソーの典型的な実施例は、空気乾燥器と空気加湿器とを有して説明された。しかしながら、ワイヤソー内の空気の温度および初期含水量とスラリーの含水量と設定される空気含水量とによって、空気乾燥器のみ、またはその代わりに空気加湿器のみで、空気の含水量を所定の含水量に十分に制御し得る。
前記装置および前記方法は、ワイヤソー内において循環空気流を有して説明された。しかしながら、スラリーと接触する気体媒質の含水量を制御することができることを条件として、循環空気流を用いないワイヤソーにすることも可能である。
さらにまた、ワイヤソー内における閉鎖された空気循環の代わりに、ワイヤソーを取り巻く環境から空気を吸い込む装置を設けるとともに、吸い込まれる空気の含水量と温度を制御することも可能である。吸入される空気の含水量が所望の含水量を上回る場合は、ワイヤソー内における空気の含水量は、空気加湿器を必要とすることなしに、空気乾燥器のみを使用して制御され得る。逆に、吸い込まれる空気の含水量が所望の含水量を下回る場合は、空気乾燥器ではなしに空気加湿器が必要とされる。
環境から空気を吸い込むワイヤソーの場合は、温度と含水量とをワイヤソーの外側で制御することも可能である。したがって、この場合は、温度センサ、加熱装置、空気湿度センサ、空気乾燥器および空気加湿器もまた、いずれの場合もワイヤソーの外側に配置され得る。
BASF株式会社(BASF AG)により製造される「プルリオールE200(Pluriol E 200)」およびMKUケミー有限会社(MKU Chemie GmbH)により製造される「ベトロノールMF V1016(Betronol MF V 1016)」という商品名の商品を含有するキャリア物質が、スラリー用のキャリア物質として説明された。しかしながら、気体媒質との水分交換が可能なあらゆるその他のキャリア物質、すなわち水分を吸収し、かつ該水分を再び放出することができる全ての吸湿性の液体を用いることも考えられ得る。一例として、前記例においてキャリア物質として説明された「プルリオールE200(Pluriol E 200)」をさらに高分子化した商品である、BASF株式会社(BASF AG)により製造される「プルリオールE300(Pluriol E 300)」を使用することも可能である。
前記のスラリー中の摩耗作用を有する硬質材料は、フジミにより製造される「SiCフジミGC1000(SiC Fujimi GC 1000)」という商品名のものであった。たとえば酸化アルミニウム(Al)により製作される硬質材料、立方晶窒化ホウ素(cBN)、炭化ホウ素またはダイヤモンド等の摩耗作用を有する異なる硬質材料を用いることも可能である。
前記実施例は、ワイヤソー内において循環する空気流を有して説明された。しかしながら、たとえば窒素等の異なる気体媒質を空気の代わりに用いることも可能である。
本発明にしたがった方法は、ワイヤソー内における限定された温度の空気と、ワイヤソー内における限定された流量のスラリーおよび空気と、限定された送り速度および限定されたワイヤ速度を有して説明された。これらのパラメータに異なる値を用いることが可能である。
前記方法の第2の実施形態の前記典型的な実施例は、空気流中の含水量が所望値曲線にしたがって制御されることを基本にして説明された。しかしながら、空気流中の含水量をウェハ上における傷の形成、スラリーの粘度またはスラリーの密度の関数として制御することも可能である。
本発明にしたがった前記方法は、GaAs単結晶の切り分けを目的として説明された。しかしながら、前記方法は、異なる材料により製作されるワークの切り分けにも適用され得る。
本発明にしたがったワイヤソーの第1の典型的な実施例の図である。 第1の実施形態にしたがった方法における、20.4s−1のせん断速度時のスラリーの動的粘度とスラリーの密度とをGaAs含量の関数として示す図である。 図1に示されたワイヤソーを用いて行なわれる前記第1の実施形態にしたがった方法におけるスラリーのさまざまなGaAs含量での動的粘度をせん断速度の関数として示す図である。 前記第1の実施形態にしたがった方法における、20.4s−1のせん断速度時のスラリーの動的粘度と空気流中の含水量とをスラリーのGaAs含量の関数として示す図である。 前記第1の実施形態にしたがった方法におけるスラリーの使用時間を増加させて行なわれたさまざまな各一連の試験によって得られたスラリーの含水量を示す曲線図である。 第2の実施形態にしたがった方法におけるスラリーのさまざまなGaAs含量での動的粘度をせん断速度の関数として示す図である。 前記第2の実施形態にしたがった方法における、20.4s−1のせん断速度時のスラリーの動的粘度と空気流中の含水量とをスラリーのGaAs含量の関数として示す図である。 前記第2の実施形態にしたがった方法における、20.4s−1のせん断速度時のスラリーの動的粘度とスラリーの密度とをさまざまなGaAs含量に関して示す図である。 第2の実施形態にしたがった方法におけるスラリーの含水量をGaAs含量の関数として示す図である。 本発明にしたがったワイヤソーの第2の典型的な実施例の図である。 本出願人に周知の第1の方法における、20.4s−1のせん断速度時のスラリーの動的粘度と密度とをGaAs含量の関数として示す図である。 本出願人に周知の前記第1の方法におけるスラリーの動的粘度をせん断速度の関数としてさまざまなGaAs含量に関して示す図である。 本出願人に周知の第2の方法におけるまた他のスラリーの動的粘度をせん断速度の関数としてさまざまなGaAs含量に関して示す図である。 スラリーのGaAs含量が、実施される切り出し個数に依存する態様を示す図である。
符号の説明
1 ワイヤソー
2 ワイヤ案内ロール
3 ワイヤ
4 送り装置
5 ワーク
6 ソーストリップ
7 スラリーノズル
8 漏斗状の回収装置
9 スラリータンク
10 攪拌器
11 軸
12 モータ
13 ポンプ
14 供給管路
15 内側ハウジング
16 空気取入口
18 外側ハウジング
19 ファン
20 循環空気流
21 空気湿度センサ
22 空気加湿器
23 空気循環路
24 制御装置
25 加熱装置
26 温度センサ
27 空気乾燥器

Claims (12)

  1. ワーク(5)を切り分けるワイヤソー(1)であって、
    ワイヤ(3)と、
    スラリーを前記ワイヤ(3)に塗付するための塗付装置(7)と、
    該スラリーを取り巻く気体媒質の少なくとも一部の所定含水量を設定する装置(21、22、24、27)と、
    ワイヤソー内で気体媒質を移動させる装置(19)と
    作動中にワイヤ(3)に塗付されたスラリーを回収する回収器(8)と、
    スラリータンク(9)を含み該回収器(8)を用いて回収されたスラリーを再循環させる再循環装置(9、13、14)と、
    切断部及びスラリータンク(9)における気体媒質の含水量がワイヤソーの一部分の外側の含水量とは無関係に設定可能となるように、ワイヤソーの少なくとも一部分を周囲から雰囲気的に分離するハウジング(18)とを備え、
    前記所定含水量を設定する装置(21、22、24、27)は、切断部から分離されて配置され、取入口(16)を介して切断部に接続される通路(23)内に設けられており、
    前記気体媒質を移動させる装置(19)は、前記所定含水量を設定するために前記通路(23)を介して気体媒質を移動させ、
    前記装置(19)は、前記通路(23)内に設けられ、前記通路(23)は、前記スラリータンク(9)の方に開いている
    ことを特徴とするワイヤソー。
  2. 請求項1に係るワイヤソーであって、ワイヤソーの作動時にワークが切り分けられる切り分け部における気体媒質の含水量を制御する制御装置(21、22、24)を備えることを特徴とするワイヤソー。
  3. 請求項1または2に係るワイヤソーであって、さらに、ワイヤソーにおける気体媒質の温度を制御するための装置(24、25、26)を備えることを特徴とするワイヤソー。
  4. ワイヤソーを用いてワークを切り分ける方法であって、
    ワイヤ(3)に塗布されるスラリーを用いると共に、スラリーを取り囲む気体媒質の少なくとも一部分の含水量を制御し、
    ワイヤソーが作動しているときにワークが切り分ける切断部から分離されて配置され、取入口(16)を介して切断部に接続されるとともに、ワイヤ(3)に塗付されたスラリーを回収する回収器(8)を用いて回収されたスラリーを再循環させる再循環装置(9、13、14)のスラリータンク(9)の方に開かれている通路(23)を介して、前記通路(23)内に設けられた気体媒質を移動させる装置(19)により、気体媒質を移動させて、
    切断部及びスラリータンク(9)における気体媒質の含水量が所定含水量に設定されるように、気体媒質の含水量を、切断部の外側にて通路(23)内で制御する
    ことを特徴とする方法。
  5. 請求項に係る方法であって、前記気体媒質はワイヤソー内において循環することを特徴とする方法。
  6. 請求項またはに係る方法であって、前記スラリーはワイヤソー内において循環することを特徴とする方法。
  7. 請求項からのいずれかに係る方法であって、ワークを切り分ける切り分け部における前記気体媒質の含水量が7〜17g/m3の範囲に適宜制御されることを特徴とする方法
  8. 請求項からのいずれかに係る方法であって、ワークが切り分けられる切り分け部における前記気体媒質の含水量が11〜15g/m3の範囲に適宜制御されることを特徴とする方法。
  9. 請求項からのいずれかに係る方法であって、ワークが切り分けられる切り分け部における前記気体媒質の含水量が約5g/m3未満に適宜制御されることを特徴とする方法。
  10. 請求項からのいずれかに係る方法であって、スラリーの濃度および/または粘度に応じて前記気体媒質の含水量が可変的に制御されることを特徴とする方法。
  11. 請求項から10のいずれかに係る方法であって、前記気体媒質の含水量が、使用時間に応じて、所定の所望曲線に保持されることを特徴とする方法。
  12. 請求項から11のいずれかに係る方法であって、前記気体媒質の温度が制御されることを特徴とする方法。
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