以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明すると、実施形態のパチンコ遊技機(以下、単に遊技機と略す)1では、図1に示すように、遊技盤面2における外側レール3と内側レール4とで囲まれた遊技領域5を備え、遊技領域5には、その中央に、飾り枠体13に囲まれてセンター役物16が配設されている。センター役物16の後方には、液晶等で所定の図柄を表示する図柄表示装置14が配設されている。
遊技領域5の飾り枠体13の周囲には、図示しない釘、風車6、普通入賞口7、賞球の無い入賞口8、始動入賞口9、電動チューリップ10、大入賞口11、アウト口12等の公知の部材が配設されて、図示しないハンドルを操作し、遊技球を外側レール3と内側レール4との間から遊技領域5に打ち出せば、遊技球は、普通入賞口7、賞球の無い入賞口8、始動入賞口9、電動チューリップ10、大入賞口11、アウト口12のいずれかに入球する。そして、遊技球が、普通入賞口7や開放時の大入賞口11に入賞すれば、所定数の遊技球を獲得でき、入賞口8に入賞すれば、抽選により電動チューリップ10を所定時間若しくは所定回数開放させることとなる。また、遊技球が、始動入賞口9や開放時の電動チューリップ10に入賞すれば、抽選により、大当たり、中当たり、小当たり等の当たりや外れが決定され、当たりとなれば、大入賞口11を、その当たりに応じて開放時間、開放回数、入賞個数等を制限して、開放することとなる。これらの作動や遊技フローは、公知のものであり、遊技盤面2の背面側に配置された図示しないメイン制御基板が、入賞時のセンシングに基づき、各種の作動信号を出力し、そして、メイン制御基板からの当たりや外れ等の抽選結果に基づいて、図示しないサブ制御基板が、所定数の遊技球を払い出したり、所定のランプやスピーカ等を作動させつつ、所定の演出を図柄表示装置14に表示することとなる。
そして、飾り枠体13で囲まれた実施形態のセンター役物16は、図2に示すように、ステージ部19、ワープ通路17、入賞補助通路49、及び、リフト60を配設させて構成されている。ステージ部19は、飾り枠体13の下枠13a側に配置されて、遊技球Bを上面側でそれぞれ転動可能な上ステージ20と上ステージ20の下方に配置される下ステージ32との少なくとも二つのステージ20,32を有して構成されている。なお、実施形態では、図柄表示装置14に近い後部側に上ステージ20が配設され、下ステージ32が、前部側に配置されている。
ワープ通路17は、図1,2に示すように、ステージ部19への遊技球Bの入球口となるもので、飾り枠体13におけるステージ部19の上方側の左枠13b側で開口した入口17aから入る遊技球Bを、ステージ部19の上ステージ20の左縁側に転動可能に案内するように、配設されている。
入賞補助通路49は、図1,2,4に示すように、流出口51を下ステージ32の下方に位置した始動入賞口9の上方で開口させ、また、遊技球Bを流入させる流入口として、開放流入口50と開閉流入口55との二種類を設けて構成されている。開放流入口50は、常時開口しているもので、上ステージ20の左右方向の中央付近に開口されている。開閉流入口55は、開閉を繰り返して開口時に遊技球Bを流入可能とし、かつ、閉口時に遊技球Bを流入不能とするものである。実施形態の場合、開閉流入口55は、上下往復移動するリフト60の前面側に開口され、そして、リフト60の上昇時に開口し、リフト60の下降時に、下ステージ32に隠れて閉口することとなる。そして、入賞補助通路49は、開放流入口50や開閉流入口55から流入した遊技球Bを、自重により、流出口51まで転動させ、流出口51から、始動入賞口9へ流出可能として、始動入賞口9への入賞を補助するために配設されている。この入賞補助通路49は、図6に示すように、上ステージ20の左右方向の中央付近に配置された開放流入口50から、上ステージ20の背面、下方、さらに、下ステージ32の左右方向の中央の下方に位置する流出口51まで、前後方向に沿った略L字状の通路として構成されている。さらに、実施形態の場合、入賞補助通路49における流出口51側の部位が、前後方向に沿って前下がりの直線状とした流出側通路52としており、この流出側通路52には、上方のリフト60側に延びる分岐通路53が配設されている。この分岐通路53は、リフト60に設けた開閉流入口55から流入した遊技球Bを、分岐通路53に流入させて、さらに、分岐通路53を経て流出側通路52に流入させ、そして、流出口51から始動入賞口9側へ流出可能とするように、構成されている。ちなみに、実施形態の場合、流出側通路52の上部側の周壁がリフト60により構成されて、リフト60の上昇に伴って開閉流入口55が上方に移動しつつ開口する際に、開閉流入口55から流出側通路52までのリフト60内を通過する部位として、分岐通路53が上下方向に沿って長く形成される構成としている。
そして、ステージ部19の上ステージ20は、図2,3に示すように、上面側で遊技球Bを転動可能な上転動面21を備え、上転動面21は、左右方向の中央付近となる中央部22を高くし、中央部22から左右に延びる左面部27と右面部28とを、それぞれ、中央部22から離れるに従って低くし、さらに、最も低い底部27a,28aから外縁27b,28b側にかけて、徐々に高くするように構成されている。ワープ通路17の出口17bは、中央部22側に向いて、左面部27の外縁27b付近に配設されている。そして、中央部22は、開放流入口50の前側に位置する前側部23に、開放流入口50への流入を補助するように開放流入口50の開口面積を前方側に広げる案内口23aを設けて構成されている。案内口23aの前側には、案内口23aへの遊技球Bの後方側への転動を僅かに邪魔するように、小さな突起23bが設けられている。
また、上ステージ20の後縁側には、図1,2に示すように、図柄表示装置14側との境界として、背面壁30が左右方向に沿って上方に突設され、背面壁30の左右方向の中央に開放流入口50が開口している。この開放流入口50は、案内口23aとともに、左右方向の開口寸法WHを、一個分の遊技球Bの直径寸法より僅かに大きな寸法(図7のA参照)としている。
また、上ステージ20の上転動面21の前縁側には、図2に示すように、底部27a,28aより外縁27b,28b側のエリアに、下ステージ32と区画するための仕切壁40,41が左右方向に沿って配設されている。また、底部27a,28a間の上転動面21の前縁側には、下降時のリフト60側への遊技球Bの落下を防止する突条26が突設されている。さらに、突条26の前方側におけるリフト60の配設部位を除いたエリアでは、上ステージ20と下ステージ32とを区画する区画壁39が、上転動面21より上方に突出するように配設されている。
ステージ部19の下ステージ32は、図2,4に示すように、上面側で遊技球Bを転動可能な下転動面33を備え、下転動面33は、左右方向の中央付近となる中央部34を低くし、中央部の左右両側を高くするように構成され、左右の外縁33a,33bに至る途中で、上ステージ20の上転動面21における左面部27と右面部28との底部27a,28a付近から、上転動面21と略面一の同じ曲面として構成されている。中央部34の後方側には、区画壁39の収納孔39aに収納された状態から上下往復移動を繰り返すリフト60が配設されている。そして、中央部34には、図4や図6のAに示すように、前部側に配置される二つの前下がりの傾斜面36,36と、後部側に配置されて遊技球Bをリフト60の支持面61側に案内可能な後下がりの一つの案内面35と、が配設されている。二つの傾斜面36,36は、遊技球Bを下ステージ32の前縁から飾り枠体13(センター役物16)外の下方へ自由落下させて排出する排出路44を構成するものであり、二つの傾斜面36,36の間には、下方の始動入賞口9に入賞するように自由落下することを邪魔するように、小さな突起37が形成されている。また、下転動面33の前縁側には、傾斜面36,36と突起37とが配設されたエリアを除いて、すなわち、排出路44のエリアを除いて、遊技球Bの前方側への落下を防止可能な突条42,43が、小さな突出量として、上方に突設されている。
また、上ステージ20の底部27a,28aの前方側には、仕切壁40,41と区画壁39との間に、上転動面21から下ステージ32の下転動面33に遊技球Bを転動させる連通口47,47が形成されている。
そして、遊技球Bが、図4に示すように、リフト60の支持面61で支持されて上転動面21の中央部22まで持ち上げられ、開放流入口50に流入しなかった場合には、その遊技球Bは、図2に示すように、左面部27若しくは右面部28を底部27a,28a付近まで転動し、連通口47,47を経て、底部27a,28aから下ステージ32の下転動面33に転動し、そして、中央部34のリフト60付近まで転動し、排出路44から排出されなければ、再度、リフト60で持ち上げられて循環するようなループ動作する場合が生ずる。すなわち、左面部27や右面部28は、下転動面33とともに、連通口47,47を利用して、遊技球Bをループ動作で戻すような戻しルート46を構成している。
リフト60は、図3〜5に示すように、遊技球Bを、上面側の支持面61上に載せて下ステージ32側から上ステージ20側まで上昇可能として、上下往復移動を繰り返すものであり、実施形態の場合には、飾り枠体13の内部に配設された一つの電動モータ76を駆動源とした駆動機構75により、上下往復移動を繰り返している。
駆動機構75は、簡単に説明すると、図8に示すように、電動モータ76の駆動軸76aに設けた偏心カム77、左右方向に往復移動可能に飾り枠体13内で支持されたカムレバー78,78R、上下方向に回動可能に飾り枠体13内で支持されたクランク80,80R、リンク79,79Rを備えて構成されている。そして、駆動機構75の作動時には、電動モータ76の駆動軸76aが回転駆動することにより、偏心カム77のピン77aを摺動させる摺動溝78aを有したカムレバー78が、左右方向に往復移動し、カムレバー78の先端78bとクランク80の下アーム80bの先端とに回転自在に軸支されたリンク79を介して、クランク80を軸支部80a回りで、上下方向に揺動させる。そして、クランク80が上下に揺動すれば、クランク80の上アーム80cの先端のピン80dを摺動溝部67内で左右に摺動させていたリフト60が、上下往復移動することとなる。なお、リフト60の右側のクランク80R、リンク79R、及び、カムレバー78Rは、電動モータ76の駆動力が直接作用しないものの、左側のクランク80、リンク79、及び、カムレバー78と、略左右対称形に配設されて同様な動作を行って、リフト60をバランス良く上下往復移動させるように、配設されている。また、図8に示す符号82の部材は、カムレバー78,78Rの左右方向の往復移動を支持する支持ガイドであり、符号83の部材は、クランク80,80Rを回動自在に支持する支持軸であり、これらの支持ガイド82や支持軸83は、飾り枠体13の内部の部位に配設固定されている。さらに、リフト60は、区画壁39の収納孔39aの内周面39bに案内されて(図7のA参照)、上下往復移動することとなる。
リフト60は、図8に示すように、略長方形板状として、上面の全域を支持面61として構成されている。そして、支持面61の左右方向の幅寸法WLは、図7のAに示すように、開放流入口50の左右方向の開口寸法WHと、上ステージ20の戻しルート46における開放流入口50の左右にそれぞれ隣接する少なくとも遊技球Bの1個の直径寸法分とした隣接エリア24,25の左右方向の幅寸法WA,WAと、を合わせた寸法以上として、開放流入口50の前側に配置されている。なお、実施形態の支持面61の左右方向の幅寸法WLは、遊技球Bの直径寸法の約4倍の寸法に設定されている。また、支持面61の前後方向の奥行寸法DLは、上転動面21や下転動面33の奥行寸法DRと略等しく、遊技球Bの1個の直径寸法より僅かに大きな寸法としている(図6のA参照)。
また、リフト60は、図6のAに示すように、最下降時の支持面61の前縁61aを、下ステージ32の下転動面33の中央部34を転動する遊技球Bを受け入れ可能な高さ位置に配置させ、かつ、図6のBに示すように、最上昇時の支持面61の後縁61b側を、開放流入口50の下縁付近の高さ位置に配置させるように、支持面61を上下動可能に配設されている。なお、実施形態の場合、支持面61は、最下降時の前縁61aを、下ステージ32の中央部34の案内面35に連なるように、設定され、最上昇時の支持面61の後縁61bは、実施形態の場合、突条26を僅かに超えた上方に配置されるように設定されている。
そして、リフト60は、図6〜8に示すように、支持面61が、リフト60の最上昇時に、開放流入口50と左右の隣接エリア24,25とにわたる前側に、後縁61bを配置させて、支持した遊技球Bを、開放流入口50若しくは左右の隣接エリア24,25に転動可能に、後下がりで、かつ、左右に揺動可能に支持するように、下方へ凹む凹面として、形成されている。さらに、実施形態の場合には、支持面61が、開放流入口50の前側の部位に、左右方向に沿う鉛直断面で最も低く凹む中央底部62を設け、中央底部62から左右両側に離れる左縁部63や右縁部64に従って高くなるような凹面として、形成されている。実施形態の場合、支持面61は、円弧の曲面の一部から構成され、その半径寸法RL(図7のA参照)は、遊技球Bの直径寸法の20〜40倍程度の200〜400mm程度としている。
さらに、リフト60には、図4,5に示すように、最上昇位置への配置時に、下ステージ32の下転動面33における中央部34の案内面35からリフト60側に転動する遊技球Bを分岐通路53を経て入賞補助通路49の流出側通路52へ流入可能に開口する開閉流入口55が、開口している。この開閉流入口55は、図2,3に示すように、リフト60の下降時には、下ステージ32の下転動面33の案内面35の下方に隠れるように形成され、実施形態の場合、上縁側を半円形に開口させて、リフト60の下縁まで開口させた長穴状としている。そのため、実施形態のリフト60は、正面視として、上面を支持面61とした天井壁部65と、天井壁部65の左右両側から開閉流入口55を間にして下方に延びる左右の支持脚部66,66と、を備えた門型(逆U字形)に形成されている(図8参照)。開閉流入口55の左右方向の開口寸法は、開放流入口50の左右方向の開口寸法WHと等しくして(図7のC参照)、遊技球Bの略直径寸法分より僅かに大きな寸法に設定されている。
なお、リフト60を上下動させる駆動機構75のクランク86,86Rのピン80dが摺動する摺動溝部67は、天井壁部65の後面側に設けられている。
さらに、リフト60の下部側における左右の支持脚部66,66の相互の対向部位には、図6〜8に示すように、略半円板形状の干渉部71,71が形成されている。各干渉部71は、リフト60を形成した合成樹脂等の形成材料で一体的に形成されて、相互に接近するように配設されている。そして、干渉部71,71は、入賞補助通路49の周壁に設けられたスリット54を経て流出側通路52の内周側に延びるように配設されて、流出側通路52内を通過する遊技球Bを減速させて流出口51側へ案内可能に、遊技球Bに接触するように配設されている。この干渉部71は、リフト60の最上方位置の配置時から、下転動面33の案内面35から上方に開口している開閉流入口55が、開口面積をほぼ半分程度まで狭める高さ位置まで下降する際(図5,7のC,B参照)、流出側通路52の左右両側から流出側通路52の中心側へ延びるように配設されている。そして、流出側通路52を通過する遊技球Bが、干渉部71,71に接触すれば、停止するまで減速されて、リフト60の更なる下降に伴い(図5,7のC,B,A参照)、干渉部71,71が遊技球Bの前面側から下方に移動して、遊技球Bは、減速された状態で流出口51側に転動し、落下する放物線を始動入賞口9へ入賞し易い軌跡として、始動入賞口9に入賞する確率を高めて、流出口51から流出(落下)することとなる(図6のB参照)。
実施形態の遊技機1の作動を説明すれば、電源オンとともに、リフト60が、駆動機構75の作動によって上下往復移動を繰り返すこととなり、そして、遊技時、ワープ通路17の入口17aに遊技球Bが入球されれば、遊技球Bは、出口17bから上ステージ20の上転動面21の左面部27を中央部22側に駆け上がるように転動する(図3,4参照)。そして、遊技球Bが、開放流入口50に流入しなければ、その後、戻しルート46を経て、例えば、右面部28の底部28aから下ステージ32の下転動面33に転動し、中央部34のエリアに到達して、案内面35上に載り、その際、リフト60が最下降時に配置されていれば、支持面61上に案内されて、リフト60とともに上昇する。この時、図5のA,B,Cや図7のA,B,Cに示すように、リフト60に載った遊技球Bは、支持面61上を左右に揺動しつつ上昇し、リフト60が支持面61を上ステージ20側の最上昇位置に配置させれば、支持面61上から開放流入口50若しくは隣接エリア24,25に転動する。そして、遊技球Bは、開放流入口50に流入しなければ、戻しルート46を経て、下流側の下ステージ32の中央部34のエリアにおける案内面35上に載り、その際、リフト60が上昇して、開閉流入口55が開口していれば、開閉流入口55に流入する(図6のB参照)。あるいは、遊技球Bが案内面35上に載った際に、リフト60が最下降位置に配置されていれば、再度、リフト60の支持面61で受け止められ(図6のA参照)、そして、上ステージ20側に移送され、開放流入口50に流入するか、あるいは、戻しルート46を経て、リフト60付近まで戻され、開閉流入口55に流入するか、排出路44から排出される、あるいは、再度、リフト60で移送されて既述のループ動作を行うこととなって、排出路44から排出される場合を除いて、開放流入口50若しくは開閉流入口55に流入可能となる。そして、これらの開放流入口50や開閉流入口55に遊技球Bが流入すれば、既述したように、遊技球Bは、自重により、流出口51まで転動し、流出口51から始動入賞口9側へ流出されることとなる。
以上のように、実施形態の遊技機1では、常時開口する開放流入口50と、開閉を繰り返して開口時に遊技球Bを流入可能としかつ閉口時に遊技球Bを流入不能とする開閉流入口55と、の二種類の流入口を備えて構成されており、ステージ部19上の遊技球Bが、一方の流入口に流入しなくとも、他方の流入口に流入可能となり、入賞補助通路49への遊技球Bの流入の期待感を向上させることができる。
そして、二種類の流入口の一方が、常時開口する開放流入口50と相違して、開閉を繰り返して開口時に遊技球Bを流入可能としかつ閉口時に遊技球Bを流入不能とする開閉流入口55としている。すなわち、この開閉流入口55は、常時開口している訳ではなく、開閉を繰り返しており、開口時のタイミングに遊技球Bが開口面55aに位置しなければ、入賞補助通路49内に流入しないことから、遊技球Bが開閉流入口55を通過する際に、遊技者にハラハラドキドキさせることとなる。
したがって、実施形態の遊技機1では、開閉流入口55により、ステージ部19の下方の始動入賞口9への入賞の期待感を向上させることができるとともに、開閉流入口55の開閉のタイミングによって、遊技者にハラハラドキドキさせることとなって、遊技の趣向性を一層向上させることができる。
そして、実施形態では、開閉流入口55が、上ステージ20側に配置された開放流入口50より遊技球Bの転動する下流側の下ステージ32側に配置されて、下ステージ32の案内面35上から、流入可能に配設されている。そのため、ステージ部19の上ステージ20上を転動する遊技球Bが、開放流入口50に流入せずに、下流側の開閉流入口55の部位(中央部34)に転動してくる際、開閉流入口55に流入しなければ、中央部22の排出路44から排出される可能性が高まり、そして、開口時の開閉流入口55へ流入すれば、排出路44からの排出を防止されることとなって、開閉流入口55の開閉動作が注目され、一層、遊技者にハラハラドキドキさせることができ、遊技の趣向性を一層向上させることができる。
なお、上記の点を考慮しなければ、開閉流入口55は、開放流入口50より遊技球の転動する上流側に配設させてもよい。この場合、例えば、ワープ通路17の出口17b付近の左面部27に、開閉流入口55を設けることができる。すなわち、左面部27に入賞補助通路49に連通する開口を設け、さらに、その開口周縁に、開口を開閉可能とするように開閉シャッタを設ければ、センター役物16に遊技球Bが流入する際の入球口(ワープ通路)17に近い、すなわち、上ステージ20の中央部22の開放流入口50より、遊技球Bの上流側となる部位の左面部27に、開閉流入口55を配設することができる。
そして、実施形態では、ステージ部19が、遊技球Bの転動する上流側となる上ステージ20と、上ステージ20の下方に配置されて、遊技球Bの転動する下流側となる下ステージ32と、の二つのステージ20,32を備えて構成されて、開放流入口50を、上ステージ20側に配設させている。さらに、センター役物16が、下ステージ32側の遊技球Bを受け止めて、上ステージ20側における開放流入口50に流入可能とする遊技球Bの転動する上流側に移送可能に、移送動作を繰り返すリフト60と、開放流入口50の周囲における開放流入口50に流入しなかった遊技球Bを、上ステージ20から下ステージ32におけるリフト60の遊技球Bの受止エリア(案内面35や支持面61)まで転動させて戻し可能な戻しルート46と、を設けて構成されている。そして、開閉流入口55が、閉口時に、遊技球Bをリフトの受止エリア(案内面35や支持面61)に転動可能に、下ステージ32側に配設されている。
そのため、実施形態では、遊技球Bが、上ステージ20の開放流入口50に流入せず、また、下流側の下ステージ32の開閉流入口55にも流入しなかった場合でも、開放流入口50への流入を可能に、リフト60により、再度、上ステージ20側に移送されて、開放流入口50への流入、あるいは、開放流入口50に流入しなくとも、戻しルート46を経て、開閉流入口55への流入の可能性が生じ、さらに、リフト60が移送動作を繰り返して、上記の戻しルート46を利用して、遊技球Bが、排出路44から排出する場合を除いて、ループ動作で入賞補助通路49へ流入する可能性が生じ、遊技者に、始動入賞口9への入賞の期待感を、一層、与えることができ、遊技の趣向性が向上する。
さらにこの場合、実施形態のように、開閉流入口55が、リフト60の移送動作に伴って開閉するように、開口面55aをリフト60に配設させていれば、リフト60の上ステージ20側への移送動作中に、開口面55aを開口させることとなり、リフト60で上ステージ20側に移送されなかった下ステージ32側の遊技球Bを、開閉流入口55から入賞補助通路49へ流入させることが可能となる。そして、この開口面55aが開口して閉じるまでの間のリフト60の移送動作中に、下ステージ32を転動する遊技球Bが開閉流入口55に流入するか否かと、遊技者にハラハラドキドキさせることとなって、遊技の趣向性を向上させることができる。
この場合、実施形態では、遊技球Bを載せて支持する支持面61を上下往復移動させる上下往復移動タイプのリフト60を例示したが、回転するロータに遊技球を保持可能なマグネット、バケット、羽根等を設けた循環回転タイプのリフトを使用してもよい。例えば、図9〜11に示すリフト90では、回転するロータ91に遊技球Bを保持可能なマグネット92を設けるとともに、開閉流入口55Aを、リフト90の回転中心軸Cの軸直交方向に沿って、リフト90を貫通するように配設させている。このリフト90は、左右方向に沿って回転中心軸Cを配置させて、その回転中心軸C周りにおける前面側を、上方側に向け、さらに、後方側に向けるような後方回転で回転し、開閉流入口55Aの両端の開口面55aの一方が、下ステージ32の案内面35(受止エリア)側で開口した際、案内面35から転動する遊技球Bを流入させて、他方の開口面55aから入賞補助通路49側に流出することとなり、下ステージ32や上ステージ20に開口面55aが覆われる際に、開閉流入口55Aが閉口することとなる。
そして、開閉流入口55Aの閉口時には、ロータ91の外周面における開口面55a,55a間の保持面91aに設けられたマグネット92が、下ステージ32の案内面35に配置されている遊技球Bを吸着して保持する。そして、遊技球Bは、リフト90の後方回転に伴って上ステージ20側に移送され、突条26で切り離されるようにリフト90の保持面91aから分離し、開放流入口50若しくは隣接エリア24,25に転動することとなる。
このようなリフト90でも、開閉流入口55Aが、リフト90の移送動作に伴って開閉するように、開口面55aをリフト90に配設させており、リフト90の上ステージ20側への移送動作中に、開口面55aを開口させることとなり、リフト90で上ステージ20側に移送されなかった下ステージ32側の遊技球Bを、開閉流入口55Aから入賞補助通路49へ流入させることが可能となる。そして、この開口面55aが開口して閉じるまでの間のリフト90の移送動作中に、下ステージ32を転動する遊技球Bが開閉流入口55Aに流入するか否かと、遊技者にハラハラドキドキさせることとなって、遊技の趣向性を向上させることができる。
但し、循環回転タイプのリフト90より、実施形態の上下往復移動タイプのリフト60を使用すれば、遊技球Bが通過可能な遊技球Bの略直径寸法分より僅かに大きな前後方向の幅寸法(奥行寸法)DLとして、リフト60を構成でき(図6のA参照)、開閉流入口55を設けたリフト60を、コンパクトにステージ部19に配設することができ、前後方向の幅寸法に制限のあるステージ部19に好適となる。ちなみに、循環回転タイプのリフト90を使用する場合には、遊技球Bが通過する通路を確保するように、少なくとも、遊技球Bの直径寸法の少なくとも2倍程度以上の直径寸法となり、さらに、遊技球Bを移送するためのマグネット92やバケット等を設けるスペースを考慮すれば、前後方向の占有スペースが大きくなってしまう。
また、実施形態の遊技機1では、リフト60の最下降時の支持面61の前側における下ステージ32の下転動面33における中央部34の前後の部位に、下ステージ32から下方の始動入賞口9側に自由落下させる排出路44を構成する前下がりの傾斜面36,36と、遊技球Bをリフト60の支持面61側に案内可能な後下がりの案内面35と、が配設されている(図4,6参照)。そのため、下ステージ32の下転動面33を遊技球Bが転動する際、遊技球Bが、案内面35を経てリフト60に載るか、あるいは、排出路44を経て下ステージ32から落下するかと、遊技者にハラハラドキドキさせることとなって、一層、遊技の趣向性を向上させることができる。
なお、開閉流入口は、リフトを設けない遊技機に適用してもよく、例えば、図12〜14に示すように、リフト90からマグネット92を除いた状態の円筒状の構成の回転体95を利用し、その回転体95の開閉流入口55Aを利用して、下ステージ32の案内面35に載った遊技球Bを入賞補助通路49に流入させるように構成してもよい。なお、この回転体95では、後面側を、上向きにし、さらに前方側に向けるような前方回転で回転駆動させればよい。そして、開口面55aから流入した遊技球Bは、回転体95の内部に一旦溜まり、下方に向いた開口面55aから下方に落下して、入賞補助通路49に流出されることとなる。
さらに、実施形態では、上下往復移動するリフト60には、下部に、入賞補助通路49の流出側通路52の内周側に延びて、流出側通路52内の遊技球Bを減速させて流出口51側へ案内可能に、遊技球Bに接触する干渉部71が、配設されている。すなわち、入賞補助通路49の流出側通路52を通過する遊技球Bが、干渉部71に接触して減速するため(図5,7のC,B参照)、流出口51から流出する遊技球Bが、始動入賞口9への入球確率を高めることができ、このため、開放流入口50や開閉流入口55の存在感を高めて、開放流入口50や開閉流入口55へ入るか否かと一層遊技者にハラハラドキドキさせることができ、遊技の趣向性を向上させることができる。そしてまた、このような構成では、流出側通路52を通過する遊技球Bに接触させて遊技球Bを減速させる干渉部71を、上下動を繰り返すリフト60に、設けており、別途、干渉部71を配設しなくともよく、部品点数を少なく構成できる。そして特に、干渉部71が、上下動を繰り返すリフト60に配設されていれば、干渉部71の遊技球Bに接触するタイミングや接触の程度を、リフト60の上下動に伴って種々設定でき、遊技球Bの減速の有無や減速の程度の調整や設定を、容易に行うことができる。
なお、実施形態では、干渉部71の構成として、リフト60の最上方位置の配置時から、下転動面33の案内面35から上方に開口している開閉流入口55が、開口面積をほぼ半分程度まで狭める高さ位置まで下降する際、流出側通路52の左右両側から流出側通路52の中心側へ延びるように配設されている(図5,7のC,B参照)。そして、流出側通路52を通過する遊技球Bは、リフト60の上昇時に、干渉部71,71に接触して停止する構成として、リフト60の下降に伴い、干渉部71,71が遊技球Bの前面側から下方に移動して、遊技球Bは、減速された状態で流出口51側に転動し、落下する放物線を始動入賞口9へ入賞し易い軌跡として、始動入賞口9に入賞する確率を高めて、流出口51から流出している。すなわち、リフト60の最上昇時に、流出側通路52に干渉部71,71を配置させて、リフト60の最下降時に、干渉部71,71を流出側通路52から離脱させる構成とし、リフト60の最上昇時に、支持面61上で支持した遊技球Bが、開放流入口50に流入して直ちに、流出側通路52を流出口51側に転動する際、あるいは、リフト60の上昇に伴って開口した開閉流入口55から遊技球Bが流入しても、それらの遊技球Bを干渉部71,71が受け止めて、そして、リフト60の下降に伴って、それらの遊技球Bを減速させた状態で流出口51側に転動でき、リフト60で持ち上げた遊技球Bや開閉流入口55に流入した遊技球Bを、始動入賞口9への入賞確率をより高めた安定した速度で、流出口51から流出させることができる。
上記の点を考慮しなければ、図15,16に示す干渉部71A、71Aのように、リフト60の最下降時付近において、入賞補助通路49の周壁にスリット54を経て流出側通路52の内周側に侵入して、流出口51側へ通過する遊技球Bを減速させるように停止させ、そして、リフト60の上昇時、停止させた遊技球Bの前面から上方に離脱して、減速させた状態で遊技球Bを流出口51側に転動させるように構成してもよい。
なお、実施形態の干渉部71は、リフト60の最下降時の時期付近に流出側通路52を通過する遊技球Bには接触せず、その遊技球Bを減速できないように設定されている。また、図15,16に示す干渉部71Aは、リフト60の最上昇時の時期付近に流出側通路52を通過する遊技球Bには接触せず、その遊技球Bを減速できないように設定されている。
上記の点を改良する場合には、図17,18に示すように、リフト60の最上昇位置付近と最下降位置付近とにおいて、流出側通路52を通過する遊技球Bと接触可能な干渉部71B,71Bを、リフト60に設けてもよい。この干渉部71B,71Bは、ある程度の形状保持性を有して弾性変形可能なゴムや合成樹脂から形成される薄肉状のヒレ部72,72から構成されている。そして、各ヒレ部72,72は、入賞補助通路49の周壁のスリット54を経て流出側通路52内に侵入して、リフト60が最上昇位置付近と最下降位置付近とに配置される際に、流出側通路52を通過する遊技球Bと接触可能な二つの凸板部72a,72bを備えるとともに、凸板部72a,72b間に、左右のヒレ部72,72間に遊技球Bの外径寸法より僅かに大きな開口を形成可能な凹部72cを設けて構成されている。
このような干渉部71B,71Bでは、流出側通路52を流出口51側に通過する遊技球Bが、凸板部72a,72bに当たって減速されるように停止され、遊技球Bの前面側から凸板部72a,72bが離脱して、遊技球Bが減速された状態で、流出口51側に転動したり、あるいは、遊技球Bが、左右の凹部72c,72c間をヒレ部72,72に接触せずに通過して、減速されずに流出口51側に転動する。さらに、ヒレ部72の凸板部72a,72bの一部に接触して、遊技球Bが、ヒレ部72の一部を弾性変形させるように撓ませつつ、減速する程度を少なくして、流出口51側に転動させることができる。このような干渉部71Bでは、リフト60の上下往復移動する際のタイミングに応じて、遊技球Bの減速の程度を異ならせて、遊技球Bを流出口51側に転動させることができる。
なお、実施形態では、開閉流入口55の下方に干渉部71を設けた場合を示したが、勿論、干渉部71,71A,71Bを設けずに、開閉流入口55を設けるようにリフト60を構成してもよい。
また、実施形態では、デジパチタイプの遊技機1について説明したが、デジパチタイプ以外のセンター役物のあるハネモノタイプのパチンコ遊技機等に、本発明を適用してもよい。
さらに、実施形態では、ステージ部19への遊技球Bの入球が、パイプ状のワープ通路17からなる入球口を使用して行われる場合を例示したが、単に、飾り枠体13の内外を貫通する入球口を利用して、ステージ部19上に遊技球Bを入球させるように構成してもよい。
さらにまた、リフト60,90や回転体95、あるいは、ステージ部19の中央部22,34付近は、内部を通過する遊技球Bを視認できるように、ある程度の透明度を有した合成樹脂材料等からなる透明体(若しくは半透明体)から形成してもよい。