次に、本発明に係るパチンコ遊技機の実施の形態を図面に基づき説明する。通常、パチンコ遊技機には、図柄変動表示器、始動入賞口及び大入賞口を備え、始動入賞口に遊技球が入賞することにより変動する図柄変動表示器の図柄が特別な図柄になったときに遊技者にとって有利な特別遊技状態となる第一種と、可動羽根を有する球入口、該球入口に受けられた遊技球が入賞する特別入賞口及び普通入賞口を有するセンター役物及び始動入賞口を備え、前記特別入賞口に遊技球が入賞したとき特別遊技状態となる第二種、または、図柄変動表示器及び特別入賞口を備え、いずれによっても特別遊技状態になる第一種と第二種とを混合したものがある。本発明は前記いずれのパチンコ遊技機についても適用可能であるが、本発明にあっては第一種と第二種とを混合したパチンコ遊技機について説明する。なお、第二種については、センター役物に特別遊技状態を決める特別な図柄ではなく遊技の雰囲気を盛り上げるためなどの図柄を表示する表示器が付設される。図1は、本発明に係るパチンコ遊技機の遊技盤の正面図を示す。該遊技盤1は、打球発射装置(図示せず)から発射された遊技球を誘導するため前面に環状の外レール2と内レール3が設けられ、その内側の遊技領域の中央に本発明に係るセンター役物4が配設される。5a,5bは遊技球が流下する遊技盤1の左側領域上部と右側領域上部に夫々設けられた普通入賞口、6a,6bはその下方に夫々設けられた普通入賞口である。7a,7bは遊技盤1の左側領域下部と右側領域下部に夫々設けられた始動入賞口、8はセンター役物4の直下方に設けられ一対の翼片9,9が開閉動するように構成された所謂チューリップ型の電動開閉始動入賞口である。該電動開閉始動入賞口8は、その上方に遊技球が通過することにより電気的に検出される通過ゲート8aが一体に設けられている。なお、10は遊技領域の下端部に設けられたアウト球排出口、11a,11bは内レール3の内側縁に設けられたランプ付き装飾体である。
センター役物4は、図2、図3に拡大して示すように、遊技盤1面に取着される取付基板12前面の中央上部に紋型装飾体13が形成され、該紋型装飾体13の両側に球入口14a,14bが形成される。該球入口14a,14bに、可動羽根15a,15bが回動自在に軸支される。該可動羽根15a,15bは、図4(イ)(ロ)に示すように、支軸16a,16bの先端に固設され、該支軸16a,16bの後端部にクランク17a,17bが固設されている。18a,18bは該センター役物4の内部に鉛直に固設された電動アクチュエータ(ソレノイド)、19a,19bは該電動アクチュエータ18a,18bのプランジャに固着された作動片である。20a,20bは、その軸受部21a,21bを軸支することにより傾動自在に支持された傾動片である。該傾動片20a,20bに突設されたピン22a,22bを該作動片19a,19bに形成された横長孔23a,23bに遊嵌すると共に、クランク17a,17bの先端に突設されたピン24a,24bを該傾動片20a,20bに形成された長孔25a,25bに遊嵌する。
前記電動アクチュエータ18a,18bが励磁され作動片19a,19bが上動すると、傾動片20a,20bが上傾し、図4(ロ)に示すように支軸16a,16bを矢視方向へ回転させ、可動羽根15a,15bが図4(イ)の起立状から外傾状に変動する。これに伴い図2鎖線に示すように球入口14a,14bが開成され、遊技球が該球入口14a,14bからセンター役物4内に流入し得るようになる。26は、センター役物4内であって球入口14a,14bの内側に山形に形成された球遊動通路である。27a,27bは該球入口14a,14bからセンター役物4内に流入した遊技球を検出するために該球遊動通路26の両端部に設けられた球検出スイッチで、遊技球は該球検出スイッチ27a,27bの環状孔からその下段に形成された凹面状通路28に落下する。
また、図2に示すように、凹面状通路28の後側壁中央部に遊技球が横に3個並んで通過できる程度の幅を有する窓孔29が形成され、該窓孔29の後側に球停留装置30が設けられる。図5(イ)(ロ)に示すように、該球停留装置30は、上端部で軸着され前後に自在に揺動する振分部材31と、センター役物4の内部中央に鉛直に固設された電動アクチュエータ(ソレノイド)32と、該電動アクチュエータ32のプランジャに固着され振分部材31と連係する規制部材33と、からなる。振分部材31は、下端に後記する球落口38の上面を開閉する蓋片31aが設けられ、軸支部から後方へ突出する腕片34の先端にピン34aが設けられる。一方、規制部材33は、その上端に前方へ突出する可動片35が設けられ、該可動片35先端の二股部36に前記腕片34のピン34aが係合している。また、規制部材33の下端は、前方へ屈曲して球止片37が設けられる。該球止片37の前端部は、球落口38の下方に位置する。そして、規制部材33が上昇したとき、球止片37が球落口38の真下に位置してその下面を閉じ、該球止片37に入った遊技球を下から支持するようにしている。また、この状態で、規制部材33が下降すると、球落口38の下面が開かれ前記遊技球は支持を失い落下することになる。
前記球停留装置30における振分部材31の下方には、該振分部材31の揺動動作により遊技球を受け入れられるように開閉する球落口38が設けられ、該球落口38に球検出スイッチ39(図5では省略。)の環状孔が合致している。球落口38は、左右両サイドへ伸びるワープ通路40a,40bの分岐点に当たる底壁に開設される。これらワープ通路40a,40bは両側で下方へ屈曲し、その下端に後記する傾斜棚52の両側上面に位置する球出口41a,41bが設けられる。これらワープ通路40a,40bにより囲まれる部位は、その後側に位置する図柄変動表示器48を遊技者が前側から視認可能なように、遊技球の直径寸法よりも少し広い幅を離して平行な前後一対の透明樹脂板が張設された透光領域42としている。
前記透光領域42の透明樹脂板間に、球落口38の下方に位置して該球落口38から落下する遊技球を下方へ導く中央縦通路43が形成される。該中央縦通路43には、その途中に通路の内側へ突出し落下する遊技球を一時的に受け止める第一球受片44aとその下方に位置する第二球受片44bとが設けられる。これら第一・第二球受片44a,44bは、互いに位置を違えて設けられかつそれら上面が中央縦通路43の中央寄りへ下傾し、その上面に遊技球が乗っても停止できずに落下するようになっている。更に、第二球受片44bの下方に上面が弧状に窪み、遊技球を排出する下端放出口43aが球転動通路45の長手方向に沿っていずれか側方、この場合は図2において右側、を向いた第三球受片44cが設けられる。
そして、両透明樹脂板間の下部に、中央縦通路43の下端から落下する遊技球を受け入れる球転動通路45が設けられる。該球転動通路45は、底壁上面が前記中央縦通路43の真下位置である中央部で一番低くなっており、その両側が中央部に向かって緩やかに下傾している。また、中央縦通路43の中央部の後側壁に、遊技球を傾斜棚52の左右幅方向のほぼ中央部に落下させる球送り口46が開設される。
前記球停留装置30の電動アクチュエータ32が消磁しているときは、図5(イ)に示すようにそのプランジャが下方へ突出して規制部材33が下降位置に停止し、振分部材31が前方へ揺動して突出し球落口38の上面を塞いでいる。よって、この状態で凹面状通路28から窓孔29を介して導かれた遊技球は、振分部材31により左右いずれかに振り分けられ、ワープ通路40a,40b内を流れると共にその下端の球出口41a,41bから排出されて傾斜棚52の上面に落下する。また、この状態では、該規制部材33下端の球止片37が中央縦通路43の後側壁に開設された縦溝47を介してその中央縦通路43内に介入し、第一球受片44aの近傍に達しており、その第一球受片44a上面に乗る遊技球を支えてそれより下方へ落下させないようにしている。
これに対し、電動アクチュエータ32が励磁すると、図5(ロ)に示すようにそのプランジャが上方へ収縮して規制部材33が上昇位置に停止し、同時に振分部材31が後方へ揺動して球落口38の上面を遊技球が入り得るように開放する。よって、この状態で凹面状通路28から窓孔29を介して後方へ導かれた遊技球は、球落口38に入り易い。該球落口38に入った遊技球は、その下面を規制部材33下端の球止片37により支持され、電動アクチュエータ32が消磁して規制部材33が下がらない限り中央縦通路43に落下しないようになっている。また、その後に窓孔29から入る遊技球は、球落口38に保留される遊技球によって振り分けられ、ワープ通路40a,40bのいずれかに流入する。
この状態で、電動アクチュエータ32が消磁すると、規制部材33が下降し該規制部材33によって球落口38に保留されていた遊技球が第一球受片44aの上面に落下する。また、同時に振分部材31が前方へ突出して球落口38の上面を塞ぐ。このとき、前記遊技球は、規制部材33に支持され第一球受片44aの上面に保持される。そして、電動アクチュエータ32が再び励磁すると、規制部材33が上昇すると共に振分部材31が後退して球落口38の上面を開放する。同時に、第一球受片44aの上面に乗っていた遊技球が規制部材33から開放され、第二球受片44bの上面に一時的に乗りつつ更にその下方の第三球受片44c上面に乗り、図6(イ)に示すようにその下端放出口43aから球転動通路45の底壁上面に落下する。
第三球受片44cの下端放出口43aは図2のように球転動通路45を正面から見て右側を向いているので、そこから排出される遊技球は勢いがつき易い。そこで、該球転動通路45の底壁上面が中央部に向かって緩やかに下傾していることから、前記遊技球は図6(イ)鎖線に示すようにその中央部を中心として左右両サイドへ減衰しながら往復運動する。そして、該遊技球は最終的に中央部に寄り、球送り口46を介して傾斜棚52上面の中央に落下する。球送り口46の中央縦通路43に沿った両側縁部は、その前面が図6(ロ)に示すように前方へ突出し、両突出部から始まる両側前面が、それぞれ球転動通路45に沿って外側へ向かうに従い漸次後方へ傾くテーパー面45aに形成されている。
これにより、球転動通路45を球送り口46を中心として左右に往復運動する遊技球は、球送り口46に近づくにつれテーパー面45aに接触して球送り口46から離されるように誘導される。よって、例えば、該遊技球が球送り口46の両内側縁に当たって停止し、そこで往復運動の止まってしまうことがなくなり、遊技者はその遊技球の動きを長く楽しむことができる。
センター役物4内の球転動通路45の下方に、取付基板12に開設された窓開口49と連通するようにして前側から内部が視認できる遊技室50が形成されている。図7に示すように該遊技室50には、その後側正面壁50aの中央に装飾体としての人形51が突出状に設けられる。また、遊技室50内の中間高さ位置に、横断状に配置され後方へ向けて緩やかに下傾する傾斜棚52が設けられる。該傾斜棚52の後端縁は、遊技球が落下し得る間隔53を離して人形51と相対している。該遊技室50の床面54は緩やかな前傾状に形成され、その前端縁中央に特別入賞口55が設けられ、該特別入賞口55の両側にそれぞれやや広めの普通入賞口56,56が形成される。該特別入賞口55には、球検出スイッチ57が配設される。普通入賞口56,56にあっては、その下流側に図示しない球検出スイッチが配設される。
図8に示すように前記人形51の腹部に、繰り返し前方に進出可能に設けられたポケット形の進退動型電動部材58が装着される。該進退動型電動部材58は、水平に配置されると共に前端に上面が開口したポケット部58aが設けられる。後側正面壁50aの後側に、進退動型電動部材58に連結され該進退動型電動部材58を動作させるための電動アクチュエータ(ソレノイド)59が水平に配置される。また、人形51の後側に相当する後側正面壁50aの裏側に遊技球が通過し得る通路60が形成され、該通路60は人形51の股下部に開設された放出口61に連通している。62は床面54の下側に配置され、電動アクチュエータ(ソレノイド)63の作動により枢支部64を支点として鉛直面内で上下に傾動するように支持された停留レバーである。そして、その上・下方向への傾動により該停留レバー62の先端62aが放出口61と相対するように床面54より出没し、放出口61から放出する遊技球を該停留レバー62により一時停留するようになっている。また、放出口61の両側であって後側正面壁50aに、前記通路60と連通するサブ放出口65が開設される。
図2、図7に示すように、人形51の両側で傾斜棚52の両サイド奥部にそれぞれ半球殻状の回転型電動部材66が設けられる。図9に示した回転型電動部材66は、図2のようにセンター役物4を正面から見て右側に配置されるものであるが、左側に配置される回転型電動部材66は右側に配置されるものと同じ構成からなるので図示は省略する。該回転型電動部材66はその球面が前方を向き回転軸67により支持され、該回転軸67の後端に減速機付モータ68が連繋される。回転型電動部材66には、その前面に等間隔に遊技球が通過できる透孔69が形成される。また、回転軸67に該回転軸67に対して直角となるように回転円板81が固着され、該回転円板81の外周縁部に回転軸67を中心とする放射線状にかつ等間隔に複数のスリット82が設けられる。回転円板81の一側に、該回転円板81の外周縁部を前側と後側から挟むようにして投光器と受光器とを備えた検出器83が配設される。
回転型電動部材66は、減速機付モータ68の駆動により図9矢印の方向、すなわちセンター役物4を正面から見て時計回り方向へ常時回転している。回転中の回転型電動部材66は、前記スリット82を検出器83で検出することにより停止できるが、常に同じ位置で停止させている。このように、回転型電動部材66を常に同じ位置で停止させるのは、センター役物4内に入った遊技球の特別入賞口55へ入賞する入賞確率にばらつきがないようにしてその均一化を図るためである。一方、前記左側に配置された回転型電動部材66は、図2のようにセンター役物4を正面から見て反時計回り方向へ回転している。そして、傾斜棚52上面に落下した遊技球は、前記間隔53から床面54に落下するほか、該回転型電動部材66の透孔69から一旦その内側に入り、また、いずれかの透孔69からその下方の曲面棚70を介して床面54に落下する。
更に、前記遊技室50の後側正面壁50aに、人形51の両側に位置して押出し部材71が配置される。これら押出し部材71は共に同じ構成からなるので、図10(イ)(ロ)に図2のようなセンター役物4を正面から見て左側に位置するもののみを示す。押出し部材71は、両端部に支持孔72を貫設した摺動枠73の前面に支軸74を突設し、該支軸74の先端、すなわち前端、に人の手に模した当て片75を固着して構成される。一方、遊技室50の後側正面壁50aに支持枠76が固着される。該支持枠76には、後側正面壁50aの前後方向へ水平に貫設された軸孔77が設けられる。また、支持枠76の両側後面に、軸孔77の中心軸と平行をなしかつ圧縮スプリング78を巻装した支杆79が後方へ突設される。そして、前記軸孔77に支軸74を挿通し、両支持孔72に両支杆79を挿通する。また、摺動枠73の後側に、該摺動枠73を圧縮スプリング78の付勢に抗して前方へ押動する電動アクチュエータ(ソレノイド)80が水平に配設されている。
そこで、電動アクチュエータ80が消磁しているときは、図10(イ)に示すように圧縮スプリング78の付勢により摺動枠73が後退し、支軸74前端の当て片75が後側正面壁50aの前面に寄っている。これに対し、電動アクチュエータ80が励磁すると、図10(ロ)に示すようにプランジャが前進して圧縮スプリング78の付勢に抗して摺動枠73を前方へ押す。これにより、当て片75が前方へ突出して、傾斜棚52の後端縁に接近する。その後端縁と当て片75との隙間は、遊技球が通過し得ない寸法になっており、傾斜棚52の上面を後方へ転動して突出動作する当て片75に当る遊技球は、傾斜棚52の上面を前側へ押し返されることになる。前記両当て片75の前面は、真正面を向くというよりも少し中央の人形51側を向くように設定されている。よって、該当て片75に押し返された遊技球は、パチンコ遊技機の前面を覆う透明板保持枠(図示せず。)のガラス板(センター役物4の窓開口49に該窓開口49を塞ぐ前面透明壁がある場合は、該前面透明壁)に当たってポケット部58aに向かって流下し易いようになる。
本発明に係るパチンコ遊技機は上記構成からなり、例えば遊技盤1面に打ち込まれた遊技球が始動入賞口7a,7bや電動開閉始動入賞口8に入賞すると、電気的に検出されて図柄変動表示器48に表示される数字、文字、図形といった図柄が変動を開始する。遊技者は、その図柄を透光領域42を介して見ることができる。電動開閉始動入賞口8にあっては、その上部の通過ゲート8aを遊技球が通過すると抽選が行なわれ、その抽選に当たると電動開閉始動入賞口8が1回開閉する。その間に、該電動開閉始動入賞口8に遊技球が入賞すると、前記図柄が変動を開始する。
そして、前記変動した図柄は、特定の図柄(例えば、「111」、「222」、「777」)で停止する。そこで、特定の図柄が「111」で停止した場合は、可動羽根15a,15bが1回開閉動作を行なう。また、特定の図柄が「222」で停止した場合は、可動羽根15a,15bが2回開閉動作を行なう。一方、特定の図柄が「777」に揃った場合は、遊技者に有利な特別遊技状態、いわゆる「大当り」となり、可動羽根15a,15bが1ラウンドにつき所定回数開閉を繰り返し、その後にそのラウンドが所定回数継続され、一度に多くの賞球が得られる。すなわち、遊技球が始動入賞口7a,7bや電動開閉始動入賞口8に入賞することが契機となって、特別遊技状態が発生する。
前記可動羽根15a,15bが1回または2回開いたときに、球入口14a,14bに遊技球が入賞すると、該遊技球は球検出スイッチ27a,27bを通過して検出される。これにより、可動羽根15a,15bを作動させる電動アクチュエータ18a,18bを除いて、他の電動アクチュエータ32,59,63,80が駆動し、振分部材31と規制部材33、進退動型電動部材58、停留レバー62、押出し部材71が設定された時間に従って適宜回数作動する。また、押出し部材71は、センター役物4に遊技球が入賞してから排出されるまでの間に、左右同時に複数回前方へ突出動作を繰り返す。
前記球入口14a,14bの球検出スイッチ27a,27bを通過して検出された遊技球は、凹面状通路28内に入る。次に、この遊技球は、窓孔29から後方へ流下するが、電動アクチュエータ32が消磁して振分部材31により球落口38の上面が塞がれているとき、蓋片31aにより振り分けられていずれかのワープ通路40a,40bに流入し、その流下端の球出口41a,41bから傾斜棚52上面に落下する。一方、電動アクチュエータ32が励磁して振分部材31を後方へ揺動して球落口38の上面が開放されたとき、窓孔29から入った遊技球がタイミング良く球落口38に入ると、該遊技球は、電動アクチュエータ32が励磁している間、一時的に保留される。よって、後続の遊技球は必然的に球落口38には入賞せず、いずれかのワープ通路40a,40bに流入する。
そして、前記電動アクチュエータ32が消磁すると、規制部材33が下降し前記球落口38に保留されていた遊技球は支持を失って中央縦通路43に落下し、規制部材33に支持された状態で第一球受片44a上面に保持される。更に、電動アクチュエータ32が励磁すると、規制部材33が上昇し第一球受片44a上面の遊技球が支持を失って落下し、第二・第三球受片44b,44cを経て球転動通路45上面に落下する。該球転動通路45上面では、遊技球がその球転動通路45に沿って中央部を中心として左右に減衰しながら往復動する。最終的に減衰した遊技球は、球送り口46から傾斜棚52上面に落下する。
傾斜棚52上面を後方へ転動する遊技球は、間隔53から人形51の前に落下したり、該傾斜棚52上面にて両サイドに位置し回転中の回転型電動部材66に接触して弾かれたり、或はその透孔69内に入りそのままいずれかの透孔69から曲面棚70に落下して、床面54上に放出される。そして、該遊技球は、前方へ転動して普通入賞口56または特別入賞口55に入賞する。この内、遊技球が間隔53から落下するとき、図8の鎖線に示すように電動アクチュエータ59が励磁して進退動型電動部材58が進出して開いたポケット部58aに入ると、該遊技球は通路60を流下して人形51の股下部の放出口61に導かれる。このとき、同図鎖線に示すように電動アクチュエータ63が励磁して停留レバー62の上端が床面54から上方へ突出しているときは、放出口61にある遊技球はそのまま保持される。ところが、電動アクチュエータ63が消磁して停留レバー62の上端が床面54から下方に位置すると、前記遊技球はまっすぐ流下して特別入賞口55に容易に入賞する。この場合も特別遊技状態となり、可動羽根15a,15bが1ラウンドにつき所定回数開閉を繰り返し、その後にそのラウンドが所定回数継続され、一度に多くの賞球が得られることになる。
また、電動アクチュエータ63が励磁して放出口61で停留レバー62により遊技球が保持されているとき、通路60を介してその上に重なって入る遊技球は、サブ放出口65から床面54に排出され、ほとんど普通入賞口56に入賞する。
そこで、ゲームの途中であって、傾斜棚52の上面を後方へ転動するも人形51の位置する該傾斜棚52の中央部に寄らない遊技球は、傾斜棚52の後端縁から落下するとき押出し部材71が前方へ突出すると、図11の鎖線に示すように当て片75に当てられ傾斜棚52の上面を前側へ押し返される。このようにして、その遊技球は、当て片75により押し返される限り、傾斜棚52上面を前後に往復動して傾斜棚52上面に留まる時間が長くなる。よって、進退動型電動部材58すなわち特別入賞口55に該遊技球が入る機会が多くなり、しかも、特別入賞口55に入賞するか否かのスリルや期待感に持続性を持たせることができ、これにより遊技の興趣が高められる。
本発明に係るパチンコ遊技機では、図12に示すように前記図柄変動表示器48、電動アクチュエータ18a,18b,32,59,63,80及び減速機付モータ68が、CPU,ROM,RAM,I/O等からなるマイクロコンピュータ84に接続され、該マイクロコンピュータ84の指令により作動する。また、該マイクロコンピュータ84には、前記始動入賞口7a,7b、電動開閉始動入賞口8に入賞した遊技球を検出する球検出スイッチ85a,85b,86がそれぞれ接続されているほか、前記球検出スイッチ27a,27b、球検出スイッチ39、球検出スイッチ57がそれぞれ接続される。
次に、本発明に係るパチンコ遊技機のゲームの流れを、図柄変動表示器48に表示される図柄を中心として説明する。遊技球が始動入賞口7a,7bまたは電動開閉始動入賞口8に入賞して球検出スイッチ85a,85b,86により検出されることにより、図柄変動表示器48の図柄が変動を開始し、所定時間経過後に停止する。そして、その停止したときの図柄が、「777」に揃ったり、図柄が「111」「222」に揃って可動羽根15a,15bが傾動した球入口14a,14bに遊技球が受け入れられると共に該遊技球が特別入賞口55に入賞することにより特別遊技状態になる。
通常、図柄変動表示器48の表示には、始動入賞口7a,7bまたは電動開閉始動入賞口8に遊技球が入賞する度に図柄変動表示器48の図柄が所定時間変動していずれかの図柄を表示する通常モードと、所定回数を限度として翼片9が傾倒し電動開閉始動入賞口8に遊技球が入賞し易く特別遊技状態になる確率が向上する時短モードとがある。特別遊技状態は、前記通常モードまたは時短モードのいずれにも発生し得るもので、特別遊技状態が終了した後は、再び通常モードに移行するか時短モードに移行する。そして、特別遊技状態が終了した後であって通常モードまたは時短モードが開始される前に図柄変動表示器48にエンディング表示が表示される。このエンディング表示の表示時間はどのモードであっても一定である。
更に、図13(イ)(ロ)(ハ)(ニ)に基づき詳しく説明する。図13(イ)は、通常モード時間内に特別遊技状態が発生し、その最終ラウンド終了後にエンディング表示が行なわれ、その後、通常モードに移行する場合である。この場合、エンディング表示では、終わりの表示E,2個のアニメーションの表示N1,N2、そして、通常モード中に表示される表示Tを行なうようにしている。このように、通常モードでの特別遊技状態の終了後にそのまま通常モードへ移行するときは、両者が通常と変わらない同じ状態となる。よって、時短モードの開始や継続、終了に即した表示をすることが難しいところ、エンディングに掛かる時間はそのまま保持して図柄変動表示器48の画面だけ通常モード中に表示される表示Tとする。これにより、その表示の選定に苦労する必要がなくなる。また、遊技者に恰も次のゲームが始まったという錯覚を与えることができ、早く次の通常モードを開始してほしいという期待に応えられる。これにより、遊技の興趣が醒めないようにすることができる。
図13(ロ)は、通常モード時間内に特別遊技状態が発生し、その最終ラウンド終了後にエンディング表示が行なわれ、その後、時短モードに移行する場合である。この場合、エンディング表示では、次に始まる時短モードへの予告と準備のため、その予告の表示Y、その時短に突入するのに相応しい突入の絵と文字の表示D1,D2等の時短モードの開始や継続、終了に即した表示が表示される。これにより、遊技者にこれから時短モードが開始されるという予告を伝えることができ、遊技者に心の準備をさせられ安心感も与えられる。
図13(ハ)は、時短モード時間内に特別遊技状態が発生し、その最終ラウンド終了後にエンディング表示が行なわれ、再び、時短モードに移行する場合である。この場合、エンディング表示では、次に始まる時短モードへの予告と準備のため、予告の表示Y、継続の表示C、次の時短モードの場所の表示P1等の時短モードの開始や継続、終了に即した表示が表示される。
図13(ニ)は、時短モード時間内に特別遊技状態が発生し、その最終ラウンド終了後にエンディング表示が行なわれ、次に、通常モードに移行する場合である。この場合、エンディング表示では、時短モードから通常モードへ移行するので、遊技者にとっては落胆の感が強くその慰めの意を込めるため、終わりの表示E、3個のアニメーションの表示N1,N2,N3、次の通常モードの場所の表示P2等の時短モードの開始や継続、終了に即した表示が表示される。
通常、特別遊技状態が終了するまでには図柄変動表示器48の図柄を変動させるための保留球が所定量蓄積されるので、エンディング表示終了後の通常モードまたは時短モードは、その保留球により変動が開始されることによって始まる。