JP4314411B2 - 遊技機の入賞装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遊技機の入賞装置に関し、更に詳細には、球入口を介して入賞空間に流入した遊技球が特別領域を通過することで、遊技者にとって有利な特別遊技が発生する遊技機の入賞装置に関するものである。
一般に、「羽根モノ」や「ヒコーキタイプ」と称されるパチンコ機は、パチンコ球(遊技球)が通入する左右の球入口を所定条件で開閉する羽根状や扉状等の開閉部材と、種々の遊技部品が配置されて球入口から流入するパチンコ球に多彩な動きを付与する入賞空間と、該入賞空間に流入したパチンコ球が最終的に通過する特別領域および一般領域とを備えた入賞装置を備えている。そして、前記特別領域をパチンコ球が通過することで、遊技者に有利な特別遊技が発生するようになっている。すなわち、この種のパチンコ機は、前記左右の球入口を介して入賞空間内に流入したパチンコ球に多彩な動きをさせ、該遊技球が最終的に前記特別領域を通過するか否かを予測困難にすることにより、前記特別遊技への期待感を持続させている。更に、このような遊技者の特別遊技発生に対する期待感を高めるため、前記入賞空間に流入したパチンコ球を一時的に受止めて前記特別領域を通過し易い経路、または該特別領域を通過し難い経路に案内する球受け部材を備えたパチンコ機も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
前記特許文献1に記載のパチンコ機の入賞装置では、内側に前記特別領域に連通する落下口を形成した半円筒状の棚板の外周側に、パチンコ球を一時的に受止めて滞留させる複数の回転振分体(球受け部材)を正逆方向に回転可能に設けてある。そして、前記各回転振分体に滞留させたパチンコ球が、該回転振分体の回転に伴い前記棚板の内側に案内された場合には、前記落下口を介して前記特別領域を通過し易くなっている。すなわち、前記回転振分体が右回りに回転している場合には、左側の球入口から入賞したパチンコ球は回転振分体の回転により棚板の内側に案内され易いのに対し、右側の球入口から入賞したパチンコ球は回転振分体の回転により棚板の内側に案内され難くなっている。反対に、前記回転振分体が左回りに回転している場合には、左側の球入口から入賞したパチンコ球は回転振分体の回転により棚板の内側に案内され難いのに対し、右側の球入口から入賞したパチンコ球は回転振分体の回転により棚板の内側に案内され易くなっている。このように、前記回転振分体を正逆回転することで、該回転振分体に滞留させたパチンコ球の前記特別領域への通過し易さを変化させることで、特別遊技発生に対する期待感を高めている。
特開2003−260209号公報
ところで、前述したように、この種のパチンコ機は前記入賞空間内に入賞したパチンコ球が多彩な動きをすることで、該パチンコ球が前記特別領域を通過することへの期待感を抱かせて遊技を面白くするものである。しかしながら、特許文献1に記載された入賞装置では、前記入賞空間内に入賞したパチンコ球の動きは、前記回転振分体の正逆回転により決定され、該パチンコ球の動きが乏しくなる欠点がある。このため、前記回転振分体の回転方向により前記球入口を介して流入したパチンコ球の動きを容易に推測できるから、該パチンコ球の動きが単調になって遊技に飽きがくる問題を内在している。また、前述のように、前記回転振分体の回転方向により特別領域を通過するか否かを予測し得るため、前記入賞空間に入賞したパチンコ球の動きに対しては遊技者の特別遊技発生に対する期待感が損なわれる問題もある。
そこで、本発明は、入賞空間に流入した遊技球の動作を予測困難にして、遊技に対する興趣を持続させ得る遊技機の入賞装置を提供することを目的とする。
前記課題を克服し、所期の目的を好適に達成するため、本願の請求項1に係る遊技機の入賞装置は、
遊技球(B)が通過可能な球入口(18)と、前記球入口(18)を介して遊技球(B)が流入する入賞空間(23)と、前記入賞空間(23)の底面をなし、前方へ向けて所要角度で下方傾斜する傾斜面(24)と、前記傾斜面(24)の前側に形成される特別領域(25)および一般領域(26)とを備え、前記入賞空間(23)に流入した遊技球(B)が前記特別領域(25)を通過することで、遊技者に有利な特別遊技を発生させるよう構成された遊技機の入賞装置において、
前記入賞空間(23)内でかつ前記傾斜面(24)の上方に配置され、該入賞空間(23)に流入した遊技球(B)を一時的に受止めて転動させ得る転動面(34)を有する球受け部材(31)と、
前記転動面(34)に形成されて該転動面(34)を転動する遊技球(B)が落下可能で、落下する遊技球(B)を前記特別領域(25)へ案内する第1領域(36)と、
前記転動面(34)に形成され、該転動面(34)を転動する遊技球(B)が落下可能な前記第1領域(36)とは異なる第2領域(37)と、
動手段(41)に連結され、異なる方向に延在する複数の支軸(44,46)を介して前記球受け部材(31)を揺動自在に支持する伝達手段(40)と、
前記球入口(18)を通過した遊技球(B)を前記球受け部材(31)の転動面(34)に案内する第1位置、および該遊技球(B)を球受け部材(31)に案内しない第2位置にソレノイド(20b)の駆動により変位される経路切替部材(50)と、
前記転動面(34)の第2領域(37)の下方位置において前記ソレノイド(20b)の駆動により前後方向に移動するように設けられ、後退させた状態では前記第2領域(37)から落下した遊技球(B)が前方に向けて下方傾斜する第1面(53)に当接し、前進させた状態では第2領域(37)から落下した遊技球(B)が後方に向けて下方傾斜する第2面(54)に当接するよう設定される経路変更部材(52)とを備え、
前記伝達手段(40)を駆動手段(41)により駆動することで前記転動面(34)が多方向に亘り傾斜し、該転動面(34)を転動する遊技球(B)がその傾斜方向に応じて前記第1領域(36)または第2領域(37)から落下するよう構成すると共に、前記経路切替部材(50)および経路変更部材(52)は、前記ソレノイド(20b)の駆動により経路切替部材(50)が第1位置に変位した状態では経路変更部材(52)が後退した状態となり、経路切替部材(50)が第2位置に変位した状態では経路変更部材(52)が前進した状態となるよう構成したことを特徴とする。
請求項2に係る遊技機の入賞装置は、
前記球受け部材(31)における転動面(34)の側方上部で前後方向に延在し、前記球入口(18)から通入した遊技球(B)を入賞空間(23)の奥側に案内する球通路(28)と、
前記球通路(28)の後端部における前記球受け部材(31)を向く側に形成されて、該球通路(28)を転動する遊技球(B)が球受け部材(31)の転動面(34)に向けて落下可能な切欠部(28a)と、
前記球通路(28)の後端側における下方で該球通路(28)の後端部から落下する遊技球(B)が当接する位置に設けられ、当接した遊技球(B)を前記傾斜面(24)の奥側に落下させる緩衝片(29)とを備え、
前記経路切替部材(50)は、前記球通路(28)の後端部に近接して該球通路(28)を転動する遊技球(B)を前記切欠部(28a)から球受け部材(31)の転動面(34)に向けて落下させる前記第1位置と、球通路(28)の後端部から離間して該球通路(28)を転動する遊技球(B)を後端部から前記緩衝片(29)に向けて落下させる前記第2位置とに変位されることを特徴とする。
請求項3に係る遊技機の入賞装置は、
前記伝達手段(40)は、
前記駆動手段(41)に連結される機構部(42)と、
左右方向に延在する第1支軸(44)に揺動自在に枢支され、前記機構部(42)に接続する揺動板(43)と、
前記揺動板(43)に設けられて前後方向に延在する第2支軸(46)に揺動自在に枢支され、前記球受け部材(31)が固定されると共に機構部(42)に接続する支持部材(45)とを有し、
前記伝達手段(40)の機構部(42)を駆動手段(41)により駆動することで、前記球受け部材(31)が、前記揺動板(43)の揺動により前記転動面(34)が後方に下方傾斜する動作と、前記支持部材(45)の揺動により前記転動面(34)が右または左方向に下方傾斜する動作とを合成した動作を行なうよう構成したことを特徴とする。
請求項4に係る遊技機の入賞装置は、前記球受け部材(31)における前記傾斜面(24)の下流側に位置する端部に、前記転動面(34)からの遊技球(B)の落下を規制する規制部(35)を形成し、該転動面(34)上の遊技球(B)が、前記特別領域(25)または一般領域(26)に直接落下するのを防止したことを特徴とする。
本発明の請求項1に係る遊技機の入賞装置によれば、球受け部材の転動面を多方向に亘って傾斜するよう構成したから、該転動面に到来した遊技球は転動面の傾斜方向に合わせて様々な方向に転動する。すなわち、前記転動面を遊技球が複雑に転動するから、該遊技球の動きを予測困難にして遊技の興趣を向上し得る。また、前記転動面を転動する遊技球は、第1領域から落下した場合には特別遊技を発生させる特別領域へ向けて案内される。すなわち、前記転動面を遊技球が複雑に転動することで、遊技球が第1領域から落下するか否かを予測することは困難となり、遊技に対する興趣が持続されると共に、入賞空間に流入したパチンコ球の動きに対して遊技者の興味を強く惹き付けることができる。更に、前記球入口を介して入賞空間に流入した遊技球が前記球受け部材に到来するか否かを決める経路切替部材を設けることで、遊技者に緊張感を与えることができると共に、遊技の幅が広がり、遊技の興趣を増大し得る利点がある。
更にまた、前記転動面から落下した遊技球が当接する経路変更部材を設けることで、該転動面から落下した遊技球が決まった経路を通過するのは防止されると共に、最終的に遊技球が特別領域または一般領域の何れかを通過するまでの動きを予測し得ないから、最後まで特別遊技が発生することへの期待感を持続し得る。そして、前記経路変更部材が前後方向に往復移動することで、該流路変更部材に接触した遊技球の転動方向がより予測し難くなり、遊技の興趣がより一層向上する。
そして、請求項2に係る遊技機の入賞装置によれば、球通路から球受け部材に落下することなく後端部から遊技球が落下した場合に、該遊技球を傾斜面の奥側に落下させる緩衝片を設けたことで、球受け部材の転動面に受止められない遊技球であっても傾斜面を転動する距離を長くすることで、遊技球が特別領域を通過するチャンスを増大でき、遊技者の興趣を増大することが可能である。
また、請求項3に係る遊技機の入賞装置によれば、球受け部材は、左右方向に延在する第1支軸を中心として転動面が後方に下方傾斜する動作と、前後方向に延在する第2支軸を中心として転動面が右または左方向に下方傾斜する動作とを合成した動作を行なうことで、転動面が多方向に亘って傾斜し、該転動面上での遊技球の動きを予測困難にして遊技の興趣を向上し得る。
更に、請求項4に係る遊技機の入賞装置によれば、前記球受け部材における前記特別領域および一般領域の形成側に対応する傾斜面の下流側の端部に規制部を形成したことで、転動面上にある遊技球が特別領域または一般領域に直接落下するのは防止される。すなわち、転動面から落下した後も遊技球の動きを楽しむことが可能となる。
次に、本発明に係る遊技機の入賞装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお実施例では、遊技機としてパチンコ球を遊技媒体として使用する一般的なパチンコ機を例にして説明する。
先ず、図1に略示されるパチンコ機の遊技盤10について要約説明する。前記遊技盤10には、略円形状のレール10aにより遊技領域10bが画成されると共に、該遊技領域10bの略中央部に実施例に係る入賞装置15が配置されている。また、前記遊技盤10における入賞装置15より下方位置には、左右方向に所要距離離間する3箇所に入賞装置15に対する所定の始動条件を成立させる第1始動入賞具12a,12aおよび第2始動入賞具12bが夫々配設されている。そして、これら第1および第2始動入賞具12a,12a,12bに設けた図示しないスイッチがパチンコ球B(図3または図4参照)の通過を検出することで、入賞装置15の開閉部材19,19(後述)を開閉動作させるようになっている。ここで、実施例では、左右に位置する第1始動入賞具12a,12aに設けたスイッチがパチンコ球Bの通過を検出した場合には開閉部材19,19を1回開閉動作させ、中央に位置する第2始動入賞具12bに設けたスイッチがパチンコ球Bの通過を検出した場合には開閉部材19,19を2回開閉動作させるよう設定される。なお、遊技領域10bの適宜位置には、風車とも称されてパチンコ球Bの流下方向を変更する案内車11,11,11,11や、遊技状態に応じて照射パターンが変更制御される電飾装置13,13等を配設してある。
前記入賞装置15は、図2〜図4に示すように、本体16の外周部に設けたフランジ状の基枠体17を介して遊技盤10に装着セットするようになっている。この本体16は、パチンコ球Bの入賞経路を形成すると共に各種部材を装着するために、その全体が複合組立式の筺型化されたものであって、適宜デザイン形状に形成される。前記本体16の上部左右位置には、パチンコ球Bが通過可能な入賞口(球入口)18,18が形成されると共に、該入賞口18,18を開閉する左右一組の開閉部材19,19が配設されている。そして、前記本体16の内部における前記開閉部材19,19の下方位置には、前方に開口すると共に所要の奥行きを有する入賞空間23が画成され、前記入賞口18,18を通過したパチンコ球Bが該入賞空間23に流入するよう構成してある。そして、前記入賞空間23に流入したパチンコ球Bの転動方向や落下方向を、該入賞空間23内に配設される球受け部材31や、経路切替部材50,50、経路変更部材52,52(何れも後述)により変化させて所要の遊技演出を行なうようになっている。
また、前記本体16の前側下方位置には、前記入賞空間23に流入したパチンコ球Bを前記遊技盤10の裏側に排出する特別領域25および一般領域26,26が夫々設けられている。そして、前記第1または第2始動入賞具12a,12a,12bのスイッチによるパチンコ球Bの通過検出に基づく前記開閉部材19,19の開閉動作時に、前記入賞装置15に入賞したパチンコ球Bが前記特別領域25を通過した場合には、遊技者に有利な特別遊技が発生するよう構成されている。なお、前記特別遊技は、前記入賞装置15に10個のパチンコ球Bが入賞するか、前記開閉部材19,19の18回の開閉または特別領域25へのパチンコ球Bの通過の何れかが満たされると1回のラウンドが終了し、各ラウンド中に特別領域25をパチンコ球Bが通過した場合に次のラウンドに移行するようになっており、最大で15ラウンドまで継続するよう設定してある。
前記開閉部材19,19は、左右対称な構造、形状に成形された内外方向への傾動形態とされて、前記入賞空間23の外側に配設した第1ソレノイド20aにより開閉動作するようになっている。すなわち、開閉部材19,19は、図2において2点鎖線で示す起立対向位置が通常の閉鎖状態とされ、図2の実線で示す上端が外向きに傾倒した位置が開放状態とされて、第1ソレノイド20aの駆動により両開閉部材19,19を閉鎖状態と開放状態とに同時に傾動変化させて前記入賞口18,18を開閉している。従って、各開閉部材19,19の夫々が開放状態にある場合に、前記遊技領域10bを流下するパチンコ球Bが前記入賞口18,18を介して入賞空間23へ流入し得るようになる。
図2に示すように、前記本体16における前記両開閉部材19,19の間には、略中央位置が上方に突出する球受け台21が形成されると共に、該球受け台21における左右両端部には、前記入賞空間23に連通する案内出口22,22が開設されている(図3および図4に一方の案内出口22のみ図示)。すなわち、前記開閉部材19,19が開放状態に傾動した際に、前記入賞口18,18に通入したパチンコ球Bは、直接または球受け台21を転動した後に、前記案内出口22,22の何れか一方から前記入賞空間23に流入する。なお、各案内出口22,22には、パチンコ球Bの通過を検出する球検出センサ22a(図3または図4参照)が配設されており、該球検出センサ22aがパチンコ球Bを検出することで、前記入賞装置15に入賞したパチンコ球Bの個数がカウントされると共に、所定数(例えば10個)のパチンコ球Bが賞球として払い出されるようになっている。
前記入賞空間23は、図2〜図4に示すように、前方に開口する略矩形箱状に形成されて入賞装置15の大部分を占有している。ここで、前記入賞空間23の底面をなす傾斜面24は、前方へ向けて所要角度で下方傾斜するよう形成され、該傾斜面24に到来したパチンコ球Bを前方に転動させるようになっている。なお、前記特別領域25および一般領域26,26の夫々は、前記傾斜面24の前側(すなわち傾斜面24の下流側)に上方に向けて開口するよう横並び状に設けられており、該傾斜面24を転動するパチンコ球Bが最終的に特別領域25または一般領域26,26を通過して装置外部(遊技盤10の裏側)に排出されるようになっている。また、前記傾斜面24の奥側には、左右方向の略中央位置に、パチンコ球Bの略直径寸法だけ離間するよう一対の球受入片27,27が形成されると共に、該球受入片27,27の間から前記特別領域25に向けて前方に延在する球誘導路24aを凹設してある(図2参照)。すなわち、前記球受入片27,27の間にパチンコ球Bが到来すると、該球誘導路24aに沿ってパチンコ球Bが転動して略確実に特別領域25を通過するようになっている。なお、前記特別領域25には、図示しないスイッチが設けられており、該スイッチによりパチンコ球Bの通過を検出するようになっている。
図3または図4に示すように、前記入賞空間23内における前記案内出口22,22の下方であって左右両側面23a,23aには、前後方向に延在する球通路28,28が入賞空間23の奥行き方向の略中間位置まで形成されている(図3および図4において一方の球通路28のみ図示)。前記球通路28,28は、後方に向けて下方傾斜するよう形成されており、対応する案内出口22,22を通過したパチンコ球Bを球通路28,28に沿って入賞空間23の奥側に案内するようになっている。また、前記入賞空間23の左右両側面23a,23aには、前記球通路28,28の後端側における下方位置に緩衝片29,29が形成されて、該球通路28,28の後端部から落下するパチンコ球Bを該緩衝片29,29に当接させてから傾斜面24の奥側に落下するよう構成してある。このように、前記緩衝片29,29にパチンコ球Bを一旦当接させることで、該パチンコ球Bが傾斜面24に到達した際の衝撃を和らげている。なお、前記各球通路28の後端部における入賞空間23の内側には、パチンコ球Bが通過可能な切欠部28aを形成してある。
また、図3または図4に示すように、前記入賞空間23内における前記球通路28,28の下流端側(後端側)には、該球通路28,28を転動するパチンコ球Bの転動方向を切替える経路切替部材50,50が設けられている。前記各経路切替部材50は、前記入賞装置15の側面23aから入賞装置15の内側に向かうにつれて後方に傾斜する板状に形成され、該側面23aの外側に配置した第2ソレノイド20bの駆動により、前記球通路28,28の後端部に臨む(近接する)第1位置(図3参照)と、該球通路28,28の後端部から離間する第2位置(図4参照)に変位可能に構成される。そして、前記経路切替部材50が第1位置に変位することで、前記球通路28,28を転動するパチンコ球Bは前記切欠部28aを介して入賞空間23の内側に落下し、該経路切替部材50が第2位置に変位することで、球通路28,28の後端部から前記緩衝片29,29に向けてパチンコ球Bが落下する。なお、前記切欠部28aを介して落下したパチンコ球Bは、入賞空間23の略中央位置に配設される前記球受け部材31の転動面34(後述)に案内されるようになっている。
図2に示すように、前記入賞空間23内に配設される前記球受け部材31は、前記傾斜面24の上方に、該傾斜面24から所要距離離間して配置されて、該入賞空間23の外側(後面23bの裏側)に配設した伝達手段40(図5(b)または図6参照)に支持されている。なお、前記球受け部材31に関しては、図5、図6(a)および図7(a)に示すように、球受け部材31の転動面34が略水平な状態を基準位置として説明する。前記球受け部材31は、前記入賞空間23の後面23bに対して略平行な第1装飾部32と、該第1装飾部32の下端部から前方に向けて延出する第2装飾部33とから構成され、該第1装飾部32を前記伝達手段40で支持することにより、第2装飾部33が傾斜面24から所要距離だけ離間するようになっている。また、前記第2装飾部33には、その上面にパチンコ球Bが転動可能な転動面34が形成されて、前記球通路28の切欠部28aを介して落下したパチンコ球Bを一時的に受止めて転動面34上で転動させるよう構成される。なお、前記第2装飾部33の前端部(すなわち、球受け部材31における傾斜面24の下流側に位置する端部)に、転動面34を転動するパチンコ球Bが落下するのを防止する規制部35が形成されており、該転動面34を転動するパチンコ球Bが、前記傾斜面24の前方(下流側)に位置する前記特別領域25および一般領域26,26に直接落下しないようになっている。
また、図3〜図5(a)に示すように、前記第1装飾部32における転動面34との連接部位には、左右方向の略中央位置にパチンコ球Bが通過可能な開口部32aが開設され、前記転動面34を転動するパチンコ球Bが落下可能な第1領域36を形成している。すなわち、前記転動面34を転動するパチンコ球Bは、該転動面34の左右方向の略中央位置に設けられた前記第1領域36、または転動面34における第1装飾部32と規制部35との間の領域37,37(以下、第2領域という)から傾斜面24に向けて落下するようになっている。ここで、前記第1領域36から落下したパチンコ球Bは、前記傾斜面24の奥側に形成した前記一対の球受入片27,27の間に落下するよう設定されており、該第1領域36から落下したパチンコ球Bを前記球誘導路24aによって特別領域25に案内するよう構成してある。また、前記転動面34における左右方向の略中央位置には、第1領域36に向けて下方傾斜する球案内部34aが凹設されており、該球案内部34aに到来したパチンコ球Bが略確実に第1領域36および球誘導路24aを介して前記特別領域25を通過するようになっている。
前記伝達手段40は、図5(b)に示すように、図示しないケースに組付けられた複数の歯車42aやカム42bからなる機構部42と、該ケースに揺動自在に枢支され、機構部42に接続する揺動板43と、該揺動板43に枢支され、機構部42に接続する支持部材45とからなり、該支持部材45に前記球受け部材31(第1装飾部32)を固定するよう構成されている。なお、前記機構部42の歯車42aの1つに、モータ(駆動手段)41を連結してある。ここで、前記揺動板43は、左右方向に延在する第1支軸44に枢支されて、前記モータ41の駆動により前記機構部42が作動することで、略垂直方向に延在する直立位置(図6(a),(c)参照)と、該直立位置から上端部が後方に退避した傾斜位置(図6(b),(d)参照)との間で、該第1支軸44を中心に揺動するようになっている。すなわち、実施例の入賞装置15では、前記揺動板43が直立位置にある場合に、前記球受け部材31が前記基準位置に変位され(図6(a),(c)参照)、該揺動板43が傾斜位置に変位することで、前記転動面34が前方から後方に向けて下方傾斜するようになっている(図6(b),(d)参照)。
また、前記支持部材45は、図5または図6に示すように、前記揺動板43の上部位置に前方に突出するよう立設した第2支軸46に揺動自在に枢支されると共に、該支持部材45に突設した固定部45a,45a,45aの先端部に前記球受け部材31(第1装飾部32)が固定されている。すなわち、前記モータ41の駆動により前記機構部42を作動した際に、前記支持部材45が前記第2支軸46を中心に揺動し、該支持部材45と一体的に球受け部材31も揺動する。ここで、前記モータ41を駆動して機構部42を作動した際に、前記球受け部材31は、前記基準位置から転動面34が右方向に下方傾斜し(図7(b)参照)、その後基準位置に復帰する動作と、基準位置から転動面34が左方向に下方傾斜し(図7(d)参照)、その後基準位置に復帰する動作とを交互に反復するようになっている。
すなわち、実施例に係る入賞装置15の球受け部材31は、前記モータ41の駆動に伴い前記揺動板43が揺動して前記転動面34が後方に下方傾斜する動作と、前記支持部材45が揺動して転動面34が右または左方向に下方傾斜する動作とを合成した動作を行なうよう構成されている。具体的には、前記球受け部材31は、図5、図6(a)および図7(a)に示す前記転動面34が略水平な基準位置から前記モータ41の駆動により前記転動面34が後方に下方傾斜すると共に右方向に下方傾斜し(図6(b)および図7(b)参照)、その後基準位置に復帰する(図6(c)および図7(c)参照)。そして、更にモータ41を駆動すると、前記転動面34が後方に下方傾斜すると共に左方向に下方傾斜し(図6(d)および図7(d)参照)、その後基準位置に復帰する(図6(a)および図7(a)参照)。このように、前記モータ41の駆動により前記揺動板43および支持部材45を揺動させて前記転動面34が多方向に亘り傾斜することで、パチンコ球Bが転動面34の傾斜方向に応じて転動して、最終的に前記第1領域36または第2領域37,37から落下する。
また、図2〜図4に示すように、前記入賞空間23における前記転動面34の第2領域37,37の下方位置であって左右両側面23a,23aには、該第2領域37,37から落下するパチンコ球Bが当接可能な経路変更部材52,52を配設してある。前記各経路変更部材52は、前後方向の略中央位置から前方に向けて下方傾斜する第1面53と、該前後方向の略中央位置から後方に向けて下方傾斜する第2面54とを有する断面山状に形成され、前記第2ソレノイド20bにより前後方向に水平移動し得るよう構成される。
そして、前記第2ソレノイド20bを駆動して前記経路変更部材52を後退させた状態では、前記転動面34の対応する第2領域37から落下したパチンコ球Bが前記第1面53に当接し、経路変更部材52を前進させた状態では、該転動面34の対応する第2領域37から落下したパチンコ球Bが第2面54に当接するよう設定される。なお、前記経路変更部材52,52における第2面54には、前記入賞空間23の内側に位置する端縁に沿って上方に突出する突条部54aが形成されており、該第2面54に当接したパチンコ球Bを入賞空間23の奥側に案内し得るようになっている。
〔実施例の作用〕
次に、実施例に係る遊技機の入賞装置の作用につき説明する。前記遊技盤10の遊技領域10bを流下するパチンコ球Bが、前記第1始動入賞具12a,12aまたは第2始動入賞具12bを通過すると、通過した入賞具12a,12bに応じて前記開閉部材19,19が1回または2回開閉する。このとき、前記入賞装置15に入賞したパチンコ球Bは、入賞口18,18の下方に設けた前記案内出口22,22を介して入賞空間23に流入すると共に、各案内出口22,22に対応して設けた球通路28,28を介して入賞空間23の奥側に案内される。
ここで、前記球通路28の後端部までパチンコ球Bが転動した際に、前記経路切替部材50が前記第1位置に変位している場合には、パチンコ球Bは球通路28の切欠部28aから落下して、前記球受け部材31の転動面34に一時的に受止められる。前記球受け部材31は、モータ41の駆動により前記転動面34が多方向に亘って傾斜するよう動作するから、該転動面34に受止められたパチンコ球Bは転動面34の傾斜方向に合わせて様々な方向に転動する。このように、前記転動面34を多方向に亘って傾斜させることで、該転動面34を転動するパチンコ球Bの動きが予測困難になり、遊技の面白みを向上し得る。
また、前記転動面34に、パチンコ球Bが落下可能な第1領域36と第2領域37とを設けると共に、前記入賞空間23における傾斜面24の奥側に球受入片27,27を形成して、前記第1領域36から両球受入片27,27の間にパチンコ球Bが落下するよう構成してある。更に、前記傾斜面24に前記球受入片27,27の間から前記特別領域25まで延在する球誘導路24aを凹設して、前記第1領域36から球受入片27,27の間に落下したパチンコ球Bを略確実に特別領域25へ通過させるようになっている。このため、遊技者は、前記転動面34にパチンコ球Bが一時的に受止められると、前記第1領域36から落下することを期待する。ここで、前述のように、前記転動面34は多方向に亘って傾斜するから、該転動面34上でパチンコ球Bが複雑に転動し、パチンコ球Bが第1領域36と第2領域37の何れから落下するのを予測することは困難となる。従って、前記球受け部材31の転動面34にパチンコ球Bが受止められた後も、パチンコ球Bの動きに対して遊技者の興味を強く惹き付けることができ、遊技に対する興趣を持続し得る。また、実施例では、前記転動面34に、前記第1領域36に向けてパチンコ球Bを案内する球案内部34aを形成するようにしたから、該転動面34に到来したパチンコ球Bが第1領域36を通過することへの期待感が向上し、転動面34上でのパチンコ球Bの動きに対し、遊技者の興味をより一層惹き付けることができる。
ここで、前記球通路28,28は、入賞空間23の左右側面23a,23aに沿って形成してあるから、前記経路切替部材50,50が前記第1位置に変位している場合、パチンコ球Bは、該球通路28,28から転動面34の右側部側または左側部側に落下する。実施例では、前記転動面34の後端部側における左右方向の略中央位置に前記第1領域36を形成してあるから、前記転動面34にパチンコ球Bが落下する位置によってパチンコ球Bが第1領域36を通過する割合に偏りが生ずることはない。例えば、前記第1領域36を転動面34の後端部側における左側に変位して形成した場合には、該転動面34の左側部側に落下したパチンコ球Bは、転動面34の右側部側に落下したパチンコ球Bに較べて第1領域36を通過し易くなるが、実施例に係る入賞装置15の球受け部材31ではこのような偏りが生ずるのを防止している。また、前記第1領域36を転動面の後端部側に形成したことで、該第1領域36から落下したパチンコ球Bが前記傾斜面24を転動する距離が長くでき、パチンコ球Bの動きをより長時間に亘って楽しむことが可能となる。このとき、前記球誘導路24aに沿ってパチンコ球Bが案内されるから、パチンコ球Bの転動距離を長くしても遊技者の期待感を損なうことはない。
また、前記転動面34に一時的に受止めたパチンコ球Bが、前記第2領域37,37から落下すると、前記経路変更部材52に当接する。このように、前記第2領域37,37から落下したパチンコ球Bを経路変更部材52に当接させることで、該第2領域37,37から落下したパチンコ球Bが決まった経路を通るのを防止し得るから、落下したパチンコ球Bの動きの面白みを向上することができる。更に、パチンコ球Bが経路変更部材52に当接することで、最終的に特別領域25または一般領域26,26の何れかを通過するまでのパチンコ球Bの動きを予測し得ないから、最後まで特別遊技が発生する(特別領域25に通過する)ことへの期待感を持続し得る。
更に、前記経路変更部材52を前後方向に水平移動し得るよう構成すると共に、該経路変更部材52が後退した状態では前後方向の略中央位置から前方に向けて下方傾斜する第1面53にパチンコ球Bが当接し、経路変更部材52を前進させた状態では前後方向の略中央位置から後方に向けて下方傾斜する第2面54にパチンコ球Bが当接するようになっている。このため、前記第1面53に当接したパチンコ球Bは入賞空間23の前側に弾かれて、前記傾斜面24をパチンコ球Bが転動する距離は短くなる一方、前記第2面54に当接したパチンコ球Bは入賞空間23の奥側に弾かれて、傾斜面24をパチンコ球Bが転動する距離は長くなる。すなわち、前記第2面54にパチンコ球Bが当接した場合には、パチンコ球Bが傾斜面24を転動するに際し、前記球誘導路24aに沿って特別領域25に案内される等により特別領域25を通過するチャンスが増大するため、遊技者の興趣が増大される。このように、前記経路変更部材52を前後方向に移動させ、該経路変更部材52に当接したパチンコ球Bが弾かれる方向に変化をもたせることで、該経路変更部材52に接触したパチンコ球Bの転動方向がより予測し難くなり、遊技の興趣がより一層向上する。
なお、実施例の入賞装置15では、前記傾斜面24の下流側に前記特別領域25および一般領域26,26を形成すると共に、前記球受け部材31(第2装飾部33)における前端部(傾斜面24の下流側に位置する端部)に、前記転動面34を転動するパチンコ球Bの落下を規制する規制部35を形成してある。すなわち、前記転動面34上を転動するパチンコ球Bが球受け部材31の前方に落下するのを規制し得るから、前記特別領域25または一般領域26,26にパチンコ球Bが直接落下するのを防止して、転動面34から落下したパチンコ球Bを傾斜面24上に到来させるようにし、該パチンコ球Bの動きを楽しむことが可能となる。
一方、前記入賞空間23に流入したパチンコ球Bが前記球通路28の後端部まで転動した際に、前記経路切替部材50が前記第2位置に変位している場合には、該パチンコ球Bは球通路28の後端部から落下して、前記緩衝片29に当接してから前記傾斜面24の奥側に落下する。このように、前記球受け部材31の転動面34に受止められないパチンコ球Bを、前記傾斜面24の奥側に落下させ、傾斜面24を転動する距離を長くすることで、前述同様に、パチンコ球Bが特別領域25を通過するチャンスを増大でき、遊技者の興趣を増大することが可能である。すなわち、前記入賞空間23に流入したパチンコ球Bが前記球受け部材31に到来するか否かを決める経路切替部材50を設けたことで、遊技者に緊張感を与えることができると共に、遊技の幅が広がり、遊技の興趣を増大し得る利点がある。
〔変更例〕
なお、本発明に係る遊技機の入賞装置としては、実施例のものに限られず種々の変更が可能である。例えば、入賞空間の底面をなす傾斜面を前方へ向けて下方傾斜するようにしたが、これに限らず、後方や左右方向あるいは中央に向けて傾斜させるようにしてもよい。この場合にも、傾斜面の下流側に特別領域と一般領域とを設けるようにすれば、該傾斜面を転動した遊技球を特別領域または一般領域に通過させることができる。また、前記入賞空間内に配設される球受け部材の形状・大きさは、実施例のものに限定されるものではなく、該入賞空間に流入した遊技球を一時的に受止めて転動させる転動面を備えたものであれば、任意に決定することが可能である。
また、前記転動面における第1領域および第2領域の形成箇所および形成数に関しても任意に決定することができ、該第1領域および第2領域から落下した遊技球が傾斜面上に到来するように形成すればよい。なお、実施例のように、入賞空間に流入した遊技球が左右方向から転動面上に到来するよう構成した場合には、前記第1領域は転動面の左右方向における略中央位置に設けることが好ましい。第1領域を転動面の左右方向における略中央位置に形成することで、左右の何れの方向から前記転動面に遊技球が到来しても、第1領域を通過する割合の偏りを防止することができ、バランスのとれた遊技を行なうことができる。
また、実施例では、伝達手段として左右方向に延在する第1支軸を介して揺動板を設けると共に、前後方向に延在する第2支軸を介して支持部材を設け、駆動手段の駆動により、該揺動板と支持部材とを揺動することで、前記転動面に後方に下方傾斜する動作と、左または右方向に下方傾斜する動作とを合成した動作を行なわせて転動面が多方向に亘り傾斜するようにしたが、その他の構成も採用し得る。例えば、伝達手段として上下方向に延在する第3支軸を介して揺動自在な第2の揺動板を更に設けるよう構成してもよく、前記転動面を多方向に亘り傾斜させることができれば、実施例とは異なる構成の伝達手段であっても採用し得る。すなわち、前記球受け部材を、異なる方向に延在する複数の支軸を介して揺動自在に支持するよう構成することで、実施例と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の実施例に係るパチンコ機の遊技盤を示す正面図である。 実施例に係る入賞装置を示す正面図である。 実施例に係る入賞装置の一部を破断して示し、経路切替部材が第1位置に変位して経路変更部材が後退した状態を示す斜視図である。 実施例に係る入賞装置の一部を破断して示し、経路切替部材が第2位置に変位して経路変更部材が前進した状態を示す斜視図である。 実施例に係る球受け部材が基準位置にある状態を示し、(a)は球受け部材の正面図であり、(b)は球受け部材の側面図である。 実施例に係る球受け部材の動作を側面から視た状態を示す説明図であって、(a)および(c)は球受け部材が基準位置にある状態を示し、(b)および(d)は球受け部材の転動面が後方に向けて下方傾斜した状態を示す。 実施例に係る球受け部材の動作を正面から視た状態を示す説明図であって、(a)および(c)は球受け部材が基準位置にある状態を示し、(b)は球受け部材の転動面が右方向に向けて下方傾斜した状態を示し、(d)は球受け部材の転動面が左方向に向けて下方傾斜した状態を示す。
符号の説明
18 入賞口(球入口)
20b 第2ソレノイド(ソレノイド)
23 入賞空間
24 傾斜面
25 特別領域
26 一般領域
28 球通路
28a 切欠部
29 緩衝片
31 球受け部材
34 転動面
34a 球案内部
35 規制部
36 第1領域
37 第2領域
40 伝達手段
41 モータ(駆動手段)
42 機構部
43 揺動板
44 第1支軸(支軸)
45 支持部材
46 第2支軸(支軸)
50 経路切替部材
52 経路変更部材
53 第1面
54 第2面
B パチンコ球(遊技球)

Claims (4)

  1. 遊技球が通過可能な球入口と、前記球入口を介して遊技球が流入する入賞空間と、前記入賞空間の底面をなし、前方へ向けて所要角度で下方傾斜する傾斜面と、前記傾斜面の前側に形成される特別領域および一般領域とを備え、前記入賞空間に流入した遊技球が前記特別領域を通過することで、遊技者に有利な特別遊技を発生させるよう構成された遊技機の入賞装置において、
    前記入賞空間内でかつ前記傾斜面の上方に配置され、該入賞空間に流入した遊技球を一時的に受止めて転動させ得る転動面を有する球受け部材と、
    前記転動面に形成されて該転動面を転動する遊技球が落下可能で、落下する遊技球を前記特別領域へ案内する第1領域と、
    前記転動面に形成され、該転動面を転動する遊技球が落下可能な前記第1領域とは異なる第2領域と、
    動手段に連結され、異なる方向に延在する複数の支軸を介して前記球受け部材を揺動自在に支持する伝達手段と、
    前記球入口を通過した遊技球を前記球受け部材の転動面に案内する第1位置、および該遊技球を球受け部材に案内しない第2位置にソレノイドの駆動により変位される経路切替部材と、
    前記転動面の第2領域の下方位置において前記ソレノイドの駆動により前後方向に移動するように設けられ、後退させた状態では前記第2領域から落下した遊技球が前方に向けて下方傾斜する第1面に当接し、前進させた状態では第2領域から落下した遊技球が後方に向けて下方傾斜する第2面に当接するよう設定される経路変更部材とを備え、
    前記伝達手段を駆動手段により駆動することで前記転動面が多方向に亘り傾斜し、該転動面を転動する遊技球がその傾斜方向に応じて前記第1領域または第2領域から落下するよう構成すると共に、前記経路切替部材および経路変更部材は、前記ソレノイドの駆動により経路切替部材が第1位置に変位した状態では経路変更部材が後退した状態となり、経路切替部材が第2位置に変位した状態では経路変更部材が前進した状態となるよう構成した
    ことを特徴とする遊技機の入賞装置。
  2. 前記球受け部材における転動面の側方上部で前後方向に延在し、前記球入口から通入した遊技球を入賞空間の奥側に案内する球通路と、
    前記球通路の後端部における前記球受け部材を向く側に形成されて、該球通路を転動する遊技球が球受け部材の転動面に向けて落下可能な切欠部と、
    前記球通路の後端側における下方で該球通路の後端部から落下する遊技球が当接する位置に設けられ、当接した遊技球を前記傾斜面の奥側に落下させる緩衝片とを備え、
    前記経路切替部材は、前記球通路の後端部に近接して該球通路を転動する遊技球を前記切欠部から球受け部材の転動面に向けて落下させる前記第1位置と、球通路の後端部から離間して該球通路を転動する遊技球を後端部から前記緩衝片に向けて落下させる前記第2位置とに変位される請求項1記載の遊技機の入賞装置。
  3. 前記伝達手段は、
    前記駆動手段に連結される機構部と、
    左右方向に延在する第1支軸に揺動自在に枢支され、前記機構部に接続する揺動板と、
    前記揺動板に設けられて前後方向に延在する第2支軸に揺動自在に枢支され、前記球受け部材が固定されると共に機構部に接続する支持部材とを有し、
    前記伝達手段の機構部を駆動手段により駆動することで、前記球受け部材が、前記揺動板の揺動により前記転動面が後方に下方傾斜する動作と、前記支持部材の揺動により前記転動面が右または左方向に下方傾斜する動作とを合成した動作を行なうよう構成した請求項1または2記載の遊技機の入賞装置。
  4. 前記球受け部材における前記傾斜面の下流側に位置する端部に、前記転動面からの遊技球の落下を規制する規制部を形成し、該転動面上の遊技球が、前記特別領域または一般領域に直接落下するのを防止した請求項1〜3の何れか一項に記載の遊技機の入賞装置。
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