次に、本発明に係るパチンコ遊技機の実施の形態を図面に従って説明する。図1は、本発明に係るパチンコ遊技機の遊技盤の正面図を示す。遊技盤1は、打球発射装置(図示せず)から発射された遊技球を誘導するため前面に環状の外レール2aと内レール2bが設けられ、その内側の遊技領域の中央に可変入賞装置としてのセンター役物3が配設される。4a,4bは遊技球が流下する遊技盤1の左側領域上部と右側領域上部に夫々設けられた普通入賞口、5a,5bはその下方に夫々設けられた普通入賞口である。6a,6bは遊技盤1の左側領域下部と右側領域下部に夫々設けられた始動入賞口、7はセンター役物3の直下方に設けられ一対の翼片8,8が開閉動するように構成された所謂チューリップ型の電動開閉始動入賞口である。該電動開閉始動入賞口7は、その上方に遊技球が通過することにより電気的に検出される通過ゲート7aが一体に設けられている。なお、9は遊技領域の下端部に設けられたアウト球排出口、10a,10bは内レール2bの内側縁に設けられたランプ付き装飾体である。また、遊技盤の右下部であって外レール2aの外側には、特別図柄変動表示器11が設けられる。
センター役物3は、図2、図3に拡大して示すように、遊技盤1面に取着される取付基板12前面の中央上部に紋型装飾体13が形成され、該紋型装飾体13の両側に球入口14a,14bが形成されると共に、球入口14a,14bに連通し所要の奥行きを有する遊技室が形成されている。該球入口14a,14bには、可動片としての可動羽根15a,15bが起立状から外傾状に変動し得るように回動自在に軸支される。該可動羽根15a,15bは、図4(イ)(ロ)に示すように、支軸16a,16bの先端に固設され、該支軸16a,16bの後端部にクランク17a,17bが固設されている。18a,18bは該センター役物3の内部に鉛直に固設された電動アクチュエータ(ソレノイド)、19a,19bは該電動アクチュエータ18a,18bのプランジャに固着された作動片である。20a,20bは、その軸受部21a,21bを軸支することにより傾動自在に支持された傾動片である。該傾動片20a,20bに突設されたピン22a,22bを該作動片19a,19bに形成された横長孔23a,23bに遊嵌すると共に、クランク17a,17bの先端に突設されたピン24a,24bを該傾動片20a,20bに形成された長孔25a,25bに遊嵌する。
前記電動アクチュエータ18a,18bが励磁され作動片19a,19bが上動すると、傾動片20a,20bが上傾し、図4(ロ)に示すように支軸16a,16bを矢視方向へ回転させ、可動羽根15a,15bが図4(イ)の起立状から外傾状に変動する。これに伴い図2に示すように球入口14a,14bが開成され、遊技球が該球入口14a,14bからセンター役物3内に流入し得るようになる。26は、センター役物3内であって球入口14a,14bの内側に山形に形成された球遊動通路である。27a,27bは該球入口14a,14bからセンター役物3内に流入した遊技球を検出するために該球遊動通路26の両端部に設けられた球検出スイッチで、遊技球は該球検出スイッチ27a,27bの環状孔からその下段に形成された凹面状通路28に落下する。
また、図2に示すように、凹面状通路28の後側壁中央部に窓孔29が形成され、該窓孔29の後側に球停留装置30が設けられる。図5(イ)(ロ)に示すように、該球停留装置30は、上端部で軸着され前後に自在に揺動する振分部材31と、センター役物3の内部中央に鉛直に固設された電動アクチュエータ(ソレノイド)32と、該電動アクチュエータ32のプランジャに固着され振分部材31と連係する規制部材33と、からなる。振分部材31は、下端に後記する球落口38の上面を開閉する蓋片31aが設けられ、軸支部から後方へ突出する腕片34の先端にピン34aが設けられる。一方、規制部材33は、その上端に前方へ突出する可動片35が設けられ、該可動片35先端の二股部36に前記腕片34のピン34aが係合している。また、規制部材33の下端は、前方へ屈曲して球止片37が設けられる。該球止片37の前端部は、球落口38の下方に位置する。そして、規制部材33が上昇したとき、球止片37が球落口38の真下に位置してその下面を閉じ、該球止片37に入った遊技球を下から支持するようにしている。また、この状態で、規制部材33が下降すると、球落口38の下面が開かれ前記遊技球は支持を失い落下することになる。
前記球停留装置30における振分部材31の下方には、該振分部材31の揺動動作により遊技球を受け入れられるように開閉する球落口38が設けられ、該球落口38に球検出スイッチ39(図5では省略。)の環状孔が合致している。球落口38は、左右両サイドへ伸びるワープ通路40a,40bの分岐点に当たる底壁に開設される。これらワープ通路40a,40bは両側で下方へ屈曲し、その下端に後記する傾斜棚52の両側上面に位置する球出口41a,41bが設けられる。すなわち、ワープ通路40a,40bは、可動羽根15a,15bに受け入れられて遊技室内に流入した遊技球を傾斜棚52へと送り、後述する回転型電動部材66へと導く供給通路としての役割を有している。なお、これらワープ通路40a,40bにより囲まれる部位の後側にカラー液晶ディスプレイ等の演出図柄変動表示器48が配置される。従って該演出図柄変動表示器48を遊技者が前側から視認可能なように、ワープ通路40a,40bにより囲まれる部位は遊技球の直径寸法よりも少し広い幅を離して平行な前後一対の透明樹脂板が張設された透光領域42としている。
前記透光領域42の透明樹脂板間に、球落口38の下方に位置して該球落口38から落下する遊技球を下方へ導く中央縦通路43が形成される。該中央縦通路43には、その途中に通路の内側へ突出し落下する遊技球を一時的に受け止める第一球受片44aとその下方に位置する第二球受片44bとが設けられる。これら第一・第二球受片44a,44bは、互いに位置を違えて設けられかつそれら上面が中央縦通路43の中央寄りへ下傾し、その上面に遊技球が乗っても停止できずに落下するようになっている。さらに、第二球受片44bの下方に、上面が弧状に窪んだ第三球受片44cが設けられ、該中央縦通路43から遊技球を排出する下端放出口43aが遊技盤1を正面から見て右側を向くようになっている。
そして、両透明樹脂板間の下部に、中央縦通路43の下端から落下する遊技球を受け入れる球転動通路45が設けられる。該球転動通路45は、底壁上面が前記中央縦通路43の真下位置である中央部で一番低くなっており、その両側が中央部に向かって緩やかに下傾している。また、中央縦通路43の中央部の後側壁に、遊技球を傾斜棚52の左右幅方向のほぼ中央部に落下させる球送り口46が開設される。
前記球停留装置30の電動アクチュエータ32が消磁しているときは、図5(イ)に示すようにそのプランジャが下方へ突出して規制部材33が下降位置に停止し、振分部材31が前方へ揺動して突出し球落口38の上面を塞いでいる。よって、この状態で凹面状通路28から窓孔29を介して導かれた遊技球は、振分部材31により左右いずれかに振り分けられ、ワープ通路40a,40b内を流れると共にその下端の球出口41a,41bから排出されて傾斜棚52の上面に落下する。また、この状態では、該規制部材33下端の球止片37が中央縦通路43の後側壁に開設された縦溝47を介してその中央縦通路43内に介入し、第一球受片44aの近傍に達しており、その第一球受片44a上面に乗る遊技球を支えてそれより下方へ落下させないようにしている。
これに対し、電動アクチュエータ32が励磁すると、図5(ロ)に示すようにそのプランジャが上方へ収縮して規制部材33が上昇位置に停止し、同時に振分部材31が後方へ揺動して球落口38の上面を遊技球が入り得るように開放する。よって、この状態で凹面状通路28から窓孔29を介して後方へ導かれた遊技球は、球落口38に入り易い。該球落口38に入った遊技球は、その下面を規制部材33下端の球止片37により支持され、電動アクチュエータ32が消磁して規制部材33が下がらない限り中央縦通路43に落下しないようになっている。また、その後に窓孔29から入る遊技球は、球落口38に保留される遊技球によって振り分けられ、ワープ通路40a,40bのいずれかに流入する。
この状態で、電動アクチュエータ32が消磁すると、規制部材33が下降し該規制部材33によって球落口38に保留されていた遊技球が第一球受片44aの上面に落下する。また、同時に振分部材31が前方へ突出して球落口38の上面を塞ぐ。このとき、前記遊技球は、規制部材33に支持され第一球受片44aの上面に保持される。そして、電動アクチュエータ32が再び励磁すると、規制部材33が上昇すると共に振分部材31が後退して球落口38の上面を開放する。同時に、第一球受片44aの上面に乗っていた遊技球が規制部材33から開放され、第二球受片44bの上面に一時的に乗りつつさらにその下方の第三球受片44c上面に乗り、図6(イ)に示すようにその下端放出口43aから球転動通路45の底壁上面に落下する。
第三球受片44cの下端放出口43aは図2のように球転動通路45を正面から見て右側を向いているので、そこから排出される遊技球は勢いがつき易い。そこで、該球転動通路45の底壁上面が中央部に向かって緩やかに下傾していることから、前記遊技球は図6(イ)鎖線に示すようにその中央部を中心として左右両サイドへ減衰しながら往復運動する。そして、該遊技球は最終的に中央部に寄り、球送り口46を介して傾斜棚52上面の中央に落下する。球送り口46の中央縦通路43に沿った両側縁部は、その前面が図6(ロ)に示すように前方へ突出し、両突出部から始まる両側前面が、それぞれ球転動通路45に沿って外側へ向かうに従い漸次後方へ傾くテーパー面45aに形成されている。
これにより、球転動通路45を球送り口46を中心として左右に往復運動する遊技球は、球送り口46に近づくにつれテーパー面45aに接触して球送り口46から離されるように誘導される。よって、例えば、該遊技球が球送り口46の両内側縁に当たって停止し、そこで往復運動が止まってしまうことがなくなり、遊技者はその遊技球の動きを長く楽しむことができる。
センター役物3内の球転動通路45の下方に、取付基板12に開設された窓開口49と連通するようにして前側から内部が視認できる下部遊技室50が形成されている。図7に示すように該下部遊技室50には、その後側正面壁50aの中央に装飾体としての人形51が突出状に設けられる。また、下部遊技室50内の中間高さ位置に、横断状に配置され後方へ向けて緩やかに下傾する傾斜棚52が設けられる。該傾斜棚52の後端縁は、遊技球が落下し得る間隔53を離して人形51と相対している。該下部遊技室50の床面54は緩やかな前傾状に形成され、その前端縁中央に特別入賞口55が設けられ、該特別入賞口55の両側にそれぞれやや広めの普通入賞口56,56が形成される。該特別入賞口55には、球検出スイッチ57が配設される。普通入賞口56,56にあっては、その下流側に図示しない球検出スイッチが配設される。前記傾斜棚52の後端縁の中央部に、弧状に切り欠かれた落下口52aが設けられている。この落下口52aは、前記特別入賞口55と対向位置しており、傾斜棚52の上面を後方へ転動する遊技球であって落下口52aに落下した遊技球は、床面54上面を前方へ転動して特別入賞口55に導かれ易くなっている。
図8に示すように前記人形51の腹部に、繰り返し前方に進出可能に設けられたポケット形の進退動型電動部材58が装着される。該進退動型電動部材58は、水平に配置されると共に前端に上面が開口したポケット部58aが設けられる。後側正面壁50aの後側に、進退動型電動部材58に連結され該進退動型電動部材58を動作させるための電動アクチュエータ(ソレノイド)59が水平に配置される。また、人形51の後側に相当する後側正面壁50aの裏側に遊技球が通過し得る通路60が形成され、該通路60は人形51の股下部に開設された放出口61に連通している。62は床面54の下側に配置され、電動アクチュエータ(ソレノイド)63の作動により枢支部64を支点として鉛直面内で上下に傾動するように支持された停留レバーである。そして、その上・下方向への傾動により該停留レバー62の先端62aが放出口61と相対するように床面54より出没し、放出口61から放出する遊技球を該停留レバー62により一時停留するようになっている。また、放出口61の両側であって後側正面壁50aに、前記通路60と連通するサブ放出口65が開設される。
図2、図7に示すように、人形51の両側であって傾斜棚52の両サイド奥部にそれぞれ半球殻状の回転型電動部材66が設けられる。図9に示した回転型電動部材66は、センター役物3を正面から見て右側に配置されるものであるが、左側に配置される回転型電動部材66は右側に配置されるものと同じ構成からなるので図示は省略する。該回転型電動部材66はその球面が前方を向き回転軸67により支持され、該回転軸67の後端に減速機付モータ68が連繋される。回転型電動部材66の前面には、該回転型電動部材66内部へ遊技球が進入することを遮る前側壁69aと、逆に遊技球を通過させる透孔69bとが等間隔に三つ形成される。従って、回転型電動部材66が回転すると、該回転型電動部材66の前側壁69aと透孔69bとが傾斜棚52に交互に接近することになる。また、回転軸67に該回転軸67に対して直角となるように回転円板81が固着され、該回転円板81の外周縁部に回転軸67を中心とする放射線状にスリット82が設けられる。回転円板81の一側に、該回転円板81の外周縁部を前側と後側から挟むようにして投光器と受光器とを備えた位置検出器83が配設される。
前記左右の二つの回転型電動部材66は、減速機付モータ68の駆動によりそれぞれ内向きに常時回転している。すなわち、センター役物3を正面から見て右側に位置する回転型電動部材66は反時計回り方向へ回転し、左側に位置する回転型電動部材66は時計回り方向へ回転する。また、回転型電動部材66は基本的に一定速度で継続回転しており、この時、二つの回転型電動部材66の回転位相を揃えることにより、両回転型電動部材66の前側壁69aと透孔69bとが左右対称状に回転するようになっている。このように、2つの回転型電動部材66の透孔69bを左右対称状に一致させて回転させるのは、センター役物3内に入った遊技球の特別入賞口55へ入賞する入賞確率にばらつきがないようにしてその均一化を図るためである。そして、傾斜棚52上面に落下した遊技球は、前記間隔53から床面54に落下するほか、該回転型電動部材66の透孔69bから一旦その内側に入り、また、いずれかの透孔69bからその下方の曲面棚70を介して床面54に落下する。
さらに、前記下部遊技室50の後側正面壁50aに、人形51の両側に位置して押出し部材71が配置される。これら押出し部材71は共に同じ構成からなるので、図12(イ)(ロ)にセンター役物3を正面から見て左側に位置するもののみを示す。押出し部材71は、両端部に支持孔72を貫設した摺動枠73の前面に支軸74を突設し、該支軸74の先端すなわち前端に人の手に模した当て片75を固着して構成される。一方、下部遊技室50の後側正面壁50aに支持枠76が固着される。該支持枠76には、後側正面壁50aの前後方向へ水平に貫設された軸孔77が設けられる。また、支持枠76の両側後面に、軸孔77の中心軸と平行をなしかつ圧縮スプリング78を巻装した支杆79が後方へ突設される。そして、前記軸孔77に支軸74を挿通し、両支持孔72に両支杆79を挿通する。また、摺動枠73の後側に、該摺動枠73を圧縮スプリング78の付勢に抗して前方へ押動する電動アクチュエータ(ソレノイド)80が水平に配設されている。
ここで、電動アクチュエータ80が消磁しているときは、図12(イ)に示すように圧縮スプリング78の付勢により摺動枠73が後退し、支軸74前端の当て片75が後側正面壁50aの前面に寄っている。これに対し、電動アクチュエータ80が励磁すると、図12(ロ)に示すようにプランジャが前進して圧縮スプリング78の付勢に抗して摺動枠73を前方へ押す。これにより、当て片75が前方へ突出して、傾斜棚52の後端縁に接近する。その後端縁と当て片75との隙間は、遊技球が通過し得ない寸法になっており、傾斜棚52の上面を後方へ転動して突出動作する当て片75に当る遊技球は、傾斜棚52の上面を前側へ押し返されることになる。前記両当て片75の前面は、真正面を向くというよりも少し中央の人形51側を向くように傾いて設定されている。よって、該当て片75に押し返された遊技球は、パチンコ遊技機の前面を覆う透明板保持枠(図示せず。)のガラス板(センター役物3の窓開口49に該窓開口49を塞ぐ前面透明壁がある場合は、該前面透明壁)に当たってポケット部58aに向かって流下し易いようになる。
図14は、この遊技機を作動させる遊技制御基板のブロック図である。図中、86はCPUとRAMとROMとを備える主制御回路、87は該主制御回路に接続され賞球の払出を制御する払出制御回路、88は該主制御回路に接続され遊技機の演出効果を高めるために設けられた演出制御回路、89は該演出制御回路に接続された画像制御回路、90は該演出制御回路に接続されたランプ制御回路である。なお、これら払出制御回路87、演出制御回路88、画像制御回路89、およびランプ制御回路90についても、主制御回路86と同様にCPUとRAMとROMとを備えている。また、主制御回路86のROMには、特別図柄変動表示器11および演出図柄変動表示器48における図柄変動表示の変動時間を選択する変動時間選択手段96としての実行プログラムが記憶され、さらに、画像制御回路89のROMには、回転型電動部材66の回転位置を予測する位置予測手段98としての実行プログラムと、演出図柄変動表示器48における演出図柄の変動パターンを選択する図柄変動パターン選択手段99としての実行プログラムとが記憶されている。
前記主制御回路86には、前記始動入賞口6a,6b、電動開閉始動入賞口7に入賞した遊技球を検出する球検出スイッチ84a,84b,85がそれぞれ接続されているほか、前記球検出スイッチ27a,27b、球検出スイッチ39、球検出スイッチ57がそれぞれ接続されている。また、電動アクチュエータ18a,18b,32,59,63,80が接続されると共に、減速機付モータ68が接続される。
払出制御回路87には、該主制御回路86からの指令により所定数の賞球を払い出すために必要な賞球払出装置(図示せず)を作動させる払出駆動モータ91等が接続される。また、画像制御回路89には、数字、文字、図形といった図柄を変動表示する演出図柄変動表示器48と、遊技者に対し効果音および遊技に必要な音声案内等を発声させるスピーカ92と、前記回転型電動部材66の回転位置を検出する位置検出器83が接続される。そして、ランプ制御回路90には、遊技盤1および該遊技盤1が取り付けられる前面枠(図示せず)に設けられた各種装飾ランプ93、94が接続されると共に、後述する保留球の個数を示すための保留ランプ95が接続される。
遊技盤1面に打ち込まれた遊技球が始動入賞口6a,6bや電動開閉始動入賞口7に入賞すると、球検出スイッチ84a,84b,85により電気的に検出されて特別図柄変動表示器11における図柄の変動表示が開始する。また、これに対応して、演出図柄変動表示器48に表示される数字、文字、図形といった演出図柄が変動を開始する。遊技者は、演出図柄を透光領域42を介して見ることができる。電動開閉始動入賞口7にあっては、その上部の通過ゲート7aを遊技球が通過すると抽選が行なわれ、その抽選に当たると電動開閉始動入賞口7が1回開閉する。
そして、前記変動した演出図柄は一定時間経過後に停止し、この時、特定の図柄が揃っている場合は小当たり又は大当たりとなる。例えば、特定の図柄が「111」で停止した場合は、可動羽根15a,15bが1回開閉動作を行なう小当たり状態となる。また、特定の図柄が「222」で停止した場合は、可動羽根15a,15bが2回開閉動作を行なう小当たり状態となる。一方、特定の図柄が「777」に揃った場合は、遊技者に有利な大当たり状態となり、可動羽根15a,15bが1ラウンドにつき所定回数開閉を繰り返し、その後にそのラウンドが所定回数継続され、一度に多くの賞球が得られる。ラウンド終了後は、元の状態に戻る。なお、大当たり状態の時に、遊技球が始動入賞口6a,6bに入賞すると、当該入賞球は一定数(この実施例では4個)まで保留球として積算記憶され、その個数が保留ランプ95にて示される。そして、当該保留球は、大当たり状態の終了後に入賞球として扱われ、これを契機に図柄が変動される。
一方、上記変動図柄が「111」または「222」で停止し、前記可動羽根15a,15bが1回または2回開いたときに、球入口14a,14bに遊技球が入賞すると、該遊技球は球検出スイッチ27a,27bを通過して検出される。これにより、前記電動アクチュエータ32,59,63,80が駆動し、振分部材31と規制部材33、進退動型電動部材58、停留レバー62、押出し部材71がそれぞれ設定された時間に従って所定回数作動する。また、押出し部材71は、センター役物3に遊技球が入賞してから排出されるまでの間に、左右同時に複数回前方へ突出動作を繰り返す。
前記球入口14a,14bの球検出スイッチ27a,27bを通過して検出された遊技球は、凹面状通路28内に入る。次に、この遊技球は、窓孔29から後方へ流下するが、電動アクチュエータ32が消磁して振分部材31により球落口38の上面が塞がれているとき、蓋片31aにより振り分けられていずれかのワープ通路40a,40bに流入し、その流下端の球出口41a,41bから傾斜棚52上面に落下する。一方、電動アクチュエータ32が励磁して振分部材31を後方へ揺動して球落口38の上面が開放されたとき、窓孔29から入った遊技球がタイミング良く球落口38に入ると、該遊技球は、電動アクチュエータ32が励磁している間、一時的に保留される。よって、後続の遊技球は必然的に球落口38には入賞せず、いずれかのワープ通路40a,40bに流入する。
そして、前記電動アクチュエータ32が消磁すると、規制部材33が下降し前記球落口38に保留されていた遊技球は支持を失って中央縦通路43に落下し、規制部材33に支持された状態で第一球受片44a上面に保持される。さらに、電動アクチュエータ32が励磁すると、規制部材33が上昇し第一球受片44a上面の遊技球が支持を失って落下し、第二・第三球受片44b,44cを経て球転動通路45上面に落下する。該球転動通路45上面では、遊技球がその球転動通路45に沿って中央部を中心として左右に減衰しながら往復動する。最終的に減衰した遊技球は、球送り口46から傾斜棚52上面に落下する。
傾斜棚52上面を後方へ転動する遊技球は、間隔53から人形51の前に落下したり、図10に示したように、該傾斜棚52上面で左右の回転型電動部材66の前側壁69aに接触して弾かれたり、或は、図11に示したように、回転型電動部材66の透孔69b内に入りそのままいずれかの透孔69bから曲面棚70に落下して、床面54上に放出される。そして、該遊技球は、前方へ転動して普通入賞口56または特別入賞口55に入賞する。もっとも、遊技球が回転型電動部材66の透孔69b内に流入し、透孔69bから曲面棚70に落下した場合、その大多数は普通入賞口56に入賞し、特別入賞口55にはきわめて稀にしか入賞しない。他方、遊技球が傾斜面52の後端縁中央部から間隔53側へ落下するとき、図8の鎖線に示すように電動アクチュエータ59が励磁して進退動型電動部材58が進出して開いたポケット部58aに入ると、該遊技球は通路60を流下して人形51の股下部の放出口61に導かれる。このとき、同図鎖線に示すように電動アクチュエータ63が励磁して停留レバー62の上端が床面54から上方へ突出しているときは、放出口61にある遊技球はそのまま保持される。その後、電動アクチュエータ63が消磁して停留レバー62の上端が床面54から下方に位置すると、前記遊技球はまっすぐ流下して特別入賞口55に容易に入賞する。この場合も大当たり状態となり、可動羽根15a,15bが1ラウンドにつき所定回数開閉を繰り返し、その後にそのラウンドが所定回数継続され、一度に多くの賞球が得られることになる。ラウンド終了後は、元の状態に戻る。なお、遊技球が傾斜棚52の後端縁中央部に設けられた落下口52aから落下する際に上述した進退動型電動部材58のポケット部58aに入らなくても、該遊技球は床面54の略中央部に落下して前端縁側へ転動することから、特別入賞口55に入賞する可能性がある。一方、遊技球が傾斜棚52の後端縁両端寄りから落下した場合は、その大多数は普通入賞口56に入賞し、特別入賞口55にはきわめて稀にしか入賞しない。
ワープ通路40a,40bに流入した遊技球は、傾斜棚52へと送られて回転型電動部材66に導かれる。ここで、ワープ通路40a,40bは、遊技室内に流入した遊技球を傾斜棚52へと直接送り込むように形成されている。従って、ワープ通路40a,40bに流入した遊技球が傾斜棚52に到達する時間は略一定となる。傾斜棚52上に落下した遊技球のうち、回転型電動部材66の前側壁69aに接触して弾かれた遊技球は、傾斜棚52の上面中央に向かって転動し、該傾斜棚52の後端縁の中央部に形成された落下口52aから床面54に落下するため、特別入賞口55へ入賞する確率が高くなる。他方、回転型電動部材66の前側壁69aに接触して弾かれた遊技球が運悪く中央に寄らなかった場合でも、遊技球が傾斜棚52の後端縁から落下するとき押出し部材71が前方へ突出すると、図13の鎖線に示すように当て片75に当てられ傾斜棚52の上面を前側へ押し返される。このようにして、その遊技球は、当て片75により押し返される限り、傾斜棚52上面を前後に往復動して傾斜棚52上面に留まる時間が長くなり、進退動型電動部材58のポケット部58aに該遊技球が入る機会が多くなる。
上記のとおり、遊技球が回転型電動部材66の透孔69b内に入ってから曲面棚70に落下した場合は、そのほとんどが特別入賞口55に入賞することはない。これに対し、遊技球が回転型電動部材66に接触したり、または、接触することなく傾斜棚52上面中央に向かって転動する場合には、後端縁中央部の落下口52aから床面54に落下することで、特別入賞口55へ入賞する確率が高くなる。特に、当該遊技球が進退動型電動部材58のポケット部58aに入ると、最終的に特別入賞口55に容易に入賞し得るようになる。従って、回転型電動部材66の透孔69b内に入った場合と、入らずに傾斜棚52上面を転動する場合とでは、特別入賞口55への入賞確率に大きな違いが生じることになる。
図15は、本実施形態の主制御回路86における図柄の変動表示を実行するフローを示す。主制御回路86のCPUは、まず乱数更新処理を実行する(S10)。この乱数更新処理では、図柄の変動表示の停止状態が「当たり」又は「ハズレ」の何れかであることを決定する当たり乱数と、前記当たり乱数が当たりの場合に、それが「大当たり]又は「小当たり」の何れかであることを決定する図柄乱数と、図柄変動表示のパターンおよび変動時間を決定する変動パターン乱数とが更新される。これらの乱数は後に参照されると共に、主制御回路86による特別図柄の変動表示や、画像制御回路89による演出図柄の演出表示に用いられる。
次に、主制御回路86のCPUは、始動口処理を行なう(S11)。ここでは、遊技球が始動入賞口6a,6bまたは電動開閉始動入賞口7へ入賞したかどうかの判定等に関連する処理を行なう。そして、特別図柄変動処理を実行して(S12)、特別図柄の変動表示の内容選択や、該変動表示の開始・停止、画像制御回路89に送信するコマンドのセット等の処理を行なう。これら一連の処理は、遊技の進行中において4ミリ秒毎に繰り返し実行される。
図16は、前記始動口処理(S11)のフローを詳細に示す。まず、遊技球が始動入賞口6a,6bまたは電動開閉始動入賞口7へ入賞したか否か、すなわち、球検出スイッチ84a,84b,85の何れかがONになったかを判定する(S21)。遊技球の入賞が検出されると(S21のY)、特別図柄の変動表示の保留数が上限の4に達していないか、又は達しているかを判定する(S22)。保留数が上限に達していない場合(S22のY)は、保留数に1を加算し(S23)、前記当たり乱数、前記図柄乱数、および、前記変動パターン乱数を取得すると共に主制御回路86のRAMへ格納して(S24)、始動口処理(S11)を終了する。一方、始動口スイッチの判定がONでない場合(S21のN)、および、特別図柄の変動表示の保留数が上限の4に達している場合(S22のN)は、直ちに始動口処理(S11)を終了する。
図17は、前記特別図柄変動処理(S12)のフローを詳細に示す。遊技が大当たり中でなく(S31のN)、さらに、特別図柄変動表示器11において特別図柄の変動表示中でない場合(S32のN)は、特別図柄の変動表示の保留数をカウントする保留球が存在しているか否かの判定をする(S33)。保留球が存在している場合(S33のY)は、その保留数を1減算し(S34)、変動内容選択処理を実行する(S35)。一方、遊技が大当たり中の場合(S31のY)、または、保留球が存在しておらず保留数が0である場合(S33のN)は、特別図柄変動処理(S12)のフローを終了する。
図18は、変動内容選択処理(S35)のフローを詳細に示す。この変動内容選択処理(S35)では、まず、前記図柄乱数を参照し、大当たりであるか否かを判定する(S51)。そして、図柄乱数が「大当たり」の場合(S51のY)は図21に示した変動パターンテーブルに基づき(大当たりの欄)、大当たり変動のセットをする(S53)。一方、大当たりでない場合(S51のN)は、図柄乱数が「小当たり」であるか否かを判定する(S52)。「小当たり」である場合(S52のY)は、変動パターン乱数を参照して変動パターンテーブルから小当たりパターンを一つ選択すると共に、小当たり変動のセットをする(S54)。また、図柄乱数が「小当たり」でない場合(S52のN)、すなわち、当たり乱数が「ハズレ]である場合は、変動パターンテーブルに基づき(ハズレの欄)、ハズレ変動のセットをする(S55)。このように、変動内容選択処理(S35)では、大当たり変動セット(S53)、小当たり変動セット(S54)、ハズレ変動セット(S55)の何れかを実行することにより、変動内容(大当たり変動、小当たり変動、または、ハズレ変動)、および、変動時間を選択する。すなわち、この変動内容選択処理(S35)は、変動時間選択手段96が変動パターン乱数と変動パターンテーブルとを参照して、図柄の変動時間を選択することに相当する。
前記変動内容選択処理(S35)にて変動パターンテーブルから選択された変動内容および変動時間は、図17に示した前記特別図柄変動処理のフローの変動開始コマンドセット(S36)において画像制御回路89へ送信される。さらに、該変動内容および変動時間に対応して、特別図柄変動表示器11における特別図柄の変動表示を開始する(S37)と共に、変動時間の計測を開始する(S38)。
一方、S32において、特別図柄の変動表示中であった場合(S32のY)は、変動時間が終了したか否かの判断をする(S39)。変動時間が終了した場合(S39のY)は、画像制御回路89へ送信する変動停止コマンドをセットする(S40)と共に、特別図柄変動表示器11における特別図柄の変動表示を停止する(S41)。さらに、S38にて開始していた変動時間の計測を停止して該変動時間を0にリセットし(S42)、特別図柄変動処理(S12)を終了する。また、S39にて、変動時間が終了していない場合(S39のN)は、直ちに特別図柄変動処理(S12)を終了する。
図19は、主制御回路86にて小当たり変動がセットされた際に、画像制御回路89において実行される演出表示処理のフローを示す。画像制御回路89のCPUは、まず、演出図柄変動表示器48において演出図柄による演出中であるか否かを判定する(S61)。演出中でない場合(S61のN)は、主制御回路86から変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S62)。変動開始コマンドを受信していない場合(S62のN)は、演出表示処理を直ちに終了し、変動開始コマンドを受信している場合(S62のY)は、演出パターン選択処理を実行する(S63)と共に、その結果に従って演出表示を開始する(S64)。一方、S61における判定が、演出中である場合(S61のY)は、主制御回路86から変動停止コマンドを受信しているか否かを判定し(S65)、受信している場合(S65のY)は、演出図柄変動表示器48における演出を停止させてから(S66)、演出表示処理を終了する。S65にて、主制御回路86から変動停止コマンドを受信していない場合(S65のN)は、演出表示処理を直ちに終了する。
図20は、画像制御回路89における演出パターン選択処理のフローを詳細に示す。この演出パターン選択処理(S63)では、まず、前記特別図柄変動処理(S12)の変動開始コマンドセット(S36)において送信された変動開始コマンドを参照する(S71)。この変動開始コマンドは、変動内容(大当たり変動、小当たり変動、ハズレ変動の何れか)と変動時間を含む。次に、演出パターンを決定する演出乱数を参照する(S72)。この演出乱数の値は、図22に示した演出パターンテーブルから演出パターンを選択する際に用いられる。
演出パターンの選択は、位置検出器83による回転型電動部材66の位置検出処理(S73)と、位置予測手段98による予測処理(S74)を基にして行なう。予測処理(S74)では、まず、前記コマンド参照(S71)において参照した図柄変動表示の変動時間に応じて、演出図柄の変動表示開始から、遊技球が回転型電動部材66の前面へ到達するまでに要する時間を予測する。すなわち、演出図柄変動表示器48における演出図柄の演出表示が開始され、前記参照した変動時間の経過後に停止したときに特定の図柄となっており、これにより、可動羽根15a,15bが作動して球入口14a、14bを開放させ、該球入口14aまたは該球入口14bから遊技室へ遊技球が入球し、この遊技球が回転型電動部材66の前方へ到達するまでに要する時間を予測する。次に、前記予測した時間が経過したときの回転型電動部材66の回転位置を前記位置検出処理(S73)において位置検出器83が検出した該回転型電動部材66の位置を基にして予測する。つまり、遊技球が回転型電動部材66の前方へ到達したときに回転型電動部材66の前側壁69aと透孔69bとのどちらが傾斜棚52に接近しているかを見極め、遊技球が回転型電動部材66の前側壁69aに接触し易いか否かを予測する。
そして、上記予測の判断をして(S75)、遊技球が回転型電動部材66の前側壁69aに接触し易い場合(S75のY)は、変動開始コマンドに含まれる変動内容と変動時間に基づいて、図柄変動パターン選択手段99が、図22に示した演出パターンテーブルから対応する特別演出パターンを選択すると共に、該特別演出パターンをセットする(S76)。例えば、変動時間が5.0秒の場合は、図22の(c)の特別演出パターンが選択される。そして、演出パターン選択処理を終了する。
一方、遊技球が回転型電動部材66の前側壁69aに接触し難い場合(S75のN)は、変動開始コマンドに含まれる変動内容と変動時間、および、S74にて参照した演出乱数の値に基づいて、図柄変動パターン選択手段99が対応する通常演出パターンを該演出パターンテーブルから選択すると共に、該通常演出パターンをセットする(S77)。例えば、変動時間が7.0秒である場合は、演出乱数の値により、図22の(d)の通常演出パターンA,B,Cから何れか一つが選択される。そして、演出パターン選択処理を終了する。このようにして、特別演出パターン、または、通常演出パターンが選択され、該選択された演出パターンによる演出を、演出図柄変動表示器48において開始する(図19のS64)。
図23は、遊技球が回転型電動部材66の前側壁69aに接触し易いタイミングであるかどうかを予測する際のタイミングチャートを示す。図中、111は演出図柄変動表示器48の図柄が変動しているか停止しているかを表し、112は遊技室の可動羽根15a,15bが開放であるか閉鎖であるかを表している。また、113は回転型電動部材66の前側壁69aと透孔69bのどちらが傾斜棚52に接近しているかを表している。位置予測手段98による予測処理は次のようにして行なわれる。始動入賞口6a,6bや電動開閉始動入賞口7に遊技球が入賞する(A)と、変動時間選択手段96により変動表示の変動継続時間が決定される(BからC)。変動表示の変動継続時間が決定されると、該変動表示が停止して特定の図柄が揃った場合に遊技室の可動羽根15a,15bが開放される時間(D)がわかる。そして、この開放により球入口14a,14bから遊技室へ入球した遊技球が、ワープ通路40a,40bを流下するのに要する時間(T)から、該遊技球が回転型電動部材66の前方へ到達する時間(E)が予測できる。
さらに、時間Eにおいて、該回転型電動部材66の前側壁69aと透孔69bとのどちらが傾斜棚52に接近しているかを予測する。回転型電動部材66は一定の回転速度で継続回転しているため、図23の113に示したように、該回転型電動部材66の前側壁69aと透孔69bとが一定の周期で交互に傾斜棚52に接近している。そこで、位置検出器83により回転型電動部材66の回転位置を検出し、これを基に時間Eにおいて前側壁69aと透孔69bとのどちらが傾斜棚52に接近しているかを推定する。これにより、時間Aの時点で回転型電動部材66の回転位置を検出し、時間Eにおいて該回転型電動部材66の前側壁69aが傾斜棚52に接近することを位置予測手段98が予測している。従って、この予測結果に基づいて演出図柄のパターンを特別演出パターンにセットして演出表示を特別演出パターンで行なうことにより、遊技球が回転型電動部材66の前側壁69aに接触し易く遊技者にとって有利であることを報知できるようになる。
図24は、大当たり中(H1からH2の間)に始動入賞口6a,6bや電動開閉始動入賞口7に遊技球が入賞した(A)場合(保留球による演出図柄の変動表示)における図柄の変動表示のタイミングチャートを示している。遊技が大当たり中の場合は、演出図柄の変動表示が直ちに開始されることはなく、該大当たりが終了するまで保留される。つまり、大当たりが終了して(H2)、一定時間経過した後に該変動表示が開始される(B)ようになっている。この場合も、図柄の変動表示の変動継続時間の決定を変動時間選択手段96が行い、また、遊技球が回転型電動部材66の前方へ到達する時間(E)における回転型電動部材66の位置予測を位置予測手段98が行って、この予測結果に基づいて演出図柄のパターンが選択されることは同様である。そして、このタイミングチャートにおいても、時間Eにおいて回転型電動部材66の前側壁69aが傾斜棚52に接近すると予測されているので、演出図柄として特別演出パターンがセットされ、演出表示が該特別演出パターンで行なわれる。こうして、遊技者は特別変動パターンによる図柄の変動表示を見て特別入賞口55に入賞する確率が高い状態であることを認識でき、該変動表示の結果に期待感を膨ませるようになる。これにより遊技の興趣が高められる。
次に、本発明の別実施形態を図25に従って説明する。図25は別実施形態の下部遊技室を一部断面にして示す斜視図である。なお、この別実施形態は、上述した実施形態と下部遊技室50の構成の一部が相違するのみである。従って、同一の構成については同一の符号を付すことにより詳しい説明を省略し、相違する構成について説明する。本発明の別実施形態では、遊技球を特別入賞口55に入賞し易い位置と入賞し難い位置とに変更可能な往復動型電動部材121が、傾斜棚52の後端縁中央部の後方に設けられる。この往復動型電動部材121の壁部121aは、傾斜棚52の後端縁中央に形成された弧状の落下口52aに相対するように、その前面が弧形凸面状に形成されている。また、壁部121aの後側には支軸121bが固着され、この支軸121bは下部遊技室50の後側正面壁50aに形成された貫通孔に遊挿されると共に、その基端が該後側正面壁50aの後方に設けられた電動アクチュエータ(ソレノイド)122に連結されている。この電動アクチュエータ(ソレノイド)122の励磁と消磁により、往復動型電動部材121は前後に進退動する。そして、往復動型電動部材121が前方へ進出した時には、図25(イ)に示したように、該往復動型電動部材121の壁部121aが傾斜棚52の後端縁中央の落下口52aに隙間なく当接し、遊技球が該落下口52aから床面54へ落下することができなくなる。一方、該往復動型電動部材121が後側へ後退したときは、図25(ロ)に示したように、該往復動型電動部材121の壁部121aが後側正面壁50aの位置まで退き、該壁部121aと傾斜棚52の後端縁中央の落下口52aとの間に隙間が生じる。従って、遊技球が該落下口52aから床面54へ落下し得るようになる。この床面54は緩やかな前傾状に形成されると共に、その前端縁中央に特別入賞口55が設けられ、該特別入賞口55の両側にそれぞれ普通入賞口56,56が形成されている。
往復動型電動部材121が図25(イ)の状態のとき、傾斜棚52上を後端縁側に転動する遊技球は、落下口52aが塞がれているために該傾斜棚52の両側寄りの一方から床面54へ落下する。従って、遊技球は床面54の側方寄りを該床面54の前端縁に向かって転動し、普通入賞口56へ入賞する場合が多く、特別入賞口55へ入賞する可能性は低い。一方で、往復動型電動部材121が図25(ロ)の状態のときは、遊技球が傾斜棚52の後端縁中央の落下口52aから床面54へ落下し、該床面54の中央部を前端縁に向かって転動することができる。従って、特別入賞口55へ入賞する可能性が高くなる。この別実施形態のように、遊技球を特別入賞口55に入賞し易い位置と入賞し難い位置とに変更する電動部材は、上述した回転型電動部材66に限らず、このような往復動型電動部材121で構成しても構わない。また、それ以外にも、遊技球の特別入賞口55への入賞確率が変更可能に作動する任意の電動部材でよい。