次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、遊技球としてパチンコ球を用いて遊技が行われるパチンコ機を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する固定始動入賞部30の固定始動口31または可変入球装置100の各可変始動口102,103へのパチンコ球Pの入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置17(図柄表示手段)が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20の遊技領域21と対応する位置に前後に開口する窓口13aが形成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられている。そして、前枠13には、ガラス板や透明な合成樹脂材で形成された透視保護板18が窓口13aを覆うよう配設されており、遊技盤20を前側から目視可能な状態で保護している。また、前記前枠13における窓口13aの下方位置には、パチンコ球Pを貯留可能な球受け皿14,15が設けられており、当該前枠13と一体的に球受け皿14,15を開閉し得るようになっている。実施例の前枠13には、上球受け皿14および下球受け皿15が上下の位置関係で組み付けられている。なお、前記上下の球受け皿14,15の一方および両方を、前枠13とは個別に中枠12に組み付けるようにしてもよい。また、1つの球受け皿14,15のみを備える構成とすることもできる。
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球Pが前記遊技盤20の遊技領域21に向けて1球ずつ発射されるようになっている。ここで、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球Pの打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域21へのパチンコ球Pの発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているがこれに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置17やドットマトリックス式の表示装置等の各種飾図を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に前記図柄表示装置17が配置されている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール22が配設されており、該案内レール22により画成される略円形の遊技領域21内にパチンコ球Pが入球可能な複数の入球部(固定始動口31および変入球装置の各可変始動口102,103)が設けられて、前記打球発射装置により遊技領域21に発射されたパチンコ球Pが入球部に入球することにより遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤20設置部品が取り付けられると共に、遊技領域21の最下部位置には、該遊技領域21に打ち出されたパチンコ球Pを排出するアウト口23が開設されている。後述するように実施例の遊技盤20には、遊技盤20設置部品として枠状装飾体25、固定始動入賞部30、可変入球装置100、特別入賞部40、ゲート部33等が配設されている。
前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール22で囲まれた遊技領域21の略中央に、センター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられている。前記枠状装飾体25は、前後に開口する枠状に形成されて、遊技盤20の裏側の図柄表示装置17の表示部を前面側から視認し得るようになっている。すなわち、実施例の遊技盤20に画成される遊技領域21は、打ち出されたパチンコ球Pが前記枠状装飾体25の左側部を流下する第1球流下経路21aと、当該打ち出されたパチンコ球Pが枠状装飾体25の右側部を流下する第2球流下経路21bとに区画されており、操作ハンドル16の操作レバー16aを回動操作して打球力を調節することにより、パチンコ球Pが第1球流下経路21aを流下する遊技形態およびパチンコ球Pが第2球流下経路21bを流下する遊技形態の何れかを遊技者が任意に選択し得るようになっている。また、前記遊技領域21には、前記枠状装飾体25の下方位置において第1および第2球流下経路21a,21bが合流するようになっており、当該第1および第2球流下経路21a,21bが合流する合流領域21cに、前記アウト口23が位置するようになっている。そして、前記遊技盤20における遊技領域21(第1および第2球流下経路21a,21b)に多数の遊技釘26が設けられており、遊技領域21を流下する過程で遊技釘26に接触したパチンコ球Pの流下方向が不規則に変化させるよう構成されている。なお、枠状装飾体25は、前後に開口する形態に限らず、当該開口の全部または一部を透明板等で塞ぐ形態とすることも可能である。
(第1球流下経路21aの入球部について)
図2に示すように、実施例の遊技盤20には、パチンコ球Pが入球可能な入球部30が前記第1球流下経路21aに設けられている。この第1球流下経路21aには、遊技領域21(第1球流下経路21a内)で入球口31が常に開口する入球部30が設けられており、遊技領域21に打ち出されて第1球流下経路21aを流下するパチンコ球Pが当該常時開口する入球部30の入球口31に一定の確率で入球し得るようになっている。ここで、入球口31が常時開口する第1球流下経路21aの入球部30に入球したパチンコ球Pは、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ75に検出されるよう構成されており(図22参照)、当該球検出センサ75がパチンコ球Pを検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを特図変動表示(後述)の開始条件および賞球の払出条件として設定されている。そこで、以下の説明では、第1球流下経路21aに設けられた入球口が常時開口する入球部を固定始動入賞部30と指称し、当該固定始動入賞部30の入球口を固定始動口31と指称すると共に、固定始動入賞部30に入球したパチンコ球Pを検出する球検出センサを固定始動検出センサ75と指称するものとする。
また、前記固定始動入賞部30の固定始動口31は、遊技盤20の裏側に設けられた球排出通路(図示せず)に連通するよう構成されており、当該固定始動口31に入球したパチンコ球Pが球排出通路を介して遊技盤20の外部に排出されるよう構成されている。そして、この球排出通路に固定始動検出センサ75が配設されており、球排出通路を介して排出される過程で固定始動検出センサ75がパチンコ球Pを検出し得るようになっている。なお、実施例の固定始動入賞部30は、前記枠状装飾体25の下方位置において遊技盤20の左右方向の略中央に位置に、遊技盤20の前面側に突出すると共に前記固定始動口31が上方に開口する樋形状に形成されている。そして、前記第1球流下経路21aを流下するパチンコ球Pが固定始動口31に入球し得る一方で、遊技盤20に設けられた前記枠状装飾体25や遊技釘26により、第1球流下経路21aを流下するパチンコ球Pが固定始動口31に入球する割合よりも、前記第2球流下経路21bを流下するパチンコ球Pが固定始動口31へ入球する割合が低くなるよう構成されている。実施例では、第2球流下経路21bを流下するパチンコ球Pの固定始動口31への入球が略不可能となるよう構成されている。
(第2球流下経路21bの入球部について)
図2に示すように、前記遊技盤20には、パチンコ球Pが入球可能な入球部33,130,161,162が前記第2球流下経路21bに設けられている。この第2球流下経路21bには、遊技領域21(第2球流下経路21b内)で入球口34が常に開口する入球部33が設けられており、遊技領域21に打ち出されて第2球流下経路21bを流下するパチンコ球Pが当該常時開口する入球部33の入球口34に一定の確率で入球し得るようになっている。ここで、入球口34が常時開口する第2球流下経路21bの入球部33に入球したパチンコ球Pは、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ76に検出されるよう構成されており(図22参照)、当該球検出センサ75がパチンコ球Pを検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを普図変動表示(後述)の開始条件として設定されている。また、前記第2球流下経路21b内で入球口34が常に開口する入球部33は、当該第2球流下経路21b内で球出口が常に開口するよう形成されて、当該入球部33の入球口34に入球したパチンコ球Pがそのまま球出口から通出して第2球流下経路21bを流下するようになっている。そこで、以下の説明では、当該第1球流下経路21aの入球部をゲート部33と指称し、当該ゲート部33の入球口をゲート入口34と指称すると共に、ゲート部33に入球したパチンコ球Pを検出する球検出センサをゲートセンサ76と指称するものとする。なお、前記ゲート部33は、前記枠状装飾体25の右側方位置に、遊技盤20の前面側に突出すると共にゲート入口34およびゲート出口が上下に連通する門型に形成されて、当該遊技盤20の前面側に突出するゲート部33に前記ゲートセンサ76が配置されている。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記第2球流下経路21bを流下するパチンコ球Pのみがゲート部33のゲート入口34に入球し得るよう構成されている。また、前記ゲート部33は、遊技盤20の前面側に突出したゲートセンサ76を装飾する装飾部やゲートセンサ76を保護する保護部としての機能を具有している。
(可変入球装置100について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20の第2球流下経路21bには、前記ゲート部33とは別に、パチンコ球Pが入球する入球口101,102,103を開閉可能な開閉部材131,165,166を備えた可変入球部130,161,162を有する可変入球装置(可変入球ユニット)100が設けられている。前記可変入球装置100は、図3〜図7に示すように、前記可変入球部として、開閉部材131にソレノイド(電動式駆動手段)が接続されてソレノイドの駆動に伴い開閉部材が開閉動作する第1の可変入球部130と、該第1の可変入球部130の入球口101に入球したパチンコ球Pとの接触に伴い作動して開閉部材165,166の開閉状態を切り替え可能な第2の可変入球部161,162とを備えており、各対応の開閉部材131,165,166の開閉状態に応じて、第2球流下経路21bを流下するパチンコ球Pが第1の可変入球部130や第2の可変入球部161,162に入球し得るよう構成されている。すなわち、実施例の遊技盤20には、電気的に作動される第1の可変入球部130と、該電気的に作動する第1の可変入球部130に入球したパチンコ球Pにより機械的に作動される第2の可変入球部161,162とが設けられている。
ここで、前記第2の可変入球部161,162に入球したパチンコ球Pは、メイン制御基板60に配線接続された球検出センサ77,78に検出されるよう構成されており(図22参照)、当該球検出センサ77,78がパチンコ球Pを検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることを特図変動表示(後述)の開始条件および賞球の払出条件として設定されている。そこで、以下の説明では、前記第2の可変入球部の開閉作動条件となる第1の可変入球部を可変作動入球部130と指称し、当該可変作動入球部130の入球口を作動口101と指称すると共に、特図変動表示の開始条件および賞球の払出条件となる第2の可変入球部を可変始動入賞部161,162と指称し、当該可変始動入賞部161,162の入球口を可変始動口102,103と指称し、当該可変始動入賞部161,162に入球したパチンコ球Pを検出する球検出センサを可変始動検出センサ77,78と指称する。また、前記可変入球装置100には、複数(実施例では2つ)の可変始動入賞部161,162が設けられており、上側に位置する可変始動入賞部を第1可変始動入賞部161と指称すると共に、下側に位置する可変始動入賞部を第2可変始動入賞部162と指称して、可変始動入賞部161,162を区別する場合がある。
なお、実施例の可変入球装置100は、前記枠状装飾体25の右下方位置に、前記ゲート部33の下方に位置するよう設けられており、該ゲート部33を通過したパチンコ球Pが前記可変作動入球部130や第1および第2可変始動入賞部161,162に入球し得るよう構成されている(図2参照)。そして、前記第2球流下経路21bを流下するパチンコ球Pが可変作動入球部130や第1および第2可変始動入賞部161,162に入球し得る一方で、遊技盤20に設けられた前記枠状装飾体25や遊技釘26により、第2球流下経路21bを流下するパチンコ球Pが固定始動口31に入球する割合よりも、前記第1球流下経路21aを流下するパチンコ球Pが固定始動口31へ入球する割合が低くなるよう構成されている。実施例では、第1球流下経路21aを流下するパチンコ球Pの可変作動入球部130や第1および第2可変始動入賞部161,162への入球が略不可能となるよう構成されている。
(球通路ユニット80について)
また、前記遊技盤20の裏側には、図5〜図6、図18に示すように、前記可変入球装置100の後方位置に球通路ユニット80が設けられており、当該可変入球装置100の作動口101や可変始動口102,103に入球したパチンコ球Pが球通路ユニット80の球排出通路を介して遊技盤20の外部に排出されるよう構成されている。ここで、前記球通路ユニット80は、前記可変入球装置100に前記作動口101に連通する作動口排出通路81,83と、前記可変始動口102,103に連通する始動口排出通路88,89とが形成されており、作動口101に入球したパチンコ球Pが作動口排出通路81,83を介して遊技盤20の外部に排出されると共に、各可変始動口102,103に入賞したパチンコ球Pが始動口排出通路88,89を介して遊技盤20の外部に排出されるようになっている。
前記作動口排出通路81,83は、図18に示すように、前記可変入球装置100に形成された第1の分岐流入通路145(後述)に繋がる第1の分岐排出通路81と、当該可変入球装置100に形成された第2の分岐流入通路146(後述)に繋がる第2の分岐排出通路83とが設けられており、各分岐流入通路145,146を通出したパチンコ球Pが対応する分岐排出通路81,83を介して排出される。すなわち、実施例のパチンコ機10では、前記作動口101に接続する球通路は、前記可変入球装置100に設けられた第1の分岐流入通路145および球通路ユニット80に設けられた第1の分岐排出通路81からなる第1の分岐通路と、可変入球装置100に設けられた第2の分岐流入通路146および球通路ユニット80に設けられた第2の分岐排出通路83からなる第2の分岐通路とに分岐するようになっている。そして、前記第1および第2の分岐通路の分岐位置に設けられた後述する通路振分部150により、前記作動口101に入球したパチンコ球Pが何れかの分岐通路に振り分けられるようになっている。
ここで、図5、図18に示すように、前記第1の分岐排出通路81は、第1可変始動入賞部161(具体的には後述する機構設置ケース170の作動球出口170b)に接続すると共に遊技盤20の下端部で開口するよう形成されており、第1の分岐流入通路145を介して第1可変始動入賞部161(球受け部179)に誘導されたパチンコ球Pを遊技盤20の外部へ排出するようになっている。一方で、前記第2の分岐排出通路83は、前記第2の分岐流入通路146の球出口および前記第2可変始動入賞部162(より具体的には後述する機構設置ケース170の作動球入口170a)に連通接続させてパチンコ球Pを第2可変始動入賞部162(具体的には球受け部179)へ案内する上流側分岐排出通路84aと、当該第2可変始動入賞部162(具体的には後述する機構設置ケース170の作動球出口170b)に連通接続して遊技盤20の下端部で開口する下流側分岐排出通路84bとから構成されており、前記作動口101から離れた第2可変始動入賞部162(球受け部179)へパチンコ球Pを誘導しつつ、当該第2可変始動入賞部162(球受け部179)に誘導されたパチンコ球Pを遊技盤20の外部へ排出するようになっている。
また、前記第2の分岐排出通路83(詳細には下流側分岐排出通路84b)および第1の分岐排出通路81には、図5、図18に示すように、当該第1および第2の分岐排出通路81,83を通過するパチンコ球Pを検出する球検出センサ85,86が設置されている。以下の説明では、第1の分岐排出通路81に設けられた球検出センサを第1通過検出センサ85と指称し、第2の分岐排出通路83に設けられた球検出センサを第2通過検出センサ86と指称する。そして、この第1および第2通過検出センサ85,86の夫々は、メイン制御基板60に配線接続されており(図22参照)、当該各通過検出センサ85,86がパチンコ球Pを検出してメイン制御基板60に検出信号が入力されることで、各通過検出センサ85,86に対応した分岐排出通路81,83の可変始動入賞部161,162の作動を、メイン制御基板60が把握し得るようになっている。
前記始動口排出通路88,89は、図5〜図6、図18に示すように、前記第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102(具体的には可変入球装置100に形成された第1取込口115a)に繋がる第1の始動口排出通路88と、前記第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103(具体的には可変入球装置100に形成された第2取込口116a)に繋がる第2の始動口排出通路89とが設けられており、各可変始動口102,103に入賞したパチンコ球Pが対応する始動口排出通路88,89を介して排出されるようになっている。そして、前記第1可変始動入賞部161に対応した第1可変始動検出センサ77が前記第1の始動口排出通路88に設置されると共に、前記第2可変始動入賞部162に対応した第2可変始動検出センサ78が前記第2の始動口排出通路89に設置されている。なお、前記球通路ユニット80には、後述するアウト球取込通路119に連通するアウト通路93が設けられており、当該アウト通路93に対して、第1および第2の始動口排出通路88,89が合流するようになっている。
図5、図18に示すように、前記球通路ユニット80および前記可変入球装置100を遊技盤20に設置した状態で、前記第1可変始動入賞部161の配設位置に対応して、前後に開口する第1設置窓部90が開設されるようになっている。前記球通路ユニット80には、前記第2可変始動入賞部162の配設位置に対応して、前後に開口する第2設置窓部91が開設されている。また、前記第1設置窓部90および第2設置窓部91は、対応する可変始動入賞部161,162(具体的に後述する機構設置ケース170)の外形よりも一回り大きな形状に形成されており、当該設置窓部90,91を介して可変始動入賞部161,162の後部が球通路ユニット80の後方に露出するようになっている。
ここで、実施例のパチンコ機10では、前記固定始動検出センサ75、第1および第2可変始動検出センサ77,78の何れかがパチンコ球Pを検出した検出信号がメイン制御基板60へ入力された場合に、所定数(実施例では3個)の賞球を払い出させるようメイン制御基板60に設けられたメイン制御CPU60aが図示しない球払出装置を制御するよう設定されている。また、前記固定始動検出センサ75、第1および第2可変始動検出センサ77,78によるパチンコ球Pの検出に伴って各種入賞情報(後述する各種乱数情報)がメイン制御CPU60aに取得され、この取得した情報に基づいて特図当り抽選(当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて特図表示部50A,50B(後述)において特図変動表示が実行されると共に、前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されるようになっている。そして、特図表示部50A,50Bでの特図変動表示の結果、所定の当り表示となる図柄が確定停止表示されると共に、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果として、該図柄表示装置17に所定の当り表示となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な大当り遊技が付与され、大当り遊技の発生に伴って前記特別入賞部40を所定の開放条件で開放して、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
(特別入賞部40について)
前記特別入賞部40(特別入賞手段)は、図2に示すように、遊技領域21に開口する入球口としての特別入賞口41(図示せず)を開閉自在に閉成する開閉扉43(開閉手段)を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(図22参照)の駆動に伴って開閉扉43が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。なお、実施例では、前記開閉扉43が前後方向へ揺動することで特別入賞口41を開閉するよう構成されており、該開閉扉43により特別入賞口41が閉鎖された状態を図2に示す。また、前記特別入賞部40には、前記特別入賞口41に入球したパチンコ球Pを検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ79(図22参照)が設けられている。前記特別入賞検出センサ79は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、該特別入賞検出センサ79からメイン制御基板60への入賞検出信号の入力に伴って所定数(実施例では15個)の賞球が払い出されるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記固定始動入賞部30または可変始動入賞部161,162へのパチンコ球Pの入球を契機として特別入賞部40を開放する大当り遊技が付与される場合に、大当り遊技の種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。ここで、前記特別入賞部40は、前記固定始動入賞部30の下方位置に配置されると共に、前記第1および第2球流下経路21a,21bが合流する合流領域21cに位置するよう構成されており、第1および第2球流下経路21a,21bの何れを流下するパチンコ球Pであっても、開閉扉43の開閉状態に応じて、特別入賞部40の特別入賞口41に入球し得るよう構成されている。
(可変入球装置100)
前記可変入球装置100は、図3〜図7に示すように、遊技盤20に固定される本体部材105の裏側に、前記可変作動入球部130、第1および第2の可変始動入賞部161,162の夫々が配設されて、当該本体部材105が遊技盤20の前面から固定される。また、前記可変入球装置100は、前記可変作動入球部130の作動口101に入球したパチンコ球Pを、複数の球通路(具体的には第1および第2の分岐流入通路145,146)に振り分けて通出させる通路振分部(振分手段)150が設けられている。ここで、実施例の通路振分部150は、第1可変始動入賞部161に連通する前記第1の分岐通路および第2可変始動入賞部162に連通する前記第2の分岐通路の何れかにパチンコ球Pを振り分けるよう構成されており、当該通路振分150での通路振分により、作動口101に入球したパチンコ球Pが第1または第2可変始動入賞部161,162の何れかへ誘導されるようになっている。すなわち、可変入球装置100は、可変作動入球部130、第1および第2の可変始動入賞部161,162、通路振分部150を備えた単一のユニット部材として遊技盤20に着脱し得るよう構成されている。
(本体部材105について)
前記本体部材105は、図6〜図7に示すように、前記遊技盤20の前面側に取り付けられる取付ベース部106と、該取付ベース部106の前面側に配設されたカバー部108とから形成されている。そして、本体部材105の上部位置に可変作動入球部130および通路振分部150が配置され、本体部材105の下部位置に第2可変始動入賞部162が配置され、該可変作動入球部130および第2可変始動入賞部162の間に位置するよう第1可変始動入賞部161が配置されている。ここで、実施例の可変入球装置100では、前記可変作動入球部130および通路振分部150をケース体121,140に組み付けてユニット化した電動切替ユニット120が前記本体部材105の上部裏側に配設されている。
また、前記本体部材105は、後方を透視可能な部材により形成されており、前記作動口101や固定始動口31、可変始動口102,103を介して装置内部に流入したパチンコ球Pを前側(遊技者側)から目視し得るよう構成されている。なお、前記本体部材105の全体が透視可能に形成されている必要はなく、パチンコ球Pの通過経路を透視可能に構成するようにしてもよい。また、パチンコ球Pの流通経路の全体を透視可能に形成されている必要はなく、作動口101に入球したパチンコ球Pが前記通路振分部150により第1および第2の分岐流入通路145,146に振り分けられる様子を透視し得る構成であってもよい。このように、作動口101に入球したパチンコ球Pの第1および第2の分岐流入通路145,146への振分態様を視認し得るようにすることで、作動口101に入球したパチンコ球Pの通過経路に対する関心を高めることができる。
図3〜図4に示すように、前記本体部材105の外周面には、パチンコ球Pが通過可能な大きさで遊技領域21内に開口する開口部(具体的には球流入口110a、球流出口110b、第1可変始動口102、第2可変始動口103、第2のアウト口104)が外周面の複数箇所に開設されると共に、前記取付ベース部106の適宜位置には、パチンコ球Pが通過可能な大きさで前後に貫通する通孔(具体的には作動口101、第1取込口115a、第2取込口116a)が複数箇所に開設されている。そして、前記本体部材105に、外周面に設けた開口部102,103と取付ベース部106の通孔115a,116aとを連通させた球通路(以下、取込通路115,116という)や、外周面に設けた開口部110a,110bを連通させた球通路(以下、通出通路110という)が画成されている。ここで、実施例の可変入球装置100には、本体部材105の上面に1つの開口部110aが形成されると共に、遊技領域21(第2球流下経路21b)に露出する左側面に4つの開口部102,103,104,110bが形成され、前記取付ベース部106には、前記可変作動入球部130、第1および第2可変始動入賞部161,162の配設位置に、前後に貫通する通孔101,115a,116aが夫々形成されている。なお、実施例の可変入球装置100では、後述するように前記可変作動入球部130の配設位置に対応して形成された通孔が前記作動口101となっている。また以下の説明において、第1可変始動入賞部162の配設位置に対応して形成された通孔を第1取込口115aと指称し、第2可変始動入賞部161の配設位置に対応して形成された通孔を第2取込口116aと指称する場合がある。
(通出通路110について)
前記通出通路110は、図4に示すように、前記本体部材105の上面に形成された開口部110aと、当該本体部材105の左側面の上部位置に形成された開口部110bとを連通するよう構成されており、遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下するパチンコ球Pが、当該上面に形成された開口部110aから通出通路110に流入して、左側面に形成された開口部110bから遊技領域21(第2球流下経路21b)に通出し得るようになっている。ここで、前記通出通路110は、上面の開口部110aから下方に延在する縦通路111と、当該縦通路111の下端部に連通すると共に左側面の開口部110bへ向けて下方傾斜する傾斜通路112とから構成されて、当該通出通路110(具体的には縦通路111)に開口するよう前記取付ベース部106に通孔101が形成されている。この通出通路110に開口する通孔は、前記可変作動入球部130の作動口開閉部材(開閉部材)131の作動により開閉されるようになっている。すなわち、通出通路110に開口するよう設けられた通孔が、前記可変作動入球部130の作動口101となっており、可変作動入球部130の作動口開閉部材131の開放に伴って、パチンコ球Pが作動口101に入球し得るようになっている。なお、以下の説明において、本体部材105の上面に形成された開口部を球流入口110aと指称し、本体部材105の左側面の上部位置に形成された開口部を球流出口110bと指称して区別する場合がある。
ここで、図3に示すように、前記球流入口110aは、前記ゲート部33の球出口と上下に整列して位置しており、当該ゲート部33を通過したパチンコ球Pが、球流入口110aに通入して通出通路110に導入されるようになっている。また、前記通出通路110における縦通路111の側面を画成する左右の側壁部111aは、上端面111bが球流入口110aへ向けて下方傾斜する傾斜状に形成されており、前記ゲート部33を通出した際に左右に逸れたパチンコ球Pを、当該左右の側壁部111aにおける上端面111bの傾斜により略確実に球流入口110aへ誘導するようになっている。すなわち、前記通出通路110における縦通路111の側面を画成する左右の側壁部111aの上端面111bを傾斜状に形成することで、可変作動入球部130の作動口開閉部材131が開放した際における遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下するパチンコ球Pの作動口101への入球割合を高めている。
また、図4に示すように、前記通出通路110における縦通路111の側面を画成する左右の側壁部111aの上端面111bとゲート部33との間は、パチンコ球Pが通過可能な間隔で離間するよう構成されており、ゲート部33を通過することなく遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下するパチンコ球Pが、当該通出通路110の側壁部111aの上端面111bとゲート部33との間の隙間を介して通出通路110に流入し得るようになっている。すなわち、通出通路110にパチンコ球Pが流入可能な経路として、ゲート部33とは別の経路を確保することで、可変作動入球部130の作動口開閉部材131が開放した際における遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下するパチンコ球Pの作動口101への入球割合を向上している。ここで、前記通出通路110における縦通路111の側面を画成する左右の側壁部111aの上端面111bとゲート部33は、1球のパチンコ球Pが通過可能な間隔で離れる程度にゲート部33に近接して設けられている。すなわち、前記左右の側壁部111aの上端面111bとゲート部33とが近接することで、ゲート部33を通出したパチンコ球Pが通出通路110(球流入口110a)から逸れるのを防止している。また、前記縦通路111の側面を画成する左右の側壁部111aは、前記作動口101の左右の開口縁に沿って延在するよう形成されており、作動口101の開放時に縦通路111を通過するパチンコ球Pが入球し易くしている。なお、実施例の本体部材105では、前記作動口101の左右の開口縁から前方へ突出するよう前記左右の側壁部111aが取付ベース部106に形成されているが、当該縦通路111における左右の側壁部111aを前記カバー部108の裏面に形成することも可能である。
(取込通路115,116について)
また前記本体部材105には、図3〜図4に示すように、本体部材105の左側面に形成された開口部102と、取付ベース部106の第1可変始動入賞部161の配設位置に形成された第1取込口115aとを連通する第1取込通路115が設けられていると共に、本体部材105の左側面に形成された開口部103と前記取付ベース部106の第2可変始動入賞部162の配設位置に形成された第2取込口116aとを連通する第2取込通路116が設けられる。すなわち、遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下する過程で、前記本体部材105の左側面に形成された開口部102,103から第1または第2取込通路115,116に流入したパチンコ球Pを、各取込通路115,116に対応する第1取込口115aまたは第2取込口116aから取り込み得るようになっている。なお、実施例では、前記球流出口110bの下方に隣接して位置する開口部102に前記第1取込通路115が連通し、前記本体部材105の左側面の最下方に位置する開口部103に前記第2取込通路116が連通するよう構成されている。
ここで、前記第1取込通路115に対応する開口部102は、前記第1可変始動入賞部161の第1始動口開閉部材(開閉部材)165により開閉されるよう構成されており、当該第1取込通路115に対応した開口部が第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102として機能するようになっている。そして、前記第2取込通路116に対応する開口部103は、図4に示すように、前記第2可変始動入賞部162の第2始動口開閉部材(開閉部材)166により開閉されるよう構成されており、当該第2取込通路116に対応した開口部が第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103として機能するようになっている。すなわち、第1可変始動入賞部161の第1始動口開閉部材165の開放に伴ってパチンコ球Pが第1取込通路115に流入し得ると共に、第2可変始動入賞部162の第2始動口開閉部材166の開放に伴ってパチンコ球Pが第2取込通路116に流入し得るようになっている。換言すれば、前記第1取込通路115は、第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102に入賞したパチンコ球Pが流下する入賞経路を構成すると共に、前記第2取込通路116は、第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103に入賞したパチンコ球Pが流下する入賞経路を構成している。なお、実施例の第1取込通路115および第2取込通路116は、基本的に同一形態に形成されていることから、同一の機能を有する構成に関しては同じ符号を付して説明する。
前記第1および第2可変始動入賞部161,162に対応する各取込通路115,116は、図3〜図4に示すように、対応する可変始動入賞部161,162の可変始動口102,103が本体部材105の左側方へ開口するよう形成されており、当該可変始動口102,103から対応する取込口115a,116aの上部まで延在する入口通路117と、当該入口通路117の下流端に連通すると共に取込口115a,116aが開口する作動通路118とから構成されている。ここで、前記第1および第2可変始動入賞部161,162を構成する後述の機構設置ケース170の前方開口部171が対応する取込口115a,116aを介して作動通路118内に突出するよう構成されており、各取込通路115,116(作動通路118)をパチンコ球Pが通過する過程で、対応する可変始動入賞部161,162の入球作動部206,207にパチンコ球Pが接触するようになっている。
また、図7、図19〜図21に示すように、前記作動通路118の下端部には、該作動通路118を通過するパチンコ球Pを対応する取込口115a,116aへ案内する案内部118aが形成されて、取込通路115,116(作動通路118)を通過するパチンコ球Pを対応の取込口115a,116aへ案内し得るようになっている。また、前記案内部118aの上部位置には、該案内部118aよりも作動通路118内(取込口115a,116a側)に突出する付勢突部118bが設けられ、作動通路118を流下するパチンコ球Pが付勢突部118bに当接することにより、取込口115a,116a側へ弾かれることで、速やかに対応の可変始動検出センサ77,78で検出されるようになっている。なお、前記案内部118aおよび付勢突部118bは、前記作動通路118の前面を画成する前記カバー部108に、当該作動通路118内に突出するよう形成されている。
また、前記本体部材105には、図4、図6に示すように、前記第2可変始動口103と第1可変始動口102との間に位置する開口部としての第2アウト口104と、前記取付ベース部106における第1取込口115a(第1可変始動入賞部161)の下方に形成された通孔(アウト球取込口119a)とを連通するアウト球取込通路119が設けられている。ここで、前記アウト球取込口119aは、遊技盤20(本体部材105)の裏側において前記球通路ユニット80に形成されたアウト通路93に連通するよう構成されており、前記遊技領域21(第2球流下経路21b)を流下する過程で第2アウト口104に通入したパチンコ球Pが遊技盤20の外部へ排出されるようになっている。
(電動切替ユニット120について)
前記電動切替ユニット120は、図6、図8〜図9に示すように、前記可変作動入球部130が配設される第1の本体ケース121と、前記通路振分部150が配設される第2の本体ケース140とを備え、両本体ケース121,140を組み付けることで、可変作動入球部130および通路振分部150を単一のユニットとして取り扱い可能に構成されている。具体的に、前記第2の本体ケース140の後方上部位置に前記第1の本体ケース121を固定した状態で、前記可変入球装置100の本体部材105の裏側上部位置に、当該第2の本体ケース140が取り付けられる。
(第1の本体ケース121について)
前記第1の本体ケース121は、図8に示すように、前記第2の本体ケース140に固定される第1の前側ケース体122と、該第1の前側ケース体122の裏側に固定される第1の後側ケース体123とから構成され、当該第1の前側ケース体122および第1の後側ケース体123の間に、前記可変作動入球部130の駆動手段としての第1ソレノイド135を収容する収容部124が画成されている。ここで、前記第1の後側ケース体123には、前方へ開口する矩形箱状に形成され、当該第1の後側本体ケースの前方開口を第1の前側ケース体122で塞ぐことにより前記収容部124が画成されるようになっている。
また、前記第1の後側ケース体123には、図8に示すように、前記第1ソレノイド135を収容する収容部124の下方位置に、前後方向に延在する第1ガイド凹部125が前方へ開口するよう形成されて、当該第1ガイド凹部125に、前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131が前後方向へ摺動可能に挿入されている。ここで、前記第1の本体ケース121は、前記第1の前側ケース体122と第1の後側ケース体123とを組み付けた状態において、当該第1の前側ケース体122により塞がれることなく前記第1ガイド凹部125が前方へ開口するよう構成されている。
(可変作動入球部130について)
前記可変作動入球部130は、図8に示すように、前記作動口101を閉鎖する閉鎖位置(図19(a)参照)および該作動口101を開放する開放位置(図20(a)参照)に変位可能な作動口開閉部材131と、該作動口開閉部材131を駆動する電動式駆動手段としての第1ソレノイド135と、当該第1ソレノイド135を作動口開閉部材131に連繋接続する第1連繋部136とを備え、第1ソレノイド135が駆動制御することで作動口開閉部材131が開放位置および閉鎖位置に変位するようされる。すなわち、前記第1ソレノイド135の駆動に伴って作動された作動部が前記作動口開閉部材131を閉鎖位置および開放位置に変位させることで、前記通出通路110(縦通路111)を流下するパチンコ球Pの作動口101への入球が許容された状態と、入球が阻止された状態と切り替わるよう構成されている。ここで、作動口開閉部材131が作動口101を閉鎖する状態としては、当該作動口開閉部材131により作動口101が完全に塞がれて前記通出通路110(縦通路111)に開口しない状態である必要はなく、当該作動口101をパチンコ球Pが入球不能な程度に塞ぐ状態であれば、作動口101が通出通路110(縦通路111)に開口している状態であってもよい。
(作動口開閉部材131)
ここで、前記作動口開閉部材131は、図8に示すように、前後方向に長尺な平板状に形成されて、前記第1の本体ケース121(第1の後側ケース体123)に形成された前記第1ガイド凹部125に作動口開閉部材131の後側部分が摺動可能に挿入され、当該第1ガイド凹部125の前方開口から作動口開閉部材131の前側部分が突出するよう構成されている。すなわち、作動口開閉部材131は、前側部分が第1ガイド凹部125(第1の本体ケース121)から前方へ突出した状態で、前後方向に移動し得るよう構成されている。
また、図8、図19に示すように、前記作動口開閉部材131の前端部は、後方へ向かうにつれて下方傾斜する傾斜状に形成された球誘導片132が上方へ突出するよう形成されている。そして、前記作動口開閉部材131が開放位置に移動した状態では、前記球誘導片132が前記作動口101を介して遊技盤20の前側(通出通路110の内側)に突出するようになっている。すなわち、前記作動口開閉部材131が開放位置に移動した状態では、前記通出通路110(縦通路111)を流下するパチンコ球Pが球誘導片132で受け止められて、該球誘導片132の傾斜により後方(すなわち作動口101側)へ案内されるようになっている。また、前記作動口開閉部材131が閉鎖位置に移動した状態では、前記球誘導片132が作動口101を介して遊技盤20の裏側(通出通路110の外側)に退避すると共に、当該作動口開閉部材131により作動口101の下部側が塞がれて、当該作動口101へのパチンコ球Pの入球を阻止するよう構成されている。また、前記作動口開閉部材131には、図19〜図21に示すように、前記第1ガイド凹部125から前方へ突出する前側部分に、パチンコ球Pが通過可能な球通過孔133が上下方向に開口するよう開設されており、作動口開閉部材131が開放位置に移動して作動口101から取り込まれたパチンコ球Pが球通過孔133を介して後述する連絡通路144へ移動し得るようになっている。
前記第1ソレノイド135は、図8に示すように、前側にプランジャ135aを位置させた姿勢で前記第1の本体ケース121の収容部124に設置されて、当該第1の本体ケース121に揺動可能に支持された前記第1連繋部136がプランジャ135aに接続されている。前記第1連繋部136は、前記第1ソレノイド135のプランジャ135aに連繋接続されて当該プランジャ135aと一体的に前後移動する連結部136aと、該連結部136aの左右両端部に設けられて前記作動口開閉部材131に連繋接続されると共に前記第1の本体ケース121に揺動可能に支持された揺動アーム136bとを備えており、プランジャ135aの前後移動に伴って揺動する揺動アーム136bにより作動口開閉部材131が閉鎖位置と開放位置との間で前後移動するようになっている。
(第2の本体ケース140について)
前記第2の本体ケース140は、図8に示すように、前記可変入球装置100の本体部材105(取付ベース部106)に固定される第2の前側ケース体141と、該第2の前側ケース体141の裏側に固定される第2の後側ケース体142とから構成され、当該第2の本体ケース140に、パチンコ球Pが通過可能な球通路(導入通路143、連絡通路144、第1および第2の分岐流入通路145,146)が画成されている。前記第2の前側ケース体141には、前後および上方へ開口する導入通路143が形成され、該第2の前側ケース体141を本体部材105に固定した際に、当該導入通路143が作動口101に連通するよう構成されている。なお、前記導入通路143の上方開口は、前記作動口101の開口上縁に沿って後方へ突出するよう前記取付ベース部106の後面に形成された通路画壁107(図7参照)により塞がれ、導入通路143の上方開口からパチンコ球Pが零れ落ちないようになっている。なお、前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131は、図19〜図21に示すように、前記第1の本体ケース121と第2の本体ケース140とを組み付けた状態において、当該作動口開閉部材131の前側部分が前記導入通路143内に位置して、当該導入通路143に沿って前後に移動するよう構成されている。
また、前記第2の前側ケース体141には、図8、図20、図21に示すように、前記導入通路143の後端位置に、下方へ延在すると共に上方および後方へ開口する前記連絡通路144が画成されて、導入通路143を通過したパチンコ球Pが連絡通路144の後方開口を介して第2の前側ケース体141の裏側に通出するようになっている。そして、前記連絡通路144の上流端に、当該連絡通路144を通過するパチンコ球Pを検出する球検出センサ147が配設されている。前記連絡通路144の上流端に設けられた球検出センサ147は、前記メイン制御基板60に電気的に配線接続されており、当該球検出センサ147からの検出信号が入力されることで、作動口101へのパチンコ球Pの入球が発生したことをメイン制御CPU60aが認識し得るようになっている。なお、以下の説明では、前記連絡通路144に配設された球検出センサを入球検出センサ147と指称する場合がある。すなわち、前記連絡通路144を通過するパチンコ球Pの通出口144aは、入球検出センサ147の下方位置で後方に開口している。
図8〜図9に示すように、前記第2の本体ケース140には、前記第1および第2の分岐流入通路145,146が前記連絡通路144の通出口144aから分岐するよう形成されている。すなわち、実施例では連絡通路144の通出口144aが前記第1および第2の分岐流入通路145,146が分岐する分岐位置となっている。前記第1の分岐流入通路145は、連絡通路144の通出口144aから下方へ延在するよう形成されると共に、前記第2の分岐流入通路146は、前記連絡通路144の通出口144aから側方(実施例では左側方)へ延在するよう形成されている。すなわち、連絡通路144の通出口144aを通出した領域が、第1および第2の分岐流入通路145,146にパチンコ球Pが振り分けられる分岐領域となっている。なお、図9において通出口144aの開口位置を二点鎖線で示してある。
(通路振分部150について)
前記通路振分部150は、図8に示すように、前記連絡通路144を通過したパチンコ球Pを第1および第2の分岐流入通路145,146の何れかに振り分けて通出させる振分体(振分手段)151と、該振分体151を駆動する電動式駆動手段としての第2ソレノイド152と、当該第2ソレノイド152を振分体151に連繋接続する第2連繋部156,157とを備えている。前記振分体151は、前記連絡通路144を通過したパチンコ球Pを第1の分岐流入通路145へ通出させる第1振分位置(図9(a)参照)と、該連絡通路144を通過したパチンコ球Pを第2の分岐流入通路146へ通出させる第2振分位置(図9(b)参照)との間を移動し得るよう設けられており、第2ソレノイド152を駆動制御することで振分体151が第1振分位置および第2振分位置に移動するようになっている。
(振分体151について)
前記振分体151は、図9に示すように、前記第1の分岐流入通路145の球入口を閉塞可能な大きさに形成された板状に形成されて、前記第2の本体ケース140に形成された第2ガイド凹部148に左右方向に摺動可能に配設されている。また、前記振分体151には、後方へ突出する軸部151aが後端部に形成されており、前記第2の後側ケース体142に形成された挿通孔142aを介して当該軸部151aが第2の本体ケース140の裏側に突出するようになっている。そして、前記挿通孔142aから突出した振分体151の軸部151aに前記第2連繋部156,157が接続されて、前記第2ガイド凹部148に振分体151が収容された位置(第1振分位置)と、第2ガイド凹部148から振分体151が突出して第1の分岐流入通路145の球入口を閉塞する位置(第2振分位置)との間を移動するようになっている。ここで、振分体151が第1振分位置にある状態では、第1の分岐流入通路145の球入口が振分体151により閉塞されることなく上方に開口するよう構成され、連絡通路144の通出口144aを通出したパチンコ球Pがそのまま第1の分岐流入通路145へ流入(落下)し得るようになっている。また、前記振分体151が第2振分位置にある状態では、振分体151の上面が第2の分岐流入通路146の底面と略同じ高さか或いは振分体151の上面が第2の分岐流入通路146の底面より僅かに上方に位置するよう構成され、前記連絡通路144の通出口144aを通出したパチンコ球Pが第2の分岐流入通路146へ流入し得るようになっている。
前記第2ソレノイド152は、図8に示すように、下側にプランジャ152a位置させた下向き姿勢で前記第2の本体ケース140(第2の前側ケース体141)の前面に配設されている。すなわち、第2ソレノイド152を励磁駆動することで、プランジャ152aが上下に進退移動するようになっている。また、前記第2ソレノイド152の前側には、当該第2ソレノイド152を第2の前側ケース体141との間で挟持する前側保護部材153が配置されており、当該前側保護部材153と第2の前側ケース体141により第2ソレノイド152が挟持固定されている。なお、第2ソレノイド152のプランジャ152aは、図示しないバネ等の付勢手段により下方へ付勢されており、第2ソレノイド152を励磁することによりプランジャ152aが引き込まれて上方移動し、励磁停止することによりプランジャ152aが下方移動するようになっている。
前記第2連繋部156,157は、前記第2ソレノイド152のプランジャ152aに取り付けられて当該プランジャ152aと一体的に上下移動するスライダ156と、前記第2の本体ケース140に揺動可能に支持された揺動部材157とから構成されて、当該スライダ156と揺動部材157が連繋接続されると共に当該揺動部材157と振分体151が連繋接続されており、スライダ156の上下移動に伴って揺動部材157が揺動することにより、当該振分体151が前記第1振分位置および第2振分位置に変位するようになっている。ここで、上下方向に延在するよう前記スライダ156に形成されたガイド突片156aが、前記前側保護部材153に形成された上下方向に延在するガイド溝153aに後方から差し込まれており、当該スライダ156が一定の姿勢を保持したまま上下移動させ得るようになっている。また、前記スライダ156の後端部には、前記揺動部材157が接続される横長の第1連繋孔156bが後方へ開口するよう形成されている。
前記揺動部材157は、図8に示すように、前記第2の本体ケース140に枢支される支軸157aと、該支軸157aから径方向に離間する位置に設けられた連携軸157bと、該支軸157aから径方向に離間する位置に設けられた第2連繋孔157cとを備えている。前記揺動部材157は、前記支軸157aが前後に延在する姿勢で前記第2の本体ケース140の第2の後側ケース体142の後方側で揺動するよう配設されて、前記スライダ156の第1連繋孔156bに対して連携軸157bが後方から遊嵌されると共に、前記振分体151の軸部191aが第2連繋孔157cに対して前方から遊嵌されるようになっている.これにより、前記スライダ156の上下移動に伴って前記揺動部材157が前後に延在する支軸157aを中心にして回動(揺動)し、当該揺動部材157の回動に伴って前記振分体151が第1振分位置および第2振分位置にスライド変位するよう構成されている。
(第1および第2可変始動入賞部161,162について)
前記第1可変始動入賞部161は、図3、図4、図6、図7、図10〜図17に示すように、前記第1可変始動口102を閉鎖する閉鎖位置(図4の実線参照)および該第1可変始動口102を開放する開放位置(図4の二点鎖線参照)に変位可能な前記第1始動口開閉部材165(開閉部材)と、前記作動口101に連通した第1の分岐通路を通過するパチンコ球Pが接触し得るよう設けられてパチンコ球Pの接触に伴い作動する第1作動機構175と、前記第1可変始動口102に連通した前記第1取込通路115を通過するパチンコ球Pが接触し得るよう設けられてパチンコ球Pの接触に伴い作動する第2作動機構200とを備えている。そして、第1始動口開閉部材165が閉鎖位置にある状態で、前記作動口101に入球したパチンコ球Pとの接触に伴い作動した第1作動機構175が、当該第1始動口開閉部材165を閉鎖位置から開放位置に変位させ、第1始動口開閉部材165が開放位置にある状態で、第1可変始動口102に入賞したパチンコ球Pとの接触に伴い作動した第2作動機構200が、当該第1始動口開閉部材165を開放位置から閉鎖位置に変位させるよう構成されている。
同様に、前記第2可変始動入賞部162は、図3、図4、図6、図7、図10〜図17に示すように、前記第2可変始動口103を閉鎖する閉鎖位置(図4の実線参照)および該第2可変始動口103を開放する開放位置(図4の二点鎖線参照)に変位可能な前記第2始動口開閉部材166と、前記作動口101に連通した第2の分岐通路を通過するパチンコ球Pが接触し得るよう設けられてパチンコ球Pの接触に伴い作動する第1作動機構175と、前記第2可変始動口103に連通した前記第2取込通路116を通過するパチンコ球Pが接触し得るよう設けられてパチンコ球Pの接触に伴い作動する第2作動機構200とを備えている。そして、第2始動口開閉部材166が閉鎖位置にある状態で、前記作動口101に入球したパチンコ球Pとの接触に伴い作動した第1作動機構175が、当該第2始動口開閉部材166を閉鎖位置から開放位置に変位させ、第2始動口開閉部材166が開放位置にある状態で、第2可変始動口103に入賞したパチンコ球Pとの接触に伴い作動した第2作動機構200が、当該第2始動口開閉部材166を開放位置から閉鎖位置に変位させるよう構成されている。
ここで、第1および第2可変始動入賞部161,162における第1および第2始動口開閉部材165,166、第1作動機構175および第2作動機構200の夫々は、基本的に同一構成とされており、以下の説明では、主として第1可変始動入賞部161に関して詳細に説明し、必要に応じて第2可変始動入賞部162の説明を補足する。
(第1始動口開閉部材165および第2始動口開閉部材166について)
前記第1および第2始動口開閉部材165,166は、図4、図7、図12に示すように、上方に向かって徐々に薄肉となる所謂フラップ状に形成されおり、各始動口開閉部材165,166の下部に形成された軸孔165a,166aに、前記可変入球装置100の本体部材105に形成された前後に延在する支軸105aが挿通されている。ここで、第2始動口開閉部材166を枢支する支軸105aは、前記第2取込口116aの側方(実施例では左側方)に位置すると共に前記第1始動口開閉部材165を枢支する支軸105aは、第1取込口115aの側方(実施例では左側方)に位置するよう前記本体部材105(取付ベース部106)に夫々形成されており、当該支軸105aを中心にして、先端部(端部)を上方に指向させた閉鎖位置(図14参照)と、該先端部を斜め左上方に指向させた開放位置(図15、図16参照)との間で各始動口開閉部材165,166が揺動するように構成される。また、前記各始動口開閉部材165,166は、前記閉鎖位置において前記支軸105aよりも左側方(対応する第1取込口115aおよび第2取込口116aから離間する方向)に重心が偏倚するよう形成され、常には自重により閉鎖位置から開放位置へ向けて回転する方向へ付勢されている。
また、前記各始動口開閉部材165,166の後端部には、図7に示すように、対応する第1取込口115aおよび第2取込口116a側の下端部に、揺動中心から径方向へ突出する係合片167が形成されている。前記各始動口開閉部材165,166の係合片167は、閉鎖位置においては対応する第1取込口115aおよび第2取込口116aの開口側縁(実施例では開口左側縁)の左側方に位置して当該取込口115a,116aから離間すると共に、開放位置においては対応する第1取込口115aおよび第2取込口116aの開口前側に臨む大きさおよび形状で形成されている。そして、前記閉鎖位置では、対応の可変始動入賞部161,162の第2作動機構200に設けられた閉鎖保持部204(後述)に係合片167が当接するよう構成されており(図12、図14参照)、当該係合片167および閉鎖保持部204の当接作用により、自重による閉鎖位置から開放位置への始動口開閉部材165,166の回転が規制されるようになっている。また、前記開放位置では、対応する可変始動入賞部161,162の第2作動機構200における閉鎖作動部205(後述)の移動軌跡に各始動口開閉部材165,166の係合片167が位置するようになっており(図15〜図17参照)、当該第2作動機構200の作動に伴って移動する閉鎖作動部205と係合片167との当接作用により、各始動口開閉部材165,166が開放位置から閉鎖位置へ向けて回転付勢されるよう構成されている。
(機構設置ケース170について)
前記第1作動機構175および第2作動機構200は、図10、図11に示すように、前記本体部材105の裏側に配設される機構設置ケース170に組み付けられている。機構設置ケース170は、前方および下方へ開口する矩形箱状に形成されており、当該機構設置ケース170の内部空間に、前記第1作動機構175および第2作動機構200が配設されるようになっている。また、前記各機構設置ケース170は、前記取付ベース部106(本体部材105)に形成された前記第1取込口115aおよび第2取込口116aに機構設置ケース170の前方開口部171が連通すると共に、取付ベース部106(本体部材105)に各取込口115a,116aに対応して形成された球誘導樋106a,106a(図7、図19〜図21参照)の上部開口と機構設置ケース170の下方開口部172が連通する状態で、当該取付ベース部106の裏側に取り付けられている。ここで、前記第2取込口116aに対応した球誘導樋106aは、当該第2取込口116aと前記球通路ユニット80の第1の始動口排出通路88の球入口とを連通するよう形成されると共に、第1取込口115aに対応した球誘導樋106aは、当該第1取込口115aと球通路ユニット80の第2の始動口排出通路89の球入口とを連通するよう形成されている。すなわち、前記第1および第2可変始動口102,103に入賞したパチンコ球Pは、対応する第1取込口115aおよび第2取込口116aから機構設置ケース170の内部空間に通過して球誘導樋106aへ移動し、当該球誘導樋106aを介して前記球通路ユニット80に形成された対応する始動口排出通路88,89へ誘導されるようになっている。
また、図10に示すように、前記各機構設置ケース170の上面には、上方へ開口する開口部170aが形成されて、前記第1または第2の分岐流入通路145,146と連通するようになっている(図18参照)。なお、以下の説明において、各機構設置ケース170において上方開口を作動球入口170aと指称するものとする。すなわち、第1可変始動入賞部161における機構設置ケース170の作動球入口170aに第1の分岐流入通路145が連通して、第1の分岐流入通路145に振り分けられたパチンコ球Pが当該第1可変始動入賞部161の機構設置ケース170の内部空間に流入すると共に、第2可変始動入賞部162における機構設置ケース170の作動球入口170aに、第2の分岐流入通路146(より正確には、上流側分岐排出通路84a)が連通して、第2の分岐流入通路146に振り分けられたパチンコ球Pが当該第2可変始動入賞部162の機構設置ケース170の内部空間に流入して、各機構設置ケース170に収容された第1作動機構175と接触するよう構成されている。
更に、前記各機構設置ケース170の左側面には、図10、図18に示すように、左右方向へ開口する開口部170bが形成されており、前記作動球入口170aを介して流入して第1作動機構175と接触したパチンコ球Pが、当該機構設置ケース170の左側面の開口部170bから排出されるようになっている。なお、以下の説明において、各機構設置ケース170において、パチンコ球Pが排出される開口部を作動球出口170bと指称するものとする。ここで、前記各機構設置ケース170の作動球出口170bは、前記球通路ユニット80に形成された第1または第2の分岐排出通路81,83の球入口と左右方向に略整列するよう構成されており、各機構設置ケース170の第1作動機構175と接触して作動球出口170bから排出されたパチンコ球Pが、整列した第1または第2の分岐排出通路81,83に流入し得るようになっている。具体的には、第1可変始動入賞部161における機構設置ケース170の作動球出口170bに第1の分岐排出通路81の球入口が整列し、第2可変始動入賞部162における機構設置ケース170の作動球出口170bに第2の分岐排出通路83(正確には下流側分岐排出通路84b)の球入口が整列するようになっている。なお、実施例では、後述するように、前記第1作動機構175に設けられた球受け部179(第1および第2誘導片181,182)が、前記機構設置ケース170の作動球出口170bを介して対応する分岐排出通路の球入口まで延出するよう構成されており、当該球受け部179を介して作動球出口170bから排出されたパチンコ球Pが対応の分岐排出通路の球入口まで誘導されるよう構成されている。更に、前記各機構設置ケース170右側面には、左右方向へ開口する開口部170cが形成されており、当該の左側面の開口部170cを介して前記第1作動機構175の操作部179a(後述)がケース外部に突出するようになっている。なお、以下の説明において、各機構設置ケース170において、操作部179aが突出する開口部を操作口170cと指称するものとする。
(第1作動機構175について)
前記可変始動入賞部161,162の第1作動機構175は、図11、図18、図20(b)、図21(b)に示すように、前記作動口101に連通した対応する分岐通路(分岐流入通路145,146)を通過するパチンコ球Pが接触し得るよう設けられてパチンコ球Pの接触に伴い基準位置から作動位置に変位可能な第1の作動部材176と、当該第1の作動部材176の基準位置から作動位置への変位を制止する制止部材190とを備えている。そして、前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位することで、第2作動機構200を作動させて始動口開閉部材165,166を閉鎖位置から開放位置へ変位させ得るよう構成されている。
(第1の作動部材176)
前記第1の作動部材176は、図11、図12、図14〜図17に示すように、前記機構設置ケース170に揺動可能に支持される第1基体部177と、該第1基体部177に設けられて前記分岐流入通路145,146を通過するパチンコ球Pが接触する球受け部179と、当該第1基体部177に設けられ、基準位置から作動位置への変位に伴って前記第2作動機構200を作動させる第1の押上げ部183とを備えており、球受け部179へのパチンコ球Pの接触に伴って第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位することにより、前記第2始動口開閉部材166を閉鎖位置から開放位置へ変位させ得るようになっている。なお、実施例では、前記第1基体部177、球受け部179および第1の押上げ部183の夫々が合成樹脂材により一体形成されている。そして、前記第1基体部177の端部に偏った位置に左右に貫通するよう形成された軸孔177aに、前記機構設置ケース170の左右側壁に支持される支軸177cが挿通されて、当該支軸177cを中心に第1の作動部材176が枢支されている。また、前記第1基体部177の略中央位置に形成された嵌合孔177bに、当該第1基体部177より比重の大きな錘部材178が嵌め込まれて、当該第1基体部177の重心が支軸177cから偏るよう構成されている。すなわち、前記第1の作動部材176(第1基体部177)は、静止状態において揺動中心が上側に位置する姿勢で前記機構設置ケース170に揺動自在に支持されている。なお、前記錘部材178は鋼や真鍮等の金属材により形成されているが、これに限られるものでない。また、静止状態は、前記球受け部179にパチンコ球Pが接触していない状態を基準としている。
(球受け部179)
前記球受け部179は、図11、図14〜図15に示すように、前記第1の作動部材176が静止状態にある状態で、前記第1基体部177の上端部から後方へ延出する球受け片180と、当該球受け片180の後部から側方(左側方)へ延出する第1誘導片181と、当該球受け片180および第1誘導片181の後端部から上方へ延出する第2誘導片182とを備えており、前記機構設置ケース170の作動球入口170aの下方に、当該球受け片180が臨むようになっている。すなわち、前記第1および第2の分岐流入通路145,146を通出したパチンコ球Pが、機構設置ケース170の作動球入口170aを介して対応する可変始動入賞部161,162の球受け片180上に落下するようになっており、当該球受け部179(球受け片180)上に落下したパチンコ球Pの重みにより、前記第1の作動部材176が揺動するようになっている。また、前記第1の作動部材176は、パチンコ球Pの重みにより揺動した際に、前記第2誘導片182の下端部が前記機構設置ケース170の下壁部173に当接して揺動規制されるようになっている。これにより、前記第1の作動部材176は、前記球受け部179(球受け片180)にパチンコ球Pが接触していない静止状態にある基準位置(図14参照)と、球受け部179(球受け片180)上に落下したパチンコ球Pの重みにより揺動した作動位置(図15参照)との間で変位するようになっている。そして、前記第1の作動部材176が作動位置に変位した状態では、前記第1および第2誘導片181,182の端縁部によりパチンコ球Pが支持されるよう構成されている。
ここで、前記第2誘導片182は、図11、図12に示すように、前記第1誘導片181の延出端部(球受け片180から離間する端部)に向かうにつれて、当該第1誘導片181に近接する傾斜状に形成されており、作動位置に第1の作動部材176が変位した際に第1および第2誘導片181,182の端縁部で支持されたパチンコ球Pが、当該第2誘導片182の傾斜によって第1誘導片181の延出端部へ向けて移動するようになっている。そして、前記第1誘導片181の延出端部(第1および第2誘導片181,182により案内されるパチンコ球Pの下流端部)が、前記排出通路ユニットに設けられた第1または第2の分岐排出通路81,83の球入口に臨むよう構成されて、第2誘導片182の傾斜によって第1誘導片181の延出端部へ向けて移動したパチンコ球Pが、対応する第1または第2の分岐排出通路81,83に流入して遊技盤20の外部に排出されるようになっている。すなわち、前記第1および第2誘導片181,182は、前記第1の作動部材176を作動位置に変位させたパチンコ球Pを対応する分岐排出通路へ案内するガイド部として機能している。
また、前記第1の作動部材176には、図10、図11に示すように、前記球受け部179の右端面から側方(右側方)へ突出する操作部179aが形成されて、前記機構設置ケース170に開設された操作口170cを介して当該操作部179aが機構設置ケース170の外部に突出するよう構成されている。すなわち、前記操作口170cを介して機構設置ケース170の外部に突出した操作部179aが、前記可変入球装置100(本体部材105)の裏側に露出している。また、前記可変入球装置100(本体部材105)の裏側に露出した前記操作部179aは、前記球通路ユニット80に形成された各可変始動入賞部161,162に対応する設置窓部90,91に臨んでおり、当該設置窓部90,91を介して球通路ユニット80(すなわち遊技盤20)の裏側から操作可能に露出するようになっている。すなわち、前記設置窓部90,91を介して操作部179aを操作することで、第1および第2可変始動入賞部161,162の第1の作動部材176を手動で操作して確認検査等を容易に行い得るよう構成されている。
(第1の押上げ部183について)
前記第1の押上げ部183は、図11、図14に示すように、前記第1の作動部材176が基準位置にある状態で、前記第1基体部177の前側下部位置から前方へ突出するよう形成されており、該第1の作動部材176が基準位置から作動位置に揺動するのに伴い第1の押上げ部183が上方へ変位するよう構成されている。そして、前記第1の作動部材176の基準位置から作動位置への揺動に伴う前記第1の押上げ部183の移動軌跡L(図17参照)に、前記第2作動機構200における第2の作動部材201の開放作動部203(何れも後述)が位置する場合に、当該第1の押上げ部183が第2の作動部材201(開放作動部203)を上方へ押し上げて、当該第2の作動部材201が後述する閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ回転変位されて、各可変始動入賞部161,162に対応の始動口開閉部材165,166が閉鎖位置から開放位置に変位するようになっている。すなわち、前記第1の作動部材176における第1の押上げ部183は、始動口開閉部材165,166を閉鎖位置から開放位置に変位させる作動部として機能する。なお、前記第1の押上げ部183は、前記第1基体部177の右端部に設けられており、各可変始動入賞部161,162に対応の球取込口115a,116aを通過したパチンコ球Pと干渉しないよう構成されている。
(第2の押上げ部184について)
前記第1の作動部材176には、図11、図14、図15に示すように、前記第1の押上げ部183から上方に離間した位置に、上方へ突出する第2の押上げ部184が形成されている。前記第2の押上げ部184は、前記第1の作動部材176の基準位置と作動位置の間の位置(以下、制止位置という)において前記制止部材190(具体的には後述の揺動制止部192)と当接するよう構成されており、当該第2の押上げ部184が制止部材190に接触することで、制止位置から作動位置への第1の作動部材176の揺動を抑制させるようになっている。ここで、前記第1の押上げ部183が第2作動機構200の第2の作動部材201(開放作動部203)を押し上げる前(閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ変位する前)に、前記第2の押上げ部184が制止位置まで移動して制止部材190に当接するよう構成され、当該制止部材190との当接により第1の作動部材176の揺動を抑制するようになっている。具体的には、前記第1の押上げ部183が第2作動機構200の第2の作動部材201(開放作動部203)に当接する前に、前記第2の押上げ部184が制止位置に移動して制止部材190と当接するよう構成されている。なお、前記第2の押上げ部184は、前記第1の押上げ部183と同様に、前記第1基体部177の右端部に設けられている。
(制止部材190について)
前記制止部材190は、図11、図12、図14〜図17に示すように、前記機構設置ケース170の内部空間において前後方向に延在する矩形板状に形成されると共に当該機構設置ケース170に揺動可能に支持された揺動板191と、前記第1の作動部材176に形成された第2の押上げ部184に当接する揺動制止部192とを備えており、当接した第2の押上げ部184が揺動制止部192を押し上げることで、制止部材190が強制的に揺動されるよう構成される。前記揺動板191は、左右側端面の前端部に、前記機構設置ケース170に枢支される軸部191aが形成されている。
そして、図14、図17に示すように、前記揺動板191の後端部が前記第1の作動部材176における第1基体部177の上面に載置されると共に、当該揺動板191の右端部に下方へ向けて突出するよう前記揺動制止部192が形成されて、前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ揺動する際に前記第2の押上げ部184が移動する移動軌跡に揺動制止部192が臨むよう構成されている。前記揺動制止部192は、前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ揺動する過程において当該第1の作動部材176が制止位置まで揺動した際に、前記第2の押上げ部184が当接するよう構成されており、第2の押上げ部184が揺動制止部192に当接することで、制止位置から第2作動位置へ向けての第1の作動部材176の揺動を抑制するようになっている。
すなわち、パチンコ機10に発生する振動等により前記第1の作動部材176が自然に揺動した場合に、前記制止位置において第2の押上げ部184が制止部材190の揺動制止部192に当接することで、当該制止部材190の重みが当該第1の作動部材176が揺動する抵抗となり、制止位置から第2作動位置への第1の作動部材176の揺動が規制されて、前記第2の作動部材201(開放作動部203)の作動を防止するようになっている。一方で、前記球受け部179に落下したパチンコ球Pにより前記第1の作動部材176が強制的に揺動された場合には、前記制止位置において第2の押上げ部184が制止部材190の揺動制止部192に当接した後も第1の作動部材176が作動位置へ向けて揺動を継続し、第2の押上げ部184が揺動制止部192を押し上げて揺動板191(制止部材190)を揺動させることで、当該第1の作動部材176が作動位置に揺動することにより、前記第2の作動部材201(開放作動部203)を作動させ得るようになっている。なお、前記第1の作動部材176が基準位置にある状態では、前記第2の押上げ部184と揺動制止部192とが離間しており、パチンコ機10に発生する振動等による第1の作動部材176の自然な揺動を許容している。
また、前記制止部材190には、前記揺動板191の後端上部位置に、ネジやピン等の錘部材の錘取付部194が設けられている(図12参照)。すなわち、前記揺動板191の錘取付部194に錘部材を取り付けることで、前記第2の押上げ部184が揺動制止部192に当接してから作動位置まで第1の作動部材176が揺動するための抵抗が高まり、パチンコ機10の設置環境等によって大きな振動の発生が懸念される場合でも、前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ自然に揺動するのを抑制し得る。
また、前記制止部材190には、図11、図12、図14〜図17に示すように、前記揺動板191の下面に下方へ向けて突出するよう回転制止部193が設けられている。そして、前記第2作動機構200の第2の作動部材201が回転変位する際に、前記制止部材190の回転制止部193に対して、当該第2の作動部材201に設けた入球作動部206,207(何れも後述)が当接し得るようになっており、当該第2の作動部材201(入球作動部206,207)と回転制止部193とが当接することで、第2の作動部材201の回転変位を抑制するようになっている。すなわち、実施例の制止部材190は、前記第1および第2の作動部材176,201の作動を制止する機能を備えている。
ここで、前記回転制止部193は、図17に示すように、前記第2作動機構200の第2の作動部材201が回転する際に入球作動部206,207が移動する移動軌跡に臨むよう前記揺動板191の下面に設けられている。すなわち、前記第2作動機構200の第2の作動部材201が順回転方向(閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ向かう回転方向)へ回転する過程において、前記入球作動部206,207が前記回転制止部193に対して下方から当接し得るよう構成されており、当該入球作動部206,207が回転制止部193に当接することで、当該制止部材190の重みが当該第2の作動部材201の回転抵抗となるようになっている。また、前記回転制止部193の前面下部は、下方へ向かうにつれて後方へ退避するよう湾曲した曲面形状に形成されており、当該曲面形状をなす回転制止部193の曲面部に、前記第2の作動部材201の入球作動部206,207が下方から当接するよう構成される。すなわち、前記第2作動機構200の第2の作動部材201が順回転方向に強制的に回転した場合には、前記入球作動部206,207が回転制止部193を押し上げて揺動板191を揺動させることにより、当該第2の作動部材201の順回転方向への回転を継続し得るようになっている。
(第2作動機構200について)
前記第2作動機構200は、図10、図11、図12〜図17に示すように、各可変始動入賞部161,162に対応する始動口開閉部材165,166を閉鎖位置に保持する閉鎖保持位置(基準位置、図14参照)と、当該始動口開閉部材165,166の閉鎖位置での保持を解除して開放位置への変位を許容する入球作動位置(作動位置、図15、図16参照))との間で変位可能な第2の作動部材201を備えている。そして、前記第1作動機構175の第1の作動部材176により第2の作動部材201が作動されると共に、各可変始動入賞部161,162に対応する可変始動口102,103に連通した取込通路115,116を通過するパチンコ球Pとの接触に伴って第2の作動部材201が作動されるようになっている。
具体的に、前記第2の作動部材201は、前記閉鎖保持位置において、前記第1の作動部材176により作動可能で、かつ対応する取込通路115,116を通過するパチンコ球Pと非接触(作動不能)となるよう構成され、当該第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位するのに伴って、当該第2の作動部材201を閉鎖保持位置から入球作動位置に変位させるよう構成されている。また、前記第2の作動部材201は、前記入球作動位置において、前記第1の作動部材176により作動不能で、かつ対応する取込通路115,116を通過するパチンコ球Pと接触可能(作動可能)となるよう構成され、当該第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位した際には第2の作動部材201が作動されることなく入球作動位置に保持されると共に、対応する取込通路115,116を通過するパチンコ球Pとの接触に伴って、当該第2の作動部材201を入球作動位置から閉鎖保持位置に変位させ得るよう構成されている。
ここで、前記第2の作動部材201は、対応する取込通路115,116を通過するパチンコ球Pとの接触可能な複数(実施例では2つ)の入球作動位置に変位し得るよう構成されている。すなわち、前記閉鎖保持位置において前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位するのに伴って、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置から第1入球作動位置(図15参照)に変位され、当該第1入球作動位置において、対応する取込通路115,116を通過するパチンコ球Pとの接触に伴って、第2の作動部材201が第1入球作動位置から第2入球作動位置(図16参照)に変位されると共に、当該第2入球作動位置において、対応する取込通路115,116を通過するパチンコ球Pとの接触に伴って、第2の作動部材201が第2入球作動位置から閉鎖保持位置(図14参照)に変位されるようになっている。このように、前記第2作動機構200(第2の作動部材201)は、前記第1作動機構175(第1の作動部材176)の作動および各可変始動入賞部161,162に対応する可変始動口102,103へ入賞したパチンコ球Pとの接触に伴って、閉鎖保持位置、第1および第2入球作動位置に順次切り替えられるよう構成されている。言い換えると、第1および第2可変始動入賞部161,162は、前記第1ソレノイド135の駆動に伴い開放した前記作動口101に入球したパチンコ球Pとの接触に伴い入球作動位置に変位された前記第1の作動部材176が対応する始動口開閉部材165,166の開閉状態を切り替えるようになっている。ここで、第2の作動部材201は、機構設置ケース170に回転可能に配設されており、閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ向けて変位する第2の作動部材201の変位方向(図13における右回転方向)を順回転方向(順方向)と指称し、第1入球作動位置から閉鎖保持位置へ向けて回転する第2の作動部材201の回転方向(図13における左回転方向)を逆回転方向(逆方向)と指称している。
(第2の作動部材201について)
前記第2の作動部材201は、図11に示すように、前記機構設置ケース170に回転可能に支持される第2基体部202と、前記閉鎖保持位置において前記第1作動機構175(第1の作動部材176)の作動に伴って第2の作動部材201を入球作動位置へ向けて順回転方向に変位させる開放作動部203と、閉鎖保持位置において対応する始動口開閉部材165,166を閉鎖位置に保持すると共に閉鎖保持位置から変位することで始動口開閉部材165,166の開放位置への変位を許容する閉鎖保持部204と、第2入球作動位置から閉鎖保持位置へ向けて順回転方向に変位する際に始動口開閉部材165,166を開放位置から閉鎖位置に変位させる閉鎖作動部205と、前記第1または第2入球作動位置において前記可変始動口102,103に連通した取込通路115,116を通過するパチンコ球Pと接触し得るよう設けられ、当該パチンコ球Pとの接触に伴い第2の作動部材201を閉鎖保持位置へ向けて順回転方向に変位させる入球作動部206,207とを備えている。なお、実施例では、前記第2基体部202、開放作動部203、入球作動部206,207、閉鎖保持部204および閉鎖作動部205の夫々が合成樹脂材により一体形成されている。
図11に示すように、前記第2基体部202には、貫通する軸孔202aが形成されて、当該軸孔202aに挿通された支軸202bが前記機構設置ケース170の左右側壁に支持されている。そして、前記第2基体部202の軸方向の一方端部(実施例では右側端部)に偏った位置に、当該第2基体部202から径方向外方へ突出するよう前記開放作動部203が形成されている。前記開放作動部203は、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態で、前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位する際に前記第1の押上げ部183が移動する移動軌跡に延出して、当該第1の押上げ部183の上方に位置するようになっている。すなわち、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態では、前記第1の作動部材176の基準位置から作動位置への変位に伴って、前記開放作動部203の下側から当接する前記第1の押上げ部183が開放作動部203を押し上げることにより、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ強制的に変位されるようになっている。また、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置以外にある状態(すなわち第1または第2入球作動位置にある状態)では、前記第1の押上げ部183の移動軌跡から開放作動部203が離脱して、開放作動部203に対して第1の押上げ部183が当接しないよう構成されている。すなわち、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置以外にある状態では、前記第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ変位した際に、第2の作動部材201が第1または第2入球作動位置で保持されるようになっている。
また、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態では、図17に示すように、前記基準位置にある第1の作動部材176の第1の押上げ部183と、前記開放作動部203が所定間隔で離間するようになっている。この第1の押上げ部183と開放作動部203との離間間隔は、前記第1の作動部材176が基準位置から制止位置へ変位する間、第1の押上げ部183と開放作動部203との非当接状態が保たれる間隔に設定されており、パチンコ機10の振動等により第1の作動部材176が基準位置および制止位置の間で自然に揺動した際に、前記第1の押上げ部183が開放作動部203を押し上げることなく第2の作動部材201を閉鎖保持位置で保持し得るよう構成されている。
(閉鎖保持部204)
前記閉鎖保持部204は、図11、図12、図14〜図17に示すように、前記第2基体部202の軸方向の端部に、当該第2基体部202から径方向外方へ突出するよう形成されている。実施例では、第2基体部202の軸方向の左右両端部に閉鎖保持部204が左右対称に形成されているが、当該第2基体部202の軸方向の左端部に設けられた閉鎖保持部204が対応する始動口開閉部材165,166を閉鎖位置に保持するよう構成され、第2基体部202の軸方向の右端部に設けられた閉鎖保持部204は始動口開閉部材165,166の閉鎖位置への保持に対して実質的に寄与していない。なお実施例では、第2基体部202の軸方向の両端部に前記閉鎖保持部204が左右対称に形成されているが、対応の始動口開閉部材165,166側に位置する端部だけに閉鎖保持部204を形成してもよく、また閉鎖保持部204の形成位置としては、第2基体部202の軸方向端部である必要はない。
前記閉鎖保持部204は、図11、図12、図14〜図17に示すように、前記第2の作動部材201(第2基体部202)の回転方向(周方向)へ所定角度範囲に亘って延在する平板状に形成されている。そして、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態では、各可変始動入賞部161,162に対応する取込口115a,116aを介して取込通路115,116(作動通路118)へ閉鎖保持部204が突出し、第2の作動部材201が第1または第2入球作動位置にある状態では、各可変始動入賞部161,162に対応する取込口115a,116aの後方に退避して取込通路115,116(作動通路118)へ閉鎖保持部204が突出しないようよう構成されている。ここで、前記閉鎖保持部204は、対応する取込口115a,116aの開口側縁(開口左側縁)に近接位置するよう形成されて、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態において、前記閉鎖位置および開放位置の間で始動口開閉部材165,166が変位する際に係合片167が移動する移動軌跡内に、各始動口開閉部材165,166に対応した可変始動入賞部161,162の閉鎖保持部204が臨むよう形成される。
すなわち、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態では、前記閉鎖保持部204の側面(左側面)に対応の始動口開閉部材165,166の係合片167が当接して、当該各始動口開閉部材165,166の自重による開放位置への揺動が規制され、これにより始動口開閉部材165,166が閉鎖位置に保持されるようになっている。そして、前記第2の作動部材201が第1入球作動位置に変位した状態では、前記各始動口開閉部材165,166の開閉変位に伴う係合片167の移動軌跡から各対応の閉鎖保持部204が離脱して閉鎖保持部204による係合片167の当接規制が解除され、第1入球作動位置へ変位した第2の作動部材201に対応した始動口開閉部材165,166が、自重により閉鎖位置から開放位置へ開放変位するようになっている。
(閉鎖作動部205について)
図11、図12、図14〜図17に示すように、前記閉鎖保持部204における前記第2の作動部材201の順回転方向の前側に位置する端部に、前記閉鎖作動部205が設けられている。すなわち、第2の作動部材201が第2入球作動位置から閉鎖保持位置へ回転変位する際に、当該第2の作動部材201に対応した始動口開閉部材165,166の係合片167に対して閉鎖作動部205が上方から当接して押し下げることにより、当該始動口開閉部材165,166を強制的に開放位置から閉鎖位置へ変位させるようになっている。そして、前記第2の作動部材201が第2入球作動位置から閉鎖保持位置に変位した際には、前述のように当該閉鎖保持位置に保持された第2の作動部材201の閉鎖保持部204により係合片167が当接規制されて、対応する始動口開閉部材165,166が閉鎖位置に保持されるようになっている。ここで、前記閉鎖作動部205は、前記第2の作動部材201の第2基体部202から径方向外方に離間する端部が前記第2の作動部材201の順回転方向前側へ延出する鉤状に屈曲形成されており、第2入球作動位置から閉鎖保持位置に第2の作動部材201が回転変位した際に、閉鎖作動部205の屈曲部が対応の始動口開閉部材165,166の係合片167に引っ掛かることで、閉鎖作動部205と係合片167との係合が解除されるのを防止するようになっている。
(入球作動部206,207について)
前記入球作動部206,207は、図11、図12、図14〜図17に示すように、前記第2基体部202から径方向外方へ突出するよう形成されている。実施例の第2の作動部材201には、前記第2基体部202の周方向に離間する複数箇所(実施例では2箇所)に前記入球作動部206,207が突出するよう形成され、当該第2の作動部材201の回転変位位置(第1または第2入球作動位置)に応じて、各可変始動入賞部161,162に対応する可変始動口102,103に連通した取込通路115,116(作動通路118)に入球作動部206,207が突出するようになっている。また、前記各入球作動部206,207は、前記第2基体部202の軸方向の中間位置に設けられて、対応する取込口115a,116aの取込通路115,116(作動通路118)に対して左右幅方向の略中央に位置するようになっており、前記第1または第2入球作動位置に第2の作動部材201がある状態で、当該取込通路115,116(作動通路118)を通過するパチンコ球Pが入球作動部206,207に対して確実に接触し得るようになっている。
具体的に、前記第2の作動部材201には、前記第2の作動部材201が第1入球作動位置に回転変位した状態で対応する取込口115a,116aを介して取込通路115,116(作動通路118)に突出する第1入球作動部206と、第2の作動部材201が第2入球作動位置に回転変位した状態で対応する取込口115a,116aを介して取込通路115,116(作動通路118)に突出する第2入球作動部207とが設けられている。すなわち、第1入球作動位置では、前記第1入球作動部206に接触したパチンコ球Pが第2の作動部材201を順回転方向へ付勢して、当該第2の作動部材201を第2入球作動位置へ回転変位させ、第2入球作動位置では、前記第2入球作動部207に接触したパチンコ球Pが第2の作動部材201を順回転方向へ付勢して、当該第2の作動部材201を閉鎖保持位置へ回転変位させるようになっている。
また、図14〜図17に示すように、前記第2の作動部材201の回転変位に伴う前記第1および入球作動部206,207の移動軌跡に、前記制止部材190の回転制止部193が延出するよう構成されている。具体的に、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態で、当該第2の作動部材201が順回転方向に変位する際に前記第2入球作動部207が移動する移動方向前側に回転制止部193が位置している(図17参照)。また、前記第2の作動部材201が第2入球作動位置にある状態で、第2の作動部材201が順回転方向に変位する際に前記第1入球作動部206が移動する移動方向前側に回転制止部193が位置するようになっている(図17参照)。すなわち、パチンコ機10に発生する振動等により、前記第2の作動部材201が自然に揺動した場合に、前記第1入球作動部206や第2入球作動部207が制止部材190の回転制止部193に当接することで、当該制止部材190の重みが第2の作動部材201の回転抵抗となり、第2の作動部材201の順回転方向への回転変位を防止し得るようになっている。一方で、前記第1の作動部材176の球受け部179にパチンコ球Pが落下して作動位置に変位した第1の作動部材176が前記制止部材190を強制的に揺動させた際に、前記第2の作動部材201の回転変位に伴う第1および入球作動部206,207の移動軌跡から回転制止部193が退避するよう構成されている。従って、前記第1の作動部材176の作動位置への変位に伴って前記第1の押上げ部183が開放作動部203を押し上げることで、第2入球作動部207が制止部材190の回転制止部193に当接することなく前記第2の作動部材201の順回転方向への回転変位が許容されるようになっている。
このように、可変始動入賞部161,162は、閉鎖位置にある始動口開閉部材165,166に対して対応する第1の作動部材176が間接的に接続(すなわち第2の作動部材201を介して接続)し得るよう構成されると共に、始動口開閉部材165,166および第1の作動部材176の接続状態において第1ソレノイド135の駆動に伴い開放した作動口101に入球したパチンコ球との接触に伴い作動位置に変位された第1の作動部材176が、当該始動口開閉部材165,166を閉鎖位置から開放位置に変位させるよう構成されている。そして、開放位置にある始動口開閉部材165,166に対して対応の第2の作動部材176が接続し得るよう構成され、始動口開閉部材165,166との接続状態において可変始動口102,102に入賞したパチンコ球Pとの接触に伴い閉鎖保持位置に変位した第2の作動部材176が、当該始動口開閉部材165,166を開放位置から閉鎖位置に変位させるようになっている。
(回転規制部210について)
前記回転規制部210は、前記機構設置ケース170に枢支された係止アーム211と、前記第2の作動部材201に設けられて係止アーム211と係脱可能に係合する係止受け部213とから構成され、当該係止アーム211と係止受け部213との係合により第2の作動部材201の逆回転方向への回転変位を規制するようになっている。前記係止アーム211は、前後方向に長尺な棒状に形成されて、当該係止アーム211の一端部(実施例では後端部)が前記機構設置ケース170の左壁部に揺動可能に枢支されている。そして、前記係止アーム211の他端部(実施例では前端部)に、第2作動部材側へ向けて突出する係止突部211aが設けられており、当該係止突部211aが前記係止受け部213に係脱可能に係合するようになっている。また、前記係止アーム211は、付勢手段212により前記係止突部211aを下方へ向けて付勢されている。なお、実施例では、付勢手段として係止アーム211の軸部191aにねじりバネ212を巻き掛けて係止突部211aを下方へ向けて付勢するよう構成されているが、付勢手段としては従来公知の各種手段を採用可能である。
前記係止受け部213は、図11に示すように、前記第2の作動部材201における第2基体部202の左端部に設けられている。前記係止受け部213は、前記機構設置ケース170の左壁部側に開口する筒状に形成され、当該係止受け部213の内部に、前記係止アーム211の係止突部211aが挿入されている。すなわち、前記ねじりバネ212の付勢により常には前記係止アーム211の係止突部211aが前記係止受け部213の内周面を摺動するよう構成されている。そして、前記係止受け部213には、前記内周面から内方に突出する係止爪213aが第2の作動部材201の回転方向へ離間する複数箇所(実施例では3箇所)に形成されており、当該係止受け部213の内周面を摺動する前記係止突部211aが係止爪213aに係合することで、当該第2の作動部材201の回転が規制されるようになっている。ここで、前記係止爪213aは、前記第2の作動部材201が順回転方向に回転した際に前記係止突部211aが係合することなく摺動し得るよう形成される一方、第2の作動部材201が逆回転方向に回転した際に係止突部211aが係合して第2の作動部材201の回転を規制するよう傾斜状に形成されている。すなわち、前記係止受け部213に設けた係止爪213aの傾斜により、前記第2の作動部材201の順回転方向への回転が許容される一方で、逆回転方向への回転を規制している。
ここで、前記係止受け部213の各係止爪213aは、図13に示すように、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置、第1および第2入球作動位置にある状態で、前記係止アーム211の係止突部211aと係合するよう形成されている。従って、前記第2の作動部材201が閉鎖保持位置にある状態では、前記球受け部179へのパチンコ球Pの落下により前記第1の作動部材176が作動された場合に、第2の作動部材201が逆回転方向に回転変位することなく閉鎖保持位置から第1入球作動位置に回転変位され、第2の作動部材201が第1入球作動位置にある状態では、各可変始動入賞部161,162に対応する可変始動口102,103に入賞したパチンコ球Pとの接触により第1入球作動部206が作動された場合に、第2の作動部材201が逆回転方向に回転変位することなく第1入球作動位置から第2入球作動位置に回転変位され、第2の作動部材201が第2入球作動位置にある状態では、各可変始動入賞部161,162に対応する可変始動口102,103に入賞したパチンコ球Pとの接触により第2入球作動部207が作動された場合に、第2の作動部材201が逆回転方向に回転変位することなく第2入球作動位置から閉鎖保持位置に回転変位されるようになっている。
(特図表示部について)
図2に示すように、前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域21の外側右下部位置)には、前記固定始動口31、第1または第2可変始動口102,103への入賞(各始動口に対応の検出センサ75,77,78による球検出)を契機として作動する特図表示部(特図表示手段)50A,50Bが設けられている。ここで、特図表示部50A,50Bは、前記固定始動口31または第1可変始動口102への入賞を契機として変動表示を開始する第1特図表示部50Aと、第2可変始動口103への入賞を契機として変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)のLEDランプにより構成されている。そして、前記固定始動口31または第1可変始動口102へのパチンコ球Pの入賞を契機として、第1特図表示部50AのLEDランプが順次点灯・消灯する点滅変動する特図変動表示が行われ、最終的にLEDランプが確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特別図柄(以下、特図という)を表示するようになっている。また、第2可変始動口103へのパチンコ球Pの入賞を契機として、第2特図表示部50BのLEDランプが点灯・消灯する点滅変動する変動表示が行われて、最終的に発光部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により特図を表示するよう構成されている。
ここで、前記特図は、特図当り抽選の結果が当り(大当り)か否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされて、前記各特図表示部では、LEDランプの点灯位置により大当りを認識し得る当り表示(大当り図柄)としての特図と、はずれを認識し得るはずれ表示結果としての特図とが表示可能に構成されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が特図表示部50A,50Bに確定停止表示される。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特図2と称する場合がある。
(普図表示部55について)
また、図2に示すように、前記遊技盤20には、前記遊技領域21の外側右下部位置に、複数のLED(実施例では2個)からLEDランプが構成された普図表示部55が配設されている。この普図表示部55では、ゲートセンサ76のパチンコ球Pの検出(ゲート部33のパチンコ球Pの通過)を契機として、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて普図抽選の結果を表示するようになっている。そして、前記普図表示部55の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。
(確変について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。ここで、第1特典遊技状態としては、前記特別入賞口41へのパチンコ球Pの入賞契機が、当該第1特典遊技状態が付与されていない状態に較べて増加する状態である。具体的には、第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変動することにより特別入賞口41へのパチンコ球Pの入賞契機の発生割合を高くすることができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図1または特図2)の種類が予め定めた図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(例えば、1/399)から高確率(例えば、1/60)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、所定回数の図柄変動演出(特図変動)が実行されるまでの間継続して確変状態が付与される。
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、作動口開閉部材131により開閉される前記作動口101へのパチンコ球Pの入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての作動口101を開放する作動口開閉部材131の開放時間を増やすこと、により作動口101へのパチンコ球Pの入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお普図当り1回についての作動口101を開放する作動口開閉部材131の開放時間を増やすに際しては、作動口開閉部材131の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また作動口開閉部材131の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態として上記(1)〜(3)を組み合わせており、以下の説明では、これら(1)〜(3)を組み合わせた状態を便宜的に「変短状態」というものとする。すなわち、変短状態は、作動口101へのパチンコ球Pの入賞率が向上した入賞率向上状態である。なお、実施例の変短状態では、大当り遊技終了後の前記普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間を短縮すると共に、普図当り確率を低確率低確率(実施例では、1/65536)から高確率(実施例では、65535/65536)に変動させるよう設定してある。ここで、変短状態の付与条件は、後述するように大当り図柄の種類毎に定められている。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部に大当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り図柄の種類に応じて特別入賞部40の開閉扉43が開閉動作される。なお実施例の大当り遊技では、特別入賞部40の開閉扉43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定個数(例えば10個)のパチンコ球Pが入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉扉43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、図23に示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特図1および特図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。
(固定始動口31または第1可変始動口102への入賞に基づく大当り図柄について)
前記固定始動口31または第1可変始動口102へのパチンコ球Pの入賞に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、固定始動口31または第1可変始動口102へパチンコ球Pが入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の大当り図柄(図柄A〜図柄C)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機10では、固定始動口31または第1可変始動口102へのパチンコ球Pの入賞に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、70%の割合で大当り図柄としての図柄Aが選択され、15%の割合で大当り図柄としての図柄Bが選択され、15%の割合で大当り図柄としての図柄Cが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
前記図柄Aに対応した第1の大当り遊技は、第1の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される大当り図柄として設定されている。また、前記図柄Aに対応した第1の大当り遊技は、第1の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を第1開閉動作パターンP1で動作させる大当り図柄として設定される。また、前記第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技である。この第1の大当り遊技では、1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。一方で、第1の大当り遊技における5ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放させるものの、4ラウンド目までに開閉扉43に行わせる前記長時間開放動作よりも特別入賞口41の開放時間が短くなる短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。ここで、第1の大当り遊技における1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技は、1回のラウンド遊技に定められた規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な開放時間で開閉扉43が開放動作するよう設定され、5ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技は、パチンコ球が略入賞不能な開放時間で開閉扉43が開放動作するよう設定されている。
具体的に、第1の大当り遊技では、図23に示すように、1ラウンド目(1R)〜4ラウンド目(4R)の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、5ラウンド目(5R)〜16ラウンド目(16R)の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。なお、第1の大当り遊技では、ラウンド間インターバル時間(Int)が「2.0(秒)」に設定されている。すなわち実施例において、第1の大当り遊技は、1ラウンド目〜4ラウンド目のラウンド遊技におけるパチンコ球の入賞により500個前後の賞球を獲得し得る形態で特別入賞部40の開閉扉43を開閉させるよう構成されている。
前記図柄Bに対応した第2の大当り遊技は、第2の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される大当り図柄として設定されている。また、前記図柄Bに対応した第2の大当り遊技は、第2の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を第2開閉動作パターンP2で動作させる大当り図柄として設定される。また、前記第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技である。この第2の大当り遊技の各ラウンド遊技における開閉扉43の開閉動作は、前述した第1の大当り遊技と同じに設定されていることから、その詳細は省略する。すなわち実施例では、第2の大当り遊技は、第1の大当り遊技と同様に当該第2の大当り遊技において500個前後の賞球を獲得し得る形態で前記特別入賞部40の開閉扉43を開閉させるよう構成されている。このように、図柄Aおよび図柄Bは、対応する大当り遊技終了後の普図当りの当選に伴う前記可変作動入球部130の作動口開閉部131の開閉動作態様が異なった大当り図柄として設定されている。
前記図柄Cに対応した第3の大当り遊技は、第2の大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、図柄C(第3の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間として、当該第3の大当り遊技終了後に10回の図柄変動演出(第1特図変動表示または第2特図変動表示)が実行される期間に設定されている。また、前記図柄Cに対応した第3の大当り遊技は、第3の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を第2開閉動作パターンP2で動作させる大当り図柄として設定される。また、前記第3の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技である。この第3の大当り遊技の各ラウンド遊技における開閉扉43の開閉動作は、前述した第1の大当り遊技と同じに設定されていることから、その詳細は省略する。すなわち実施例では、第3の大当り遊技は、第1の大当り遊技と同様に当該第3の大当り遊技において500個前後の賞球を獲得し得る形態で前記特別入賞部40の開閉扉43を開閉させるよう構成されている。
(第2可変始動口103への入賞に基づく大当り図柄について)
前記第2可変始動口103へのパチンコ球Pの入賞に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、第2可変始動口103へパチンコ球Pが入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、3種類の大当り図柄(図柄a〜図柄c)の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定される。更に、実施例のパチンコ機10では、70%の割合で大当り図柄としての図柄aが選択され、15%の割合で大当り図柄としての図柄bが選択され、15%の割合で大当り図柄としての図柄cが選択されるよう特図決定用判定値が割り当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分割合は一例であり、これに限られるものではない。
前記図柄aに対応した第4の大当り遊技は、第4の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される大当り図柄として設定されている。また、図柄aに対応した第4の大当り遊技は、第4の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を第2開閉動作パターンP2で動作させる大当り図柄として設定される。また、前記第4の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技である。この第4の大当り遊技では、1ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技はラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する長時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。ここで、第4の大当り遊技における1ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技は、1回のラウンド遊技に定められた規定個数(例えば10個)のパチンコ球が入賞可能な開放時間で開閉扉43が開放動作するよう設定されている。
具体的に、第4の大当り遊技では、図23に示すように、1ラウンド目(1R)〜16ラウンド目(16R)の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。すなわち実施例において、第4の大当り遊技は、1ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技におけるパチンコ球の入賞により2000個前後の賞球を獲得し得る形態で特別入賞部40の開閉扉43を開閉させるよう構成されている。
前記図柄bに対応した第5の大当り遊技は、第5の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまで確変状態が継続して付与されると共に、該確変状態が継続する間、変短状態が付与される大当り図柄として設定されている。また、図柄bに対応した第5の大当り遊技は、第5の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を第2開閉動作パターンP2で動作させる大当り図柄として設定される。また、前記第5の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技である。この第5の大当り遊技では、1ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技はラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口を開放する短時間開放動作を開閉扉43に行わせるよう設定されている。ここで、第5の大当り遊技における1ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技は、パチンコ球が略入賞不能な開放時間で開閉扉43が開放動作するよう設定されている。具体的に、第4の大当り遊技では、図23に示すように、1ラウンド目(1R)〜16ラウンド目(16R)の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.04(秒)」が設定されている。すなわち実施例において、第5の大当り遊技は、1ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技においてパチンコ球が略入賞が不可能で賞球を殆ど獲得し得ない形態(例えば0〜50個程度)で特別入賞部40の開閉扉43を開閉させるよう構成される。
前記図柄cに対応した第6の大当り遊技は、第6の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与されない大当り遊技として設定されている。また、前記図柄cに対応した第6の大当り遊技は、第6の大当り遊技の終了後に次の大当り遊技に当選するまでの間、普図当りに当選した際に前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を第3開閉動作パターンP3で動作させる大当り図柄として設定される。また、前記第6の大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されたラウンド大当り遊技である。この第6の大当り遊技の各ラウンド遊技における開閉扉43の開閉動作は、前述した第5の大当り遊技と同じに設定されていることから、その詳細は省略する。すなわち実施例では、第6の大当り遊技は、第5の大当り遊技と同様に当該第6の大当り遊技において賞球を殆ど獲得し得ない形態(例えば0〜50個程度)で特別入賞部40の開閉扉43を開閉させるよう構成される。
すなわち、実施例のパチンコ機10は、決定された大当り遊技の種類に応じて、大当り遊技後に遊技可能な複数種類の遊技状態が設定されている。すなわち、確変状態および変短状態が付与されると共に作動口開閉部材131が第1開閉動作パターンP1で動作する第1の大当り遊技後に遊技可能な遊技状態と、確変状態および変短状態が付与されると共に作動口開閉部材131が第2開閉動作パターンP2で動作する第2,第4および第5の大当り遊技後に遊技可能な遊技状態と、確変状態および変短回数10回の変短状態が付与されると共に作動口開閉部材131が第2開閉動作パターンP2で動作する第3の大当り遊技後に遊技可能な遊技状態と、確変状態および変短状態が付与されず、作動口開閉部材131が第3開閉動作パターンP3で動作する第6の大当り遊技後に遊技可能な遊技状態とが設定されている。ここで、第3開閉動作パターンP3は、確変状態および変短状態が付与されていない状態で作動口開閉部材131が動作される動作パターンであり、第3の大当り遊技後に付与された10回の変短回数の図柄変動演出が行われた後にも、作動口開閉部材131が第3開閉動作パターンP3で動作するよう構成される。
(可変作動入球部130および通路振分部150の駆動制御について)
前記メイン制御CPU60aは、普図当りに伴って作動口101に入球したパチンコ球Pを通出させる分岐通路(第1または第2の分岐流入通路145,146)を決定するよう構成されている。具体的には、普図当りに伴う可変作動入球部130の作動口開閉部材131の動作態様(開閉動作パターンP1〜P3)をメイン制御CPU60aが決定することで、前記作動口101に入球したパチンコ球Pが第1の分岐通路(第1の分岐流入通路145)および第2の分岐通路(第2の分岐流入通路146)の何れかに振り分けられるよう構成されている。ここで、作動口101に入球したパチンコ球Pが第1の分岐通路(第1の分岐流入通路145)および第2の分岐通路(第2の分岐流入通路146)の何れの通路に振り分けられるかは、前記可変入球装置100の前記振分領域にパチンコ球Pが到来するタイミングと、そのタイミングにおける通路振分部150の振分体151の動作位置とにより定まる。そこで、通路振分部150の振分体151の動作態様と、メイン制御CPU60aが決定する可変作動入球部130の作動口開閉部材131の動作態様との関係について、説明する。
(通路振分部150における振分体151の動作について)
前記通路振分部150は、普図当りに伴って一定の動作パターンで第1振分位置および第2振分位置に振分体151が変位するよう前記メイン制御CPU60aにより駆動制御される。具体的に、図24に示すように、普図当りに当選した場合には、普図当りが開始してから所定の作動タイミングにおいて振分体151を第1振分位置から第2振分位置に変位させ、第2振分位置への変位から所定の時間(第1振分時間TZ1)の経過後に、当該振分体151を第2振分位置から第1振分位置に変位させ、普図当りが開始してから所定の時間(第2振分時間TZ2)の経過後に、当該振分体151を第1振分位置から第2振分位置に変位させると共に、普図当りが開始してから所定の時間(第3振分時間TZ3)の経過後に、当該振分体151を第2振分位置から第1振分位置に変位させるよう構成されている。すなわち、普図当りが開始してから、振分体151が第1振分位置にあるタイミングで分岐領域に到来したパチンコ球Pが、第1の分岐通路(第1の分岐流入通路145)へ振り分けられ、通路振分部150の振分体151が第2振分位置にあるタイミングで可変入球装置100の分岐領域に到来したパチンコ球Pが、第2の分岐通路(第2の分岐流入通路146)へ振り分けられる。ここで、実施例では、普図当りの場合に普図変動表示が終了してから所定の開放待機時間(例えば500ミリ秒)が経過したタイミングが、作動タイミングに設定されている。
また、前記第1振分時間TZ1は、第1振分位置から第2振分位置への振分体151の変位(作動タイミング)と同時に作動口101に入球したパチンコ球Pが分岐領域まで移動するのに必要な時間よりも短い時間に設定されている。すなわち、振分体151の作動タイミングと同時に作動口101に入球したパチンコ球Pは、実質的に前記第2の分岐通路(第2の分岐流入通路146)へ移動不能となっており、第1振分時間TZ1の経過に伴って第1位置に変位した振分体151により第1の分岐通路(第1の分岐流入通路145)へ振り分けられるようになっている。すなわち、通路振分部150は、実質的に、普図当りに伴って第1の分岐通路(第1の分岐流入通路145)へのパチンコ球Pの振分動作を行った後に、第2の分岐通路(第2の分岐流入通路146)へのパチンコ球Pの振分動作を行うよう前記メイン制御CPU60aにより駆動制御される。
(可変作動入球部130における作動口開閉部材131の動作について)
前記メイン制御CPU60aは、前述のように、決定された大当り図柄の種類(大当り遊技の種類)に応じて、可変作動入球部130の作動口開閉部材131の動作態様を定めた開閉動作パターンP1〜P3を決定するよう構成されている。すなわち、大当り遊技後に普図当りに当選した際には、前回大当りした際に決定された開閉動作パターンP1〜P3に基づいて可変作動入球部130の作動口開閉部材131が動作されるようになっている。ここで、前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131を開閉動作させる開閉動作パターンP1〜P3として、作動口101に入球したパチンコ球Pが前記第1の分岐通路(具体的には第1の分岐流入通路145)および第2の分岐通路(具体的には第2の分岐流入通路146)に振り分けられる割合(可能性)が異なる複数種類の開閉動作パターンP1〜P3が設定されている。なお、メイン制御CPU60aは、決定された大当り図柄の種類(大当り遊技の種類)だけでなく、大当り遊技後の遊技状態が確変状態および変短状態が付与されていない状態への切り替わ利に応じて可変作動入球部130の作動口開閉部材131の動作態様として第3開閉動作パターンP3を決定するようになっている。
実施例では、作動口開閉部材131の開放動作に伴い作動口101に入球したパチンコ球Pが第1の分岐流入通路145に振り分けられる割合の高い第1開閉動作パターンP1および第3開閉動作パターンP3と、作動口開閉部材131の開放動作に伴い作動口101に入球したパチンコ球Pが第2の分岐流入通路146に振り分けられる割合の高い第2開閉動作パターンP2とが設定されている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、作動口101に入球したパチンコ球Pを通出させる分岐通路を決定する通出通路決定手段としての機能を備えている。なお、第1開閉動作パターンP1および第3開閉動作パターンP3に基づいて作動口開閉部材131が開閉動作した場合に作動口101に入球した全てのパチンコ球Pが、第1の分岐流入通路145に振り分けられるようにしてもよく、また作動口101へのパチンコ球Pの入球タイミングによって第1および第2の分岐流入通路145,146の何れかに振り分けられると共に第1の分岐流入通路145へ振り分けられる可能性が高くなるようにしてもよい。同様に、第2開閉動作パターンP2に基づいて作動口開閉部材131が開閉動作した場合に作動口101に入球した全てのパチンコ球Pが、第2の分岐流入通路146に振り分けられるようにしてもよく、また作動口101へのパチンコ球Pの入球タイミングによって第1および第2の分岐流入通路145,146の何れかに振り分けられると共に第2の分岐流入通路146へ振り分けられる可能性が高くなるようにしてもよい。
(第1開閉動作パターンP1について)
前記第1開閉動作パターンP1は、図24に示すように、普図当りに当選した場合には、普図当りが開始してから所定の作動タイミングにおいて前記作動口開閉部材131を閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第1作動口開放時間TA1の経過後に作動口開閉部材131を開放位置から閉鎖位置に変位させて普図当り終了まで閉鎖位置に保持する動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定されている。すなわち、第1開閉動作パターンP1では、普図当りに当選した際に、第1作動口開放時間TA1の開放動作を作動口開閉部材131に1回行わせるよう設定されている。ここで、第1開閉動作パターンP1における前記作動タイミングは、普図当りが開始してから前記通路振分部150の振分体151を、第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。
前記第1作動口開放時間TA1は、前記第1振分時間TZ1よりも長く、かつ第2振分時間TZ2よりも短く設定されて、第1作動口開放時間TA1の経過した時点において、当該振分体151が第2振分位置に変位しているようになっている。そして、第2振分時間TZ2と第1作動口開放時間TA1との時間差TRは、第1作動口開放時間TA1が経過する直前に作動口101に入球したパチンコ球Pが分岐領域まで移動するのに必要な時間よりも長い時間に設定されている。すなわち、実施例では、第1開閉動作パターンP1に基づいて可変作動入球部130の作動口開閉部材131が開閉動作した際に、作動口101に入球したパチンコ球Pが分岐領域まで移動した時点で前記振分体151が第1振分位置に位置するよう可変作動入球部130および通路振分部150が駆動制御され、作動口101に入球した全てのパチンコ球Pが、第1の分岐流入通路145に振り分けられるようになっている。なお、第1作動口開放時間TA1は、所定の打ち出し間隔で連続して遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球Pが作動口101に入球可能な時間に設定され、実施例では第1作動口開放時間TA1を「2.0秒」に設定してある。すなわち、第1開閉動作パターンP1は、前記通路振分部150の振分体151が少なくとも第1振分位置にある状態で作動口開閉部材131が開放位置に変位する第1の開放動作態様である。
(第2開閉動作パターンP2について)
前記第2開閉動作パターンP2は、図24に示すように、普図当りに当選した場合には、普図当りが開始してから所定の作動タイミングにおいて前記作動口開閉部材131を閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第2作動口開放時間TB1の経過後に作動口開閉部材131を開放位置から閉鎖位置に変位させ、普図当りが開始してから第2作動口開放時間TB2の経過後に作動口開閉部材131を閉鎖位置から開放位置に変位させ、普図当りが開始してから第3作動口開放時間TB3の経過後に作動口開閉部材131を閉鎖位置から開放位置に変位させて普図当り終了まで閉鎖位置に保持する動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定されている。ここで、実施例では、普図当りが開始してから第2作動口開放時間TB2の経過後に、所定の打ち出し間隔で連続して遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球Pが作動口101に入球可能な第4作動口開放時間TB4となる複数回(実施例では3回)の開閉動作を作動口開閉部材131に行わせるようになっている。すなわち、第2開閉動作パターンP2では、普図当りに当選した際に、第2作動口開放時間TB1の開放動作を作動口開閉部材131が1回行うと共に、第4作動口開放時間TB4の開放動作を作動口開閉部材131が3回行うよう設定されている。ここで、第2開閉動作パターンP2における前記作動タイミングは、普図当りが開始してから前記通路振分部150の振分体151を、第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。
前記第2作動口開放時間TB1は、第2開閉動作パターンP2に基づく閉鎖位置から開放位置へ作動口開閉部材131の変位と同時に作動口101に入球したパチンコ球Pが分岐領域まで移動するのに必要な時間よりも短い時間に設定されている。より具体的には、第2作動口開放時間TB1は、前記第1振分時間TZ1と同じ時間に設定されており、作動口101の開放と同時に入球したパチンコ球Pは、実質的に前記第2の分岐流入通路146へ振り分けられることなく第1の分岐流入通路145へ振り分けられるようになっている。また、第2作動口開放時間TB2は、当該第3作動口開放時間TB3の経過に伴って作動口開閉部材131が開放位置に変位するのと同時に作動口101に入球したパチンコ球Pが分岐領域まで移動した際に、前記振分体151が第2振分位置に変位している時間に設定されている。より具体的には、第2作動口開放時間TB2は、前記第2振分時間TZ2と同じ時間に設定されており、第2作動口開放時間TB2の経過に伴う作動口101の開放と同時に入球したパチンコ球Pが、前記第2の分岐流入通路146へ振り分けられるようになっている。すなわち、実施例では、第2開閉動作パターンP2に基づいて可変作動入球部130の作動口開閉部材131が開閉動作した際に、作動口101に入球したパチンコ球Pが分岐領域まで移動した時点の多くで前記振分体151が第2振分位置に位置するよう可変作動入球部130および通路振分部150が駆動制御され、作動口101に入球した殆どのパチンコ球Pが、第2の分岐流入通路146に振り分けられるようになっている。なお、第4作動口開放時間TB4は、所定の打ち出し間隔で連続して遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球Pが作動口101に入球可能な時間に設定され、実施例では第4作動口開放時間TB4を「1.6秒」に設定してある。すなわち、第2開閉動作パターンP2は、前記通路振分部150の振分体151が少なくとも第2振分位置にある状態で作動口開閉部材131が開放位置に変位する第2の開放動作態様とされている。
(第3開閉動作パターンP3について)
前記第3開閉動作パターンP3は、図24に示すように、普図当りに当選した場合には、普図当りが開始してから所定の作動タイミングにおいて前記作動口開閉部材131を閉鎖位置から開放位置に変位させ、開放位置への変位から第5作動口開放時間TC1の経過後に作動口開閉部材131を開放位置から閉鎖位置に変位させて普図当り終了まで閉鎖位置に保持する動作をメイン制御CPU60aが行わせるよう設定されている。すなわち、第3開閉動作パターンP3では、普図当りに当選した際に、第5作動口開放時間TC1の開放動作を作動口開閉部材131に1回行わせるよう設定されている。ここで、第3開閉動作パターンP3における前記作動タイミングは、普図当りが開始してから前記通路振分部150の振分体151を、第1振分位置から第2振分位置に変位させるタイミングと同じタイミングに設定されている。
前記第5作動口開放時間TC1は、第3開閉動作パターンP3に基づく閉鎖位置から開放位置へ作動口開閉部材131の変位と同時に作動口101に入球したパチンコ球Pが分岐領域まで移動するのに必要な時間よりも短い時間に設定されている。より具体的には、第5作動口開放時間TC1は、前記第1振分時間TZ1(第2作動口開放時間TB1)と同じ時間に設定されており、作動口101の開放と同時に入球したパチンコ球Pは、実質的に前記第2の分岐流入通路146へ振り分けられることなく第1の分岐流入通路145へ振り分けられるようになっている。すなわち、第3開閉動作パターンP3は、前記通路振分部150の振分体151が少なくとも第1振分位置にある状態で作動口開閉部材131が開放位置に変位する第1の開放動作態様である。
すなわち、実施例のパチンコ機10では、大当り判定の肯定判定(大当りの当選)に伴って大当り図柄として図柄Aが決定された場合には、前記第1の大当り遊技後の遊技において第1可変始動口102へのパチンコ球Pの入賞に基づく大当り遊技(すなわち第1〜第3の大当り遊技)が発生する可能性が高く、大当り図柄として図柄Bが決定された場合には、前記第2の大当り遊技後の遊技において第2可変始動口103へのパチンコ球Pの入賞に基づく大当り遊技(すなわち第4〜第6の大当り遊技)が発生する可能性が高くなるよう構成されている。また、大当り判定の肯定判定(大当りの当選)に伴って大当り図柄として図柄Cが決定された場合には、前記第3の大当り遊技後の遊技において変短状態が付与されている間(第3の大当り遊技の終了後の10回の図柄変動演出が行われるまでの間)は、第2可変始動口103へのパチンコ球Pの入賞に基づく大当り遊技(すなわち第4〜第6の大当り遊技)が発生する可能性が高く、変短状態の付与が終了した後は、固定始動口31へのパチンコ球Pの入賞に基づく大当り遊技(すなわち第1〜第3の大当り遊技)が発生する可能性が高くなるようになっている。
更に、大当り判定の肯定判定(大当りの当選)に伴って大当り図柄として図柄aまたは図柄bが決定された場合には、前記第4の大当り遊技または第5の大当り遊技後の遊技において第2可変始動口103へのパチンコ球Pの入賞に基づく大当り遊技(すなわち第4〜第6の大当り遊技)が発生する可能性が高く、大当り図柄として図柄cが決定された場合には、前記第6の大当り遊技後の遊技において、固定始動口31へのパチンコ球Pの入賞に基づく大当り遊技(すなわち第1〜第3の大当り遊技)が発生する可能性が高くなるようになっている。すなわち、大当り判定の肯定判定(大当りの当選)に伴って決定される大当り図柄の種類によって、当該大当り遊技後の遊技においてパチンコ球Pが固定始動口31、第1および第2可変始動口102,103へ入賞する入賞割合を変化させることで、次に発生する大当り遊技の種類が変動するようになっている。
このように、実施例のパチンコ機10では、普図当りの当選を契機(ゲート部33へのパチンコ球Pの入球を契機)として開放動作する作動口開閉部材131の開放時間に比べて、大当りの当選(第1または第2可変始動口102,103へのパチンコ球Pの入賞を契機)として開放動作する前記始動口開閉部材165,166の少なくとも1つの開放態様における開放時間の方が長くなるよう前記各第1ソレノイド135および特別入賞ソレノイド42が駆動されるようになっている。
(パチンコ機10の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、図22に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御するメイン制御基板60(メイン制御手段)と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御するサブ制御基板(サブ制御手段)とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板に出力されるようになっている。
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカの音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御するものである。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各種スピーカからの音声出力のタイミングや大きさ等を制御するものである。
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、図22に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記固定始動検出センサ75、第1可変始動検出センサ77、第2可変始動検出センサ78、特別入賞検出センサ79、ゲートセンサ76等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、入球検出センサ147、第2通過検出センサ86、第1通過検出センサ85の各センサも接続されている。また、メイン制御CPU60aには、第1および第2特図表示部50A,50B、普図表示部55等の各表示部が接続されて、各センサの検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示部の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60a(開放制御手段)には、前記可変作動入球部130の第1ソレノイド135、通路振分部150の第2ソレノイド152および特別入賞部40に設けられた特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイドの駆動制御が行われるようになっている。
メイン制御CPU60aは、固定始動口31、第1可変始動口102、第2可変始動口103へパチンコ球Pが入賞したこと(より具体的には固定始動検出センサ75、第1または可変始動検出センサ77,78がパチンコ球Pを検出したこと)を契機として取得する判定用乱数(入賞情報)としての大当り判定用乱数、特図決定用乱数等の各種乱数の値や、ゲート部33をパチンコ球Pが通過したこと(より具体的にはゲートセンサ76がパチンコ球Pを検出したこと)を契機として取得する判定用乱数(入球情報)としての普図当り判定用乱数、普図決定用乱数等の各種乱数の値を、所定の周期(実施例では4ミリ秒)で更新し、更新後の値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種入賞情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
大当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として大当りを発生するか否かの大当り判定(当り抽選)で用いる乱数である。実施例では、大当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、大当りを示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図2が特定されるようになっている。また、前記大当り図柄としての特図1および特図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当りの種類が特定されるようになっている。また、大当りの種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが対応して定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。また、大当りの種類毎に、大当り遊技後の可変作動入球部130の作動口開閉部材131の開閉動作パターンP1〜P3が対応して定められており、特図決定用乱数が開閉動作パターンP1〜P3を決定する乱数としても機能する。
実施例のパチンコ機10では、大当り判定用乱数および特図決定用乱数は、固定始動口31、第1および第2可変始動口102,103の何れかにパチンコ球Pが入賞したこと(より具体的には固定始動検出センサ75、第1および第2可変始動検出センサ77,78の何れかがパチンコ球Pを検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として作動口101の開放(普図当り)を発生させるか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。また、普図決定用乱数は、普図当り判定の結果に応じて普図表示部55に確定停止表示させる普図を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、普図決定用乱数として、「0」〜「100」の全101通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ミリ秒)で1ずつ更新されるようになっている。普図決定用乱数の各値には、普図はずれを示す1種類の普図表示に対応する乱数と、普図当りを示す100種類の普図表示に対応する乱数とが設定されており、該普図決定用乱数の値により、普図表示部55に確定停止表示される普図が特定されるようになっている。そして、ゲート部33をパチンコ球Pが通過したこと(より具体的にはゲートセンサ76がパチンコ球Pを検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図決定用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記大当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(特図当り抽選)で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。そして、固定始動口31または第1可変始動口102、第2可変始動口103の何れかにパチンコ球Pが入賞した際に取得した大当り判定用乱数が大当り判定値と一致した場合に、図柄変動演出の終了後に大当り遊技を付与することが決定される一方、大当り判定用乱数が大当り判定値と一致しない場合に、図柄変動演出の終了後に大当り遊技を付与しないことが決定される。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっており、非確変状態よりも確変状態の場合の大当り確率(大当り判定用乱数と大当り判定値との一致確率)が高くなるよう設定される。
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した大当りを示す101種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「100」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特図1および特図2が対応付けられている。
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。また、メイン制御ROM60bには、普図決定用判定値が記憶されている。普図決定用判定値は、普図当り判定の結果が肯定の場合に、普図表示部55に確定停止表示させる普図を、普図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、普図決定用判定値には、前述した普図当りを示す100種類の普図決定用乱数に対応した「0」〜「100」の整数値が設定されており、普図決定用判定値の夫々に個別に普図が対応付けられている。
すなわち、固定始動口31、第1または第2可変始動口102,103への入賞を契機として当りか否かを判定する当り判定手段、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、決定した当り遊技の種類に応じて、大当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与することを決定する確変付与決定手段として機能するよう構成されている。
更に、前記メイン制御CPU60aは、大当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、決定した当り遊技の種類に応じて、作動口101へパチンコ球Pが入賞する確率が高確率となる変短状態(入賞率向上状態)を付与することを決定する入賞率向上状態付与決定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に変短状態を付与する期間を決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞装置への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、固定始動口31または第1可変始動口102に入賞したパチンコ球Pを第1始動保留球として記憶する第1保留記憶手段および前記第2可変始動口103に入賞したパチンコ球Pを第2始動保留球として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
(実施例の作用)
次に、実施例に係るパチンコ機10の作用について説明する。
前記遊技盤20の遊技領域21(第1球流下経路21a)に打ち出されたパチンコ球Pが固定始動入賞部30の固定始動口31へ入賞することを契機とした大当り判定の当選、および遊技盤20の遊技領域21(第1球流下経路21a)に打ち出されたパチンコ球Pが第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102へ入賞することを契機とした大当り判定の当選に伴って、第1〜第3の大当り遊技の何れかがメイン制御CPU60aにより決定され、大当り遊技の終了後に、決定された大当り遊技(第1〜第3の大当り遊技)の種類に応じた変短回数の変短状態が付与される。また、遊技盤20の遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球Pが第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103へ入賞することを契機とした大当り判定の当選に伴って、第4〜第6の大当り遊技の何れかがメイン制御CPU60aにより決定され、大当り遊技の終了後に、決定された大当り遊技(第4〜第6の大当り遊技)の種類に応じた変短回数の変短状態が付与される。そして、この大当り遊技の種類に応じて、大当り遊技後の遊技において普図当りに当選した場合に可変作動入球部130の作動口開閉部材131を開閉動作させる開閉動作パターンP1〜P3が決定される。遊技盤20の遊技領域21(第2球流下経路21b)に打ち出されたパチンコ球Pがゲート部33を通過すると、ゲートセンサ76によるパチンコ球Pの検出を契機として通過検出情報としての各種乱数がメイン制御CPU60aにより取得される。そして、取得した普図当り判定用乱数に基づいて普図当りを生起するか否かをメイン制御CPU60aが決定すると共に、普図変動表示が行われた結果、当該普図当り判定の結果に応じた普図が普図表示部55に確定停止表示される。普図当り判定が肯定判定の場合には、通路振分部150の振分体151が作動されると共に、大当り遊技の当選に伴って決定された開閉動作パターンP1〜P3に基づいて前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131が開閉動作される。
ここで、第1の大当り遊技後の遊技では、前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131が第1開閉動作パターンP1に基づいて開閉動作するようメイン制御CPU60aにより駆動制御されるから、作動口101に入球したパチンコ球Pが通路振分部150の振分体151により第1の分岐流入通路145に振り分けられる。なお、第3の大当り遊技後の変短状態が終了した後(10回の図柄変動演出が行われた後)の遊技および第6の大当り遊技後の遊技では、変短状態が付与されておらず作動口101は開放され難いものの、前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131が第3開閉動作パターンP3に基づいて開閉動作するようメイン制御CPU60aにより駆動制御されるから、第1開閉動作パターンP1で動作される場合と同様に作動口101に入球したパチンコ球Pが通路振分部150の振分体151により第1の分岐流入通路145に振り分けられる。
第1の分岐流入通路145に振り分けられたパチンコ球Pは、前記第1可変始動入賞部161へ導かれて、当該第1可変始動入賞部161の機構設置ケース170に形成された作動球入口170aを介して第1の作動部材176の球受け部179(球受け片180)上に落下して、当該第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ揺動変位される。この第1可変始動入賞部161における第1の作動部材176の基準位置から作動位置への揺動変位に伴って、当該第1の作動部材176における第1の押上げ部183が第1可変始動入賞部161の第2の作動部材201における開放作動部203を押し上げて、当該第2の作動部材201が閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ回転変位され、当該閉鎖保持位置から第1入球作動位置への回転変位に伴って、前記第1始動口開閉部材165が閉鎖位置から開放位置へ自重により揺動して第1可変始動口102が開放される。その後、球受け部179に形成された第1および第2誘導片181,182によって前記球通路ユニット80に形成された第1の分岐排出通路81にパチンコ球Pが誘導され、当該第1の分岐排出通路81を介して遊技盤20の外部へ排出される。すなわち、前記第1可変始動入賞部161へ導かれたパチンコ球Pが第1の分岐排出通路81へ案内される間、前記球受け部179上にパチンコ球Pが載置されて作動位置に保持されることで、第1の作動部材176が対応する第2の作動部材201を確実に閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ回転変位させる。
そして、前記第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102の開放に伴って当該第1可変始動口102に入賞したパチンコ球Pは、前記可変入球装置100に形成された第1取込通路115を通過して、前記球通路ユニット80に形成された第1の始動口排出通路88を介して遊技盤20の外部へ排出されると共に、当該第1の始動口排出通路88に設けられた前記第1可変始動検出センサ77により検出されるようになっている。また、前記第1取込通路115(作動通路118)をパチンコ球Pが通過する過程において、第1取込通路115(作動通路118)に臨んだ第1可変始動入賞部161における第2の作動部材201の第1入球作動部206にパチンコ球Pが接触し、これに伴い順回転方向へ付勢された第2の作動部材201が第1入球作動位置から第2入球作動位置へ回転変位される。
前記第2の作動部材201が第2入球作動位置に回転変位した状態では、前記第1始動口開閉部材165が開放位置から変位することなく第1可変始動口102の開放が維持され、前述と同様に、第1可変始動口102に入賞したパチンコ球Pが第1取込通路115および第1の始動口排出通路88を介して遊技盤20の外部へ排出されると共に、前記第1可変始動検出センサ77により検出される。そして、前記第1取込通路115(作動通路118)をパチンコ球Pが通過する過程において、第1取込通路116(作動通路118)に臨んだ第2の作動部材201の第2入球作動部207にパチンコ球Pが接触し、これに伴って順回転方向へ付勢された第2の作動部材201が第2入球作動位置から閉鎖保持位置へ回転変位される。前記第2の作動部材201が第2入球作動位置から閉鎖保持位置へ回転変位する際に、第2の作動部材201の閉鎖作動部205が第1始動口開閉部材165の係合片167に上方から当接して押し下げることにより、第1始動口開閉部材165が開放位置から閉鎖位置に変位され、閉鎖保持位置まで回転変位した際に、第2の作動部材201の閉鎖保持部204に係合片167が当接して揺動規制されることにより、当該第1始動口開閉部材165が閉鎖位置に保持される。すなわち、第1可変始動入賞部161は、前記作動口101に入球して第1の分岐通路を通過するパチンコ球Pとの物理的な接触により作動されることで第1始動口開閉部材165が閉鎖位置から開放位置へ変位すると共に、第1可変始動口102に入賞して第1取込通路115を通過する所定個数(実施例では2個)のパチンコ球Pとの物理的な接触により作動されることにより第1始動口開閉部材165が開放位置から閉鎖位置へ変位される。
また、第2〜第5の大当り遊技後の変短状態が付与された遊技では、前記可変作動入球部130の作動口開閉部材131が第2開閉動作パターンP2に基づいて開閉動作するようメイン制御CPU60aにより駆動制御されて、作動口101に入球した殆どのパチンコ球Pが通路振分部150の振分体151により第2の分岐流入通路146に振り分けられる。第2の分岐流入通路146に振り分けられたパチンコ球Pが第2の分岐排出通路83(上流側分岐排出通路84a)を介して前記第2可変始動入賞部162へ導かれることで、前述した第1可変始動入賞部161と同様に、当該第2可変始動入賞部162における第1の作動部材176が基準位置から作動位置へ揺動変位され、これに伴って第2の作動部材201が閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ回転変位されて、前記第2始動口開閉部材166が閉鎖位置から開放位置へ自重により揺動して第2可変始動口103が開放される。その後、前記球受け部179に形成された第1および第2誘導片181,182によって前記球通路ユニット80に形成された第2の分岐排出通路83(下流側分岐排出通路84b)へパチンコ球Pが誘導され、当該第2の分岐排出通路83を介して遊技盤20の外部へ排出される。
また、前記第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103の開放に伴って当該第2可変始動口103に入賞したパチンコ球Pは、前記可変入球装置100に形成された第2取込通路116を通過して、前記球通路ユニット80に形成された第2の始動口排出通路89を介して遊技盤20の外部へ排出されると共に、当該第2の始動口排出通路89に設けられた前記第2可変始動検出センサ78により検出されるようになっている。そして、前記第2取込通路116(作動通路118)をパチンコ球Pが通過する過程において、第2可変始動入賞部162における第2の作動部材201の第1入球作動部206にパチンコ球Pが接触し、これに伴い順回転方向へ付勢された第2の作動部材201が第1入球作動位置から第2入球作動位置へ回転変位される。更に、第2可変始動入賞部162の第2の作動部材201が第2入球作動位置に回転変位した状態で、第2可変始動口103に入賞したパチンコ球Pが第2取込通路116(作動通路118)を通過する過程において、第2の作動部材201の第2入球作動部207に接触し、これにより順回転方向へ付勢された第2の作動部材201が第2入球作動位置から閉鎖保持位置へ回転変位される。そして、前記第2の作動部材201が第2入球作動位置から閉鎖保持位置へ回転変位する際に、当該第2の作動部材201に設けた閉鎖作動部205が前記第2始動口開閉部材166の係合片167に上方から当接して当該係合片167を押し下げることにより、第2始動口開閉部材166が開放位置から閉鎖位置に変位されると共に、閉鎖保持位置まで回転変位した第2の作動部材201の閉鎖保持部204に係合片167が当接して揺動規制されることにより、当該第2始動口開閉部材166が閉鎖位置に保持される。すなわち、第2可変始動入賞部162は、前記作動口101に入球して第2の分岐通路を通過するパチンコ球Pとの物理的な接触により作動されることで第2始動口開閉部材166が閉鎖位置から開放位置へ変位すると共に、第2可変始動口103に入賞して第2取込通路116を通過する所定個数(実施例では2個)のパチンコ球Pとの物理的な接触により作動されることにより第2始動口開閉部材166が開放位置から閉鎖位置へ変位される。
このように、普図当りに際して、第1ソレノイド135の駆動により可変作動入球部130の作動口開閉部材131が開放動作するのに伴って作動口101に入球したパチンコ球Pが、当該作動口101に連通する第1の分岐通路または第2の分岐通路を通過する過程で、各分岐通路に対応する可変始動入賞部161,162の第1の作動部材176に接触することにより、当該可変始動入賞部161,162の始動口開閉部材165,16の開閉状態が閉鎖状態から開放状態に切り替わる。そして、第1始動口開閉部材165や第2始動口開閉部材166が開放位置にある状態では、所定数(実施例では2個)のパチンコ球Pが開放した第1可変始動口102や第2可変始動口103に入賞することで、当該始動口開閉部材165,166を閉鎖動作することにより、可変作動入球部130や第1可変始動入賞部161、第2可変始動入賞部162に対する遊技者の関心を高めることができる。すなわち、前記第1始動口開閉部材165や第2始動口開閉部材166が閉鎖位置にある状態では、普図当りに伴って開放した作動口101にパチンコ球Pが入球した際に、当該作動口101に入球したパチンコ球Pが振り分けられる経路に応じて、第1始動口開閉部材165や第2始動口開閉部材166を開放動作させ得るから、当該可変作動入球部130と、当該可変作動入球部130の開閉動作に関連して作動される可変始動入賞部161,162とによって新たな遊技性を創出して、遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、実施例の可変入球装置100では、複数の分岐通路(第1および第2の分岐通路)の夫々に、複数の可変始動入賞部(第1および第2可変始動入賞部161,162)の何れかの第1の作動部材176を臨ませるよう構成したから、可変作動入球部130の作動に伴い作動口101に入球したパチンコ球Pにより、少なくとも何れかの可変始動入賞部161,162の始動口開閉部材165,166を開放させることができる。また、作動口101に入球したパチンコ球Pが通過する分岐通路(第1および第2の分岐通路)に応じて作動する可変始動入賞部161,162が変化し、作動口101に入球したパチンコ球Pに対する関心を高めることができる。作動口101にパチンコ球Pが入球した際に、当該パチンコ球Pにより開放される可変始動口102,103(作動する可変始動入賞部161,162)によって、その後の遊技において発生し得る大当り遊技の価値に差が生ずることで、作動口101に入球したパチンコ球Pに対する関心をより一層高めることができる。
また、普図当りに伴って開放される作動口101に連通する球通路(導入通路143および連絡通路144)を、複数の分岐通路(すなわち第1および第2の分岐通路)に分岐させて、少なくとも何れかの分岐通路に可変始動入賞部161,162の第1の作動部材176が臨むよう構成することで、可変作動入球部130および可変始動入賞部161,162を用いた新たな遊技性を創出して遊技の興趣を高めることが可能となる。また、実施例の可変入球装置100では、第1の分岐通路に第1可変始動入賞部161における第1の作動部材176が臨み、第2の分岐通路に第2可変始動入賞部162における第1の作動部材176が臨むように構成したから、作動口101に入球したパチンコ球Pが通過する分岐通路に応じて第1始動口開閉部材165を作動させたり、第2始動口開閉部材166を作動させたりすることができる。すなわち、前記作動口101に入球したパチンコ球Pが通過する分岐通路に応じて開閉状態が切り替わる可変始動入賞部161,162が変化する。すなわち、従来のパチンコ機では、普図当りに伴って開放される入賞口が定まっているのに対して、実施例のパチンコ機10では、普図当りに伴って開放される入賞口を変化させることができるから、可変作動入球部130および複数の可変始動入賞部161,162(具体的には第1および第2可変始動入賞部161,162)により新たな遊技性を創出することが可能となり、遊技の興趣を高めることができる。
また、変短状態において、可変作動入球部130を第1または第2開閉動作パターンP1,P2に基づいて駆動制御することで、作動口101に入球したパチンコ球Pを当該開閉動作パターンP1〜P2に応じた特定の分岐通路(第1または第2の分岐通路)に通出させるよう通路振分部150の振分体151がパチンコ球Pを振り分けることができるから、作動口101に入球したパチンコ球Pが通出する分岐通路を所定の条件で切り替える変更すことが可能となる。実施例では、大当り遊技の種類に応じて、大当り遊技後に可変作動入球部130が駆動制御される開閉動作パターンP1〜P2を決定することで、パチンコ球Pが通出する分岐通路が切り替わり得るよう構成したことで、発生する大当りの種類に対する遊技者の関心を一段と高めて、遊技の興趣を向上することに繋がる。このように、変短状態が付与される大当り遊技の種類に応じて、作動口開閉部材131を第1開閉動作パターンP1(第1の開放動作態様)および第2開閉動作パターンP2(第2の開放動作態様)により動作させることで、作動口101に入球したパチンコ球Pが通出する分岐通路を適宜に調整することができる。
また、前記第1および第2の分岐通路には、各対応の分岐通路を通過するパチンコ球Pを検出する第1および第2通過検出センサ85,86を設けるようにしたから、可変作動入球部130の作動口101に入球した後にパチンコ球Pが通過する経路をメイン制御CPU60aが正確に識別することができる。また、前記連絡通路144にパチンコ球Pを検出する入球検出センサ147を設けて、前記振分体151により第1および第2の分岐通路に振り分けられる前に、可変作動入球部130の作動口101に入球したパチンコ球Pを入球検出センサ147で検出するよう構成したことで、作動口101へのパチンコ球Pの入球をメイン制御CPU60aが正確に識別することができる。また、上流側の入球検出センサ147による検出と、下流側の第1または第2通過検出センサ85,86による検出の時間差により、作動口101に入球したパチンコ球Pの球詰まり等の不具合を早期に発見することができる。
また、実施例のパチンコ機10では、作動口101へ入球したパチンコ球Pの第1の作動部材176に対する物理的な接触を契機として開放する第1可変始動入賞部161や第2可変始動入賞部162の可変始動口102,103にパチンコ球Pが入賞することで、大当り判定の契機となる可変始動検出センサ77,78で検出されるように構成し、当該大当り判定に当選することで、特別入賞部40の開閉扉43が開放動作するよう構成してあるから、該可変始動口102,103へパチンコ球Pの入賞が可能となる可変作動入球部130の作動口101へのパチンコ球Pの入球や、当該可変作動入球部130に入球した後のパチンコ球Pによる第1可変始動入賞部161や第2可変始動入賞部162の作動に対する関心を高めることができ、可変作動入球部130および可変始動入賞部161,162を利用した新たな遊技性を創出して遊技の興趣を高めることが可能となる。
また、固定始動口31へのパチンコ球Pの入賞を契機として開放動作する前記可変始動入賞部161,162の作動口開閉部材131の開放時間(すなわち普図当りに伴う作動口101の開放時間)に比べて、第1または第2可変始動口102,103へのパチンコ球Pの入賞を契機として開放動作する前記特別入賞部40の開閉扉43の開放時間(すなわち大当りに伴う特別入賞口41の開放時間)の方が基本的に長く多数の賞球の獲得が期待できるから、可変作動入球部130に入球したパチンコ球Pにより可変始動入賞部161,162の始動口開閉部材165,166が作動されることへの関心を高めることができる。なお、実施例では、第1または第2可変始動口102,103へのパチンコ球Pの入賞を契機として第1〜4の大当り遊技(すなわち、開閉扉43が開閉動作される少なくとも1つ以上の開放態様)が決定された場合に、前記特別入賞部40の開閉扉43の開放時間が長くなるよう設定され、多数の賞球を獲得する機会が与えられる。
また、前記可変入球装置100は、可変作動入球部130、第1および第2の可変始動入賞部161,162、通路振分部150を本体部材105に備えた単一のユニット部材として遊技盤20に着脱し得るよう構成したから、遊技盤20に対する可変作動入球部130、第1および第2の可変始動入賞部161,162、通路振分部150の組み付け工数を減らすことができ、作業性向上を図り得る。また、可変作動入球部130、第1および第2の可変始動入賞部161,162、通路振分部150を個別に遊技盤20に設置する構成に比べて、これらの各構成を相対的な配置関係を一定に保つことができ、遊技盤20毎の個体差がなくなるから、可変作動入球部130や可変始動入賞部161,162を利用して創出される前述した遊技性を適切に維持することができる。また、可変作動入球部130、第1および第2の可変始動入賞部161,162、通路振分部150をユニット化した可変入球装置100と、作動口101や可変始動口102,103へ入球したパチンコ球Pの通路が形成された球通路ユニット80を別構成として遊技盤20に個別に配設するよう構成したことで、可動機構を有し損傷し易い可変作動入球部130、第1および第2の可変始動入賞部161,162、通路振分部150に不具合が生じた際には、可変入球装置100のみを単独で交換することができる。
(別例)
次に、電動式駆動手段の駆動に伴い第1の開閉部材が第1の入球口を開閉する第1の可変入球部と、第1の入球口へ入球したパチンコ球との接触に伴い作動して第2の開閉部材による第2の入球口の開閉状態を切り替え可能な第2の可変入球部とを備えた遊技機の別例について説明する。なお、遊技機としては、遊技球としてパチンコ球Pを用いて遊技が行われるパチンコ機10を例にして説明する。
別例に係るパチンコ機10には、前記遊技盤20の第2球流下経路21bに、前記ゲート部33とは別に、パチンコ球Pが入球する入球口101,102,103を開閉可能な開閉部材131,165,166を備えた可変入球部130,161,162を有する可変入球装置(可変入球ユニット)300が設けられている。この可変入球装置300は、前記可変入球装置100と同様に、第1の可変入球部としての可変作動入球部130を備えると共に、第2の可変入球部としての第2可変始動入賞部162および第2可変始動部162を備える一方で、作動口101に入球したパチンコ球Pの流下経路、第2可変始動口103に入賞したパチンコ球Pの流下経路の夫々が、前述の可変入球装置100と夫々異なっている。なお、可変入球装置300の基本構成は、前述した可変入球装置100と同じであり、可変入球装置300以外の構成は、前述したパチンコ機10と同じであるので、異なる部分について説明し、同一構成に関しては同一の符号を付して説明を省略する。
図25に示すように、可変入球装置300における電動切替ユニット120には、可変作動入球部130が設けられると共に、作動口101に連通する一条の球通過路302が形成されている。すなわち、電動切替ユニット120には、通路振分部150が備えられておらず、作動口101に入球した全てのパチンコ球Pが球通過路302を通過するよう構成されている。ここで、前記球通過路302は、上側に位置する第1可変始動入賞部161における機構設置ケース170の作動球入口170aの上方で開口するよう構成されており、当該球通過路302を通過したパチンコ球Pが作動球入口170aを介して第1可変始動入賞部161の第1の作動部材176(球受け部179)上に落下するよう構成されている。すなわち、第1可変始動入賞部161における第1始動口開閉部材165が閉鎖位置にある状態で、普図当りに伴って前記作動口101にパチンコ球Pが入球した際には、当該パチンコ球Pが第1可変始動入賞部161の球受け部179(球受け片180)に落下して第1の作動部材176を基準位置から作動位置に変位させるのに伴って第2の作動部材201が閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ回転変位されて、第1始動口開閉部材165が閉鎖位置から開放位置に変位し、これにより第1可変始動口102が開放するようになっている。なお、前記第1可変始動入賞部161における第1の作動部材176を作動させたパチンコ球Pは、前述と同様に、第1および第2誘導片181,182によって誘導され球通路ユニット80の排出通路(具体的には前述した第1の分岐排出通路81)を介して遊技盤20の外部に排出される。
また、図25に示すように、前記球通路ユニット80に設けられた第1の始動口排出通路304は、前記第1可変始動口102に連通すると共に、下側に位置する第2可変始動入賞部162における機構設置ケース170の作動球入口170aの上方で開口するよう構成されて、当該第1の始動口排出通路304を通過したパチンコ球Pが作動球入口170aを介して第2可変始動入賞部162の第1の作動部材176(球受け部179)上に落下するよう構成されている。すなわち、第2可変始動入賞部162における第2始動口開閉部材166が閉鎖位置にある状態で、第1可変始動口102にパチンコ球Pが入賞した際には、当該パチンコ球Pが第2可変始動入賞部162の球受け部179(球受け片180)に落下して第1の作動部材176を基準位置から作動位置に変位させるのに伴って第2の作動部材201が閉鎖保持位置から第1入球作動位置へ回転変位されて、第2始動口開閉部材166が閉鎖位置から開放位置に変位し、これにより第2可変始動口103が開放するようになっている。そして、前記第2可変始動入賞部162における第1の作動部材176を作動させたパチンコ球Pは、前述と同様に、第1および第2誘導片181,182によって誘導され球通路ユニット80の排出通路(具体的には前述した下流側分岐排出通路84b)を介して遊技盤20の外部に排出される。なお、可変入球装置300には、上流側分岐排出通路84aが設けられていない。
ここで、前記第1可変始動口102に連通する第1取込通路115には、前述のように、前記第1可変始動入賞部161の第2の作動部材201が第1または第2入球作動位置にある状態で、当該第2の作動部材201に設けられた第1入球作動部206または第2入球作動部207が臨んで、当該第1取込通路115を通過するパチンコ球Pが第1入球作動部206または第2入球作動部207に接触するよう構成されている。すなわち、前記第1可変始動口102にパチンコ球Pが入賞可能な状態では、前記第1可変始動入賞部161における第2の作動部材201が第1または第2入球作動位置となっており、当該第1可変始動口102に入賞したパチンコ球Pが、第1可変始動入賞部161における第2の作動部材201の第1または第2入球作動部206,207に接触して当該第2の作動部材201を回転変位させると共に、第2可変始動入賞部162における第1の作動部材176の球受け部179(球受け片180)に接触して当該第1の作動部材176を作動させるよう構成されている。
このように、普図当りに当選した際に、第1ソレノイド135の駆動により可変作動入球部130における作動口開閉部材131が開放動作するのに伴って作動口101に入球したパチンコ球Pが、球通過路302を通過する過程で第1可変始動入賞部161における第1の作動部材176に接触することにより、当該第1可変始動入賞部161に対応した始動口開閉部材166が開放位置に切り替わり得るから、当該第1ソレノイド135により作動される可変作動入球部130と、当該可変作動入球部130の開閉動作に関連して作動される第1可変始動入賞部161とにより新たな遊技性を創出して遊技の興趣を高めることが可能となる。更に、第1可変始動入賞部161の開放が別の第2の可変入球部である第2可変始動入賞部162の開放に繋がるから、第1ソレノイド135により作動される可変作動入球部130に入球したパチンコ球Pにより、複数の可変始動入賞部161,162を連続して作動させることができる。また、作動口101へのパチンコ球Pの入球により、第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102および第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103へのパチンコ球Pの入賞機会を順に与えることで、遊技のバリエーションが拡がり、新たな遊技性を創出することができる。また,実施例では、第2可変始動口103への入賞を契機として付与される大当り遊技の種類と、第1可変始動口102への入賞を契機として付与される大当り遊技の種類とを異ならせてあるから、第1および第2可変始動口102,103への入賞機会が順に与えられることで、今までに無い斬新な遊技性を作り出すことが可能となる。また、その他にも、可変入球装置300を備えたパチンコ機10においても、前述した可変入球装置100を備えたパチンコ機10と同様の作用効果を期待することができる。
すなわち、可変入球装置300は、図26に示すように、作動口101に入球したパチンコ球Pが第1可変始動入賞部161の第1の作動部材176に接触することで、当該第1可変始動入賞部161の第1始動口開閉部材165を閉鎖位置から開放位置へ変位させ得るよう構成され、第1可変始動口102に入賞したパチンコ球Pが第1可変始動入賞部161の第2の作動部材201に接触することで、第1始動口開閉部材165を開放位置から閉鎖位置へ変位させ得ると共に、当該第1可変始動口102に入賞したパチンコ球Pが第2可変始動入賞部162の第1の作動部材176に接触することで、当該第2可変始動入賞部162の第2始動口開閉部材166を閉鎖位置から開放位置へ変位させ得るよう構成され、第2可変始動口103に入賞したパチンコ球Pが第2可変始動入賞部162の第2の作動部材201に接触することで、第2始動口開閉部材166を開放位置から閉鎖位置へ変位させ得るよう構成されている。
ここで、前記第1可変始動口102に連通する第1取込通路115には、前述のように、前記第1可変始動入賞部161の第2の作動部材201が第1または第2入球作動位置にある状態で、当該第2の作動部材201に設けられた第1入球作動部206または第2入球作動部207が臨んで、当該第1取込通路115を通過するパチンコ球Pが第1入球作動部206または第2入球作動部207に接触するよう構成されている。すなわち、前記第1可変始動口102にパチンコ球Pが入賞可能な状態では、前記第1可変始動入賞部161における第2の作動部材201が第1または第2入球作動位置となっており、当該第1可変始動口102に入賞したパチンコ球Pが、第1可変始動入賞部161における第2の作動部材201の第1または第2入球作動部206,207に接触して当該第2の作動部材201を回転変位させると共に、第2可変始動入賞部162における第1の作動部材176の球受け部179(球受け片180)に接触して当該第1の作動部材176を作動させるよう構成されている。
このように、普図当りに当選した際に、第1ソレノイド135の駆動により可変作動入球部131における作動口開閉部材131が開放動作するのに伴って作動口101に入球したパチンコ球Pが、球通過路302を通過する過程で第1可変始動入賞部161における第1の作動部材176に接触することにより、当該第1可変始動入賞部161に対応した始動口開閉部材166が開放位置に切り替わり得るから、当該第1ソレノイド135により作動される可変作動入球部131と、当該可変作動入球部131の開閉動作に関連して作動される第1可変始動入賞部161とにより新たな遊技性を創出して遊技の興趣を高めることが可能となる。更に、第1可変始動入賞部161の開放が別の第2の可変入球部である第2可変始動入賞部162の開放に繋がるから、第1ソレノイド135により作動される可変作動入球部131に入球したパチンコ球Pにより、複数の可変始動入賞部161,162を連続して作動させることができる。また、作動口101へのパチンコ球Pの入球により、第2可変始動入賞部162の第2可変始動口103および第1可変始動入賞部161の第1可変始動口102へのパチンコ球Pの入賞機会を順に与えることで、遊技のバリエーションが拡がり、新たな遊技性を創出することができる。また,実施例では、第2可変始動口103への入賞を契機として付与される大当り遊技の種類と、第1可変始動口102への入賞を契機として付与される大当り遊技の種類とを異ならせてあるから、第1および第2可変始動口102,103への入賞機会が順に与えられることで、今までに無い斬新な遊技性を作り出すことが可能となる。また、その他にも、可変入球装置300を備えたパチンコ機10においても、前述した可変入球装置100を備えたパチンコ機10と同様の作用効果を期待することができる。
(変更例)
なお、遊技機としては、前述したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 遊技領域に対して第1の入球口を閉鎖する閉鎖位置および該第1の入球口を開放する開放位置に変位可能な第1の開閉部材を有する第1の可変入球部としての可変始動入賞部を1つ備える構成を示したが、これに限られるものではなく、第1の可変入球部を2つ以上備えるよう構成してもよい。
(2) 遊技領域に対して第2の入球口を閉鎖する閉鎖位置および該第2の入球口を開放する開放位置に変位可能な第2の開閉部材を有する第2の可変入球部としての可変始動入賞部を2つ備える構成を示したが、これに限られるものではなく、第2の可変入球部を1つ或いは3つ以上備えるようにしてもよい。
(3) 第2の可変入球部として、第2の入球口への入球が特図変動表示の開始条件および賞球の払出条件となる可変始動入賞部として用いた例を示したが、これに限られるものではない。例えば、第2の入球口への入球により特図変動表示の開始条件のみが成立するよう構成したり、賞球の払出条件のみが成立するようにしてもよい。また、第2の入球口への入球により普図変動表示の開始条件が成立するようにしてもよい。
(4) 電動式駆動手段の駆動に伴い開放した第1の入球口(作動口)に入球した遊技球との接触に伴い作動位置に変位された作動部材(第1の作動部材)が、第2の可変入球部における第2の開閉部材を開放させるよう構成したが、作動位置に変位された作動部材(第1の作動部材)が第2の可変入球部における第2の開閉部材を閉鎖させるよう構成することも可能である。
(5) 実施例では、第1の入球口(作動口)に連通した球通路を2つ分岐通路に分岐させたが、3つ以上に分岐させてもよい。また、実施例では、分岐通路の夫々に、第2の可変入球部における作動部材(第1の作動部材)が臨んで、各分岐通路を通過する遊技球との接触により作動されるよう構成したが、各分岐通路に第2の可変入球部における作動部材(第1の作動部材)を臨ませる必要はなく、少なくとも1つの分岐通路に作動部材(第1の作動部材)を臨ませるようにことも可能である。この場合には、第1の入球口への入球に伴って第2の可変入球部が作動されるか否かという異なる遊技性を創出することができる。
(6) 実施例では、第1の入球口に入球した遊技球を何れかの分岐通路に振り分ける振分手段として、電動式駆動手段の駆動により振分体が作動する通路振分部を設けたが、これに限られるものではなく、球転動部を転動する遊技球の勢いや転動方向により自然に何れかの分岐通路に振り分けられる構成を採用することもできる。例えば、すり鉢状に形成した球転動部の底面に複数の通孔を形成した所謂クルーンとも称される球転動部を振分手段として採用したり、一定方向に延在すると共に延在方向に離間する複数箇所に球排出部を設けた所謂ステージ状の球転動部を振分手段として採用することも可能であり、その他遊技球の流下方向を複数に振分可能な従来公知の振分手段を採用可能である。
(7) 実施例では、複数の第2の可変入球部(第1および第2可変始動入賞部)に遊技球が入球した際に付与され得る特典(具体的には大当り遊技の種類)を異ならせたが、複数の第2の可変入球部に遊技球が入球した際に同じ特典を付与され得るようにすることも可能である。
(8) 実施例では、可変入球ユニットおよび球通路ユニットを遊技盤に個別に配設するよう構成したが、可変入球ユニットに対して球通路ユニットを配設することもできる。すなわち、可変入球ユニットに第1の球通路および第2の球通路を設けるようにすることも可能である。このように、第1の可変入球部および第2の可変入球部が設けられた可変入球ユニットに、第1の球通路および第2の球通路を設けることで、各可変入球部および球通路の相対的な配置関係を一義的に定めることができると共に、遊技盤に対する組み付け作業性を向上させることができる。
(9) 実施例では、第1の可変入球部および第2の可変入球部を備えた可変入球ユニットを遊技盤に配設するようにしたが、第1の可変入球部や第2の可変入球部を個別に遊技盤に配設するようにしてもよい。また、第1の可変入球部や第2の可変入球部の他に、遊技領域に対して第3の球入口(特別入賞口)を閉鎖する閉鎖位置および該第3の球入口を開放する開放位置に変位可能な第3の開閉部材を有する第3の可変入球部(特別入賞部)を可変入球ユニットに設けるようにしてもよく、また遊技領域を流下する遊技球が通過可能な第4の球入口(ゲート部)を可変入球ユニットに備えるようにしてもよい。
(10) 実施例では、第2の可変入球部(可変始動入賞部)に対して第2の開閉部材(始動口開閉部材)を1つ備える構成を示したが、第2の開閉部材を2つ備えるようにしてもよい。具体的には、実施例の第2の開閉部材(始動口開閉部材)を左右対称に形成して、この左右対象な第2の開閉部材(始動口開閉部材)を第2の作動部材の右側方に隣接して配置すると共に、第2の作動部材に設けられた右端部側の閉鎖保持部および閉鎖作動部を用いて、右側の第2の開閉部材(始動口開閉部材)を閉鎖位置に保持したり、開放位置から閉鎖位置に変位させることで簡単に実現できる。なお、右側の第2の開閉部材(始動口開閉部材)の開閉動作は、左側の第2の開閉部材(始動口開閉部材)の開閉動作と同じであることから、詳細な説明は省略する。
(11) 実施例では、第1の可変入球部として第1の開閉部材(作動口開閉部材)が前後方向に移動する形態の可変入球部を採用したが、第2の可変入球部に設けた第2の開閉部材(始動口開閉部材)のように第1の開閉部材が左右方向に揺動する形態としたり、第3の可変入球部(特別入賞部)における第3の開閉部材(開閉扉)のように第1の開閉部材が前後方向に揺動する形態とすることも当然可能である。同様に、第2の可変入球部として第2の開閉部材(始動口開閉部材)が左右方向に揺動する形態の可変入球部を採用したが、第1の可変入球部に設けた第1の開閉部材(作動口開閉部材)のように第2の開閉部材が前後方向に移動する形態としたり、第3の可変入球部(特別入賞部)における第3の開閉部材(開閉扉)のように第2の開閉部材が前後方向に揺動する形態とすることも当然可能である。
(12) 実施例では、第1の可変入球部における第1の開閉部材(作動口開閉部材)の開放動作態様として、第1〜第3開閉動作パターンP1〜P3を設定した場合で説明したが、これに限られるものではなく、振分手段(振分体)が少なくとも第1振分位置にある状態で開放位置に変位する第1の開放動作態様と、該振分手段(振分体)が少なくとも第2振分位置にある状態で開放位置に変位する第2の開放動作態様とで動作するよう電動式駆動手段により駆動されるよう構成すればよい。なお、電動式駆動手段としてはソレノイドに限られるものではなく、モータその他従来公知の各種駆動手段を採用可能であることは当然である。ここで、第1の開放動作態様としては、第1の入球口(作動口)に入球した遊技球が特定の分岐通路(実施例では第2の分岐流入通路)へ振り分けられる割合よりも、他の分岐通路(実施例では第1の分岐流入通路)へ振り分けられる割合の方が高くなる開放動作態様であり、第2の開放動作態様としては、第1の入球口(作動口)に入球した遊技球が特定の分岐通路(実施例では第2の分岐流入通路)へ振り分けられる割合の方が、他の分岐通路(実施例では第1の分岐流入通路)へ振り分けられる割合よりも高くなる開放動作態様であればよい。例えば、実施例では、第1振分時間TZ1だけ振分手段としての通路振分部150の振分体151を第1振分位置から第2振分位置に変位させるよう設定して、第1の開放動作態様としての第1開閉動作パターンP1または第3開閉動作パターンP3で第1の開閉部材(作動口開閉部材131)を開閉動作させた際に、当該振分体151が第2振分位置にある状態においても第1の開閉部材(作動口開閉部材131)が開放位置に変位するよう構成したが、当該第1振分時間TZ1の動作を省略して第1の開閉部材(作動口開閉部材131)が開放位置に変位する間継続して振分体151を第1振分位置に位置させるようにしてもよい。同様に、前記第1振分時間TZ1と同じ時間に設定された第2作動口開放時間TB1の開放動作を第1の開閉部材(作動口開閉部材131)に1回行わせるよう第2の開放動作態様としての第2開閉動作パターンP2を設定したが、当該第2作動口開放時間TB1の動作を省略することも可能である。
(13) また第1の開放動作態様で開閉動作された第1の開閉部材(作動口開閉部材131)の総開放時間と、第2の開放動作態様で開閉動作された第1の開閉部材(作動口開閉部材131)の総開放時間とを同じ時間に設定することもできる。この場合は、第1の開閉部材(作動口開閉部材131)の開放動作に伴う第1の入球口(作動口101)への遊技球の入球機会を均等にすることができる。例えば具体的に、実施例において、「(第1作動口開放時間TA1)=(第2作動口開放時間TB1)+(第4作動口開放時間TB4)×3」とすることで、実現可能である。
(14) 実施例では、第1〜第6の大当り遊技における規定ラウンド数を同一回数(すなわち16ラウンド)に設定し、大当り遊技毎の開閉扉の開閉動作を異ならせることで、各大当り遊技に伴って獲得可能な賞球数を変化させるようにしたが、これに限られるものではなく、大当り遊技における規定ラウンド数を異ならせることで、大当り遊技に伴って獲得可能な賞球数を変化させるようにしてもよい。例えば、実施例において、第1〜第3の大当り遊技における規定ラウンド数を「4回」に設定するようにしてもよい。この場合には、当選した大当り遊技の規定ラウンド数を報知するラウンド報知ランプを設けることで、遊技者に大当り遊技に伴って行われるラウンド遊技の回数を報知することができる。一方、実施例のように、大当り遊技における規定ラウンドを同一回数に設定することで、当選した大当り遊技の規定ラウンド数をラウンド報知ランプで報知するようにしても、大当り遊技に伴って獲得可能な賞球数を秘匿することができる。
(15) 実施例では、第2の可変入球部としての第1可変始動入賞部より下流側に、当該第1可変始動入賞部に対応する分岐通路(第1の分岐通路)を通過する遊技球を検出する球検出手段としての第1通過検出センサを配置し、第2の可変入球部としての第2可変始動入賞部より上流側に、当該第2可変始動入賞部に対応する分岐通路(第2の分岐通路)を通過する遊技球を検出する球検出手段としての第2通過検出センサを配置するようにしたが、これに限られるものではない。例えば、各分岐通路において対応した第2の可変入球部の夫々より上流側に球検出手段を配置してもよい。反対に各分岐通路において対応した第2の可変入球部の夫々より下流側に球検出手段を配置してもよい。すなわち、前記各分岐通路において通過する遊技球を検出可能な位置であれば、球検出手段の配置位置を任意に決定できる。
(16) また実施例の可変入球装置において、上側に位置する可変始動入賞部を第1可変始動入賞部とし、下側に位置する可変始動入賞部を第2可変始動入賞部としたが、これに限られるものではない。すなわち、実施例の可変入球装置において、下側に位置する可変始動入賞部を第1可変始動入賞部とし、上側に位置する可変始動入賞部を第2可変始動入賞部として、当該第1可変始動入賞部に対応する可変始動口へ遊技球が入球して対応の球検出センサが検出することを契機として取得される入賞情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、固定始動口への遊技球の入賞に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合と同じ種類の大当り図柄(実施例では第1〜第3の大当り遊技)を決定可能に構成し、第1可変始動入賞部に対応する可変始動口へ遊技球が入球して対応の球検出センサが検出することを契機として取得される入賞情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、これと異なる種類の大当り図柄(実施例では第4〜第6の大当り遊技)を決定可能に構成してもよい。この場合には、第1の大当り遊技の終了後に前記可変作動入球部の作動口開閉部材131を第2開閉動作パターンP2で動作させるよう設定し、第2〜第5の大当り遊技の終了後に可変作動入球部の作動口開閉部材を第1開閉動作パターンP1で動作させるよう設定することにより、第1可変始動入球部および第2可変始動入球部に対して実施例と同様の通路振分が可能となる。
(17) メイン制御手段(メイン制御CPU)が備える機能の全部または一部をサブ制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対にサブ制御手段が備える機能の全部または一部をメイン制御手段が備えるようにしてもよい。そして実施例では、メイン制御基板とサブ制御基板(統括制御基板)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、メイン制御手段およびサブ制御手段の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が備えるようにしてもよい。更に別途制御基板を備えて、実施例のメイン制御手段やサブ制御手段が備える機能の全部または一部を、別の制御手段に備えさせてもよい。
(18) また、統括制御手段(統括制御CPU)が備える機能の全部または一部を、表示制御手段(表示制御CPU)が備えるようにしてもよく、反対に表示制御手段(表示手段CPU)が備える機能の全部または一部を統括制御手段(統括制御CPU)が備えるようにしてもよい。そして、統括制御手段(統括制御CPU)と表示制御基板(表示制御CPU)とを分けて設けるようにしたが、単一の制御基板とすることもできる。すなわち、統括制御基板および表示制御基板の機能を、単一の制御基板に設けた制御手段(CPU)が兼用するようにしてもよい。また、発光制御を行うランプ制御手段や音出力制御を行う音制御手段に関しても同様に、統括制御手段が兼用することができる。
(19) 演出用の図柄(飾図)を表示する図柄表示手段(図柄表示装置)とは独立して、特図を表示する特図表示手段(特図表示器)を設けるようにしたが、これに限られるものではない。例えば、図柄表示手段において飾図および特図の両方を表示するようにしてもよい。また飾図と特図とを共用して、図柄表示手段に表示するようにしてもよい。
(20) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機等の各種遊技機を採用し得る。すなわち、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入球口を備えた遊技機に対して好適に適用することができる。
また本願には、例えば次のような技術的思想が含まれている。
(A) 請求項4の構成を含む遊技機に関し、
前記第1の球通路(302)および第2の球通路(115,304)が形成された球通路ユニット(80)を前記遊技盤(20)に配設するよう構成され、
前記遊技盤(20)に対して可変入球ユニット(300)および球通路ユニット(80)を配設した際に、前記第1の球通路(302)に第1の作動部材(176)が臨んで該第1の球通路(302)を通過する遊技球(P)が第1の作動部材(176)に接触し得ると共に、前記第2の球通路(115,304)に第2の作動部材(201)が臨んで該第2の球通路(115,304)を通過する遊技球(P)が第2の作動部材(201)に接触し得るよう構成されたことを要旨とする。
このように、第1の可変入球部および第2の可変入球部が設けられた可変入球ユニットと、第1の球通路および第2の球通路が形成された球通路ユニットとを別に構成して、各ユニットを遊技盤に配設するよう構成したことで、可動機構を有する第1の可変入球部や第2の可変入球部が損傷した場合に、可変入球ユニットのみを単独で交換することができる。
(B) 請求項4の構成を含む遊技機に関し、
前記可変入球ユニット(300)に、前記第1の球通路(302)および第2の球通路(115,304)が設けられる。
このように、第1の可変入球部および第2の可変入球部が設けられた可変入球ユニットに、前記第1の球通路および第2の球通路を設けることで、各可変入球部および球通路の相対的な配置関係を一義的に定めることができる。また、各可変入球部および球通路を可変入球ユニットに設けることで、遊技盤に対する組み付け作業性が向上する。