以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図1ないし図12に沿って説明する。なお、本実施の形態では、本発明の遊技機を所謂第1種特別電動役物のパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂第2種特別電動役物や所謂第3種特別電動役物のパチンコ機にも適用可能であることは勿論である。
図1は本発明に係る実施の形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図、図2は当該パチンコ機に搭載されたセンター飾り(ユニット役物)を単体で示す斜視図、図3は当該センター飾りを示す正面図、図4は図3に示したセンター飾りを同図F-F線に沿って切断して矢視方向に見た状態で示す側面断面図、図5は図3に示したセンター飾りを同図C-C線に沿って切断して矢視方向に見た状態で示す平面断面図、図6はセンター飾りを照明ユニットと照明装置からカバーを夫々外した状態で示す正面図、図7は図6に示したセンター飾りをやや水平方向に回動させた状態で示す斜視図、図8はセンター飾りの背面図、図9は図8のセンター飾りからカバーを外した状態で示す背面図、図10は本パチンコ機における平行リンク機構等の構成を詳細に示す図、図11は本パチンコ機の制御系を示すブロック図、図12は本パチンコ機の作用を示すフローチャートである。
パチンコ機1は、発射ハンドル9の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤7の遊技領域7aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生した状態でアタッカー17(図1参照)に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成されている。上記確率変動当たり(「確変当たり)とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりが当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
図1に示すように、本実施形態におけるパチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体2と、この筐体2にヒンジ26a,26bを介して開閉可能に装着された前扉3とを有しており、前扉3の前面には、透明ガラス(図示せず)を有するガラス枠5が開閉可能に取り付けられている。透明ガラスの奥側には、遊技盤7が配置されている。前扉3における遊技盤7の左右上方には演出用照明装置23が配置されており、前扉3における遊技盤7の下方左部にはスピーカ(図示せず)を有する放音装置8が配置されている。また、ガラス枠5における右側部には、前扉3を筐体2側に施錠又は解放するための施錠装置4が配置されている。なお、筐体2及び前扉3等から遊技機本体が構成されている。
前扉3における遊技盤7の下方には上皿13が設けられており、上皿13における左上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口18が設けられ、上皿13における右上部壁面には、球貸ボタン14a及びプリペイドカード返却ボタン14bが設けられている。
また、前扉3における上皿13の下方には下皿15が配置されており、該下皿15の右部には、不図示の球発射装置を操作して遊技球を遊技領域7aに向けて打ち出すための発射ハンドル9が設けられている。更に、下皿15の球収容部15aには、上皿13からオーバーフローした遊技球が放出される球放出口19が形成されており、下皿15の左部には灰皿24が配置されている。なお、図1中の符号10は、発射ハンドル9の操作で発射された遊技球を遊技盤7の遊技領域7aに導くガイドレールを示し、符号22はアウト口を示している。また、本パチンコ機1には、遊技中に遊技領域7aにて入賞することなく落下してアウト口22に入り込んだ遊技球をパチンコ機背面側に導くアウト球通路(図示せず)が設けられている。
遊技領域7aには、遊技球ステージSを有するセンター飾り(ユニット役物)12が中央部分に配設されている。センター飾り12の下部左方には、大当たり抽選に寄与しない一般の入賞が行われる入賞口29,30が配設されており、センター飾り12の下方には、始動チャッカー(入賞口)16と、アタッカー17とが順次配設されている。
センター飾り12の中央部分には開口11が形成されており、遊技盤7には、この開口11から露出するように図柄表示装置(演出用表示装置)6が設けられている。始動チャッカー16は、開放位置と閉止位置とに開閉動作するように、始動チャッカー開閉ソレノイド103(図11参照)によって作動させられる。なお、始動チャッカー16の直上方には、所謂命釘としての一対の障害釘59が打ち込まれている。
始動チャッカー16には、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われる。また、アタッカー17は、大当たり発生時に開放され、遊技盤7の遊技領域7aに打ち出されて転動落下する遊技球Baを入賞させる。アタッカー17は、大当たり発生中、1回の開放で10個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、10個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
更に遊技領域7aには、図柄表示装置6の左上方に風車44が配設されており、図柄表示装置6の下方における始動チャッカー16の左側には、スルーゲート61が配設されている。このスルーゲート61は、始動チャッカー16を開閉動作させるための抽選の契機となる遊技球通過が行われる役物である。
そして、遊技領域7aにおけるスルーゲート61、入賞口29,30及び始動チャッカー16等の周囲には、遊技球ステージSから零れた遊技球や、発射されてから遊技球ステージSに関与せずに落下してくる遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘54を含む多数の障害釘が打ち込まれている。また、遊技球ステージSにおけるワープ導入口32の周囲及びその上方側にも、遊技球を適宜散らし、或いは入球に導くようにするための障害釘を含む多数の障害釘(図示せず)が打ち込まれている。このような本パチンコ機1では、遊技領域7に打ち出された遊技球Baを始動チャッカー16等に、遊技球ステージSを介して入球させ又は遊技球ステージSを介さず直接入球させ得るように遊技が進められる。
なお、本実施形態における「ワープ導入」という語句は、遊技領域7aに打ち出された遊技球を、当該遊技領域7aの比較的下側に位置する不図示の道釘等を経ることなく、始動チャッカー16の上に導くことを意味する概念である。また、上記「道釘」とは、遊技領域7aにおいて始動チャッカー16左右に打ち込まれた複数本の障害釘(図示せず)の列を意味するもので、上方から転動落下してきた遊技球を始動チャッカー16方向に導く役割を担っている。
次に、センター飾り12について図2ないし図7を参照して説明する。
すなわち、図2及び図3に示すように、センター飾り12は、開口11を中央部に有する略筒状の枠体12aを備えており、枠体12aの周囲には、その複数箇所から外方に張り出すようにブラケット部27が形成されている。各ブラケット部27には、夫々枠体12aを遊技盤7に埋め込んだ形でネジ止めするために表裏貫通した孔27aが形成されている。
センター飾り12は、開口11の左方に位置するワープ導入口32と、開口11の下方に位置する遊技球ステージSと、開口11の右方に位置する照明装置39と、開口11の上方に位置する照明ユニット(演出用ユニット)25と、照明ユニット25の更に上方に位置する照明装置40とを備えている。照明装置39は、所謂オーラが立ち上るように凹凸模様で表現された透明なレンズ部材39aによって覆われている。照明装置40は、所謂オーラが立ち上るように凹凸形状で表現された透明なレンズ部材40aによって覆われている。なお、本実施形態における「透明」という語句は、濁りなく完全に透き通る状態のみならず、内方のLED等の発光体から問題無く光照射させ得る全ての状態を含む概念である。
また、枠体12aの遊技球ステージS下方には、ステージ面に設けられた球導入案内路42に連通する球放出口53が形成されている。この球導入案内路42は、後述するクルーン部材35に備えた3つの球落下孔ha,hb,hcのうちの球落下孔haの直下方に位置して、該球落下孔haから落下した遊技球を確実に導入して球放出口53側に導くことができるように形成されている。また球放出口53は、始動チャッカー16(図1参照)の直上方に位置して、放出する遊技球Baが一対の障害釘59(図1参照)の間を通って始動チャッカー16にほぼ確実に(つまり、97〜99%の確率で)入賞し得るように構成されている。
センター飾り12における照明ユニット25の左側には、大当たり抽選保留表示装置47及び特別図柄表示装置48が相互に隣接するように配置されている。また、センター飾り12の照明装置39の下部側は、遊技球ステージSの部分より下方に更に延在するように形成されており、当該延在部分の下端部近傍には表示装置41が配置されている。なお、図3中の符号51は、照明ユニット25を昇降移動可能に収容する、該照明ユニット25と正面視略同形状の凹部を示している。
大当たり抽選保留表示装置49は、複数個(本実施形態では4個)を図の左右方向(横方向)に配列したLED47を点灯又は消灯させる発光駆動を行うことにより、大当たり抽選の複数回分(本実施形態では4回分)に対応する表示を行う(つまり、大当たり抽選の結果を表示する)ものである。特別図柄表示装置48は、大当たり抽選の結果を特別図柄で表示するものであり、7セグメント表示装置によって構成されている。
表示装置41は、普通図柄表示装置と、開放抽選の複数回分に対応する表示を行う開放抽選保留表示装置とから構成されている。該普通図柄表示装置は、スルーゲート61への入球(球通過)の契機として行われる、始動チャッカー16を開放させるための開放抽選の結果を、普通図柄で表示するものである。
一方、図2ないし図5に示すように、センター飾り12は、遊技球ステージSの中央部に、ワープ導入口32と球放出口53との間に配置されて、ワープ導入口32から導入された遊技球の進路を振り分ける振り分け装置Dを備えている。振り分け装置Dは、クルーン部材35を備えると共に、遊技球を始動チャッカー16に入賞させるように導く第1ルートと、遊技球Baを始動チャッカー16に第1ルートより高い確率(つまり、97〜99%(略100%)の確率)で入賞させるように導く第2ルートと、該第2ルートへの遊技球の進入を検知するフォト・インタラプタP(図4参照)とを備えている。
なお、上記「クルーン」は、底面が曲面状に形成され、且つこの底面に複数個の表裏貫通孔を備え、底面上に転動されてきた遊技球を引き続き転動させつつ、貫通孔のいずれかに落下させる役物を意味する語句である。
フォト・インタラプタPは、遊技球ステージS側に固定された投光素子及び受光素子からなる第1センサ部(図示せず)と、上記第2ルートに進入する遊技球の当接で投光素子とび受光素子の間で進退動作してオン・オフ信号を出力する遮光部材31(図4参照)からなる第2センサ部を備えている。図4に示すように、遮光部材31は、センター飾り12の枠体12aに対して支軸31aを中心としてセンター飾り12の前後方向(図4の左右方向)に揺動するように支持されており、遮光部材31の自由状態にて前方に突出する前端部31bを、上記第2ルートの球導入案内路42内に突出自在となるように構成される。
図2及び図5に示すように、枠体12aの左側部には、ワープ導入口32から導入された遊技球を遊技球ステージSに向けて落下案内する落下案内通路32aと、該落下案内通路32aから落下してやや後方に案内された遊技球を遊技球ステージS側に放出する放出口33とが設けられている。遊技球ステージSの中央部分には、図2及び図3に示すように、上方に向かって山型状に突出する突起部46が形成されており、該突起部46の上端が当接する部分を、略球面状の底面35aの中心cとなるように位置決めされて上記クルーン部材35が配置されている。底面35aの中心cに対応する部分は、該底面35aから上方に向けて若干量(例えば1mm程度)突出して形成されており、この中心cの周囲の前側に位置して球落下孔haが、後方両側に位置して球落下孔hb,hcが夫々形成されている。また、転動案内面36,37の後側には、案内路34の下側にあって転動案内面36,37及びその付近を照明する照明装置28が配置されている。
遊技球ステージ中央のクルーン部材35の後方部分から放出口33に亘るように案内路34が設けられており、該案内路34の一端が放出口33に連絡され、他端が、後側から前側に湾曲してクルーン部材35の底面35aに連絡されている。ここで、球落下孔ha,hb,hcのうち、球落下孔haは遊技球1個の直径(例えば11〜12mm)より僅かに大きい内径(例えば11.3〜12.3mm)を有するように形成され、球落下孔hb,hcは夫々球落下孔haよりやや大きい内径(例えば12〜13mm)を有するように形成されている。そして、球落下孔haは中心c側に寄せて形成され、球落下孔hb,hcは夫々、球落下孔haと中心c間の距離より若干大きく中心cから離間するように形成されている。
図2に示すように、クルーン部材35の球落下孔haの直下方には上記球導入案内路42が形成されており、球落下孔hb,hc夫々の直下方には、山型状の突起部46の両側傾斜面から連続し且つ曲率を異ならせて滑らかに形成される湾曲面36a,36bからなる転動案内面36と湾曲面37a,37bからなる転動案内面37とが設けられている。これら転動案内面36,37の前側には、クルーン部材35に対応する位置にて最も高く形成された壁部52bと、湾曲面36aに対応する位置にて壁部52bより低く形成された壁部52aと、湾曲面37aに対応する位置にて壁部52cより低く形成された壁部52cとが配置されている。更に、壁部52bの前側には、湾曲面38bと、湾曲面38bに連続し且つ該湾曲面38bより曲率が小さい(つまり、曲率半径が大きい)湾曲面38aとからなる転動案内面38が設けられている。
ここで、照明ユニット25は、半透明状の特定文字を含む図柄部と非透明状の周辺部とを有する半透明パネル25aを備えており(図2参照)、この半透明パネル25aを取り外した状態にあっては、図6及び図7に示すように、半透明パネル25aの上記図柄部に対向する部分にジグザグ(ギザギザ)の帯状に突出形成された反射帯部50aを有する反射板50を備えている。また、照明ユニット25の内部下方には、上方に向けて投射するように配置された複数(本実施形態では4個)の発光ダイオード(以下、単にLEDと言う)90a,90b,90c,90dが配置されている。
また照明装置39は、図6及び図7に示すように、レンズ部材39aを取り外した状態では、以下のような構成を有している。すなわち、照明装置39は、レンズ部材39aの奥側にて不図示のLEDからの照射光を反射すべく同図上下方向(縦方向)にて3つに分割された反射領域45a,45b,45cを備えている。これら反射領域45a〜45c夫々の下部には、図の上方に向けて光照射する不図示のLEDを有する投射部88a,88b,88cが配置されている。
反射領域45a〜45cには、左右方向に並び且つ上下方向に延びる複数の帯状凹部89…が形成されている。反射領域45a,45b,45cには夫々、照明装置39の奥側に備えた不図示のLEDから前側に点状に光を導く、照明装置39の前後方向に長い2個の導光部材43aと4個の導光部材43bと1個の導光部材43cとが植設されている。これら導光部材43a,43b,43cにより、合計7個の星が並ぶ北斗七星の形状が具現化されている。
ついで、センター飾り12の背面構造について図8及び図9に沿って説明する。センター飾り12の上部に位置する照明ユニット25の背面側には、この照明ユニット25を演出上の所定の契機で昇降作動させる昇降作動装置74が、カバー部材72,73で覆われた形で配置されている。この昇降作動装置74は、後述する演出制御手段106の制御による電気モータMの作動にて、例えば、照明ユニット25の上昇位置にて所定の条件が成立した際、つまり、特定の所謂スーパーリーチが発生したような際に、照明ユニット25を、一旦下降させた後に上下方向(つまり鉛直方向)に振動動作させる。また、照明装置39の背面側には、第1照明基板20、第2照明基板21、及び第3照明基板29が配設されている。
更に、上記昇降作動装置74の詳細構造について図9及び図10に沿って説明する。図9は照明ユニット25を最上昇状態で示し、図10は照明ユニット25を最下降状態で示している。
すなわち、昇降作動装置74は、枠体12aの後部一側に配置された電気モータMと、この電気モータMの回転を所定のギヤ列(図示せず)を介して受けて回転する駆動ギヤ71と、駆動ギヤ71に噛合した形で該ギヤ71の回転を受けて回転する回転作動部材69とを備えている。回転作動部材69は、外周縁部近傍に1個の凸部69bを有している。照明ユニット25は、平行四辺形状を呈しており、平行リンク機構Lによって、センター飾り12の上下方向(鉛直方向)に、少なくとも開口11の上縁部との平行状態を維持したまま移動(平行移動)し得るように支持されている。
平行リンク機構Lは、枠体12aの照明ユニット背面における電気モータM側に位置決めされた回動軸58を有する略三角形状のリンク部材55と、枠体12aの照明ユニット背面における電気モータMから離れた側に位置決めされた回動軸60を有する略三角形状のリンク部材56と、照明ユニット25の下部側にて該ユニット25の横方向(図10の左右方向)に亘るように延在する作動バー部材87とを有している。照明ユニット25の背面に対向する枠体12aにおける、リンク部材55,56に夫々対応する位置には、照明ユニット25の左右の辺と平行な一対ずつの案内溝80,81が形成されている。
一対の案内溝80の一方には、左右方向に延在する昇降バー部材66aの中央部を照明ユニット25側に固定するネジ85aが摺動自在に挿通され、且つ他方には、昇降バー部材66aに固定された形の案内部材85bが摺動自在に挿通されている。一対の案内溝81の一方には、左右方向に延在する昇降バー部材66bの中央部を照明ユニット25側に固定するネジ86aが摺動自在に挿通され、且つ他方には、昇降バー部材66bに固定された形の案内部材86bが摺動自在に挿通されている。昇降バー部材66a,66bの各左端部には凸部57a,57bが夫々形成されており、これら凸部57a,57bは、リンク部材55,56の各1つの頂点に形成された長孔55a,56aに夫々摺動自在に嵌挿されている。
また作動バー部材87は、上下方向に長い長孔79を電気モータM側の一端部に有し、かつ、長孔79の右方にやや距離をおいた位置と電気モータMから最も離れた他端部とに、作動バー部材87の長手方向に長い長孔62aと長孔63aとを夫々有している。作動バー部材87は、長孔62a,63aに夫々対応する部分に突起部62,63を夫々有しており、これら突起部62,63には、上下方向に長い長孔62b,63bが夫々形成されている。長孔62a,63aには、枠体12a側に位置決めされた凸部67,68が夫々摺動自在に嵌挿されており、これにより、作動バー部材87が図9及び図10の左右方向に摺動自在に支持される。長孔62b,63bには、リンク部材55,56の他の頂点の近傍に形成された凸部64,65が夫々摺動自在に嵌挿されている。
また、枠体12aにおける図10中の電気モータMのやや上方には、回動部材70が支軸70aによって回動自在に支持されており、この回動部材70の下端部には、図10中の矢印A方向(反時計方向)に回動する際の凸部69bに係合しつつ同図左方に押圧される突出部70bが形成されている。更に、回動部材70の長手方向の略中間部には凸部78が形成されており、この凸部78は、作動バー部材87の上記長孔79に摺動自在に嵌挿している。作動バー部材87は、上記他端部の近傍に一端が係止され且つ他端が枠体12a側に係止された引張りバネ84によって常時図10の右方向に付勢されている。
照明ユニット25と作動バー部材87との間には、枠体12a側に固定された凸部82,83にコイルバネ76,77のコイル部が夫々嵌挿された形で位置決めされている。これらコイルバネ(バネ部材)76,77は、電気モータMが照明ユニット25を上昇させる方向に回転駆動する際の負荷に抗する方向(言い換えると、負荷を軽減する方向)の力を付与するものであり、昇降バー部材66a,66bと照明ユニット25との間にて、一端部76a,77aを案内部材85b,86bに図10中の下方側から夫々係合させている。コイルバネ76,77の他端部76b,77bは夫々、枠体12aの作動バー部材87と照明ユニット25との間に位置する不図示の固定部に位置決め固定されている。
なお、上記電気モータM、駆動ギヤ71、回転作動部材69、回動部材70及び作動バー部材87によって、平行リンク機構Lに昇降移動力を付与する駆動装置が構成されている。また、コイルバネ76,77によって、上記駆動装置による上昇力を補助する上昇力補助機構が構成されている。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図11に沿って説明する。すなわち、本制御系は、主基板92と、この主基板92に接続されたサブ基板105とを備えている。主基板92は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。
主基板92は、入賞判定手段93、入賞信号出力手段94、第1抽選手段95、第2抽選手段96、遊技制御手段97、保留手段98、作動制御手段99、作動判定手段100、及び作動決定手段101を備えている。また主基板92には、始動チャッカー開閉ソレノイド103、アタッカー開閉ソレノイド104、及び始動チャッカー入賞検知センサ109が接続されている。
入賞判定手段93は、発射ハンドル9の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技領域7aに打ち出された遊技球が始動チャッカー16、入賞口29,30、アタッカー17等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
入賞信号出力手段94は、入賞判定手段93によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー16、入賞口29,30、アタッカー17等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
第1抽選手段95は、入賞信号出力手段94からの入賞信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、次なる大当たりを当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たり、及び上記特殊状態とならない通常当たりのうちの何れか一方に当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して、大当たり抽選を実行する。
第2抽選手段96は、第1抽選手段95での大当たり抽選で確変当たりに当選した場合、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、確変当たりに対応する「111」、「333」や「777」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターンコマンドを出力する。なお、上記「大当たり有効ライン」は、大当たりを得るため図柄が一列に並ぶべき位置(ライン)を意味する。第2抽選手段96はまた、第1抽選手段95での大当たり抽選で通常当たりが当選した場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、通常当たりに対応する「222」、「444」や「888」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、この変動パターンコマンドを出力する。第2抽選手段96は更に、第1抽選手段95での大当たり抽選で外れた場合、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する「252」、「464」や「838」等の図柄が大当たり有効ライン上で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、この変動パターンコマンドを出力する。
遊技制御手段97は、予め設定された演出データに応じて、演出用照明装置23、照明ユニット25、照明装置28、照明装置39に発光演出させるべき演出内容、或いは電気モータMに照明ユニット25の昇降駆動をさせるべき演出内容に関する信号を、制御コマンドと共にサブ基板105の演出制御手段106に送信する。また、遊技制御手段97は、予め設定された演出データや第2抽選手段96での抽選結果に応じて、図柄表示装置6に表示すべき演出内容に関する信号を、制御コマンドと共にサブ基板105の表示制御手段107に送信する。
保留手段98は、第2抽選手段96から出力された変動パターンコマンドを入力し、始動チャッカー16への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。当該記憶状況は、図柄表示装置6に備えた保留球表示部(図示せず)に、例えば最大4個の保留球として点灯表示される。保留手段98は、例えば保留球数Hが0<H<5であるか否かを常時判定し、保留球数Hが4個表示されている間は、始動チャッカー16への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
そして保留手段98は、保留(記憶)している変動パターンコマンドを順次表示制御手段107に送信し、この送信した変動パターンコマンドに基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターンコマンドを送信しないようにするための図柄変動禁止フラグを立てる(オンする)と共に、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマ(図示せず)をセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段98は、保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、第1抽選手段95で行われる始動チャッカー16への入賞に応答した大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
作動制御手段99は、作動決定手段101の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド103に駆動信号を送って該ソレノイド45を作動させて始動チャッカー16を開放又は閉塞動作させる。更に作動制御手段99は、アタッカー開閉ソレノイド104に駆動信号を送って該ソレノイド41を作動させ、第1抽選手段95での抽選による大当たり発生時にアタッカー17を開放して所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返すように制御する。
作動判定手段100は、始動チャッカー開閉ソレノイド103及びアタッカー開閉ソレノイド104を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド103にあって、始動チャッカー16の開閉の「条件を満たす」時とは、主基板92において第1抽選手段95の大当たり抽選とは別途行われる抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド104にあって、アタッカー17の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から3つの同じ図柄が大当たり有効ライン上で揃って大当たりが発生した場合であり、アタッカー17の閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時における全ての入賞を完了した場合である。
作動決定手段101は、作動判定手段100からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド103、アタッカー開閉ソレノイド104の作動開始を夫々に決定する。
始動チャッカー開閉ソレノイド103は、作動制御手段99から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、始動チャッカー16を開閉動作させる。
アタッカー開閉ソレノイド104は、作動制御手段99から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、アタッカー17を開閉動作させる。
始動チャッカー入賞検知センサ109は、近接スイッチから構成されて、始動チャッカー16内の遊技球通過経路に配置されるもので、始動チャッカー16に進入した遊技球Baの通過を検知し、その検知信号を主基板92に送る。
一方、サブ基板105は、演出制御手段106及び表示制御手段107を有しており、サブ基板105には、放音装置8、演出用照明装置23、照明ユニット25、照明装置28、照明装置39,40、図柄表示装置6、遊技球通過検知センサP、及び電気モータMが接続されている。
演出制御手段106は、遊技制御手段97から送信された演出内容に関する信号に従って、放音装置8を適時放音駆動し、演出用照明装置23、照明ユニット25及び照明装置39,40を適時発光駆動し、また電気モータMの駆動で照明ユニット25を昇降作動させて、遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。また、演出制御手段106は、遊技制御手段97から送信された演出内容に関する信号、及び遊技球通過検知センサPから送信された検知信号に従って、照明装置28を適時発光駆動して、クルーン部材35から球導入案内路42を経由して始動チャッカー16に遊技球が落下する際の期待感を高めて遊技者の視覚に訴える演出を行う。
表示制御手段107は、遊技制御手段97から送信された演出内容に関する信号に従って図柄表示装置6を適時駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。
放音装置8、演出用照明装置23、照明ユニット25、照明装置28、照明装置39,40及び図柄表示装置6は、上述したように各制御に応答して音、光等の発生や、図柄等の表示により、通常時の演出や大当たり時における特別な演出等を行う。
遊技球通過検知センサPは、ワープ導入口32から導入された後、クルーン部材35の球落下孔haを経由して球導入案内路42に落下して球放出口53側に案内される遊技球の通過を検知し、その検知信号を演出制御手段106に送信する。
電気モータMは、演出制御手段106による制御に応答して、駆動ギヤ71、回転作動部材69、回動部材70、作動バー部材87、リンク部材55,56を夫々に作動させることで平行リンク機構Lを機能させ、照明ユニット25を下降、上昇させると共に、下降した状態で鉛直方向に所定の周期で振動動作させるように作動する。
次に、本パチンコ機1による作用について、図12のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル9を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、発射装置(図示せず)の作動によって遊技球が所定の時間間隔で遊技領域7aに向けて連続的に発射される。すると、遊技盤7の遊技領域7aに打ち出されて転動落下する多数の遊技球は、始動チャッカー16や入賞口29,30に適時入賞し、或いは、これらに寄与せずに転動落下して、遊技領域7a最下部のアウト口22から遊技盤7背面側に排出される。
つまり、遊技領域7aに向けて打ち出された多数の遊技球は、その一部がワープ導入口32から導入される。ワープ導入口32から導入された遊技球は、放出口33から案内路34を経由してクルーン部材35内に放出され、底面35a上をその周囲の側壁の内面に沿って回転するように転動する。クルーン部材35上の遊技球は、摩擦抵抗等に起因して転動速度が弱まった段階で、球落下孔ha,hb,hcの何れか導入されて落下することとなる。
球落下孔haに落下した場合、遊技球は、球導入案内路42、球放出口53を経由して始動チャッカー16に向けて落下し、始動チャッカー16に高確率で入賞し、或いは障害釘59への当接状況により始動チャッカー16に入賞できないこともある。
一方、球落下孔hb又はhcに落下した場合、遊技球は、転動案内面36又は37上に落下しその傾斜に沿って左右或いは前後方向に転動しつつ、壁部52a,52b,52cの何れかに接触したりして、転動案内面38の湾曲面38aから湾曲面38b側に移動し、始動チャッカー16側に落下することとなる。しかし、この場合の始動チャッカー16への入賞確率は、球放出口53から放出される際に比して大分低くなる。
なお、上記湾曲面38bから落下する遊技球は、その落下方向が、始動チャッカー16上の一対の障害釘59の間を通過して入球し得る方向と異なる場合であっても、当該障害釘59の左右に打ち込まれた不図示の所謂ジャンプ釘や、当該ジャンプ釘から左右方向に配列された道釘(図示せず)で弾かれることにより、所謂命釘である障害釘59に絡んでその間を落下して始動チャッカー16に入球することもある。
ところで、上述したように始動チャッカー16や入賞口29,30の何れかに遊技球Baが入賞した場合、入賞判定手段93が当該入賞を判定し、且つ入賞信号出力手段94が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段98は、保留球Hが0<H<5であるか否かを常時判定しており、0<H<5を満たすと判定したときには、保留している変動パターンコマンドを、遊技制御手段97を介して表示制御手段107に順次送信し、図柄変動禁止フラグをオンすると共に、図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段98は、当該保留球の消費に応じて保留球数HがH<4となった場合、第1抽選手段95で行われる始動チャッカー16への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
そして、大当たり抽選で当選した場合(ステップS3)、第1抽選手段95が当たりフラグをオンすると、第2抽選手段96が、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たり又は通常当たりに対応する変動パターンを決定する。
これにより、ステップS4において、図柄表示装置6に表示されるべき当たり図柄がセットされ、第2抽選手段96は、その旨の変動パターンコマンドを出力すると共に、当該変動パターンコマンドに基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターンコマンドを送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。一方、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、図柄表示装置6に表示される外れ図柄がセットされ、第2抽選手段96は、その旨の変動パターンコマンドを出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターンコマンドの送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
以上のようにして、遊技制御手段97が、図柄表示装置6に表示すべき演出内容に関する信号を制御コマンドと共にサブ基板105の表示制御手段107に送信することに基づき、表示制御手段107が、図柄表示装置6を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
そして、第1抽選手段95での抽選結果が図柄表示装置6の画面上に表れると、作動制御手段99が、作動決定手段101の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド104に駆動信号を送り、当該ソレノイド41を作動させてアタッカー17を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返させる。これにより、アタッカー17に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口18から上皿13に払い出されることとなる(ステップS6)。
また、上述した遊技中、図12に示すステップS1〜S6の一連の処理に並行して、他の演出処理が適時進められる。すなわち、当該演出処理では、以下のような処理が実施されることとなる。
つまり、遊技領域7aに打ち出された遊技球Baが、上述したようにセンター飾り12のワープ導入口32から導入されて、振り分け装置Dのクルーン部材35上で転動した後、球落下孔haから球導入案内路42に落下すると、球導入案内路42内に突出した遮光部材31が遊技球に当接されることで後方に揺動する。これにより、投光素子と受光素子との間が一旦遮光されることで遊技球通過検知センサPからオン・オフ信号が遊技球の検知信号として出力される。すると、該検知信号が演出制御手段106に入力されるので、演出制御手段106は、遊技制御手段97から送信された演出内容に関する信号、及び遊技球通過検知センサPからの上記検知信号に従って、照明装置28を適時発光駆動し、クルーン部材35から球導入案内路42を経由して始動チャッカー16に遊技球が落下する際の期待感を高めるように演出制御する。
また、或るタイミングで遊技制御手段97から演出内容に関する信号が演出制御手段106に送信された場合、該演出制御手段106は、当該信号の内容に従って、放音装置8を適時放音駆動し、演出用照明装置23、照明ユニット25、照明装置39を適時発光駆動し、或いは、電気モータMの駆動で照明ユニット25を昇降作動させて、遊技者の聴覚や視覚に訴える演出表示を行う。
その際、照明ユニット25の昇降作動時、昇降作動装置74は以下のように作動制御されることとなる。すなわち、図9に示す照明ユニット25の上昇状態において、演出制御手段106の制御で電気モータMが回転駆動し、駆動ギヤ71が同図の反時計方向に回転すると、回転作動部材69が同図の時計方向に回転する。このため、引張りバネ84(図10参照)により右方向に付勢された作動バー部材87は、凸部78と長孔79とで連係する回動部材70が凸部69bから次第に解放されることにより、同図右方向にスライド移動する。
すると、長孔62b,63bに凸部64,65を係合させたリンク部材55,56が夫々、回動軸58,60を中心として図9の反時計方向に回動するため、凸部57a,57bが長孔55a,56aの内周面で押下されて、昇降バー部材66a,66bが夫々に下降する。これにより、昇降バー部材66aのネジ85aと案内部材85bが案内溝80に沿って下降し、昇降バー部材66bのネジ86aと案内部材86bが案内溝81に沿って昇降バー部材66a側と同じ距離だけ下降するので、昇降バー部材66a,66bに対してネジ85a,86aで担持された照明ユニット25が、枠体12aの少なくとも開口11に対して平行な状態を保持したまま、図10に示すように下降(つまり平行移動)する。これにより、コイルバネ76,77は、下降する昇降バー部材66a,66b側に係合する一端部76a,77aをその付勢力に抗して押し下げられ、該昇降バー部材66a,66bを、即ち照明ユニット25を上昇方向に付勢した状態で待機させられることとなる。
この際、演出制御手段106の制御により、照明ユニット25内のLEDが適時発光駆動されて、該照明ユニット25の半透明パネル25aに表示された特定文字を含む図柄が浮き上がるように照明される。更に、演出制御手段106の制御内容によっては、照明ユニット25が下降状態のままで上下方向(鉛直方向)に或る周期で振動動作させられることもある。これは例えば、通常時には極めて発生し難い特定の動物キャラクタ群(図示せず)を伴った形で所謂スーパーリーチが発生した場合に、大当たり確定の期待度を更に高めるために照明ユニット25を振動動作させる、として説明することができる。
逆に、図10に示す下降状態から照明ユニット25を上昇させる場合、演出制御手段106の制御で電気モータMが上記と逆方向に回転駆動すると、駆動ギヤ71が同図の時計方向に回転して、回転作動部材69が同図の反時計方向に回転する。これにより、回動部材70が凸部69bにより同図左方向に押圧されて回動するので、作動バー部材87が引張りバネ84の付勢力に抗して、同図左方向にスライド移動する。このため、各部の上述と反対の作動により、昇降バー部材66a,66bが夫々に上昇することとなるが、その際、照明ユニット25を上昇方向に付勢した状態で保持されていたコイルバネ76,77が、一端部76a,77aを図10反時計方向に復帰させるので、電気モータMの駆動による照明ユニット25の上昇動作が効果的に補助される。これにより、該照明ユニット25は、LED90a,90b,90c,90dや、これらを実装する基板、或いは反射板等を内蔵することで嵩んだ重量を有しながらも、極めて円滑に上昇させられる。
以上説明した本実施形態によると、センター飾り12が、図柄表示装置6を露出させる開口11と、昇降動作し得る照明ユニット25と、照明ユニット25を演出上の所定の契機で昇降作動させる昇降作動装置74とを備える。更に、この昇降作動装置74が、照明ユニット25を上下方向(鉛直方向)に平行移動し得るように支持する平行リンク機構Lと、平行リンク機構Lに昇降移動力を付与する駆動装置としての電気モータM、駆動ギヤ71、回転作動部材69、回動部材70及び作動バー部材87と、この駆動装置による上昇力を補助する上昇力補助機構としてのコイルバネ76,77とを備える。このため、照明ユニット25がLED90a〜90dや基板、反射板等を内蔵することで重量が嵩んでいて、電気モータMを含む駆動装置自体の駆動力が比較的小さな場合であっても、その駆動力をコイルバネ76,77にて補助した形で照明ユニット25を容易にかつ円滑に上昇させることができる。従って、上記駆動装置を、小型の電気モータMを中心に構成してコンパクト化していても、電気モータMによる比較的小さな駆動力による照明ユニット25の昇降作動を円滑化することができる。
また、上記駆動装置が、平行リンク機構Lを作動させる電気モータMを備え、かつ上昇力補助機構が上記のようなコイルバネ76,77からなるので、極めて簡素で廉価な構成によって本発明の上昇補助機構を実現でき、従って、装置コンパクト化と共に製造コスト削減を図ることができる。更に、昇降作動装置74が、照明ユニット25の上昇位置にて所定の条件が成立した際、照明ユニット25を一旦下降させた後、照明ユニット25を上下方向(鉛直方向)に振動させるように制御されると、所謂スーパーリーチの演出が開始された際、当該演出にタイミングを合わせて照明ユニット25を振動でき、遊技者の期待感を高め、遊技性がより向上することとなる。
なお、本実施の形態では、本発明に係る演出用ユニットとして、発光によって演出する照明ユニット25を挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、液晶表示等によって演出する表示ユニットを演出用ユニットに適用することもできる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。