[1 遊技機全体の概要]
実施例1のパチンコ機を、図面に基づき詳細に説明する。なお実施例において「左」又は「右」とは、パチンコ機の表側(前面側)から見たときの「左」又は「右」を示すものとする。まず本実施形態のパチンコ機の基本的構成を簡単に説明する。
実施例1のパチンコ遊技機Pは、図1に示す様に、外枠A、中枠B、遊技盤1、前枠D、上の球受け皿E、下の球受け皿F及び打球発射装置Gを備えている。外枠Aはパチンコ機Pの外郭を構成する縦長方形の枠である。中枠Bは、各種の遊技用構成部材をセットするための縦長方形の枠であって、外枠Aの前面側に開閉可能かつ着脱可能に組み付けられる。遊技盤1は、中枠(遊技盤取付枠)Bの開口部に取り付けられる。前枠Dは遊技盤1の透視保護窓であって、施錠装置Hの操作によって開閉可能な様に中枠Bの前面側に組み付けられる。上の球受け皿Eは、貸し球や賞球の受け皿で、本実施例においては前枠Dの下部と一体に構成されてる。従って、前枠Dを中枠Bに対して開閉するときに上の球受け皿Eも共に開閉される。下の球受け皿Fは、上の球受け皿Eが一杯になったときに排出される遊技球や打ち損じの遊技球等を受ける受け皿であって、中枠Bの下部に固定されている。打球発射装置Gは、上の球受け皿Eから発射レールに送り込まれた遊技球をハンドル操作に対応する強さで打ち出すための装置であって、中枠Bの右下部に装備される。
中枠Bは、上縁をなす上枠部材B1と、下縁をなし打球発射装置G等が設置された下枠部材B2と、左側縁をなす左枠部材B3と、右側縁をなす右枠部材B4とから構成されて、これら上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に、全体が外枠Aの開口に整合する矩形枠状に形成される。そして、上下左右の枠部材B1〜B4を組み付けた際に開口する開口部分が、遊技盤1を設置する遊技盤保持部B5として機能する。ここで、中枠Bは、外枠Aの左上端部及び左下端部に設けられた支軸を介して枢支され、左側端部を中心として中枠Bを回転させることで外枠Aに対して中枠Bを開閉し得るようになっている。
遊技盤1には、図2に示す様に、図柄変動表示装置(液晶表示装置)2を備えたセンター役物3が配置されている。このセンター役物3のすぐ下には始動入賞口11が配置されていて、この始動入賞口11に遊技球が入賞すると液晶表示装置2に表示される図柄が変動を開始する。そのため、液晶表示装置2と始動入賞口11との間は、遊技者が注目する場所となっている。また、遊技盤1には、これら部品の他に、液晶表示装置2を取り巻く様に配置されてセンター役物3を構成する大型装飾部品(センター飾り)12、特別入賞口13、案内車14、アウト口15、左下普通入賞口16a〜16c等の各種の部品が取り付けられている。また、遊技盤1には誘導レール18が取り付けられ遊技領域10が形成される。なお、左下普通入賞口16a〜16cは、左サイド飾り500と一体の部品で構成されている。
遊技盤1には、各種可動体役物が備えられている。図3に示す様に、センター飾り上部に備えられているロゴは、二つに割れて左右に広がりながら落下するロゴ可動体役物100となっている((B)参照)。また、センター飾りの左右の縁から回動動作によって出現して合体動作を演出する円月輪可動体役物200も備えられている((C)参照)。さらに、センター飾りの右側から中心に向かって振り出され、先端の手裏剣型装飾体を回転させる回転手裏剣可動体役物300も備わっている((D)参照)。これら可動体役物100,200,300は、三つ同時に動作する演出も実行し得る構成となっている((E)参照)。
また、遊技盤1には、図2に示す様に、ステージ20の背面に透明な壁部材21が立ち上げられ、この透明な壁部材21を通して視認可能な様に、ステージ中央背面位置にシャッタ付き中央発光体役物400も備えられている。この他、センター役物3の右上部分にギヤボックス役物600が備えられ、ギヤを回転させる演出を実行する様にも構成されている。
遊技盤1は、図4〜図7に示す様に、ベニヤ製の前面パネル30と、前面パネル30の裏側にねじ止め固定される合成樹脂製の裏ユニット40とから構成され、さらに裏ユニット40の裏面側に液晶表示装置2が取り付けられる。
前面パネル30には、図5に示す様に、センター飾り12を装着する大開口31が中央に形成されると共に、左右下部のサイド飾り装着用開口32,33、中央下部の入賞口装着用開口34、賞球カウンタへの信号線接続用開口35などが貫通形成されている。そのほか、裏ユニット40との位置合わせ用孔36やビス孔などがドリル加工されると共に、四隅には中枠Bに対する位置合わせ用段部38がルーター加工されている。遊技領域10は、大開口31の周囲を取り巻く様に形成され、前述した様に、障害釘などが取り付けられている。
裏ユニット40は、図5,図7に示す様に、中央部に液晶画面露出用の窓開口41が形成され、背面側に液晶表示装置2をセットするディスプレイ取付枠42を備えている。ここで、裏ユニット40の枠体部分43は、透光性を有する合成樹脂材料で形成されると共に、窓開口41の左右の周縁部には光拡散加工(ダイヤカット面加工など)を施した光拡散部45を備えている。
なお、液晶表示装置2は、裏ユニット40の窓開口41よりも大きい液晶画面2aを備えている。従って、図7に示す様に、光拡散部45の背面に液晶画面2aの縁の部分が位置する状態で取り付けられることになる。
また、裏ユニット40の前面側には、図4に示す様に、前面パネル30の裏側に伸びる左下普通入賞口16a〜16cと連絡する左下普通入賞口玉通路46a〜46cを形成する玉通路形成部材46が取り付けられると共に、始動入賞口11、特別入賞口13からの入賞球を受け入れる中央玉通路47が一体形成されている。
さらに、裏ユニット40の前面側周囲には前方へ伸びる周壁48が形成され、全体としては前開きの箱状成形体として射出成形によって製造されている。箱状に成形された裏ユニット40は、可動体役物の取り付け土台となる。図6に示す様に、シャッタ付き中央発光体役物400は、裏ユニット40の前面に取り付けられ、前面パネル30のステージ中央の背後において、ステージ20の上面から露出する位置となる様に窓開口41の下部側の枠体部分の前面側に取り付けられる。
[2 可動体役物の取り付け関係]
可動体役物100,200,300,600は、図8、図9に示す様に、奥から順番に、円月輪可動体役物200、ギヤボックス役物600、回転手裏剣可動体役物300、ロゴ可動体役物100の順番で組み付けられている。ギヤボックス役物600はその場でギヤを回転させる演出を実行する役物であって、他の可動体役物の様に液晶画面の前へ出現したり退出したりする動作は実行しない。一方、円月輪可動体役物200、回転手裏剣可動体役物300、及びロゴ可動体役物100は、回動あるいはスライドによって液晶画面の前面に出現したり退出したりする動作を実行する。これら円月輪可動体役物200、回転手裏剣可動体役物300、及びロゴ可動体役物100は、単独の可動体演出に加えて、三つが同時に動作する可動体演出も実行する。このため、それぞれの動作面が前後方向にずらされて互いに干渉し合わない様に組み付けられるのである。
[3 円月輪可動体役物200の詳細]
可動体役物の内で一番奥に取り付けられる円月輪可動体役物200は、図10,図11に示す様に、左右の半割リング状可動体役物210,220で構成される。左右の半割リング状可動体役物210,220は、窓開口41の中心に向かって互いに反対側から回動動作を行う様に、裏ユニット40の枠体上側縁43aを回動中心とする様に取り付けられる。このとき、左右の半割リング状可動体役物210,220は、それぞれの可動端210a,220a側に、透明なガイドプレート211,221を備え、このガイドプレート211,221が、裏ユニット40の前面と平行に動作させるためのガイド形成部材230によってガイドされた状態となる様に取り付けられる。また、円月輪可動体役物200が合体した状態を左側から照明するためのLEDランプ280も備えられている。
ガイド形成部材230は、裏ユニット40の枠体下側縁43bの前面に取り付けられる裏面側ガイド形成部材231と、裏面側ガイド形成部材231の前面に重なる様に取り付けられる前面左側ガイド形成部材232及び前面右側ガイド形成部材233とから構成されている。これら裏面側ガイド形成部材231、前面左側ガイド形成部材232及び前面右側ガイド形成部材233は、組み立てられることによって、図12,図13に示す様に、上面を溝開口234a,235aとするガイド溝234,235を形成する構造とされている。前述のガイドプレート211,221は、溝開口234a,235aからガイド溝234,235内に挿入された状態となって前後からガイドされる。これによって、左右の半割リング状可動体役物210,220は、裏ユニット40の前面に平行な面内を回動する様にガイドされる。
裏面側ガイド形成部材231は、図10,図11,図14,図15に示す様に、正面視において全体として皿の様な形状を呈する平板部231aと、この平板部231aの下部から側部にかけて平板部231aを中心として前後に伸びる両側周壁部231bと、上部について後にだけ伸びる片側周壁部231cと、を備えた構造となっている。なお、平板部231aの中心部分は装飾形状部231dとされ、ガイド溝234,235の溝底を構成する溝底リブ231e,231e及び前面ラダー状リブ231f、後面升目状リブ231gも一体成形されている。
前面左側ガイド形成部材232は、図10,図11,図16,図17に示す様に、裏面側ガイド形成部材231の装飾形状部231dよりも左側の部分と正面視において重なる形状の平板部232aと、この平板部232aの周縁全体を平板部232aを裏面とする様に前方に向かって立設された周壁部232bと、周壁部232bの内側に形成された前面ラダー状リブ232cと、シャッタ付き中央発光体役物400を前面側に取り付ける際の位置決め用突起232d,232dとが一体成形されている。
前面右側ガイド形成部材233は、前面左側ガイド形成部材232と左右対称となる部品であって、図10,図11,図16,図17に示す様に、裏面側ガイド形成部材231の装飾形状部231dよりも右側の部分と正面視において重なる形状の平板部233aと、この平板部233aの周縁全体を平板部233aを裏面とする様に前方に向かって立設された周壁部233bと、周壁部233bの内側にハシゴ状に形成された前面ラダー状リブ233cと、シャッタ付き中央発光体役物400を前面側に取り付ける際の位置決め用突起233d,233dとが一体成形されている。
左右の半割リング状可動体役物210,220は、図18,図19に示す様に、半円形の正面外枠成形体212,222と、これら正面外枠成形体212,222のそれぞれの裏面に嵌め合わされる半円形のレンズ部材213,223と、これらレンズ部材213,223のそれぞれの裏面側に取り付けられる半円形のLED基板214,224と、半円形の裏蓋部材215,225と、を重ね合わせてネジ止めした組立体として構成されている。ガイドプレート211,221は、この組み立て作業の際に、正面外枠成形体212,222と裏蓋部材215,225との間に挟み込む様にして装着される。
正面外枠成形体212,222は、可動端側先端部212a,222aが、斜め方向に互い違いとなる端面形状とされていて、図20等に示す様に、合体位置において先端同士が重なり合う意匠体として構成されている。また、幅方向中心に円弧状レンズ窓212b,222bを備えると共に、当角度間隔で3個の菱形状レンズ窓212c,222cと、1個の三角形状レンズ窓212d,222dが開口されている。
レンズ部材213,223は、正面外枠成形体212,222よりも幅の狭い寸法形状とされ、3個の菱形状レンズ窓212c,222cに対応する位置には外径側及び内径側に飛び出す様に突起状レンズ213a,223aが形成されると共に、1個の三角形状レンズ窓212d,222dに対応する位置には内径側にだけ飛び出す様に突起状レンズ213b,223bが形成されている。また、レンズ部材213,223の可動端側先端部213d,223dは、正面外枠成形体212,222の一番下の菱形状レンズ窓212c,222cに対応する位置で切断された形状となっている。
LED基板214,224は、レンズ部材213,223と重なる形状に形成され、円弧状の本体プレート部214a,224a及び本体プレート部214a,224aから外径側及び内径側に飛び出す様に形成された三角形状プレート部214b,224bにLEDを配置したものである。
裏蓋部材215,225は、レンズ部材213,223及びLED基板214,224を前面に嵌り込ませた状態で、正面外枠成形体212,222の内側に嵌り込む寸法形状の平板215a,225aに対して、周縁リブ215b,225bと内部リブ215c,225cとを前面側に一体成形したものであって、可動端側先端部215d,225dの外径側に周縁リブ欠落部215e,225eを備えている。ガイドプレート211,221は、この周縁リブ欠落部215e,225eから挿入された状態でネジ止め固定される。
正面外枠成形体212,222の回動中心側元部212e,222eには、フォロワプレート212f,222fが一体成形されている。このフォロワプレート212f,222fには、左右の半割リング状可動体役物210,220を合体位置へ動作させたときに垂直方向となる長円形孔212g,222gが形成されている。また、フォロワプレート212f,222fの上端には回動中心となる軸支孔212h,222hが形成されている。
この軸支孔212h,222hは、左右が互いに重なり合う様に、左側の半割リング状可動体役物210のフォロワプレート212fからは右方向に、右側の半割リング状可動体役物220のフォロワプレート222fからは左方向に、飛び出す様に形成された軸支用膨出部212i,222iに形成されている。また、これら軸支用膨出部212i,222iは前後方向に互いに重なり合う様に、左側の半割リング状可動体役物210の方はフォロワプレート212fの前面よりも前方へずらす様に飛び出させて形成され、右側の半割リング状可動体役物220の方はフォロワプレート222fの前面から後方にずらす様に窪ませて形成されている。
また、左側の半割リング状可動体役物210のフォロワプレート212fには、左方向に飛び出す三角形状のシャッタ部材212jが形成されている。このシャッタ部材212jは、後述する様に、円月輪可動体役物200が開いた状態となった原点位置への動作完了を検出するためのものである。また、フォロワプレート212f,222fは、その対面側端面212k,222kが、合体位置において軸支孔212h,222hの中心とほぼ一致する垂直面となる様に構成されている。そして、対面側端面212k,222kの下部には半円形凹部212m,222mが形成されている。裏ユニット40には、合体動作時にこれらの半円形凹部212m,222mが左右から当接する様に、合体中心規制ピン49が突設されている(図12,図13等参照)。
この円月輪可動体役物200の動力は、駆動モータ250によって与えられる。駆動モータ250は、裏ユニット40の前面に取り付けられるギヤボックス240の左側に前面側から取り付けられ、ギヤボックス240内の3個の減速ギヤ251〜253を介して、2個の動作用ギヤ組254,255を正逆回転させることにより、左右の半割リング状可動体役物210,220を、待機位置(開いた状態)と可動位置(合体した状態)との間で回動動作させる。
ギヤボックス240は、ボックス後部241とボックス前部242とからなる前後半割の構造とされ、前述の減速ギヤ251〜253と、動作用ギヤ組254,255とを内部に収納する。動作用ギヤ組254,255は、ギヤ比1対1で構成されていて、回転中心の外側にピン254a,255aが前方へ向かって突設されている。このピン254a,255aは、フォロワプレート212f,222fの長円形孔212g,222gに嵌り込んでカム軸として機能する。このため、動作用ギヤ組254,255は、これらピン254a,255aが噛み合い位置に対して対称となる様に噛み合わされる。そして、ギヤボックス240のボックス前部242には、モータ軸を挿入するモータ用開口243と、ピン254a,255aを前方へ露出させるためのカム軸用開口244,245とが形成されている。
駆動モータ250は、モータ用開口24を覆う様にギヤボックス240の前面に取り付けられるベース部材260を介して設置され、モータカバー259(図10参照)で前面を覆われる。このベース部材260の右側にはフォトセンサ270が取り付けられる。このフォトセンサ270の検出部271にシャッタ部材212jが入り込んだ状態から、原点復帰を検出できる様になっている。
なお、フォロワプレート212f,222fは裏面側にワイヤハーネスを収納することのできる空間を形成する様に後方に向かって突設された周壁212o,222o及び長円形孔周壁212p,222pを備え、裏側から裏蓋212q,222qが装着される様になっている。ワイヤハーネスは、半割リング状可動体役物220,230のLED基板214,224へと電源及び信号を送るためのもので、フォロワプレート212f,222fと裏蓋212q,222qの上端側に形成される開口部分から内部空間212x,222xへと導かれ、LED基板214,224に接続される。
図18,図19の分解斜視図で示した部品を組み上げた状態を図20に示す。また、図20においてギヤボックス240を取り払った状態を図21に示す。これらの図に示す様に、左右の半割リング状可動体役物210,220は、合体位置において、斜め方向に互い違いとなる端面形状とされた可動端側先端部212a,222a同士が重なり合う意匠体として構成される。また、合体位置において、フォロワプレート212f,222fの半円形凹部212m,222mが円形孔を形成する様に接近する。このとき、裏ユニット40の合体中心規制ピン49があるから、左右の半割リング状可動体役物210,220が回動し過ぎることはない。
円月輪可動体役物200の動作状態を、図22〜図24に示す。図22(A),(C)及び図23が、可動位置(合体状態となる最大突出位置)へと動作した状態を、図22(B),(D)及び図24が、退避位置(液晶表示装置の前面から逃げた没入位置)へと動作した状態を示している。正面側から見える様に描いた図から分かる様に、動作用ギヤ組254,255のピン254a,255aが、フォロワプレート212f、222fの長円形孔212g、222gに係合してカムフォロワー機構を構成し、駆動モータ250を正逆回転することで、出没動作をすることが分かる。このとき、動作用ギヤ組254,255がギヤ比1対1であるから、左右の半割リング状可動体役物210,220は左右対称の動作を実行する。
図25に、裏ユニット40に装着し、ガイド形成部材230のガイド溝234,235にガイドプレート211,221がガイドされている状態を示す。図示の様に、ガイド溝234,235の溝底は、ガイドプレート211,221が円弧運動によって移動する軌跡(locus)とほぼ同一の形状となっている。また、ガイド形成部材230は、裏ユニット40に取り付けた状態において、窓開口41の下縁とほぼ一致する中央水平部234S,235Sと、中央水平部234S,235Sから左右に向かって窓開口41内に円弧状に飛び出す左膨出部234B及び右膨出部235Bとからなり、窓開口の下縁前面に沿う様に取り付けられた状態となる。この様に、回動軌跡に対応する上面形状とすることでガイドプレート211,221をそれほど深くまで達する長いものにしなくても、ガイド溝234,235から外れてしまうことがない。そして、液晶画面の下側左右の一部が隠れたとしても画像演出において違和感を与える影響は少なく、ガイドプレート211,221が目立つことなく回動動作が実行されることにより、合体演出における違和感を与え難い効果が大きい。
[4 発光体役物400の詳細]
実施例の遊技盤1は、図26に示す様に、ステージ20の背面に透明な壁部材21が立ち上げられ、この透明な壁部材21を通して視認可能な様に、ステージ20の中央背面位置(始動入賞口11の直上位置の後方)にシャッタ付き中央発光体役物400が備えられている。ステージ20は、左右から中央に向かって下り傾斜となっていて中央の合流部分が山なりに上方へ突出したステージ面22を有している。このステージ面22の前面には中央の山の両脇から遊技球を落下させる様に2箇所の窪み23a,23aを有するステージ飾り23が取り付けられている。ステージ20の中央の山の部分には、始動入賞口11の直上位置に開口するトンネル通路25が形成されている。このトンネル通路25の奥端は壁部材21で塞がれている。壁部材21の中央下部には、ステージ中央の背面縁に形成された半円形孔と共に円形の落下孔を形成する様に後方へ窪ませた半円形縦溝21aが形成されている。ワープ通路26等からステージ20の上面に飛び込んだ遊技球は、ステージ前面飾り23の窪み23a,23aから始動入賞口11の左右の脇へと落下する他、このトンネル通路25へと落ち込んで始動入賞口11の直上へと落下することもある構造となっている。
シャッタ付き中央発光体役物400は、図27,図28に示す様に、円の約1/3が開放された形状の開放リング型支持体430の下部に備えられている。
開放リング型支持体430は、図29,図30に示す様に、正面外枠左成形体431及び正面外枠右成形体432と、第1のレンズ部材433a〜433dと、装飾窓部材434a〜434eと、装飾窓裏レンズ部材435a〜435eと、左LED基板436及び右LED基板437と、左裏蓋部材438及び右裏蓋部材439と、中央発光体装飾部材440と、を前後方向に重ね合わせる様に組み立ててネジ止め固定した組立体として構成されている。そして、中央発光体装飾部材440の裏面側から、シャッタ付き発光体役物400が組み付けられる。
正面外枠左成形体431は、センター役物左上からステージ中央付近までの円弧状成形体であって、3個の台形状窓431aと、3箇の円弧状窓431bとを備えている。そして、3個の台形状窓431aの裏側に3個の第1のレンズ部材433a〜433cを嵌め込み、3個の円弧状窓431bの裏側に3個の装飾窓部材434a〜434c及び3個の装飾窓裏レンズ部材435a〜435cを嵌め込み、さらに左LED基板436を収納し、左裏蓋部材438で蓋をすることのできる成形体となっている。
正面外枠右成形体432は、ステージ中央付近から右上方へ向かうの円弧状成形体であって、1個の台形状窓432aと、2箇の円弧状窓432bとを備えている。全体の大きさは、正面外枠左成形体431の約1/3程度である。正面外枠右成形体432の1個の台形状窓432aの裏側に1個の第1のレンズ部材433dを嵌め込み、2個の円弧状窓432bの裏側に2個の装飾窓部材434d,434e及び2個の装飾窓裏レンズ部材435d,435eを嵌め込み、さらに右LED基板437を収納し、右裏蓋部材439で蓋をすることのできる成形体となっている。
中央発光体装飾部材440は、左側面飾り440a及び右側面飾り440bが取り巻く様に中央開口440cを形成した成形体であって、正面外枠左成形体431と正面外枠右成形体432の間に嵌め込む様に組み付けられる。この中央発光体装飾部材440は、中央開口440cの下側に前面壁440dが一体成形されている。この前面壁440dの前面上部中央には、正面視U字状の半円形凹入部440eが形成されると共に、裏面側は箱状リブ440fが一体成形によって形成されている。また、中央開口440cの縁にあたる部分にも後方へ向かって円筒状壁部440gが一体成形されると共に、円筒状壁部440gの左右にビス孔付きボス440hが全部で4個突設された成形体となっている。中央発光体装飾部材440は、正面外枠左成形体431と正面外枠右成形体432の間に、前面から嵌め込む様に組み付けられ、正面外枠左成形体431及び正面外枠右成形体432の中央側縁に形成されたビス挿入孔431h,432hを介して裏側からビス止め固定される。
シャッタ付き中央発光体役物400は、図29〜図32に示す様に、発光体401と、この発光体401の前面を覆うように設置された覆蓋部材402,403と、これら覆蓋部材402,403を閉鎖位置と開放位置との間で移動させる覆蓋駆動手段410とを備えている。
発光体401は、内面及び外面に光拡散加工を施された半球形状の光透過性部材401aと、この光透過性部材401aの内面側に前方へ向かって光を放つ様に装着された略円形のLED発光基板401bと、このLED基板401bの裏から装着される発光体裏蓋401cとから構成された半球状のものである。以後、発光体401を半球状発光体401と呼ぶ。
半球状発光体401の発光体裏蓋401cには、LED基板401bの裏面のボックスコネクタ401dにワイヤハーネスを接続するためのボックス状開口401eと、このボックス状開口401eの左右上角及び下中央に形成された3個のビス孔付き円柱部401fとが形成されている。
覆蓋部材402,403は、半球状発光体401よりも直径の大きい半球体を上下にほぼ二分割した形状のもので、以後、覆蓋部材402を上側半球状シャッタ片402と、覆蓋部材403を下側半球状シャッタ片403と呼ぶ。上側半球状シャッタ片402と下側半球状シャッタ片403は、半球状発光体401の球体中心を通る同一軸線上に形成された支軸405a,405bを回動中心とする様に取り付けられ、閉鎖位置において半球状発光体401の前面を覆い隠すことができるサイズの一対のものとして構成されている。
上側半球状シャッタ片402において閉鎖側となる下縁の中央には、下方に飛び出す様に三角形状突片部402aが形成されている。対する下側半球状シャッタ片403において閉鎖側となる上縁には、三角形状突片部402aの先端形状に対応して後方に凹入するする三角形状段部403aが形成され、この三角形状段部403aの背面側に同心の球面を形成する様に球面状背面壁403bが立設された形状となっている。
支軸405a,405bは、下側半球状シャッタ片403の左右に水平に突設されており、上側半球状シャッタ片402の軸挿通孔402b,402bをこの支軸405a,405bに嵌め込むことで、支軸405a,405bを互いに共通な回動中心として、上側半球状シャッタ片402と下側半球状シャッタ片403が上下方向に回動動作可能な構造となっている。
また、上側半球状シャッタ片402及び下側半球状シャッタ片403は、それぞれの右側において、支軸405a,405bと平行に、支軸405a,405bを通る水平面に対して上下対称となる様に突設されたピン402p,403pを備えている。
さらに、上側半球状シャッタ片402及び下側半球状シャッタ片403は、それぞれの内面を鏡面処理されたダイヤカット面402c,403cとすると共に、上側半球状シャッタ片402には梵字を象った覗き窓402dが形成されている。この覗き窓402dは貫通孔でもよいが、本実施例では透明な薄肉部として形成してある。
上側半球状上シャッタ片402は、鍔付きブッシュ404,404を間に挟み込む様にして下側半球状シャッタ片403から左右に突設されている支軸405a,405bを、軸挿通孔402b,402bに挿通させて一体化する。また、軸挿通孔402a,402aから飛び出している支軸405a,405bには外からも鍔付きブッシュ404,404を嵌め込む。
半球状発光体401、上側半球状シャッタ片402及び下側半球状シャッタ片403は、背面側に位置する背面支持枠411と、右側面側に位置する右側面支持枠412とによって形成される平面視L型の枠体部分の前面側に組み付けられる。
この組み付けに当たっては、半球状発光体401は、背面支持枠411の矩形開口411aの左右上角近くと下中央近くに形成された3個のビス挿通孔411bから挿入したビスを、発光体裏蓋401cのビス孔付き円柱部401fにねじ込んで組み付ける。これにより、LED基板401bのボックスコネクタ401dに接続されたワイヤハーネスは、発光体裏蓋401cのボックス状開口401e及び背面支持枠411の矩形開口411aを介して外部へと引き出した状態で組み付けることができる。
右側面支持枠412の右側面には、ギヤ比1対1で噛み合う一対のギヤ413,414が組み付けられる。そのため、右側面支持枠412の右側面には、ギヤ413,414を軸支するためのギヤ支持軸412a,412bが突設されている。ギヤ413,414は、ギヤ支持軸412a,412bに嵌め込まれ、裏側から裏面プレート415で蓋をされた状態に組み付けられる。このため、裏面プレート415には、ギヤ支持軸412a,412bを挿通する挿通孔415a,415bが形成されている。
ギヤ413,414は、それぞれの外周部から突設されたアーム413a,414aを備えている。このアーム413a,414aには左側を開口とする溝413b,414bが形成されている。ギヤ413,414は、このアーム413a,414aがギヤの噛み合い点を通る水平面に対して上下対称となる様に噛み合わされる。
右側面支持枠412には、このギヤ413,414の噛み合い点の延長線を中心とする円形の軸受け孔412cが貫通されると共に、この軸受け孔412cと同心円となる外側上下位置に円弧状溝412d,412eが開口されている。
右側面支持枠412には、これら一対のギヤ413,414に対して動力を伝達する駆動モータ420も取り付けられる。このため、右側面支持枠412の右側面には、モータベース416を固定するための2個のネジ孔付き支柱412fと、2個の位置決め突起付き支柱412gとが水平に突設形成されている。モータベース416には、モータ420の駆動軸420aを挿通するための円形孔416aが形成されると共に、ネジ孔付き支柱412fのネジ孔に一致するネジ挿通孔416bと、位置決め突起付き支柱412gの位置決め突起に一致する位置決め孔416cが形成されている。
駆動モータ420は、モータベース416の右側から、駆動軸420aを円形孔416aに挿通する様に組み付けられ、ネジ止め固定される。この駆動軸420aの先には、モータベース416を挟んで反対側から駆動ギヤ417が嵌合される。この駆動ギヤ417の外周の一部からシャッタ部材417aが突設されている。このシャッタ部材417aは、モータベース416の下部左側面に取り付けられるフォトセンサ425の検出部425aに入り込んだ状態を原点位置として検出するためのものである。モータベース416には、フォトセンサ425を取り付けるための位置決め突起416dとネジ孔416eが形成され、フォトセンサ425には位置決め孔425bとネジ挿通孔425cが形成されている。なお、モータベース416には駆動モータ420をネジ止め固定するためのネジ孔416fが形成され、駆動モータ420にはネジ挿通孔420bが形成されている。
ギヤ413,414と、駆動ギヤ417は、駆動ギヤ417のシャッタ部材417aが下向き位置となってフォトセンサ425の検出位置425aに入り込んだ状態のときに、ギヤ413,414のアーム413a,414aが前方を向いた状態となる様に、右側面支持枠412、裏面プレート415及びモータベース416の組立を実行する。
こうして、右側面支持枠412、ギヤ413,414、裏面プレート415、モータベース416、駆動ギヤ417、駆動モータ420及びフォトセンサ425を組み立てることによって覆蓋駆動手段410が完成したら、半球状発光体401を組み付けた背面支持枠411と右側面支持枠412とを組み立てながら、半球状発光体401の前面を覆う様に上側及び下側の半球状シャッタ片402,403を組み付ける。
この際、背面支持枠411の右端から約1/4の位置の上下に形成した3個のビス挿通孔411hから挿通したネジを、右側面支持枠412の円弧状開口直上辺りの上面から形成した3個のネジ孔412hへとねじ込んで、背面支持枠411と右側面支持枠412とを組み立てて平面視L型の枠体部分を組み上げる。このとき、右側側面支持枠412の上面から突設した2個の位置決め突起412iを、背面支持枠411に形成した2個の位置決め孔411iへと嵌合させて正しく位置決めを行うことができる様に構成されている。
背面支持枠411への半球状発光体401の取り付けにおいても、半球状発光体401の発光体裏蓋401cの裏面に突設した2個の位置決め突起401gを背面支持枠411に形成した2個の位置決め孔411gに嵌合させることによって正しく位置決めを行うことができる様に構成されている。
上側半球状シャッタ片402は、鍔付きブッシュ404,404を間に挟み込む様にして下側半球状シャッタ片403から左右に突設されている支軸405a,405bを、軸挿通孔402bに挿通させて一体化する。また、軸挿通孔402bから飛び出している支軸405a,405bに外から鍔付きブッシュ404,404を嵌め込む。そして、左側の支軸405aを、背面支持枠411の左側前面に突設された側壁部411kの軸受け孔411mに嵌め込むと共に、右側の支軸405bを、右側面支持枠412の上部中央の軸受け孔412cに嵌め込む。このとき、上側半球状シャッタ片402及び下側半球状シャッタ片403の右側において、支軸405bを通る水平面に対して上下対称となる様に突設されたピン402p、403pを、右側面支持枠412において軸受け孔411cと同心円となる外側上下位置に形成された円弧状開口411d,411eに挿入し、ギヤ413,414のアーム413a,414aの溝413b,414bへと嵌り込ませる。
前述の様に、ギヤ413,414はアーム413a,414aを前方へ向けた状態になっていることから、この組立の際に、上下の半球状シャッタ片402,403は、半球状発光体401の前面を閉じた状態に組み付けられる(図33参照)。
なお、図31,図32において、符号411pは、背面支持枠411を430にネジ止めするためのネジ挿入孔、符号411rは430側の位置決め突起と嵌合する位置決め孔、符号411rは位置決めバーである。
以上の様に構成された本実施例の発光体役物400は、発光体を半球状発光体401とすると共に、シャッタ片を半球をほぼ二分割した形状で閉鎖位置において半球状発光体401の前面を覆い隠すことができるサイズの一対の半球状シャッタ片402,403とし、これら半球状シャッタ片402,403を半球状発光体401の球体中心を通る同一軸線上に形成された支軸405a,405bを回動中心とする様に取り付けたので、図34に示す様に、シャッタ片402,403が開放位置へと回動していくとき、背後から出現する発光体401は球体の皮を剥いた様な印象となる。この結果、シャッタ片402,403が動いたときに遊技者に期待を抱かせ過ぎることがない反面、一皮剥けた状態で発光演出を行って初めて遊技者の興趣を高めることができる。
また、本実施例の発光体役物400は、一つの駆動モータ420で上下一対のシャッタ片402,403の回動角度を同じくして同期した動きを実現でき、閉鎖位置への移動完了をフォトセンサ425で検知することにより、閉鎖位置を基準とした開閉角度の制御も可能となっている。この結果、図34に示す様に、全閉位置((A1)〜(A3))、1/3開放位置((B1)〜(B3))、2/3開放位置((C1)〜(C3))、全開位置((D1)〜(D3))と、段階的な開閉角度の制御も実行可能となっている。
さらに、覆蓋駆動手段410が簡単な構成で着実な動作を可能にしているからこそ、組み付け精度等についての高い要求を必要としない。そして、簡単な構造であるから、始動入賞口11などの設置されるステージ20の中央の様な位置へも設置可能となっている。
また、閉鎖位置(図34(A1)〜(A3))においては、上側半球状シャッタ片402の突片部42aと下側半球状シャッタ片403の窪ませた段部403aとが重なる状態となる。この結果、高い組立精度を要求しなくても閉鎖位置での隙間が生じることがなく、経年変化が生じても隙間が生じない結果、発光演出として企画した内容を着実に実行することができる。
加えて、一対の半球状シャッタ片402,403は、内面を鏡面処理されたダイヤカット面402c,403cとすると共に、上側半球状シャッタ片402には内部を覗き見せることのできる覗き窓402dが形成されているので、シャッタ片402,403が閉鎖位置にあるときに発光体401を発光させると、ダイヤカット面402c,403cによって内部での乱反射が発生し、覗き窓402dを介して光が漏れ出すという斬新な発光演出を実行することもできる。
また、ステージ20の背面には透明板で形成された透明な壁部材21が立ち上げられ、発光体役物401は、始動入賞口11の上方において、透明壁部材21の背面側で発光体401及び覆蓋部材402,403がステージ20の上面から露出する位置となる様に、裏ユニット40の窓開口41の下部側の枠体部分の前面側に取り付けられているので、発光体役物400による発光演出が始動入賞口11という遊技者にとって注目し易い位置の近くで実行され、斬新な光の漏れ出し演出を効果的に実行することができる。そして、この様な効果は、蓋覆部材駆動手段410を前述の様に、ギヤ比1対1のギヤ413,414のアーム413a,414aの溝413b,414bにピン402p,403pを嵌め込み、駆動ギヤ417を介して駆動モータ420の動力を伝達する構成を採用し、これらギヤ413等を、背面支持枠411、右側面支持枠412、裏面プレート415及びモータベース416で取り囲んだギヤボックスに収納する構成としたので、ステージ中央という注目度の高い位置への発光体役物400の設置を容易にしている。
さらに、本実施例では、大型装飾部材としてのセンター飾り12の後方に連続して遊技盤1の前面パネル30の大開口31の内側を装飾する様に裏ユニット40の枠体部分43の前面側に取り付けられる内側装飾部材としての開放リング型支持体430を備え、この開放リング型支持体430を正面外枠左成形体431と正面外枠右成形体432に分割したので、左右の正面外枠成形体431,432の間を光体役物組み付け部とし、この発光体装飾役物組み付け部となる左右の正面外枠成形体431,432の間に、発光体役物400の周囲を取り囲む様に中央発光体装飾部材440を取り付け、発光体役物400を内側装飾部材である開放リング型支持体430に組み付けることにより、開放リング型支持体430を介して裏ユニット40の前面側に取り付けられる。そして、ステージ20には、上面中央に上方に膨らんだ山状の部分と、この山状の部分の中央部後方から切り欠かれた半円形落下孔と、この半円形落下孔と連続して遊技球を始動入賞口11の直上位置へと誘導するトンネル通路25とが備えられ、透明壁部材21の中央下部には半円形落下孔及びトンネル通路25の後壁を構成する様に半円形に後方へ窪んだ半円形縦溝21aが形成されると共に、中央発光体装飾部材440の下部中央には透明壁部材21の半円形縦溝21aの後方への膨らみを受け入れ得る半円形凹入部440eが形成されているので、発光体役物400をステージ20の中央のトンネル通路25の直後へと組み付けることができている。
この結果、始動入賞口11のすぐ上で遊技球がトンネル通路25へ転がり落ちるというラッキーな印象とも相俟ってさらに斬新な発光演出を実行することができる。そして、透明壁部材21によりステージ20上の遊技球が発光体役物400の開閉動作に不具合を生じさせることがなく、壁部材21があってもそれが透明であるから発光演出は確実に遊技者に視認させることができ、トンネル通路25の後壁がこの透明壁部材21の半円形縦溝21aで形成されるから、トンネル通路25へ落下する遊技球の動きと発光体役物による発光演出がシンクロナイズする演出も生じ易くなる。なお、発光体役物400の演出を、始動入賞口11への遊技球の入賞を検知した信号と同期させて実行するなどすることにより、このシンクロナイズ効果はより高まる。
[5 ロゴ可動体役物100の詳細]
ロゴ可動体役物100は、図35に示す様に、左ロゴ可動体110と右ロゴ可動体120を、互いに接近し合った状態の上昇位置((A)参照)と、それぞれが割れて左右に広がる様に落下した下降位置((B)参照)との間でスライド動作し、下降位置への移動によって、左右のロゴ可動体役物110,120の背後に隠されていた上部中央発光体130を露出させる様に構成されている。
背面を装飾する上部中央発光体130を取り除いた状態の図36,図37に示す様に、ロゴ可動体役物100は、左右のロゴ可動体110,120を上下方向に移動可能に支持するベース部材140と、このベース部材に左下がり傾斜に開口された平行な2条の長円形スライド溝151,152によって構成された左スライドガイド150と、同じくベース部材140に右下がり傾斜に開口された平行な2条の長円形スライド溝161,162によって構成された右スライドガイド160と、左右のロゴ可動体110,120を、これら左右のスライドガイド150,160に支持された状態とするための左スライドブロック153及び右スライドブロック163と、駆動手段としての左ソレノイド170及び右ソレノイド180と、このソレノイド170,180のロッド170a,180aの引き付け動作を左右のスライドブロック153,163の下降動作とする様に伝達する左右のレバー171,181と、ソレノイド170,180がオフとなったときに左右のスライドブロック153,163を上昇位置へと復帰させる付勢バネ172,182とを備えている。
ロゴ可動体役物100は、図38,図39に示す様に、複数の部品による組立体として構成されている。
左ロゴ可動体110は、図38,図39に示す様に、左ロゴ正面成形体111と、この左ロゴ正面成形体111の裏側内部に嵌め込まれる左ロゴレンズ部材112と、左ロゴレンズ部材112の裏側に組み付けられる左ロゴLED基板113と、この左ロゴLED基板113の裏側を蓋する様に組み付けられる左ロゴ裏蓋部材114との組立体として構成されている。右ロゴ可動体120も、同様に、右ロゴ正面成形体121と、右ロゴレンズ部材122と、右ロゴLED基板123と、右ロゴ裏蓋部材124との組立体として構成されている。
左右のロゴ正面成形体111,121は、透明な合成樹脂の射出成形体であって、内面をダイヤカット加工によって光拡散処理されている。左右のロゴレンズ部材112,122も透明合成樹脂製射出成形体であって、内外面を光拡散処理されている。そして、左右のロゴ裏蓋部材114,124の裏面には、左右のスライドブロック153,163をそれぞれに組み付けるための3個のネジ孔114a1,124a1を3つの頂点の位置に備えた“おにぎり形”のスライドブロック組付部114a,124aが突設されると共に、左右のロゴLED基板113,123へと信号ケーブルを接続するための各2個のケーブル接続窓114b,124bが開口されている。
左ロゴ裏蓋部材114に開口された2個のケーブル接続窓114b,114bは、左ロゴ可動体110のスライド方向と一致する様に左下がりの軸線上に並ぶ様に開口され、これらの間にケーブル押さえ部114cが備わった構造となっている。同じく、右ロゴ裏蓋部材124に開口された2個のケーブル接続窓124b,124bは、右ロゴ可動体120のスライド方向と一致する様に右下がりの軸線上に並ぶ様に開口され、これらの間にケーブル押さえ部124cが備わった構造となっている。本実施例では、信号ケーブルとして帯状に一体化されたフラットケーブルを使用し、一方の窓から挿入して他方の窓の位置でLED基板113,123の裏面のケーブルコネクタ113a,123aに接続することにより、フラットケーブルがケーブル押さえ部114c,124cによって押さえられた状態となる様に取り付けている。このとき、フラットケーブルの他端は、ケーブル接続窓114b,124bの並びと同じ方向に傾斜させた配線となる様にベース部材140の前面に取り付ける。
左右のロゴ可動体110,120の背後に設置される上部中央発光体130は、図38,図39に示す様に、裏蓋部材131と、3個のLED基板132,133,134と、中央上部レンズ部材135と、中央組付枠136と、中央正面成形体137と、左右の正面成形体138,139(図2,図42参照)とを組み立てて構成されている。中央正面成形体137は、透明なレンズ部137aと、不透明な装飾部137bとからなり、レンズ部137aの内面には光拡散加工が施されている。中央組付枠136は、円形窓136aと三角形窓136bが連続した形状の開口を備えている。この中央組付枠136に対して、中央正面成形体137は円形窓136aの前面側から、レンズ部材135は三角形窓136bの裏面側から組み付けられる。裏蓋部材131は、中央組付枠136に対応する中央部131aの上部左右から、左アーム部131b及び右アーム部131cが伸びた形状の成形体として構成されている。裏蓋部材131の左側に装着されるLED基板132は左アーム部131bと、中央に装着されるLED基板133は中央部131aと、右側に装着されるLED基板134は右アーム部131cと対応する形状をしている。そして、中央のLED基板133の前面に中央正面成形体137及びレンズ部材135が組み付けられた中央組付枠136が装着され、左右のLED基板132,134の前面に左右の正面成形体138,139が装着される。
裏蓋部材131には、これらLED基板132,133,134の裏面側の接続コネクタ132a,133a,134aを露出させるための窓開口131dが開口されている。また、左右のLED基板132,134の前面側には、左右のロゴ可動体110,120に対して接続されるフラットケーブルの他端を接続するフラットケーブル用コネクタ132b,134bが備えられている。そして、左右のLED基板132,134と左右の正面成形体138,139の間には、フラットケーブル用コネクタ132b,134bに接続されたフラットケーブルを引き出して通過させることのできる隙間が形成され、左右のロゴ可動体110,120のLED基板113,123のケーブルコネクタ113a,123aへと配線できる様に構成されている。この様にして、左右のLED基板132,134を、左右のロゴ可動体110,120への発光演出信号の中継基板としても機能させている。
左右のロゴ可動体110,120をスライド可能に支持するベース部材140には、図38〜図41に示す様に、左下部に、左スライドガイド150を構成する左下がり傾斜の平行な2条の長円形スライド溝151,152が開口されると共に、右下部に、右スライドガイド160を構成する右下がり傾斜の平行な2条の長円形スライド溝161,162が開口されている。
左スライドガイド150の長円形スライド溝151,152の周縁には、図40に示す様に、溝を取り巻く様に前面側及び裏面側に突設する様にスライド溝縁枠部151a,152aが形成されている。これらスライド溝縁枠部151a,152aの前端面及び後端面は、面一となり、それぞれ、スライドブロック153の摺動面として機能する。
右スライドガイド160の長円形スライド溝161,162の周縁にも、図41に示す様に、溝を取り巻く様に前面側及び裏面側に突設する様にスライド溝縁枠部161a,162aが形成されている。これらスライド溝縁枠部161a,162aの前端面及び後端面は、面一となり、それぞれ、スライドブロック163の摺動面として機能する。
左のスライドブロック153は、図38,図39に示す様に、前側部材154及び後側部材155から構成される。前側部材154には、図40に示す様に、前面側に、左ロゴ可動体110の裏面のスライドブロック組付部114aの3個のネジ孔114a1にネジを螺合する際の3個のネジ挿入孔154a1を3つの頂点の位置に備えた“おにぎり形”の嵌合凹部154aが形成されると共に、裏面側には、内側の長円形スライド溝151に挿通される2個のボス154b,154cと、外側の長円形スライド溝152に挿通される2個のボス154d,154eとが突設されている。内側の長円形スライド溝151に挿通されるボス154b,154cの内、上方に位置するボス154bの先端は段付き細径部154fとされている。
また、後側部材155には、前面側に、ボス154bの段付き細径部154fと突き合わされる細径ボス155bが形成されると共に、その他の3個のボス154c,154d,154eを嵌合させる3個の凹入部155c,155d,155eが形成されている。細径ボス155bは先端面が凹入部155c〜155eよりも低く形成され、この先端面を底とする収納部を形成する様に90度間隔で3個の爪155fが周囲を取り巻く様に形成されている。なお、3個の凹入部155c〜155eにはネジ挿通孔が形成され、これら3個の凹入部155c〜155eと嵌合する3個のボス154c〜154eにはそれぞれネジ孔が形成されている。前側部材154と後側部材155は、これらネジ挿通孔及びネジ孔の3つ全部又は対角位置にある2つを用いてネジ止めすることにより、長円形スライド溝151,152の間のベース部材残存部156を前後から挟む様にして、ベース部材140に対して組み付ける。
右のスライドブロック163は、図38,図39に示す様に、前側部材164及び後側部材165から構成される。前側部材164には、図41に示す様に、前面側に、右ロゴ可動体120の裏面のスライドブロック組付部124aの3個のネジ孔124a1にネジを螺合する際の3個のネジ挿入孔164a1を3つの頂点の位置に備えた“おにぎり形”の嵌合凹部164aが形成されると共に、裏面側には、内側の長円形スライド溝161に挿通される2個のボス164b,164cと、外側の長円形スライド溝162に挿通される2個のボス164d,164eとが突設されている。内側の長円形スライド溝161に挿通されるボス164b,164cの内、上方に位置するボス164bの先端は段付き細径部164fとされている。
また、後側部材165には、前面側に、ボス164bの段付き細径部164fと突き合わされる細径ボス165bが形成されると共に、その他の3個のボス164c,164d,164eを嵌合させる3個の凹入部165c,165d,165eが形成されている。細径ボス165bは先端面が凹入部165c〜165eよりも低く形成され、この先端面を底とする収納部を形成する様に90度間隔で3個の爪165fが周囲を取り巻く様に形成されている。なお、3個の凹入部165c〜165eにはネジ挿通孔が形成され、これら3個の凹入部165c〜165eと嵌合する3個のボス164c〜164eにはそれぞれネジ孔が形成されている。前側部材164と後側部材165は、これらネジ挿通孔及びネジ孔の3つ全部又は対角位置にある2つを用いてネジ止めすることにより、長円形スライド溝161,162の間のベース部材残存部166を前後から挟む様にして、ベース部材140に対して組み付ける。
左のスライドブロック153の後側部材155の前面側に突設された細径ボス155bは、組立時に前側部材154の細径段部154fと同一軸線上に同一径の細径部分を形成する様に構成されている。また、図40に示す様に、後側部材155の裏面側にはレバー171の可動端側長孔171aを連結するためのレバー連結用ピン155hが突設されている。レバー連結用ピン155hの先端には抜け止め片155iが外に向かって突設されている。
また、ベース部材140の左側部分の裏面側には、図40に示す様に、左のスライドガイド150の内側の長円形スライド溝151の延長線上の位置に付勢バネ172の上端172bを連結するためのバネ連結用フック141が突設されている。付勢バネ172は、このバネ連結用フック141と、左のスライドブロック153のボス154b及び細径ボス155bが付き合わさって形成される細径部分との間に装着され、スライドブロック153を内側の長円形スライド溝151に沿って上方へ引き上げる様に付勢力を加える。この細径部分は、前面側のボス154bの段部を有することとなるので、付勢バネ172が、軸方向へズレようとする動きは規制される。
さらに、ベース部材140の左側部分には、図40に示す様に、左のレバー171の回動中心となる支点ピン173を嵌合する支点孔142が形成されている。左のレバー171は、左端に形成されたロッド連結孔171bに連結ピン174を装着して左のソレノイド170のロッド170aの先端の連結用長孔170bと連結されると共に、ロッド連結孔171bの右下に突の形状となっている角部に形成された支点孔171cに支点ピン173を挿通させつつ当該支点ピン173をベース部材140の支点孔142に嵌合することによって、ベース部材140の裏面側において、回動可能な状態に取り付けられる。
左のレバー171の右端部に形成された長孔171aに、前述のスライドブロック153のレバー連結用ピン155hを挿通させることにより、スライドガイド150に支持されたスライドブロック153に対してレバー171を連結する。ソレノイド170をオンにするとロッド170aを上方へ吸引する動作が実行され、レバー171が正面視において時計回りに回動され、その右端部が下方に向かって移動する。この結果、スライドブロック153は、スライドガイド150に沿って斜め下方に移動される。従って、左ロゴ可動体110は斜め左下へと移動し、左ロゴ可動体110が外へ開きながら落下する様に見せる可動体演出が実行される。ソレノイド170をオフにすると、ロッド170aの吸引が解かれ、付勢バネ172が縮もうとする結果、スライドブロック153は、内側の長円形スライド溝151の軸線上を上方へ移動され、スライドガイド150の最上部で停止する。この結果、左ロゴ可動体110が、斜め右上へと移動し、右ロゴ可動体120と接近した初期位置へと復帰する動作が実行される。
右のスライドブロック163の後側部材165の前面側に突設された細径ボス165bは、組立時に前側部材164の細径段部164fと同一軸線上に同一径の細径部分を形成する様に構成されている。また、図41に示す様に、後側部材165の裏面側にはレバー181の可動端側長孔181aを連結するためのレバー連結用ピン165hが突設されている。レバー連結用ピン165hの先端には抜け止め片165iが外に向かって突設されている。
また、ベース部材140の右側部分の裏面側には、図41に示す様に、右のスライドガイド160の内側の長円形スライド溝161の延長線上の位置に付勢バネ182の上端182bを連結するためのバネ連結用フック143が突設されている。付勢バネ182は、このバネ連結用フック143と、右のスライドブロック163のボス164b及び細径ボス165bが付き合わさって形成される細径部分との間に装着され、スライドブロック163を内側の長円形スライド溝161に沿って上方へ引き上げる様に付勢力を加える。この細径部分は、前面側のボス164bの段部を有することとなるので、付勢バネ182が、軸方向へズレようとする動きは規制される。
さらに、ベース部材140の右側部分には、図41に示す様に、右のレバー181の回動中心となる支点ピン183を嵌合する支点孔144が形成されている。右のレバー181は、左端に形成されたロッド連結孔181bに連結ピン184を装着して左のソレノイド180のロッド180aの先端の連結用長孔180bと連結されると共に、ロッド連結孔181bの右下に突の形状となっている角部に形成された支点孔181cに支点ピン183を挿通させつつ当該支点ピン183をベース部材140の支点孔144に嵌合することによって、ベース部材140の裏面側において、回動可能な状態に取り付けられる。
右のレバー181の右端部に形成された長孔181aに、前述のスライドブロック163のレバー連結用ピン165hを挿通させることにより、スライドガイド160に支持されたスライドブロック163に対してレバー181を連結する。ソレノイド180をオンにするとロッド180aを上方へ吸引する動作が実行され、レバー181が正面視において時計回りに回動され、その右端部が下方に向かって移動する。この結果、スライドブロック163は、スライドガイド160に沿って斜め下方に移動される。従って、右ロゴ可動体120は斜め右下へと移動し、右ロゴ可動体120が外へ開きながら落下する様に見せる可動体演出が実行される。ソレノイド180をオフにすると、ロッド180aの吸引が解かれ、付勢バネ182が縮もうとする結果、スライドブロック163は、内側の長円形スライド溝161の軸線上を上方へ移動され、スライドガイド160の最上部で停止する。この結果、右ロゴ可動体120が、斜め左上へと移動し、左ロゴ可動体110と接近した初期位置へと復帰する動作が実行される。
なお、左右のソレノイド170,180は、図38,図39に示す様に、取付金具191,192で背面から押さえる様にしてベース部材140の裏面に固定される。
以上説明した様に、本実施例のロゴ可動体役物100においては、2条の平行な左下がり傾斜の長円形スライド溝151,152によって、左下がり傾斜のガイドバーに相当する残存部156を有するスライドガイド150を形成している。同じく、2条の平行な右下がり傾斜の長円形スライド溝161,162によって、右下がり傾斜のガイドバーに相当する残存部166を有するスライドガイド160を形成している。
ここで、左下がり傾斜の長円形スライド溝151,152には、それぞれスライド溝縁枠部151a,152aを前にも後ろにも突出する様に備えさせているので、スライドガイド150は構造上頑丈である。そして、スライド溝縁枠部151a,152aの前端面及び後端面は面一とされているので、スライドブロック153の前側部材154の裏面及び後側部材155の前面は、これらスライド溝縁枠部151a,152aによって前後方向をしっかりとガイドされる。また、スライドブロック153は、前側部材154の裏面の内側2個のボス154b,154cを内側の長円形スライド溝151に、外側2個のボス154d,154eを外側の長円形スライド溝152にそれぞれ嵌め込んでいるので、横方向はスライド溝縁枠部151a,152aの内周面でガイドされる。この結果、左のスライドブロック153は、左下がり傾斜のスライドガイド150に沿って、しっかりとガイドされた状態でスライド動作を行うことができる。
この左のスライドブロック153の前側部材154は、前面に形成した嵌合凹部154aにて左ロゴ可動体110の裏面に突設されたスライドブロック組付部114aとしっかりと嵌合され、3個のネジで固定される。この結果、左ロゴ可動体110は、ベース部材140の左側下部に形成されたスライドガイド150によってしっかりとガイドされた状態に組み付けられる。
また、このスライドブロック153は、レバー171と、その可動端側長孔171aに対して後側部材155のレバー連結用ピン155hを挿通させ、抜け止め片151iで抜け止めした状態に連結される。連結が長孔とピンによるものであることから、遊びが確保され、レバー171の円弧状の回動動作に対して、スライドブロック153は、左下がりの直線で構成されるスライドガイド150に沿ったスライド動作をスムーズに実行することができる。
レバー171は、ソレノイド170のロッド170aとの連結においても、ロッド側の長孔170bに対して連結ピン174を挿通させる構成となっているので、ソレノイド170の直線運動を、支点ピン173及び支点孔142を中心とした回動運動にする際も、遊びの存在によるスムーズな動きが確保されている。
この結果、ソレノイド170をオンとすることによってロッド170aを上方に吸引したときに、レバー171はスムーズに時計回りの回動動作を実行し、スライドブロック153は、左下がり傾斜のスライドガイド150に沿って左方向へ移動しながら下降するスライド動作をスムーズに実行することができる。そして、ソレノイド170をオフとしてロッド170aの吸引を解いたとき、付勢バネ172がスライドブロック153の内側上部のボス154bを内側の長円形スライド溝151に沿って引っ張り上げる。これによって、ロッド170aは引き出され、スライドブロック153は、スライドガイド150の上端まで上昇する。
この結果、左ロゴ可動体110は、ソレノイド170のオン操作によって左斜め下に向かってスライド動作され、ソレノイド170のオフ操作によって、付勢バネ172によって元の上昇位置へと右上がりにスライド動作される。
同様に、右下がり傾斜の長円形スライド溝161,162にも、それぞれスライド溝縁枠部161a,162aを前にも後ろにも突出する様に備えさせているので、スライドガイド160も構造上頑丈である。そして、スライド溝縁枠部161a,162aの前端面及び後端面は面一とされているので、スライドブロック163の前側部材164の裏面及び後側部材165の前面は、これらスライド溝縁枠部161a,162aによって前後方向をしっかりとガイドされる。また、スライドブロック163は、前側部材164の裏面の内側2個のボス164b,164cを内側の長円形スライド溝161に、外側2個のぼる164d,164eを外側の長円形スライド溝162にそれぞれ嵌め込んでいるので、横方向はスライド溝縁枠部161a,162aの内周面でガイドされる。この結果、左のスライドブロック163は、左下がり傾斜のスライドガイド160に沿って、しっかりとガイドされた状態でスライド動作を行うことができる。
この右のスライドブロック163の前側部材164は、前面に形成した嵌合凹部164aにて右ロゴ可動体120の裏面に突設されたスライドブロック組付部124aとしっかりと嵌合され、3個のネジで固定される。この結果、右ロゴ可動体120は、ベース部材140の右側下部に形成されたスライドガイド160によってしっかりとガイドされた状態に組み付けられる。
また、このスライドブロック163は、レバー181と、その可動端側長孔181aに対して後側部材165のレバー連結用ピン165hを挿通させ、抜け止め片161iで抜け止めした状態に連結される。連結が長孔とピンによるものであることから、遊びが確保され、レバー181の円弧状の回動動作に対して、スライドブロック163は、右下がりの直線で構成されるスライドガイド160に沿ったスライド動作をスムーズに実行することができる。
レバー181は、ソレノイド180のロッド180aとの連結においても、ロッド側の長孔180bに対して連結ピン184を挿通させる構成となっているので、ソレノイド180の直線運動を、支点ピン183及び支点孔144を中心とした回動運動にする際も、遊びの存在によるスムーズな動きが確保されている。
この結果、ソレノイド180をオンとすることによってロッド180aを上方に吸引したときに、レバー181はスムーズに時計回りの回動動作を実行し、スライドブロック163は、右下がり傾斜のスライドガイド160に沿って右方向へ移動しながら下降するスライド動作をスムーズに実行することができる。そして、ソレノイド180をオフとしてロッド180aの吸引を解いたとき、付勢バネ182がスライドブロック163の内側上部のボス164bを内側の長円形スライド溝161に沿って引っ張り上げる。これによって、ロッド180aは引き出され、スライドブロック163は、スライドガイド160の上端まで上昇する。
この結果、右ロゴ可動体120は、ソレノイド180のオン操作によって左斜め下に向かってスライド動作され、ソレノイド180のオフ操作によって、付勢バネ182によって元の上昇位置へと右上がりにスライド動作される。
そして、ソレノイド170,180を同時にオンとすれば、左右のロゴ可動体110,120が、あたかも左右に割れながら落下して液晶画面2aの前面に重なる突出位置へと移動する。そして、ソレノイド170,180を共にオフにすれば、スライドガイド150,160の内側のスライド溝151,161と同じ方向に張られている付勢バネ172,182の復帰動作によって、左右のロゴ可動体110,120は、液晶画面2aには重ならない上部の退避位置へと復帰し、左右のロゴ可動体110,120による一つのロゴによるセンター役物上部の装飾を形成する。
また、退避位置への復帰動作が付勢バネ172,182により実行される構成であるから、位置検出センサを設けたり、モータ駆動としたりする必用がなく、ソレノイド170,180を駆動源とすることを可能ならしめている。そして、このことは、付勢バネ172,182を内側のスライド溝151,161と方向を重ね合わせる様に装着する構成によって、この動作をスムーズにしている。また、このことは、付勢バネ172,182の下端172a,182aが装着されるボス154b,164bの裏側にレバー171,181との連結用ピン155h,165hが同一軸線上に位置する様に形成されていることから、ソレノイド170,180をオン操作した際に、付勢バネ172,182を最も効率よく引き伸ばす事ができる構造となっていることも効果的に作用している。
さらに、各スライドブロック150,160は、前述の様に、スライド溝縁枠部151a,152a、161a,162aの前端面及び後端面によっての前後方向のガイドをしっかりとされると共に、付勢バネ172,182を装着しない3個のボス154c〜154e、164c〜164eを後側部材160の凹入部155c〜155a、165c〜165eに対して嵌合させた上でネジ止めする構造としたので、組立易く、しかも、十分な強度で一体化される。
また、レバー171,181及び付勢バネ172,182がベース部材140の背面側に位置する様に、ソレノイド170,180がベース部材140の背面側に固定されているので、これらロゴ可動体役物100の駆動機構(レバー171,181、付勢バネ172,182及びソレノイド170,180)の設置スペースを容易に確保することができる。
加えて、ロゴ可動体役物100を二つに分割された左右のロゴ可動体110,120で構成し、スライドブロック153,163、レバー171,181、付勢バネ172,182及びソレノイド170,180は、左右のロゴ可動体110,120用にそれぞれ備えられ、スライドガイド150,160は左右のロゴ可動体110,120用で末広がりの関係となる様に傾斜方向を変えて斜めに形成され、右のレバー181は左右のスライドブロック153,163の間となり、左のレバー171は左のスライドブロック153の外側(左側)となる様に組み付けられているので、全体にコンパクトな構成とすることができ、かかる構成を可能ならしめる上で、ソレノイド170,180による駆動並びに付勢バネ172,182による復帰という構成が活きている。
また、ロゴ可動体役物100による演出はロゴが単純に落下する演出ではなく、ソレノイド170,180を片方だけオン操作するならば、ロゴの半分だけが落下し、両方をオン操作するならばロゴの全体が広がりながら落下するといった新規で斬新な演出が可能となる。この様な新規で斬新な演出は、左右のロゴ可動体110,120の上下方向の動作を安定かつ円滑に実行するためのスライドガイド150,160としてのベース部材残存部156,166を包み込む様に設置するスライドブロック153,163の採用が有効に作用し、スライドブロック153,163の背面側に突設されたピン155h、165hに対して先端側を連結されたレバー171,181と、レバー171,181の後端側にロッド170a,180aを連結したソレノイド170,180とを備え、これらの連結部分を長孔とピンとすることで遊びを確保し、突出動作はソレノイド駆動により、復帰動作(退避動作)は付勢バネ172,182としたので、斜め方向のスライド動作を安定かつ円滑に実行させることができるからこそ、この様な新規で斬新な演出が可能になっている。また、左右のロゴ可動体110,120においてスライドガイド150,160を末広がりの関係としたから、上述の様にコンパクトな構成とすることが可能になっており、本実施例の各構成は、互いに有機的な作用を奏し合って、上述の如き特有の作用・効果を達成できている。
ロゴ可動体役物100においてベース部材140の前面左右に装着される左正面成形体138及び右正面成形体139は、図42(D),(E)に示す様に、上部が前方へ大きく膨らんだ前面形状を呈し、ロゴ可動体110,120が前面に装着されてスライド動作するロゴ可動体移動範囲138a,139aは、左右の正面成形体138,139で前面位置がほぼ同じ垂直面上に位置し、スライド動作の妨げとならない様に構成されている。
そして、図42(B),(C)に示す様に、左正面成形体138のロゴ可動体移動範囲138aの内側下縁はスライドガイド150を完全に露出させる様にベース部材140の正面視に対して大きく切りかかれた切り欠き部138bとなっている。この切り欠き部は、図42(A)に示す様に、二段に切り欠かれ、一部はスライドガイド150の傾きとほぼ一致する傾きの上辺138cを有する矩形状切り欠き部138dとされている。
また、右正面成形体139も、図42(B),(C)に示す様に、ロゴ可動体移動範囲139aの内側縁近くのスライドガイド160と重なる位置に、等脚台形状窓139bが開口されている。この等脚台形状窓139bの上底139c及び下底139dは、スライドガイド160の傾きとほぼ一致している。さらに、この等脚台形状窓139bの右上方の位置に矩形状窓139eも開口されている。この矩形状窓139eは、スライドガイド160とほぼ平行となる様に傾いた矩形として開口されている。
また、左正面成形体138及び右正面成形体139は、図42(D),(E)に示す様に、裏面の支柱部138h、139hをベース部材140の前面に当接させて組み付けられ、矩形状切り欠き部138d及び矩形状窓139eの前面に十分な空間を確保することができている。
そして、左正面成形体138の矩形状切り欠き部138d及び右正面成形体139の矩形状窓139eは、ロゴ可動体110,120の背面のケーブル接続窓114b,124bの後方に位置し、フラットケーブルをこれら成形体138,139の前に引き出す開口として設けられている。また、前述の様に、これら矩形状切り欠き部138d及び矩形状窓139eは、スライドガイド150,160と同じ方向に傾斜し、左右のロゴ可動体110,120の背面のケーブル接続窓114b,124bも同じくスライドガイド150,160と同じ方向に傾斜している。
この結果、ベース部材140の前面に装着される左右のLED基板132,134の前面側に設けられたフラットケーブル用コネクタ132b,134bと、左右のロゴ可動体110,120の裏面に装着されるLED基板113,123の裏面側に設けられたケーブルコネクタ113a,123aとの間に接続されたフラットケーブルは、ロゴ可動体110,120のスライド動作に対して捻られることなく追従することができる。
また、スライドブロック153,163は、図42(B),(C)に示す様に、スライドガイド150,160の上端位置にあるときも下端位置にあるときも、おにぎり形”の嵌合凹部154a,164aが正面から露出して見える状態になる様に、切り欠き138b及び等脚台形状窓139bが切り欠かれ、あるいは開口されている。そして、スライドブロック153,163自体は、左右の正面成形体138,139の裏面側に収まっていて、スライドガイド150,160の前端面、後端面及びスライド溝同士の内側周壁によて支持された状態となる。この結果、スライド動作をさせるための機構部分は左右の正面成形体138,139及びロゴ可動体110,120の裏側に隠されて目立たないから、好適な装飾性も確保されている。
この様に、本実施例のロゴ可動体役物100によれば、円滑な動作で可動体110,120を上下方向へ動作させることができ、しかも、設置スペースもそれほど大きく必用とせず、かつ、高い組み立て精度を要求されることなく遊技機に取り付けることができる。
[6 左サイド飾り500の詳細]
次に、本実施例の遊技機が採用した左サイド飾り500について、その詳細を説明する。図43に示す様に、左サイド飾り500は、遊技領域10の左下部に備えられる左下普通入賞口16a〜16cと一体の部品として構成されている。なお、本実施例の遊技機には遊技領域10の右下部分にも右サイド飾り590が装着される。このため、図5に示した様に、前面パネル30の左右下部には、サイド飾り装着用開口32,33が貫通形成されている。
本実施例において特徴的なものは左サイド飾り500の構成である。図44,図45に示す様に、左サイド飾り500は、サイド飾り装着用開口32の縁の前面に取り付けられるベース部510と、ベース部510の背面側に取り付けられる背面蓋550と、立体的な造形体560と、普通入賞口形成部材571,572とを組み付けてなる組立体として構成されている。
ベース部510は、左上端から高さ方向約1/4程度下がった位置に全体に若干右下がりとなっている上部転動面521を有し、この上部転動面521の右端から下方に向かって連続する右側転動面522を有するサイド飾り本体520が前方へ向かって一体に突設されたベース前側枠部材530と、ベース前枠部材530の裏面側に組み付けられるベース後側透視窓部材540とから構成されている。
ベース前側枠部材530には、サイド飾り本体520の左斜め上方から3個の普通入賞口16a〜16cに対応する位置を少し越える辺りまでの幅を有する基部プレート531が備えられている。この基部プレート531には、入賞口用開口532,533,534が形成されると共に、これら入賞口用開口532,533,534の下方に、意匠的な形状に切り欠かれた中央下切り欠き部535及び同じく意匠的な形状に開口された右下窓部536を備えている。また、サイド飾り本体520の上部転動面521の上方にも、左側から意匠的に切り欠かれた左上切り欠き部537を備えている。
ベース後側透視部材540は、ベース前側枠部材530の左上切り欠き部537、中央下切り欠き部535、及び窓部536に嵌り込む左上透視部541、中央下透視部542及び右下透視部543と、これらの背面側に連続する基部プレート544とを備えている。ベース後側透視部材540は、透明な合成樹脂の射出成形品として製造されている。
サイド飾り本体520は、上部転動面521と右側転動面522の前面側に連続して正面視逆L字形状の逆L字形前面壁523が備えられている。そして、この逆L字形前面壁523に連続して垂直断面が逆L字状となる内側壁524が後方に向かって一体成形されている。また、ベース後側透視部材540の左上透視部541には、この逆L字形前面壁523に連続する内側壁524の裏蓋となる逆L字部545が連続する様に形成されている。この結果、ベース前側枠部材530とベース後側透視部材540とを組み立ててなるベース部510には、サイド飾り本体520の逆L字前面壁523に連属する内側壁524の外側(逆L字の内側)に、誘導レールとの間で取り囲まれる開口が形成されることになる。なお、逆L字形前面壁523には2個の円筒孔523a,523bが形成されており、この円筒孔523a,523bに支柱部525a,525bを嵌め込む様にして装飾部材525が装着される。この装飾部材525も、全体に逆L字型の形状となっていてサイド飾り520の逆L字形前面壁23の角部を装飾するものなので、前述した開口を塞いでしまうことはない。
背面蓋550は、前面パネル30のサイド飾り装着用開口32を通過することのできる寸法であって、ベース部510との間に立体的な造形体560を収容する収容空間を形成する様に後方に膨らんだ形状とされている。また、背面蓋550の上面壁551には、ベース前側枠部材530に開口されている入賞口用開口532,533,534と連続する入賞口用樋552,553,554が一体成形されている。さらに、下面壁555の左上部分には、ベース後側透視部材540の逆L字部545の左上端部と右下端部とを円弧状に連絡する様に嵌り込む円弧状プレート556が、下面壁555の前端からさらに前方にずれる様にして一体成形されている。従って、この円弧状プレート556は、逆L字部545の下縁となる様に間に嵌り込むことになる。これにより、左サイド飾り500全体としては、サイド飾り装着用開口32を前からしっかりと塞ぐことができている。
また、背面蓋550の下面壁555は、組み付けた状態において、逆L字部545の上縁545a及び右縁545bよりも十分に下方に位置する関係となっている。この結果、ベース部510と背面蓋550とによって形成された収容空間は、逆L字部545の上縁545a及び右縁545bと背面蓋550の下面壁555とによって囲まれる開口580を介して前方へ開放されたものとなっている。
立体的な造形体560は、右側造形体561と左側造形体562とから構成されている。
右側造形体561は左右両端に円筒部561a,561bと、これら円筒部561a,561bの間で上下方向にも前後方向にも伸びる火炎の形状に形成された本体部561cとからなる立体的な意匠体となっている。この右側造形体561は、ベース前側枠部材530の裏面に突設された造形体支持ピン538a,538bに円筒部561a,561bを嵌め込む様にして組み付けられ、中央下切り欠き部535及び右下窓部536の背面に装着される。従って、立体的な意匠体である本体部561cは、ベース後側透視部材540の中央下透視部542及び右下透視部543を介して正面から視認することができる。
左側造形体562は左端にだけ備えられた円筒部562aと、この円筒部562aから右方向に火炎が伸びる様に形成され、特に、先端562bから1/4程の中間火炎部562cが前方に大きく屈曲された形状に形成された本体部562dとからなる立体的な意匠体となっている。また、左端の円筒部562aから右方向へ1/4程の位置の前面側に円形窪み562eも形成されている。この左側造形体562は、ベース前側枠部材530の裏面左上に突設された造形体支持ピン539に円筒部562aを嵌め込むと共に、ベース後側透視部材540の左上透視部541と逆L字部545との連続部分に裏面に向かって突設された位置決めピン549に円形窪み562eを嵌め込んで組み付けられ、右下がりの状態でサイド飾り本体520の裏側に装着される。このとき、中間火炎部562cが、開口580から前方へ突き出された状態に装着される。従って、左側造形体562の本体部562dの左側部分はベース後側部材540の左上透視部541を介してその裏側に正面から視認される状態になると共に、中間火炎部562c辺りから先端部562bにかけての右側部分は、開口580から外へ飛び出していて、遊技機の窓ガラスを通して直接視認される状態となる。
普通入賞口形成部材571は、左上の1個の普通入賞口16aを構成する様に、一つの装飾を構成する前面装飾板571aの裏面側に、背面蓋550の左上の樋552と連続する樋571bを備えたものとなっている。一方、普通入賞口形成部材572は、2個の普通入賞口16b,16cを構成する様に、二つの装飾が連なった形状の前面装飾板572aの裏面側に、背面蓋550の樋553,554のそれぞれと連続する樋572b,572cを備えたものとなっている。
これら普通入賞口形成部材571,572は、ベース部510の前面側から取り付けられ、樋571b,572b,572cは、背面蓋550の樋552,553,554と連絡された状態となって、左下普通入賞口16a〜16cを構成する。なお、遊技盤を組み上げたとき、樋552〜554は、裏ユニット40の左下普通入賞口玉通路46a〜46c(図4参照)と連絡した状態になる。
以上説明した様に、本実施例の遊技機で採用した左サイド飾り500は、立体的な造形体561,562の前面側をベース部510で覆うと共に、ベース部510を構成するベース前側枠部材530及びベース後側透視部材540において、サイド飾り本体520を正面視逆L字形状に左下が開口した形状となる様に構成し、図46に示す様に、この開口580から左側造形体562の一部を遊技盤前面パネル30の前面よりも前方にはみ出す様に設置した。
そして、右側造形体561の前面側は光透過性を有するベース後側透視部材540で覆っているから、当該立体的な右側造形体561は正面から視認することができる。同様に、左側造形体562の左側部分は光透過性を有するベース後側透視部材540を介して正面から視認することができる。そして、左側造形体562の右側部分は、サイド飾り本体520で取り囲まれる様に形成される逆L字形状の開口580から遊技盤前面パネル30の前面よりも前方にはみ出す様に設置した。これにより、立体的な左側造形体562は、遊技盤前面パネル30の背面から前面まで繋がった、より立体的なものとすることができる。この結果、遊技盤前面パネル30の背面から遊技盤前面パネル30の前面まで連続する火炎の躍動感のある装飾を施すことができる。
また、こうして左側造形体562を前方へ突き出させる開口580の遊技領域側には、左サイド飾り本体520が存在すると共に、左サイド飾り本体520は誘導レールにほぼ接する状態に取り付けられる。この結果、背面意匠用の開口部となる開口580への遊技球の侵入を防ぐことができ、開口580から前方へ飛び出している左側造形体562に対して遊技球が衝突して損傷させるといったことがない。この結果、実施例に示した様に、立体的な造形体560を細長い形状や一見華奢な形状にすることができるのである。
さらに、左サイド飾り本体520は、上部転動面521及び右側転動面522を備えているので、これら転動面521,522が遊技球の動きを妨げることなく遊技球を転動させてスムーズな動きをさせるものとなり、遊技全体に対する違和感を生じさせることがない。
また、遊技盤前面パネル30には、左下普通入賞口16c〜16aと裏ユニット40の左下普通入賞口玉通路46a〜46cとを連通させる様に、遊技領域10に形成したサイド飾り装着用開口33が備えられ、左サイド飾り500は、このサイド飾り装着用開口32を前面側から塞ぐ様に取り付けられる。そして、左サイド飾り500のベース部510には、左下普通入賞口16a〜16cを構成する普通入賞口形成部材571,572が装着される。そして、本実施例では、ベース部510をベース前側枠部材530とベース後側透視部材540とで構成すると共に、ベース部510の裏側を立体的な造形体560を収容する空間を形成する様に背面蓋550で覆う構成を採用している。この結果、左下普通入賞口16a〜16cの下側に、中央透視部542及び右下透視部543を介して視認可能に右側造形体561が装着されると共に、この右側造形体562と関連性を有する左側造形体561が左サイド飾り520で囲まれた開口580から前方へ一部を突き出す様に装着できる構成としたので、左下普通入賞口16a〜16cの下方に遊技盤前面パネル30の背面から前面まで連続した躍動感ある装飾を施すことができる。加えて、従来であれば箱状のサイド飾りの前面への彫刻等による装飾しかできなかったのに対し、サイド飾りに対する装飾を兼ねる様に立体的な左側造形体562が機能し、サイド飾り自体を遊技盤背面から前面を越えて連続する様な立体的で躍動感のある装飾を施されたものとすることもできている。
さらに、ベース部510を構成するベース後側透視部材540を光透過性部材で構成すると共に、ベース部510の背面側に、立体的な造形体560を収容する収容空間を形成する様に後方に膨らんだ形状の背面蓋550を取り付けると共に、ベース前側枠部材530とベース後側透視部材540とによって、ベース部510を前後に貫通する背面意匠用の開口580を形成し、収容空間内に収容された立体的な造形体560の一部を当該背面意匠用の開口580から前方にはみ出させてあるので、遊技盤前面パネル30がいわゆるベニヤの様に光透過性を有しないものであっても、遊技盤前面パネル30の背面から前面へと突き抜ける装飾を施すことができる。しかも、かかる装飾を施すための立体的な造形体560は、左サイド飾り500のベース部510と背面蓋550との間に形成される収容空間内に収容した状態とすることができるから、サイド飾りとしてユニット化した状態に組み立てておけばよく、遊技盤への取り付け作業が容易である。
加えて、背面蓋550を光透過性部材で形成しているので、背面蓋550の背後に発光基板を設置して発光演出をも併せて実行することができる。また、左サイド飾り500への発光基板設置としないことにより、組み立てが容易になり、サイド飾り自体を複雑な構造にすることがなく、配線などの処理が容易になる。
そして、前述の様に、背面蓋550の上面壁551には、左下普通入賞口16a〜16cと玉通路形成部材46とを連絡する樋552〜553が備えられているので、左下普通入賞口16a〜16cに入賞した遊技球を裏側の左下普通入賞口玉通路46a〜46cへとスムーズに誘導することができ、遊技球案内通路の設計において、サイド飾りの背面形状を考慮しなくてもよいという効果も発揮される。
そして、何よりも、遊技機に対して従来よりも立体的で躍動感を表現した装飾を施すことができる。
[7 液晶表示装置2の縁の部分による発光演出]
次に、裏ユニット40の窓開口41の左右の周縁部の光拡散部45と、この光拡散部45に重なる液晶表示装置2の画面2aの縁を利用した発光演出について説明する。
裏ユニット40は、図47,図48に示す様に、中央部に液晶画面露出用の窓開口41が形成され、背面側に液晶表示装置2をセットするディスプレイ取付枠42を備えている。また、前面側には、既に述べた始動入賞口11及び特別入賞口13からの入賞球を受け入れる中央玉通路47に加えて、左下普通入賞口16a〜16cに対応して装着される玉通路形成部材46の裏側に位置する左下玉通路46mも裏側に貫通する様に一体成形されている。この他、ロゴ可動体役物100、円月輪可動体役物200、回転手裏剣可動体役物300、シャッタ付き中央発光体役物400の開放リング型支持体430、及びギヤボックス役物600などを取り付ける際の位置決めやネジ止めのための突起や孔などが形成され、前面側周囲には前方へ伸びる周壁48が形成され、全体としては前開きの箱状成形体として射出成形によって製造されている。
本実施例においては、裏ユニット40の枠体部分43は、透光性を有する材料で形成されている。この枠体部分43の窓開口41の周縁部に設けられる光拡散部45は、前面側にダイヤカット加工を施したものである。液晶表示装置2は、図49,図50に示す様に、液晶画面2aは、窓開口41よりも大きく、光拡散部45も画面内に収まるサイズである。そして、図50(G)に示す様に、液晶画面2aの窓開口41よりも内側に位置する内側部分画面2a1と外側に位置する外側部分画面2a2とで、それぞれ異なる演出表示を実行する様に構成されている。
また、図5に示す様に、液晶表示装置2が背面側に装着される裏ユニット40の前面には遊技盤前面パネル30が取り付けられる。このとき、遊技盤前面パネル30の大開口31には筒状のセンター飾り12が装着されている。このセンター飾り12の内面には、メッキ加工による鏡面処理が施されている。また、センター飾り12は、裏ユニット40の窓開口41の外側であって、さらに、光拡散部45の外側になる様な位置関係となっている。
この様に、本実施例では、センター飾り12を裏ユニット40の窓開口41からある程度外側になる様に配置し、表示演出制御装置によって、液晶画面2aの内の窓開口41の外側に位置する外側部分画面2a2での発光演出により、裏ユニット43の窓開口41の左右の周縁部に形成した光拡散部45を介して発光演出を実行することができる。この外側部分画面2a2での発光演出は、内側部分画面2a1での表示演出(背景画像、変動画像、予告画像等)とは異なる演出として実行される。
従って、表示演出の背景画面のサイズを内側部分画面2a1としてその外側部分画面2a2で発光演出を実行するといった方法はもちろん、画面一杯に表示演出の背景画面を表示しておいて、外側部分画面2a2に対応する色枠画像を背景画面の前に重ねるといった簡単な処理で、表示演出のためのデータに対して大きく手を加えることなく、これを実現することが可能である。
また、近年の液晶パネル製造コストの低下によって却ってある程度のサイズの液晶パネルの方が安く調達できる時代にあっては、遊技領域確保等の関係から使わなくなっている外側部分画面2a2を有効に利用するので、エコロジーという観点からも望ましい。
ここで、上述の表示演出制御装置は、外側部分画面2a2については、発光色と輝度とを中心にした発光演出を実行する様に構成する。これにより、ダイヤカット加工によって光拡散機能を施した光拡散部45による光の拡散が行われる結果、演出画面の周囲において、色と明るさの変化という通常の液晶表示とは異なるイメージを遊技者に与え、LEDを用いた純粋な発光演出と似た態様の発光演出を、発光基板等の設置スペースがなくても実現することができる。
また、上述の様にセンター飾り12の内面側を、光を反射する様にメッキ処理されているので、液晶表示装置2の外側部分画面2a2で実行される色と明るさによる発光演出をさらにきらめかせることができる。
さらに、円月輪可動体役物200は、図12,図13に示した様に、窓開口41の前面の動作位置へと移動する可動体演出を実行するけれども、その待機位置を裏ユニット40の光拡散部45よりも外側に位置する様に、裏ユニット40の前面側に取り付けられている。従って、本実施例の様に、大型の可動体であってもその待機位置が裏ユニット40の光拡散部45を覆わない位置となっているので、上述した液晶画面2aの外側部分画面2a2による発光演出が妨げられることがない。
なお、これとは逆に、図2に示した様に、回転手裏剣可動体役物300は待機位置において裏ユニット40の光拡散部45と重なる様に、裏ユニット40の前面側に取り付けられている。この場合は、表示演出制御装置は、回転手裏剣可動体役物300が待機位置から移動しているときに外側部分画面2a2による表示演出を実行する様に構成することで、回転手裏剣可動体役物300が待機位置から動作するとき、動作しているとき、戻ってくるときに液晶表示装置2の外側部分画面2a2を用いた発光演出を実行することになる。この場合、回転手裏剣可動体役物300の動作と発光演出がシンクロナイズすることにより回転手裏剣可動体役物300の動作により煌めきや躍動感を与えることができる。そして、その様な効果を発揮させるためのLED発光体の設置を要しないという効果が同様に発揮される。
この様に、裏ユニット40の光拡散部45と液晶表示装置2とを利用した発光演出を行うことで、遊技盤において発光装飾体を設置するスペースの確保が困難な場合にも、発光演出を好適に実施することができる。
以上、発明を実施形態として実施例1を説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内における種々の変更が可能である。