はじめに、本実施の形態から抽出され得る発明を、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお、下記の各手段に記載された発明は、「パチンコ機等の遊技機には、表示画面を有する図柄表示装置を備えたものがある。例えば、パチンコ機における表示画面上では、遊技領域に備えられた作動口を遊技球が通過することを条件として図柄を変動表示し遊技の興趣を高める演出を行う、又は、所定条件成立時に特定図柄を停止表示し、大当たり等の遊技者に有利な特別遊技状態の教示を行う等が行われているものがある。遊技の興趣を高める演出として、例えば、大当たりと密接に関連し、遊技者に大当たりへの期待度を高めるようなリーチ演出がある。また、近年では、遊技の興趣を一層高めるべく、遊技回毎に変動表示される図柄に加えて演出用のキャラクタ等を表示しこのキャラクタを用いてリーチ演出を行う、或いは表示画面上に表示する図柄数を増加させる等の工夫が行われており、表示演出が多様化しつつある。また、表示演出を一層多様化させるべく図柄表示装置以外に他の表示演出装置を設け、図柄表示装置による演出の実行のみならず他の表示演出装置を用いて表示演出を実行するものも提案されている。例えば、図柄表示装置の周囲に可動式の装飾部材を設置した遊技機があり、装飾部材を適宜作動させることによって遊技の興趣向上が図られている(例えば特許文献1参照)。」という背景技術に基づいて、「上述した図柄表示装置と他の表示演出装置とを備えたパチンコ機のように、複数の表示演出装置を備える遊技機であれば、その複数の表示演出装置を使って多種多様な演出を実現できる反面、その複数の表示演出装置の配置スペースが大型化することが懸念される。一般的にパチンコ機等の遊技機は、遊技ホールの島設備等に並べて設置され、遊技機自体の大きさに制限がある。このため、配置スペースが大型化されることによって、その配置スペースの確保が困難なものとなってしまうおそれがある。なお、上記の問題は、パチンコ機に限らず、遊技ホール等に設置される他の遊技機にも該当する問題である。遊技機として例えば、メダル使用回胴式遊技機であるスロットマシンや、スロットマシンとパチンコ機とを融合した球使用回胴式遊技機が考えられる。本発明は上記例示した事情等に鑑みてなされたものであり、遊技演出の多様化を図るべく複数の表示手段からなる絵柄表示手段を用いつつも、その絵柄表示手段を遊技機背面側スペースに好適に設置することができる遊技機を提供することを目的とするものである。」という発明が解決しようとする課題をもってなされたものである。
手段1.絵柄を表示する絵柄表示手段(可変表示ユニット56)を備え、遊技機前面に設けられた絵柄視認部(図柄表示部61)を通じて前記絵柄表示手段による表示絵柄が視認可能とされる遊技機であり、
前記絵柄表示手段は、
前記絵柄視認部の後方に設けられるミラー部材(ミラー部材114)と、
前記ミラー部材の後方に設けられ、前記表示絵柄として第1情報を表示する第1表示手段(7セグメント表示装置112)と、
前記ミラー部材を挟んで前記第1表示手段とは反対側の反対側領域に設けられ、前記表示絵柄として第2情報を表示する第2表示手段(補助演出実行装置113)と、
を備え、
前記ミラー部材は反射面を有するとともに、前記反射面のうち一部に他の部位よりも透過率が大きい光透過部(ハーフミラー部124)を有し、
前記光透過部の背後に前記第1表示手段が設けられていることを特徴とする遊技機。
手段1の遊技機によれば、遊技に際し、絵柄表示手段の表示絵柄としての第1情報及び第2情報が絵柄視認部を通じて視認される。このとき、絵柄表示手段では、ミラー部材の光透過部において、第1表示手段による第1情報がミラー部材の前方へ透過されるため、ミラー部材の後方(遊技機後方側)に第1表示手段が設置される構成であっても、その第1情報が遊技機前方から視認可能となる。また、第2表示手段による第2情報がミラー部材の前面部における反射面に反射表示されるため、その第2情報が遊技機前方から視認可能となる。かかる場合、ミラー部材の反射面では、第1情報と第2情報とが合成された表示情報が視認されることとなる。
上記のように絵柄表示手段が複数の表示手段(第1表示手段、第2表示手段)を備える構成であれば、その複数の表示手段を使って多種多様な演出を実現できる。ただしその反面、絵柄表示手段を実現するための表示ユニットの大型化が懸念される。この点、手段1では、2つの表示手段を分散配置し、それらによる各表示情報をミラー部材を使って合成する構成としたため、各表示手段(表示装置)を効率よく配置し、ひいては表示ユニットの大型化を抑制できる。その結果、遊技演出の多様化を図るべく複数の表示手段からなる絵柄表示手段を用いつつも、その絵柄表示手段を遊技機背面側スペースに好適に設置することができる。
例えば、パチンコ機等の遊技機は、遊技ホールの島設備等に並べて設置され、遊技機自体の大きさに制限があるが、上記のように絵柄表示手段が遊技機背面側スペースに好適に設置されることで、遊技機自体の大きさの制限を超えることなく、多種多様な演出機能を具備する遊技機を実現できる。また、第2表示手段をミラー部材から離間して設けることにより、その離間分だけ第2表示手段による第2情報が絵柄表示部の後方に離間しているかのように表示される。すなわち、ミラー部材と第2表示手段とが離間していることにより、第2情報の表示に立体感を持たせることができる。上述したように、遊技機自体の大きさには制限があり、絵柄表示部の後方に、絵柄表示部から離間して表示手段を設けることは困難なことがあるが、手段1によれば、第2表示手段を設ける位置が絵柄表示部の後方に限定されないため、第2情報の表示に立体感を持たせる構成を良好に得ることができる(奥行きがあるように視認させることができる)。
さらに加えて、ミラー部材の反射面のうち一部に光透過部が設けられ、その光透過部の背後に第1表示手段が設けられている。言い換えれば、ミラー部材において第1表示手段の前方が限定的に光透過部となっている。これにより、本来表示させたい第1情報を遊技機前方に透過させることができるとともに、不要な部位等が余分に透けて遊技機前方から視認されてしまうといった不都合を抑制できる。
なお、本明細書において、「絵柄」とは、キャラクタ等を模した図柄や、数字等の文字が含まれる。また、「絵柄を表示する絵柄表示手段」には、画像表示器による画像情報を絵柄として表示するもの以外に、装飾体を用いて絵柄を表示するものが含まれる。また、「反対側領域」には、ミラー部材を挟んで第1表示手段の反対側であれば、ミラー部材の正面から外側に外れた領域も含まれる。
手段2.前記ミラー部材は、予め定められた遊技位置における前記絵柄視認部を通じての遊技者視線方向に対して斜めに傾いた状態で設けられていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段2の遊技機によれば、ミラー部材が絵柄視認部を通じての遊技者視線方向に対して傾いて設けられているため、絵柄視認部からは直接見えない位置、例えば、絵柄表示手段の上方又は下方等に第2表示手段が設けられていても、それをミラー部材に反射させて遊技者に視認させることができる。また、その傾きの角度を変更することによって、第2表示手段による第2情報を視線方向に反射する構成を簡易的に得ることができる。
手段3.前記ミラー部材は、前記絵柄視認部の後方において遊技機前面部に対して斜めに傾いた状態で設けられていることを特徴とする手段1に記載の遊技機。
手段3の遊技機によれば、ミラー部材が遊技機前面部に対して傾いて設けられているため、絵柄視認部からは直接見えない位置、例えば、絵柄表示手段の上方又は下方等に第2表示手段が設けられていても、それをミラー部材に反射させて遊技者に視認させることができる。また、ミラー部材の傾きの角度を変更することによって、第2表示手段による第2情報を水平方向に反射する構成を簡易的に得ることができる。
手段4.前記光透過部は、照射された光の一部を反射し、照射された光の一部を透過するビームスプリッタにより構成されていることを特徴とする手段1乃至3のいずれか1に記載の遊技機。
手段4の遊技機によれば、光透過部をビームスプリッタにより構成することで、ミラー部材後方の第1表示手段そのものを視認しづらくすることができる。これにより、見栄えの向上を図ることができる。
また、ビームスプリッタは照射された光の一部を反射するため、光透過部が全透過に近いものである場合(例えば、開口等)と比較して、ミラー部材後方の第1表示手段そのものを視認しづらくすることができる。すなわち、照射された第2情報を反射させる機能をビームスプリッタが有していることにより、第1表示手段そのものが視認されることを抑制する効果を得ることができる。
手段5.前記第1表示手段は、前記第1情報を発光表示させるものであることを特徴とする手段1乃至4のいずれか1に記載の遊技機。
手段5の遊技機によれば、第1情報が発光表示されることでミラー部材の光透過部を通じて遊技機前方から視認される。この場合、第1情報の表示状態と非表示状態とで、光透過部を通じて視認される情報視認具合を大きく異ならせることができる。つまり、非発光の状態では第1表示手段そのものを視認しづらくすることができる一方、発光状態の第1情報のみを明確に視認させることができる。
特に光透過部がビームスプリッタにより構成されている場合、非発光の状態では第1表示手段そのものが視認しづらくなり、発光状態の第1情報のみを明確に視認できるといった効果が顕著になると考えられる。
手段6.前記第1表示手段と前記第2表示手段とは、その表示形態が異なるものであることを特徴とする手段1乃至5のいずれか1に記載の遊技機。
手段6の遊技機によれば、第1表示手段と第2表示手段とでは、各々異なる形態で情報表示が行われる。例えば、第1表示手段と第2表示手段とで表示手段の明るさが異なるものが考えられる(第1情報の方を明るくする)。より具体的には、第1表示手段を白熱灯やLED等のランプ表示器とし第2表示手段を画像表示器とすることが考えられる。第1表示手段と第2表示手段との表示形態が異なるため、第1情報と第2情報との区分けを明確なものとすることができる。よって、第1情報及び第2情報が混同して視認されてしまうことを抑制する効果を高めることができる。
手段7.前記第1表示手段及び前記第2表示手段のうち、一方は画像表示による情報を表示するものであり、他方は装飾体を用いて情報を表示するものであることを特徴とする手段6に記載の遊技機。
手段7のよれば、第1及び第2表示手段により、画像表示による情報の表示、装飾体による情報の表示が実行される。これにより、第1及び第2表示手段による情報の表示態様を異ならせることが可能となり、第1情報と第2情報とが混同されて視認されることを抑制できる。
手段8.前記光透過部は、該光透過部よりも透過率が小さい領域に囲まれて設けられていることを特徴とする手段1乃至7のいずれか1に記載の遊技機。
手段8の遊技機によれば、光透過部の周囲が低透過率の領域となるため、光透過部を通じて視認される表示情報(第1情報)を際立たせることができる。
手段9.前記ミラー部材は、前記光透過部を複数有し、それら複数の光透過部が、前記ミラー部材の傾倒方向に直交する方向に並べて設けられていることを特徴とする手段1乃至8のいずれか1に記載の遊技機。
ミラー部材が斜めに傾いた状態で設置される構成では、遊技機前方から表示情報を視認する場合にその表示情報が傾倒方向に歪むことが考えられる。複数の光透過部を有する構成では、その影響が大きいと懸念される。この点、上記のとおり複数の光透過部がミラー部材の傾倒方向に直交する方向に並べて設けられることで、表示情報の歪みによる悪影響を最小限に抑えることができる。例えば、ミラー部材の傾倒方向が前後方向である場合には、左右方向に並べて光透過部が設けられていればよい。
手段10.前記ミラー部材は、前記光透過部を複数有し、それら複数の光透過部によって一の文字等を表示するものであり、それら文字等が前記ミラー部材の傾倒方向に直交する方向に並ぶように前記複数の光透過部が設けられていることを特徴とする手段1乃至9のいずれか1に記載の遊技機。
手段10によれば、ミラー部材が斜めに傾いた状態で設置される構成では、遊技機前方から表示情報を視認する場合にその表示情報が傾倒方向に歪むことが考えられる。複数の文字等を表示する構成では、その影響が大きいと懸念される。この点、上記のとおり複数の文字等がミラー部材の傾倒方向に直交する方向に並ぶように複数の光透過部が設けられることで、表示情報の歪みによる悪影響を最小限に抑えることができる。例えば、ミラー部材の傾倒方向が前後方向である場合には、左右方向に並べて光透過部が設けられていればよい。
手段11.前記ミラー部材は、平板状をなしかつ透明のベース材(ベース板121)に、各々反射及び透過の比率が異なる複数のミラー部(ミラー部123、ハーフミラー部124)が形成され、その複数のミラー部のいずれかが前記光透過部となっていることを特徴とする手段1乃至10のいずれか1に記載の遊技機。
手段11の遊技機によれば、ベース材に複数のミラー部を形成することでミラー部材を作製することができる。
手段12.前記ミラー部材は、照射された光の一部を透過し残りの一部を反射するビームスプリッタ材(ハーフミラー材201)と、その裏面側に設けられ前記光透過部に対応して設けられる開口部を有する光遮蔽材(黒色シート202)とから構成されていることを特徴とする手段1乃至10のいずれか1に記載の遊技機。
手段12によれば、光遮蔽部材によりその後方が視認されることがない。すなわち、ビームスプリッタ材と光遮蔽材との接合(貼り合わせ等)により、ビームスプリッタ材及び光遮蔽部材の後方が視認されることがなくなる。すなわち、ビームスプリッタ材による光の反射のみが機能することとなり、ビームスプリッタ材と光遮蔽部材とによってミラー部材を作製することができる。
手段13.前記第1表示手段は、前記第1情報として文字等のワードを所定個分変動表示させる表示器であり、
前記第1表示手段による変動表示ワードに合わせて前記光透過部が形成されていることを特徴とする手段1乃至12のいずれか1に記載の遊技機。
手段13の遊技機によれば、第1表示手段による変動表示ワードに合わせて光透過部が設けられている。変動表示ワードとして文字等が表示されるため、キャラクタや物体等の絵柄を表示する場合と比して、光透過部の透過スペース(透過表示面積)を最小限に抑えることができる。これにより、本来表示させたい第1情報とは異なるものが透過表示されるといった不都合を抑制できる。
手段14.前記第1表示手段は、前記第1情報として複数の表示セグメント(表示セグメント129)によりなる数字等を表示するセグメント表示器(7セグメント表示装置112)であり、
前記セグメント表示器による表示セグメントに合わせて前記光透過部が形成されていることを特徴とする手段1乃至12のいずれか1に記載の遊技機。
手段14の遊技機によれば、セグメント表示器の表示セグメントに合わせて光透過部が形成されている。表示セグメントにより数字等が表示されるため、キャラクタや物体等の絵柄を表示する場合と比して、光透過部の透過スペース(透過表示面積)を最小限に抑えることができる。これにより、本来表示させたい第1情報とは異なるものが透過されるといった不都合を抑制できる。
手段15.遊技機前面側に設けられた前面部材(遊技盤51)に開口部(開口部100)が形成され、その開口部が前記絵柄視認部であり、
前記ミラー部材は、前記開口部の遊技機後方に設けられている一方、前記第2表示手段は、前記前面部材の開口部以外の部位の背後に設けられていることを特徴とする手段1乃至14のいずれか1に記載の遊技機。
手段15の遊技機によれば、第2表示手段は、前面部材の背後に隠れるようにして設けられている。この場合、遊技機前方からは第2表示手段を直接視認することが困難となるが、ミラー部材の反射面を介して視認できる。
手段16.前記第2表示手段は、作動することにより前記第2情報の表示態様を変更する可動部材(可動扉155)を備えていることを特徴とする手段1乃至15のいずれか1に記載の遊技機。
手段16の遊技機によれば、第2表示手段において可動部材が作動することで第2情報の表示態様が変更される。これにより、第2表示手段による表示演出の多様化を図ることができる。また、可動部材を備える構成では、その作動エリアを確保しなければならないため、その分装置(表示ユニット)の大型化を招くことが考えられる。この点、上記のごとくミラー部材を用いた絵柄表示手段の構成によれば各表示手段(表示装置)を効率よく配置できることから、遊技機自体の大型化を極力抑制できる。
手段17.前記第2表示手段は画像表示器(液晶表示装置131)を備えており、
前記可動部材は、前記画像表示器の表示面を隠した遮蔽状態と隠さない開放状態とに切替可能な開閉扉体であることを特徴とする手段16に記載の遊技機。
手段17の遊技機によれば、可動部材としての開閉扉体によって画像表示器の表示画像を視認させる状態と視認させない状態とに切り替えることができる。これにより、開閉扉体を作動させて画像表示器が視認可能な開放状態となった場合において画像表示器への注目度を高めることができる。
手段18.前記第2表示手段は、各々個別に表示演出を行う複数の表示機能を有し、
前記複数の表示機能のうち一の表示機能は、前記ミラー部材の反射面における情報表示範囲を前記光透過部を含むエリアとして表示演出を行うものであり、他の表示機能は、同情報表示範囲を前記光透過部を含まないエリアとして表示演出を行うものであることを特徴とする手段1乃至17のいずれか1に記載の遊技機。
手段18の遊技機によれば、ミラー部材の反射面において光透過部を含むエリアと、光透過部を含まないエリアとで、第2表示手段の表示機能を各々異ならせることができる。これにより、一層多様な演出が可能となり、遊技への注目度を高めることができる。例えば、ミラー部材の反射面において光透過部を含むエリアの表示機能は、画像表示器(液晶表示装置131)による画像表示機能であり、光透過部を含まないエリアの表示機能は、発光表示部(ランプ表示装置132)によるランプ表示機能である。
手段19.絵柄を変動表示する絵柄表示手段(可変表示ユニット56)を備え、遊技機前面に設けられた絵柄視認部(図柄表示部61)を通じて前記絵柄表示手段による表示絵柄が視認可能とされる遊技機であり、
前記絵柄表示手段は、
前記表示絵柄が表示される反射面を有するとともに、前記反射面のうち一部に他の部位よりも透過率が大きい光透過部(ハーフミラー部124)を有するミラー部材(ミラー部材114)を備え、
前記ミラー部材の背後から得られる表示情報を前記光透過部を通じて前記反射面に表示させることを特徴とする遊技機。
手段19の遊技機によれば、ミラー部材の反射面のうち一部に光透過部が設けられ、ミラー部材の背後から得られる表示情報が光透過部を通じて反射面に表示される。これにより、ミラー部材の反射面では、前方からの情報と、光透過部を通じて透過される後方からの情報とが合成されて表示される。この場合、ミラー部材では反射面のうち一部が限定的に光透過部となっているため、本来表示させたい情報以外の不要な部位等が余分に透けて遊技機前方から視認されてしまうといった不都合を抑制できる。
手段20.前記ミラー部材の前面側には、前記反射面に反射される像を生じさせる第1表示手段(7セグメント表示装置112)が設けられるとともに、前記ミラー部材の裏面側には、前記光透過部を通じて前記反射面に透過される像を生じさせる第2表示手段(補助演出実行装置113)が設けられていることを特徴とする手段19に記載の遊技機。
手段20によれば、ミラー部材の前面側に設けられる第1表示手段により生じる像と、ミラー部材の裏面側に設けられる第2表示手段により生じる像とをミラー部材の反射面上で好適に合成して表示させることができる。
手段21.前記第1表示手段は、発光による表示を行うものであることを特徴とする手段20に記載の遊技機。
手段22.前記光透過部は、照射された光の一部を反射し、照射された光の一部を透過するビームスプリッタにより構成されていることを特徴とする手段19乃至21のいずれか1に記載の遊技機。
なお、手段21、手段22は、上述した手段4、手段5に準ずるものであり同様の作用効果が得られる。
以下に、以上の各手段を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル36)と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段(遊技球発射装置45)と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路(内,外レール部67,68)と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の入球部に遊技球が入球した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して又は所定時間経過することにより前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。図1はパチンコ機10の正面図、図2はパチンコ機10の主要な構成を展開して示す斜視図、図3はパチンコ機10の背面図である。なお、図2では便宜上パチンコ機10の遊技領域内の構成を省略している。
パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機主部12とを有する。外枠11は木製又は合成樹脂製の板材を四辺に連結し構成されるものであって矩形枠状をなしている。パチンコ機10は、外枠11を島設備に取り付け固定することにより遊技ホールに設置される。
遊技機主部12は、ベース体としての本体枠13と、その本体枠13の前方に配置される前扉枠14と、本体枠13の後方に配置される裏パックユニット15とを備えている。遊技機主部12のうち本体枠13が外枠11に対して回動可能に支持されている。詳細には、正面視で左側を回動基端側とし右側を回動先端側として本体枠13が前方へ回動可能とされている。
本体枠13には、前扉枠14と裏パックユニット15とがそれぞれ回動可能に支持されている。前扉枠14は、正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として本体枠13に対して前方へ回動可能とされている。また、裏パックユニット15は、正面視で左側を回動基端側、右側を回動先端側として本体枠13に対して後方へ回動可能とされている。
前扉枠14は、本体枠13の前面側全体を覆うようにして設けられている。前扉枠14には、後述する遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部21が形成されている。窓部21は略楕円形状をなし、透明性を有するガラス22が嵌め込まれている。窓部21の周囲には、各種ランプ等の発光手段が設けられている。例えば、窓部21の周縁に沿ってLED等の発光体を内蔵した環状電飾部23が設けられている。環状電飾部23では、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯や点滅が行われる。また、環状電飾部23の中央であってパチンコ機10の最上部には所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ部24が設けられ、さらにその左右側方には賞球払出中に点灯する賞球ランプ部25が設けられている。また、左右の賞球ランプ部25に近接した位置には、遊技状態に応じた効果音などが出力されるスピーカ部26が設けられている。
前扉枠14における窓部21の下方には、手前側へ膨出することで上下2段に膨出部31,32(上側膨出部31、下側膨出部32)が設けられている。上側膨出部31には上方に開口した上皿33が設けられ、下側膨出部32には同じく上方に開口した下皿34が設けられている。上皿33は、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら後述する遊技球発射装置側へ導くための機能を有する。また、下皿34は、上皿33内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。下側膨出部32の右方には、手前側へ突出するようにして遊技球発射ハンドル36が設けられている。遊技球発射ハンドル36が操作されることにより、後述する遊技球発射装置から遊技球が発射される。
前扉枠14の背面には、後述する払出装置により払い出される遊技球を上皿33と下皿34とに振り分けて流通させる通路形成ユニット37が取り付けられている。その他、前扉枠14の背面にはその回動先端側に、本体枠13に対する施錠機構を構成する鉤金具38が上下方向に複数設けられている。
本体枠13は、外形が外枠11とほぼ同一形状をなす樹脂ベース41を主体として構成されており、その回動先端側には、前扉枠14に設けられた鉤金具38を挿入するための挿入孔42が複数設けられている。鉤金具38が挿入孔42に挿入されることで、図示しない施錠装置が係止状態となり、前扉枠14が本体枠13に対して開放不能に施錠される。樹脂ベース41の右下隅部には、施錠装置の解錠操作を行うためのシリンダ錠43が設置されており、シリンダ錠43の鍵穴に差し込んだキーを右に回すと本体枠13に対する前扉枠14の施錠が解かれるようになっている。なお、シリンダ錠43の鍵穴に差し込んだキーを左に回すと外枠11に対する本体枠13の施錠が解かれるようになっている。
樹脂ベース41の中央部には略楕円形状の窓孔44が形成されている。樹脂ベース41には、窓孔44の下方に遊技球発射装置45が取り付けられている。遊技球発射装置45は、例えばソレノイド駆動式の発射機構を有しており、ソレノイドへの電気信号の入力により出力軸が伸縮方向に移動し、発射レール上の遊技球を遊技領域に向けて順次打ち出される。
また、樹脂ベース41には遊技盤51が着脱可能に取り付けられている。遊技盤51は合板よりなり、遊技盤51の前面に形成された遊技領域が樹脂ベース41の窓孔44を通じて本体枠13の前面側に露出した状態となっている。
ここで、遊技盤51の構成を図4に基づいて説明する。遊技盤51には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口52、可変入賞装置53、作動口54、スルーゲート55及び可変表示ユニット56等がそれぞれ設けられている。一般入賞口52、可変入賞装置53及び作動口54に遊技球が入ると、それが図示しない検知スイッチにより検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。その他に、遊技盤51の最下部にはアウト口57が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口57を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤51には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘58が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
可変表示ユニット56には、作動口54への入賞をトリガとして図柄を可変表示する図柄表示部61が設けられている。また、可変表示ユニット56には、図柄表示装置部を囲むようにしてセンターフレーム62が配設されている。センターフレーム62の上部には、第1特定ランプ部63及び第2特定ランプ部64が設けられている。また、センターフレーム62の上部及び下部にはそれぞれ保留ランプ部65,66が設けられている。下側の保留ランプ部65は、図柄表示部61及び第1特定ランプ部63に対応しており、遊技球が作動口54を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部65の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。上側の保留ランプ部66は、第2特定ランプ部64に対応しており、遊技球がスルーゲート55を通過した回数は最大4回まで保留され保留ランプ部66の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
第1特定ランプ部63では、作動口54への入賞をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には大当たりが発生する。また、第2特定ランプ部64では、遊技球のスルーゲート55の通過をトリガとして所定の順序で発光色の切り替えが行われ、予め定められた色で停止表示された場合には作動口54に付随する電動役物が所定時間だけ開放状態となる。
可変入賞装置53は、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉状態になっており、大当たりの際に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。可変入賞装置53の開放態様としては、所定時間(例えば30秒間)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として繰り返し開放されるものが一般的である。
遊技盤51には、内レール部67と外レール部68とが取り付けられており、これら各レール部67,68により誘導レールが構成され、遊技球発射装置45から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。
次に、本体枠13の背面における要部構成を図5を用いて説明する。図5は本体枠13の背面図である。
遊技盤51に取り付けられる可変表示ユニット56には、その後方に音声ランプ制御装置71が搭載されている。音声ランプ制御装置71は、後述する主制御装置からの指示に従い音声やランプ表示、及び表示制御装置の制御を司る音声ランプ制御基板を具備しており、音声ランプ制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
また、遊技盤51の背面において、可変表示ユニット56や音声ランプ制御装置71の下方には主制御装置72が搭載されている。主制御装置72は、遊技の主たる制御を司る機能(主制御回路)と、電源を監視する機能(停電監視回路)とを有する主制御基板を具備しており、当該主制御基板が透明樹脂材料等よりなる基板ボックスに収容されて構成されている。
なお、樹脂ベース41の背面には係止金具74が複数設けられており、これら係止金具74によって、樹脂ベース41に対して遊技盤51が着脱自在に取り付けられている。
次に、パチンコ機10の背面構成を図3を用いて説明する。
図3において、裏パックユニット15は、透明性を有する合成樹脂により成形されてなる裏パック81を備えている。裏パック81は、樹脂ベース41とほぼ同じ外寸法を有しかつ略中央部に矩形状の開口部82aを有するベース部82と、パチンコ機10後方に突出するようにしてベース部82の開口部82aに設けられる保護カバー部83とを有する。保護カバー部83は左右側面及び上面が閉鎖されかつ下面のみが開放された略直方体形状をなし、少なくとも可変表示ユニット56を囲むのに十分な大きさを有する。
ベース部82には、その右上部に外部端子板84が設けられている。外部端子板84には各種の出力端子が設けられており、これらの出力端子を通じて遊技ホール側の管理制御装置に対して各種信号が出力される。
ベース部82には、保護カバー部83を迂回するようにして払出機構部が配設されている。すなわち、裏パック81の最上部には上方に開口したタンク86が設けられており、タンク86には遊技ホールの島設備から供給される遊技球が逐次補給される。タンク86の下方には、下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール87が連結され、タンクレール87の下流側には上下方向に延びるケースレール88が連結されている。ケースレール88の最下流部には払出装置89が設けられている。払出装置89より払い出された遊技球は、払出装置89の下流側に設けられた払出通路や遊技球分配部を経由して上皿33や下皿34に供給される。
ベース部82において開口部82aの下方には、払出制御装置91と電源・発射制御装置92とが搭載されている。これら各制御装置91,92は、払出制御装置91がパチンコ機10後方となるように前後に重ねて配置されている。払出制御装置91は、払出装置89を制御する払出制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されている。電源・発射制御装置92は、電源・発射制御基板が基板ボックス内に収容されて構成されており、当該基板により、各種制御装置等で要する所定の電源が生成されて出力され、さらに遊技者による遊技球発射ハンドル36の操作に伴う遊技球の打ち出しの制御が行われる。
次いで、遊技盤51に取り付けられている可変表示ユニット56について詳細に説明する。図6は、遊技盤51に取り付けられた状態で可変表示ユニット56の内部構造を示す縦断面図であり、図の左方がパチンコ機前方(遊技盤51の表側)、右方がパチンコ機後方(遊技盤51の裏側)である。なお、遊技盤51の裏側には、可変表示ユニット56以外に球通路等が設けられるが、説明の便宜上、図6では図示を省略している。
可変表示ユニット56は、遊技盤51の裏面側(背面側)に位置するようにして設けられており、遊技盤51に形成された開口部100を通じてパチンコ機前方から当該可変表示ユニット56の視認が可能となっている。遊技盤51には、その開口部100の周縁部を囲うようにしてセンターフレーム62が取り付けられている。なお、センターフレーム62の正面視の形状については図4を参照されたい。
可変表示ユニット56は、作動口54への入賞をトリガとして図柄を可変表示するものであり、その図柄の可変表示を制御する表示制御装置105が可変表示ユニット56の背面側に設けられている。また、表示制御装置105の後方に音声ランプ制御装置71が設けられている。
遊技盤51の開口部100には透明板101が設けられており、透明板101を通じてその後方の可変表示ユニット56の表示図柄が視認可能となっている。この透明板101が図柄表示部61(図4参照)に相当する。透明板101は、遊技領域(遊技盤51と前面ガラス22との間の空間)を落下する遊技球が可変表示ユニット56内に入らないようにする保護カバーでもある。なお、図6の構成では、遊技盤51の裏面と面一となるように透明板101が設けられているが、これ以外に、遊技盤51の表面と面一となるように透明板101を設置したり、遊技盤51の裏面よりも後方側に透明板101を設置したりすることも可能である。
可変表示ユニット56は、略直方体状をなす本体ケース111を有しており、その本体ケース111内に、第1表示手段としての7セグメント表示装置112と、第2表示手段としての補助演出実行装置113とが設けられるとともに、これら各装置112,113による表示情報を鏡面上で合成するミラー部材114が設けられている。本実施形態では、7セグメント表示装置112とミラー部材114とが一体化されることでミラーユニットMUが構成されている。
本体ケース111は、その上下方向の高さ寸法が遊技盤51の開口部100の上下方向の長さ寸法よりも大きいものとなっており、その前面側には、遊技盤51の開口部100とほぼ同じ大きさを有するケース開口部111aが形成されている。そして、本体ケース111は、ケース開口部111aの位置が遊技盤51の開口部100に一致するようにして遊技盤51に取り付けられ、これにより本体ケース111の前面部においてケース開口部111aを挟んで本体ケース111における上部分と本体ケース111における下部分とが遊技盤51の裏面に重なる状態となっている。なお、上述した透明板101は、ケース開口部111aを塞ぐようにして取り付けられている。
かかる場合、本体ケース111のケース開口部111aよりも上方であって、遊技盤51と前後に重複する部分が、補助演出実行装置113を収容するための収容スペースS2となっており、それよりも下方部分が、ミラーユニットMUを収容するための収容スペースS1となっている。要するに、パチンコ機前方から見ると、収容スペースS1に収容されているミラーユニットMUは透明板101を介してその背後に視認される一方、収容スペースS2に収容されている補助演出実行装置113は、遊技盤51の裏側に隠れて視認されないようになっている。
ミラーユニットMUは、上部が奥側、下部が手前側となるようにして遊技盤51に対して斜めに傾けて(傾倒させて)設置されている。具体的には、ミラー部材114はパチンコ機前方側が鏡面となっており、その上端部が本体ケース111の奥側の側板部に固定されるとともに、下端部が本体ケース111の手前側の側板部に固定されている。遊技盤51に対するミラー部材114の傾斜角は、約45°である。そして、ミラー部材114の背面側に接するようにして7セグメント表示装置112が取り付けられている。また、補助演出実行装置113は、ミラーユニットMUの上方に配置され、その演出表示面を下方に向ける姿勢で本体ケース111内に取り付けられている。すなわち、ミラー部材114を挟んで7セグメント表示装置112とは反対側の反対側領域に補助演出実行装置113が設けられている。反対側領域に補助演出実行装置113が設けられていることにより、補助演出実行装置113にて表示される画像等は、ミラー部材114の表側の鏡面に投影表示されるようになっている。
ここで、ミラーユニットMUの構成について図7〜図9を用いて詳述する。図7(a)はミラーユニットMUの正面図、図7(b)は図7(a)におけるA−A線断面図である。図8はミラー部材114の拡大断面図、図9はミラーユニットMUの分解斜視図である。
ミラー部材114は、全体として矩形板状をなす透明のベース板121と、その裏面側に設けられるミラー形成層122とを有している。ベース板121は、縦寸法が横寸法よりも大きい縦長矩形状をなし透明性を有したアクリル板である。ベース板121の縦横寸法は、上述したようにミラーユニットMUを斜めに傾けて設けることを考慮して定められており、特に縦寸法は、ミラーユニットMUを斜めに傾けて設置した状態での鉛直高さ寸法が遊技盤51の開口部100の縦寸法と同じ又はそれよりも大きめとなるように定められている。ちなみに、横寸法は、遊技盤51の開口部100の横寸法と同じ又はそれよりも大きめとなるように定められている。
また、ミラー形成層122はベース板121の裏面全体に設けられており、ベース板121側が鏡面部(反射面)となっている。ミラー形成層122は、照射された光のほぼ全てを反射する一般的なミラーからなるミラー部123と、照射された光の一部を透過し残りの一部を反射するハーフミラー(ビームスプリッタ)からなるハーフミラー部124とを備えている。なお、ミラー部材114を正面視した場合にはミラー形成層122がベース板121の背後となるが、説明の便宜上、図7(a)では、ミラー形成層122のミラー部123及びハーフミラー部124を実線にて示している(後述する表示セグメント129も同様)。
ミラー形成層122の具体的構成を説明する。ミラー形成層122を構成するミラー部123とハーフミラー部124とは、ミラー部材114の平面方向に重複しないようにして互いに隣接して設けられている。ハーフミラー部124は、ミラー部材114の傾倒方向に直交する方向に並べて複数箇所に設けられている。具体的には、ハーフミラー部124は、ミラー部材114を縦方向に3分割した場合における略中央部に設けられており、ハーフミラー部124が設けられていない部分がミラー部123となっている。ハーフミラー部124は、左右方向に並ぶようにして3カ所に形成されており、それらはいずれも同一の大きさ及び形状を有するものとなっている。
各ハーフミラー部124は、7セグメント表示装置112によるセグメント表示をミラー前方に透過表示するものであり、7セグメント表示装置112のセグメント表示部分(表示セグメント129)に合わせて「8」の字状に形成されている。つまり、各ハーフミラー部124においては、縦長矩形状の外縁部分よりも内方にミラー部(以下、内側ミラー部123aともいう)が2箇所設けられており、この内側ミラー部123aを囲むようにして「8」の字状のハーフミラー部124が形成されている。したがって、ミラー部材114の後方に7セグメント表示装置112を取り付けた状態では、ハーフミラー部124と7セグメント表示装置112のセグメント表示部分とが前後に配置され、ハーフミラー部124を通じて、7セグメント表示装置112のセグメント表示がパチンコ機前方に透過表示されるようになっている。
ミラー部材114では、ミラー部123にて反射表示機能が実現されるとともに、ハーフミラー部124にて透過表示機能と反射表示機能とが実現される。かかる場合、反射表示を行う部位に対して透過表示を行う部位が重複して設けられている。図7(b)で説明すると、ミラー部材114の鏡面部側の全面(すなわち、ミラー形成層122の全面)が反射表示部P1となり、それに重複してハーフミラー部124の形成部分が透過表示部P2となっている。透過表示部P2が「8」の字状に形成されており、その透過表示部P2を囲むようにして反射表示部P1が形成されていることとなる。よって、透過表示部P2よりも透過率が小さい反射表示部P1によって、透過表示部P1が囲まれて設けられているということができる。
ここで、ミラー形成層122についてより詳細な構成を図8により説明する。なお、図8では、上側がミラー部材114の裏面側であり、下側がミラー部材114の表側である。
ミラー形成層122は、アルミニウムやクロム等の金属薄膜からなるミラー金属膜161と、同じくアルミニウムやクロム等の金属薄膜からなるハーフミラー金属膜162と、保護膜163とが積層されて構成されている。ミラー金属膜161とハーフミラー金属膜162とはいずれも同様の金属材料よりなるが、アルミニウムやクロム等に対する不純物濃度の違いや膜厚の違いにより光反射率が異なるものとなっている。具体的には、ハーフミラー金属膜162では、ミラー金属膜161に比べて、アルミニウムやクロム等に対する不純物濃度を大きくしたり、又は膜厚を薄くしたりしている。また、保護膜163は、フッ化マグネシウム(MgF2)の薄膜からなる。
ミラー部123では、ベース板121の裏面側にミラー金属膜161、ハーフミラー金属膜162及び保護膜163がこの順序で積層されて形成されている。また、ハーフミラー部124では、ベース板121の裏面側にハーフミラー金属膜162及び保護膜163がこの順序で積層されて形成されている。これにより、ベース板121に複数の各ミラー部123,124を形成することができ、複数の各ミラー部123,124のうちベース板121における裏面側にハーフミラー金属膜162及び保護膜163が積層されている部分をハーフミラー部124(透過表示部P2)とすることができる。
なお、ミラー形成層122は上記構成に限定されない。例えば、ミラー金属膜161やハーフミラー金属膜162として銀メッキ層を用いたり、保護膜163としてカゼインや炭酸カルシウム等を含有する塗料層の上に合成樹脂塗料層を形成した保護層を用いたりしてもよい。その他に、ミラー部123とハーフミラー部124とを、金属材料の代わりにシリコンを複数層に蒸着させて形成してもよいし、金属材料を蒸着させるのではなく金属材料を塗布することによって形成してもよい。
また、7セグメント表示装置112は、0〜9までの数字を表示可能な3つの数字表示部128を有する3桁のセグメント発光表示器であり、数字表示部128が表側となるように(すなわち、ミラー部材114側となるように)、ミラー部材114に組み付けられている。数字表示部128はそれぞれ7つの表示セグメント129により構成されており、これら7つの表示セグメント129が選択的に発光されることで、0〜9の数字が表示されるようになっている。表示セグメント129は、単色又は複数色で発光可能なLEDによって構成されている。なお、表示セグメント129の光源はLEDに限定されるものではなく、例えば白熱灯を用いてもよい。
7セグメント表示装置112は、3つの数字表示部128がミラー部材114のハーフミラー部124の位置にそれぞれ一致するようにしてミラー部材114に取り付けられている。言い換えれば、ミラー部材114のハーフミラー部124と7セグメント表示装置112の数字表示部128とはそれぞれ同ピッチで設けられている。7セグメント表示装置112をミラー部材114の背面側に取り付けた状態では、図7に示すように、ミラー部材114のハーフミラー部124を通じて7つの表示セグメント129が視認可能となっている。
ここで、ミラー部材114の製造方法を図10を用いて説明する。なお、図10では、上側がミラー部材114の裏面側であり、下側がミラー部材114の表側である。
先ずは、図10(a)に示すように、ベース板121の裏面にマスキング治具165を取り付ける。マスキング治具165はハーフミラー部124と同一形状の開口部166を有する板材よりなり、その開口部166がハーフミラー部124の形成位置に重なるよう取り付けられる。そして、マスキング治具165の上からマスキング材を塗布した後に、マスキング治具165を取り外すと、図10(b)に示すように、ベース板121の裏面側にマスキング部167が形成されることとなる。
その後、図10(c)に示すように、ベース板121の裏面側からアルミニウムやクロム等の金属材料を蒸着することによりミラー金属膜161を成膜形成する。これにより、ミラー部123の形成位置にミラー金属膜161が形成されるとともに、マスキング部167上にもミラー金属膜161が形成される。そして、図10(c)の状態から溶剤等を用いてマスキング部167及びその上のミラー金属膜161を除去する。
なお、マスキング材及びマスキング材(マスキング部167)を除去する溶剤の組合せとして、例えば、ゴムや熱硬化性樹脂をマスキング材として用いる場合、そのマスキング材を除去する溶剤としてフッ素系剥離剤を用いればよい。
また、マスキング材として粘着性を有したマスキングテープを使用する場合、ハーフミラー部124を形成する場所にマスキングテープを貼着し、金属材料を蒸着させればよい。そして、金属材料を蒸着した後にマスキングテープを剥離すればよい。この場合、マスキングテープの剥離が容易に行われる場合、溶剤を用いることなくマスキング部167の除去を行うことができる。
続いて、図10(d)に示すように、ベース板121の裏面側からアルミニウムやクロム等の金属材料を再び蒸着することによりハーフミラー金属膜162を成膜形成する。ただし、上述したようにミラー金属膜161とハーフミラー金属膜162とは、アルミニウムやクロム等に対する不純物濃度や膜厚が相違するものとなっている。ハーフミラー金属膜162は、ベース板121の裏面全体に形成される。図10(d)の状態では、ミラー部123の形成位置にミラー金属膜161とハーフミラー金属膜162とが2層で形成され、ハーフミラー部124の形成位置にハーフミラー金属膜162が1層で形成されている。なお、図10(d)の工程におけるハーフミラー金属膜162の形成は、ハーフミラー部124を形成する周辺位置にのみ施してもよい。
その後、図10(e)に示すように、ベース板121の裏面側からフッ化マグネシウムをコーティングして保護膜163を成膜形成する。これにより、ハーフミラー金属膜162の裏面全体に保護膜163が形成され、ミラー部123とハーフミラー部124とを有するミラー部材114が完成する。
以上の一連の製造工程によれば、ベース板121の裏面側において、ミラー金属膜161とハーフミラー金属膜162と保護膜163とからなるミラー部123が形成されるととともに、そのミラー部123が設けられていない位置に、ハーフミラー金属膜162と保護膜163とからなるハーフミラー部124が形成される。これにより、表面側が面一となっているミラー部材114を良好に製造することができる。
ミラー部材114の製造方法としては、上記以外の方法も適用できる。例えば、図10(a)〜(c)の工程に代えて、次の各工程を(1)〜(3)の順序で実行する。
(1)ベース板121の裏面全体にミラー金属膜161を成膜形成する。
(2)ミラー金属膜161の上にマスキング治具165を設置する。
(3)その状態で、余分なミラー金属膜161(すなわち、ハーフミラー部124の形成位置のミラー金属膜161)を溶剤等で除去する。
そしてその後、図10(d)(e)と同様に、ハーフミラー金属膜162を形成し、さらに保護膜163を形成する。
なお、ミラー部材114の製造方法としては上記の他に、縦長矩形状の板状(ミラー部材114と同じ大きさの板材)よりなるミラー板に開口部を設け、その開口部にハーフミラー材を嵌め込むものが考えられる。
次に、補助演出実行装置113について図11を用いて詳細に説明する。図11(a)は、補助演出実行装置113を演出表示面の前方(パチンコ機設置状態では下方)から見た図である。ここでは、説明の便宜上、図11(a)を、補助演出実行装置113単体を正面から見た図とし、その手前側が補助演出実行装置113の前側、奥側が補助演出実行装置113の背後側とする。また、図11(b)は図11(a)におけるB−B線断面図であり、図11(c)は図11(a)におけるC−C線断面図である。
補助演出実行装置113は、上述した7セグメント表示装置112の可変表示に合わせて補助演出を実行する補助演出実行手段であり、本実施形態では液晶画像表示機能とランプ表示機能とを備える構成としている。すなわち、補助演出実行装置113は、液晶表示装置131とランプ表示装置132とを備えており、図11(a)において中央に液晶表示装置131の液晶表示エリアが設けられるとともに、その上下及び左右の4カ所にランプ表示装置132のランプ表示エリアが設けられている。
補助演出実行装置113において、液晶表示装置131は横長矩形状の表示パネルを有しており、この液晶表示装置131の長辺部がパチンコ機10の左右方向、短辺部がパチンコ機10の前後方向となるようにして、補助演出実行装置113(可変表示ユニット56)がパチンコ機に組み付けられるようになっている。液晶表示装置131は、ランプ表示装置132を構成する枠体141の背後に取り付けられている。
ランプ表示装置132の枠体141は、液晶表示装置131の表示パネルを囲むように形成される中央枠部142と、その中央枠部142の上下及び左右にそれぞれ張り出すように形成される張出枠部143,144,145,146とを有している。中央枠部142は、正面視で矩形状をなし、その前後方向に貫通している。各張出枠部143〜146にはそれぞれランプ表示部147が設けられており、このランプ表示部147によれば、液晶表示装置131の表示パネルを囲むようにしてランプ表示を行わせることが可能となっている。
各張出枠部143〜146に設けられるランプ表示部147について説明する。なお、ランプ表示部147はいずれも概ね同様の構成を有している。
ランプ表示部147は、互いに離間して設けられる前後2枚のミラー板151,152と、そのミラー板151,152の間の隙間空間に設けられる発光体153とを有している。2枚のミラー板151,152のうち前側(すなわち演出表示面側)のミラー板151は、照射された光の一部を透過し残りの一部を反射するハーフミラー(ビームスプリッタ)にて構成されているのに対し、背後側(すなわち演出表示面とは逆側)のミラー板152は、照射された光のほぼ全てを反射する一般的なミラーにより構成されている。これら2枚のミラー板151,152は互いに平行に設置され、これらにより合わせ鏡が構成されている。なお、ハーフミラーであるミラー板151において反射光と透過光の強さはほぼ同等である。発光体153は例えばLED等の光源部材よりなり、各ランプ表示部147で3つずつ設けられている。
上記構成のランプ表示部147によれば、発光体153が発光する場合に、その発光体153から照射された光が前後一対のミラー板151,152の間(合わせ鏡内)にて反射を繰り返す一方、光の一部が前側のミラー板151を通じて前方に放出される。このため、補助演出実行装置113を正面側(ただし真正面を除く)から見ると、発光体153が何列にも連なっているように視認されることとなる。
また、ランプ表示装置132は2枚の可動扉155を有している。可動扉155は、中央枠部142に囲まれた中央開口部(前後貫通部)を開閉するものである。可動扉155は、液晶表示装置131の前方に設けられており、可動扉155が閉状態にあれば、その後方の液晶表示装置131の表示パネルが視認不可となり、可動扉155が開状態にあれば、その後方の液晶表示装置131の表示パネルが視認可能となる。可動扉155は、左右のランプ表示部147の後方を通って開閉動作し、可動扉155が開閉動作しても、ランプ表示部147の発光表示に何ら支障が及ばない構成となっている。
なお、可動扉155は非透明の板材である。ただし、可動扉155を半透明の板材にて構成したり、格子状、網目状などの扉体にて構成したりしてもよい。
左右2枚の可動扉155は、それぞれモータ等よりなるアクチュエータ(図示略)により開閉駆動されるようになっており、本実施形態では、左右の各可動扉155が各々独立して開閉駆動される構成となっている。つまり、左右の各可動扉155は両方同時に開放させることに加え、いずれか一方のみを開閉させることも可能である。ただし、1つのアクチュエータにより2枚の可動扉155を同時に開閉駆動する構成であってもよい。その他、可動扉155を1枚のみ、又は3枚以上設けたり、引き戸式の可動扉に代えて、回動式の扉体を用いたりすることも可能である。
また、ランプ表示装置132の枠体141において、各張出枠部143〜146のうち左右の張出枠部145,146(すなわち、液晶表示装置131の短辺部側の張出枠部)は、上下の張出枠部143,144(すなわち、液晶表示装置131の長辺部側の張出枠部)よりも張出寸法が大きくなるように形成されている。これは、左右2枚の可動扉155が開放された場合に、その可動扉155を左右の張出枠部145,146内に収納させるようにしているためである。張出枠部145,146において可動扉155を収納させるスペースは扉収納部156となっている。なお、左右の張出枠部145,146は、扉収納部156を遮蔽する遮蔽部材157が設けられており、収納部156が前側から視認されないようになっている。
本実施形態では、可変表示ユニット56をパチンコ機10に設置した場合において、各可動扉155がパチンコ機10の左右方向に開閉動作する構成となっている。また、各可動扉155を収容する扉収納部156もパチンコ機10の左右方向に展開して設けられている。したがって、各可動扉155がパチンコ機10の前後方向に開閉動作する構成(扉収納部156がパチンコ機10の前後方向に展開して設けられている構成)に比べて、各可動扉155の動作範囲を確保しやすくなる。また、可変表示ユニット56として、パチンコ機前後方向の大きさが過度に大きくなることを抑制できる。
次に、上記構成の可変表示ユニット56における図柄表示態様について図12を用いて説明する。図12において、(a)は7セグメント表示装置112の表示態様を示す図、(b)は補助演出実行装置113の表示態様を示す図、(c)は(a)(b)の各表示態様をミラー部材114上で合成した状態を示す図である。なお、図12(c)は、パチンコ機前方より可変表示ユニット56を視認した場合の視認画像のイメージである。
図12(a)に示すように、7セグメント表示装置112では、3つの数字表示部128において数字の発光表示が行われる。ここでは、例示として発光表示が「777」である状態を示している。7セグメント表示装置112での7セグ表示情報が「第1情報」に相当する。
図12(b)に示すように、補助演出実行装置113では、左右の可動扉155が開状態となっており、液晶表示装置131の表示パネルが視認可能となっている。ここでは、例示として表示画像が「V」である状態を示している。なお、図示の状態とは異なり左右の可動扉155が閉状態であれば、液晶表示装置131の表示パネルは視認されず、補助演出実行装置113の中央部には可動扉155の表面部(表面部に描かれた絵柄、図形等)が見えるのみである。
また、同じく図12(b)では、液晶表示装置131の画像情報が表示される状態に加え、上下左右の各ランプ表示部147により発光表示される状態を示している。つまり、各ランプ表示部147では、その内部の発光体153が発光することで、放射状に広がる多数の光点が視認されるようになっている。補助演出実行装置113での補助演出表示情報(液晶表示装置131の画像情報、ランプ表示部147の発光情報を含む)が「第2情報」に相当する。
そして、図12(c)に示すように、ミラー部材114では、図12(a)に示す7セグメント表示装置112の7セグ表示情報と、図12(b)に示す補助演出実行装置113の補助演出表示情報とが合成されて表示される。
詳しくは、7セグメント表示装置112の7セグ表示情報がハーフミラー部124を通じて透過表示されるとともに、補助演出実行装置113の補助演出表示情報がミラー部123及びハーフミラー部124にて反射表示される。このとき、ミラー部材114のほぼ中央部に7セグ表示情報が表示される。また、その7セグ表示情報の表示エリアに重なるようにして液晶表示装置131の画像情報が表示されるとともに、7セグ表示情報の表示エリアを囲むようにしてランプ表示部147の発光情報が表示される。
液晶表示装置131の画像情報の表示態様について補足すると、同画像情報は、ミラー部材114を構成する各ミラー部123,124(反射表示部P1)にて表示される。また、7セグ表示装置112における発光している表示セグメント129と重なっているハーフミラー部124(透過表示部P2)においては、反射する光よりも透過する光の方が強くなる。このため、補助演出表示情報に対する7セグ表示情報の優位性が担保されることとなり、表示セグメント129が発光している部分においては、液晶表示装置131による画像情報よりも、表示セグメント129による7セグ表示情報の方が明確に表示されることとなる。本実施形態では、透過表示部P2における7セグ表示情報が表示されている部分では、補助演出表示情報が視認されない、又はほとんど視認されない。よって、透過表示部P2における表示セグメント129が発光している部分においては、表示セグメント129による7セグ表示情報のみが視認されることとなる。また、この場合、ハーフミラー部124によって、7セグ表示装置112そのものがパチンコ機10の前方から視認されてしまうことを抑制する効果を得ることができる。なお、表示セグメント129が発光している部分において、7セグ表示情報と補助演出表示情報との両方が視認されるようにしてもよい。この場合、表示セグメント129の発光の強さを調整すればよい(本実施形態よりも発光を弱くする)。
液晶表示装置131におけるランプ表示部147の発光情報について補足すると、同発光情報は、ミラー部123のみにて反射表示される(ハーフミラー部124では反射表示されない)。ランプ表示部147の発光情報をミラー部123のみにて反射表示されることにより、ランプ表示部147の発光情報と、表示セグメント129の発光情報(7セグ表示情報)とが重複してしまい、7セグ表示情報の補助演出表示情報に対する優位性が損なわれてしまうことを抑制できる。
また、本実施形態では、ハーフミラー部124の反射率と透過率とをほぼ同等となっており、ハーフミラー部124が全透過に近いものである場合と比較して、7セグメント表示装置112そのものを視認しづらくすることができる。
ここで、ミラー部材114は遊技盤51に対して傾倒して設けられているため、パチンコ機前方からミラー部材114の表面(鏡面部)を視認することが可能である。したがって、遊技者は、ミラー部材114上において、7セグメント表示装置112の7セグ表示情報と補助演出実行装置113の補助演出表示情報との合成表示内容(図12(c)の表示内容)を視認できる。この場合、ミラー部材114をパチンコ機前方から視認すると、あたかも7セグメント表示装置112と補助演出実行装置113とが近接して設けられているように視認されることとなる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について、図13のブロック図に基づいて説明する。なお、図13では、信号ラインを実線矢印で示す。
主制御装置72は、停電監視回路170とCPU171とを備えている。CPU171は、当該CPU171により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROMと、そのROM内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAMと、割込回路やタイマ回路、データ入出力回路などの各種回路とを備えている。
主制御装置72のCPU171には、払出制御装置91のCPU172と音声ランプ制御装置71のCPU173とが接続されている。CPU171は、払出制御装置91のCPU172に対して賞球コマンド等の各種コマンドを出力する一方、音声ランプ制御装置71のCPU173に対して演出コマンド等の各種コマンドを出力する。また、主制御装置72のCPU171には停電監視回路170を介して電源・発射制御装置92から電力が供給される。停電監視回路170は、CPU171に対して正常な電力量が供給されているか否かを監視している。
払出制御装置91においてCPU172は、当該CPU172により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMと、ワークメモリ等として使用されるRAMとを備えている。そして、CPU172は、主制御装置72側から入力した各種コマンドに基づいて、払出装置89により賞球や貸し球の払出制御を実行する。
払出制御装置91には、電源・発射制御装置92が接続されている。また、払出制御装置91の出力側には、主制御装置72におけるCPU171が接続されている。
電源・発射制御装置92は発射制御部を備えており、発射制御部は遊技者による遊技球発射ハンドル36の操作に従って遊技球発射装置45の発射制御を担うものであり、遊技球発射装置45は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置71においてCPU173は、当該CPU173により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROMと、ワークメモリ等として使用されるRAMとを備えている。そして、CPU173は、主制御装置72側から入力した各種コマンドに基づいて各種ランプ部23〜25やスピーカ部26、及び表示制御装置105を制御するものである。
表示制御装置105は、音声ランプ制御装置71からコマンドを入力することによって、7セグメント表示装置112、補助演出実行装置113(液晶表示装置131,発光体153及び可動扉155)を制御する。
次に、補助演出実行装置113、7セグメント表示装置112にて演出及び図柄の変動表示が行われる場合に表示制御装置105にて行われる表示制御処理について図14のフローチャートを用いて説明する。図14のフローチャートは、主制御装置70から出力される変動パターンコマンドが音声ランプ制御装置71を経由して表示制御装置105に入力されることに基づいて表示制御装置105により実行される。
表示制御処理におけるステップS101〜S103では、受信した変動コマンドがいずれの変動パターンコマンドであるかを判定する。ここで、変動パターンコマンドについて概略を説明する。変動パターンコマンドは、作動口54への遊技球の入球時に主制御装置70にて行われる大当たり抽選の結果に基づいて決定され、都度の表示演出に要する演出実行時間の情報を含むコマンドである。変動パターンコマンドとしては、特定当たり用コマンド、非特定当たり用コマンド、外れ用コマンドがあり、それら各々に複数のパターンが用意されている。表示制御装置105は、受信した変動パターンコマンドに基づいて、7セグメント表示装置112及び補助演出実行装置113にて行われる表示態様及び演出態様を決定する。すなわち、7セグメント表示装置112の停止図柄(停止数字)を決定するとともに、補助演出実行装置113による補助演出内容(演出パターン)を決定する。そして、上記の決定内容に基づいて7セグメント表示装置112と補助演出実行装置113との制御を実行する。
なお、大当たりには特定大当たりと非特定大当たりとがあり、特定大当たりとはその特定大当たりが終了した後に大当たり抽選に当選する確率が通常状態よりも高い高確率状態に移行する大当たりのことであり、非特定大当たりとはその大当たりが終了した場合に通常状態に移行する大当たりのことである。
外れ用変動パターンコマンドを受信した場合(ステップS101がYESの場合)、ステップS104に進み、外れ用変動表示決定処理を行う。これにより、7セグメント表示装置112にて所定期間に亘り図柄の変動表示が行われた後に異なる数字の組合せが停止表示される。
非特定大当たり用変動パターンコマンドを受信した場合(ステップS102がYESの場合)、ステップS105に進み、非特定大当たり用変動表示決定処理を行う。これにより、7セグメント表示装置112にて所定期間に亘り図柄の変動表示が行われた後に同じ数字の組合せが停止表示される。
その後、ステップS106では、可動扉開閉演出決定処理を行う。可動扉開閉演出決定処理では、非特定大当たりに当選していた場合における可動扉155による演出を決定する。続くステップS107では、演出表示決定処理を行う。演出表示決定処理では、可動扉155による開放演出が行われる場合に補助演出実行装置113における液晶表示装置131の液晶表示エリアにて行われる演出を決定する。演出表示決定処理を行ったら本表示制御処理を終了する。
また、特定大当たり用変動パターンコマンドを受信した場合(ステップS103がYESの場合)、ステップS108に進み、特定大当たり用変動表示決定処理を行う。これにより、7セグメント表示装置112にて所定期間に亘り図柄の変動表示が行われた後に同じ数字の組合せが停止表示される。続くステップS109,S110では、上述したステップS106,S107と同様に、可動扉開閉演出決定処理と演出表示決定処理とを実行する。
本実施形態では、特定大当たり又は非特定大当たりに当選していた場合、図柄の変動表示が終了した場合に同じ数字が付された図柄が停止表示される(ステップS105及びステップS108)。同じ数字の図柄が停止表示されることによって遊技者に特定大当たり又は非特定大当たりに当選したことを教示している。特定大当たりに当選していた場合には、可動扉155にて開閉を繰り返す演出を実行した後に最終的に可動扉155が開放される。非特定大当たりに当選していた場合には、可動扉155にて開閉を繰り返す演出を実行した後に最終的に可動扉155が閉鎖される。可動扉155の開閉によって特定大当たり又は非特定大当たりのいずれに当選していたかを遊技者に教示する。可動扉開閉演出決定処理(ステップS106,S109)ではこの可動扉155の動きを決定している。
次に、可変表示ユニット56の各種変動パターンを図15を用いてより具体的に説明する。図15(a)〜(c)はそれぞれ、パチンコ機10の前方から図柄表示部61(図4参照)を通じて視認される可変表示ユニット56の表示内容を示す変動パターン説明図である。
図15(a)では、7セグメント表示装置112の7セグ表示情報のみが表示されており、これが通常の変動パターンである。この場合、補助演出実行装置113による補助演出が行われていない。つまり、補助演出実行装置113では、左右の可動扉155が閉状態とされ、その背後の液晶表示装置131による表示画像は視認されない。また、上下左右の各ランプ表示部147により発光表示演出も停止されている。これは、選択される確率が最も高い変動パターンであり、1遊技回においてこの変動パターンのまま変動表示が行われる場合には大当たり期待度が低いものとなっている。
図15(b)では、7セグメント表示装置112の7セグ表示情報が表示されることに加えて、補助演出実行装置113の各ランプ表示部147による発光表示演出が行われている。補助演出実行装置113の左右の可動扉155は閉状態のままであり、その背後の液晶表示装置131による表示画像は遊技者に視認されない。これは、例えば、先に変動停止する2つの7セグ数字(図の左&中の数字)が同じ数字となる、いわゆるリーチ発生時に発生する変動パターンであり、この変動パターンが発生することで、最後に変動停止する7セグ数字(図の右数字)がリーチ数字と同じ数字で変動停止することの期待感を遊技者に持たせることができる。
図15(c)では、7セグメント表示装置112の7セグ表示情報が表示されることに加えて、補助演出実行装置113において各ランプ表示部147による発光表示演出と、可動扉155が開放された状態での液晶表示装置131による画像表示演出とが行われている。液晶表示装置131の表示画像としては「V」が表示されている。これは、大当たりの発生に伴い、3つの7セグ数字が全て同じ数字となる場合に発生する変動パターンであり、この変動パターンが発生することで、大当たり状態に移行したことを遊技者に知らせることができる。
なお、可変表示ユニット56の変動パターンとして上記以外に例えば、
・7セグメント表示装置112の7セグ表示情報が表示されることに加えて、補助演出実行装置113において可動扉155が開放された状態での液晶表示装置131による画像表示演出が行われる変動パターン(ただし、各ランプ表示部147による発光表示演出は行われない)、
・遊技回ごとの変動開始時に、可動扉155が開放された状態で液晶表示装置131による画像表示演出が行われ、表示画像として大当たり期待度を示す予告表示(「熱い!」、「激熱」等)が表示される変動パターン、
・リーチ発生時に、可動扉155が開放された状態で液晶表示装置131による画像表示演出が行われ、表示画像として「リーチ!」が表示される変動パターン、
等々が適宜行われる。
以上詳述した本実施の形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
可変表示ユニット56では、ミラー部材114の透過表示部P1において、7セグメント表示装置112による7セグ表示情報がミラー部材114の前方へ透過表示されるため、ミラー部材114の後方に7セグメント表示装置112が設置される構成であっても、その7セグ表示情報がパチンコ機10の前方から視認可能となる。また、ミラー部材114の反射表示部P2において、補助演出実行装置113による補助演出表示情報が反射表示されるため、その補助演出表示情報がパチンコ機10の前方から視認可能となる。かかる場合、ミラー部材114では、7セグ表示情報と補助演出表示情報とが合成された表示情報が視認されることとなる。
上記のように可変表示ユニット56が複数の表示装置(7セグメント表示装置112、補助演出実行装置113)を備える構成であれば、その複数の表示装置を使って多種多様な演出を実現できる。ただしその反面、可変表示ユニット56を実現するための表示ユニットの大型化が懸念される。これに対して本実施形態では、2つの表示装置を分散配置し、それらによる各表示情報をミラー部材114を使って合成する構成としたため、各表示装置を効率よく配置することができる。その結果、遊技演出の多様化を図るべく複数の表示装置からなる可変表示ユニット56を用いつつも、その可変表示ユニット56をパチンコ機10の背面側スペースに好適に設置することができる。
パチンコ機10は、遊技ホールの島設備等に並べて設置され、その大きさに制限があるが、上記のように可変表示ユニット56がパチンコ機10の背面側スペースに好適に設置されることで、当該大きさの制限を超えることなく、多種多様な演出機能を具備する遊技機を実現できる。
ミラー部材114の反射面のうち一部に透過表示部P2が設けられ、その透過表示部P2の背後に7セグメント表示装置112が設けられている。言い換えれば、ミラー部材114において7セグメント表示装置112の前方が限定的に透過表示部P2となっている。これにより、本来表示させたい7セグ表示情報をパチンコ機10の前方に透過表示させることができるとともに、不要な部位等が余分に透けて遊技機前方から視認されてしまうといった不都合を抑制できる。
7セグ表示情報における表示セグメント129が発光することで、ミラー部材114の透過表示部P2を通じてパチンコ機10の前方から視認される。この場合、7セグ表示情報の表示状態と非表示状態(表示セグメント129の発光時と非発光時)とで、透過表示部P2を通じて視認される情報視認具合を大きく異ならせることができる。つまり、非発光の状態では7セグメント表示装置112そのものを視認しづらくすることができる一方、発光状態の表示セグメント129による7セグ表示情報のみを明確に視認させることができる。また、透過表示部P2の周囲が低透過率の反射表示部P1となるため、透過表示部P2を通じて視認される7セグ表示情報を際立たせることができる。
ミラー部材114が斜めに傾いた状態で設置される構成では、パチンコ機10前方から表示情報を視認する場合にその表示情報が傾倒方向に歪むことが考えられる。透過表示部P2を有する構成では、その影響が大きいと懸念される。この点、上記のとおり透過表示部P2がミラー部材114の傾倒方向に直交する方向に並べて設けられることで、7セグ表示情報の歪みによる悪影響を最小限に抑えることができる。
ミラー部材114の反射面において透過表示部P2を含むエリアと、透過表示部P2を含まないエリアとで、補助演出実行装置113の表示機能(画像表示機能、発光表示機能)を各々異ならせることができる。これにより、一層多様な演出が可能となり、遊技者の遊技への注目度を高めることができる。
7セグメント表示装置112による数字表示部128に合わせて透過表示部P1が設けられている。変動表示ワードとして文字が表示されるため、キャラクタや物体等の絵柄を表示する場合と比して、透過表示部P1の透過スペース(透過表示面積)を最小限に抑えることができる。これにより、ミラー部材114において補助演出実行装置113による補助演出表示情報が表示されない部分、すなわち透過表示部P1を極力小さくすることができ、反射表示部P2を広範囲にて確保できることとなる。
補助演出実行装置113は、遊技盤51の背後に隠れるようにして設けられている。この場合、パチンコ機10の前方からは補助演出実行装置113が遊技者に直接視認されることを抑制し、ミラー部材114の反射表示部P2のみを介して補助演出実行装置113を遊技者に視認させることができる。
補助演出実行装置113において可動扉155が作動することで補助演出実行装置113による表示態様が変更される。これにより、補助演出実行装置113による表示演出の多様化を図ることができる。また、可動扉155を備える構成では、その動作範囲も考慮しなければならないため、その分補助演出実行装置113の大型化を招くことが考えられる。本実施形態によれば、上述したとおり各表示装置を効率よく配置できることから、可変表示ユニット56が大型化したとしてもパチンコ機10が上記大きさの制限を超えることを抑制できる。
なお、上述した実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を相互に適用してもよい。
(1)上記実施の形態では、可変表示ユニット56においてミラー部材114を傾倒させて設置する構成として、ミラー部材114の上部がパチンコ機10の後方側に傾倒するようにして設けたが、ミラー部材114の上部がパチンコ機10の前方側に傾倒するようにして設けてもよい。この場合、補助演出実行装置113をミラー部材114の反射方向に設置すればよい。
ミラー部材114がパチンコ機10の前方側に対して平行に設けられていてもよい。この場合、補助演出実行装置113はミラー部材114に対して画像を投影すればよい。
また、ミラー部材114を前後方向に傾倒させた構成と代えて、ミラー部材114の左右両端のうちいずれか一方を、他方よりも前方に位置するように傾倒させて設けていてもよい。この場合、ミラー部材114が光を反射する方向に位置するように、補助演出実行装置113がパチンコ機10の側方に設けられていればよい。
また、上記実施形態では、パチンコ機正面の遊技者に水平方向に対峙する位置(遊技者の視線方向を水平方向としてミラー部材114が視認される位置)にミラー部材114を配置したが、遊技者の正面位置からずらした位置にミラー部材114を配置してもよい。すなわち、パチンコ機正面の遊技者に水平方向に対峙する位置よりも上下左右等のいずれかにずれた位置にミラー部材を配置する。この場合、ミラー部材114が傾倒して設けられている必要はなく、例えば、ミラー部材114が鉛直方向や水平方向に設けられていてもよい。
上記実施形態では、ミラー部材114の表示情報(7セグ表示情報及び補助演出表示情報)を、パチンコ機正面の遊技者にミラー部材114を介して視認されるように配置したが、パチンコ機正面の遊技者以外に視認されるようにしてもよい。例えば、複数の遊技機が並べて設置されている遊技ホールにおいては、ミラー部材114の表示情報が隣の遊技機を遊技している遊技者から視認されるようにしてもよい。さらには、ミラー部材114の表示情報が遊技ホールを歩行している歩行者から視認されるようにしてもよい。これらは、ミラー部材114の配置位置及び配置角度を調整することによって本構成を実現できる。
(2)ミラー部材114の表面が湾曲していてもよい。ミラー部材114の表面の形状によって補助演出実行装置113にて実行される演出の視認のされ方を変更することができる。例えば、ミラー部材114の表面中央部が表面端部よりも凹んでいるものが考えられる。ミラー部材114の表面が湾曲していても、ミラー部材114の裏面が湾曲していないならば、上記実施の形態のように7セグメント表示装置112をミラー部材114の裏面に設置すればよい。また、ミラー部材114の裏面側も湾曲している場合には、7セグメント表示装置112における数字表示部128も湾曲しておりミラー部材114の裏面側に接するようにして設置してもよい。
ミラー部材114は縦長矩形状をしていなくともよく、例えば、円形等の楕円形状や三角形、五角形等の多角形状をしていてもよい。この場合、補助演出実行装置113により実行される演出が照射される範囲に合わせてミラー部材114の形状を決定すればよい。
また、ハーフミラー部124がミラー部123に囲まれていなくともよい。この場合、ミラー部材114において、ハーフミラー部124が形成されている位置に合わせて7セグメント表示装置112を設置すればよい。
(3)上記実施形態では、ハーフミラー部124の反射率と透過率とがほぼ同等となっていたが、ハーフミラー部124における反射率と透過率を変更してもよい。例えば、反射率と透過率との比率を30:70、40:60等のように反射率<透過率としたり、60:40、70:30等のように反射率>透過率としたりしてもよい。7セグ表示情報の透過表示と補助演出表示情報の反射表示とが行われることから反射率が30〜70%となっていることが望ましい。
(4)ミラー部材114を図16に示す構成にしてもよい。図16は本構成におけるミラー部材200の分解斜視図である。本構成では、ハーフミラー材の裏面側に、開口部を有する光遮蔽部材を設けている。
本構成におけるミラー部材200では、全体として矩形板状をなすハーフミラー材201を有している。ハーフミラー材201の背面側には、光をほとんど透過しない薄膜からなる光遮蔽材としての黒色シート202が設けられている。黒色シート202は、ハーフミラー材201と縦横幅が同一となっており、ハーフミラー材201のほぼ前面に貼着される。その黒色シート202には、左右方向に並設された3つの開口部203が形成されている。この3つの開口部203は、7セグメント表示装置112によるセグメント表示をミラー前方に透過表示するための表示窓を構成するものであり、本実施形態ではいずれも同一の大きさ及び形状を有するものとなっている。また、3つの開口部203は黒色シート202のほぼ中央部に形成されている。
ハーフミラー材201の裏面に黒色シート202が設けられている部分は光を透過しないためミラー部123として機能し、ハーフミラー材201の裏面に黒色シート202が設けられていない部分は光を透過するため、ハーフミラー部124として機能する。
ハーフミラー材201の背面側には、黒色シート202における3つの開口部203の内側に位置するよう黒色シート片204が設けられている。黒色シート片204は、黒色シート202と同様に、照射された光をほとんど透過しない薄膜からなり、各々が矩形状をなし、各開口部203に2つずつ設けられている。各開口部203の内側には2つの黒色シート片204が上下に離間して配置されており、この黒色シート片204により各開口部203には、ハーフミラー材201を介して「8」の字状をなすハーフミラー部124が形成されることとなる。
つまり、黒色シート202において7セグメント表示装置112のセグメント表示部分と重なる部位が前後に貫通している部分がハーフミラー部124である。そして、ハーフミラー部124が形成されていない部分(ミラー部材200の背面側において黒色シート202、黒色シート片204が設けられている部分)がハーフミラー材201を介して補助演出実行装置113による表示情報を反射表示可能とするミラー部123である。
よって、一般的なハーフミラーの裏面側に黒色シートを貼着するのみの構成にて、上記実施形態におけるミラー部材114と同様に、ミラー部材200においてミラー部123とミラー部124とを設けることが可能となり、7セグメント表示装置112による7セグ表示情報と補助演出実行装置113による補助演出表示情報とをミラー部材200を介して遊技者に視認させることができる。
(5)上記実施形態では、第1表示手段として、3桁の数字表示部128を有する7セグメント表示装置112を用いたが、これを変更してもよい。具体的には、7セグメント表示装置112の数字の桁数を3桁以外、例えば1桁、2桁、4桁以上のいずれかにしてもよい。また、複数の数字表示部128を有する構成では、数字の大きさを全て同一にする以外に、異なる大きさにしてもよい。例えば、3桁表示の場合に、中央の数字のみを大きくする、又は小さくする等してもよい。
また、表示セグメントの数を7より少なくして表示可能な数字を減らしたり(例えば、「3」「7」のみを表示可能とする)、表示セグメントの数を7より多くして数字以外に英文字やカタカナ等の文字を表示可能にしたりしてもよい。
セグメント表示器としては、LED等の発光体により表示セグメントを発光させるもの以外に、表示セグメントにそれぞれ開放状態及び開閉状態に切り替え可能な遮蔽物を設ける構成とし、その遮蔽物の開閉によって数字を変動表示させてもよい。
また、第1表示手段として、多数の発光ドットを有するドット表示器や、液晶等のディスプレイ表示器、周回式表示器等を用いることも可能である。
(6)上記実施形態では、補助演出実行装置113の液晶表示装置131の表示エリア(情報表示範囲)を、ミラー部材114の反射面において透過表示部P1を含むエリアとしたが、同液晶表示装置131の表示エリアを、ミラー部材114の反射面において透過表示部P1を含まないエリアとしてもよい。
(7)ミラー部材114の裏面側に、表示セグメント129がミラー裏面から離間するようにして7セグメント表示装置112を設けてもよい。例えば、ミラー部材114の裏面側に脚部やスペーサを設け、その脚部やスペーサにより表示セグメント129をミラー裏面から離間させる構成とする。又は、ミラー部材114の裏面側において、可変表示ユニット56の本体ケース111に支えられかつ表示セグメント129をミラー裏面から離間させた状態で7セグメント表示装置112を取り付ける構成とする。ただし、7セグメント表示装置112の透過視認性を確保する上では、表示セグメント129(情報表示部)とミラー裏面との距離が小さい方が望ましい。
(8)7セグメント表示装置112による7セグ表示情報がミラー部材114に反射表示され、補助演出実行装置113による補助演出表示情報がミラー部材114に透過表示されてもよい。すなわち、7セグメント表示装置112がミラー部材114の上方に配されており、補助演出実行装置113がミラー部材114の後方に配されていてもよい。
(9)補助演出実行装置113に可動扉155が設けられておらず、演出が行われる場合に液晶表示装置131における液晶表示エリアにて演出を行うための図柄が表示されてもよい。
また、補助演出実行装置113において液晶表示装置131の代わりに装飾体を設け、その装飾体によって演出を実行してもよい。装飾体による演出として、装飾体として可動部材(可動役物)を設けその可動部材の動きによって演出を実行するものや、装飾体がランプ等の発光体を備えその発光体の発光態様によって演出を実行するもの等が考えられる。すなわち、装飾体を第2表示手段として用いてもよい。
(10)大当たり抽選処理及び表示制御処理におけるそれぞれの処理内容は上記実施の形態のものに限定されることはなく、例えば、主制御装置72が大当たり抽選を行うとともに、7セグメント表示装置112における変動表示態様等を決定してもよい。この場合、主制御装置72にて決定されたリーチパターン等に基づいて表示制御装置105が補助演出実行装置113や7セグメント表示装置112を制御すればよい。
(11)主制御装置72から表示制御装置105にコマンドが出力されたことに基づいて、補助演出実行装置113における演出や7セグメント表示装置112における図柄の変動表示が行われてもよい。
また、音声ランプ制御装置71と表示制御装置105とが同一の装置であり、当該装置に主制御装置72からコマンドが出力されることによって演出や図柄の変動表示が行われてもよい。
(12)上記実施形態では、ミラー部材114に設けた3箇所のハーフミラー部124がそれぞれ8の字状に連続して設けられていた。すなわち、ハーフミラー部124には、ミラー部材114後方の表示情報(7セグ表示情報)を透過表示するための光透過部が8の字状に連続する部位として設けられていたが、この構成を変更してもよい。例えば、ハーフミラー部124を互いに離間され且つ8の字状に並べられた複数の光透過部により構成し、これら複数の光透過部により一の文字等を表示するようにしてもよい。そして、図7(a)で示したように、各ハーフミラー部124を左右に並ぶようにミラー部材114に設ければ、ミラー部材114において複数の文字を表示することができる。
(13)上記実施の形態とは異なる他のタイプの弾球遊技機、例えば他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組合せが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも、本発明を適用できる。
また、取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
(14)上述した実施形態における構成及び別例における各構成のそれぞれを任意に組み合わせた構成としてもよい。例えば、一の実施形態の構成に対して、その他の実施形態の構成を適用してもよい。また、3パターン以上の実施形態の構成を相互に適用してもよい。