JP5557156B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、スロットマシンやパチンコ、アレンジボール、雀球等の遊技機に関し、特に遊技機前面の表示パネルなどの装飾体を裏側から照らすための光源が配置された裏面側部材(一般に「パネルユニット」といわれる。)の改良に関するものである。
例えばリールユニットを備えている遊技機の一種として、円筒の外周に複数の絵柄が描かれている複数のリールをそれぞれ回転させるスロットマシンがある。
このスロットマシンでは、遊技者がメダルを投入して遊技開始時にスタートレバーを操作すると、リールユニットの左リール、中リール及び右リールが回転し始め、その後、適当なタイミングで左リール停止ボタン、中リール停止ボタン及び右リール停止ボタンを任意の順に押すことにより各リールを停止させる。そのときに各リールの絵柄の組み合わせに応じて、所定枚数のメダルを払い出したり遊技者にとって有利な遊技状態に移行したりする。
このようなスロットマシンの本体は、前面が開口する筐体とその前面開口に開閉自在に設けられる前面扉とから構成されており、その前面扉の前面には、スロットマシン内部のリールの絵柄を目視するためのリール表示窓が形成され、また例えば装飾模様等が描画された表示パネルなどの装飾体(以下、「装飾体」を「表示パネル」と表現することが多い。)が設けられている。
また表示パネルの裏面側にはランプ、7セグメント表示、LED、液晶表示等を行う各種表示装置が配置された裏面側部材(パネルユニット)が取り付けられており、これらの各種表示装置は、表示パネルの裏面側から表示パネルを照らし表示パネルを透過させた光を目視させることで、遊技者の遊技の興趣を向上させる演出を行ったりスロットマシンの内部情報を表示したりする。
ところでスロットマシン等では不人気機種の機種を新台に入れ替えるなど機種変更が行われることも多いが、スロットマシンそのものを交換すると多くの費用を要することとなるため、スロットマシンの表示パネルと内部プログラム等を交換することで機種変更が行われることも多くなってきている。
ここで交換する表示パネルの絵柄のデザインによっては、パネルユニットの複数の区画をつなげてひとつの区画として使用したい場合もある。そのため例えば特許文献1の「遊技台」や特許文献2の「スロットマシン」では、パネルユニットの左右両側に壁面によって囲まれて形成された縦に細長い矩形状の囲い部が、取り外し可能な複数の仕切り板を立設状態で取り付けることで仕切られて複数の区画に分割されており、この仕切り板を取り外すことによって希望の大きさに区画をつなげて表示パネルの絵柄を裏面側から照らすことができるようになっている。
特開2002−233606号公報 特開平6−254213号公報
そして従来の仕切り板はそれぞれがパネルユニット本体に形成されたレール状の溝に差
し込まれることで区画を画定しており、区画をつなげる場合にはこれを引き抜き除去することで行われていたため、取り外した仕切り板を紛失したりすることがあった。
また仕切り板により囲い部を分割して区画を形成し、隣接する区画の一方の光源を点灯させ他方を消灯させた場合には、その明暗の差が大きいほど遊技者ははっきりと区画の境界を認識することができるが、光源を各区画底面中央に配置すると、表示パネルの区画中央と比べて区画境界付近の部分が若干暗くなり、区画境界の視認性が低下するといった問題があった。このことは光源に指向性の強いLEDを採用した場合に特に顕著であった。
本発明はこれらの問題などを解決するために発案されたものであり、ランプハウジングとなる囲い部(以下、「囲い部」のことを「ランプハウジング」ということが多い。)の区画の分割および連結を可動壁により行うことで表示パネルの絵柄の変更に柔軟に対応可能とするとともに、壁面の取り扱いを簡易化してその紛失をなくし、また、可動壁により区画を分割した際には区画前面の表示パネルの区画境界付近の表示パネルをより明るくしてやるか、同一区画内の表示パネルに部分的な明暗の差ができるだけ生じないようにした遊技機を提供するものである。
上記課題等を解決するため本発明は、装飾が施された装飾体と、該装飾体の裏面側に配置され前記装飾体の装飾を裏側から照らす光源が設けられた裏面側部材と、を備え、
前記裏面側部材には壁面によって囲まれた囲い部が形成されており、
該囲い部にはそれぞれ光源が底部中央位置に配置されるように囲い部を仕切ることでこれを複数の区画に分割するための可動壁設けられ
該前記可動壁の先端部は、基端部を軸に回動することで倒立・転倒する一対の板状体からなり、
該一対の板状体は、倒立時には対向して区画を画定する壁面を形成し、転倒時には先端が開くように離隔することで隣接する区画の少なくとも一部を連通させることで、隣接する区画を遮光状態に分割する遮光位置と隣接する区画を透光状態につなげる透光位置とを選択可能となるように前記可動壁を構成し、かつ、前記可動壁の壁面先端側部分を可動壁の付け根側部分と比して高反射率面とした、ことを特徴とする遊技機を提供する
本発明によれば、可動壁によりランプハウジングの区画の分割や連結を容易に行うことができるようにすることで、様々な絵柄の表示パネル等(装飾体)にパネルユニット(裏面側部材)を再利用し、または多機種に共通のパネルユニットを用いることができ、さらに区画を仕切る可動壁の先端側を高反射率面とすることで、ここで反射した光が区画を分割した場合に暗くなりがちな区画の境界付近の明るさを補うため、区画境界付近の表示パネルをより明るくしてやるか、同一区画内の表示パネルをほぼ均一な明るさにすることができる。
スロットマシンの正面図である。 前面扉を閉じた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉を開いた状態を示すスロットマシンの斜視図である。 前面扉の背面図である。 筐体内部の正面図である。 バックライト及びその周辺の斜視図である。 モータプレート、モータ、バックライト及びリールの組付け斜視図である。 モータプレート及びバックライトの斜視図である。 バックライトの正面図である。 各リールを構成する帯状のリールテープの展開図である。 セレクタの正面図である。 3枚賭け専用スロットマシンの正面図である。 パネルユニットおよび表示パネルの分解斜視図である。 パネルユニットの表面および裏面の斜視図である。 パネルユニットのランプハウジング部分の斜視図である。 パネルユニットのランプハウジング部分の正面図および断面図である。 パネルユニットのランプハウジング部分の正面図および断面図である。 可動壁が遮光位置にある場合の光源からの光が到達する範囲を表した図である。 LEDの指向特性を放射角度と相対光度との関係をグラフで表したグラフである。 可動壁が遮光位置にある場合の表示パネルの明るさを模式的に表した図である。 可動壁が遮光位置にある場合の表示パネルの明るさを模式的に表した図である。 可動壁が透光位置にある場合の光源からの光が到達する範囲を表した図である。 可動壁が透光位置にある場合の表示パネルの明るさを模式的に表した図である。 可動壁が透光位置にある場合の光源からの光が到達する範囲を表した図である。 可動壁が透光位置にある場合の表示パネルの明るさを模式的に表した図である。 従来のパネルユニットの分解斜視図である。
以下、まず遊技機の一種であるスロットマシンの基本構成の形態について図面に基づいて詳細に説明し、その後、本発明の遊技機の技術的特徴部分であるパネルユニット(裏面側部材)の実施形態について説明する。
図1はスロットマシンの正面図、図2はスロットマシンの前面扉を閉じた状態の斜視図、図3はスロットマシンの前面扉を開いた状態の斜視図、図4は前面扉の背面図、図5は筐体内部の正面図である。
図1〜図5に示すように、スロットマシン10は、その外殻を形成する筐体11を備えている。筐体11は、図3及び図5に示すように、木製板状に形成された天板11a、底板11b、背板11c、左側板11d及び右側板11eからなり、隣接する各板11a〜11eが接着等の固定手段によって固定されることにより、全体として前面を開放した箱状に形成されている。なお、各板11a〜11eは木製のパネルによって構成する以外に、合成樹脂製パネル又は金属製パネルによって構成してもよいし、合成樹脂材料又は金属材料によって一体の箱状に形成することによって構成してもよい。
以上のように構成された筐体11は、遊技ホールへの設置の際にいわゆる島設備に対し釘を打ち付ける等して取り付けられる。
筐体11の前面側には、前面開閉扉としての前面扉12が開閉可能に取り付けられている。すなわち、筐体11の左側板11dには、図5に示すように、上下一対の支軸25a,25bが設けられている。支軸25a,25bは上方に向けて突出された先細り形状の軸部を備えている。一方、前面扉12には、図4に示すように、各支軸25a,25bに対応して当該支軸25a,25bの軸部が挿入される挿入孔を備えた支持金具26a,26bが設けられている。そして、各支軸25a,25bの上方に支持金具26a,26bを配置させた上で前面扉12を降下させることにより、支持金具26a,26bの挿入孔に支軸25a,25bの軸部が挿入された状態とされる。これにより、前面扉12は筐体11に対して両支軸25a,25bを結ぶ上下方向へ延びる開閉軸線を中心として回動可能に支持され、その回動によって筐体11の前面開放側を開放したり閉鎖することができ
るように構成されている。
前面扉12は、その裏面に設けられた施錠装置によって開放不能な施錠状態とされる。また、図1に示すように、前面扉12の右端側上部には解錠操作部たるキーシリンダ20が設けられている。キーシリンダ20は施錠装置と一体化されており、キーシリンダ20に対する所定のキー操作によって前記施錠状態が解除されるように構成されている。そこで、施錠装置を含むロック機構について概略を説明する。
前面扉12の右端側、すなわち前面扉12の開閉軸の反対側には、その裏面に施錠装置が設けられている。施錠装置は、図1、図3及び図4に示すように、上下方向に延び前面扉12に固定された基枠と、基枠の上部から前面扉12の前方に延びるように設けられたキーシリンダ20と、基枠に対して上下方向に移動可能に組み付けられた長尺状の連動杆21とを備えている。そして、施錠装置のうちキーシリンダ20だけが前面扉12の前方に突出した状態で設けられている。キーシリンダ20が設けられる位置は前面扉12の中でも肉厚の薄い上部位置とされており、その結果、全長の短い汎用性のあるキーシリンダ20を採用することができる。なお、本実施の形態では、キーシリンダ20として、不正解錠防止機能の高いオムロック(商標名)が用いられている。連動杆21は、キーシリンダ20に差し込んだキーを時計回りに操作することで下方へ移動される。連動杆21には、鉤形状をなす上下一対の鉤金具22が設けられており、筐体11に対して前面扉12を閉鎖した際には、鉤金具22が筐体11側の係止金具23に係止されて施錠状態となる。なお、鉤金具22には施錠状態を維持する側へ付勢するコイルバネ等の付勢部材が設けられている。キーシリンダ20に対してキーが時計回りに操作されると、連動杆21が下方に移動し、前記付勢部材の付勢力に抗して鉤金具22が移動されることにより当該鉤金具22と係止金具23との係止状態が解除され、筐体11に対する前面扉12の施錠状態が解除される。
前面扉12の中央部上寄りには、図1及び図2に示すように、遊技者に遊技状態を報知する表示パネル(「装飾体」と表現することもある。)30が設けられている。表示パネル30には、縦長の3つの表示窓31L,31M,31Rが横並びとなるように形成されている。表示窓31L,31M,31Rは透明又は半透明な材質により構成されており、各表示窓31L,31M,31Rを通じてスロットマシン10の内部が視認可能な状態となっている。なお、各表示窓31L,31M,31Rを1つにまとめて共通の表示窓としてもよい。さらに表示パネル30の左右には裏面側から照らされて明るく表示されることで、遊技者の興趣を向上させる演出等を行うための絵柄等が描かれている。
この表示パネル30の裏面には、表示パネルの各表示窓31L,31M,31Rから後述するリールの絵柄を視認することができるよう、その中央部が開口するほぼ矩形枠形のパネルユニット201が固定されている(図3、図4参照)。
表示パネルの裏面側にはランプ、7セグメント表示、LED、液晶表示等を行う各種表示装置が配置されており、各種表示装置のほとんどは、各々所定のプリント基板(表示パネル用基盤)上にLED(光源)等が一体的に取り付けられて形成されている。そして各種表示装置を配したプリント基板が枠体に固定されることで各種表示装置が表示パネルの裏面に配置されてパネルユニット(裏面側部材)が構成される。なお本願発明のパネルユニット201の詳細については後述するが、比較対象となる従来のパネルユニットについて簡単に説明する。
図26に従来のパネルユニットの分解斜視図を示した。このパネルユニット301は、中央部を開口するほぼ矩形枠形の枠体303と、各種表示装置(図示せず)などが配置された表示パネル用基盤220から構成され、表示パネル用基盤220は枠体303の裏面
側に固定されている。
この枠体303は複数の各種表示装置の台座となるものであるが、各表示装置の光が他の表示領域に漏れないようにするための機能も有している。図で示したスロットマシン用のパネルユニット301では、表示パネルに描かれた絵柄に対応するように、枠体303の左右の部分が6つの区画Sに分割されている。各区画には裏面側から取り付けられた表示パネル用基盤220上の表示装置(図示せず)がそれぞれ配置されるようになっている。ここで、この区画は照射された絵柄に隣接する絵柄には光が届かないように仕切り板305(壁面)によって仕切られて形成されている。
そしてスロットマシン等の機種変更や表示パネルに傷がついたり破損した場合などに、筐体や前面扉ごと交換することなくその表示パネルのみを簡単に交換出来るように、表示パネルは前面扉に対して着脱自在に構成されている。
図3に示すように、筐体11は分割横板40によりその内部が上下2分割されており、分割横板40の上部には、可変表示手段を構成するリールユニット41が取り付けられている。リールユニット41は、円筒状(円環状)にそれぞれ形成された左リール42L,中リール42M,右リール42Rを備えている。なお、各リール42L,42M,42Rは少なくとも無端状に構成されていればよく、円筒状(円環状)に限定されるものではない。
各リール42L,42M,42Rは、その中心軸線が当該リールの回転軸線となるように回転可能に支持されている。各リール42L,42M,42Rの回転軸線は略水平方向に延びる同一軸線上に配設され、それぞれのリール42L,42M,42Rが各表示窓31L,31M,31Rと1対1で対応している。従って、各リール42L,42M,42Rの表面の一部はそれぞれ対応する表示窓31L,31M,31Rを通じて視認可能な状態となっている。また、リール2L,42M,42Rが正回転すると、各表示窓31L,31M,31Rを通じてリール42L,42M,42Rの表面は上から下へ向かって移動しているかのように映し出される。
これら各リール42L,42M,42Rは、それぞれがモータプレート53に固定されたリール駆動モータ(ステッピングモータ)61L,61M,61R(図7参照)に連結されており、各リール駆動モータの駆動により各リール42L,42M,42Rが個別に、即ちそれぞれ独立して回転駆動し得る構成となっている。
各リール42L,42M,42Rは、円筒状の枠体を形成するリール枠50と、その外周面において無端状に巻かれた帯状のリールテープとを備えている。そして、その巻かれた状態を維持するように、リールテープの長辺両側に沿って形成された一対のシール部を介してリール枠50に貼付されている。前記リールテープの外周面には、識別情報としての絵柄が等間隔ごとに多数印刷されている。
各リール42L,42M,42Rの各リールテープ上には、その長辺方向(周回方向)に複数個、具体的には21個の絵柄が描かれている。従って、所定の位置においてある絵柄から次の絵柄へ切り替えるにはリール駆動モータ61L,61M,61Rが24パルス(=504パルス÷21絵柄)を生成する。そのためリールインデックスセンサ55(図7、図8参照)の検出信号が出力された時点からのパルス数により、どの絵柄が表示窓31(31L,31M,31R)から視認可能な状態となっているかを認識したり、任意の絵柄をリール表示窓31から視認可能な状態としたりする制御を行うことができる。
各リール42L,42M,42Rに付された絵柄のうち、表示窓31L,31M,31Rを介して全体を視認可能な絵柄数は、主として表示窓31L,31M,31Rの上下方向の長さによって決定される所定数に限られている。本実施形態では各リール3個ずつとされている。このため、各リール42L,42M,42Rがすべて停止している状態では
、3×3=9個の絵柄が遊技者に視認可能な状態となる。
また、各リール42L,42M,42Rには、リールテープを内側から照らすバックライト装置100L,100M,100Rが、図6〜図8に示すように、各リール42L,42M,42Rの内側面側に配置され、所定のモータプレート53にネジ106により固定されている。
バックライト装置100L,100M,100Rは、図6および図7に示すように、各リール42L,42M,42Rと1対1に対応させて取り付けられており、左バックライト装置100L、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rから構成される。各バックライト装置100L,100M,100Rは、リールユニット41内において、前述したように、各リール42L,42M,42Rに対応させて配置されたモータプレート53の側面の表示パネル側に取り付けられている。そして、各バックライト装置100L,100M,100Rは、上下方向にみて同じ位置に配置されている。
図9は左バックライト装置100Lの正面図である。なお各バックライト装置100L,100M,100Rがいずれも同一構造であるため、左バックライト装置100Lを代表として描いている。
図9に示すように、左バックライト装置100Lは、前方側が開放された箱形状であって上下方向の長さ及び左右方向の長さが表示窓31L(図1)とほぼ同じ長さであるベース101Lを備えている。ベース101Lは、その開口領域を区切る隔壁が等間隔に上下に2個形成されていることにより、第1開口領域102L、第2開口領域103L及び第3開口領域104Lが上・中・下段に並ぶ構成となっている。そして、前面扉12を閉じた状態においては、各開口領域102L,103L,104Lはそれぞれ表示窓31Lの上・中・下段に対応した位置の後方に位置することとなる。具体的には、第1開口領域102Lは表示窓31Lの上段付近の後方に位置し、第2開口領域103Lは表示窓31Lの中段付近の後方に位置し、第3開口領域104Lは表示窓31Lの下段付近の後方に位置する。また、第1開口領域102Lの開口前面は若干上方を向いており、第3開口領域104Lの開口前面は若干下方をむいている。従って、ベース101Lの側面は表示パネル30側に向けて膨らんだ円弧状となっている。
これら各開口領域102L,103L,104Lには、LEDからなる4個ずつのバックライト105が前方に向けて起立するように配設されている。そして、各開口領域102L,103L,104Lにおけるバックライト105は、所定間隔を隔てて上下2列に分けて2個ずつ配置されており、各列のバックライト105は所定間隔を隔てて水平となるように並んでいる。即ち、左バックライト装置100Lには、第1開口領域102Lの上の列である第1ラインL1及び下の列である第2ラインL2並びに第2開口領域103Lの上の列である第3ラインL3及び下の列である第4ラインL4並びに第3開口領域104Lの上の列である第5ラインL5及び下の列である第6ラインL6というように、隔壁を挟んで上下方向に合計6列のバックライト105のラインが存在することとなる。そして、中バックライト装置100M及び右バックライト装置100Rにも合計6列のバックライト105のラインが存在しており、上述したように、各バックライト装置100L,100M,100Rは、上下方向にみて同じ位置に配置されているので、各バックライト装置100L,100M,100Rの各ラインL1〜L6は、それぞれ同一ライン上に位置することなる。即ち、ラインL1は、各バックライト装置100L,100M,100Rの第1開口領域102L,102M,102Rの上の列に配設された合計6個のバックライト105を水平に結んだラインということになる。他の各ラインL2〜L6についても同様である。また、各バックライト105は、各ラインL1〜L6ごとに制御される。従って、各ラインL1〜L6ごとにバックライト105の点灯及び消灯が行われる。
各ラインL1〜L6上のバックライト105が点灯することにより、各リール42L,42M,42Rのリールテープのそれぞれ異なる位置が後方から赤色に照らされることとなる。なお、上述したように、各ベース101L,101M,101Rが隔壁により3つの開口領域102〜104に区分されている。従って、第1ラインL1及び第2ラインL2上のバックライト105が点灯した場合には、表示窓31L,31M,31Rの上段に対応した位置付近のリールテープの内側面のみが照らされ、表示窓31L,31M,31Rの中段及び下段に対応した位置付近のリールテープの内側面は照らされない。これは他のラインL3〜L6上のバックライト105が点灯した場合も同様である。上述したように、リールテープは照射された光をある程度透過することができる材質の材料により形成されているので、バックライト105によってリールテープが後方から照らされると、リールテープを透過した光が表示窓31L,31M,31Rを介して遊技者に視認される。これにより、遊技者に当該光が照射されている部分のリールテープの外側面が、赤くなっていることを視認させることができ、リールテープの光が照射されている部分に付されている絵柄を他の部分に付されている絵柄よりも強調することができる。例えば、ラインL1及びラインL2上のバックライト105が点灯することにより、表示窓31L,31M,31Rの上段に対応した位置付近のリールテープが赤くなり、表示窓31L,31M,31Rの上段に対応した位置付近のリールテープに付されている絵柄を強調することができる。また、各リール42L,42M,42Rが回転しているときは、点灯しているバックライト105の前方を通過するリールテープに付された絵柄が強調されることとなる。なお、各バックライト装置100L,100M,100Rのバックライト105は、後述する同期変動が行われる際に所定のパターンで点灯され、同期変動が行われない際は基本的に消灯している。この同期変動が行われていない間の各リール42L,42M,42Rのリールテープに付された絵柄を照らす光源として、図示しないフロントライトが前面扉12の背面側であって表示窓31L,31M,31Rの上方に配設されている。また各バックライト装置100L,100M,100Rのバックライト105の代わりに、たとえば液晶装置を光源として用いることによって、リールテープに付されている絵柄を後ろ側から照らしてこれを強調してやることもできる。
表示パネル30には、図1に示すように、各表示窓31L,31M,31Rを結ぶようにして、横方向へ平行に3本、斜め方向へたすき掛けに2本、計5本の組合せラインが付されている。勿論、最大組合せライン数を6以上としてもよく、5未満としてもよく、所定条件に応じて最大組合せライン数を変更するようにしてもよい。これら各組合せラインに対応して、表示窓31L,31M,31R群の正面から見て左側には有効ライン表示部32,33,34が設けられている。第1有効ライン表示部32は組合せラインのうち中央の横ライン(中央ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第2有効ライン表示部33は組合せラインのうち上下の横ライン(上ライン及び下ライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。第3有効ライン表示部34は組合せラインのうち一対の斜めライン(右下がりライン及び右上がりライン)が有効化された場合に点灯等によって表示報知される。そして、有効化された組合せライン、すなわち有効ライン上に絵柄が所定の組合せで停止した場合に入賞となり、予め定められたメダル払出処理や特定遊技への移行処理などが実行される。
次に、各リール42L,42M,42Rに付される絵柄について説明する。
図10には、左リール42L,中リール42M,右リール42Rのそれぞれに巻かれるリールテープに描かれた絵柄配列が示されている。同図に示すように、各リール42L,42M,42Rにはそれぞれ21個の絵柄が一列に設けられている。各リール42L,42M,42Rに対応して番号が1〜21まで付されているが、これは説明の便宜上付したものであり、リール42L,42M,42Rに実際に付されているわけではない。但し、以下の説明では当該番号を使用して説明する。
絵柄としては、ビッグボーナスゲームに移行するための第1特別絵柄としての「7」絵柄(例えば、左リールテープ第20番目)と「青年」絵柄(例えば、左リールテープ19番目)とがある。また、レギュラーボーナスゲームに移行するための第2特別絵柄としての「BAR」絵柄(例えば、左リールテープ第14番目)がある。また、リプレイゲームに移行するための第3特別絵柄としての「リプレイ」絵柄(例えば、左リールテープ第11番目)がある。また、小役の払出が行われる小役絵柄としての「スイカ」絵柄(例えば、左リールテープ第9番目)、「ベル」絵柄(例えば、左リールテープ第8番目)、「チェリー」絵柄(例えば、左リールテープ第4番目)がある。そして、各リール42L,42M,42Rに巻かれるリールテープにおいて、各種絵柄の数や配置順序は全く異なっている。
ここで、入賞となった場合の各絵柄に関する払出枚数について説明する。小役絵柄に関し、「スイカ」絵柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、「ベル」絵柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合には8枚のメダル払出、左リール42Lの「チェリー」絵柄が有効ライン上に停止した場合には2枚のメダル払出が行われる。即ち、中リール42M及び右リール42Rの「チェリー」絵柄はメダル払出と無関係である。また、「チェリー」絵柄に限っては、他の絵柄との組合せとは無関係にメダル払出が行われるため、左リール42Lの複数の有効ラインが重なる位置(具体的には上段又は下段)に「チェリー」絵柄が停止した場合には、その重なった有効ラインの数を乗算した分だけのメダル払出が行われることとなり、結果として本実施の形態では4枚のメダル払出が行われる。
また、その他の絵柄に関しては、第1特別絵柄(ビッグボーナス絵柄)の組合せである「7」絵柄又は「青年」絵柄が同一絵柄にて有効ライン上に左・中・右と揃った場合には15枚のメダル払出、第2特別絵柄(レギュラーボーナス絵柄)の組合せである「BAR」絵柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にも15枚のメダル払出が行われる。なお、本実施形態においては、例えば「7」絵柄と「チェリー」絵柄とが同時に成立する場合が生じ得るが、かかる場合におけるメダル払出は15枚である。これは、1回のメダル払出における上限枚数が15枚に設定されているためである。
更に、第3特別絵柄の組合せである「リプレイ」絵柄が有効ライン上に左・中・右と揃った場合にはメダル払出は行われない。その他の場合、即ち有効ライン上に左リール42Lの「チェリー」絵柄が停止せず、また有効ライン上に左・中・右と同一絵柄が揃わない場合には、一切メダル払出は行われない。
表示パネル30の下方左側には、図1に示すように、各リール42L,42M,42Rを一斉(同時である必要はない)に回転開始させるために操作されるスタートレバー71が設けられている。スタートレバー71はリール42L,42M,42Rを回転開始、すなわち可変表示を開始させるべく操作される開始操作手段又は始動操作手段を構成する。スタートレバー71は、遊技者がゲームを開始するときに手で押し操作するレバーであり、手が離れたあと元の位置に自動復帰する。メダルが投入されているときにこのスタートレバー71が操作されると、各リール42L,42M,42Rが一斉に回転を始める。
スタートレバー71の右側には、回転している各リール42L,42M,42Rを個別に停止させるために操作されるボタン状のストップスイッチ72,73,74が設けられている。各ストップスイッチ72,73,74は停止対象となるリール42L,42M,42Rに対応する表示窓31L,31M,31Rの直下にそれぞれ配置されている。ストップスイッチ72,73,74はリール42L,42M,42Rの回転に基づく可変表示を停止させるべく操作される停止操作手段を構成する。各ストップスイッチ72,73,74は、各リール42L,42M,42Rが定速回転となると停止させることが可能な状
態となり、かかる状態中には図示しないランプが点灯表示されることによって停止操作が可能であることが報知され、回転が停止すると消灯されるようになっている。
表示窓31L,31M,31Rの下方右側には、投資価値としてのメダルを投入するためのメダル投入口75が設けられている。メダル投入口75は投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴う点に着目すれば、投資価値を直接入力する直接入力手段を構成するものともいえる。
メダル投入口75から投入されたメダルは、図3及び図4に示すように、前面扉12の背面に設けられたセレクタ83によって貯留用通路81か排出用通路82のいずれかへ導かれる。セレクタ83には、後述するメダル通路切替部材84が設けられ、そのメダル通路切替部材84の状態に応じてメダルの通過方向が排出用通路82側か、貯留用通路81側かで切り替えられるようになっている。貯留用通路81に導かれたメダルは、筐体11の内部に収納されたホッパ装置91へと導かれる。一方、排出用通路82に導かれたメダルは、前面扉12の前面下部に設けられたメダル排出口17からメダル受け皿18へと導かれ、遊技者に返却される。
図11は、セレクタ83の内部構造を示す図である。なお、図中の2点鎖線は、理解を容易なものとするためにメダルの通過経路を示したものである。セレクタ83には、メダル投入口75から投入されたメダルを貯留用通路81へ導くための案内通路85が形成されている。案内通路85は、メダルが1列で通行可能なようにして、図の上端部から右下部にかけて弧を描くような曲線状に形成されている。より詳しくは、セレクタ83を構成するセレクタボディには、図の手前側に突出する突条85aが設けられており、その突条85aに沿って案内通路85が形成されている。これにより、案内通路85に到達したメダルは、突条85a上を転がるようにして下流方向へ流れることとなる。
メダル通路切替部材84は、案内通路85の上流部に設けられ該案内通路85に対して出没可能な通路切替片84aと、この通路切替片84aを動作させるためのソレノイド(図示略)とを有している。ソレノイドの非励磁時には案内通路85内に通路切替片84aが突出し、貯留用通路81へのメダルの流れが阻害される。これにより、メダルは前記突条85aを乗り越えるようにして下方に落下し、排出用通路82に導かれる。また、ソレノイドの励磁時には案内通路85外に通路切替片84aが没する。これにより、メダルは案内通路85に沿って流れ、貯留用通路81に導かれる。
通路切替片84aの下流側には、メダルの通過を検出する第1投入メダル検出センサ86と、第2投入メダル検出センサ87とが案内通路85の上流下流に並ぶようにして近接配置されている(少なくとも1時期において同一メダルを同時に検出する状態が生じる程度の近接状態とする)。メダル通路切替部材84のソレノイド非励磁時には、メダルは案内通路84の途中から下方に落下するため、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が検出されることがない。一方、メダル通路切替部材84のソレノイド励磁時には、各投入メダル検出センサ86,87によりメダルの通過が順次検出される。
メダルを遊技者に付与する払出手段としてのホッパ装置91は、図3及び図5に示すように、メダルを貯留する貯留タンク92と、メダルを遊技者に払い出す払出装置93とより構成されている。払出装置93は、図示しないメダル払出用回転板を回転させることにより、排出用通路82の中央右部に設けられた開口94へメダルを排出し、排出用通路82を介してメダル受け皿18へメダルを払い出すようになっている。また、ホッパ装置91の右方には、貯留タンク92内に所定量以上のメダルが貯留されることを回避するための予備タンク95が設けられている。ホッパ装置91の貯留タンク92内部には、この貯
留タンク92から予備タンク95へとメダルを排出する誘導プレート96が設けられている。したがって、誘導プレート96が設けられた高さ以上にメダルが貯留された場合、かかるメダルが予備タンク95に貯留されることとなる。
メダル投入口75の下方には、ボタン状の返却スイッチ76が設けられている(図1参照)。返却スイッチ76は、メダル投入口75に投入されたメダルがセレクタ83内に詰まった際に押されるスイッチであり、このスイッチが押されることによりセレクタ83が機械的に連動して動作され、当該セレクタ83内に詰まったメダルがメダル排出口17より返却されるようになっている。
図3および図5に示した筐体11の内部においてホッパ装置91の左方には、電源ボックス121が設けられている。電源ボックス121は、電源スイッチ122やリセットスイッチ123や設定キー挿入孔124などを備えている。電源スイッチ122は、主制御装置131を始めとする各部に電源を供給するための起動スイッチである。
リセットスイッチ123は、スロットマシン10の各種状態をリセットするためのスイッチである。本スロットマシン10は各種データのバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰できるようになっている。従って、例えば遊技ホールの営業が終了する場合のように通常手順で電源を遮断すると遮断前の状態が記憶保持されるが、リセットスイッチ123を押しながら電源スイッチ122をオンすると、バックアップデータがリセットされるようになっている。また、電源スイッチ122がオンされている状態でリセットスイッチ123を押した場合には、エラー状態がリセットされる。
設定キー挿入孔124は、ホール管理者などがメダルの出玉調整を行うためのものである。すなわち、ホール管理者等が設定キーを設定キー挿入孔124へ挿入して操作することにより、スロットマシン10の設定状態(当選確率設定処理)を「設定1」から「設定6」まで変更できるようになっている。
リールユニット41の上方には、図5に示すように、主制御装置131が筐体11の背板11cに取り付けられている。主制御装置131は、主たる制御を司るCPU、遊技プログラムを記憶したROM、遊技の進行に応じた必要なデータを一時的に記憶するRAM、各種機器との連絡をとるポート、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロック回路等を含む主基板を具備しており、主基板が透明樹脂材料等よりなる被包手段としての基板ボックスに収容されて構成されている。
図1に示すように、表示窓31L,31M,31Rの下方左側には、投資価値としてのクレジットされた仮想メダルを一度に3枚投入するためのボタン状の第1クレジット投入スイッチ77が設けられている。また、第1クレジット投入スイッチ77の左方には当該スイッチ77よりも小さなボタン状のスイッチとして、第2クレジット投入スイッチ78及び第3クレジット投入スイッチ79が設けられている。第2クレジット投入スイッチ78はクレジットされた仮想メダルを一度に2枚投入するためのものであり、第3クレジット投入スイッチ79は仮想メダルを1枚投入するためのものである。各クレジット投入スイッチ77〜79は前記メダル投入口75とともに投資価値を入力する入力手段を構成する。また、メダル投入口75が遊技者によりメダルを直接投入するという動作を伴うのに対し各クレジット投入スイッチ77〜79は貯留記憶に基づく仮想メダルの投入という動作を伴うに過ぎない点に着目すれば、投資価値を間接入力する間接入力手段を構成するものともいえる。
なお、第1クレジット投入スイッチ77は、1ゲームにつき投入できるメダル最大数(
3枚)に達していないことを促すため、図示しない発光部材としてのランプが内蔵されている。当該ランプは、第1クレジット投入スイッチ77のスイッチ操作が有効である状況時において点灯されて当該スイッチ77の操作を促すが、クレジットされた仮想メダルが存在しない場合や既に3枚のメダル投入がなされている状況下では消灯される。ここで、上記点灯に代えて、点滅させてメダル投入の促しを遊技者に一層分かり易くしてもよい。
スタートレバー71の左側には、ボタン状の切換スイッチ80が設けられている。切換スイッチ80は、1度押されるとオン状態になり、もう1度押されるとオフ状態になり、その後押下操作が行われるごとにオンオフが切り替わるトグル式に構成されている。切換スイッチ80は、メダル投入口75に必要量より多く投入された投入メダルや、所定の遊技の結果遊技者に返還される獲得メダルの取扱形式を変更するために操作される。
切換スイッチ80がオン状態のときには、所定の最大値(例えばメダル50枚分)となるまでの余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルがクレジットメダルとして貯留記憶されるように設定された「クレジットモード」となる。切換スイッチ80がオフ状態のときには、余剰の投入メダルや入賞時の獲得メダルを現実のメダルとして払い出すように設定された「ダイレクトモード」となる。なお、クレジットモードからダイレクトモードに切り換えられた際にクレジットメダルがある場合には、その分のクレジットメダルが現実のメダルとして払い出される。このように、遊技者はクレジットモードとダイレクトモードとを切り換えることにより自身の好みに応じた形式で遊技を実行することができる。かかる切換スイッチ80は投入価値及び遊技価値の取扱形式を切り換える切換操作手段を構成する。また、クレジットされた仮想メダルを現実のメダルとして払い出すという機能に着目すれば、切換スイッチ80は貯留記憶された遊技価値を実際に払い出すための精算操作手段を構成するものともいえる。なお、切換スイッチ80の操作により「クレジットモード」と「ダイレクトモード」とを切り換えるように構成する他、常に「クレジットモード」としておき切換スイッチ80が操作されると貯留記憶された仮想メダルを払い出すだけの精算スイッチとして機能させてもよい。
表示パネル30の表示窓31L,31M,31R下方には、クレジットモード時に有効化されて貯留記憶されたメダル数を表示する残数表示部35と、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等の特別遊技状態の際に例えば残りのゲーム数等を表示するゲーム数表示部36と、獲得メダルの枚数を表示する獲得枚数表示部37とがそれぞれ設けられている。これら表示部35〜37は7セグメント表示器によって構成されているが、液晶表示器等によって代替することは当然可能である。
ここで、メダルがベットされる手順について説明する。ダイレクトモード、クレジットモードのいずれのモードにおいても、遊技の開始時にメダル投入口75からメダルが投入されるとベットとなる。
すなわち、1枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、第1有効ライン表示部32が点灯し、そしてこれに対応する中央ラインが有効ラインとなり、2枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第2有効ライン表示部33が点灯すると共に、これに対応する上ライン及び下ラインを含む合計3本の組合せラインがそれぞれ有効ラインとなり、3枚目のメダルがメダル投入口75に投入されると、更に第3有効ライン表示部34が点灯し、そしてこれに対応する一対の斜めラインを含む合計5本の組合せライン全てが有効ラインとなる。
また、4枚以上のメダルがメダル投入口75に投入されると、3枚を超える余剰メダルは、そのときのモードがダイレクトモードであればセレクタ83により排出用通路82への切替がなされてメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。一方、クレジッ
トモードであればスロットマシン内部に貯蓄されると共に残数表示部35に貯蓄枚数が表示される。この貯留枚数には上限枚数が決められており(例えば50枚)、それを越える枚数のメダルが投入されたときにはメダル排出口17からメダル受け皿18へ返却される。
また、クレジットモードにて遊技が行われ且つ残数表示部35に貯留枚数が表示されている場合には、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際にも仮想メダルが投入されたこととなりベットとなる。
第3クレジット投入スイッチ79が押された際には、仮想メダルが1枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が1つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32が点灯して中央ラインが有効ラインとなる。第2クレジット投入スイッチ78が押された際には、仮想メダルが2枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が2つディクリメントされ、第1有効ライン表示部32および第2有効ライン表示部33が点灯して合計3本の組合せラインが有効ラインとなる。第1クレジット投入スイッチ77が押された際には、仮想メダルが3枚投入されたこととして残数表示部35に表示されている数値が3つディクリメントされ、全ての有効ライン表示部32〜34が点灯して合計5本の組合せラインが有効ラインとなる。
なお、第1〜第3クレジット投入スイッチ77〜79のいずれかが押された際に投入されるべき仮想メダルが貯留されていない場合、例えば残数表示部35の表示が2のときに第1クレジット投入スイッチ77が押された場合等には、残数表示部35の数値が全てディクリメントされて0となり、投入可能な仮想メダル分だけベットされる。
前面扉12の上部には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり、遊技者に遊技状態を報知したりする左右一対のスピーカ14と、遊技者に各種情報を与える補助表示部15とが設けられている。補助表示部15は、本実施形態では表示内容の多様化及び表示演出の重厚化を意図して液晶表示器によって構成されているが、ドットマトリックス表示器等の他の表示器を使用してもよい。補助表示部15は、遊技の進行に伴って各種表示演出を実行するためのものであり、各リール42L,42M,42Rによる遊技を主表示部によるものと考えることができることから、本実施形態では補助表示部15と称している。補助表示部15の背面には上部ランプ13やスピーカ14、補助表示部15を駆動させるための表示制御装置111が設けられている。なお、上部ランプ13及びスピーカ14の位置や数は特に以上説明したものに限られない。
メダル受け皿18の上方には、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16が装着されている。また、メダル受け皿18の左方には、手前側下方に反転可能な灰皿19が設けられている。
以上に説明したスロットマシンはいわゆる1枚賭の機種であるが、スロットマシンにはその他にも図12に正面図で示した機種のようないわゆる3枚賭専用のものもある。このスロットマシンでは上記した組合せラインは付されているものの、図1のスロットマシンのように有効ライン表示部は設けられていない。そしてその代わりにこの部分(表示窓31Lの左側)には、その上半分のスペースにキャラクタなどの絵柄52aが描かれ、下半分のスペースには「左」「中」「右」の文字が書かれた3つの表示領域である指示表示部51L,51M,51Rが設けられている。この指示表示部51L,51M,51Rは遊技者に対して当選した役を揃えるための指示を与えるための表示であり、ストップスイッチ72,73,74の押し順をガイドすべく所定の順番で明るく表示されるようになっている。また表示窓31Rの右側の領域には遊技者の興趣を向上させるための絵柄52bが
描かれており、この絵柄も遊技中所定のタイミングで明るく表示されるようになっている。なおこのスロットマシン10は3枚賭専用の機種であるため、図1等に示した第2クレジット投入スイッチ78や第3クレジット投入スイッチ79は設けられておらず、第1クレジット投入スイッチ77のみが設けられている。
そして、実際のメダル3枚が投入されるかクレジットされた仮想メダルが3枚分投入されて初めて、スタートレバー71の操作により各リール42L,42M,42Rが回転を開始するようになっている。ここで3枚賭専用の機種であっても当然、通常のスロットマシンでメダルを3枚投入した時と同様に、中央ライン、上ライン、下ライン、一対の斜めラインの合計5本の組合せラインの全てが有効ラインとなっている。それ以外の点については通常のスロットマシンと3枚賭専用スロットマシンとで特に大きく異なる点はない。
なお上述のように3枚賭専用のスロットマシンでは、第2クレジット投入スイッチや第3クレジット投入スイッチがその外装には設けられていないが、その内部構造としては各スイッチに対応可能となっているため、必要に応じて操作パネル59の交換や一部改変などによりスイッチを設けてやることができるようになっている。
本発明は、図1や図12で説明したような基本構造のスロットマシン(遊技機)10のパネルユニット(裏面側部材)にその特徴がある。すなわち本発明は、パネルユニット201に形成されたランプハウジング205(囲い部)を必要に応じて複数の区画Sに分割したり複数の区画を連結したりすることで、表示パネルの絵柄の変更などに柔軟に対応して表示パネル30の照明範囲を画定する仕切りである可動壁200に工夫をしたものであり、可動壁が遮光状態にある場合、すなわち隣接する区画が分離された状態にある場合に、光源の指向性に起因して各区画前面の表示パネル中央部が明るく隣接する区画との境界付近が暗くなることを回避して区画境界付近の表示パネルをより明るくしてやるか、同一区画内の表示パネルに明暗の差が生じることをできるだけ回避して明るさの均一化を図り、例えば隣接する区画の一方を点灯させ他方を消灯させた場合には、遊技者がはっきりと隣接する区画の境界を認識することができるようにしたことをその技術的特長としている。
具体的には例えば図1に示した通常のスロットマシンと図12に示した3枚賭専用のスロットマシンのように、表示パネル30に異なる絵柄が描かれ、パネルユニット201のランプハウジング205の分割箇所が異なる場合に、これに対応すべくランプハウジングを必要に応じて仕切る可動壁200を設けることで、区画を可動壁によって容易に分割・連結することができ、表示パネルを交換する際にも絵柄のデザインへの制約を排除し、様々な絵柄の表示パネルにパネルユニットを再利用することができるようになる。(なお図1で示したスロットマシンではパネルユニットの右側のランプハウジングの下2段の区画は使用されていない。)
またこの可動壁の壁面先端側部分を高反射率面とすることで、区画を可動壁によって分割した際には、壁面先端側部分で反射した光源からの光は主として区画境界付近の表示パネルを照らしてこの部分の明るさを補うため、直接光によって明るく照らされる区画中央付近の表示パネルとの明るさの差を低減させるか、区画境界付近の表示パネルをより明るくしてやることができ、隣り合う区画の一方を点灯し他方を消灯した場合には区画境界をはっきりと認識させることができるようになる。
なお可動壁を透光位置にして区画を繋げた場合には、各光源からの光は隣接する区画の表示パネルまで到達して相互にこれを照らすこととなるため、繋げられた区画前面周縁を除く表示パネルに部分的な明暗の差はほとんどなくほぼ均一な明るさとなる。
以下、本願発明の特徴的部分であるパネルユニットの構造について詳細に説明する。
図13にパネルユニットおよび表示パネルの分解斜視図、図14にパネルユニットの表面(a)および裏面(b)の斜視図、図15にパネルユニットのランプハウジング部分の斜視図、図16および図17にパネルユニットのランプハウジング部分の正面図(a),A−A断面図(b), B−B断面図(c)を示した。なお図15において、(a)は各
区画が壁面により仕切られて画定された状態を、(b)は全区画がつなげられた状態を表しており、図16は各区画が壁面により仕切られて画定された状態を、図17は全区画がつなげられた状態を表している。
図13に示したように、本発明の特長であるパネルユニット201は、その中央部が開口するほぼ矩形枠形をしており、表示パネル30の裏面側に固定されることで、表示パネル30の各表示窓31L,31M,31Rからリール42L,42M,42Rの絵柄を視認することができるようになっている。
このパネルユニット201はその四方が壁で囲まれており、その中央部が表示パネルの表示窓31L,31M,31Rに対応するように開口するほぼ矩形枠形の外形をした樹脂製の枠体203と、この枠体203の左右両辺にその裏面側から固定された2つの縦長矩形の表示パネル用基盤220L,220Rと、枠体203の下辺にその裏面側から固定された横長矩形の表示パネル用基盤220Mから構成されている。
枠体203の左右両辺側はそれぞれ前後面が開放された中空構造を有する縦長矩形のランプハウジング(大)205となっており、このランプハウジング205は可動壁200によって仕切られることで同じ大きさで縦に一列に並ぶ5つの区画Sに画定されている。また枠体203の下辺側には7セグメントなどのデジタル表示器を露出させるための小窓207が3つ開口して形成されている。
表示パネル用基盤220上には光源となるLEDやデジタル表示器などが配されており、枠体203と表示パネル用基盤220とを組み合わせてパネルユニット201を構成すると、枠体203の裏面側に固定した表示パネル用基盤220上の(LED)光源107が各区画Sの底部のほぼ中心に3つ並んで位置するようになっている。すなわち枠体203の各区画Sも光源用のハウジング(小)となるものであり、それぞれが可動壁200によって仕切られて画定された状態では、一の区画S内の光源107によって照らされる表示パネルの絵柄の明暗が、隣接する他の区画S内の光源の明暗によって影響を受けないようになっている。
すなわち、パネルユニット201の左右両辺にそれぞれ形成された5つの区画Sのうち、最上段および最下段の区画を除く3区画は、それぞれの区画Sを画定する四方の壁面のうち左右の壁面が、枠体203の一部として一体成型されている。また各区画Sの上下の壁面は壁面の高さを変更することができる可動壁200となっている。
この可動壁200は、左右の壁面の半分程度の高さに枠体203の一部として一体成型された基部200aと、この基部200aの上部(前部)に取り付けられる一対の板状体200bとから構成されており、この一対の板状体200bが基部200aにつながって伸張するように倒立することで全体として矩形の壁面が形成され、この上下の壁面と左右の壁面によって各区画Sが画定されることになる(このときの可動壁200の態様を「遮光位置」という)。
この板状体200bは基部200aの先端に軸着されて回動することで倒立・転倒する、すなわち表示パネル側に起立し・表示パネルから離隔する方向に倒れる矩形板である。一対の板状体200bは、倒立時(遮光位置時)には合わさるように平行することで、基部200aを延長するような壁面を形成してその先端部が表示パネル30裏面と接し区画
Sを画定する一方、転倒時には先端部が離隔するように開いて、すなわち一対の板状体200bが基端部を軸に回動して倒立状態からそれぞれ反対側に55°程度弧を描いて開き、表示パネル裏面から先端部が離隔することで隣接する区画Sの一部を連通させ、各区画Sは光源107に向けて縮径する空間を形成するようになっている(このときの可動壁200の態様を「透光位置」という)。
このように板状体200bが倒立時には左右の壁面と同様の高さの壁面が形成される一方、転倒時(透光位置時)には各板状体200bの先端が光源近傍にその先端が位置するように開くことで光源に向かって傾く斜面が形成されると同時に隣接する二区画Sがつなげられる。
なお図面には省略したが、板状体200bの左右の側端には微小な凸部が突起して形成されており、これが左右の壁面の形成した凹部に嵌ることで、それぞれの板状体200bは倒立時や転倒時にその状態を保持することができるようになっている。そして板状体200bはある程度の柔軟性を有しているため、凹部および凸部の係合を容易に解除して板状体200bの遮光位置と透光位置とを切り替えてやることができる。
パネルユニット201の左右両辺にそれぞれ形成された5つの区画Sのうちの最上段および最下段の区画Sは、その左右の壁面および他の区画Sと隣接する可動壁200は上記と変わるところはないが、他の区画Sと隣接しない最端の一壁面は、可動壁200が形成する斜面と対向する斜面をなして枠体203の一部として一体成型されている。すなわち最上段および最下段の区画Sは、三方の壁面が枠体203の一部として一体成型され、残りの壁面が可動壁200となっており、この可動壁200の板状体200bが倒立することで区画Sが画定され、転倒することで隣接する二区画Sがつなげられる。
パネルユニット201の前面に取り付けられる表示パネル30の絵柄はこの区画Sに対応して描かれており、各区画Sの底面に設けられた光源107からの光に裏面側から照らされて明るく表示されることで、遊技者に対して当選した役を揃えるための指示を与えたり遊技者の興趣を向上させる演出をすることができるようになっている。
そして表示パネル30を交換してその絵柄も変更する場合には可動壁200の遮光位置と透光位置との変更により、例えばランプハウジング205を5つの区画に分割して使用、2つの区画をつなげて使用、5つの区画を全てつなげて使用など、必要に応じて容易に区画をつなげたり分割したりすることができる。なお、可動壁200は着脱式ではないため、可動壁を構成する板状体200bを紛失する虞もない。また板状体200bが着脱式であったとしても遮光位置または透光位置でこれをパネルユニットに保持可能であるため、その紛失を少なくすることができる。
ここで可動壁200を構成する一対の板状体200bが合わさるよう倒立している(遮光位置にある)状態で、この板状体の外周面すなわち可動壁200の外周面の先端側部分が約1cm程度(可動壁の高さの1/3程度)の範囲で鏡面加工されて高反射率面となっている。
このように遮光位置にある可動壁の先端側部分のみを高反射率面としてやることで、光源からの光はこの部分で効率的に反射して区画境界付近の表示パネルを照らすこととなるため、可動壁が遮光位置であるときに光源の指向性に起因して直接光のみでは暗くなりがちな区画境界付近の明るさをその反射光で補って、区画境界付近の表示パネルをより明るくしてやるか、区画前面の表示パネルの明るさをほぼ均一にしてやることができる。
なお壁面先端側部分が「高反射率」であるとは、壁面先端側部分が壁面の付け根側の少なくとも一部分と比べて高反射率であることを意味し、従来のパネルユニットの壁面と比べて高反射率な60〜100%程度としてやることが好ましいが、勿論この範囲に限定されるものではない。換言すれば、壁面先端側部分に高反射率部が、壁面の付け根側部分に低反射率部が、適切な範囲で形成されていればよい。
そして区画の大きさや深さによっては、可動壁を構成する基部200aと板状体200bのうち、板状体全体を高反射率面としてやってもよいし、板状体の先端側の一部分のみを高反射率面としてやってもよい。または板状体全体および基部の先端側の一部分のみを高反射率面としてやってもよい。
また鏡面加工とは、例えば可動壁が樹脂製である場合にはクロムメッキなどを樹脂メッキすることで光沢を付与することを、可動壁が金属製である場合には表面をポリッシュ処理するかメッキ処理することで光沢を付与することをいう。
または倒立した板状体200bの外周面すなわち可動壁200の外周面が、その先端から付け根に向かうに従ってその反射率が漸減するように、先端側を鏡面加工することで高反射率面として反射率をほぼ100%とする一方、壁面の付け根側の反射率を30%程度に抑えるようにしてやってもよい。このように可動壁の先端ほど高反射率となるようにすることで、区画前面の表示パネルの明るさにできるだけ急激な変化ができないようにしてやることができる。
さらに可動壁200が透光位置にある場合、すなわち一対の板状体200bが光源近傍にその先端が位置するように転倒することで斜面を形成して隣接する区画をつなげた場合に、その斜面上面となる板状体の面は鏡面加工されて高反射率面となっている。
斜面上面を高反射率面としてやることで、可動壁200が透光位置にある場合には各光源からの光を繋げた区画前面の表示パネル側に効率的に反射させることができるため、表示パネルをより明るく照らすことができる一方、可動壁が遮光位置にあるときにはこの斜面は向かい合わせになって閉じられるため光の反射には何ら関与しないようにすることができる。
なおここでいう「高反射率面」とは、上記可動壁の壁面先端部分と同様にメッキ処理やポリッシュ処理することで光沢を付与した面を意味し、その裏面側の可動壁の壁面先端部分と同等かそれ以上の反射率であることが好ましい。これは可動壁が遮光位置にある場合には、光源の指向性に起因して暗くなりがちな区画境界付近の表示パネルの明るさを壁面先端部分での反射光によって適当な明るさだけ補ってやるのに対し、可動壁が透光位置にある場合には、斜面で効率的に光源からの光を反射させれば、表示パネルの明るさを全体的に底上げしてやることができるためである。
図18に可動壁が遮光位置にある場合に、LED光源107(1つであってもよいし複数個が並んで配置されていてもよい)からの直接光および可動壁200によって反射した反射光が表示パネルを照らす様子を、パネルユニット201のランプハウジング部分の縦断面図(図17(b)を横向きにしたものに相当)上に破線矢印で表した。
この図に示したように、一の区画を画定Sする可動壁200が遮光位置にある場合に、可動壁の壁面の付け根側に当たった光はほとんど反射しない一方、可動壁の壁面の先端側部分に当たった光は反射して表示パネルの区画境界付近に到達する。すなわち表示パネルは各区画の正面部分はLED光源107からの直接光のみによって主に照らされるが、区画境界付近はLED光源からの直接光および可動壁の壁面の先端側部分に当たって反射した反射光によっても照らされる。そのため、光源の指向性に起因して直接光のみでは暗くなりがちな区画境界付近の明るさをその反射光で補って、区画前面の表示パネルの明るさをほぼ均一にすることができる。
なお可動壁の先端側部分のみを鏡面加工することで高反射率面とする一方、可動壁の付け根側をつや消し加工などして低反射率面としてやってもよいし、可動壁の壁面を先端から付け根に向かうに従ってその反射率が漸減するようにつや消しの度合いを強めてやるように表面加工してやってもよい。
ここで表示パネルがどのような明るさに照らされるかについて理論的に説明するため、
まず、図19に一般的なLED光源の指向特性を放射角度と相対光度との関係をグラフで表した。このグラフからも読み取れるようにLED光源の正面(放射角度0°)の時の光度を1.0とすると、放射角度±15°の時の光度は0.95程度、放射角度±30°の時の光度は0.9程度、放射角度±45°の時の光度は0.7程度、放射角度±60°の時の光度は0.5程度、放射角度±75°の時の光度は0.2程度、放射角度±90°の時の光度はほぼ0と、その放射角度の絶対値が大きくなるほど急激に暗くなることが分かる。
図20に可動壁を遮光位置として各区画を仕切って画定した場合、可動壁の壁面の反射率を部分的に異なるものとすることで、このLED光源からの直接光および可動壁で反射した反射光がどのように反射して表示パネルを照らし、表示パネルがどれくらいの明るさに照らされるかについて示した。ここで図20(a)は各LED光源107からの光が届く範囲や光の進行の軌跡を、パネルユニット201のランプハウジング部分の縦断面図(図17(b)を横向きにしたものに相当)上に矢印で表したものであり、図20(b)は表示パネルの明るさを模式的に表したものである。また図20の実細線は各LED光源からの直接光の相対光度を、破線は壁面で反射した反射光の相対光度を、実太線は直接光および反射光(合成波)によって照らされた表示パネルの明るさを相対的に表したものである。図20(b)の実太線部分からも明らかなように区画境界付近のパネルの明るさが反射光によって補われることが分かる(図の場合では区画境界付近が一番明るくなっている)。
ここで図20(b)では可動壁200からの反射光がなくなる表示パネル部分に明るさ(合成光)の急な落ち込みが見て取れるが、実際には光の拡散などによって明るさの変化が緩和されるため、表示パネルの各区画は、それぞれほぼ均一な明るさに照らされることになる。
また可動壁の壁面を先端から付け根に向かうに従ってその反射率が漸減するようにしてやれば、図20(b)に表れる合成光の明るさの急激な落ち込みそのものをなくすことができる。具体的には、図20と同様の形式で実細線、破線、実太線を用いてLED光源からの直接光、反射光、直接光および反射光の合成光の明るさを相対的に表した図21からも明らかなように、この場合には理論上からも合成光の明るさに急激な変化がなく、同一区画内の表示パネルはほぼ均一な明るさに照らされていることが分かる。
なお可動壁200が遮光位置にあり隣接する区画の一方の区画Sの光源107が点灯し他方の区画の光源が消灯している場合には、点灯した区画の境界付近の明さが補われていることで、遊技者ははっきりと隣接する区画の境界を認識することができる。
また図22に可動壁が透光位置にある場合に、LED光源107からの光が表示パネルを照らす様子を破線矢印で表した。
可動壁を透光位置として全区画を繋げた場合、すなわち可動壁200を構成する基部200aの先端に軸着された一対の板状体200bが開くように転倒して隣接する区画Sの一部を連通した場合には、各区画の底面中央に配置されたLED光源107(1つであってもよいし複数個が並んで配置されていてもよい)からの光はそれぞれの区画の前面部分の表示パネルを照らすだけでなく、その区画を超えて隣の区画の前面部分の表示パネルを照らすこととなる。
ここで可動壁の基部200aの高さを適正化してやることで、一の区画に隣接する上側の区画のLED光源からの光が一の区画の前面部分の表示パネルの上側半分を照らすように、一の区画に隣接する下側の区画のLED光源からの光が一の区画の前面部分の表示パネルの下側半分を照らすようにしてやることも好ましい。
図23に板状体200bを転倒させて透光位置となった状態で、パネルユニット201の各区画Sの底部中央に配置された各LED光源107からの光が一の区画の前面の表示
パネル30および一の区画に隣接する他の区画の前面の表示パネルをどのような明るさで照らすことになるかについて模式的に表した。図23(a)は図20と同様でその破線矢印は各LED光源107からの光が届く範囲や光の進行の軌跡を、図23(b)の破線は各LED光源からの光の相対光度を、図20(b)の実太線は各LED光源からの光(合成波)によって照らされた表示パネルの明るさを相対的に表したものである。図23(b)の実太線部分からも明らかなように最上段の区画および最下段の区画Sの前面以外の表示パネルはほぼ均一な明るさに照らされていることが分かる。そして実際には光の拡散や可動壁の斜面による若干の反射によってその明るさはより均一となる。
なおこの例では可動壁200である板状体200bは斜面の傾斜角が35°程度となるように転倒してその先端部がLED光源107の直近まで伸びているため、その斜面にはLED光源からの直接光がほとんど当たらないようになっている。ここでさらに板状体200bのこの面(斜面)を高反射率の面に加工しておいてやってもよい。斜面を高反射率面とすることで表示パネル30の明るさを向上させ、また乱反射により表示パネル30の明るさの均一化を図ることができる。
一方、上下に並んだ5つの区画Sのうち両端の区画、すなわち最上段および最下段の区画を形成する壁面のうち最も外側にある一壁面は可動壁ではなく固定壁300であり、この固定壁はその付け根がLED光源107から若干離れた位置にあって斜面の傾斜角が60°程度となっている。さらにこの固定壁300はその先端側の部分が高反射率面に加工されている。そのため固定壁300の斜面先端側ではLED光源107からの直接光が効率的に反射して表示パネル30の固定壁近傍の明るさを補い照らすようになっている。
最上段の区画および最下段の区画の前面の表示パネル30では、図23(b)の実太線から分かるように、可動壁200側の半分はその区画のLED光源107からの光および隣接する区画のLED光源からの光によって照らされるため上記と同様のほぼ均一な明るさになるものの、固定壁300側の半分には隣接する区画のLED光源からの光は届かないため、上記の明るさの半分程度の明るさとなっていることが読み取れる。しかし実際には固定壁300の斜面で効率的に反射した光がこの区画Sの表示パネル30の固定壁側の半分を主に照らし、また、光の拡散とも相まってここまで極端に明るさに差が生じないようになっている。すなわち固定壁300の斜面の付け根をLED光源107から若干離れた位置に配置し、また固定壁の斜面を急な傾斜とするとともに鏡面加工することで、両端の区画の底部に配置したLED光源からの光をその前面の表示パネル30側に効率的に反射させ、できるだけ表示パネル両端部の明るさが急激に暗くなることがないように工夫されている。
また図24および図25に同じく可動壁を透光位置として全区画を繋げた場合の他の例を示した。
この例でも可動壁200が遮光位置にある場合には、可動壁の壁面の先端側部分に当たった光を表示パネルの区画境界付近に反射させることで、直接光のみでは暗くなりがちな区画境界付近の明るさをその反射光で補って、区画境界付近の表示パネルをより明るくしてやるか、区画前面の表示パネルの明るさをほぼ均一にしてやることができることは上記の例と同様である。
一方、上記の例では可動壁200が透光位置にある場合の可動壁の高さを最適化し、表示パネル30の一の区画Sの前面部分全体を、その区画のLED光源107からの光が照らすとともに、隣接する両区画のLED光源からの光がそれぞれ半分ずつ照らすようにしたが、この例では可動壁が透光位置にある場合に、表示パネル(装飾体)の一の区画の前面部分全体を、一の区画に隣接する他の区画の光源からの光が、隙間なく、かつ、一の区画の前面部分を越えることなく照らすように可動壁を配置することで、繋げた区画の前面の表示パネルに部分的な明暗の差が生じないように工夫されている。すなわち、表示パネ
ル30の一の区画Sの前面部分全体を、その区画のLED光源107からの光が照らすとともに、隣接する他の区画(1つ又は2つ)のLED光源からの光も一の区画の前面部分全体をちょうどよい範囲で照らすようになっている。なおこの例のパネルユニット201は先の例のものと比して、その厚みが薄く各区画Sもその深さが浅くなっている。その他の点については、可動壁は上記の例と同様の構成となっている。
この場合、図25(b)の実太線部分からも明らかなように、最上段の区画Sおよび最下段の区画の前面の表示パネル30以外はほぼ均一な明るさに照らされていることが分かる。そして実際には光の拡散や可動壁200の斜面による若干の反射によってその明るさはより均一となる。一方、最上段の区画Sおよび最下段の区画の前面の表示パネル30は他の区画の前面の表示パネルよりも若干暗くなっていることが分かる。
上述したこれらの例では可動壁200が遮光位置にある場合には、区画境界付近のパネルの明るさを可動壁先端側部分で反射した反射光によって補うことで、表示パネルの各区画がそれぞれほぼ均一な明るさに照らされるようにする一方、可動壁が透光位置にある場合には可動壁の高さを最適化して光の照射範囲を規定することで、繋げた区画の前面の表示パネル(装飾体)に部分的な明暗の差が生じないようにすることができる。
なお、本発明の本実施形態の各構成は前述したものに限るものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することができるのは勿論である。例えば図13〜図17ではパネルユニット201の左右両辺にそれぞれ形成される区画Sを5つとしているが、もちろんこれに限定されるものではなく、複数の矩形の区画をつなげたり独立させたりして使用するものであれば、その区画の数や区画の形状は種々変更することができる。また実施例では、可動壁は横方向にのびて空間を仕切ることで縦に並んだ5つの区画Sを形成しているが、変形例として縦方向にのびて空間を仕切ることで横に並んだ複数の区画を形成するようにしてやることも可能である。さらにパネルユニットの上辺や下辺にランプハウジングを形成してここに可動壁を適用することや、パネルユニット以外の例えば可動する役物等に可動壁を応用してやることもできる。
また上記では可動壁200はその先端部の板状体200bが倒立・転倒することでその高さを変更可能としたが、可動壁200が遮光位置と透光位置とを選択可能に構成されたものであればどのような構造でもよく、例えば可動壁200の先端部の板状体200bが基部200a内に収納される構造とすることなども可能である。また板状体は透光位置と遮光位置との変更を一度取り外してからその位置を選択して再び取り付ける形態のものについても本発明を適用することができる。さらに上記実施例では板状体200bは2枚となっているが、1枚や3枚以上で構成してやってもよい。また光源はLEDに限られず電球や冷陰極管などすべての発光体を適用することができ、また他所に設けた光源からの光を光ファイバなどの手段を用いてパネルユニット内まで導光する構成とすることもできる。
また、上記実施の形態とは異なるタイプの遊技機、具体的には遊技媒体として遊技球を用いる弾球式の遊技機いわゆるパチンコ機等に本発明を適応してもよい。例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機として本発明を実施するようにしても良い。
さらに、弾球式でない遊技機、例えば、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機として本発明を実施するようにしても良い。
以下に、本発明の背景技術および本発明が解決しようとする課題についてあらためて確認のため記載する。
例えばリールユニットを備えている遊技機の一種として、円筒の外周に複数の絵柄が描かれている複数のリールをそれぞれ回転させるスロットマシンがある。
このスロットマシンでは、遊技者がメダルを投入して遊技開始時にスタートレバーを操作すると、リールユニットの左リール、中リール及び右リールが回転し始め、その後、適当なタイミングで左リール停止ボタン、中リール停止ボタン及び右リール停止ボタンを任意の順に押すことにより各リールを停止させる。そのときに各リールの絵柄の組み合わせに応じて、所定枚数のメダルを払い出したり遊技者にとって有利な遊技状態に移行したりする。
このようなスロットマシンの本体は、前面が開口する筐体とその前面開口に開閉自在に設けられる前面扉とから構成されており、その前面扉の前面には、スロットマシン内部のリールの絵柄を目視するためのリール表示窓が形成され、また例えば装飾模様等が描画された表示パネルなどの装飾体(以下、「装飾体」を「表示パネル」と表現することが多い。)が設けられている。
また表示パネルの裏面側にはランプ、7セグメント表示、LED、液晶表示等を行う各種表示装置が配置された裏面側部材(パネルユニット)が取り付けられており、これらの各種表示装置は、表示パネルの裏面側から表示パネルを照らし表示パネルを透過させた光を目視させることで、遊技者の遊技の興趣を向上させる演出を行ったりスロットマシンの内部情報を表示したりする。
これら各種表示装置のほとんどは、各々所定のプリント基板(表示パネル用基盤)上にLED(光源)等が一体的に取り付けられて形成されている。そして各種表示装置を配したプリント基板が枠体に固定されることで各種表示装置が表示パネルの裏面に配置されてパネルユニットが構成される。
ところでスロットマシン等では不人気機種の機種を新台に入れ替えるなど機種変更が行われることも多いが、スロットマシンそのものを交換すると多くの費用を要することとなるため、スロットマシンの表示パネルと内部プログラム等を交換することで機種変更が行われることも多くなってきている。
ここで交換する表示パネルの絵柄のデザインによっては、パネルユニットの複数の区画をつなげてひとつの区画として使用したい場合もある。そのため例えば特許文献1(特開2002−233606号公報)の「遊技台」や特許文献2(特開平6−254213号公報)の「スロットマシン」では、パネルユニットの左右両側を複数の区画に分割するための取り外し可能な複数の仕切り板が立設状態で取り付けられることで仕切られており、この仕切り板を取り外すことによって希望の大きさに区画をつなげて表示パネルの絵柄を裏面側から照らすことができるようになっている。
しかしながら従来の仕切り板はそれぞれがパネルユニット本体に形成されたレール状の溝に差し込まれることで区画を画定しており、区画をつなげる場合にはこれを引き抜き除去することで行われていたため、取り外した仕切り板を紛失したりすることなどがあった。
またLEDは光の指向性が高いため、仕切られた各区画の底部に設けられた1〜2個程度のLEDによって裏面側から照らされる表示パネルの絵柄に明暗が生じることがあり見栄えが悪いといった問題もあった。
一方、仕切り板を取り外して区画をつなげて使用する場合には、表示パネル上には複数の区画をまたいで一体的な絵柄が表される場合がほとんどであるが、各区画にそれぞれ設けられた光源からの光の指向特性によっては表示パネルに描かれた絵柄等に部分的な明暗
の差が生じることがあり、かかる明暗の差は遊技者の遊興性を損なう虞があった。
本発明はこれらの問題などを解決するために発案されたものであり、例えばランプハウジングとなる囲い部の区画の分割および連結を可能として表示パネルの絵柄の変更に柔軟に対応可能とするとともに、壁面の取り扱いを簡易化してその紛失をなくし、また、可動壁により区画を分割した際には区画の境界が暗くなることを抑制し、さらに好ましくは区画をつなげた際には光源からの直接光の偏りによる表示パネルの絵柄の明暗の差を低減することを可能とした遊技機を提供するものである。
最後に確認事項として上述した実施の形態から抽出される特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。
[遊技機1]
装飾が施された装飾体(表示パネル)と、該装飾体の裏面側に配置され前記装飾体の装飾を裏側から照らす光源が設けられた裏面側部材(パネルユニット)と、を備え、前記裏面側部材には壁面によって囲まれた囲い部(ランプハウジング)が形成されており、該囲い部にはそれぞれ光源が底部中央位置に配置されるように囲い部を仕切ることでこれを複数の区画に分割するための可動壁を設け、該可動壁を隣接する区画を遮光状態に分割する遮光位置と隣接する区画を透光状態につなげる透光位置とを選択可能となるよう構成し、かつ、可動壁の壁面先端側部分を高反射率面とした、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機によれば、パネルユニットの可動壁の遮光位置と透光位置とを切り替えることで、ランプハウジングを必要な大きさの区画に分割したり分割した区画をつなげたりすることができ、これにより例えば機種変更のために表示パネルと内部プログラムのみが交換され表示パネルの絵柄が変更された場合にも、絵柄のデザインによってランプハウジングの区画の分割・連結を容易に行ってこれに対応すること等ができる。また可動壁の壁面先端部分を高反射率面とすることで、ランプハウジングの区画を分割した際に、暗くなりがちな区画境界付近の明るさを補って、区画境界付近の表示パネルをより明るくしてやるか、区画前面の表示パネルの明るさをほぼ均一にしてやることができる。さらに可動壁が従来例のような着脱式ではなく、可動壁は透光位置にあるときにもパネルユニットと一体をなすようにできるため、可動壁を構成する板状体を紛失する虞もなくすことができる。
なお本発明は各区画の底部中央に光源を配置した場合に、光源の指向性に起因して表示パネルの区画中央と比べて区画境界付近の部分が若干暗くなり、区画境界の視認性の低下を回避することを主目的としている。そのため上記では遮光位置と透光位置とを選択可能な可動壁を構成要件としているものの、この主目的を達成するためだけであれば壁面は可動壁である必要はなく、単純に区画を画定する壁面の先端側部分を高反射率面としてやればよい。すなわちその場合には、装飾が施された装飾体(表示パネル)と、該装飾体の裏面側に配置され前記装飾体の装飾を裏側から照らす光源が設けられた裏面側部材(パネルユニット)と、を備え、前記裏面側部材には壁面によって囲まれた囲い部(ランプハウジング)が形成されており、該囲い部にそれぞれ光源が底部中央位置に配置されるように囲い部を仕切ることでこれを複数の区画に分割するための壁面を設け、区画を形成する各壁面の付け根側の少なくとも一部分と比べて、これよりも先端側の部分に、高反射率となる部位を備えてやるようにしてやればよい。
[遊技機2]
上記遊技機1において、前記可動壁の壁面を先端から付け根に向かうに従ってその反射率が漸減するようにした、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機によれば、照らされる一の区画の前面部分の明るさに急激な変化がでないようにすることができる。
[遊技機3]
上記遊技機1又は2において、前記可動壁の先端部は基端部を軸に回動することで倒立・転倒する一対の板状体からなり、該一対の板状体は倒立時には対向して区画を画定する壁面を形成し、転倒時には先端が開くように離隔することで隣接する区画の少なくとも一部を連通させる、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機によれば、可動壁をその先端部が回動して倒立・転倒する一対の板状体としてやることで、隣接する区画を容易につなげたり分割したりすることができ、また隣接する区画を対称形となるようにつなげたり分割したりすることも容易であるため、各区画をともに照明する場合に隣接する区画の明暗にできるだけ差が出ないようにすること等ができる。なお倒立・転倒する一対の板状体を採用しても、隣接する区画を非対称形とすることもできるのはもちろんである。
[遊技機4]
上記遊技機1乃至3のいずれかにおいて、前記一対の板状体は、前記光源近傍にその先端が位置するように転倒することで斜面を形成し、光源からの光を前記装飾体側に反射するよう該斜面を高反射率面とした、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機によれば、可動壁を透光位置とした場合に、板状体によって斜面を形成するとともにこの斜面で光源からの光を積極的に反射させて繋げた区画前面の装飾体を照らしてやることで、その明るさを向上させてやることができる。
以上のようにこれらの遊技機1〜4では、従来技術の特許文献の例で説明した遊技機のパネルユニットと同様に容易にランプハウジングを分割したり区画をつなげたりすることができることは勿論、区画を仕切った場合に暗くなりがちな区画境界付近の明るさを補って、区画境界付近の表示パネルをより明るくしてやるか、区画前面の装飾体(表示パネル)の明るさをほぼ均一に照らしてやることができる。また仕切り板ではなく可動壁によって区画を画定するため従来のように取り外した仕切り板を紛失してしまう虞がない。さらに可動壁の形態およびその可動方法を工夫してやることで、区画をつなげる際に動かした可動壁を反射板として機能させて有効活用することができる。
上述したように本発明は遮光位置とした可動壁によって区画を画定した場合において、表示パネルの区画境界付近の部分が若干暗くなることを回避することを主目的とするものであるが、以下の技術的特徴を上記遊技機1〜4に付与することにより、可動壁を透光位置として区画をつなげた場合においては、繋げた区画正面の表示パネルにできるだけ明暗の差ができないようにすることが可能である。
[遊技機A]
装飾が施された装飾体(表示パネル)と、該装飾体の裏面側に配置され前記装飾体の装飾を裏側から照らす光源が設けられた裏面側部材(パネルユニット)と、を備え、前記裏面側部材には壁面によって囲まれた囲い部(ランプハウジング)が形成されており、該囲い部の少なくとも1つには光源が配置されるように囲い部を仕切ることでこれを複数の区画に分割するための可動壁を設け、該可動壁を隣接する区画を遮光状態に分割する遮光位置と隣接する区画を透光状態につなげる透光位置とを選択可能となるよう構成し、一の区画を画定する可動壁が透光位置にある場合に、一の区画に隣接する他の区画の光源からの光によって照らされる一の区画の前面の装飾体の明暗の差が少なくなるように、前記可動壁を配置したことを特徴とする。
この遊技機によれば、パネルユニットの可動壁の遮光位置と透光位置とを切り替えることで、ランプハウジングを必要な大きさの区画に分割したり分割した区画をつなげたりすることができ、これにより例えば機種変更のために表示パネルと内部プログラムのみが交換され表示パネルの絵柄が変更された場合にも、絵柄のデザインによってランプハウジングの区画の分割・連結を容易に行ってこれに対応すること等ができる。また可動壁の配置
を工夫することで、ランプハウジングの区画の分割・連結を行った際にも、光源によって照らされる装飾体に部分的な明暗の差が生じないようにすることができる。さらに可動壁が従来例のような着脱式ではなく、可動壁は透光位置にあるときにもパネルユニットと一体をなすようにできるため、可動壁を構成する板状体を紛失する虞もなくすことができる。
[遊技機B]
上記遊技機Aにおいて、一の区画を画定する両可動壁が透光位置にある場合に、前記装飾体の一の区画の前面部分全体を、隣接する両区画の光源からの直接光が、隙間なく、かつ、重複することなく照らすよう前記両可動壁を配置したことを特徴とする遊技機。
一の区画の前面部分をできるだけ均等に照らすべく可動壁の配置を最適化することで、その区画の光源からの光だけでなく隣接する両区画の光源からの直接光が上下から片方ずつこの部分を照らすように、すなわち一の区画に隣接する他の2区画の光源からの直接光の照射範囲に重複や隙間がなるべく生じないように、他の2区画の光源からの直接光の境界がほぼ一致するようになっている。なおこの場合には最小区画数は3つとなる。
[遊技機C]
上記遊技機Aにおいて、一の区画を画定する少なくとも一つの可動壁が透光位置にある場合に、前記装飾体の一の区画の前面部分全体を、一の区画に隣接する他の区画の光源からの直接光が、隙間なく、かつ、該一の区画の前面部分を越えることなく照らすよう前記両可動壁を配置した、ことを特徴とする遊技機。
一の区画の前面部分をできるだけ均等に照らすべく可動壁の配置を最適化することで、その区画の光源からの光だけでなく隣接する区画(1つ又は2つ)の光源からの直接光がこの部分全体を照らすようになっている。なおこの場合には最小区画数は2つとなる。
[遊技機D]
上記遊技機A乃至Cのいずれかにおいて、前記光源はLED光源であり、光源から放射状に描いた直線が前記装飾体に到達する範囲を直接光の照明可能範囲とする、ことを特徴とする遊技機。
LED光源は指向性が強いため、特にその照射範囲を適切に規定することで、より有効に装飾体を均一に照らしてやることができる。
[遊技機E]
上記遊技機A乃至Dのいずれかにおいて、前記可動壁の先端部は基端部を軸に回動することで倒立・転倒する一対の板状体からなり、該一対の板状体は倒立時には対向し、転倒時には先端が開くように離隔する、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機によれば、可動壁をその先端部が回動して倒立・転倒する一対の板状体としてやることで、隣接する区画を対称形となるようにつなげたり分割したりすることができるため、ともに照明する場合に隣接する区画の明暗にできるだけ差が出ないようにすること等ができる。なお倒立・転倒する一対の板状体を採用しても、隣接する区画を非対称形とすることもできるのはもちろんである。
[遊技機F]
上記遊技機A乃至Dのいずれかにおいて、前記可動壁の先端部が可動壁の基部に重なるように又は収納されるようにスライド移動することで可動壁の高さを変更可能とした、ことを特徴とする遊技機。
この遊技機によれば、可動壁先端部が伸縮する構造とすることで、隣接する区画を容易につなげたり分割したりすること等ができる。
以上のようにこれらの遊技機A〜Fでは、従来技術の特許文献の例で説明した遊技機の
パネルユニットと同様に容易にランプハウジングを分割したり区画をつなげたりすることができることは勿論、できるだけ装飾体を均一に照らしてやることができる。また仕切り板ではなく可動壁によって区画を画定するため従来のように取り外した仕切り板を紛失してしまう虞がない。さらに可動壁の形態およびその可動方法を工夫してやることで、区画をつなげる際に動かした可動壁を反射板として機能させて有効活用することができる。上記遊技機A〜Fは上記遊技機1〜4のいずれかとの組み合わせにより可動壁が遮光位置にある場合および透光位置にある場合いずれにおいても、光源によって照らされる表示パネルの明暗の差により表示パネルに描かれた絵柄等の視認性に悪影響がでることを回避することを可能とするものであるが、上記遊技機1〜4との組み合わせに限られず、独立した技術的特長として遊技機に適用することも可能であることはいうまでもない。
なお本発明は、上記実施の形態とは異なるタイプの遊技機、具体的には遊技媒体として遊技球を用いる弾球式の遊技機いわゆるパチンコ機等に適応してやることもできる。例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機として本発明を実施するようにしても良い。
さらに、弾球式でない遊技機、例えば、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機として本発明を実施するようにしても良い。具体的には以下の通りである。
本発明は遊技機1〜4のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機である。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
本発明は上記遊技機1〜4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機である。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードヘ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
本発明は遊技機1〜4のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機である。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手投(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊
技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
本発明の遊技機は、主にスロットマシン、パチンコ機、パロット機の遊技機に利用することができるが、ランプハウジングを適宜区画に分けたりつなげたりして使用することのあるこれ以外の様々な機器にも応用して利用することができる。
10…遊技機としてのスロットマシン、11…筐体、12…前面扉、13…上部ランプ、14…スピーカ、15…補助表示部、30…表示パネル、31L,31M,31R…表示窓、41…リールユニット、42L,42M,42R…リール、51L,51M,51R…指示表示部、絵柄…52a,52b、53…モータプレート、59…操作パネル、61L,61M,61R…リール駆動モータ、71…スタートレバー、72,73,74…ストップスイッチ、75…メダル投入口、77〜79…クレジット投入スイッチ、80…切換スイッチ、83…セレクタ、81…貯留用通路、82…排出用通路、84…メダル通路切替部材、84a…通路切替片、85…案内通路、85a…突条、86…第1投入メダル検出センサ、87…第2投入メダル検出センサ、91…ホッパ装置、92…貯留タンク、93…払出装置、94…開口、95…予備タンク、96…誘導プレート、107…光源、111…表示制御装置、121…電源ボックス、122…電源スイッチ、123…リセットスイッチ、124…設定キー挿入孔、131…主制御装置、200…可動壁、200a…基部、200b…板状体、201…パネルユニット、203…枠体、205…ランプハウジング、207…小窓、220(220L,220R,220M)…表示パネル用基盤、300…固定壁、S…区画

Claims (3)

  1. 装飾が施された装飾体と、該装飾体の裏面側に配置され前記装飾体の装飾を裏側から照らす光源が設けられた裏面側部材と、を備え、
    前記裏面側部材には壁面によって囲まれた囲い部が形成されており、
    該囲い部にはそれぞれ光源が底部中央位置に配置されるように囲い部を仕切ることでこれを複数の区画に分割するための可動壁設けられ
    該前記可動壁の先端部は、基端部を軸に回動することで倒立・転倒する一対の板状体からなり、
    該一対の板状体は、倒立時には対向して区画を画定する壁面を形成し、転倒時には先端が開くように離隔することで隣接する区画の少なくとも一部を連通させることで、隣接する区画を遮光状態に分割する遮光位置と隣接する区画を透光状態につなげる透光位置とを選択可能となるように前記可動壁を構成し、かつ、前記可動壁の壁面先端側部分を可動壁の付け根側部分と比して高反射率面とした、ことを特徴とする遊技機。
  2. 前記可動壁の壁面を、先端側部分が高反射率可動壁の付け根側部分が低反射率となるように、先端から付け根に向かうに従ってその反射率が漸減するようにした、ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記一対の板状体は、前記光源近傍にその先端が位置するように転倒することで斜面を形成し、光源からの光を前記装飾体側に反射するよう該斜面を高反射率面とした、ことを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
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