JP5112670B2 - 置換アミノ酸シッフ塩基化合物の製造方法 - Google Patents
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このような要望に応えるべく、特許文献1及び非特許文献1には、式(B)
R2は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよいC1〜C8アルコキシ基、又は式:N(r1)(r2)で表される基を表す。
r1、r2はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC1〜C8アルコキシ基、置換基を有していてもよいC2〜C8アルケニル基、置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアルケニル基、置換基を有していてもよいC2〜C8アルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。また、r1及びr2は一緒になって結合して、窒素原子を含んで環を形成していてもよい。
R3は、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C8アルキル基、又は置換基を有していてもよいC1〜C8アルコキシ基を表し、
Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。)
で示されるアミノ酸シッフ塩基化合物を、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物又はアルカリ土類金属炭酸塩、及びクラウンエーテルの存在下、式(2):R4−L(式中、R4は、置換基を有していてもよいC1〜C8のアルキル基、置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC2〜C18アルケニル基、置換基を有していてもよいC4〜C8シクロアルケニル基、置換基を有していてもよいC2〜C18アルキニル基、又は、置換基を有していてもよいC7〜C20アラルキル基を表し、Lは脱離基を表す。)で示される化合物と反応させることを特徴とする、式(3)
本発明の第2によれば、式(1)
R2は、水素原子、水酸基、置換基を有していてもよいC1〜C8アルコキシ基、又は式:N(r1)(r2)で表される基を表す。
r1、r2はそれぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C8アルキル基、置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC1〜C8アルコキシ基、置換基を有していてもよいC2〜C8アルケニル基、置換基を有していてもよいC4〜C8シクロアルケニル基、置換基を有していてもよいC2〜C8アルキニル基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、又は置換基を有していてもよいアリール基を表す。また、r1及びr2は一緒になって結合して、窒素原子を含んで環を形成していてもよい。
R3は、水素原子、置換基を有していてもよいC1〜C8アルキル基、又は置換基を有していてもよいC1〜C8アルコキシ基を表し、
Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表す。)
で示されるアミノ酸シッフ塩基化合物を、
アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物又はアルカリ土類金属炭酸塩、クラウンエーテル、及び光学活性四級アンモニウム塩の存在下、
式(21):R41−L(式中、R41は、R1と同一ではなく、置換基を有していてもよいC1〜C8のアルキル基、置換基を有していてもよいC3〜C8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC2〜C18アルケニル基、置換基を有していてもよいC4〜C8シクロアルケニル基、置換基を有していてもよいC2〜C18アルキニル基、又は、置換基を有していてもよいC7〜C20アラルキル基を表し、Lは脱離基を表す。)
で示される化合物と反応させることを特徴とする、式(31)
本発明の光学活性置換アミノ酸シッフ塩基化合物の製造方法においては、前記光学活性四級アンモニウム塩として、下記(I)〜(V)
また、一分子中に存在する複数のr10同士は、互いに同一であっても相異なっていてもよい。
さらに、r11とr12が結合して、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアルキレンモノオキシ基、置換基を有していてもよいアルキレンジオキシ基、若しくは置換基を有していてもよい芳香環を形成していてもよい。
ra、rb、rcはそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基又は置換基を有していてもよいフェニル基を表す。
r18は、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいアルケニルオキシ基、置換基を有していてもよいアルキニルオキシ基、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基、置換基を有していてもよいアラルキルオキシ基、置換基を有していてもよいヘテロアラルキルオキシ基を表す。
また、一分子中に存在する複数のr18同士は、互いに同一であっても相異なっていてもよい。
また、一分子中に存在する複数の、r19同士、r20同士、r21同士、r22同士、及びr23同士は、互いに同一であっても相異なっていてもよい。
さらに、r19〜r23のうち、隣接する二つが一緒になって結合して、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアルキレンモノオキシ基、置換基を有していてもよいアルキレンジオキシ基、若しくは置換基を有していてもよい芳香環を形成していてもよい。
(*)は不斉炭素原子を表し、(**)は軸不斉が存在することを表す。また、式(III)において、r12が水素原子以外のとき、式(III)で表される化合物は、さらに軸不斉を有している。
X−は、マイナス1価に相当する対イオンを表す。)
のいずれかで示される化合物を用いることが好ましい。
本発明の光学活性置換アミノ酸シッフ塩基化合物の製造方法によれば、医薬、農薬等に用いる生理活性物質の製造中間体として有用な、前記式(31)で示される光学活性置換アミノ酸シッフ塩基化合物を、効率よく工業的に有利に製造することができる。
1)置換アミノ酸シッフ塩基化合物の製造方法
本発明の第1は、前記式(1)で示されるアミノ酸シッフ塩基化合物(以下、「化合物(1)」ということがある。)を、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ金属炭酸塩、及びクラウンエーテルの存在下、前記式(2)で示される化合物(以下、「化合物(2)」ということがある。)と反応させることを特徴とする、前記式(3)で示される置換アミノ酸のシッフ塩基化合物(以下、「化合物(3)」ということがある。)の製造方法である。
本発明の製造方法においては、出発原料として化合物(1)を用いる。
前記式(1)において、R1は、置換基を有していてもよいC1〜C8のアルキル基、置換基を有していてもよいC3〜C8のシクロアルキル基、置換基を有していてもよいC2〜C8のアルケニル基、置換基を有していてもよいC4〜C8のシクロアルケニル基、置換基を有していてもよいC2〜C8のアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいヘテロアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、又は置換基を有していてもよいヘテロアラルキル基を表す。
置換基を有していてもよいC3〜C8のシクロアルキル基のC3〜C8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいC4〜C8のシクロアルケニル基のC4〜C8のシクロアルケニル基としては、1−シクロブテニル基、1−シクロペンテニル基、2−シクロペンテニル基、3−シクロペンテニル基、1−シクロヘキセニル基、3−シクロヘキセニル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアラルキル基のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−アントリルメチル基、1−フェナントリルメチル基等が挙げられる。
ヘテロ環基としては、環内に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を1〜4個有する、3〜8員のヘテロ環の基が挙げられる。
これらの置換基は、アルコキシ基の任意の位置で置換していてもよく、同一又は相異なって複数個がアルコキシ基に結合していてもよい。
r1、r2の、置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
かかる環の具体例としては、ピロリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環、モルホリン環、チオモルホリン環などが挙げられる。
前記R3の置換基を有していてもよいC1〜C8のアルキル基としては、前記R1で例示したのと同様のものが挙げられる。
また、前記R3の置換基を有していてもよいC1〜C8のアルコキシ基としては、前記R2で例示したものと同様のものが挙げられる。
前記Arのアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
例えば、前記式(1)中、R3が、水素原子又は置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である化合物〔式(1a)で表される化合物〕は、下記式に示すように、式(5)で表されるアルデヒド又はケトンと、式(6)で表されるα−アミノ酸、α−アミノ酸エステル又はα−アミノ酸アミドとを反応させることにより得ることができる。この場合、光学活性なα−アミノ酸、α−アミノ酸エステル又はα−アミノ酸アミドを用いることで、光学活性な化合物(1a)を得ることができる。
用いる酸触媒としては、濃硫酸、p−トルエンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸一水和物、モレキュラーシーブ等が挙げられる。
反応は、0℃から用いる溶媒の沸点までの温度範囲で円滑に進行する。
反応時間は、通常数分から数十時間である。
本発明においては、前記化合物(1)と化合物(2)とを反応させる。
式(2)中、R4は、置換基を有していてもよいC1〜C8のアルキル基、置換基を有していてもよいC4〜C8シクロアルキル基、置換基を有していてもよいC2〜C18アルケニル基、置換基を有していてもよいC4〜C8シクロアルケニル基、置換基を有していてもよいC2〜C18アルキニル基、又は、置換基を有していてもよいC7〜C20アラルキル基を表す。
これらの基の具体例としては、前記R1で例示したのと同様のものが挙げられる。
本発明においては、塩基として、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物又はアルカリ土類金属炭酸塩(以下、「アルカリ金属水酸化物等」ということがある。)の少なくとも一種を用いる。
用いるアルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウムが挙げられる。
用いるアルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化ベリリウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、水酸化バリウムが挙げられる。
用いるアルカリ土類金属炭酸塩としては、炭酸ベリリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸ストロンチウム、炭酸バリウムが挙げられる。
アルカリ金属水酸化物等の使用量は、特に制約はなく、通常化合物(1)に対して、1〜10当量である。
本発明においては、上記したアルカリ金属水酸化物等に加えて、クラウンエーテルを用いる。このように組み合わせて用いることにより、安価な水酸化カリウムを用いる場合であっても、収率よく目的物を得ることができる。
クラウンエーテルとしては、例えば、次のようなものが挙げられる。
これらの中でも、本発明においては、収率よく目的物が得られることから、18−クラウン−6の使用が好ましい。
クラウンエーテルの使用量は、用いる四級アンモニウム塩1モル対して、通常、0.1〜0.9モル、好ましくは0.3〜0.7モルである。
本発明において、反応は溶媒中で行うのが好ましい。
用いる溶媒としては、反応に不活性なものであれば、特に制限されない。例えば、n−ペンタン、n−ヘプタン、n−ヘキサン、n−オクタン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロオクタン等の脂環式炭化水素;が挙げられる。これらの中でも、芳香族炭化水素が好ましく、トルエンが特に好ましい。
溶媒の使用量は、特に制約はないが、化合物(1)1gに対して、通常、0.1〜100mlである。
本発明において、反応を行う方法としては、特に制限はない。例えば、(i)化合物(1)、化合物(2)、及びクラウンエーテルの溶媒溶液中に、アルカリ金属水酸化物等の水溶液を添加して、所定温度で所定時間撹拌する方法、(ii)化合物(1)、及びクラウンエーテルの溶媒溶液中に、化合物(2)とアルカリ金属水酸化物等の水溶液を添加した後、化合物(2)を添加して、所定温度で所定時間撹拌する方法等が挙げられ、(i)の方法が好ましい。
反応時間は、反応規模等にもよるが、通常、数分から数十時間、好ましくは数十分から数時間である。
本発明の第2は、前記式(1)で示されるアミノ酸シッフ塩基化合物を、アルカリ金属水酸化物等、クラウンエーテル、及び光学活性四級アンモニウム塩の存在下、前記式(21)で示される化合物と反応させることを特徴とする、前記式(31)で示される光学活性置換アミノ酸シッフ塩基化合物の製造方法である。
置換基を有していてもよいアルキレンモノオキシ基のアルキレンモノオキシ基としては、−OCH2−、−CH2CH2O−、−CH2OCH2−、−CH2CH2OCH2−、CH2CH2OCH2CH2−、等が挙げられる、
置換基を有していてもよいアルキレンジオキシ基のアルキレンジオキシ基としては、−OCH2O−、−OCH2CH2O−、−CH2OCH2CH2O−、等が挙げられる。
置換基を有していてもよい芳香環の芳香環としては、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピペリジン環等が挙げられる。
前記r18の、置換基を有していてもよいアルケニルオキシ基のアルケニルオキシ基としては、ビニルオキシ基、1−プロペニルオキシ基、2−プロペニルオキシ基、1−ブテニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基等が挙げられる。
前記Aの置換基を有していてもよいアリール基のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいヘテロアリール基のヘテロアリール基は、酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選ばれた1から3個のヘテロ原子を含む5員若しくは6員のアリール又はそれらにベンゼン環が縮合したものである。
また、式(III)において、r12が水素原子以外のとき、式(III)で表される化合物は、さらに軸不斉を有している。
X−の具体例としては、F−、Cl−、Br−、I−、HSO4 −、NO3 −、CH3COO−、1/2(SO4 2−)、PF6 −、ClO4 −、SbF4 −、AsF6 −、BF4 −、1/2(SiF6 2ー)等が挙げられる。
なお、光学純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)分析(CHIRALCEL AD−H、ダイセル化学社製)により決定した。なお、溶離液として、n−ヘキサン:イソプロピルアルコール=99:1(体積比))を用いた。
(実施例1)
このものの1H−NMRスペクトルデータを以下に示す。
実施例1において、下記式(b−1)で表される光学活性四級アンモニウム塩の代わりに、下記式(c−1)で表される光学活性四級アンモニウム塩を用いる以外は、実施例1と同様にして式(3−1)で表される化合物を得た。収率は85%(シリカゲル上で分解したアミノ体を含む)。また、光学純度は66%eeであった。
実施例1において、下記式(b−1)で表される光学活性四級アンモニウム塩の代わりに、下記式(d−1)で表される光学活性四級アンモニウム塩を用いる以外は、実施例1と同様にして式(3−1)で表される化合物を得た。収率は90%(シリカゲル上で分解したアミノ体を含む)。また、光学純度は80%eeであった。
(実施例4)
このものの1H−NMRスペクトルデータを以下に示す。
実施例4において、下記式(b−1)で表される光学活性四級アンモニウム塩の代わりに、下記式(d−1)で表される光学活性四級アンモニウム塩を用いる以外は、実施例4と同様にして式(3−2)で表される化合物を得た。収率は89%(シリカゲル上で分解したアミノ体を含む)。また、光学純度は90%eeであった。
Claims (1)
- 式(1)
で示されるアミノ酸シッフ塩基化合物を、
リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物、クラウンエーテル、及び、
下記(b−1)、(c−1)又は(d−1)
式(21):R41−L(式中、R41は、R1と同一ではなく、C 1 〜C8のアルキル基を表す。)で示される化合物と反応させることを特徴とする、式(31)
で示される光学活性置換アミノ酸シッフ塩基化合物の製造方法。
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