JP5112646B2 - 装飾層形成フィルム、装飾物品及び装飾物品の製造方法 - Google Patents

装飾層形成フィルム、装飾物品及び装飾物品の製造方法 Download PDF

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本発明は、装飾層形成フィルムに関する。さらに詳しく述べると、耐候性及び延伸性に優れ、さらには、装飾物品等の製造に使用したときに破れや外観異常を生じることがなく、かつ優れた外観特徴を物品に付与することのできる装飾層形成フィルムに関する。本発明はまた、かかる装飾層形成フィルムを表面領域に備えた、例えば樹脂成形品やラミネート鋼板のような装飾物品とその製造方法に関する。
周知のように、自動車の外装部品の製造にはいろいろな材料が使用されている。例えば、モールやピラーは、ステンレス鋼などの鋼板をプレス成形やロールフォーミング成形によって加工することによって製造されている。また、これらの鋼板製の外装部品の表面に樹脂材料を被覆して用いることも多い。最近では、部品の軽量化を図るとともに鋼板とは異なった外観を得るため、樹脂材料だけを射出成形、ブロー成形、押出し成形などしたものが外装部品として広く用いられている。かかる成形用の樹脂材料としては、当初、ポリ塩化ビニルがその高い成形性、耐候性、耐久性、経済性などから多用されてきたが、最近では、ポリプロピレンを主としたポリオレフィン系の樹脂材料の利用へと進みつつある。
ところで、自動車の外装部品の製造において、当初の段階では、表面処理を施した後に塗装やめっきを行う方法が一般的に採用されていたが、最近では、塗装代替やめっき代替として装飾層形成フィルムを施す方法が採用されるに至っている。装飾層形成フィルムは、有利には一体成形フィルムの形で用いられ、また、装飾層形成フィルムには耐候性と立体形状への成形性とが求められるため、通常、その最上層にトップコート層が組み込まれている。トップコート層は、例えば、ETFE(エチレンテトラフルオロエチレン共重合体)、PVdF(ポリフッ化ビニリデン)/PMMA(ポリメチルメタクリレート)などのフッ素樹脂からなるかもしくはPMMAの単体から形成されている。しかし、ETFE、PVdF/PMMA等は、ハロゲン含有物であるために廃棄物の処理に注意が必要であり、使用を避けることが望ましい。また、PMMAは、常温で硬くて伸びないという欠点があるため、フィルム成形のために射出成形金型に充填する前に例えば真空成形などの予備成形を実施する必要があり、製造工程が煩雑となるばかりでなく、製造コストも増加する。
上記のような欠点を回避するため、ウレタン樹脂を使用してトップコート層を形成することも試みられている。しかし、ウレタン樹脂は、それを金型に密着させた状態で成形に供されるので、型閉じや樹脂充填時の延伸で不均一な伸びを生じやすい。また、金型は通常50℃前後の温度に調温した状態で用いられているので、金型表面に対してウレタン樹脂フィルムが滑ることができず、成形後のフィルム表面において表面光沢が不均一となったり、細かいシワが発生しやすい。
ウレタン樹脂におけるこれらの問題点を解決する手法として、特許文献1は、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムからなるキャリヤフィルムに剥離コーティングを施した後にウレタン樹脂フィルムを貼付し、その上にさらに反射金属層及び接着層を積層する方法を記載している。また、特許文献2も同様な技法を記載している。しかし、これらの特許文献に記載されている方法も製造工程が煩雑であり、また、PETフィルムそのものの有する光沢をそのままウレタン樹脂フィルムに転写できないという問題がある。さらには、PETフィルムに関して、特許文献2には厚さ100μmの無延伸PETフィルム(商品名「A−PET」)の例示があるけれども、このPETフィルムは、表面平滑性及びグロスに劣り、常温で不均一に伸びやすいので、成形用キャリヤフィルムには不適当である。
米国特許第4,101,698号明細書(特許請求の範囲、図1) 特開2000−43082号公報(特許請求の範囲、段落0049、図1)
本発明の目的は、耐候性及び延伸性に優れ、さらには、装飾物品等の製造に使用したときに破れや外観異常を生じることがなく、かつ優れた外観特徴を物品等に付与することのできる装飾層形成フィルムを提供することにある。
また、PETフィルムを併用した場合には、そのフィルムに由来する表面光沢をウレタン樹脂フィルムに付与することができ、かつ成形用キャリヤフィルムとして有利に使用することのできる装飾層形成フィルムを提供することにある。
さらに、本発明の目的は、屋外や高温条件下で使用しても劣化が生じることのない、特に自動車の外装部品やその他の装飾物品の製造に有用な装飾層形成フィルムを提供することにある。
さらにまた、本発明の目的は、簡単な製造工程を使用して正確に歩留まりよく製造できる装飾層形成フィルムを提供することにある。
本発明の目的は、また、かかる装飾層形成フィルムを使用した、優れた外観特徴を有し、かつ製造が容易な装飾物品と、その製造方法を提供することにある。
本発明のこれらの目的やその他の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
本発明は、その1つの面において、ポリウレタン樹脂からなるトップコート層を有する装飾層形成フィルムであって、
前記ポリウレタン樹脂は、
(1)イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体もしくはアダクト体又はこれらの両者を全ポリイソシアネートに対して0.5当量以上含有するポリイソシアネート、及び
(2)カプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオール又はその混合物からなり、かつ平均分子量が1000以下であるポリエステルポリオールを全ポリオールに対して0.4当量以上含有するポリオール
を含み、前記ポリイソシアネートと前記ポリオールの当量比が0.7〜2.0であるポリウレタン樹脂組成物からなることを特徴とする装飾層形成フィルムにある。本発明の装飾層形成フィルムにおいて、そのトップコート層の表面側には、キャリヤフィルムが設けられてもよい。
また、本発明は、そのもう1つの面において、本発明による装飾層形成フィルムで物品の表面領域の少なくとも一部を被覆したことを特徴とする装飾物品にある。
さらに、本発明は、そのもう1つの面において、装飾層形成フィルムで物品の表面領域の少なくとも一部を被覆した装飾物品を製造する方法であって、
本発明による装飾層形成フィルムを用意することと、
前記物品及び前記装飾層形成フィルムのいずれか一方に反応硬化型又は感熱型の接着剤を塗布することと、
前記接着剤が未硬化の状態にある間に、前記物品と前記装飾層形成フィルムを積層することと、
前記積層工程において、もしくは得られた積層体において前記接着剤を硬化させて装飾物品を形成することと
を含んでなることを特徴とする装飾物品の製造方法にある。
本発明によれば、以下の詳細な説明から理解されるように、従来の装飾層形成フィルムでは満足に得ることができなかった諸特性をもった装飾層形成フィルムが得られる。すなわち、本発明の装飾層形成フィルムは、耐候性及び延伸性に優れるばかりでなく、装飾物品等の製造に使用したときに破れや外観異常(例えば、不均一な伸び、不均一な表面光沢、細かいシワの発生など)を生じることがなく、また、装飾層形成フィルムの層構成や製造方法を改善することで、優れた外観特徴(例えば、表面光沢、意匠性等)を物品に付与することができる。
また、本発明の装飾層形成フィルムは、それにPETフィルムを併用した場合に、そのPETフィルムに由来する表面光沢をウレタン樹脂フィルムに付与することができ、顕著な外観特徴を実現できるばかりでなく、従来の技術では不適当とみなされていたPETフィルムを成形用キャリヤフィルムとして有利に使用することができる。
さらに、本発明の装飾層形成フィルムは、屋外や高温条件下で使用しても劣化を生じることがないので、自動車の外装部品やその他の装飾物品の製造に有利に使用することができる。
さらにまた、本発明の装飾層形成フィルムは、煩雑な製造工程を伴うことなく簡単かつ正確に製造することができ、欠陥を伴うこともないので、歩留まりが非常によい。
加えて、本発明の装飾層形成フィルムを使用して製造される装飾物品は、装飾層形成フィルムの諸特性に由来して優れた外観特徴があるばかりでなく、その物品を装飾層形成フィルムと一体的に成形できるので、製造が容易であり、製造工程もシンプルである。
引き続いて、本発明をその好ましい実施の形態について説明する。なお、以下においては特に自動車用外装部品やラミネート鋼板の作製を参照して本発明を説明するが、本発明の装飾物品がこれらの製品に限定されないことはいうまでもない。
本発明は、1つの面において、ポリウレタン樹脂からなるトップコート層を必須の構成成分として有する装飾層形成フィルムにある。ここで、装飾層形成フィルムは、以下に詳細に説明する特定のポリウレタン樹脂からなるトップコート層を有し、かつそのままで使用したときや任意の物品に積層して使用したときに上記のような作用効果を奏し得る限り、その構成や用途が特に限定されるものではない。本発明の装飾層形成フィルムの用途は、その一例を挙げると、外装フィルム、例えば自動車用外装フィルム等、装飾層形成フィルムを被覆した樹脂成形品、例えば自動車のモール、ピラー等、装飾層形成フィルムと金属板を積層したラミネート構造体、例えばラミネート鋼板等、その他である。
具体的に説明すると、自動車外装用フィルムは、自動車の外装のため、各種の自動車の部品に貼付し、固定して使用することができる。例えば、自動車としては、トラック、バス、乗用車などの他、オートバイ、スクータなどを挙げることができる。また、このような自動車の部品としては、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、例えばサイドガードモールなどのモール類、ピラー類、その他を挙げることができる。もちろん、もしも所期の効果が得られるのであるならば、必要に応じて、自動車の外装部品以外の部品に対して本発明の装飾層形成フィルムを適用してもよい。その他の適当な外装部品は、例えば、モーターボート、ヨットなどの船舶の外装部品や、電車などの車両の外装部品である。
本発明の装飾層形成フィルムは、特に重要なことには、自動車の外装部品や、金属板あるいはその他の物品に貼付して使用してもよいけれども、以下に詳細に説明するように、積層されるべき物品と同時に成形し、一体的に形成されたラミネート構造体を形成できるということである。
トップコート層を構成するポリウレタン樹脂は、(1)ポリイソシアネート及び(2)ポリオールを含むポリウレタン樹脂組成物からなる。ポリイソシアネートは、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、アダクト体又はこれらの両者を、全ポリイソシアネートに対して0.5当量以上含有する。この成分が0.5当量より少ないと、高温での破断伸び率が低下する。
イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体は、例えば、「デスモジュール(Desmodur)Z4370」の商品名で住友バイエルウレタン社から、又は「IPDI」の商品名でダイセルヒュルズ社から入手することができる。また、イソホロンジイソシアネートのアダクト体は、イソホロンジイソシアネートとトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等とのアダクトであり、トリメチロールプロパンとのアダクトは、例えば「タケネートD−140N」として武田薬品工業社から入手することができる。
また、もう1つの成分であるポリオールは、平均分子量1000以下のポリエステルポリオールを全ポリオールに対して0.4当量以上含有するものである。平均分子量1000以下のポリエステルポリオールが0.4当量より少ないと、高温での破断伸び率が低下する。好ましいポリエステルポリオールは、例えば、カプロラクトンジオール、ポリカーボネートジオールなどである。これらのポリエステルポリオールは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ポリエステルポリオールの具体的としては、例えば「TONE 0201」(ユニオンカーバイド社製;平均分子量 530) 、「プラクセル(Placcel)205」(ダイセル化学工業社製;平均分子量 530)、「プラクセル205H」(ダイセル化学工業社製;平均分子量 530)、「プラクセル208」(ダイセル化学工業社製;平均分子量 850) 、「プラクセル210」(ダイセル化学工業社製;平均分子量 1000)などのカプロラクトンジオールを挙げることができる。
また、必要ならば、これらのカプロラクトンジオールに代えて、あるいはそれらの化合物と一緒に、例えば「TONE 0301」(ユニオンカーバイド社製;平均分子量 300) 、「TONE 1303」(ユニオンカーバイド社製;平均分子量 425) 、「TONE 0305」(ユニオンカーバイド社製;平均分子量 540)、「プラクセル305」(ダイセル化学工業社製;平均分子量 550) 、「プラクセル308」(ダイセル化学工業社製;平均分子量 850)等のカプロラクトントリオールを使用してもよい。
さらに、ポリカーボネートジオールの具体例としては、例えば「ニッポラン981」及び「ニッポラン983」(日本ポリウレタン社製;平均分子量 1000) 、「T4671」、「T4691」及び「T5651」(いずれも旭化成社製;平均分子量 1000)などを挙げることができる。
上記したようなポリエステルポリオールにおいて、カプロラクトンジオールとポリカーボネートジオールを組み合わせて使用する場合には、これらのジオールを、いろいろな量比で使用することができるが、通常、両者を1:9〜9:1の当量比で使用することが好ましい。なお、これらのジオールをこのような比率で混合した場合、その状態での平均分子量は、通常、1000以下であり、好ましくは850以下、さらに好ましくは750以下、そして最も好ましくは500〜600の範囲である。
また、カプロラクトンジオールを単独で使用する場合には、その平均分子量は、通常、700以下であり、好ましくは500〜600の範囲である。
また、トップコート層を構成するポリウレタン樹脂組成物において、ポリイソシアネートとポリオールの当量比も広い範囲で変更することができる。ポリイソシアネートとポリオールの当量比は、通常、ポリイソシアネート/ポリオール=0.7〜2.0の範囲であることが好ましい。ポリイソシアネートとポリオールの当量比がこの範囲を外れると、高温での破断伸び率が十分でなくなる。
本発明の実施において、上述のポリイソシアネート及びポリオールを含むポリウレタン樹脂組成物を重合させてポリウレタン樹脂を形成するためには、いろいろな手法を使用することができる。通常、ポリウレタン樹脂組成物に触媒を配合した状態で重合を実施することが好ましい。このためには、ポリウレタン樹脂の形成のための常用の触媒を用いることができ、例えばジブチル錫ジラウレート(DBTDL)触媒、ナフテン酸亜鉛、オクテン酸亜鉛、トリエチレンジアミン等が用いられる。触媒の量は、通常、樹脂組成物100重量%に対して0.005〜0.5重量%であることが好ましい。ポリウレタン樹脂の形成のための重合は、通常、60〜160℃の温度で実施することが好ましい。
また、ポリウレタン樹脂を実際に製造するに当たっては、例えば、ポリイソシアネート及びポリオールならびに触媒を含むポリウレタン樹脂組成物を、所望の形態、例えばシート、フィルム等に成形、又は成形前の基材表面に塗布し、これを重合せしめることができる。重合方法としては、オーブン加熱(60℃〜160℃)、常温乾燥、赤外線照射等の方法が用いられる。装飾性の改善を目的とする場合、本発明のポリウレタン樹脂組成物に、顔料、アルミフレーク等を分散して使用することもできる。
本発明のポリウレタン樹脂組成物由来のポリウレタン樹脂は、いろいろな形で使用することができる。本発明のポリウレタン樹脂は、各種の物品を覆うトップコート層として特に有利に使用することができる。また、物品に対してトップコート層を適用するに当たっては、いろいろな技法を使用することができる。例えば、フィルムの形のポリウレタン樹脂は、そのまま使用してもよく、あるいは一時的に支持体上に仮固定しておいて、使用時に支持体から剥離して使用してもよい。また、ポリウレタン樹脂を任意の物品と一体的に成形して装飾物品を形成してもよい。さらに、フィルムの形のポリウレタン樹脂を、成形されるべき基材の表面に、例えば、接着剤、粘着剤等により貼付し、常法に従って基材と一緒に成形することもでき、あるいは、ポリウレタン樹脂と感熱接着剤層とを複合シートにした後、基材と一緒に成形してもよい。さもなければ、以下において説明するが、ポリウレタン樹脂組成物が反応途中であり、かつ接着性を発現した状態においてその硬化中の樹脂組成物にフィルム等の基材を直接に積層し、硬化の完了によってフィルムやその他の形態のポリウレタン樹脂複合体を成形してもよい。また、ポリウレタン樹脂組成物と別の成形材料を同時的に成形してポリウレタン樹脂複合体を製造することもできる。
ポリウレタン樹脂を基材(その他の物品であってもよい)と組み合わせて使用する場合、装飾層形成フィルムの分野で常用されているいろいろな基材を使用することができる。例えば、本発明の装飾層形成フィルムを自動車外装用フィルムとして使用する場合、オレフィン系樹脂を基材として有利に使用することができる。オレフィン系樹脂は、フィルムの分野で広く使用されている多くのオレフィン系樹脂を包含するけれども、トップコート層の支持機能に追加して外装部品に貼付する能力も必要であるので、それ自体で接着機能を有することが望ましい。基材に接着機能があれば、外装用フィルムを外装部品に接着した後で、剥がれ等の不都合を生じることなく、長期間にわたって安定に使用することができる。
接着機能を有し、本発明の実施に好適なオレフィン系樹脂としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、サーモプラスチックオレフィン(TPО;通常、PPと例えばEPDM(エチレン/プロピレン/ジエンモノマー共重合体)等のゴム成分のブレンド)、アイオノマー、EAA(エチレン/アクリル酸共重合体)、EEA(エチレン/アクリル酸エチル共重合体)、EVA(エチレン/酢酸ビニル共重合体)などを挙げることができる。
このような基材は、装飾層形成フィルムの使用目的などに応じて、透明であってもよく、半透明もしくは不透明であってもよい。また、外観や装飾性の向上を図るため、各種の染料、顔料あるいはその他の着色剤、例えばフタロシアニン系青顔料、アゾ系赤顔料、アルミフレーク、マイカ粉などを含有していてもよい。さらに、その他の添加剤、例えば紫外線吸収剤などを含有していてもよい。
上記したような基材は、装飾層形成フィルムの使用目的などに応じていろいろな厚さで使用することができるけれども、通常、約5〜1000μmの範囲であり、好ましくは、約20〜100μmの範囲である。なお、基材は、通常、単層で用いられるけれども、必要に応じて、2層もしくはそれ以上の多層構造で使用してもよい。
必要ならば、金属板やそれに類するものを基材として使用してもよい。金属板の種類などは特に限定されないが、防錆性、価格などを考慮した場合、ステンレス鋼製基材の使用が推奨される。ステンレス鋼製基材としては、商業的に入手可能なステンレス鋼を任意に使用可能であり、一般的には、クロムの含有量が少なくとも約10重量%である、オーステナイト系、フェライト系又はマルテンサイト系のステンレス鋼が有望である。ステンレス鋼中のクロムの含有量が多いと、所定の形状を有する部材に加工する作業が容易に可能であるからである。具体的に示すと、適当なステンレス鋼は、例えば、SUS430、SUS304などである。このようなステンレス鋼は、通常、ゴミなどの異物をその表面から除去し、常法に従って表面処理などを施した後で使用される。表面処理の例としては、ステンレス鋼表面の油脂類の除去のためのアルコール洗浄や、発錆の防止のための不動態化処理などを挙げることができる。必要に応じて、化成処理を施してもよい。また、ステンレス鋼は、通常、いろいろな厚さをもった鋼板の形で入手できるが、これに本発明の装飾層形成フィルムを貼り付けてから、任意の加工方法で成形し、所望とする形状をもった装飾物品となすことができる。加工方法としては、プレスフォーミングやロールフォーミング、折り曲げを有利に使用することができる。本発明の装飾層形成フィルムを積層したステンレス鋼板は、自動車の外装部品、例えば、モール、ピラーなどの成形に有用である。
本発明の装飾層形成フィルムをステンレス鋼板に積層する場合、任意の接着剤を使用して両者の強力な接合を達成することができる。本発明の装飾層形成フィルムは、意匠性の向上などのために使用されるので、透明な接着剤を使用することが推奨される。適当な接着剤は、透明な感熱接着剤であり、その一例を示すと、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、オレフィン系接着剤、アクリル系接着剤、塩化ビニル系接着剤などがある。感熱接着剤の層は、ステンレス鋼板と装飾層形成フィルムの間に要求される接着強度などに応じていろいろな厚さを有することができるけれども、一般的な厚さは、約5〜500μmの範囲であり、好ましくは、約30〜200μmの範囲である。
装飾層形成フィルムは、上記した通り、特定の組成をもったトップコートを有することを必須の構成要件とするものであるが、特に好ましくは、そのトップコート層の表面側にキャリヤフィルムをさらに有することができる。本発明の装飾層形成フィルムにおいて、キャリヤフィルムは、トップコート層の支持体として有利に機能することができる。
キャリヤフィルムとしては、いろいろなプラスチックフィルムを使用することができるが、トップコート層との併用を考えて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを使用することが特に好ましい。PETフィルムは、トップコート層に併用したとき、トップコート層の破れや外観異常をより良好に防止することができる。また、成形後にPETフィルムを剥がしたときに露出するトップコート層の表面は、PETフィルムの表面が転写されているので、均一で良好な光沢度をもった外観をもたらすことができる。
PETフィルムは、本発明の作用効果などの悪影響がでない限り、どのようなタイプのものであってもよい。例えば、通常商業的に入手可能な一般的なPETフィルムのほか、易成形性PETフィルムなども使用することができる。また、PETフィルムは、いろいろな厚さで使用することができる。PETフィルムの厚さは、装飾層形成フィルムの使途などによっては変更可能であるが、通常、5〜150μm程度である。さらに、PETフィルムの表面(トップコート層側)には、得られる装飾層形成フィルムに優れた外観などを付与するため、転写目的の表面処理が施されていてもよい。適当な表面処理として、例えば、練り込みマット、サンドマット(サンドブラスト)処理などを挙げることができる。一方、PETフィルムの裏面(トップコート層と接触しない面)には、別のタイプの表面処理、易滑性、易接着性、剥離性などを付与するための表面処理(例えば塗布、放電などによる)が施されていてもよい。
また、本発明では、PETフィルムのなかでも、2軸延伸PETフィルムを有利に使用することができる。2軸延伸PETフィルムは、高い破断伸度と引張り強度(モジュラス値)を有するので、トップコート層の破れや外観異常の防止、そして表面光沢度の向上に好適である。かかるPET層を備えたトップコート層は、屋外での使用や高温条件下での使用においても劣化や破れを生じることがない。
2軸延伸PETフィルムは、好ましくは、20℃における引張り破断伸度が50%以上である。なお、引張り破断伸度は、45mm幅の試験サンプル(初期長さ70mm)をテンシロン型引張り試験機にセットして、引張り速度200mm/分で測定することができる。また、引張り破断伸度50%とは、初期長さを1としたときに、伸長後の長さが1.5となることを意味する。PETフィルムの引張り破断伸度は、さらに好ましくは、150%以上であり、最も好ましくは、200%以上である。本発明では、かかるように高い引張り破断伸度が得られるので、装飾物品を深絞り成形などで製造するのに好適であり、装飾層形成フィルムに破れやシワが発生することを防止できる。
また、キャリヤフィルムとしてPETフィルムを使用する場合に、PETフィルムは、20℃における70%延伸時引張り強度が、25〜800N/45mmの範囲であることが好ましい。なお、70%延伸時引張り強度は、45mm幅の試験サンプル(初期長さ70mm)をテンシロン型引張り試験機にセットして、引張り速度200mm/分で測定することができる。70%延伸時引張り強度は、装飾物品を樹脂の射出成形により製造する場合に、成形性の向上に大きく寄与することができる。70%延伸時引張り強度は、さらに好ましくは、50〜400N/45mmの範囲である。
さらに、本発明において使用するPETフィルムは、トップコート層の硬化が完了する前にトップコート層に積層することが好ましい。すなわち、トップコート層においてポリウレタン樹脂組成物がまだ反応の途中にあり、しかしすでに少なくとも幾分の接着性が発現しているような状態において、PETフィルムをトップコート層に積層することが好ましい。このようにして積層を行うと、PETフィルムとトップコート層を直接積層するっことができ、両者の間に接着剤あるいは接着層を介在させる必要がなくなる。また、積層した状態で、トップコート層を構成するポリウレタンの反応が進行し、塗膜化できるので、通常の粘着フィルムの作製におけるようにPETフィルムに離型処理を予め施す処理をしなくても、PETフィルムをトップコート層から容易に剥離することができる。PETフィルムが破れたりするような不具合も発生しない。
本発明の装飾層形成フィルムは、上記したようにトップコート層を含み、そして好ましくはPETフィルムをキャリヤフィルムとして有するが、その特性(外観、意匠性、強度、取扱い性など)を高めるため、追加の層を任意に有することができる。適当な追加の層は、例えば、外観付与層、接着層、各層間を接合する接合層(ボンディング層ともいう)やその他の中間層などである。
外観付与層は、例えば、カラー層(着色層)、パターンフィルム(柄フィルム)、メタリック層などである。換言すると、外観付与層は、例えば金属調(例えばメタリック、シルバーメタリック等)、自動車外板塗装色(例えばメタリック、白パール、パールマイカ、ソリッド等の塗装色)、模様、ロゴ、絵柄などの形状印刷もしくはデジタルプリントを付与しうる層やコーティング、フィルム等である。金属蒸着層なども外観付与層の範疇に含まれる。
本発明の装飾層形成フィルムは、そのトップコート層の裏面側にさらに接着層を有することができる。接着層は、単独で使用されていてもよく、さもなければその上を離型紙(リリースライナー)で覆われていてもよい。接着層は、任意の接着剤からなることができる。接着層は、透明であることが好ましいが、場合によっては、半透明や不透明であってもよい。適当な接着剤は、例えば、ポリウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤、オレフィン系接着剤、アクリル系接着剤、塩化ビニル系接着剤などである。接着層の厚さは、トップコート層とそれに接合されるべき層あるいはフィルム間に要求される接着強度などに応じて広く変更することができるが、通常、5〜500μmの範囲である。
本発明の装飾層形成フィルムの場合、熱可塑性樹脂からなる物品の表面を被覆した形で使用することが推奨される。このような使用形態において、熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂の溶融物を成型の間もしくは成形して冷却固化した状態で、装飾層形成フィルムを接着させることができる。適当な熱可塑性樹脂は、以下に列挙するものに限定されるわけではないが、TPO、ABS、PE、PVC、PCR、PUR、PMMAなどを包含する。
熱可塑性樹脂の溶融物を成形するに当たっては、任意の成形法を使用することができるが、なかんずく、射出成形法、例えばフィルム一体射出成形法等、ブロー成形法、例えばフィルム一体ブロー成形法等、押出し成形法、例えばフィルム共押出し成形法等が好適である。
いずれの成形法も、常用の手法で実施できる。例えば射出成形法は、装飾層形成フィルムを射出成形用の金型に、その装飾層形成フィルムの表面を金型の内壁に当接させた状態で固定した後、成形用の樹脂を金型に射出し、硬化させる。装飾層形成フィルムを表面に備えた樹脂成形品が得られる。
また、ブロー成形法は、例えば、押出し機により押出されたパリソンを金型で挟み、空気圧で膨張させることによって金型の形状に追従させて成形する。金型の内壁には、装飾層形成フィルムを予め固定しておく。冷却固化すると、装飾層形成フィルムを表面に備えた樹脂成形品が得られる。
さらに、押出し成形法は、例えば、目的とする樹脂成形品に対応するプロファイルを備えた金型の内壁に装飾層形成フィルムを予め固定した後、一定幅のモールディング用樹脂を押出し成形し、続けて切断、曲げ加工などを行う。装飾層形成フィルムを表面に備えた樹脂成形品が得られる。
別の好ましい態様において、本発明の装飾層形成フィルムでは、反応硬化型樹脂からなる物品の表面を被覆した形で使用することができる。この態様の場合には、液状の反応硬化型樹脂を成型の間もしくは成型の後に反応硬化した状態で、装飾層形成フィルムを接着させることができる。この方法によっても、樹脂成形品からなる装飾物品を破れやシワなどの欠陥をともなうことなく、簡単に、歩留まりよく製造することができる。
本発明の装飾層形成フィルムは、すでに説明したように、各種の物品を製造するために有利に使用することができるが、なかんずく、成形用樹脂とともに一体成形して物品の表面領域に装飾層形成フィルムを備えた装飾物品を製造するために有利に使用することができる。換言すると、本発明によれば、本発明の装飾層形成フィルムで物品の表面領域の少なくとも一部を被覆したことを特徴とする装飾物品とその製造方法が提供される。装飾層形成フィルムは、もちろん、物品の全体を覆っていてもよい。なお、本発明の実施において、装飾層形成フィルムは、物品の表面をそのままの状態で被覆するのではなくて、装飾層形成フィルムの少なくとも一部について、意図的に延伸された状態で適用されてもよい。装飾層形成フィルムの延伸の程度は、好ましくは、積層前の面積との比で50%以上である。延伸された装飾層形成フィルムを使用することで、材料費の節減を図ることができる。
本発明の装飾物品において、装飾層形成フィルムによって装飾されるべき物品は、特に限定されるものではないが、好ましくは、上記したように、樹脂成形品である。また、樹脂成形品において、その樹脂の種類は特に限定されるものではない。例えば樹脂成形品が自動車の外装部品である場合、その樹脂成形品は、特にオレフィン系樹脂、例えばポリプロピレン樹脂などからなるのが好ましい。オレフィン系樹脂は、成形性や加工性が良好であるばかりでなく、衝撃吸収性などにも優れているからである。もちろん、必要に応じて、オレフィン系樹脂以外の樹脂材料あるいはその他の材料を用いて成形を実施してもよい。
また、本発明の装飾物品は、もう1つの好ましい態様において、装飾されるべき物品を金属板から形成することができる。金属板は、例えば、ステンレス鋼板や鉄板、銅板、アルミニウム板等の任意の金属板であることができる。
本発明の装飾物品は、本発明の装飾層形成フィルムを使用していろいろな手法によって製造することができるが、特に物品が金属板である場合、金属板及び装飾層形成フィルムのいずれか一方に反応硬化型の接着剤、すなわち2液型の接着剤を塗布した後、その接着剤が未硬化の状態で他方のものを積層することが推奨される。2液型の接着剤は、例えばポリウレタン系の2液型接着剤などであり、特に限定されるものではない。
また、別法によれば、装飾物品は、金属板及び装飾層形成フィルムのいずれか一方に感熱型の接着剤を塗布した後、その接着剤が未硬化の状態で他方のものを高温条件下で積層することによって製造することもできる。感熱型の接着剤は、例えばポリウレタン系、ポリエステル系などの接着剤であり、特に限定されるものではない。
物品が金属板である場合、金属板は、特に限定されないが、表面処理された金属板であることが好ましい。上記したようなステンレス鋼板がとりわけ有用である。また、金属板は、それに装飾層形成フィルムを被覆した後、そのまま使用してもよいが、好ましいことに、さらに立体形状に加工して使用することができる。金属板の加工は、プレスフォーミング、ロールフォーミング、折り曲げなどによって有利に行うことができる。例えばプレスフォーミングは、予め表面に装飾層形成フィルムをラミネートした金属板をプレス金型の雌型に配置した後、金属板の装飾層形成フィルム表面に雄型を押し込んで金属板を塑性変形させる方法である。また、ロールフォーミングは、チューブミルとも呼ばれるロールフォーミングマシンを使用して実施できる。例えば、マシンに備わった複数のロールを使用して平板状の金属板を順次加工し、チューブの形態に加工することができる。また、折り曲げは、金属板の一部を固定しておき、固定されない部分について金型を当てるかもしくは手作業の打撃により固定部/非固定部の境界を起点に任意の角度に折り曲げてゆくことで実施できる。得られる装飾物品は、その装飾層形成フィルムにおいてシワの発生や剥がれが生じることもない。
引き続いて、本発明をその実施例を参照して説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
〔装飾層形成フィルムの構成層及びその形成〕
装飾層形成フィルムの構成層をそれぞれ、下記の材料を使用して、下記の手順にしたがって形成した。
トップコート層
(成膜材料)
カプロラクトンジオール:プラクセル205H(平均分子量530;ダイセル化学社製;略称P205H)
カプロラクトンジオール:プラクセル205(平均分子量530;ダイセル化学社製;略称P205)
カプロラクトンジオール:プラクセル208(平均分子量850;ダイセル化学社製;略称P208)
カプロラクトンジオール:プラクセル210(平均分子量1000;ダイセル化学社製;略称P210)
カプロラクトンジオール:プラクセル212(平均分子量1250;ダイセル化学社製;略称P212とする)
カプロラクトンジオール:プラクセル220(平均分子量2000;ダイセル化学社製;略称P220)
ポリカーボネートジオール:ニッポラン983(平均分子量1000;日本ポリウレタン社製;略称N983)
アクリルポリオール:A575(住友バイエル社製;略称A575)
硬化剤:IPDIイソシアヌレート体(Z4470;住友バイエル社製;略称Z4470)
硬化剤:IPDIアダクト体(D−140N;武田薬品工業社製;略称D−140N)
硬化剤:HDIイソシアヌレート体(N3300;住友バイエル社製;略称N3300)
溶剤:酢酸ブチル(BA)
触媒:ジブチル錫ジラウレート(DBTDL)
光安定剤:チヌピン(Tinuvin)292(チバ−ガイギー社製;略称T292)
紫外線吸収剤:チヌピン(Tinuvin)1130(チバ−ガイギー社製;略称T1130)
(成膜方法)
上記の材料を下記の第1表に記載の量(配合重量比)で配合して、合計13種類のトップコート溶液TCS1〜TCS13を調製した。なお、第1表には、それぞれのトップコート溶液の調製に使用したジオール類の平均分子量も併記する。
Figure 0005112646
それぞれのトップコート溶液を2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム#80;80μm厚)上にバーコートし、80℃の熱風オーブンに入れ、3〜7分間にわたって加熱して乾燥させ、最終膜厚を約50μmとした。溶剤分は乾燥したが、2液型ポリウレタンとしては未硬化で接着性がある状態のポリウレタン塗膜が得られた。このポリウレタン塗膜は、キャリヤフィルム(次の項で説明)をラミネートした状態で、常温で3日間放置して硬化させると、最終的にはポリウレタントップコート層(50μm厚)となる。
キャリヤフィルム
下記の第2表に記載するような特性を有する2軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムをキャリヤフィルムとして使用した:
T60#4:PETフィルム(4μm厚;東レ社製)
T60#12:PETフィルム(12μm厚;東レ社製)
T60#25:PETフィルム(25μm厚;東レ社製)
T60#50:PETフィルム(50μm厚;東レ社製)
T60#75:PETフィルム(75μm厚;東レ社製)
T60#100:PETフィルム(100μm厚;東レ社製)
T60#125:PETフィルム(125μm厚;東レ社製)
T60#188:PETフィルム(188μm厚;東レ社製)
F865#16:易成形性PETフィルム(16μm厚;東レ社製)
FT3#25:易成形性PETフィルム(25μm厚;帝人デュポン社製)
FT3#50:易成形性PETフィルム(50μm厚;帝人デュポン社製)
FT7#50:易成形性PETフィルム(50μm厚;帝人デュポン社製)
U4#23:練り込みマットPETフィルム(23μm厚;帝人デュポン社製)
Figure 0005112646
中間層
(成膜材料)
シリコーン変性ポリエステル(UD−460; 100重量部
バイエル合成シリコーン社製)
ポリイソシアネート(Z4470;住友バイエル社製) 75重量部
(成膜方法)
上記の組成物を所定の部位(反応後にOPPフィルムを剥がしたトップコート層の表面)に塗布し、乾燥により硬化させた。約2μm厚。
金属蒸着膜
インジウム(In)を中間層に真空蒸着により堆積させた。約40nm厚。
接合層
(成膜材料)
ポリウレタン接着剤(ニッポラン3124;日本ポリウレタン社製) 100重量部
ポリイソシアネート(コロネートHL;日本ポリウレタン社製) 5重量部
(成膜方法)
上記の組成物を所定の部位(トップコート層、カラー層、パターンフィルム、金属蒸着膜、又は接着層の表面)に塗布し、80℃の熱風オーブン中に5分間入れて硬化させた。約15μm厚。得られた接合層に、別に用意したフィルムを積層した。
接着層
CPエ:無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム(100μm厚;東セロ社製;略称PP#100)。接合層に積層する側の面にコロナ処理を施してある。
PSZ975:ABSフィルム(100μm厚;信越ポリマー社製;略称ABS#100)
TUX HC:PEフィルム(100μm厚;東セロ社製;略称PE#100)。接合層に積層する側の面にコロナ処理を施してある。
SR P−40:PVCフィルム(150μm厚;龍田化学社製;略称PVC#150)
カラー層
(成膜材料)
ポリウレタン塗料(608HNカラー;日本油脂社製) 100重量部
ポリイソシアネート(Z4470;住友バイエル社製) 5重量部
(成膜方法)
上記の組成物を所定の部位(反応後にOPPフィルムを剥がしたトップコート層の表面)に塗布し、乾燥により硬化させた。塗色は、シルバー色(S)及びブルーメタリック色(BM)の2色とした。約30μm厚。
パターンフィルム
軟質PVCフィルム(150μm厚;龍田化学社製)にグラビア印刷で数μm厚のインクを形状印刷した。
〔供試サンプルの作製及び評価試験〕(その1)
図1〜図3に示す装飾層形成フィルムを成形樹脂と一体成形して、図6に示すような半球状装飾物品を作製した。装飾層形成フィルムの構成ならびに装飾物品の構成及び成形条件等は、下記の通りである。
装飾層形成フィルム
フィルム構成A(図1を参照):
装飾層形成フィルム10は、下から順に、接着層8、接合層6、カラー層5、トップコート層1、そしてキャリヤフィルム(PETフィルム)2を有している。
フィルム構成B(図2を参照):
装飾層形成フィルム10は、下から順に、接着層8、接合層6、パターンフィルム7、接合層6、トップコート層1、そしてキャリヤフィルム(PETフィルム)2を有している。
フィルム構成C(図3を参照):
装飾層形成フィルム10は、下から順に、接着層8、接合層6、金属蒸着層4、中間層3、トップコート層1、そしてキャリヤフィルム(PETフィルム)2を有している。
装飾物品
装飾物品は、図6に示すように、半球状装飾物品20である。半球状装飾物品20は、半球状に成形された被装飾物品(樹脂成形品)11と、その外面を覆って一体的に成形された本発明の装飾層形成フィルム10とからなる。なお、本例では、形状及び深さを異にする半球状装飾物品においても同じような作用効果が装飾層形成フィルムにおいて得られることを確認するため、下記の2種類の半球状装飾物品を作製した。
〔半球状装飾物品〕
(1)直径8cm×深さ4cm×肉厚約3〜4mm(以下、「半球」と略称する)
(2)直径9cm×深さ2.5cm×肉厚約3〜4mm(以下、「0.3球」と略称する)
成形材料
被装飾物品の作製のため、次のような樹脂を成形材料として使用した。
(1)TPО樹脂
熱可塑性オレフィン樹脂(商品名「サーモラン5800B」、三菱樹脂社製;TPOと略称する)
(2)ABS樹脂
アクリロニトリルブタジェンスチレン共重合体(商品名「TECHNO ABS130」、テクノポリマー社製;ABSと略称する)
(3)PE樹脂
ポリエチレン樹脂(商品名「ノバテックHD HJ371」、日本ポリエチレン社製;PEと略称する)
(4)ポリウレタン樹脂
固形分100%の2液反応型ポリウレタン接着剤(タケライト6323A/6323B(体積比で1:1;武田薬品工業社製;PURと略称する)
(成形条件)
下記の第3表に示すような成形条件下で、それぞれの装飾層形成フィルム(キャリヤフィルムを有するトップコート層)と成形用樹脂を射出成形機と金型を使用して一体的に射出成形した。まず、キャビティ側金型の開口部面に装飾層形成フィルムを、その装飾層形成フィルムの接着層がコア側になるように固定した。装飾層形成フィルムの固定下、コア側金型を閉じて、成形用樹脂(高温溶融TPО、ABS又はPE樹脂)を充填し、冷却した。装飾層形成フィルムと一体化した約3mm厚の樹脂成形品が得られた。
一方、成形用樹脂としてPUR樹脂を使用した場合には、平滑面のコア側金型を使用して未反応の2液反応性PUR(液体)を常温で充填し、金型内のPURを常温で反応硬化させた。このRIM(Reaction Injection Molding)成形の結果、キャビティ内に樹脂が詰まった中実の樹脂成形品が得られた。
ここで、下記の第3表の各欄において説明の簡略化のために使用した用語等について説明する。「例番号」の欄において、E1,E2,E3…は実施例1,2,3…を、C1,C2…は比較例1,2…を、R1−1,R1−2…は参考例1−1,1−2…を、それぞれ表す。「装飾層形成フィルム」の欄において、「構造」欄のA、B及びCは、それぞれ、図1〜図3のフィルム構成A、B及びCを表す。また、「CF」欄の略語はキャリヤフィルムを表し、「TC」欄の略語はトップコート層の調製に用いられたトップコート溶液を表す。さらに、「積層」欄は、トップコート層とキャリヤフィルムの積層方法を示したもので、Lはラミネートを、Cはコーティング(直接塗布)を、それぞれ表す。「意匠層」欄は、意匠性を出すために用いられたカラー層等の色調を示したもので、SVはシルバー色を、BMはブルーメタリック色を、WDは木目柄を、GSは緑色石模様を、MMは乳白マーブル調を、PLはめっき調を、LGは低光沢金属調を、それぞれ表す。
〔評価試験〕
評価試験1:
得られた樹脂成形品について、成形性、キャリヤフィルムの剥離性及び耐候性の3項目に関して下記の手順で評価試験を行った。
成形性:
得られた樹脂成形品において、表面に施した装飾層形成フィルムの状態を目視により観察した。「良好」は、装飾層形成フィルムに破れやクリアクラック等の不具合がなく、成形が良好に行われたことを示す。「破れ」は、フィルム破れの発生を示す。「ヒビ」は、クリアクラックの発生を示す。また、「シワ」は、フィルムが抜けてシワが発生したことを示す。
キャリヤフィルムの剥離性:
得られた樹脂成形品からキャリヤフィルムを剥離できるか否かを評価した。「良好」は、成形品からキャリヤフィルムを剥離できたことを示す。「不可」は、キャリヤフィルムを剥離できないことを示す。
耐候性:
得られた樹脂成形品(無作為に抽出した4種類のサンプル)からキャリヤフィルムを剥離した後、屋外2年間の暴露試験を実施した。成形品の外観を目視により観察し、クラック、光沢落ち、変色等の不具合が起きなかったものを「良好」とした。
それぞれの試験において得られた結果を下記の第3表に記載する。
Figure 0005112646
第3表に記載の試験結果から理解されるように、本発明の例では、成形時にフィルム破れやクラック等の欠陥が発生せず、金型の形状に追従して樹脂と装飾層形成フィルムを一体的に成形することができ、また、成形後、キャリヤフィルムを簡単に剥がすことができ、キャリヤフィルムを剥がした後のトップコート層の表面は良好な外観を示し、さらには、屋外暴露試験を行っても顕著な劣化を生じることもない。
評価試験2:
下記の第4表に記載の各例において、上記した手法に従ってポリウレタン塗膜を調製した(出発物質として使用したトップコート溶液の組成については、第1表に記載の組成を参照されたい)。次いで、それぞれのポリウレタン塗膜について、屋外暴露1年後の光沢保持率(%)及び色差(ΔE)ならびに20℃及び80℃における破断時伸び率(%)を下記の手順に従って測定した。
光沢保持率及び色差:
カラー層を形成するため、下記の組成のカラー溶液を調製した。
TX−6013ホワイト 100重量%
(ウレタン系塗料;日本油脂BASFコーティング社製)
デスモデュールZ4470 10重量%
(IPDI3量体;住友バイエルウレタン社製)
このカラー溶液を2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム#80;80μm厚)上にバーコートし。80℃の熱風オーブンに入れ、3〜7分間にわたって加熱して乾燥及び反応硬化させた。20μm厚の白色塗膜が得られた。次いで、各例のトップコート溶液を白色塗膜の上にバーコートし、上記と同様に80℃の熱風オーブンに入れ、3〜7分間にわたって加熱して乾燥させた。25μm厚のポリウレタン塗膜が得られた。
一方、下記の組成の感圧接着剤溶液を調製した。
SKダイン1310 100.0重量%
(アクリル系粘着剤;綜研化学社製)
コロネートL45 1.5重量%
(ポリイソシアネート系硬化剤;日本ポリウレタン社製)
この接着剤溶液を、シリコーン離型処理を施した120μm厚の2軸延伸PETライナーを膜厚35μmで塗布し、乾燥させた。次いで、先の工程で作製した白色塗膜(カラー層)/ポリウレタン塗膜からなる2層塗膜のカラー層側をPETライナーに積層した。ライナー付きの3層フィルムが得られた。
得られた3層フィルムからPETライナーを剥がし、その接着剤層を介してアルミニウム平板にラミネートした。得られた試験サンプルを南面35°、1年間の屋外暴露条件にさらした後、トップコート(TC)層を異にするそれぞれの試験サンプルの光沢保持率(%)及び色差(ΔE)を測定した。異なるTC層に関して、下記の第4表に記載のような測定結果が得られた。なお、実施例及び比較例の番号は、それぞれ、ポリウレタン塗膜の構成が同一であるので、上記第3表の例番号に対応している。また、光沢保持率の測定機器は、村上カラーリサーチラボ社製の「GMX−2003ポータブルグロスメーター」(商品名)であり、色差の測定機器は、データカラーインターナショナル社製の「SPECTRAFLASH SF600PLUS」(商品名)である。
破断時伸び率:
各例のトップコート溶液を2軸延伸ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム#80;80μm厚)上にバーコートし。80℃の熱風オーブンに入れ、3〜7分間にわたって加熱して乾燥及び反応硬化させた。50μm厚のポリウレタン塗膜が得られた。
次いで、それぞれのポリウレタン塗膜から25mm幅の試験サンプルを作製した。それぞれの試験サンプルを掴み間隔100mm及び引張り速度200mm/分の条件でテンシロン型引張り試験機(熱風オーブン付き)にセットして、20℃雰囲気及び80℃雰囲気における破断時伸び率(破断伸度ともいう)を測定した。下記の第4表に記載のような測定結果が得られた。
Figure 0005112646
第4表に記載の試験結果から理解されるように、本発明の例では、優れた耐候性が得られるため、光沢の低下や色変化が発生することがなく、よって、得られる装飾層形成フィルムを外装目的で有利に使用することができる。また、常温(20℃)から高温(80℃)にわたって高い破断時伸び率が得られるので、フィルムの破れやシワが発生することがない。
〔供試サンプルの作製及び評価試験〕(その2)
装飾層形成フィルムをステンレス鋼板からなる基板に感熱接着剤を用いて積層した後、得られたラミネート鋼板をプレス成形して、図6に示すような半球状装飾物品を作製した。装飾層形成フィルムの構成ならびに装飾物品の構成及び成形条件等は、下記の通りである。
装飾層形成フィルム
フィルム構成A:
図1を参照して先に説明した通りである。
フィルム構成D(図4を参照):
装飾層形成フィルム10は、下から順に、接着層8、カラー層5、トップコート層1、そしてキャリヤフィルム(PETフィルム)2を有している。
フィルム構成E(図5を参照):
装飾層形成フィルム10は、下から順に、カラー層5、トップコート層1、そしてキャリヤフィルム(PETフィルム)2を有している。
装飾物品
装飾物品は、図6に示すように、半球状装飾物品20である。半球状装飾物品20は、半球状に成形された被装飾物品(ステンレス鋼板)11と、その外面を覆って一体的に成形された本発明の装飾層形成フィルム10とからなる。被装飾物品11と装飾層形成フィルム10の間には、図示しないが、接着層を介在させる場合もある。半球状装飾物品の構成及び成形条件は、下記の通りである。
〔半球状装飾物品〕
(3)直径5.5cm×深さ1.5cm×肉厚0.5mm(+0.01〜20μm、下塗りがあるとき)(以下、「小0.3球」と略称する)
基板(ステンレス鋼板)
被装飾物品の作製のため、次のようなステンレス鋼板を基板として使用した。
(1)SUS430BA(0.5mm厚;以下、「430」と略称する)
(2)SUS304(0.5mm厚;以下、「304」と略称する)
(3)0.5mm厚のSUS430BAに予め下塗り塗料(KBS−17;コニシ社製)を膜厚1μm以下で塗布し焼付けて下塗り塗膜を形成したもの(以下、「430+KBS」と略称する)
(4)0.5mm厚のSUS430BAに予め下塗り塗料(Y−1104B;横浜ゴム社製)を膜厚1μm以下で塗布し焼付けて下塗り塗膜を形成したもの(以下、「430+Y」と略称する)
(5)0.5mm厚のSUS430BAに予め下塗り塗料(A−1100;日本ユニカー社製)を膜厚1μm以下で塗布し焼付けて下塗り塗膜を形成したもの(以下、「430+A」と略称する)
(6)0.5mm厚のSUS430BAに予めポリウレタン樹脂(Desmocoll530;バイエル社製)を膜厚15μmで塗布焼付けて下塗り塗膜を形成したもの(以下、「430+PUR」と略称する)
感熱接着剤
装飾層形成フィルムをステンレス鋼板に積層するため、次のような感熱接着剤を使用した。
(1)感熱PUR接着剤
ポリウレタン樹脂(Desmocoll530;バイエル社製)の溶液を膜厚15μmで塗布し乾燥して接着層を形成したもの(以下、「PUR」と略称する)。
(2)感熱PE接着剤
ポリエステル樹脂(エリテール3500;ユニチカ社製)の溶液を膜厚20μmで塗布し乾燥して接着層を形成したもの(以下、「PE」と略称する)。
(3)2液PUR接着剤
100重量部のポリウレタン接着剤(ニッポラン3124;日本ポリウレタン社製)と5重量部のポリイソシアネート(コロネートHL;日本ポリウレタン社製)を装飾層形成フィルム又はステンレス鋼板に約15μm厚で塗布し、80℃の熱風オーブン中に5分間入れて硬化させた。得られた接着層に相手方(ステンレス鋼板又は装飾層形成フィルム)を積層した((以下、「2液PUR」と略称する)。
(成形条件)
下記の第5表に記載の金属板(ステンレス鋼板)を用意した。金属板を約200℃に加熱した後、それぞれの金属板に対して下記の第5表に記載の装飾層形成フィルムを積層し、ラミネートした。なお、実施例35では、金属板に2液PUR接着剤を塗布して装飾層形成フィルムをラミネートし、一方、実施例36では、2液PUR接着剤を塗布した後の装飾層形成フィルムを金属板にラミネートした。装飾層形成フィルム付きの金属板が得られた。次いで、それぞれの金属板をプレスフォーミングして、浅絞りの成形体である小0.3球を成形した。
〔評価試験〕
得られた小0.3球について、成形性及びキャリヤフィルムの剥離性を上記の手順で評価したところ、下記の第3表に記載する評価結果が得られた。
次いで、得られた小0.3球の耐熱性を次のような手順で評価した。
耐熱性:
小0.3球からキャリヤフィルムを剥離した後、80℃の高温で168時間にわたって保持した。小0.3球表面の装飾層形成フィルムの外観を目視により観察し、クラック、光沢落ち、変色等の不具合が起きなかったものを「良好」とした。得られた観察結果を下記の第5表に記載する。
Figure 0005112646
第5表に記載の試験結果から理解されるように、本発明の装飾層形成フィルムは金属板に対しても良好にラミネートすることができ、また、優れた耐候性及び耐熱性を有しているので、外装目的で有利に使用することができる。また、加工中の装飾層形成フィルムに破れやシワが発生することがない。
実施例で使用した第1の装飾層形成フィルムの断面図である。 実施例で使用した第2の装飾層形成フィルムの断面図である。 実施例で使用した第3の装飾層形成フィルムの断面図である。 実施例で使用した第4の装飾層形成フィルムの断面図である。 実施例で使用した第5の装飾層形成フィルムの断面図である。 実施例で作製した装飾物品の一例を示した断面図である。
符号の説明
1 トップコート層
2 キャリヤフィルム
3 中間層
4 金属蒸着膜
5 カラー層
6 接合層
7 パターンフィルム
8 接着層
10 装飾層形成フィルム
11 被装飾物品
20 装飾物品

Claims (9)

  1. ポリウレタン樹脂からなるトップコート層と、前記トップコート層の表面側に設けられたキャリヤフィルムとを有する装飾層形成フィルムであって、
    前記ポリウレタン樹脂は、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体ポリエステルポリオールとを、イソシアネート/ポリオール当量比を1.1で含むポリウレタン樹脂組成物からなり、
    前記ポリエステルポリオールは、平均分子量が700以下であるカプロラクトンジオールとポリカーボネートジオールとを1:9〜9:1の当量比で含む混合物であり、その平均分子量が1000以下であり、
    前記キャリヤフィルムは、20℃における破断伸度が147%以上で、前記トップコート層において前記ポリウレタン樹脂組成物が反応途中であり、かつ接着性を発現した状態において前記トップコート層に直接に積層されたものであることを特徴とする装飾層形成フィルム。
  2. 前記キャリヤフィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであり、20℃における70%延伸時引張り強度が25〜800N/45mmであることを特徴とする請求項に記載の装飾層形成フィルム。
  3. 成形材料とともに一体成形して物品の表面領域に装飾層を備えた装飾物品を製造するために使用されることを特徴とする請求項1または2に記載の装飾層形成フィルム。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の装飾層形成フィルムで物品の表面領域の少なくとも一部を被覆した状態で前記キャリヤフィルムが取り除かれ、トップコート層の表面が露出されたことを特徴とする装飾物品。
  5. 前記物品は反応硬化型樹脂であり、前記反応硬化型樹脂は、液状の反応硬化型樹脂を成型の間もしくは成型の後に反応硬化した状態で装飾層形成フィルムに接着させたものであることを特徴とする請求項に記載の装飾物品。
  6. 前記物品は熱可塑性樹脂であり、前記熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂の溶融物を成型の間もしくは成形して冷却固化した状態で装飾層形成フィルムに接着させたものであることを特徴とする請求項に記載の装飾物品。
  7. 前記物品は金属板であり、該金属板及び前記装飾層形成フィルムのいずれか一方に反応硬化型の接着剤を塗布した後、その接着剤が未硬化の状態で他方のものを積層したこと、もしくは、該金属板及び前記装飾層形成フィルムのいずれか一方に予め感熱型の接着剤を塗布しておいて、高温下で他方のものを積層したことを特徴とする請求項に記載の装飾物品。
  8. プレスフォーミング成型、ロールフォーミング成型又は折り曲げ成型により立体形状に加工された請求項に記載の装飾物品。
  9. 装飾層形成フィルムで物品の表面領域の少なくとも一部を被覆した装飾物品を製造する方法であって、
    請求項1〜のいずれか1項に記載の装飾層形成フィルムを用意することと、
    前記物品の表面に前記装飾層形成フィルムを積層することと、
    得られた積層体から前記キャリヤフィルムを剥離することと
    を含んでなることを特徴とする装飾物品の製造方法。
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