以下、図面を参照して本発明に係る情報配信サーバ、情報配信システム及び情報配信方法の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明においては同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1に、本実施形態に係る情報配信システムの概略を示す。本実施形態に係る情報配信システム10は、図1に示すように、携帯電話などによって構成される移動通信端末14と、ユーザの履歴情報などに応じて定められている配信情報を配信する情報配信サーバ12により構成されている。図1においては、情報配信サーバ12は、履歴格納部22、履歴マッチルール管理テーブル21b、配信情報格納部23を含んで構成されている。なお、図1における情報配信サーバ12は概略構成を示したものである。
情報配信サーバ12は、移動体通信網NWを介して通信端末14から履歴情報を受信すると、これを履歴格納部22に記憶する。そして、履歴格納部22に記憶されている履歴情報、履歴マッチルール管理テーブル21bに記憶されている履歴とタスクモデルとの間に適宜設定されるマッチルールに基づいて、移動通信端末14のユーザがどのような行動状態(タスクモデル)にあったかを判断する指標となる「タスクモデル信頼度」を算出する。
また、情報配信サーバ12は、通信端末14からコンテンツ配信要求を受信すると、タスクモデル信頼度と、配信情報格納部23に記憶されているコンテンツ利用履歴などに基づいて、ユーザにどのコンテンツを配信すべきかを判断する指標となる「コンテンツ優先度」を算出する。そして、情報配信サーバ12は、コンテンツ優先度に基づいて、配信情報格納部23に記憶されているコンテンツの中から最適なコンテンツを選択して移動通信端末14に配信する。
移動通信端末14では、受信したコンテンツをユーザに通知することで、ユーザは現在の行動状態や自分の嗜好にあった配信情報を受けることができる。
なお、本実施形態で用いる「履歴情報」とは、通信端末で行われた処理の処理
内容と処理時刻を含む情報のことをいい、具体的には、キーワード検索履歴、ウェブアクセス履歴、端末位置履歴、または購買履歴を含むものとする。
また、「タスクモデル」とは、移動通信端末14のユーザが取りうる行動をモデル化したものをいう。タスクモデルは、後述するタスクモデル管理テーブル21aに階層的に整理されて記憶されている。ある一のタスクモデルを基準とすれば、この一のタスクモデルが従属するタスクモデルは「親タスク」といい、反対に、この一のタスクモデルに従属するタスクモデルは「サブタスク」という。タスクモデルは、それぞれが親タスクやサブタスクと関連付けられて階層構造となっており、最上位のタスクモデルごとにグループ化されている。本実施形態では、この最上位のタスクモデルで定義された行動を「行動状態」と表している。
図2に、情報配信サーバ12および移動通信端末14の機能構成を示す。情報配信サーバ12は、タスクモデル格納部21、履歴格納部22、配信情報格納部23、履歴・要求受信部(取得手段)24、行動状態判別部(信頼度算出手段)25、コンテンツ利用実績算出部(利用実績算出手段)26、コンテンツ選択部(選択手段)、類似ユーザ判別部28、およびコンテンツ送信部(送信手段)29を含んで構成されている。また、タスクモデル格納部21は、タスクモデル管理テーブル21aおよび履歴マッチルール管理テーブル21bを含んで構成されており、履歴格納部22は、ユーザ履歴管理テーブル22a、コンテンツ利用履歴管理テーブル22b、およびタスクモデル推定履歴管理テーブル22cを含んで構成されており、配信情報格納部23はコンテンツ管理テーブル23aを含んで構成されている。
図3に、情報配信サーバ12のハードウェア構成を示す。情報配信サーバ12は、物理的には、図3に示すように、CPU121、主記憶装置であるRAM122およびROM123、ハードディスク等の補助記憶装置125、入力デバイスであるキーボード及びマウス等の入力装置126、ディスプレイ等の出力装置127、ネットワークカード等のデータ送受信デバイスである通信モジュール124などを含むコンピュータシステムとして構成されている。図2に示す情報配信サーバ12の各機能は、図3に示すCPU121、RAM122等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU121の制御のもとで通信モジュール124、入力装置126、出力装置127を動作させるとともに、RAM122や補助記憶装置125におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図2に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
タスクモデル格納部21は、タスクモデル管理テーブル21aおよび履歴マッチルール管理テーブル21bを備えている。
タスクモデル管理テーブル21aは、ユーザの行動を示すタスクモデルを階層的に記憶する部分である。図5、6にタスクモデル管理テーブル21aの一例を示す。図5,6に示すように、タスクモデル管理テーブル21aでは、1つのレコードとして、「タスク」、「方式」、「サブタスク」、「タスクID」および「親タスクID」のデータを対応付けて保持している。「タスク」は、当該タスクモデルの上位概念である親タスクの内容を示す情報である。「方式」は、「タスク」に含まれる各タスクモデルを分類する情報であり、親タスクの内容を細分化したものである。「サブタスク」は「タスク」に含まれる各タスクモデルの内容を示す情報である。「タスクID」は、「サブタスク」を一意に識別するための識別子である。「親タスクID」は、「タスク」を一意に識別するための識別子である。
タスクモデル管理テーブル21aには、タスクモデルと呼ぶユーザ行動のモデルが格納されている。タスクモデルは、「タスクID」で識別されるタスクノードを階層的に表現したものであり、階層構造は「親タスクID」を参照することにより表現される。例えば,図5の例において、タスクID“001−0002”のタスク“目的地までの行き方を調べる”は、親タスクID“001”を参照しており,参照先のタスク“国内出張する”を達成するためのサブタスクであることを示している。また、タスクID“001−0017”のタスク“目的地までの経路情報を調べる”、およびタスクID“001−0018”のタスク“目的地周辺の地図を入手する”の2つのタスクは、親タスクID“001−0002”を参照しており、参照先のタスク“目的地までの行き方を調べる”のサブタスクであることを示している。図5は、タスクモデル管理テーブル21aのうち、最上位のタスク“国内出張する”(ID:001)に属するタスクモデルに関する部分を表しており、図6は、最上位のタスク“飲み会・食事に参加する”(ID:002)に属するタスクモデルに関する部分である。本実施形態では、これらの最上位タスクを「行動状態」という。
履歴マッチルール管理テーブル21bは、ユーザの行動を示すタスクモデルと、通信端末において処理可能な処理内容とが対応付けられたマッチルールと、このマッチルールのタスクモデルが属する行動状態(最上位タスク)における重要性を示す推定確度とを記憶する部分である。図7、8に履歴マッチルール管理テーブル21bの一例を示す。図7は、タスクID“001”に属するタスクモデルに関するものであり、図8は、タスクID“002”に属するタスクモデルに関するものである。
図7、8に示すように、履歴マッチルール管理テーブル21bでは、1つのレコードとして、履歴マッチルールの各要素の「タスクID」、「処理内容」および「推定確度」のデータを対応付けて保持している。「タスクID」は、上述したタスクモデル管理テーブル21aのタスクIDと同一の情報である。「処理内容」は、タスクモデルと関連付けられる通信端末14における処理内容の種別に関する情報である。「推定確度」は、同一レコードのタスクモデルと処理内容との関係の重要性を示す情報である。
すなわち、履歴マッチルール管理テーブル21bの1レコードは、移動通信端末14で実行された処理内容に基づきどのタスクモデルが実行されたかが、その推定確度とともに履歴マッチルールとして定義されている。例えば、タスクID“001―0001”のタスク“出張申請する(国内出張する)”は、処理内容“apps:”出張申請””に関連付けられており、これらの関係に対する推定確度は“0.6”である。なお、履歴マッチルール管理テーブル21bにおいて、タスクモデルと処理内容との組み合わせや、推定確度の数値の付与などの工程は、例えば情報配信サーバ12の管理者によって、過去の傾向を考慮して事前に設定される。
ここで、「処理内容」は、ユーザ行動(処理)の種別を表現する行動識別子と値のペアにより記述される。本実施形態においては、アプリケーション固有の行動を示す識別子“apps”、情報検索行動を示す“search”、物品購入行動を示す“buy”、予約行動を示す“reserve”、特定の場所への移動を示す“move”、の5つの行動識別子が用いられる。
例えば、出張申請機能を有するアプリケーションから「出張申請」が実行されたことを示す履歴が通知された場合、履歴マッチルールに含まれるルール「apps:”出張申請”」とマッチする。同様に、検索エンジンやWebのポータルサイトにおいて、「天気情報」を閲覧した履歴が通知された場合、履歴マッチルールに含まれるルール「search:”天気情報”」とマッチする。
履歴格納部22は、ユーザ履歴管理テーブル22a、コンテンツ利用履歴管理テーブル22bおよびタスクモデル推定履歴管理テーブル22cを備えている。
ユーザ履歴管理テーブル22aは、移動通信端末14において行われた処理の処理内容を、この処理の処理時刻とともに履歴情報として記憶する部分である。図9にユーザ履歴管理テーブル22aの一例を示す。図9に示すように、ユーザ履歴管理テーブル22aでは、1つのレコードとして、履歴情報の各要素の「ユーザID」、「処理内容」、「処理時刻」を対応付けて保持している。「ユーザID」は移動通信端末14のユーザを一意に識別するための識別子である。「処理内容」は、移動通信端末14において実行された処理(行動)の種別を表す情報である。「処理時刻」は、同一レコードの「処理内容」に示す処理が移動通信端末14で実行されたときの時間情報である。例えば、図9のユーザ履歴管理テーブル22aでは、ユーザID「0001」のユーザが「2007年3月16日 13:15」に処理内容「apps:”出張申請”」の処理を実行した履歴情報が記録される。
コンテンツ利用履歴管理テーブル22bは、コンテンツの利用履歴を、この利用履歴の利用時刻とともに記憶する部分である。図10にコンテンツ利用履歴管理テーブル22bの一例を示す。図10に示すとおり、コンテンツ利用履歴管理テーブル22bでは、1つのレコードとしてコンテンツ利用履歴の各要素の「ユーザID」、「利用コンテンツID」、「利用時刻」を対応付けて保持している。「ユーザID」は移動通信端末14のユーザを一意に識別するための識別子である。「利用コンテンツID」は、ユーザが移動通信端末14を介して利用したコンテンツの種別を表す識別子である。「利用時刻」は、同一レコードの「利用コンテンツID」に示すコンテンツが利用されたときの時間情報である。図10のコンテンツ利用履歴管理テーブル22bでは、例えば、ユーザID“001”のユーザがコンテンツID“CIC002”のコンテンツを利用時刻“2007年3月16日14:10”に利用したコンテンツ利用履歴が記録されている。
タスクモデル推定履歴管理テーブル22cは、後述する行動状態判別部25により算出された「タスクモデル信頼度」を所定の時間区分ごとに記憶する部分である。本実施形態では、「所定の時間区分」とは「1日」である。すなわち、「3月16日」や「3月17日」のように日毎にタスクモデル信頼度が算出される。図11にタスクモデル推定履歴管理テーブル22cの一例を示す。図11に示すように、タスクモデル推定履歴管理テーブル22cでは、1つのレコードとして、「ユーザID」、「タスクID」、「タスクモデル信頼度」を対応付けて保持している。「タスクモデル信頼度」は、本実施形態では1日単位に定められており、図11では「3月16日」、「3月17日」、「3月18日」の3日分にわたり、1日ごとのタスクモデル信頼度が記憶されている。例えば、ユーザ“0001”のタスク“001”に関するタスクモデル信頼度は、3月16日は0.6であり、3月17日は0.5であり、3月18日は0.3である。なお、タスクモデル信頼度の「時間区分」は、3時間、6時間などの1日より短い区分でも良く、3日や1週間など1日より長い区分でも良い。
配信情報格納部23は、コンテンツ管理テーブル23aを備えている。コンテンツ管理テーブル23aは、コンテンツの内容を示す情報を記憶する部分である。図12にコンテンツ管理テーブルの一例を示す。図12に示すように、コンテンツ管理テーブル23aでは、1つのレコードとして、「コンテンツID」および「コンテンツ内容」を対応付けて保持している。「コンテンツID」は、コンテンツを一意に識別するための識別子である。「コンテンツ内容」は、同一レコードのコンテンツの具体的内容を示す情報である。図11では、コンテンツID“CID001”が付されたコンテンツの内容として“出張の手続き”が定義されており、コンテンツID“CID005”のコンテンツの内容として“天気情報”が定義されている。なお、「コンテンツ内容」は、Web上の情報のアドレスを示すURLが記録される形式でも良い。
履歴・要求受信部24は、移動通信端末14から履歴情報を受信する部分である。履歴・要求受信部24は、履歴情報を受信すると、この履歴情報をユーザ履歴管理テーブルに記録すると共に、行動状態判別部25に対して、新たな履歴情報を受信した旨を通知する。
また、履歴・要求受信部24は、コンテンツを移動通信端末14に配信する要求であるコンテンツ配信要求を受信する部分でもある。履歴・要求受信部24は、コンテンツ配信要求を受信すると、コンテンツ利用実績算出部26にこの要求を送る。
行動状態判別部25は、ユーザ履歴管理テーブル22aに記録されている履歴情報に基づいて、移動通信端末14のユーザがどのような行動状態(タスクモデル)にあったかを判断する指標である「タスクモデル信頼度」を算出する部分である。具体的には、行動状態判別部25は、履歴・要求受信部24から、移動通信端末14の履歴情報を新たに受信したことを通知されると、ユーザ履歴管理テーブル22aから履歴情報を読み出す。この履歴情報に基づいて、履歴マッチルール管理テーブルから当該履歴情報に関連付けられたタスクモデルおよび推定確度を抽出する。そして、選択されたタスクモデルの属する最上位のタスクごとにこれらのタスクモデルに関する推定確度を合計して、この合計値をタスクモデル信頼度として算出する。これらの算出されたタスクモデル信頼度はタスクモデル推定履歴管理テーブル22cに追加される。
行動状態判別部25の処理について、図5〜9、11の各テーブルを参照して具体的に説明する。なお、以降の説明では、3月18日の11:00以降に行われたものとする。すなわち、図9のユーザ履歴管理テーブル22aには、ユーザID“0001”、処理内容“apps:”出張申請””、日時“2007年3月16日13:15”のレコードから、ユーザID“0001”、処理内容“buy:”電車チケット””、日時“2007年3月18日10:15”のレコードまでの上位6個のレコードのみが記録されている状態である。
行動状態判別部25は、ユーザ履歴管理テーブル22aから所定期間分の履歴情報を読み出す。本実施形態では、「所定期間」は日単位で定められており例えば3日分であるが、ここでは3月18日の1日分に限定して説明する。具体的には、図9のユーザ履歴管理テーブル22aから処理内容“search:”電車時刻表””、“move:”場所””、“buy:”電車チケット””の履歴情報が3月18日分の履歴情報として読み出される。
次に、履歴マッチルール管理テーブル21bを参照して、読み出した履歴情報が含まれるマッチルールを抽出し、このマッチルールで当該履歴情報に関連付けられるタスクモデルと推定確度を選択する。図5〜8を参照すると、処理内容“search:”電車時刻表””は、タスクID“001−0019”のタスク“電車の時刻表を調べる(国内出張する)”に関連付けられており、このマッチルールの推定確度は“0.2”である。処理内容“move:”場所””は、タスクID“001−0008”のタスク“出張先へ行く(国内出張する)”と、タスクID“002−0009”のタスク“お店に行く(飲み会・食事に参加する)”とに関連付けられており、これらのマッチルールの推定確度はそれぞれ“0.1”である。処理内容“buy:”電車チケット””は、タスクID“001−0020”のタスク“切符を買う(国内出張する)”に関連付けられており、推定確度は“0.2”である。
そして、タスクモデルの最上位タスク、すなわち図7,8ではタスクID“001”のタスク“国内出張する”と、タスクID“002”のタスク“飲み会・食事に参加する”のそれぞれにおいて、抽出したマッチルールの推定確度を合計して当該タスクモデルの信頼度として算出する。図7、8の例では、タスクID“001−0019”のタスク“電車の時刻表を調べる(国内出張する)”の推定確度“0.2”と、タスクID“001−0008”のタスク“出張先へ行く(国内出張する)”の推定確度“0.1”と、タスクID“001−0020”のタスク“切符を買う(国内出張する)”の推定確度“0.2”とが合計されて、タスクID“001”のタスク“国内出張する”のタスクモデル信頼度“0.5”が算出される。また、タスクID“002−0009”のタスク“お店に行く(飲み会・食事に参加する)”の推定確度“0.1”から、タスクID“002”のタスク“飲み会・食事に参加する”のタスクモデル信頼度“0.1”が算出される。
このように、「タスクモデル信頼度」とは、個々のタスクモデルの信頼度ではなく、最上位タスクで定義される行動状態の信頼度として取りまとめられる。また、処理の時間区分(本実施形態では1日単位)ごとに、どの行動状態が生じていたかを判断する指標であり、タスクモデル信頼度が大きいほど、該当する行動状態がその日に生じていた可能性が高い。
なお、タスクモデル信頼度の算出において、一の履歴情報が、同一のタスクグループ内の複数のタスクモデルに関連付けられている場合には、これらの推定確度も合算する。例えば、図9において、3月17日に行われた処理内容“search:”地図””は、図7を参照すると、最上位タスク“国内出張する”(ID:001)に含まれるタスクID“001−0018”のタスク“目的地周辺の地図を入手する(目的地までの行き方を調べる(国内出張する))”と、タスクID“001−0027”のタスク“目的地周辺の地図を入手する(目的地からの帰り方を調べる(国内出張する))”とに関連付けられている。これらのタスクは同時に起こりえないが、それぞれの推定確度0.2と、“search:”天気情報””の推定確度0.1とが合計されて、3月17日分のタスク001のタスクモデル信頼度“0.5”が算出される。
算出されたタスクモデル信頼度は、タスクモデル推定履歴管理テーブル22cに記録される。図11の例では、タスクID“001”の3月18日分のタスクモデル信頼度として、“0.5”が記録され、タスクID“002”の3月18日分のタスクモデル信頼度として、“0.1”が記録される。
コンテンツ利用実績算出部26は、コンテンツ利用履歴管理テーブル22bのコンテンツ利用履歴と、タスクモデル推定履歴管理テーブルのタスクモデル信頼度とに基づいて、行動状態ごとに各コンテンツが利用された度合いを示す「コンテンツ利用実績」を算出する部分である。
具体的には、履歴・要求受信部24によりコンテンツの配信を要求するコンテンツ配信要求が移動通信端末14から受信されると、コンテンツ利用履歴管理テーブル22bからコンテンツの利用履歴を読み出し、タスクモデル推定履歴管理テーブル22cから最上位タスクおよび時間区分ごとのタスクモデル信頼度を読み出す。コンテンツの利用履歴に基づいて、コンテンツが利用された時間区分(日付)のタスクモデル信頼度を抽出し、時間区分数(本実施形態では3日分)の平均値を求め、この平均値を最上位タスク(行動状態)に関する当該コンテンツの利用実績として算出する。
コンテンツ利用実績算出部26の処理について、図10〜12を参照して具体的に説明する。コンテンツ利用実績算出部26は、履歴・要求受信部24により移動通信端末14からコンテンツ配信要求が受信されたことを通知されると、コンテンツ利用履歴管理テーブル22bから、所定期間内に利用されたコンテンツIDを抽出する。本実施形態では、移動通信端末14からコンテンツ配信要求がなされたのが3月19日であり、過去3日分のコンテンツ利用履歴を参照する。すなわち、コンテンツ利用履歴管理テーブル22bから、3月16日〜3月18日までに利用されたコンテンツIDが抽出される。図10に示す例では、この期間に利用されたコンテンツIDは、「CID002」、「CID003」、「CID005」の三種である。なお、これらのコンテンツの内容は、図12のコンテンツ管理テーブル23aを参照すると、それぞれ「地図サイト」、「経路案内ガイド」、「天気情報」である。以降、ここで抽出されたコンテンツについて、コンテンツ利用実績やコンテンツ優先度が算出され、これらのコンテンツの中から、移動通信端末14に配信すべきコンテンツが選択されることになる。
次に、図11のタスクモデル推定履歴管理テーブル22cを参照して、コンテンツの利用の有無に応じた各日の利用実績が定められる。具体的には、コンテンツが利用された日には、タスクモデル信頼度の値が当該日の利用実績の値となる。また、コンテンツが利用されない日には、当該日の利用実績の値は“0”となる。例えば、コンテンツ “地図サイト”(CID002)は、図10のコンテンツ利用履歴管理テーブル22bを参照すると、3月16日と3月17日に利用されている。図11のタスクモデル推定履歴管理テーブル22cより、それぞれの日のタスクモデル信頼度は、タスクID“001”の場合は“0.6”、“0.5”であり、これらの値が各日の利用実績となる。なお、コンテンツ “地図サイト”(CID002)は、3月18日には利用されていないので、この日の利用実績は“0”となる。
次に、各日の利用実績の3日分の平均をとり、この平均値をコンテンツ利用実績として算出する。例えば、タスクID“001”に関するコンテンツ“地図サイト”(CID002)の利用実績は、(0.6(3月16日の利用実績)+0.5(3月17日の利用実績)+0(3月18日の利用実績))/3(日数)≒0.37となる。他のコンテンツ“経路案内ガイド” (CID003)および“天気情報”(CID005)についても同様にコンテンツ利用実績を算出する。この計算を全ての最上位タスクについて行う。図11に示したタスク001〜003に関するコンテンツ利用実績は表1のようになる。
ここで、「コンテンツ利用実績」とは、最上位タスクで定義される行動状態(例えば「国内出張する」や「飲み会・食事に参加する」)のそれぞれの場合に、各コンテンツが過去に利用された度合いを示すものであり、「コンテンツ利用実績」が大きいほど、関連付けられた行動状態において該当コンテンツが利用された可能性が高いことを示す。このように算出されたコンテンツ利用実績のデータが、コンテンツ選択部27に送られる。
コンテンツ選択部27は、コンテンツ利用実績算出部26により算出されたコンテンツ利用実績と、現在のタスクモデル信頼度とに基づいて、行動状態(最上位タスク)ごとに「コンテンツ優先度」算出し、このコンテンツ優先度に基づいてコンテンツを選択する部分である。具体的には、コンテンツ選択部27は、ユーザ履歴管理テーブル22aから現在の時間区分の履歴情報を抽出し、これらの履歴情報に基づいて現在のタスクモデル信頼度を算出する。このタスクモデル信頼度に、コンテンツ利用実績算出部26により算出されたコンテンツ利用実績を乗じて、コンテンツ優先度を算出する。そして、このコンテンツ優先度にしたがって移動通信端末14に配信すべきコンテンツを選択する。
コンテンツ選択部27の処理について、図7〜9を参照して具体的に説明する。コンテンツ選択部27は、まず図9のユーザ履歴管理テーブル22aから、この処理が行われている日である3月19日に行われた処理内容“search:”出張申請””、“search:”電車時刻表””、“apps:”スケジューラ””を抽出する。次に、図7、8の履歴マッチルール管理テーブル21bを参照して、これらの処理内容が関連付けられたマッチルールの推定確度を抽出する。処理内容“search:”出張申請””は、タスクID“001−0001”に関連付けられており(推定確度0.6)、処理内容 “search:” 電車時刻表””は、タスクID“001−0019”に関連付けられており(推定確度0.2)、処理内容“apps:”スケジューラ””は、タスクID“002−0001”に関連付けられている(推定確度0.2)。次に、抽出された推定確度を最上位タスクごとに合算してタスクモデル信頼度を算出する。この例では、タスクID“001”に関するタスクモデル信頼度は0.6+0.2=0.8であり、タスクID“002”に関するタスクモデル信頼度は0.2である。
なお、単一の処理内容が同一の最上位タスク内の複数のマッチルールに該当した場合には、該当する推定確度を単純加算してタスクモデル信頼度を算出する。例えば、図5において処理内容「search : "移動ルート"」はタスクID「001−0017」とタスクID「001―0026」との両方にマッチするが、この場合には双方の推定確度(0.2)がタスクモデル信頼度にそれぞれ加算されるものとする。
次に、これらのタスクモデル信頼度を、それぞれの行動状態(最上位タスク)に関するコンテンツ利用実績に乗じて、コンテンツ優先度を算出する。例えば、タスクID“001”に関するコンテンツ利用実績のうち、コンテンツ “地図サイト”(CID002)のコンテンツ利用実績は0.37である。また、タスクID“001”に関するタスクモデル信頼度は0.8である。したがって、タスクID“001”に関するコンテンツ “地図サイト”(CID002)のコンテンツ優先度は、0.37(コンテンツ“地図サイト”(CID002)のコンテンツ利用実績)×0.8(タスクID“001”に関するタスクモデル信頼度)=0.296となる。同様に全ての最上位タスクについてコンテンツ信頼度が算出される。例えば、図11に示す最上位タスク001、002に関するコンテンツ優先度は、以下の表2のようになる。
コンテンツ選択部27は、全ての最上位タスクにおいて、各コンテンツのコンテンツ優先度を算出した後に、コンテンツ優先度に従ってコンテンツを選択して、このコンテンツのIDをコンテンツ送信部29に送る。本実施形態では、コンテンツ優先度が最大となるコンテンツが選択される。上記の例では、コンテンツ優先度“0.296”のコンテンツID“CID002”が選択される。
コンテンツ送信部29は、コンテンツ選択部27により選択されたコンテンツを移動通信端末14に送信する部分である。コンテンツ送信部29は、コンテンツ選択部27からコンテンツIDを受け取ると、コンテンツ管理テーブル23aを参照して、このコンテンツIDが関連付けられたコンテンツの内容を抽出し、抽出されたコンテンツを移動通信端末14に送信する。上記の例では、コンテンツID“CID002”に対応するコンテンツ“地図サイト”が移動通信端末14に送信される。
類似ユーザ判別部28は、ユーザの属性情報に応じた類似性に基づき他のユーザを選択する部分である。類似性判定の例として、同じ会社に所属する、同じ地域にいる、年代や性別が同じ、などのプロファイル情報(属性情報)の各項目が一致する度合いが所定値以上の場合に両者が類似だと判定することができる。
本実施形態では、この類似ユーザ判別部28の機能により、別のユーザの履歴を利用したコンテンツ配信を適用することが可能である。例えば、ユーザID“002”のユーザに対する過去の履歴が存在せず、タスクモデル(ID:001)に関する現在のタスクモデル信頼度が“0.4”とだけ分かっている場合には、例えば、このユーザの属性情報の類似性に基づき選択されたユーザID“001”のユーザのタスクモデル信頼度およびコンテンツ利用履歴を用いて、ユーザID“002”のユーザに対する配信コンテンツを決定することができる。このとき、複数のユーザの履歴が利用できる場合は、複数ユーザのコンテンツ利用履歴を統合して配信コンテンツを決定することもできる。これにより、例えば、同じ会社に所属する他のユーザが、自身と同じ行動状態にあるときに良く利用するコンテンツを配信可能とする。
次に、移動通信端末14の構成について説明する。図2に示すとおり、移動通信端末14は、履歴取得部(収集手段)40、履歴送信部(送信手段)42、情報配信要求送信部(送信手段)44、および配信情報表示部46から構成されている。
図4に、移動通信端末14のハードウェア構成を示す。図4に示すように、移動通信端末14は、CPU141、RAM142、ROM143、操作部144、無線通信部145、ディスプレイ146及びアンテナ147等のハードウェアにより構成されている。図2において説明した各機能は、図4に示すCPU141、RAM142等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU141の制御のもとで操作部144、無線通信部145、ディスプレイ146を動作させるとともに、RAM142やROM143におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。以下、図2に示す機能ブロックに基づいて、各機能ブロックを説明する。
履歴取得部40は、移動通信端末14おいて行われた処理の処理内容を、当該処理の処理時刻とともに取得する部分である。この処理内容とは、上述したようにキーワード検索履歴、ウェブアクセス履歴、端末位置履歴、または購買履歴などの履歴情報を含むものである。
ここで、ユーザが閲覧した情報を識別するために例えば2つの手法が挙げられる。すなわち、閲覧ページの内容を自動判別する手法と、ポータルページを用意して、あらかじめ情報を識別しておく手法である。
閲覧ページを自動判別する手法は、ページ内容からTF/IDFなどの手法を用いて特徴語を抽出し、辞書に含まれる単語にマッピングすることで実現できる。例えば、飛行機のチケット販売を行うサイトを閲覧した際に、ページ内に「飛行機チケット」「航空券」などの単語が特徴語として抽出されると、各々の単語と同義語の「航空チケット」として一般化することで、履歴マッチルールに値として記述された単語と、閲覧ページの内容を示す単語(特徴語)をマッチングすることが可能となる。
ポータルページを用意する手法では、ポータルページのトップに「チケット」「商品」「経路探索」「地図」などの情報のカテゴリを表現しておき、ユーザはカテゴリを探索することで目的の情報を探索できるようにしておく。履歴マッチルールの値にはカテゴリを指定しておくことで、ユーザのカテゴリ探索履歴と履歴マッチルールに含まれる値をマッチングすることが可能となる。
履歴送信部42は、履歴取得部40により取得された移動通信端末14において行われた処理の処理内容を、当該処理の処理時刻とともに情報配信サーバ12に送信する部分である。
情報配信要求送信部44は、移動通信端末14に対してコンテンツの配信を要求するコンテンツ配信要求を情報配信サーバ12に送信する部分である。
配信情報表示部46は、情報配信サーバ12から送信されたコンテンツを受信し、ディスプレイ146を介してユーザにコンテンツの内容を表示する部分である。
次に、図13〜16のフローチャートを用いて、本実施形態の情報配信サーバ12の処理について説明する。図13に、本実施形態における情報配信サーバ12のメインフローを示す。
履歴・要求受信部24により、移動通信端末14において行われた処理の処理内容と、この処理の処理時刻とを含む履歴情報が受信され、この履歴情報がユーザ履歴管理テーブル22aに記録される(S101)。行動状態判別部25により、ユーザ履歴管理テーブル22aから履歴情報が読み出され、この履歴情報に基づいてタスクモデル信頼度が算出される(S102)。タスクモデル信頼度を算出する処理については、図14を参照して後述する。
そして、履歴・要求受信部24により、コンテンツ配信要求が移動通信端末14から受信されると(S103)、コンテンツ利用実績算出部27により、コンテンツ利用実績が算出される(S104)。コンテンツ利用実績を算出する処理については、図15を用いて後述する。
そして、コンテンツ選択部27により、コンテンツ利用実績およびタスクモデル信頼度に基づいてコンテンツ優先度が算出され、このコンテンツ優先度に基づいて、移動通信端末14に配信されるコンテンツが選択される(S105)。このコンテンツ選択処理については、図16を用いて後述する。
そして、コンテンツ送信部29により、コンテンツ選択部27で選択されたコンテンツが移動通信端末14に対して送信され(S106)、処理を終了する。
次に、ステップS102のタスクモデル信頼度算出処理について図14を用いて説明する。図14に、タスクモデル信頼度算出処理のフローチャートを示す。この処理は、行動状態判別部25によって実施される。
まず、現在時刻から遡って、所定期間分の履歴がユーザ履歴管理テーブル22aから読み出される(S201)。本実施形態では、図9などに示したように3月16日から3月18日までの3日分の履歴情報が読み出される。
そして、履歴マッチルール管理テーブル21bを参照して、読み出された履歴情報の処理内容を含むマッチルールと推定確度が抽出される(S202)。抽出された推定確度は、この推定確度に対応付けられているタスクモデルの最上位タスクごとに、所定の時間区分単位で合算され、タスクモデル信頼度として算出される(S203)。本実施形態では、「最上位タスク」とは、タスクID“001”のタスクモデル“国内出張する”や、タスクID“002”のタスクモデル“飲み会・食事に参加する”であり、「所定の時間区分」とは「3月16日」や「3月17日」など同一日付の1日分である。
算出されたタスクモデル信頼度は、対応する時間区分の情報(例えば「3月16日」や「3月17日」)とともに、タスクモデル推定履歴管理テーブル22cへ記録され(S204)、図13のメインフローへ戻る。
次に、ステップS104のコンテンツ利用実績算出処理について図15を用いて説明する。図15にコンテンツ利用実績算出処理のフローチャートを示す。この処理は、コンテンツ利用実績算出部26により実施される。
まず、タスクモデル推定履歴管理テーブル22cから、タスクモデル信頼度が読み出され(S301)、コンテンツ利用履歴管理テーブル22bから所定期間分(過去3日分)のコンテンツ利用履歴が読み出される(S302)。
読み出されたコンテンツに、このコンテンツの利用日時が該当する時間区分(日付)のタスクモデル信頼度が割り当てられ、これら割り当てられたタスクモデル信頼度の値が当該コンテンツの時間区分ごとの利用実績として求められる(S303)。そして、これら時間区分ごとの利用実績の所定期間分の平均値が、コンテンツ利用実績として算出され(S304)、図13のメインフローに戻る。本実施形態では、3月16日から3月18日までの3日分の利用実績が合算され、1日当たりの平均値がコンテンツ利用実績として算出される。コンテンツ利用実績は、例えば表1のようにコンテンツおよび最上位タスクごとに算出される。
次に、ステップS105のコンテンツ選択処理について図16を用いて説明する。図16にコンテンツ利用実績算出処理のフローチャートを示す。この処理は、コンテンツ選択部27により実施される。
まず、現在の時間区分におけるタスクモデル信頼度が算出される(S401)。具体的には、ユーザ履歴管理テーブル22aを参照して、現在の時間区分(本実施形態では3月19日分)の履歴情報が読み出され、履歴マッチルール管理テーブルを参照して、各履歴情報の処理内容が関連付けられた推定確度が抽出され、これらの推定確度が最上位タスクごとに合算されて、現在のタスクモデル信頼度が算出される。
そして、現在のタスクモデル信頼度に、コンテンツ利用実績算出部26により算出されたコンテンツ利用実績を乗じて、コンテンツ優先度が算出される(S402)。コンテンツ優先度は、例えば表2のようにコンテンツおよび最上位タスクごとに算出される。
そして、コンテンツ優先度に基づき移動通信端末14へ配信されるコンテンツが選択され(S403)、図13のメインフローへ戻る。本実施形態では、コンテンツ優先度が最大となるコンテンツが選択される。
つぎに、本実施形態の変形例について説明する。図17に、本実施形態の変形例における情報配信システム10の概略を示す。図17に示すように、この変形例においては、情報配信システム10は、情報配信サーバ12や移動通信端末14とネットワークNWを介して通信可能に設置されている管理サーバ16をさらに含んで構成されている。管理サーバ16は、例えばゲートウェイサーバ、または検索サイトやオンラインショッピングなどの専用サーバであり、移動通信端末14で行われたウェブアクセス、検索、買い物などの処理に関する履歴情報を取得して、この履歴情報を情報配信サーバ12に送信する。
図18に、本実施形態の変形例における情報配信サーバ12、移動通信端末14および管理サーバ16の機能構成を示す。情報配信サーバ12の構成は、図2で示した構成と同一であるので説明を省略する。この変形例は、履歴取得部40および履歴送信部42が、移動通信端末14ではなく管理サーバ16に備えられている点で先の実施形態と相違する。
つまり、この変形例では、移動通信端末14において実行された処理の処理内容は、当該処理の処理時刻とともに、ネットワークNWを介して管理サーバ16の履歴取得部40に取得される。そして、この取得された処理内容および処理時刻を含む履歴情報が、管理サーバ16の履歴送信部42から情報配信サーバ12の履歴・要求受信部20へと送信される。
また、移動通信端末14では、情報配信要求送信部44が履歴・要求受信部20へ、コンテンツ配信要求を送信する。これに応じて、情報配信サーバ12のコンテンツ送信部30から移動通信端末14の配信情報表示部46へコンテンツが送信される。
なお、管理サーバ16は、上述のゲートウェイサーバ、または検索サイトやオンラインショッピングなどの専用サーバの少なくとも一部の機能を備え、移動通信端末14で行われたウェブアクセス、検索、買い物などの処理のいずれかに関する履歴情報を取得するように構成されても良い。すなわち、情報配信システム10は、様々な用途に応じた複数の管理サーバ16を備え、これらの管理サーバ16から個別に移動通信端末14に関する履歴情報を取得するように構成されても良い。
次に、本実施形態に係る情報配信サーバ12および情報配信システム10、その変形例における情報配信システム10の作用および効果について説明する。
本実施形態の情報配信サーバ12において、行動状態判別部25が、ユーザ履歴管理テーブル22aの過去3日分の履歴情報に基づいて、履歴マッチルール管理テーブル21bから当該履歴情報の処理内容に関連付けられたタスクモデルおよび推定確度を選択し、タスクモデル管理テーブル21aに定義されているタスクモデルが属する行動状態(最上位タスク)と、推定確度とに基づいて、行動状態に関するタスクモデル信頼度を、1日単位で算出する。履歴・要求受信部24により移動通信端末14からコンテンツ配信要求を受け取ると、コンテンツ利用実績算出部26が、コンテンツ利用履歴管理テーブル22bのコンテンツの利用履歴と、タスクモデル推定履歴管理テーブル22cのタスクモデル信頼度とに基づいて、行動状態に関するコンテンツの利用実績を算出する。そして、コンテンツ選択部27が、ユーザ履歴管理テーブル22aから最新の時間区分の履歴情報を読み出し、当該履歴情報に基づいて履歴マッチルール管理テーブル21bから算出された現在のタスクモデル信頼度と、コンテンツ利用実績算出部27により算出されたコンテンツの利用実績と、に基づいて、行動状態ごとに算出されたコンテンツ優先度に従って移動通信端末14へ配信するコンテンツを選択する。
この構成により、移動通信端末14の履歴情報や履歴とタスクモデルとのマッチルールに基づいて、移動通信端末14のユーザの行動状態を推定する指標としての「タスクモデル信頼度」が算出される。また、このタスクモデル信頼度と、コンテンツの利用履歴とに基づいて、行動状態別にコンテンツが利用された度合いを示す「コンテンツ利用実績」が算出される。さらに、このコンテンツ利用実績と、現在のタスクモデル信頼度とに基づいて、「コンテンツ優先度」が算出される。このコンテンツ優先度は、コンテンツ利用実績によって表される過去の行動状態別のコンテンツの利用度合いと、現在の行動状態の信頼度によって表される現時点における通信端末のユーザが行っている行動状態とを、共に考慮することができる。したがって、現在の行動状態と、過去のコンテンツ利用実績とを共に考慮して、適切なコンテンツをユーザに配信することができる。
また、この情報配信サーバ12において、ユーザ履歴管理テーブル22a、コンテンツ利用履歴管理テーブル22bおよびタスクモデル推定履歴管理テーブル22cは、ユーザごとに領域が区分されている。情報配信サーバ12は、通信端末14のユーザに関するデータがコンテンツ利用履歴管理テーブル22bまたはタスクモデル推定履歴管理テーブル22cに記録されていないときに、当該ユーザと類似する他のユーザを選択する類似ユーザ判別部28をさらに有する。類似ユーザ判別部28による処理が実行されると、コンテンツ利用実績算出部26は、類似ユーザ判別部28により選択された他のユーザに関するコンテンツ利用履歴管理テーブル22bおよびタスクモデル推定履歴管理テーブル22cの領域を参照して、コンテンツの利用実績を算出する。また、コンテンツ選択部27が、ユーザ履歴管理テーブル22aから読み出されたユーザの履歴情報に基づき算出された現在のタスクモデル信頼度と、他のユーザのコンテンツの利用実績とに基づいて、コンテンツを選択する。
この構成により、移動通信端末14のユーザと類似する他のユーザを選択して当該他のユーザの履歴情報やコンテンツ利用履歴を利用することができるので、移動通信端末14のユーザの履歴情報やコンテンツ利用履歴が無い場合でも、一定の確度でコンテンツを配信することができる。また、状況に適したコンテンツの利用ノウハウがユーザ間で共有可能となり、発見的なレコメンドシステムが実現できる。
また、本実施形態の情報配信システムにおいて、移動通信端末14の履歴取得部40が、この端末において行われた処理の処理内容を、この処理の処理時刻と共に履歴情報として収集し、履歴送信部42が、この履歴情報を情報配信サーバ12に送信する。また、移動通信端末14の情報配信要求送信部44が、コンテンツの配信を要求するコンテンツ配信要求を情報配信サーバ12に送信する。この構成により、移動通信端末14が収集した自機の履歴情報が情報配信サーバ12に記憶され、情報配信サーバ12はこの履歴情報に応じて適切なコンテンツを移動通信端末14に配信することができる。
また、本実施形態の変形例の情報配信システムにおいて、管理サーバ16の履歴取得部40が、移動通信端末14において行われた処理の処理内容を、この処理の処理時刻と共に履歴情報として収集し、履歴送信部42が、この履歴情報を情報配信サーバ12に送信する。また、移動通信端末14の情報配信要求送信部44が、コンテンツの配信を要求するコンテンツ配信要求を情報配信サーバ12に送信する。この構成により、管理サーバ16が移動通信端末14の履歴情報を収集して情報配信サーバ12に送信するので、移動通信端末14は特別な操作を行わなくても履歴情報が情報配信サーバ12に蓄積されるようになり、情報配信サーバ12はこの履歴情報に応じて適切なコンテンツを移動通信端末14に配信することができる。
10…情報配信システム、12…情報配信サーバ、14…移動通信端末(通信端末)、16…管理サーバ、21…タスクモデル格納部、21a…タスクモデル管理テーブル、21b…履歴マッチルール管理テーブル、22…履歴格納部、22a…ユーザ履歴管理テーブル、22b…コンテンツ利用履歴管理テーブル、22c…タスクモデル推定履歴管理テーブル、23…配信情報格納部、23a…コンテンツ管理テーブル、24…履歴・要求受信部(取得手段)、25…行動状態判別部(信頼度算出手段)、26…コンテンツ利用実績算出部(利用実績算出手段)、27…コンテンツ選択部(選択手段)、28…類似ユーザ判別部(類似ユーザ判別手段)、29…コンテンツ送信部(送信手段)、40…履歴取得部(収集手段)、42…履歴送信部(送信手段)、44…情報配信要求送信部(送信手段)、46…配信情報表示部。