JP5111608B2 - 全反射蛍光観察装置 - Google Patents

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Description

本発明は、全反射照明を利用して蛍光観察を行う装置に関する。
DNAやタンパク質などの生体物質を観察する際、蛍光色素で標識を行い、レーザ等の励起光を照射し、発生する蛍光を観察する方法が一般的である。近年では、分子レベルの蛍光を測定可能な技術として、エバネッセント光を利用した観察方法がある(非特許文献1)。屈折率が高い媒質から低い媒質に向けて一定以上の角度をもった光が入るときに、入射光が低い屈折率の媒質に伝播せず全反射が生じる。このとき境界面の低屈折率媒質側表面に、僅かに光が染み出す現象が生じる。その染み出し光が、エバネッセント光と呼ばれる。エバネッセント光の強度は屈折率境界平面から離れるに従って指数関数的に減衰し、屈折率境界平面から150nm程度の距離で励起光強度が1/eとなる。このため、観察試料を境界面に固定することにより、励起光を境界面近傍の試料のみに照射することが可能であり、遊離蛍光体や水のラマン散乱等に由来する背景光を抑制し、高コントラストな像が得られる。
さらに、前述の1分子蛍光検出の技術を利用したDNAシーケンシングが提案されている(非特許文献2)。分析すべき試料DNA断片を基板表面にランダムに1分子ずつ捕捉し、ほぼ1塩基ずつ伸長させる。これを、前述のエバネッセント光を利用した蛍光検出によって測定し、塩基配列を決定する。具体的には、屈折率境界平面上の溶液層側に、単一のターゲットDNA分子をビオチン−アビジンのタンパク質結合を利用して固定化する。そして、DNAポリメラーゼの基質として鋳型DNAに取り込まれてDNA鎖伸長反応を保護基の存在により停止することができ、かつ検出され得る標識を持つ4種のdNTPの誘導体(MdNTP)を用いてDNAポリメラーゼ反応を行う工程、次いで取り込まれたMdNTPを蛍光等で検出する工程、及びMdNTPを伸長可能な状態に戻す工程を1サイクルとし、これを繰り返すことにより試料DNAの塩基配列を決定する。
エバネッセント光照射は、バックグラウンドが低く微弱な信号を観察可能というメリットがある反面、煩雑かつ正確な光学調整(入射角を厳しく制御)が必要不可欠であるというデメリットがある。上記問題を解決する手段として、特許文献1記載の全反射蛍光顕微鏡では、エバネッセント光の染み出し深さを一定に保つような機構を備えている。具体的には、予め記録された励起光の入射角とエバネッセント光の染み出し深さとの関係情報に基づき、ユーザが指定する染み出し深さになるよう、自動で励起光の入射角を制御する。
また、特許文献2記載の全反射蛍光X線分析装置では、励起光の入射角を適切に設定する手段を備えている。具体的には基板上のサンプルに対して励起X線を照射し、基板表面で反射した反射X線の強度をセンサで測定し、その強度をもとに励起X線の入射角を制御する。
特開2006−189741号公報 特開平3−246452号公報
Nature 1995,Vol.374,pp.555−559. PNAS 2003,Vol.100,pp.3960−3964.
しかしながら、特許文献1記載の角度調整機能は、完全に水平な基板に対しては有効であるが、実際の基板表面には波打ちや粗さが局所的に存在し、また局所的な凸凹が存在するため、照射領域ごとに入射角が変化し、その結果励起光強度が一定せず、観察結果にばらつきが生じる。また、この機能は、全反射角度を一定に保つことは可能であるが、仮に、全反射していても励起光の入射角が臨界角より大きい場合、エバネッセント光の染み出しの深さは浅くなる。また、仮に、基板が完全に水平で入射角を一定に保つことができていても、入射角と臨界角の差が大きければ、その分エバネッセント光の染み出しの深さは浅くなる。このため、十分な励起光強度が得られず、結果として測定対象物の蛍光強度が弱くなってしまう。
さらに、特許文献2記載の全反射蛍光観察装置においては、基板の屈折率と媒質の屈折率の差が大きい場合や、基板の表面状態によっては、例えば透過状態であっても基板表面で一部反射が生じることがある。つまり全反射状態ではなくても反射光が存在するため、反射光を検出するだけでは一部反射光と全反射光との区別が難しい場合がある。
本発明の目的は、操作性が良く、感度が高く、かつ信頼性の高い蛍光観察手法及び装置を提供することにある。
本発明では、エバネッセント光を利用して蛍光観察を行う装置について、基板表面の角度によらず、常に励起光が基板表面で全反射となるよう励起光の入射角を調整する。この方法は、観察基板に対し励起光の角度を連続的に変化させて入射する工程と、入射後の励起光を光センサで検知する工程と、光センサの検知結果から全反射角を設定する工程とを含む。
また、本発明では、エバネッセント光を利用して蛍光観察を行う装置について、基板表面の局所的な凹凸によらず、常に励起光が基板表面で全反射となるよう励起光の入射角を調整する。この方法は、観察基板に対し任意の入射角で励起光を照射する工程と入射後の励起光を光センサで検知する工程と、光センサの検知結果をもとに、現在の入射角の状態を判定する工程と、前記判定結果をもとに、励起光が基板表面で全反射するよう、励起光の入射角を調整する工程とを含む。
基板に対して照射された励起光は、その入射角によって進行方向が変化する。即ち、透過光,反射光,表面伝播光である。これらをそれぞれに対応する光センサで検出することにより、励起光の入射角が臨界角に対しどのような状態かを判定し、その判定結果に基づき励起光の入射角を変化させ、最適な全反射角度を実現する。
1つの実施形態においては、基板に照射された後の励起光を3つの光センサで検出することにより、全反射の角度を自動的に設定する。この方法では、測定対象領域に励起光を照射する工程と、入射角を連続的に変化させる工程と、入射後の励起光の3状態(透過・反射・表面伝播)をそれぞれに対応する光センサで検知する工程と、検知結果をもとに励起光が基板表面で全反射するよう、励起光の入射角を適切に設定する工程を含む。
別の実施形態においては、基板に照射された後の励起光を3つの光センサで検出することにより、全反射照明を実現する励起光の入射角を自動的に設定する。この方法では、測定対象領域に励起光を照射する工程と、その結果生じる透過光または反射光または表面伝播光をそれぞれに対応する光センサで検知する工程と、検知結果をもとに現在の入射角の状態を判定する工程と、判定結果をもとに励起光の入射角を変化させる工程と、以上の工程を励起光が基板表面で全反射するまで連続的に行う工程を含む。
別の実施形態においては、基板に照射された後の励起光を1つの光センサで検出することにより全反射の角度を自動的に設定する。この方法では、透過光・反射光・表面伝播光を1つの光センサに導く工程と、それぞれの信号の有無を1つのセンサ内で区画化された領域に検知する工程と、検知結果をもとに励起光が基板表面で全反射するよう、励起光の入射角を適切に設定する工程を含む。
別の実施形態においては、基板に照射された後の励起光を1つの光センサで検出することにより全反射照明を実現する励起光の入射角を自動的に設定する。この方法では、測定対象領域に励起光を照射する工程と、その結果生じる透過光または反射光または表面伝播光を1つの光センサに導く工程と、それぞれの光の有無を1つのセンサ内で区画化された領域で検知する工程と、検知結果をもとに現在の入射角の状態を判定する工程と、判定結果をもとに励起光の入射角を変化させる工程と、以上の工程を励起光が基板表面で全反射するまで連続的に行う工程を含む。
別の実施形態においては、基板に照射された後の励起光を2つの光センサで検出することにより全反射の角度を自動的に設定する。この方法では、透過光,反射光,表面伝播光のうち表面伝播光を含む2種類に対応する光センサで検知する工程と、検知結果をもとに励起光が基板表面で全反射するよう、励起光の入射角を適切に設定する工程を含む。
別の実施形態においては、基板に照射された後の励起光を2つの光センサで検出することにより全反射照明を実現する励起光の入射角を自動的に設定する。この方法では、測定対象領域に励起光を照射する工程と、その結果生じる透過光または反射光または表面伝播光のうち表面伝播光を含む2種類の光を、それぞれに対応する光センサで検知する工程と、検知結果をもとに現在の入射角の状態を判定する工程と、判定結果をもとに励起光の入射角を変化させる工程と、以上の工程を励起光が基板表面で全反射するまで連続的に行う工程を含む。
別の実施形態においては、基板に照射された後の励起光を1つの光センサで検出することにより全反射の角度を自動的に設定する。この方法では、透過光,反射光,表面伝播光のうち表面伝播光を含む2種類を1つの光センサに導く工程と、それぞれの信号の有無を1つのセンサ内で区画化された領域に検知する工程と、検知結果をもとに励起光が基板表面で全反射するよう、励起光の入射角を適切に設定する工程を含む。
別の実施形態においては、基板に照射された後の励起光を1つの光センサで検出することにより全反射照明を実現する励起光の入射角を自動的に設定する。この方法では、測定対象領域に励起光を照射する工程と、その結果生じる透過光または反射光または表面伝播光のうち表面伝播光を含む2種類の光を1つの光センサに導く工程と、それぞれの光の有無を1つのセンサ内で区画化された領域で検知する工程と、検知結果をもとに現在の入射角の状態を判定する工程と、判定結果をもとに励起光の入射角を変化させる工程と、以上の工程を励起光が基板表面で全反射するまで連続的に行う工程を含む。
別の実施形態においては、基板に照射された後の励起光を1つの光センサで検出することにより全反射の角度を自動的に設定する。この方法では、表面伝播光を光センサで検知する工程と、検知結果をもとに励起光が基板表面で全反射するよう、励起光の入射角を適切に設定する工程を含む。
別の実施形態においては、基板に照射された後の励起光を1つの光センサで検出することにより全反射照明を実現する励起光の入射角を自動的に設定する。この方法では、測定対象領域に励起光を照射する工程と、その結果生じる表面伝播光を光センサで検知する工程と、検知結果をもとに現在の入射角の状態を判定する工程と、判定結果をもとに励起光の入射角を変化させる工程と、以上の工程を励起光が基板表面で全反射するまで連続的に行う工程を含む。
本発明によれば、励起光が全反射状態となるよう入射角を自動的に設定することが可能となり、操作性が向上する。また観察領域の表面状態に左右されず常に最適な入射角を制御できるため、従来法と比較して信頼性が向上する。さらに、必要以上に入射角を浅くすることが無いため、エバネッセント光強度を強く保つことができ、その結果従来法と比較して強い信号強度を得ることができる。
第1図は実施例1における装置の説明図。
第2図は実施例1における角度調整のフロー図。
第3図は実施例2における装置の説明図。
第4図は実施例3における装置の説明図。
第5図は実施例4における装置の説明図。
第6図は実施例5における装置の説明図。
以下、上記及びその他の本発明の新規な特徴を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではなく、種々の変更,改良,組み合わせが可能である。
実施例では、表面に測定試料が配置された基板と、基板に励起光を照射する光源と、基板から生じる発光を測定する検出器と、基板に照射後の励起光を検知する光センサと、光センサの検知結果に基づいて励起光の入射角を調整する調整装置と、を有する全反射蛍光観察装置を開示する。
また、実施例では、全反射照明を利用して蛍光観察を行う装置において、励起光の入射角を自動的に調整する方法であって;表面に測定試料が配置された基板に対し、励起光の入射角を連続的に変化させ;励起光が基板へ入射することにより生じる透過光,表面伝播光、又は反射光の少なくとも1つを光センサで検知し;入射角制御機構が、光センサの検知パターンをもとに励起光の入射角が全反射角となるよう入射角を調整する;方法を開示する。
また、実施例では、全反射照明を利用して蛍光観察を行う装置において、励起光の入射角を自動的に調整する方法であって;表面に測定試料が配置された基板に対し、励起光の入射角を連続的に変化させ;励起光が基板へ入射することにより生じる透過光、又は表面伝播光の少なくとも1つを光センサで検知し;入射角制御機構が、光センサの検知パターンをもとに励起光の入射角が全反射角となるよう入射角を調整する;方法を開示する。
また、実施例では、全反射照明を利用して蛍光観察を行う装置において、励起光の入射角を自動的に調整する方法であって;表面に測定試料が配置された基板に対し、励起光の入射角を連続的に変化させ;励起光が基板へ入射することにより生じる表面伝播光又は反射光の少なくとも1つを光センサで検知し;入射角制御機構が、光センサの検知パターンをもとに励起光の入射角が全反射角となるよう入射角を調整する;方法を開示する。
また、実施例では、全反射照明を利用して蛍光観察を行う装置において、励起光の入射角を自動的に設定する方法であって;表面に測定試料が配置された基板に対し、励起光の入射角を連続的に変化させ;励起光が基板へ入射することにより生じる表面伝播光を光センサで検知し;入射角制御機構が、光センサの検知パターンをもとに励起光の入射角が全反射角となるよう入射角を調整する;方法を開示する。
また、実施例では、基板が、光を透過する部材で形成されていることを開示する。
また、実施例では、基板に照射後の励起光が、透過光,表面伝播光、及び反射光を含むことを開示する。
また、実施例では、光センサが、透過光,表面伝播光、又は反射光のいずれか、若しくはその組み合わせを検知することを開示する。
また、実施例では、制御機構が、透過光,表面伝播光、及び反射光の検知結果の組み合わせから、現在の入射角の状態を判定することを開示する。
また、実施例では、制御機構が、現在の入射角の状態をもとに、駆動機構に対し次の動作を指示するためのアルゴリズムを内部に備えていることを開示する。
第1図は、本実施例における、角度調整機能を有するDNA塩基配列解析装置の構成図である。装置は正立型の顕微鏡のような構成であり、基板1に捕捉する蛍光分子を蛍光検出にて測定する。なお倒立型の装置構成にすることも可能である。なお、本操作は単分子蛍光検出法に基づく場合、測定はHEPAフィルタを介したクリーンルームのような環境にて行う。
一連の反応は1の反応基板上で行う。基板1は透明材質でできており、材質としては例えば合成石英などが使用できる。基板にはプライマが複数固定されている。例えばプライマの5′末端がビオチン化されており、基板表面がアビジン化されており、ビオチン−アビジン結合を利用して基板1表面に固定されている。プライマは基板上にランダムに配置されていても構わないが、観察時の効率を考慮し、規則的に配置されていることが望ましい。
蛍光励起用のレーザ装置2(YAGレーザ,532nm)からのレーザ光2aは、λ/4波長板3を通過して円偏光となり、ミラーユニット4を介して全反射照明用の石英製プリズム5に入射され、基板1の裏側から照射される。石英製プリズム5と基板1は無蛍光グリセリンを介して接触させており、レーザ光はその界面で反射することなく、基板1に導入される。ミラーユニットは自動で角度・位置調整可能な自動ステージと反射用ミラーから構成されており、ミラーユニットコントローラ6によって制御されている。
基板に入射したレーザ光は、基板表面のサンプルを照射した後、その入射角によって進行方向が変化する。入射角が臨界角より小さい場合、レーザ光は基板表面で全反射せず、基板表面方向へと透過する(透過光)。入射角が臨界角と同等の場合、基板表面を伝播する(表面伝播光)。入射角が臨界角より大きい場合、レーザ光は基板表面で全反射する(反射光)。このとき基板表面のごく近傍にエバネッセント光が発生する。なお、臨界角は、基板の屈折率と、基板表面に存在する媒質の屈折率から以下の式によって求められる。
(式) θ=arcsin(n2/n1)
n1:基板の屈折率 n2:媒質の屈折率、n1>n2
第2図は、本実施例における入射角調整時のフロー図である。具体的な角度調整方法は以下の手順に従って行う。基板表面の測定領域に対し、任意の入射角でレーザ光を照射する。角度は、例えば45度である。入射後のレーザ光は臨界角との関係から、透過光または表面伝播光または全反射光となる。装置には透過光,表面伝播光,反射光を検出するための光センサ7,8,9が設置されており、これらのセンサの検知結果は、ミラーユニットコントローラ6へ送られる。
ミラーユニットコントローラ6はその情報をもとに、ミラーユニット4を駆動させる。駆動の手段は電動マイクロメータによる。この他にも、ゴニオステージ,ガルバノミラー,ポリゴンミラー,音響光学素子(AOM)等が利用可能である。ミラーユニットコントローラ6は内部に下表に示す5つのモードを有しており、光センサ7,8,9の検知パターンより、モードを決定する。それぞれのモードごとに決められたルールに従ってミラーユニット4は入射角が全反射角度となるよう自動で調整を行う。若しくは、ミラーユニットコントローラ6はミラーユニット4に対し、それぞれのモードごとに決められた動作の指示を出す。ミラーユニット4はこの指示に従って駆動し、レーザ光が基板表面で全反射するよう、入射角を調整する。
尚、表における「信号のあり」及び「信号なし」は、測定値そのものをしめすものではなく、レベルの概念を示す記号である。
例えば、基板1が合成石英で媒質が水の場合、臨界角は約66度であり、入射角45度でレーザ光2aを照射した場合、レーザ光2aは基板1を透過する。このとき光センサ7,8,9の信号パターンは(透過光,表面伝播光,反射光)=(1,0,0)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードAと判定し、下表のルールに従い入射角を大きくするよう光軸調整を行う。若しくは、この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードAと判定し、ミラーユニット4に対し入射角を大きくするよう指示を出す。
入射角が約66度に達すると表面伝播光が発生し、光センサ7,8,9の信号パターンは(透過光,表面伝播光,反射光)=(0,1,0)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードBと判定し、下表のルールに従い更に入射角を大きくするよう光軸調整を行う。若しくは、この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードBと判定し、ミラーユニット4に対し更に入射角を大きくするよう指示を出す。
入射角が臨界角を超えた瞬間、表面伝播光は消え、代わりに全反射光が発生する。このときの信号パターンは(透過光,表面伝播光,反射光)=(0,0,1)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードCと判定し、角度調整を停止する。若しくは、この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードCと判定し、ラーユニット4に対し角度調整停止の指示を出す。
また、例えば、基板1がサファイアで媒質が空気の場合の臨界角は約34度であり、入射角45度でレーザ光2aを照射した場合、レーザ光2aは基板1表面で全反射する。このとき光センサ7,8,9の信号パターンは(透過光,表面伝播光,反射光)=(0,0,1)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードDと判定し、下表のルールに従い入射角を小さくするよう光軸調整を行う。入射角が34度に達すると表面伝播光が発生し、光センサ7,8,9の信号パターンは(透過光,表面伝播光,反射光)=(0,1,0)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードBと判定し、下表のルールに従い入射角を大きくするよう光軸調整を行う。入射角が臨界角を超えた瞬間、表面伝播光は消え、代わりに全反射光が発生する。このときの信号パターンは(透過光,表面伝播光,反射光)=(0,0,1)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードCと判定し、角度調整を停止する。
なお基板1の屈折率と媒質の屈折率の差が大きい場合や、基板1の表面状態によっては、例えば透過状態であっても基板1表面で一部反射が生じることがある。このため、モードAおよびBのときに反射光センサ9が反応する場合がある。
Figure 0005111608
本調整機構により、基板1内でのレーザ光2aの入射角は常に約66度(角度は基板1の屈折率と試料溶液の屈折率によって変化する)となり、基板1表面で全反射し、エバネッセント照明となる。これにより、高いS/Nで蛍光測定が可能になる。なお、レーザの照射領域は約2mm径とした。
具体的な配列解析方法は、以下の手順に従って行う。測定サンプルである一本鎖核酸を、基板1上に固定されたプライマにハイブリダイズさせる。反応は、例えば、60℃・10分間で行う。プライマの配列は、前記一本鎖核酸と少なくとも一部が相補的であればよい。なお、プライマの塩基長は、ハイブリダイゼーション効率を鑑みて10以上であることが望ましい。
次に、標識されたdATP,dTTP,dCTP,dGTPを逐次添加しながら塩基伸長反応を行い、プライマ下流の塩基配列を解読する。例えば、まずCy3−dATP及び、DNAポリメラーゼを含む反応溶液(20nM Cy3−dATP,0.1U/μL TaqDNAポリメラーゼ,10mM Tris−HCl pH7.8,2mM MgCl2)を、基板1上のフラグメントと5分間反応させる。次に、洗浄バッファー(10mM Tris−HCl pH7.8,2mM MgCl2)によって、未反応のCy3−dATPを除去する。
各種試薬,バッファーは試薬保管ユニット10に保管し、分注ユニット11を介し、送液チューブ12を通じて基板に送られる。試薬保管ユニット10には、試料液容器10a、4種の標識dNTP溶液容器10b,10c,10d,10e,dNTP mixture溶液容器10f,ポリメラーゼ溶液容器10g,洗浄バッファー容器10h等が用意される。反応後の試薬は、廃液チューブ13を通じて廃液容器14に溜まる。
波長532nmのYAGレーザを励起光として照射し、Cy3−dATPの取り込みが行われたフラグメントから蛍光15を発生させる。なお、Cy3分子から発生する蛍光は、強い励起光の照射で消光するため、観察時にはより低い励起光強度で観察を行うことが望ましい。励起光強度は、例えば、1000mW/mmである。消光を抑制する手段としては、脱酸素剤の添加も有効である。これは、Cy3分子の消光が、溶液中の溶存酸素との反応に起因するためである。脱酸素剤は、例えば、ペルオキシダーゼ,スーパーオキシドディスムターゼなどが使用できる。
蛍光15は、集光レンズ(対物レンズ)16で集められ、フィルタユニット17で必要な波長の蛍光を取り出し、結像レンズ18で、2次元センサカメラ19で蛍光像を検出する。フィルタユニット17には、検出する蛍光に対応したフィルタが複数保持されており、その制御は制御PC21が行う。例えば、4種の蛍光色素が付加されたdNTPを使う場合は、フィルタユニット17で該当する4種の蛍光体用のフィルタを切り替えて蛍光像を検出することなどで対応できる。2次元センサカメラ19の露光時間の設定、蛍光画像の取り込みタイミングなどの制御は、2次元センサカメラコントローラ20を介して制御PC21が行う。2次元センサカメラ19は、例えば、画素サイズが16×16μmで、画素数512×512画素のEM−CCDカメラで、蛍光観察時の露光時間は100msecである。その他一般的な冷却CCDカメラの他、C−MOSエリアセンサなどの撮像カメラなどを使うことができる。センサは冷却型が望ましく、−20℃程度以下にすることで、センサの持つダークノイズを低減でき、測定の精度を高めることができる。取り込まれた蛍光観察データはモニタ22で観察できる。
蛍光観察データをもとにCy3−dATPの取り込みが行われたフラグメントの位置を特定し、配列を決定する。Cy3蛍光を観察後、強い励起光を照射するなどして、既に取り込まれたCy3−dATP由来の蛍光が次工程で生じないようにする。以上の一連の反応工程をdATP,dTTP,dCTP,dGTPの順に行う。この操作を80サイクル行うことで、各フラグメントの固相側のおよそ20〜30塩基が解読できる。本実施例では、蛍光色素としてCy3を、励起光源として波長532nmのYAGレーザを用いているが、標識分子,光源の組み合わせはこれに限るものではない。
また、本実施例では、1種類の蛍光色素を用い、逐次反応による塩基配列解読を行っているが、別の方式を用いても構わない。例えば、4種類のdNTPの3′−OH基に対し、ニトロベンジル基を介して異なる4種類の蛍光色素を結合させた標識dNTPを用いる場合、本実施例のようにdNTPを1種類ずつ反応させなくても良い。すなわち、3′−OH基の蛍光色素が保護基となり、取り込みが行われた段階でその後の伸長反応が進まなくなる。このことを利用して、塩基配列の解読を行う。例えば、4種類の蛍光標識dNTP及び、DNAポリメラーゼを含む反応溶液(20nM 蛍光標識dNTP mixture,0.1U/μL TaqDNAポリメラーゼ,10mM Tris−HCl pH7.8,2mM MgCl2)を、基板1上のフラグメントと5分間反応させる。次に洗浄バッファー(10mM Tris−HCl pH7.8,2mM MgCl2)によって、未反応の蛍光標識dNTPを除去する。励起光を照射し2次元センサカメラで前記4種類の蛍光を観察し、各蛍光標識dNTPの取り込みが行われたフラグメントを特定し、配列を決定する。4種類の蛍光色素としては、例えばCy3,Cy5,Cy5.5,Alexa fluor(登録商標)488を用いることができる。蛍光のクロスコンタミネーションを防ぐため、なるべく蛍光波長帯が離れているものを選択することが好ましい。励起光は、それぞれの蛍光色素の波長特性に適した励起光源を用いるか、バンドパスフィルタ等を用いて多波長光から目的の波長成分を分離して用いる。蛍光も同様に、それぞれの蛍光色素の波長特性に適したバンドパスフィルタ等を用いて、目的の波長成分を分離して蛍光観察を行う。観察後、化学的又は物理的手段によって蛍光色素を切り離し、直前に取り込まれた蛍光標識dNTPの3′−OH基を解放する。切り離す手段は、例えば波長360nm以下のUV照射などである。切り離した蛍光色素を洗浄バッファーにより除去する。以上の一連の操作を複数回行うことで、塩基配列の解読が可能である。
本実施例では、フィルタユニット17内の4種のフィルタを切り替えて順番に測定するが、4種の蛍光波長を同時に測定することもできる。たとえば、フィルタユニットに変えて2次元分光ユニットを使用すれば、2次元の画像で多色測定が可能である。この場合、プライマは基板上に規則的に配置されていることが望ましい。また、2次元分光ユニットとして、例えば、プリズムなどを光学系の中に配置し、画像の一方向に色分散させることで各プライマ位置からの蛍光を同時に検出し、さらに、4波長帯以上の波長帯を同時に検出することができる。尚、分散幅がプライマの配列ピッチよりも小さくなるようにする。またこの方式では連続的に反応させ、連続的に計測することもできる。
以上の操作により、全反射照明を利用して蛍光観察を行う装置について、基板表面の角度によらず、常に励起光が基板表面で全反射となるよう励起光の入射角を調整する。なお、本実施例では、観察領域で入射角の調整を行っているが、別の領域で調整を行っても良い。例えば、既に蛍光サンプルが固定された基板を観察する際、サンプル固定領域近傍で入射角調整を行うことで、調整に伴うレーザ光の照射によって測定サンプルの蛍光が消光することを防ぐことが可能である。
また、基板全体、つまり、基板の各位置ごとの調整パラメータをあらかじめ測定して記憶しておき、基板の測定位置を変えたときに、その記憶データをもとに入射角度調整を連続的に行うことも可能である。
本実施例によれば、全反射角度のマニュアル調整操作が不要となり、従来法と比較して操作性が向上する。また、基板表面の波打ち等に影響されずに常に全反射角度を一定に保つことが可能なため、従来法と比較して安定性,信頼性が向上する。
実施例1では、3つの光センサで透過光,表面伝播光、及び反射光を検知しているが、これら3つの光を1つの光センサ23で検出することもできる。具体的には、前述の3種類の光は、直接もしくはミラー等の光学素子によって光センサ23の区画化された3領域にそれぞれ導かれる。光センサ23の検知結果は、ミラーユニットコントローラ6へ送られる。ミラーユニットコントローラ6はその情報をもとに、ミラーユニット4を駆動させる。ミラーユニットコントローラ6は実施例1同様、内部に5つのモードを有しており、それぞれのモードごとに決められたルールに従ってミラーユニット4は入射角が全反射角度となるよう自動で調整を行う。若しくは、ミラーユニットコントローラ6は、実施例1同様、内部に5つのモードを有しており、光センサ23の検知パターンより、モードを判定する。ミラーユニットコントローラ6はミラーユニット4に対し、それぞれのモードごとに決められた動作の指示を出す。ミラーユニット4はこの指示に従って駆動し、レーザ光が基板表面で全反射するよう、入射角を調整する。
実施例1では、透過光,表面伝播光、及び反射光の3つの光を検知しているが、検知する光は透過光と表面伝播光の2つとすることもできる。実施例1同様、基板1表面の測定領域に対し、任意の入射角でレーザ光2aを照射する。角度は、例えば、45度である。装置には透過光,表面伝播光を検出するための光センサ7,8が設置されており、これらのセンサの検知結果は、ミラーユニットコントローラ6へ送られる。ミラーユニットコントローラ6はその情報をもとに、ミラーユニット4を駆動させる。駆動は実施例1同様の手段で行う。ミラーユニットコントローラ6は内部に下表に示す5つのモードを有しており、光センサ7,8の検知パターンより、モードを決定する。それぞれのモードごとに決められたルールに従ってミラーユニット4は入射角が全反射角度となるよう自動で調整を行う。若しくは、ミラーユニットコントローラ6は実施例1同様、内部に5つのモードを有しており、光センサ7,8の検知パターンより、モードを判定する。ミラーユニットコントローラ6はミラーユニット4に対し、それぞれのモードごとに決められた動作の指示を出す。ミラーユニット4はこの指示に従って駆動し、レーザ光が基板表面で全反射するよう、入射角を調整する。
例えば、基板1が合成石英で媒質が水の場合、臨界角は約66度であり、入射角45度でレーザ光2aを照射した場合、レーザ光2aは基板1を透過する。このとき光センサ7,8の信号パターンは(透過光,表面伝播光)=(1,0)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードAと判定し、下表のルールに従い入射角を大きくするよう光軸調整を行う。若しくは、この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードAと判定し、ミラーユニット4に対し入射角を大きくするよう指示を出す。
入射角が約66度に達すると表面伝播光が発生し、光センサ7,8の信号パターンは(透過光,表面伝播光)=(0,1)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードBと判定し、下表のルールに従い更に入射角を大きくするよう光軸調整を行う。若しくは、この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードBと判定し、ミラーユニット4に対し入射角を大きくするよう指示を出す。
入射角が臨界角を超えた瞬間、表面伝播光は消え、代わりに全反射光が発生する。このときの信号パターンは(透過光,表面伝播光)=(0,0)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードCと判定し、角度調整を停止する。若しくは、この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードCと判定し、ミラーユニット4に対し角度調整停止の指示を出す。
本実施例では、透過光用と表面伝播光用の光センサを別々に用意しているが、実施例2のように1つの光センサの区画化された2領域に導く方式であっても良い。
Figure 0005111608
実施例1では、透過光,表面伝播光、及び反射光の3つの光を検知しているが、検知する光は表面伝播光と反射光の2つでも実現できる。実施例1同様、基板1表面の測定領域に対し、任意の入射角でレーザ光2aを照射する。角度は、例えば45度である。装置には表面伝播光,反射光を検出するための光センサ8,9が設置されており、これらのセンサの検知結果は、ミラーユニットコントローラ6へ送られる。ミラーユニットコントローラ6はその情報をもとに、ミラーユニット4を駆動させる。駆動は実施例1同様の手段で行う。ミラーユニットコントローラ6は内部に下表に示す5つのモードを有しており、光センサ8,9の検知パターンより、モードを決定する。それぞれのモードごとに決められたルールに従ってミラーユニット4は入射角が全反射角度となるよう自動で調整を行う。若しくは、ミラーユニットコントローラ6は実施例1同様、内部に5つのモードを有しており、光センサ8,9の検知パターンより、モードを判定する。ミラーユニットコントローラ6はミラーユニット4に対し、それぞれのモードごとに決められた動作の指示を出す。ミラーユニット4はこの指示に従って駆動し、レーザ光が基板表面で全反射するよう、入射角を調整する。
例えば、基板1が合成石英で媒質が水の場合、臨界角は約66度であり、入射角45度でレーザ光2aを照射した場合、レーザ光2aは基板1を透過する。このとき光センサ8,9の信号パターンは(表面伝播光,反射光)=(0,0)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードAと判定し、下表のルールに従い入射角を大きくするよう光軸調整を行う。若しくは、この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードAと判定し、ミラーユニット4に対し入射角を大きくするよう指示を出す。
入射角が約66度に達すると表面伝播光が発生し、光センサ8,9の信号パターンは(表面伝播光,反射光)=(1,0)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードBと判定し、下表のルールに従い更に入射角を大きくするよう光軸調整を行う。若しくは、この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードBと判定し、ミラーユニット4に対し入射角を大きくするよう指示を出す。
入射角が臨界角を超えた瞬間、表面伝播光は消え、代わりに全反射光が発生する。このときの信号パターンは(表面伝播光,反射光)=(0,1)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードCと判定し、角度調整を停止する。若しくは、この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードCと判定し、ミラーユニット4に対し角度調整停止の指示を出す。本実施例では、表面伝播光用と反射光用の光センサを別々に用意しているが、実施例2のように1つの光センサの区画化された2領域に導く方式であっても良い。
Figure 0005111608
実施例1では、透過光,表面伝播光、及び反射光の3つの光を検知しているが、検知する光は表面伝播光のみでも実現できる。実施例1同様、基板1表面の測定領域に対し、入射角90度でレーザ光2aを照射する。装置には表面伝播光を検出するための光センサ8が設置されており、この検知結果はミラーユニットコントローラ6へ送られる。ミラーユニットコントローラ6はその情報をもとに、ミラーユニット4を駆動させる。駆動は実施例1同様の手段で行う。ミラーユニットコントローラ6は内部に下表に示す4つのモードを有しており、光センサ8の検知パターンより、モードを決定する。それぞれのモードごとに決められたルールに従ってミラーユニット4は入射角が全反射角度となるよう自動で調整を行う。若しくは、ミラーユニットコントローラ6は内部に下表に示す4つのモードを有しており、光センサ8の検知パターンより、モードを判定する。ミラーユニットコントローラ6はミラーユニット4に対し、それぞれのモードごとに決められた動作の指示を出す。ミラーユニット4はこの指示に従って駆動し、レーザ光が基板表面で全反射するよう、入射角を調整する。
例えば、基板1が合成石英で媒質が水の場合、臨界角は約66度であり、入射角90度でレーザ光2aを照射した場合、レーザ光2aは基板1を透過する。このとき光センサ8の信号パターンは(表面伝播光)=(0)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードAと判定し、下表のルールに従い入射角を大きくするよう光軸調整を行う。若しくは、この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードAと判定し、ミラーユニット4に対し入射角を大きくするよう指示を出す。
入射角が66度に達すると表面伝播光が発生し、光センサ8の信号パターンは(表面伝播光)=(1)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードBと判定し、下表のルールに従い更に入射角を大きくするよう光軸調整を行う。若しくは、この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードBと判定し、ミラーユニット4に対し入射角を大きくするよう指示を出す。
入射角が臨界角を超えた瞬間、表面伝播光は消え、代わりに全反射光が発生する。このときの信号パターンは(表面伝播光)=(0)となる。この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードCと判定し、角度調整を停止する。若しくは、この信号パターンを受け、ミラーユニットコントローラ6はモードCと判定し、ミラーユニット4に対し角度調整停止の指示を出す。
Figure 0005111608
本発明は、単分子蛍光観察に有用である。したがって、生物,化学,医療等を含むライフサイエンス分野において幅広く利用可能である。
1 基板
2 レーザ装置
2a レーザ光
3 λ/4波長板
4 ミラーユニット
5 プリズム
6 ミラーユニットコントローラ
7 透過光用光センサ
8 表面伝播光用光センサ
9 反射光用光センサ
10 試薬保管ユニット
10a 試料液容器
10b,10c,10d,10e 標識dNTP溶液容器
10f dNTP mixture溶液容器
10h 洗浄バッファー容器
10g ポリメラーゼ溶液容器
11 分注ユニット
12 送液チューブ
13 廃液チューブ
14 廃液容器
15 蛍光
16 対物レンズ
17 フィルタユニット
18 結像レンズ
19 2次元センサカメラ
20 2次元センサカメラコントローラ
21 制御PC
22 モニタ
23 光センサ

Claims (8)

  1. 表面に測定試料が配置された基板と、
    前記基板に励起光を照射する光源と、
    前記基板から生じる発光を測定する検出器と、
    前記励起光が前記へ入射することにより生じる透過光、又は表面伝播光の少なくとも1つを検知する光センサと、
    前記光センサの検知パターンをもとに励起光の入射角が全反射角となるよう入射角を調整する調整装置と、
    を有することを特徴とする全反射蛍光観察装置。
  2. 請求項1記載の全反射蛍光観察装置において、
    前記基板が、光を透過する部材で形成されていることを特徴とする装置。
  3. 請求項1記載の全反射蛍光観察装置において、
    前記制御機構が、透過光,表面伝播光、及び反射光の検知結果の組み合わせから、現在の入射角の状態を判定することを特徴とする装置。
  4. 表面に測定試料が配置された基板と、
    前記基板に励起光を照射する光源と、
    前記基板から生じる発光を測定する検出器と、
    前記基板に照射後の前記励起光を検知する光センサと、
    前記光センサの検知結果に基づいて励起光の入射角を調整する調整装置と、
    を有し、
    前記制御機構が、透過光,表面伝播光、及び反射光の検知結果の組み合わせから、現在の入射角の状態を判定することを特徴とする装置。
  5. 請求項1または4記載の全反射蛍光観察装置において、
    前記制御機構が、現在の入射角の状態をもとに、駆動機構に対し次の動作を指示するためのアルゴリズムを内部に備えていることを特徴とする装置。
  6. 全反射照明を利用して蛍光観察を行う装置において、励起光の入射角を自動的に調整する方法であって;
    表面に測定試料が配置された基板に対し、励起光の入射角を連続的に変化させ;
    前記励起光が前記基板へ入射することにより生じる透過光,表面伝播光、及び反射光を光センサで検知し;
    入射角制御機構が、光センサの検知パターンをもとに励起光の入射角が全反射角となるよう入射角を調整する;
    方法。
  7. 全反射照明を利用して蛍光観察を行う装置において、励起光の入射角を自動的に調整する方法であって;
    表面に測定試料が配置された基板に対し、励起光の入射角を連続的に変化させ;
    前記励起光が前記基板へ入射することにより生じる透過光、又は表面伝播光の少なくとも1つを光センサで検知し;
    入射角制御機構が、光センサの検知パターンをもとに励起光の入射角が全反射角となるよう入射角を調整する;
    方法。
  8. 全反射照明を利用して蛍光観察を行う装置において、励起光の入射角を自動的に設定する方法であって;
    表面に測定試料が配置された基板に対し、励起光の入射角を連続的に変化させ;
    前記励起光が前記基板へ入射することにより生じる表面伝播光を光センサで検知し;
    入射角制御機構が、光センサの検知パターンをもとに励起光の入射角が全反射角となるよう入射角を調整する;
    方法。
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