JP5110839B2 - セラミックフィルター - Google Patents

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Description

本発明は、液体または気体を濾過する浄化用等に用いられるセラミックフィルターに関する。
濾過フィルター等に用いられるセラミックフィルターは、同様の用途に使用される有機高分子膜フィルターと比較して、耐熱性、耐食性、耐久性および物理的強度に優れている一方で、フィルターの濾過性能で重要な特性である、分離性能と透過性能とを単層で同時に満足させる孔径制御が必要となる。
その孔径制御の技術としては、セラミック原料に気孔形成剤を添加し、焼成時に焼失させて気孔を形成することにより気孔率および細孔径を制御した、均質でかさのある多孔質セラミック材料が開示されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1に示される多孔質セラミック材料では、気孔形成剤により気孔率および細孔径が制御されているため、焼成の段階で気孔形成剤を焼失させることから、通常より脱バインダー時間を多くとる必要があり、さらには、その条件が適切でなければクラック等の欠陥につながる問題を有している。また、濾過対象となる液体や気体の圧力損失の影響が大きいため、透過性能を優先させると、必要な分離性能および強度が得られないという問題を有している。
そのため、分離性能、透過性能および強度を満足させる手段として、比較的細孔径の大きい多孔体からなる支持体の外周面などに、分離層として支持体に比して細孔径の小さい多孔質薄膜を複数層形成する方法が用いられている。そのような複数層構造の膜技術は多数開示されているが、多孔質支持体の一側面に無機物粒子を含む懸濁液をコーティングして、乾燥、焼成する無機多孔質膜からなる分離層を形成する製造方法が開示されている(特許文献2参照)。この特許文献2の製造方法では、支持体前処理等の煩雑な処理を行なわないことから、比較的簡便な工程によって薄膜分離層を得ることができるが、反面、圧力損失が増大し、透過性能が著しく低下するという問題があった。この透過性能低下は、分離層を形成する材料粒子がコーティング時に支持体細孔内へと浸入することに起因する。
また、このような支持体の細孔内への粒子浸入を改善する方法としては、コーティング前に支持体の細孔を保護する処理が一般に行なわれるが、たとえば、支持体を焼成後に細孔を樹脂でコーティングした後、無機物粒子を含む懸濁液をコーティングして分離層を形成し、乾燥、焼成する製造方法が開示されており、固化またはゲル化した樹脂によって細孔を埋めるため、コーティング時の粒子浸入を完全に防止することができ、圧力損失の増大を抑えることができるとされている(特許文献3参照)。
また、支持体の細孔内への粒子浸入を改善する他の方法としては、支持体を成形時に分離層も形成する方法が行なわれるが、たとえば、支持体原料を含む押出成形用坏土と、分離層原料を含む押出成形用坏土とを使用し、金型構造によって両坏土を一体押出成形し、乾燥、焼成する製造方法が開示されており、支持体原料と分離層原料とを坏土状で供給し成形するため、焼成後の支持体細孔への粒子浸入がなく、圧力損失の増大を抑えることができるとされている(特許文献4参照)。
特開平11−322465号公報 特開平7−163848号公報 特開2002−220292号公報 特開2005−118771号公報
しかしながら、特許文献3のフィルターは、分離層と支持体とを構成する多孔質セラミックスの細孔径が、分離層から支持体に向けて急激に増大することから、分離層厚みの微小バラツキによる圧力損失のバラツキの影響が大きくなり、その結果、分離層全面での均一な濾過が困難となるとともに、逆洗浄時においても洗浄ムラが生じやすいという問題を有している。
また、樹脂コーティング工程において、均一なコーティングを行なうことが難しく、焼成後の分離層と支持体との境界部に空隙が生じやすいとともに、細孔径の急激な増大により、両層の境界部に濾過圧力と洗浄圧力とが集中することから、分離層と支持体の密着性が低くなり、濾過時や洗浄時、あるいはハンドリング時に分離層の剥離が起きやすいといった問題を有している。特に、特許文献2、特許文献3では、一部の洗浄方法として用いられる水蒸気洗浄や加熱洗浄、あるいは高温流体の濾過といったヒートショックのかかる環境下において、特に層剥離やクラック等の欠陥を生じやすいという問題を有していた。
また、特許文献4のフィルターは、支持体となる成形体に分離層を形成するため、分離層厚みのバラツキが大きくなることから、圧力損失のバラツキが大きくなり、分離層全面での均一な濾過が困難となるとともに、逆洗浄時においても洗浄ムラが生じやすいといった問題を有している。
さらに、特許文献2〜4においては、支持体領域と分離層領域とにおける組成が明確に示されていないことから、各領域における組成の組み合わせが不適な場合、前述した水蒸気洗浄や加熱洗浄、あるいは高温流体の濾過といったヒートショックのかかる環境下において各領域の膨張差が生じ、層剥離やクラック等の欠陥が生じやすいという問題を有している。
また、特許文献2〜3においては、分離層領域におけるシリカ量についても明記されていないが、通常ディッピングにおけるシリカ量は10〜25質量%と高いことから、特に酸による薬品洗浄において強度が大きく劣化するという問題を有していた。
そこで、本発明では、圧力損失の増大による透過性能の低下がなく、分離層全面における均一な濾過、洗浄を行なうことができ、かつ層の高い密着性を有するとともに、ヒートショックのかかる環境において好適に使用できるという特徴を持った、高性能の筒状セラミックフィルターを提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題に対し、検討を重ねた結果、分離層領域と支持体領域との間の中間層領域における深さ方向への細孔径変化が、特性に大きく寄与することを見いだし、中間層領域における最大細孔径の変化が特定条件を満足するように制御することによって、セラミックフィルターとしての透過性能、均一濾過、均一洗浄,層密着性が達成されることを見いだした。また、支持体領域と分離層領域の材料組成を適切に選択することにより、ヒートショックに強く、かつフィルター用途として十分な強度が得られることを見いだし、本発明に至った。
本発明のセラミックフィルターは、複数の細孔を有する多孔質セラミックスからなる筒状の支持体領域と、該支持体領域の内周面または外周面に形成され、前記支持体領域の最大細孔径より小さな最大細孔径の複数の細孔を有する多孔質セラミックスからなる分離層領域とを有するセラミックフィルターであって、前記支持体領域と分離層領域との間に、複数の細孔を有する多孔質セラミックスからなり、且つ前記分離層領域から前記支持体領域に向かって最大細孔径が漸増する中間層領域を有するとともに、前記多孔質セラミックスはムライトとアルミナとを含み、前記支持体領域のムライトの含有量が前記分離層領域よりも多いことを特徴とするものである。
また、本発明のセラミックフィルターは、上記構成において、前記中間層領域に存在する細孔の径方向における前記最大細孔径の値の変化が傾き0.2〜1.0の範囲であることを特徴とするものである。
さらにまた、本発明のセラミックフィルターは、上記構成において、前記支持体領域を成す多孔質セラミックスは、その気孔率が30〜50%、最大細孔径が1〜6μm、平均細孔径が0.5〜3μmであることを特徴とするものである。
また、本発明のセラミックフィルターは、上記構成において、前記分離層領域を成す多孔質セラミックスは、その気孔率が20〜40%、最大細孔径が0.1〜1μm、平均細孔径が0.01〜0.1μmであることを特徴とするものである。
さらにまた、本発明のセラミックフィルターは、上記構成において、前記支持体領域を成す多孔質セラミックスは、ムライト25〜55質量%とアルミナ質セラミックスとからなり、前記分離層領域を成す多孔質セラミックスは、ムライト10〜25質量%とアルミナ質セラミックスとからなり、前記中間層領域を成す多孔質セラミックスは、ムライトとアルミナ質セラミックスとからなり、且つムライトの含有量が前記支持体領域より少なく前記分離層領域より多いことを特徴とするものである。
また、本発明のセラミックフィルターは、上記構成において、前記支持体領域と前記分離層領域とを成す前記多孔質セラミックスにおける単体シリカの量が5質量%以下で含有するあることを特徴とするものである。
本発明のセラミックフィルターは、複数の細孔を有する多孔質セラミックスからなる筒状の支持体領域と、該支持体領域の内周面または外周面に形成され、前記支持体領域の最大細孔径より小さな最大細孔径の複数の細孔を有する多孔質セラミックスからなる分離層領域との間に、前記支持体領域の細孔に比し、最大細孔径の小さい複数の細孔を有する多孔質セラミックスからなる中間層領域を配するとともに、該中間層領域において前記分離層領域から前記支持体領域に向かって径方向における最大細孔径が漸増することから、本発明のセラミックフィルターを液体濾過用として用いた場合には、分離層領域の厚みの微小なバラツキ等に起因する圧力損失のバラツキの影響が中間層領域で緩和されるため、分離層領域全面での均一な濾過ができるとともに、逆洗浄時においても洗浄ムラのない均一な洗浄を行なうことができる。また、本発明のセラミックフィルターにおける分離層領域は、前記支持体領域の内周面または外周面のいずれに形成されてもよいことから、内周面濾過あるいは外周面濾過の両用途に選択的に適用可能であり、いずれの用途においても同様の効果を得ることができる。
さらに、分離層領域と支持体領域との間の中間層領域において、細孔の径方向における最大細孔径の値の変化の傾きを0.2〜1の範囲としたときには、透過性能が高く、分離層領域全面での均一濾過および均一洗浄を行なうことができ、かつ層領域間の密着性の良いセラミックフィルターを得ることができる。すなわち、最大細孔径の値の変化の傾きを0.2以上とすることにより、最大細孔径の値の変化を過度に緩やかにすることによる圧力損失の増大を防止し、透過性能を高くとることができる。また、前記最大細孔径の値の変化の傾きを1以下とすることにより、分離層領域から支持体領域へかけての最大細孔径の値の急変がなく、圧力損失のバラツキの影響を中間層領域で緩和することができるため、均一濾過および均一洗浄ができるとともに、分離層領域と支持体領域との密着不足による層領域間における剥離を防止することができる。
また、前記支持体領域を成す前記多孔質セラミックスが、その気孔率が30〜50%、最大細孔径が1〜6μm、平均細孔径が0.5〜3μmであるときには、フィルター全体の強度を維持する支持体領域として十分な強度が得られるとともに、圧力損失の増大を最小限に抑えることができるため、良好な透過性能を得ることができる。
また、前記分離層領域を成す前記多孔質セラミックスが、その気孔率が20〜40%、最大細孔径が0.1〜1μm、平均細孔径が0.01〜0.1μmであるときには、フィルターの分離性能を決定する分離層領域として十分な分離性能が得られるとともに、圧力損失の増大を最小限に抑えることができるため、良好な透過性能を得ることができる。
また、前記多孔質セラミックスが、ムライトを含有しており、前記支持体領域のムライトの含有量が分離層領域よりも多いときには、支持体領域における熱膨張が、分離層領域における熱膨張より小さくなるので、一番層の厚い支持体領域における熱膨張が分離層領域に与える影響を抑えることができることから、ヒートショックによる分離層領域の剥がれやクラックを防止することができる。
また、前記支持体領域を成す前記多孔質セラミックスが、ムライト25〜55質量%とアルミナ質とからなるときには、ムライト10〜25質量%とアルミナ質とからなる分離層領域に対して支持体領域を適度な熱膨張をするものにすることができるため、耐ヒートショック性を得ることができ、またフィルターとしての十分な強度を得ることができる。また、前記分離層領域を成す前記多孔質セラミックスが、ムライト10〜25質量%とアルミナ質とからなるときには、ムライト25〜55質量%とアルミナ質とからなる支持体領域に対して分離層領域を適度な熱膨張をするものにすることができるとともに、材料強度が高く、焼成温度のバラツキによる細孔分布の変化が少ないため、材料強度が高く孔径制御が容易なアルミナを主成分として適量含有するので、前記分離層領域として十分な強度を得られることから、ハンドリング等による傷や剥離を防止することができるとともに、フィルターとしての分離性能を満足する孔径制御を容易に行なうことができる。さらに、前記中間層領域を成す前記多孔質セラミックスが、ムライトとアルミナ質とからなり、且つムライトの含有量が前記支持体領域より少なく前記分離層領域より多いときには、中間層における熱膨張が支持体領域より大きく分離層領域より小さくなるため、支持体領域の熱膨張が分離層領域に与える影響をさらに緩和することができる。
さらに、前記支持体領域と前記分離層領域とを成す前記多孔質セラミックスにおける単
体シリカの量を5質量%以下で含有するときには、単体シリカの焼結性が良好であるという助剤効果により適度な焼結性が得られるとともに、薬品洗浄等における耐薬品性を保つことができる。
以下、本発明のセラミックフィルターについて詳細に説明する。
図1は本発明のセラミックフィルター1の一実施形態を示す斜視図である。
本発明のセラミックフィルター1は、複数の細孔を有する多孔質セラミックスからなる筒状の支持体領域3と、その内周面に形成され、支持体領域3の最大細孔径より小さな最大細孔径の複数の細孔を有する多孔質セラミックスからなる分離層領域2とを備え、さらに分離層領域2と支持体領域3の間に中間層領域4を有する。
なお、分離層領域2は、支持体領域3の内周面または外周面のいずれに形成されてもよく、図2(a)は、分離層領域2が支持体領域3の内周面に形成され、分離層領域2と支持体領域3との間に中間層領域4を備えた場合を示しており、内周面の分離層領域2側から支持体領域3側に向かって濾過することができる。他方、図2(b)は、分離層領域2が支持体領域3の外周面に形成される場合を示しているが、同様に分離層領域2と支持体領域3との間に中間層領域4を備え、外周面の分離層領域2側から支持体領域3側に向かって濾過することができる。
ここで、中間層領域4は、支持体領域3および分離層領域2と同様に、多孔質セラミックスからなり、分離層領域2から支持体領域3に向かって径方向における最大細孔径が漸増することが重要である。
これにより、本発明のセラミックフィルター1を液体濾過用として用いた場合など、分離層領域2の径方向の厚みに微小なバラツキが存在したとしても、この厚みバラツキに起因する圧力損失のバラツキを中間層領域4で緩和できるため、分離層領域2全面での均一な濾過ができるとともに、逆洗浄時においても洗浄ムラのない均一な洗浄を行なうことができる。また、濾過圧力および洗浄圧力についても、中間層領域4で均一に分散されることから、境界部への圧力集中による分離層領域2と支持体領域3との密着性の低下を抑え、層剥離を防止することができる。
なお、最大細孔径とは、JIS K 3832−1990に準拠するバブルポイント法に基づいて測定した値であり、Porous Materials社製自動細孔測定装置(Perm Porometer)を用い、バブルポイント圧力における細孔径の測定結果を求めて算出したものであり、セラミックフィルター1が円柱状の場合、その中心軸に対して略垂直な任意の断面において、中間層領域4の同心円上に存在する複数の細孔のうち最大の径を有するものを最大細孔径とし、ここでは径方向に1μm毎の径で測定をした。
また、中間層領域4における細孔の最大細孔径が径方向において漸増するとは、上述のようにセラミックフィルター1が円柱状の場合、その中心軸に対して略垂直な任意の断面において、中間層領域4の同心円上に存在する複数の細孔のうち最大の径を有するものを最大細孔径とし、この値が漸増するものである。
次いで、中間層領域4において、径方向に対する最大細孔径の変化の傾きについて説明する。図3は、図2(b)に示す支持体領域3の外周面に中間層領域4および分離層領域2を有するセラミックフィルター1において、セラミックフィルター1の外周面から軸に向かって径方向に厚みをとった場合の最大細孔径の値を測定し、グラフの横軸に外周面から径方向の厚みを、縦軸に各径における最大細孔径をとり、最大細孔径の変化を示したものである。
図3において、分離層領域2および支持体領域3は、径方向における最大細孔径の変化はなく一定であることが分かる。ここで、各々の最大細孔径の値は特に限定しないが、フィルターとしての分離性能および透過性能を考慮すると、分離層領域2の最大細孔径を0.1〜0.9μm、支持体領域3の最大細孔径を1〜4μmの範囲とすることが好ましい。
さらに図3において、中間層領域4における最大細孔径の値は一定の傾きをもって径方向に漸増するが、この傾きの範囲を0.2〜1とすることが好ましい。
この傾きを0.2以上としたのは、細孔径の変化を過度に緩やかにすることによる透過性能の低下を防止するためである。また、最大細孔径の値の変化の傾きを1以下としたのは、分離層領域2から支持体領域3へかけての最大細孔径の急変がなく、圧力損失バラツキの影響を中間層領域4で緩和することができるため、均一濾過および均一洗浄ができるとともに、分離層領域2と支持体領域3との密着不足による層剥離を防止することができるからである。さらには、傾きを0.55〜0.75とすることがより好ましく、透過性能や濾過バラツキ、洗浄バラツキを考慮すると、さらに0.3〜0.7とすることが好ましい。
なお、最大細孔径の測定方法は、上述のようにJIS K 3832−1990に準拠するバブルポイント法に基づいて測定する。
また、最大細孔径の値の変化の傾きが前述の範囲である中間層領域4の厚みは特に指定しないが、フィルターとしての透過性能および均一濾過を考慮すると、中間層領域4の厚みが2〜12μmの範囲にあればよく、より好ましくは3〜6μmの範囲であればよい。
さらに、本発明のセラミックフィルター1において、支持体領域3を成す多孔質セラミックスは、その気孔率が30〜50%、最大細孔径が1〜6μm、平均細孔径が0.5〜3μmであることが好ましい。
これにより、支持体領域3として優れた透過性能と強度とを達成することができる。気孔率が30%未満となると、連通細孔が少なくなるため透過性能が不足となり、一方、50%を超えると、支持体領域3としての充分な強度が得られなくなる傾向がある。また、最大細孔径が1μm未満となると、圧力損失により透過性能が不足となり、一方、6μmを超えると、界面部における空隙欠陥が発生し、剥離の要因となる。加えて、平均細孔径が0.5μm未満となると、連通細孔が少なくなるため透過性能が不足となり、一方、3μmを超えると、支持体領域3としての充分な強度が得られなくなる傾向がある。さらには、その気孔率が35〜45%、最大細孔径が2〜4μm、平均細孔径が1〜2μmであることがより好ましい。
また、分離層領域2を成す多孔質セラミックスは、その気孔率が20〜40%、最大細孔径が0.1〜1μm、平均気孔径が0.01〜0.1μmであることが好ましく、これにより、分離層領域2として優れた透過性能と分離性能、および膜強度を達成することができる。気孔率が20%未満となると、連通細孔が少なくなるため透過性能が不足となり、一方、40%を超えると、強度不足のため、膜剥離が起きやすくなる。また、最大細孔径が0.1μm未満となると、圧力損失により透過性能が不足となり、一方、1μmを超えると、充分な分離性能が得られなくなる。加えて、平均細孔径が0.01μm未満となると、連通細孔が少なくなるため透過性能が不足となり、一方、0.1μmを超えると、支持体領域との密着が悪く、膜剥離が起きやすくなる。さらには、その気孔率が30〜35%、最大細孔径が0.2〜0.6μm、平均細孔径が0.04〜0.08μmであることがより好ましい。
なお、気孔率はアルキメデス法により測定した値であり、また最大細孔径は、上述と同様にJIS K 3832−1990に準拠するバブルポイント法に基づいて測定し、平均細孔径は、水銀圧入法を測定原理とするmicromeritics社製のポアサイザー−9310型により測定した。
さらに、前記分離層2、支持体3、中間層4を成す多孔質セラミックスは、例えば、アルミナ、ジルコニア、チタニア、シリカ、コージェライト、ムライト等や、これらの2種以上を適宜混合したものを主成分とするセラミックスを用いればよいが、耐食性や耐久性、耐熱性の点、また製造工程において焼成温度に対して、粒成長しにくく、多孔質体の細孔制御がし易いアルミナ質セラミックスを用いることが好ましい。
またさらに、分離層領域2、支持体領域3、中間層領域4を成す多孔質セラミックスは、異なった種類のセラミックスであってもよいが、互いに反応して特性の劣化した化合物を形成する組み合わせは避けた方がよく、収縮の違い等からくる反りやクラックを考慮するならば、同じ原料からなるセラミックスを用いることが好ましい。
また、多孔質セラミックスは、アルミナ質セラミックスであり、ムライトを含有しており、支持体領域3のムライトの含有量が分離層領域2よりも多いことが好ましい。支持体領域3のムライト含有量が少なくなると、一番層の厚い支持体領域3の熱膨張の影響が大きくなることから、ヒートショック時において、分離層領域の剥がれやクラック等の欠陥の要因となる。
また、支持体領域3を成す多孔質セラミックスは、ムライト25〜55質量%とアルミナ質セラミックスとからなることが好ましく、ムライトが55質量%を超えると、材料強度の低いムライト量の割合が多くなることから、フィルターとして十分な強度が得られず、ムライトが25質量%未満となると、熱膨張率の高いアルミナ質セラミックスの割合が多くなることから、ヒートショックによるクラック等の欠陥が発生しやすくなる。
さらに、分離層領域2を成す多孔質セラミックスは、ムライト10〜25質量%とアルミナ質セラミックスとからなることが好ましく、ムライトが25質量%を超えると、材料強度が低く、1μm以下の細孔径を制御するのが難しいムライト量の割合が多くなることから、十分な強度が得られないとともに、細孔径の制御が難しくなるため分離性能を満足することができなくなり、また、ムライトが10質量%未満となると、熱膨張率の高いアルミナ質セラミックスの割合が多くなることから、ヒートショックによるクラックや層剥離が起きやすくなる。
なお、支持体領域3を成す多孔質セラミックスが、アルミナ質セラミックス50〜70質量%とムライト30〜50質量%とからなり、分離層領域2を成す多孔質セラミックスは、アルミナ質セラミックス80〜85質量%とムライト15〜20質量%とからなり、中間層領域4を成す多孔質セラミックスは、アルミナ質セラミックス65〜85質量%とムライト15〜35質量%とからなりことがより好ましい。
なぜならば、支持体領域3、分離層領域2を成す多孔質セラミックスの材料組成を各々上述の範囲とすることで、特に、各層領域を一体押出成形した成形品を一体同時焼成する工程において、各々の層領域を成す多孔質セラミックスの収縮差を低減することができ、収縮差による焼成クラックの発生を抑えることができることから、支持体領域3、中間層領域4および分離層領域2の層剥離を防止できるからである。
さらに、支持体領域3と分離層領域2とを成す多孔質セラミックスにおける単体シリカの量が5質量%以下で含有することが好ましく、単体シリカ量が5質量%を超えると、特
に酸に対する耐薬品性が著しく低下するため薬品洗浄等による劣化の要因となる。また、単体シリカ量は、適度な焼結性と耐薬品性といった観点から、0.03〜3質量%であることがより好ましい。
なお、ヒートショックによる欠陥の評価については、サンプルを180℃に加熱し、投下式水中急冷を行なった後に層剥離やクラックの有無を光学顕微鏡により観察を行なえばよく、また、耐薬品性については、試料を濃度10%の硫酸に浸漬し、95℃で2時間加熱を行なった後、強度減を測定すればよい。また、強度については、スパン30mm、C.H.S=0.5mm/minで3点曲げ圧環強度試験を行なえば評価できる。さらに、劣化する割合については、耐薬品試験前の強度を基準とし、耐薬品試験後との強度割合で評価ができる。なお、使用環境によって要求される強度は異なるが、通常、精密濾過においては圧環強度が80MPa以上、劣化の割合が15%未満であることが望ましい。
ここで、本発明のセラミックフィルター1の製造方法について説明する。
先ず、アルミナ、シリカからなる支持体領域原料を含む押出成形用坏土と、アルミナ、ムライトからなる分離層領域原料を含む押出成形用坏土とを使用し、一体押出成形用金型を用いて成形し、一体成形体を得る。ここで、中間層領域の形成および該中間層領域における最大細孔径の変化の傾きを制御するために、各々の坏土の粘度の範囲を選定し、その粘度に応じた坏土吐出量を選定することが重要となる。すなわち、坏土の粘度および坏土吐出量を適正な値とすることで、成形時の分離層領域2と支持体領域3との界面において両坏土が適度に入り組み合い、これにより、最大細孔径が漸増する中間層領域4を得ることができ、さらに最大細孔径の値の変化の傾きを所望の範囲に制御することができるのである。そして、押出成形で得られた成形体を、自然乾燥後、焼成して、本発明のセラミックフィルター1を得る。
(実施例1)
まず、図1に示すセラミックフィルター1を得るために、分離層領域2用の原料粉末として、平均粒径が1.5μmであり、粒度分布の小径側から累積10%、累積90%に相当する粒径をそれぞれD10、D90としたとき、D90/D10比が3.0であるα−アルミナを使用し、支持体領域3用の原料粉末として、平均粒径が6μm、D90/D10が4.5のα−アルミナを使用した。さらに、各々の原料粉末に、成形用バインダーとしてメトローズ(信越化学工業製 商品名)などの結合剤、マルレックス(エクソンモービル製 商品名)などの潤滑材およびセラミゾール(日本油脂製 商品名)などの可塑剤を加えて混練し、押出成形用の原料坏土を得た。ここで、成形バインダーの調合比を変更することで原料坏土の粘度を調整しており、分離層領域用坏土の粘度をη、支持体領域用坏土の粘度をηとしたとき、せん断速度1×10/secのときの粘度ηを1000〜2000Pa・sec、粘度ηを1500〜2500Pa・secの範囲で選定し、原料坏土を得た。なお、原料粉末の平均粒径、粒度分布の測定は、セラミック粉末をレーザー回折法(マイクロトラック9320−X100)にて測定し、小径側から累積50%の粒径を平均粒径とし、粒度分布は、累積10%、累積90%の粒径をそれぞれD10、D90として、D90/D10比を求めた。
次いで、図4に断面図で示すような押出成型用の金型11を用い、内芯13側に分離層領域2の原料坏土15を、また外芯14側に支持体領域2の坏土16を供給して口金12から押し出すことにより、筒状セラミック成形体を作製した。その後、この筒状セラミック成形体を焼成することにより、外径3.0mm、内径2.5mmとなるようにセラミックフィルター1を作製した。
ここで、分離層領域2側と支持体領域3側との各プランジャー17,18により、分離層領域2となるセラミック坏土の吐出量V1と支持体領域3となるセラミック坏土の吐出量V2とのV1/V2比を0.03〜1の範囲で選定した。また、金型11の口金12の長さLは12mmとし、支持体領域3となる坏土16は外芯11の円周方向内壁に等間隔で3つの流路で供給し、口金12の入り口の分離層領域2の吐出口19で合流して吐出する構造とした。
なお、成形工程において、中間層領域4は吐出口19で各々坏土が加圧合流することで形成され、坏土の粘度η、ηおよび吐出量比V1/V2比を前記範囲で調整することで、中間層領域4における深さ方向への最大細孔径の値の変化の傾きが0.14〜1.05の範囲で18水準(表1に示す試料No.2〜19)となるように作製した。
また、セラミックフィルター1の分離層領域2における最大細孔径を調整するため、分離層領域用坏土を用い、押出成形により分離層領域一層構造の筒状成形体を作製した。押出成形で得られた成形体を、100mmの長さになるように切断し、1500℃の温度で焼成し、得られたセラミックフィルター1の最大細孔径の変化および透過性能の測定を行なった。また、分離層領域2における濾過バラツキと逆洗時の洗浄バラツキとについても観察し、評価を行なった。
各試料について、支持体領域3を成す多孔質セラミックスの気孔率を37.5%、分離層領域2を成す多孔質セラミックスの気孔率を32.5%とした。
また、セラミックフィルター1の比較例として、前記分離層領域用坏土を用い、押出成形により中間層領域4のない試料(表1に示す試料No.1)を作製した。
得られた各試料を以下の方法にて評価した。
最大細孔径は、バブルポイント法(JIS K 3832−1990)に基づくPorous Materials社製自動細孔測定装置(Perm Porometer)を用いて測定し、バブルポイント圧力における細孔径を求めて、最大細孔径とした。さらに、セラミックフィルター1の内周面を分離層領域2側から研磨して最大細孔径を測定し、研磨と最大細孔径の測定とを順次繰り返して行なうことで、深さ方向に対する最大細孔径の値の変化を求め、傾きを算出した。
また、透過性能の測定には、前記自動細孔測定装置を用い、内周面から200kPaの加圧純水を流入させ、外周面からの透過量を測定し、透過性能の評価とした。
さらに、分離性能の評価をするために、純水に着色球状ポリエチレン樹脂(平均粒径0.6μm、粒度分布0.05〜3.0μm)を分散させた液体を用いて前記透過性能試験を行ない、加圧200kPa、2時間連続透過後の内周面を金属顕微鏡を用いて濾過した液体の着色球状ポリエチレン樹脂が膜の表面もしくは途中で止まった状態を観察し、膜表面の色にバラツキが無いときは濾過バラツキが無いものとして○、膜表面の色に少しバラツキがあるときは少し濾過バラツキが有るものとして△、膜表面の色に鮮明にバラツキがあるときは濾過バラツキが有るものとして×と評価した。
さらに、洗浄バラツキについては、同自動細孔測定装置を用い、濾過バラツキ試験後のセラミックフィルター1の外周面から純水を透過させ、加圧100kPa、1時間連続洗浄後の内周面を金属顕微鏡を用いて、濾過するときに膜の表面もしくは途中で止まった着色球状ポリエチレン樹脂が残っているか、残っていないかについて観察し、残っていないときは洗浄バラツキが無いものとして〇、ほんの少し残っているときは△、残っているときは洗浄バラツキが有るものとして×と評価した。同時に、分離層領域2のクラックや剥離等の欠陥についても観察し、クラックや剥離が無いものを〇とし、有るものを×と評価した。以上の結果を表1に示す。
また、表1における試料No.2の最大細孔径の値の変化を見るために、その変化を図5に示す。
Figure 0005110839
表1の結果から明らかなように、支持体領域3と分離層領域2との間に複数の細孔を有する多孔質セラミックスからなり、分離層領域2から支持体領域3に向かって径方向における最大細孔径が漸増する中間層領域4を有し、最大細孔径の値の変化の傾きが0.2〜1である試料(No.3〜18)は、透過量が439L/m/分以上と高く、濾過バラツキや洗浄バラツキもないため、分離層領域2全面での均一な濾過、均一な洗浄を行なえ、欠陥の発生もないことが分かった。中間層領域4における最大細孔径の値の変化の傾きが小さいと、透過性能の数値が低くなり圧力損失の増大の傾向が見られる。他方、中間層領域4における最大細孔径の値の変化の傾きが大きいと、透過性能については高くなり良好であるが、最大細孔径の傾きが1を超える試料(No.19)では、最大細孔径が急変するため、分離層領域2の透過量バラツキを中間層領域4で十分に緩和することができず、一部に濾過バラツキや洗浄バラツキが発生することが分かった。
また、中間層領域4を有しているものの、図5に示すように最大細孔径の傾きが0.2以下と小さい試料(No.2)は、透過量が260L/m/分と低い値であった。
これに対して、本発明の範囲外である試料(No.1)は、中間層領域4を有していないため、透過量が120L/m/分と非常に悪い値であった。
(実施例2)
次に、分離層領域2用の原料粉末として、平均粒径が1.5μmであり、粒度分布の小径側から累積10%、累積90%に相当する粒径をそれぞれD10、D90としたとき、D90/D10比が3.0であるα−アルミナとムライトを使用し、支持体領域3用の原料粉末として、平均粒径が6μm、D90/D10比が4.5のα−アルミナとシリカを使用して表2に示すように、分離層領域2のムライトの量(24.5〜55.5質量%)を5水準、支持体領域3のムライトの量(9.5〜25.5質量%)を5水準各々準備した。さらに、分離層領域2の原料粉末と支持体領域3の原料粉末とに、成形用バインダーとしてメトローズ(信越化学工業製 商品名)などの結合剤、マルレックス(エクソンモービル製 商品名)などの潤滑材およびセラミゾール(日本油脂製 商品名)などの可塑剤を加えて混練し、押出成形用の原料坏土を表2に示すような25水準を得た。また、粘度、焼成後寸法、成形条件、焼成条件については、上記実施例1と同一とした。また、焼成後寸法は、外径3.0mm、内径2.5mmとなるようにした。強度については、アイコーエンジニアリング社製のデジタル式荷重測定機1840を用いて、スパン30mm、C.H.S=0.5mm/minで3点曲げ圧環強度試験を行なった。測定数は各10個とし、その平均値で評価した。また、ヒートショックによる欠陥の評価については、試料を180℃に加熱し、投下式水中急冷を行なった後、層剥離やクラックの有無を光学顕微鏡により観察を行ない、欠陥が無いものを〇とし、欠陥が僅かに確認できるものの使用するのに問題が無いものを△とした。さらに膜の分離性能評価は上記のバブルポイント法により、分離層領域2の最大細孔径の値によって評価した。
Figure 0005110839
表2の結果から、支持体領域3のムライト量が本発明の範囲より少ない試料(No.20〜25)は、フィルターとして使用するのに問題はないものの小さな欠陥が発生することが分かった。さらに、支持体領域3のムライト量が本発明の範囲より多い試料(No.40〜44)は、強度が80MPa以下と低いことが分かる。また、分離層領域2のムライト量が本発明の範囲より少ない試料(No.20,25,30,36,41)では、ヒートショックにより小さくクラックが発生しているものが若干確認できた。さらに、分離層領域2のムライト量が本発明の範囲より多い試料(No.24,29,34,39,44)では、分離層領域2の最大細孔径が1μm以上と大きく、良好な分離性能が得られないことが分かる。これらに対して、本発明の範囲である試料(No.26〜28,31〜33,36〜38)においては、フィルターとしての強度が80MPa以上あり、分離性能を満足するための分離層領域2の最大細孔径が0.1〜1の範囲内にあり分離性能を満たしており、さらに、欠陥も発生していないことが分かる。
(実施例3)
次に、表2のNo.28,33,38の3種類の原料粉末を準備して、さらに、表3に示すように多孔質セラミックスにおけるシリカ量(0.02〜5.50質量%)を各6水準に振って準備した。そして、準備した各原料粉末に、表3に示す各水準(0.02〜5.50質量%)のシリカおよび、成形用バインダーとしてメトローズ(信越化学工業製 商品名)などの結合剤、マルレックス(エクソンモービル製 商品名)などの潤滑材およびセラミゾール(日本油脂製 商品名)などの可塑剤を加えて混練し、押出成形用の各原料坏土を得た。
次に、粘度、焼成後寸法、成形条件、焼成条件については、上記実施例1および2と同一とし、各18水準の試料を準備した。
次に、耐酸性の評価としては、試料を濃度10%の硫酸に浸漬しながら95℃の温度で2時間加熱を行なった試料と、硫酸に浸漬する前の試料とを、アイコーエンジニアリング社製デジタル式荷重測定機1840を用いて、スパン30mm、C.H.S=0.5mm/minで3点曲げ圧環強度試験を行ない、試料の劣化の割合の評価を実施した。劣化の割合は、耐酸性の試験前の強度を基準とし、試験後の強度割合を劣化の割合とした。以上の結果を表3に示す。
Figure 0005110839
表3の結果から、本発明の範囲である試料(No.45〜49,51〜55,57〜61)では、劣化の割合が15%未満であり、硫酸による劣化も小さいことが分かる。これに対して、単体シリカ量が本発明の範囲より多い試料(No.50,56,62)においては、劣化の割合が15%以上と大きいことが分かる。このことから、本発明のセラミックフィルターは、硫酸による薬品洗浄に対して、耐薬品性が良好であることが分かった。
本発明のセラミックフィルターの一実施形態を示す斜視図である。 本発明のセラミックフィルターの部分拡大図であり、(a)は分離層領域が支持体領域の内周面側に形成された一例を示す拡大図であり、(b)は分離層領域が支持体領域の外周面側に形成された一例を示す拡大図である。 本発明のセラミックフィルターにおける最大細孔径の変化図である。 本発明の実施例に使用した押出金型構造を示す断面図である。 本発明の比較例のセラミックフィルターにおける最大細孔径の変化を表す図である。
符号の説明
1:セラミックフィルター
2:分離層領域
3:支持体領域
4:中間層領域
11:金型
12:口金
13:内芯
14:外芯
15:原料坏土
16:坏土
17,18:プランジャー
19:吐出口

Claims (6)

  1. 複数の細孔を有する多孔質セラミックスからなる筒状の支持体領域と、該支持体領域の内周面または外周面に形成され、前記支持体領域の最大細孔径より小さな最大細孔径の複数の細孔を有する多孔質セラミックスからなる分離層領域とを有するセラミックフィルターであって、前記支持体領域と前記分離層領域との間に、複数の細孔を有する多孔質セラミックスからなり、且つ前記分離層領域から前記支持体領域に向かって径方向における最大細孔径が漸増する中間層領域を有するとともに、前記多孔質セラミックスは、ムライトとアルミナとを含み、前記支持体領域のムライトの含有量が前記分離層領域よりも多いことを特徴とするセラミックフィルター。
  2. 前記中間層領域に存在する細孔の径方向における前記最大細孔径の値の変化が傾き0.2〜1の範囲であることを特徴とする請求項1に記載のセラミックフィルター。
  3. 前記支持体領域を成す前記多孔質セラミックスは、その気孔率が30〜50%、最大細孔径が1〜6μm、平均細孔径が0.5〜3μmであることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミックフィルター。
  4. 前記分離層領域を成す前記多孔質セラミックスは、その気孔率が20〜40%、最大細孔径が0.1〜1μm、平均細孔径が0.01〜0.1μmであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のセラミックフィルター。
  5. 前記支持体領域を成す前記多孔質セラミックスは、ムライト25〜55質量%とアルミナ質セラミックスとからなり、前記分離層領域を成す前記多孔質セラミックスは、ムライト10〜25質量%とアルミナ質セラミックスとからなり、前記中間層領域を成す前記多孔質セラミックスは、ムライトとアルミナ質セラミックスとからなり、且つムライトの含有量が前記支持体領域より少なく前記分離層領域より多いことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のセラミックフィルター。
  6. 前記支持体領域と前記分離層領域とを成す前記多孔質セラミックスにおける単体シリカの量が5質量%以下で含有することを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のセラミックフィルター。
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