JP5106593B2 - 眼科装置 - Google Patents
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本発明は、上述した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、運搬時の梱包を容易に行うことができる眼科装置を提供することである。
この眼科装置では、梱包スイッチが操作されると、制御装置が検査部を予め設定された梱包位置に移動させる。このため、眼科装置を梱包する者(ユーザ)は梱包スイッチを操作するだけでよく、運搬時の梱包を容易に行うことができる。なお、この発明は、検査部を電動で駆動する眼科装置であれば、どのような眼科装置にも適用することができる。
本願に係る他の眼科装置は、被検眼に対して検査部を所定の位置にアライメントして検査を行う眼科装置である。この眼科装置は、ベースと、ベースに対して検査部をX,Y,Z方向に移動させる駆動装置と、検査者によって操作される操作装置と、操作装置に入力された操作量を検出する検出装置と、検出装置で検出された操作量に基づいて駆動装置を駆動する制御装置とを有する。
操作装置は、X,Y,Z方向の少なくも1方向に検査部を移動させるための操作部材を備え、その操作部材は検査部を1方向に移動させるために2自由度の入力が可能となっている。また、検出装置は、操作部材の一方の自由度に関する操作量を検出する第1センサと、操作部材の他方の自由度に関する操作量を検出する第2センサとを備えている。そして、制御装置は、(1)第1センサと第2センサの一方のセンサで検出された操作量に基づいて検査部を微動させ、(2)第1センサと第2センサの他方のセンサで検出された操作量に基づいて検査部を粗動させる。
この眼科装置では、検査者が操作部材を操作すると、操作部材に入力された操作量が検出装置によって検出される。制御装置は、検出装置で検出された操作量に基づいて駆動装置を駆動する。駆動装置が駆動されると、検査部がベースに対して移動し、被検眼に対する検査部のアライメント(位置合わせ)が行われるようになっている。
ここで、操作部材は、検査部を1方向に移動させるために2自由度の入力が可能となっており、操作部材の各自由度に関する操作量は異なるセンサによって検出される。そして、一方のセンサで検出された操作量に基づいて検査部が微動され、他方のセンサで検出された操作量に基づいて検査部が粗動される。したがって、微動操作を行うときの操作部材への入力と粗動操作を行うときの操作部材への入力とが異なる態様(異なる自由度の運動)となり、検査者の誤操作を防止することができる。このため、検査者の意図通りに検査部を微動又は粗動させることが可能となる。
なお、上記の態様の眼科装置においては、ジョイスティックを傾動させたときに検査部を微動させ、ジョイスティックをスライド移動させたときに検査部を粗動するようにすることが好ましい。この場合は、電気的に検査部を駆動する駆動装置を持たない眼科装置における操作方法と同一の操作方法で検査部を微動又は粗動させることができる。このため、従前の眼科装置の操作に慣れた検査者に違和感を与えることがない。
また、上記のように位置制御又は速度制御を行う場合は、前記操作装置は、操作部材が微動操作に関する自由度に操作されたときに当該操作部材をその操作後の位置で維持するための摩擦機構と、操作部材が粗動操作に関する自由度に操作されたときに当該操作部材を中立位置に復帰させる付勢手段を備えていることが好ましい。
このような構成によると、操作部材に微動操作を入力して位置合わせを行うと、位置合わせ後に操作部材から手を離しても操作部材は操作後の位置で維持され、検査部も位置合わせ後の位置で停止している。一方、操作部材に粗動操作を入力して検査部を粗動する際は、操作部材に付勢手段の付勢力に抗して操作力を入力している間だけ検査部が移動し、操作部材から手を離すと操作部材が中立位置に復帰して検査部も停止する。したがって、アライメント操作を容易に行うことができる。
操作装置は、X,Y,Z方向の少なくも1方向に検査部を移動させるための操作部材を備え、その操作部材は、検査部を微動させるための第1の入力と、検査部を粗動させるための第2の入力が可能とされる。また、検出装置は、操作部材への第1の入力を検出する第1センサと、操作部材への第2の入力を検出する第2センサを備える。そして、制御装置は、(1)第1センサで検出された操作量に基づいて検査部を微動させ、(2)第2センサで検出された操作量に基づいて検査部を粗動させる。
この眼科装置では、操作部材に入力される第1の入力(微動操作のための入力)と第2の入力(粗動操作のための入力)が異なるセンサで検知される。このため、操作部材に入力される第1の入力と第2の入力を全く異なる操作とすることが可能となる。したがって、検査者の誤操作を防止することができ、検査者の意図通りに検査部を微動又は粗動させることが可能となる。
上記目的を達成する眼科装置は、被検眼に対して検査部を所定の位置にアライメントして検査を行う眼科装置であって、ベースと、ベースに対して検査部をX,Y,Z方向に移動させる駆動装置と、検者によって操作される操作装置と、操作装置に入力された操作量を検出する検出装置と、検出装置で検出された操作量に基づいて駆動装置を駆動する制御装置を有する。そして、駆動装置は、ベースに対してZ方向に移動する第1板と、第1板に対してX方向とY方向のいずれか一方に移動する第2板と、第2板に対してX方向とY方向のいずれか他方に移動する第3板と、ベースに対して第1板をZ方向に移動させる第1駆動源と、第1板に対して第2板をX方向とY方向のいずれか一方に移動させる第2駆動源と、第2板に対して第3板をX方向とY方向のいずれか他方に移動させる第3駆動源を備える。そして、第1板に第1,2,3駆動源のいずれもが固定されている。なお、この技術も検査部を電動で駆動する眼科装置であれば、どのような眼科装置にも適用することができる。
図6に示すように、駆動装置40は中空状の支柱74を備えている。支柱74の下端はベース12(詳しくは、ベース板26)に固定されている。支柱74の内部で、その下端には送りナット76が嵌合している。支柱74の内部で、その上端にはスライドブッシュ82が嵌合している。スライドブッシュ82には、軸80が上下方向に移動可能に組付けられている。軸80の下端と送りナット76との間にはスプリング78が介装されている。スプリング78は、軸80に作用する下方向の力を受けるための部材である。軸80の上端には第1板部材58が固定されている。第1板部材58は、第1板部材58から垂下した回転止め106(図7,8参照)が支柱74に固定された回転受け105(図7,8参照)で保持されることで、支柱74に対して回転することが規制されている。
図7によく示されるように、第2板部材52には送りナット51が固定されている。送りナット51は、第1板部材58と第2板部材52の間に配された送りネジ50と螺合する。送りネジ50の一端にはプーリ69が固定され(図7参照)、プーリ69にタイミングベルト60によってプーリ66の回転が伝達される。プーリ66にはモータ68の出力軸が固定されている。モータ68も第1板部材58の下面に固定されている。モータ68が回転するとプーリ66が回転し、プーリ66の回転によって送りネジ50が回転する。送りネジ50が回転すると、送りネジ50に螺合する送りナット51(すなわち、第2板部材52)が前後方向に移動する。
なお、図6,8によく示されるように、第2板部材52の第1板部材58に対する前後方向の位置は、第2板部材52の下面に取り付けられた位置センサ62と、第1板部材58の上面に取り付けられたリセット板64によって検出される。位置センサ62及びリセット板64の構成は、上述した位置センサ65及びリセット板67と同様である。
図7,8によく示されるように第3板部材44には、送りナット96が左右方向にスライド不能で、かつ、前後方向にスライド可能に取付けられている。送りナット96は、第1板部材58と第3板部材44の間に配された送りネジ98と螺合する。送りネジ98の一端にはプーリ101が固定され(図8参照)、このプーリ101にタイミングベルト103によってプーリ102の回転が伝達される。プーリ102にはモータ104の出力軸が固定されている。モータ104も第1板部材58の下面に固定されている。モータ104が回転するとプーリ102が回転し、プーリ102の回転によって送りネジ98が回転する。送りネジ98が回転すると、送りネジ98と螺合する送りナット96(すなわち、第3板部材44)が左右方向に移動する。
なお、図7によく示されるように、第3板部材44の第2板部材52に対する左右方向の位置は、第3板部材44の下面に取り付けられた位置センサ43と、第2板部材52の上面に取り付けられたリセット板45によって検出される。位置センサ43及びリセット板45の構成は、上述した位置センサ65及びリセット板67と同様である。
図9〜11によく示されるように、ジョイスティック装置24は、ベース板26(図4参照)の上面に固定される取付け板146を備える。取付け板146の上面にはレール150が配設されている。レール150は取付け板146上を左右方向に伸びている。レール150にはブロック152が係合している。ブロック152は、第1スライド板148の下面に固定されている。したがって、第1スライド板148は、レール150に案内されて左右方向に移動することができる。
なお、第1スライド板148の取付け板146に対する左右方向の移動量は位置センサ154で検出される。位置センサ154は、投光部と受光部を持ち、対象物(反射板)に当てている反射光から得られる受光部の電圧に基づいて対象物との距離を測定する光センサである。本実施例では、第1スライド板148に位置センサ154が取付けられる一方、取付け板146に反射板147が取付けられ、取付け板146に対する第1スライド板148の移動量が検出される。
また、図13に示すように、第1スライド板148の下方には軸160が配設されている。軸160にはスプリング162が遊嵌されている。第1スライド板148が左右に移動すると、スプリング162が圧縮されるようになっている。これによって、第1スライド板148には中立位置に復帰するような付勢力が働くこととなる。
また、図12に示すように、第2スライド板144の下方には軸166が配設されている。軸166にはスプリング164が遊嵌されている。第2スライド板144が前後に移動すると、スプリング164が圧縮されるようになっている。これによって、第2スライド板144には中立位置に復帰するような付勢力が働くこととなる。
図11によく示すように、回転軸121の他端は把持部材134によって把持されている。把持部材134には割り溝が形成されており、回転軸121を把持する力を調整できるようになっている。回転軸121が把持部材134に把持されることで、回転軸121と把持部材134との間に摩擦力が発生する。この摩擦力によって、操作桿軸114を傾動した状態に保つことが可能となる。
なお、図10によく示すように、回転軸131の他端は把持部材116によって把持されている。把持部材116によって回転軸131の一端を把持することで、回転軸131と把持部材116との間に摩擦力が発生し、操作桿軸114を傾動した状態に保つことが可能となる。
回転ノブ110の上面には蓋体174が取付けられている。回転ノブ110と蓋体174との間には、座金184を介してスプリング180が収容されている。座金184及びスプリング180の内部には回転軸172が挿通している。図から明らかなように、回転ノブ110が軸方向に移動すると、一方の座金184は回転ノブ110と共に移動するが、他方の座金184はスペーサ177によって移動することができない。このため、回転ノブ110が軸方向に移動すると、スプリング110によって回転ノブ110は中立位置に付勢される。
なお、下軸受け部材179には、回転ノブ110の軸方向の移動量(位置)を検出するための位置センサ182が配置されている。位置センサ182は、投光部と受光部を持つ光センサである。投光部は対象物(反射板)に光を照射し、受光部は対象物から反射される反射光を受光する。そして、受光部から出力される信号の電圧から対象物との距離を測定する。本実施例では、回転ノブ110の底面に反射板が取付けられており、その反射板との距離を位置センサ182で検出している。
ここで、コントローラ200は、回転角センサ168で検出された回転量に基づいて測定ユニット42を微動(位置制御)する。すなわち、図16に示すように、回転角センサ168で検出された回転量(回転ノブ110の回転量)に基づいて測定ユニット42の位置を変化させる。一方、コントローラ200は、位置センサ182で検出された回転ノブ110の位置に基づいて測定ユニット42を粗動(速度制御)する。すなわち、図17に示すように、位置センサ182で検出された回転ノブ110の位置に基づいて測定ユニット42の移動速度を変化させる。したがって、検査者は回転ノブ110を回転させることで測定ユニット42を上下方向に微動でき、また、回転ノブ110を軸方向(すなわち、上下)に移動させることで測定ユニット42を上下に粗動できる。
ここで、コントローラ200は、回転角センサ124で検出された傾動角度に基づいて測定ユニット42を微動(位置制御)し、位置センサ156で検出されたスライド位置に基づいて測定ユニット42を粗動(速度制御)する。したがって、検査者はジョイスティック装置24を前後に傾動することで測定ユニット42を前後に微動でき、また、ジョイスティック装置24(すなわち、スライド部材28)を前後にスライド移動させることで測定ユニット42を前後に粗動できる。
ここで、コントローラ200は、回転角センサ126で検出された傾動角度に基づいて測定ユニット42を微動(位置制御)し、位置センサ154で検出されたスライド位置に基づいて測定ユニット42を粗動(速度制御)する。したがって、検査者はジョイスティック装置24を左右に傾動することで測定ユニット42を左右に微動でき、また、ジョイスティック装置24(すなわち、スライド部材28)を左右にスライド移動させることで測定ユニット42を左右に粗動できる。
特許文献1の眼科装置においては、まず、検査者はジョイスティックを右側に大きく傾けて、測定ユニットを右側に粗動させる。測定ユニットの大まかな位置合わせが完了すると、検査者はジョイスティックの傾動を停止する(ジョイスティックに加えている力を0とする)。ジィステックには復元力と摩擦力が作用しているため、ジョイスティックは右側に所定の角度だけ傾いた状態で停止する。このとき、測定ユニットが右側に移動し過ぎている場合は、ジョイスティックを左側に小さく傾動することで測定ユニットを左側に微動させ、測定ユニットの位置合わせを行うことができる。一方、測定ユニットが右側に移動し足りない場合は、測定ユニットを右側に微動させなければならないが、ジョイスティックは右側に傾いた状態となっている。したがって、その状態からジョイスティックを右側にさらに傾けると測定ユニットは粗動し、測定ユニットを微動させることはできない。そこで、このような事態を防ぐために検査者は、測定ユニットを粗動させるときは必ず移動し過ぎた状態まで移動させるか、粗動を停止する際には素早くジョイスティックを垂直の状態に復帰させる必要がある。
一方、本実施例の眼科装置10では、ジョイスティック装置24を垂直状態としたままジョイスティック装置24を右側にスライドさせて、測定ユニット42を右側に粗動させることができる。測定ユニット42の粗動が停止した時にジョイスティック装置24は垂直状態であるため、測定ユニット42が右側に移動し足りないときは、ジョイスティック装置24を右側に傾動させて、測定ユニット42を右側にさらに微動させることができる。したがって、検査者は、特別な操作を行うことなく、測定ユニット42の位置合わせを行うことができる。
また、測定ユニット42を微動させる際はジョイスティック装置24の操作桿軸114又は回転ノブ110に摩擦力が作用して、これらの部材は操作後の位置に保持される。一方、測定ユニット42を粗動させる際は、ジョイスティック装置24の操作桿軸114(詳しくは、スライド部材28)又は回転ノブ110を中立位置に復帰させるような復元力が作用する。したがって、従来の電動の駆動装置を装備しない眼科装置における操作態様と同一の操作態様で測定ユニット42を粗動又は微動できるため、検査者に対して違和感を与えることなく、使い勝手のよい眼科装置を提供することができる。
また、操作パネル32に梱包スイッチ33を設けることでユーザの注意を喚起し、輸送時に測定部16を所定の梱包位置に移動し忘れることがないようにすることができる。また、梱包スイッチ33を操作すると、コントローラ200によって測定ユニット42(測定部16)が所定の梱包位置に移動させられるため、梱包作業の容易化と短時間化を図ることができる。
さらに、測定ユニット42をXYZ方向に駆動するための3つの駆動源68,88,104が1枚の板部材58に固定されるため、駆動装置40がユニット化され組立作業・メンテナンス性が向上する。また、3つの駆動源68,88,104が1枚の板部材58に固定されるため、各駆動源68,88,104を駆動しても板部材58に対する駆動源68,88,104の位置は変化せず、駆動装置40を小型化することができる。
例えば、上述した実施例では、ジョイスティック装置のスライド操作量に応じて測定ユニットの移動速度(すなわち、粗動時の移動速度)を変えたが、本発明はこのような例に限られない。例えば、ジョイスティック装置がスライド操作されたときに、測定ユニットをそのスライド方向に一定の速度で移動させるようにしてもよい。
かかる場合は、ジョイスティック装置がスライド操作されたか否かを検出するセンサを装備し、そのセンサからの出力に応じて、コントローラが測定ユニットを一定の速度で粗動させることができる。このようなセンサには、上述した実施例の位置センサ(光センサ)をそのまま用いることができる。すなわち、コントローラは、位置センサからの出力に応じて、(1)ジョイスティック装置が一方にスライド操作されたか、(2)他方にスライド操作されたか、(3)中立位置に維持されているのかを判断する。そして、ジョイスティック装置が一方にスライド操作されたと判断したときは、測定ユニットを一方に一定の速度で粗動し、ジョイスティック装置が他方にスライド操作されたと判断したときは、測定ユニットを他方に一定の速度で粗動させる。なお、このようなセンサには、光センサ以外にも磁気センサ等を用いることもできる。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
12・・ベース
16・・測定部
18・・モニタ
20・・顔受け
24・・ジョイスティック装置
28・・スライド部材
Claims (2)
- 被検眼に対して検査部を所定の位置にアライメントして検査を行う眼科装置であって、
ベースと、
ベースに対して検査部をX,Y,Z方向に移動させる駆動装置と、
眼科装置を梱包する者によって操作される梱包スイッチと、
被検眼を検査する検査者によって操作される操作装置と、
操作装置に入力された操作量を検出する検出装置と、
検出装置で検出された操作量に基づいて駆動装置を駆動すると共に、梱包スイッチが操作されると駆動装置を駆動して検査部を予め設定された梱包位置に移動させる制御装置と、を有する、眼科装置。 - ベース上面には操作パネルが設けられており、その操作パネル上に梱包スイッチが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の眼科装置。
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