JP5104936B2 - 加速度および角速度検出装置 - Google Patents

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Description

本発明は、振動子の振動に伴い静電容量が変化する検出容量を備え、その静電容量の変化に基づいて加速度および角速度を検出する加速度および角速度検出装置に関する。
振動型の加速度および角速度検出装置の一例として、例えば特許文献1、2に開示された構成が挙げられる。特許文献1には、加速度に応じた振動成分および角速度に応じた振動成分の両方が混在した複数の信号を複数のチャージアンプによりC/V変換する構成が開示されている。この構成では、C/V変換後の電圧信号を複数の演算増幅器(オペアンプ)などからなる演算回路による演算を行い、加速度および角速度を分離して検出する。また、この構成によれば、全差動型のチャージアンプを適用することも可能である。また、特許文献2に開示された構成では、検出容量の電極に時分割電圧信号を印加することにより、加速度に応じた振動成分および角速度に応じた振動成分を時分割に分離し、単一のチャージアンプによりC/V変換している。
特開平10−318755号公報 特許第4120779号公報
特許文献1に開示された従来技術は、複数のチャージアンプおよび複数のオペアンプなどを必要とするため、回路規模が増大するという問題がある。特許文献2に開示された従来技術は、振動子側(検出容量)から与えられる信号(電荷)が1系統であることを前提とした技術である。そのため、チャージアンプをシングルエンド型にする必要がある。シングルエンド型のチャージアンプを用いた場合、コモンモードノイズの影響により検出精度を十分に高めることができない。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、回路面積の増大を招くことなく、加速度および角速度の検出精度の向上を図ることができる加速度および角速度検出装置を提供することにある。
請求項1に記載の手段によれば、第1振動子、第2振動子、振動手段、第1検出容量、第2検出容量、第3検出容量、第4検出容量、チャージアンプおよび検出手段を備えている。第1振動子および第2振動子は、互いに直交する第1軸および第2軸の各方向に変位可能である。振動手段は、第1振動子および第2振動子を、第1軸方向であり且つ互いに反対の方向に振動させる。第1検出容量および第2検出容量は、第1振動子の第2軸方向の変位に応じて静電容量が相補的に変化する。第3検出容量および第4検出容量は、第2振動子の第2軸方向の変位に応じて静電容量が相補的に変化する。チャージアンプは、全差動構成であり、上記各検出容量の変化を電圧信号に変換(C/V変換)して出力する。
チャージアンプは、一つのオペアンプ、入力スイッチ手段、第1積分容量、第2積分容量、積分容量スイッチ手段およびリセットスイッチ手段を備えている。入力スイッチ手段は、オペアンプへの入力を切り替える。すなわち、入力スイッチ手段は、各検出容量とオペアンプとの間の接続状態を切り替える。積分容量スイッチ手段は、第1積分容量および第2積分容量のいずれか一方がオペアンプの帰還容量として機能するように各積分容量の接続状態を切り替える。リセットスイッチ手段は、積分容量の両端を短絡可能に構成されている。検出手段は、チャージアンプの出力信号に基づいて、第2軸方向の加速度と、第1軸および第2軸のそれぞれに直交する第3軸を中心とした回転の角速度を検出する。検出手段は、入力スイッチ手段、積分容量スイッチ手段およびリセットスイッチ手段の動作を制御するスイッチ制御手段を備えている。
このような構成において、第2軸方向の加速度が作用すると、第1振動子および第2振動子は、第2軸方向であり且つ同一の方向に変位する。これにより、第1検出容量および第3検出容量は、互いに同じ変化(+ΔC1とする)を示す。また、第2検出容量および第4検出容量は、互いに同じであり且つ「+ΔC1」に対して相補的な変化(−ΔC1とする)を示す。これに対し、第3軸を中心とした回転の角速度が作用すると、コリオリ力により、第1振動子および第2振動子が第2軸方向であり且つ互いに反対の方向に変位する。これにより、第1検出容量および第4検出容量は、互いに同じ変化(+ΔC2とする)を示す。また、第2検出容量および第3検出容量は、互いに同じであり且つ「+ΔC2」に対して相補的な変化(−ΔC2)を示す。このように、加速度が作用した場合と、角速度が作用した場合とでは、各検出容量の変化の様子が異なる。本手段では、このような点を踏まえた上で、以下のようにして加速度および角速度を検出する。
すなわち、加速度を検出する場合、スイッチ制御手段は、第1検出容量および第3検出容量の変化が加算された上でオペアンプの一方の入力端子に入力されるとともに第2検出容量および第4検出容量の変化が加算された上でオペアンプの他方の入力端子に入力されるように入力スイッチ手段を制御する。また、この場合、スイッチ制御手段は、第1積分容量がオペアンプの帰還容量として機能するように積分容量スイッチ手段を制御する。このように各スイッチ手段が制御された状態が第1検出状態に相当する。第1検出状態では、加速度および角速度の両方が作用したとしても、角速度に伴う各振動子の第2軸方向への振動成分(+ΔC2、−ΔC2)は打ち消され、加速度に伴う各振動子の第2軸方向への振動成分(+ΔC1、−ΔC1)だけがチャージアンプにより電圧信号に変換される。そのため、第1検出状態におけるチャージアンプの出力信号は、加速度に伴う各振動子の振動成分に応じたものとなる。検出手段は、このような第1検出状態におけるチャージアンプの出力信号に基づいて第2軸方向の加速度を検出する。
従って、本手段によれば、第2軸方向の加速度を精度よく検出することができる。また、第1検出状態におけるチャージアンプの増幅率(ゲイン)、つまり加速度の検出感度は、帰還容量として機能する第1積分容量の静電容量の値により設定が可能である。その第1積分容量は、後述する角速度を検出する際には帰還容量として機能しない。従って、角速度の検出感度の調整とは独立して、第2軸方向の加速度の検出感度を調整することが可能となる。そのため、角速度の検出感度の調整状態に影響を受けることなく、第2軸方向の加速度の検出感度を最適な値に設定することができる。
一方、角速度を検出する場合、スイッチ制御手段は、第1検出容量および第4検出容量の変化がオペアンプの一方の入力端子に入力されるとともに第2検出容量および第3検出容量の変化がオペアンプの他方の入力端子に入力されるように入力スイッチ手段を制御する。また、この場合、スイッチ制御手段は、第2積分容量がオペアンプの帰還容量として機能するように積分容量スイッチ手段を制御する。このように各スイッチ手段が制御された状態が第2検出状態に相当する。第2検出状態では、加速度および角速度の両方が作用したとしても、加速度に伴う各振動子の第2軸方向への振動成分(+ΔC1、−ΔC1)が打ち消され、角速度に伴う各振動子の第2軸方向への振動成分(+ΔC2、−ΔC2)だけがチャージアンプにより電圧信号に変換される。そのため、第2検出状態におけるチャージアンプの出力信号は、角速度に伴う各振動子の振動成分に応じたものとなる。検出手段は、このような第2検出状態におけるチャージアンプの出力信号に基づいて第3軸を中心とした回転の角速度を検出する。
従って、本手段によれば、第3軸を中心とした回転の角速度を精度よく検出することができる。また、第2検出状態におけるチャージアンプの増幅率(ゲイン)、つまり角速度の検出感度は、帰還容量として機能する第2積分容量の静電容量の値により設定が可能である。その第2積分容量は、加速度を検出する際には帰還容量として機能しない。従って、加速度の検出感度の調整とは独立して、第3軸を中心とした回転の角速度の検出感度を調整することが可能となる。そのため、加速度の検出感度の調整状態に影響を受けることなく、第3軸を中心とした回転の角速度の検出感度を最適な値に設定することができる。
入力スイッチ手段および積分容量スイッチ手段の状態が切り替えられる際、その切り替えに伴いノイズ(スイッチングノイズ)が生じる可能性がある。そのようなノイズにより、次のような問題が発生することが考えられる。すなわち、上記ノイズにより、帰還容量として機能する積分容量に余分な電荷が注入された場合、チャージアンプの出力信号にも同様のノイズ成分が重畳することになる。そのような場合、加速度または角速度の検出精度が低下するおそれがある。しかし、本手段におけるスイッチ制御手段は、上記検出状態の切り替え(第1検出状態から第2検出状態への切り替え、第2検出状態から第1検出状態への切り替え)が行われた後、積分容量の端子間を短絡するようにリセットスイッチ手段を制御する。そのため、各スイッチ手段の切り替えに伴うノイズに起因した電荷が積分容量に蓄積されたとしても、チャージアンプは、そのノイズに起因する電荷が積分容量から放電された後、C/V変換動作を実行することになる。従って、本手段によれば、上記ノイズの影響を受けることなく、加速度または角速度を精度よく検出することができる。
上述したように、本手段では、一つのオペアンプを主体として全差動型に構成されたチャージアンプを用い、その一つのオペアンプへの入力を時分割で切り替えることにより、第2軸方向の加速度および第3軸を中心とした回転の角速度のそれぞれを検出可能にしている。このような構成によれば、複数のオペアンプを用いて加速度および角速度を検出する構成に比べ、回路面積を大幅に低減することが可能になる。また、全差動型のチャージアンプを用いることにより、シングルエンド型のチャージアンプを用いる構成に比べてコモンモードノイズが低減するため、このような面からも加速度および角速度の検出精度の向上を図ることができる。
請求項2に記載の手段によれば、入力スイッチ手段は、検出容量とオペアンプとの間の信号経路に介在するスイッチ素子により構成されている。積分容量スイッチ手段は、積分容量とオペアンプとの間の信号経路に介在するスイッチ素子により構成されている。それらスイッチ素子は、いずれもCMOSのアナログスイッチにより構成されたメインスイッチ部およびダミースイッチ部から構成されている。ダミースイッチ部は、メインスイッチ部に直列接続されるとともに両端子間が短絡されている。すなわち、ダミースイッチ部は常時オンの状態と同等である。従って、メインスイッチ部のオン/オフに応じてスイッチ素子がオン/オフすることになる。
このような構成によれば、各スイッチ手段の状態が切り替えられる際に生じるノイズが加速度および角速度の検出精度に及ぼす影響が以下のように一層抑制される。すなわち、各スイッチ手段の状態が切り替えられる際には、メインスイッチ部のMOSトランジスタのオン/オフが切り替えられる。その際、MOSトランジスタの寄生容量による電荷が帰還容量として機能する積分容量に注入されるおそれがある。積分容量への不要な電荷注入が行われると、チャージアンプの出力信号に不要な成分が重畳し、検出精度が低下してしまう。しかし、本手段では、メインスイッチ部に直列接続されたダミースイッチ部のMOSトランジスタの作用により、メインスイッチ部のMOSトランジスタによる電荷注入効果が打ち消される。このため、各スイッチ手段の状態が切り替えられる際に生じるノイズが検出精度に及ぼす影響を排除し、加速度および角速度の検出精度を良好に維持できる。
請求項3に記載の手段によれば、第3振動子、第5検出容量および第6検出容量を備えている。第3振動子は、第1軸および第3軸の各方向に変位可能である。第5検出容量および第6検出容量は、第3振動子の第3軸方向の変位に応じて静電容量が相補的に変化する。振動手段は、第3振動子を第1軸方向に振動させる。チャージアンプは、第3積分容量を備えている。このような構成において、第2軸を中心とした回転の角速度が作用すると、コリオリ力により第3振動子が第3軸方向に変位する。これにより、第5検出容量および第6検出容量が相補的に変化する。
このような第2軸を中心とした回転の角速度を検出する場合、スイッチ制御手段は、第5検出容量の変化がオペアンプの一方の入力端子に入力されるとともに第6検出容量の変化がオペアンプの他方の入力端子に入力されるように入力スイッチ手段を制御する。また、この場合、スイッチ制御手段は、第3積分容量がオペアンプの帰還容量として機能するように積分容量スイッチ手段を制御する。このように各スイッチ手段が制御された状態が第3検出状態に相当する。第3検出状態では、上記角速度に伴う第3振動子の第3軸方向への振動成分がチャージアンプにより電圧信号に変換される。そのため、第3検出状態におけるチャージアンプの出力信号は、第2軸を中心とした回転の角速度に伴う第3振動子の振動成分に応じたものとなる。検出手段は、このような第3検出状態におけるチャージアンプの出力信号に基づいて第2軸を中心とした回転の角速度を検出する。
従って、本手段によれば、第2軸を中心とした回転の角速度を精度よく検出することができる。また、第3検出状態におけるチャージアンプの増幅率(ゲイン)、つまり第2軸を中心とした回転の角速度の検出感度は、帰還容量として機能する第3積分容量の静電容量の値により設定が可能である。その第3積分容量は、第2軸方向の加速度および第3軸を中心とした回転の角速度(他の角速度と称す)を検出する際には帰還容量として機能しない。従って、加速度および他の角速度の検出感度の調整とは独立して、第2軸を中心とした回転の角速度の検出感度を調整することが可能となる。そのため、加速度および他の角速度の検出感度の調整状態に影響を受けることなく、第2軸を中心とした回転の角速度の検出感度を最適な値に設定することができる。
このように、本手段では、一つのオペアンプを主体として全差動型に構成されたチャージアンプを用い、その一つのオペアンプへの入力を時分割で切り替えることにより、第2軸方向の加速度、第3軸を中心とした回転の角速度および第2軸を中心とした回転の角速度の3つを検出可能にしている。このような構成によれば、加速度および角速度の2つを検出可能にした請求項1に記載の手段と同様の作用および効果が得られる上、回路面積の削減効果については一層高まることになる。
請求項4に記載の手段によれば、上記積分容量は、それぞれが、互いに静電容量の異なる複数の容量素子からなる。スイッチ制御手段は、切り替え対象とする積分容量の複数の容量素子のいずれか一つがオペアンプの帰還容量として機能するように積分容量スイッチ手段を制御する。このような構成によれば、作用する加速度または角速度の大きさに応じて、帰還容量として機能させる容量素子を切り替えることが可能になる。すなわち、作用する加速度または角速度の大きさに応じて帰還容量の静電容量の値を変更することが可能になる。従って、例えば、入力(静電容量の変化)が小さい場合に高い増幅率で動作し、入力が大きい場合に低い増幅率で動作するように各容量素子の静電容量値の設定および各容量素子の切り替えを行うことにより、作用する加速度または角速度の大きさに適した増幅率でチャージアンプを動作させることができる。このように、本手段によれば、チャージアンプを構成するオペアンプのレンジが最大限に活用されるため、S/N比が向上するという効果が得られる。
請求項5に記載の手段によれば、第1検出容量および第2検出容量の一方の電極は、互いに共通接続され、第1検出容量および第2検出容量の他方の電極は、それぞれオペアンプの一方の入力端子および他方の入力端子に接続されている。第3検出容量および第4検出容量の一方の電極は、互いに共通接続されている。入力スイッチ手段は、第1スイッチ素子、第2スイッチ素子、第3スイッチ素子および第4スイッチ素子を備えている。第1スイッチ素子は、第4検出容量の他方の電極およびオペアンプの一方の入力端子間に接続されている。第2スイッチ素子は、第3検出容量の他方の電極およびオペアンプの他方の入力端子間に接続されている。第3スイッチ素子は、第3検出容量の他方の電極およびオペアンプの一方の入力端子間に接続されている。第4スイッチ素子は、第4検出容量の他方の電極およびオペアンプの他方の入力端子間に接続されている。
スイッチ制御手段は、第1検出状態にあっては、第1スイッチ素子および第2スイッチ素子をオフするとともに、第3スイッチ素子および第4スイッチ素子をオンする。これにより、請求項1に記載の手段と同様、第1検出容量および第3検出容量の変化が加算された上でオペアンプの一方の入力端子に入力されるとともに、第2検出容量および第4検出容量の変化が加算された上でオペアンプの他方の入力端子に入力される。従って、請求項1に記載の手段と同じように第2軸方向の加速度が検出される。
スイッチ制御手段は、第2検出状態にあっては、第1スイッチ素子および第2スイッチ素子をオンするとともに、第3スイッチ素子および第4スイッチ素子をオフする。これにより、請求項1に記載の手段と同様、第1検出容量および第4検出容量の変化が加算された上でオペアンプの一方の入力端子に入力されるとともに、第2検出容量および第3検出容量の変化が加算された上でオペアンプの他方の入力端子に入力される。従って、請求項1に記載の手段と同じように第3軸を中心とした回転の角速度が検出される。このように、本手段によれば、入力スイッチ手段として4つのスイッチ素子を用いるだけで、加速度および角速度を時系列に分離して検出することが可能になる。また、一般に、スイッチ素子は、オペアンプと比べて占有する回路面積は小さい。従って、オペアンプを一つにしたことによる回路面積の低減効果が損なわれることはない。
請求項6に記載の手段によれば、第1検出容量および第2検出容量の一方の電極は、互いに共通接続されている。第3検出容量および第4検出容量の一方の電極は、互いに共通接続されている。入力スイッチ手段は、第1スイッチ素子、第2スイッチ素子、第3スイッチ素子、第4スイッチ素子、第5スイッチ素子および第6スイッチ素子を備えている。第1スイッチ素子は、第4検出容量の他方の電極およびオペアンプの一方の入力端子間に接続されている。第2スイッチ素子は、第3検出容量の他方の電極およびオペアンプの他方の入力端子間に接続されている。第3スイッチ素子は、第3検出容量の他方の電極およびオペアンプの一方の入力端子間に接続されている。第4スイッチ素子は、第4検出容量の他方の電極およびオペアンプの他方の入力端子間に接続されている。第5スイッチ素子は、第1検出容量の他方の電極およびオペアンプの一方の入力端子間に接続されている。第6スイッチ素子は、第2検出容量の他方の電極およびオペアンプの他方の入力端子間に接続されている。
スイッチ制御手段は、第1検出状態にあっては、第1スイッチ素子および第2スイッチ素子をオフするとともに、第3スイッチ素子、第4スイッチ素子、第5スイッチ素子および第6スイッチ素子をオンする。これにより、請求項1に記載の手段と同様、第1検出容量および第3検出容量の変化が加算された上でオペアンプの一方の入力端子に入力されるとともに、第2検出容量および第4検出容量の変化が加算された上でオペアンプの他方の入力端子に入力される。従って、請求項1に記載の手段と同じように第2軸方向の加速度が検出される。
スイッチ制御手段は、第2検出状態にあっては、第1スイッチ素子、第2スイッチ素子、第5スイッチ素子および第6スイッチ素子をオンするとともに、第3スイッチ素子および第4スイッチ素子をオフする。これにより、請求項1に記載の手段と同様、第1検出容量および第4検出容量の変化が加算された上でオペアンプの一方の入力端子に入力されるとともに、第2検出容量および第3検出容量の変化が加算された上でオペアンプの他方の入力端子に入力される。従って、請求項1に記載の手段と同じように第3軸を中心とした回転の角速度が検出される。このように、本手段によれば、入力スイッチ手段として6つのスイッチ素子を用いるだけで、加速度および角速度を時系列に分離して検出することが可能になる。また、一般に、スイッチ素子は、オペアンプと比べて占有する回路面積は小さい。従って、オペアンプを一つにしたことによる回路面積の低減効果が損なわれることはない。
さらに、本手段によれば、いずれの検出状態においても、オペアンプの各入力端子と各検出容量との間は、1つのスイッチ素子を介して接続されることになる。従って、各検出容量のそれぞれからオペアンプの各入力端子に至る信号伝達経路におけるインピーダンスは、互いに概ね一致することになる。このため、チャージアンプにおいて、入力される電荷の伝達経路のインピーダンスの相違による誤差が低減されるので、加速度および角速度の検出精度が一層向上することになる。
請求項7に記載の手段によれば、スイッチ制御手段は、第1診断状態にあっては、第1スイッチ素子、第2スイッチ素子、第3スイッチ素子および第4スイッチ素子をオフするとともに、第5スイッチ素子および第6スイッチ素子をオンする。第1診断状態では、第1検出容量の変化がオペアンプの一方の入力端子に入力されるとともに、第2検出容量の変化がオペアンプの他方の入力端子に入力される。すなわち、第1振動子の第2軸方向の変位に伴う振動成分がオペアンプに入力される。検出手段は、このような第1診断状態におけるチャージアンプの出力信号に基づいて第1振動子の診断を行う。例えば、第1振動子に第2軸方向の加速度、第3軸を中心とした回転の角速度などが作用しているにもかかわらず、チャージアンプの出力信号が無いようであれば、第1振動子または第1振動子に関連する構成に異常があると判断することが可能になる。
一方、スイッチ制御手段は、第2診断状態にあっては、第1スイッチ素子、第2スイッチ素子、第5スイッチ素子および第6スイッチ素子をオフするとともに、第3スイッチ素子および第4スイッチ素子をオンする。第2診断状態では、第3検出容量の変化がオペアンプの一方の入力端子に入力されるとともに、第4検出容量の変化がオペアンプの他方の入力端子に入力される。すなわち、第2振動子の第2軸方向の変位に伴う振動成分がオペアンプに入力される。検出手段は、このような第2診断状態におけるチャージアンプの出力信号に基づいて第2振動子の診断を行う。例えば、第2振動子に第2軸方向の加速度、第3軸を中心とした回転の角速度などが作用しているにもかかわらず、チャージアンプの出力信号が無いようであれば、第2振動子または第2振動子に関連する構成に異常があると判断することが可能になる。
本発明の第1の実施形態を示す加速度および角速度検出装置の構成図 スイッチ素子の構成を示す図 搬送波の波形、スイッチ素子の制御状態、S/H回路の動作状態を示す図 本発明の第2の実施形態を示す図1相当図 図3相当図 本発明の第3の実施形態を示す図1相当図 図3相当図 本発明の第4の実施形態を示す図1相当図 図3相当図 巡回型の信号処理回路を概略的に示す図 スイッチ素子の変形例を示す図
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態について図1〜図3を参照しながら説明する。
図1は、加速度および角速度検出装置の構成を概略的に示している。図1に示す加速度および角速度検出装置1は、センサチップ2および回路チップ3を備えている。センサチップ2に設けられた端子P1s〜P9sと、回路チップ3に設けられた端子P1c〜P9cとは、それぞれ接続ラインL1〜L9を介して接続されている。
センサチップ2には、センサ部4が形成されている。センサ部4は、水平面内に互いに直交するX軸(第1軸に相当)およびY軸(第2軸に相当)の方向に変位可能な振動子5、6を備えた可動部7と、可動部7の周囲に設けられる振動部8(振動手段に相当)および出力部9とを備えている。
振動部8は、振動容量Cv1〜Cv4を備えている。振動容量Cv1〜Cv4は、振動子5、6をX軸方向であり且つ互いに反対の方向に変位(振動)させる静電気力を発生するためのものである。振動容量Cv1、Cv2の一方の電極は、振動子5(第1振動子に相当)の一部により構成されており、振動子5と一体的に変位する可動電極である。振動容量Cv3、Cv4の一方の電極は、振動子6(第2振動子に相当)の一部により構成されており、振動子6と一体的に変位する可動電極である。振動容量Cv1〜Cv4の各可動電極は、共通接続されており、端子P9sおよび接続ラインL9を介して回路チップ3から搬送波Vsが与えられる。搬送波(変調信号、キャリア信号)Vsは、振動子5、6の振動の共振周波数よりも十分に高い所定の周波数を持ち且つ一定振幅の矩形波信号である。振動容量Cv1〜Cv4の他方の電極は固定電極であり、それら固定電極には端子P5s〜P8sおよび接続ラインL5〜L8を介して回路チップ3からそれぞれ振動信号Vv1〜Vv4が与えられる。
出力部9は、振動子5のY軸方向への変位に応じて静電容量が相補的に変化する一対の検出容量Cd1、Cd2と、振動子6のY軸方向への変位に応じて静電容量が相補的に変化する一対の検出容量Cd3、Cd4とを備えている。検出容量Cd1〜Cd4(第1〜第4検出容量に相当)の初期状態(振動子5、6の変位に応じた変化を示す前の状態)における静電容量は、互いに同じ値(C)になっている。検出容量Cd1、Cd2の一方の電極は、振動子5の一部により構成されており、振動子5と一体的に変位する可動電極である。検出容量Cd3、Cd4の一方の電極は、振動子6の一部により構成されており、振動子6と一体的に変位する可動電極である。検出容量Cd1〜Cd4の各可動電極は、共通接続されており、端子P9sおよび接続ラインL9を介して回路チップ3から搬送波Vsが与えられる。検出容量Cd1〜Cd4の他方の電極は固定電極である。検出容量Cd1〜Cd4の固定電極は、それぞれ端子P1s〜P4sに接続されている。
振動子5、6は、回路チップ3から与えられる振動信号Vv1〜Vv4が適宜制御されることにより定常的に振動する。それら振動子5、6の振動方向は、X軸方向であり且つ互いに反対の向きである。このような構成において、Y軸方向の加速度がセンサ部4に加わると、可動部7の振動子5、6は、その加速度の大きさに応じた振幅で振動する。そのときの振動方向は、Y軸方向であり且つ互いに同一の方向である。そのY軸方向の振動状態は、出力部9の検出容量Cd1〜Cd4の静電容量の変化となって現れる。具体的には、検出容量Cd1、Cd3は、互いに同じ変化(+ΔC1)を示す。また、検出容量Cd2、Cd4は、互いに同じ変化であり且つ検出容量Cd1、Cd3の変化(+ΔC1)に対して相補的な変化(−ΔC1)を示す。例えば、検出容量Cd1、Cd3の各電極間隔が狭くなり、その静電容量がΔC1だけ増加したときには、検出容量Cd2、Cd4の電極間隔が広くなり、その静電容量がΔC1だけ減少する。
また、上記構成において、Z軸を中心とした回転がセンサ部4に加わると、可動部7には、その回転の角速度の大きさに応じたコリオリ力が作用して、Y軸方向に沿った振動が発生する。そのときの振動子5、6の振動方向は、Y軸方向であり且つ互いに反対の方向である。そのY軸方向の振動状態は、出力部9の検出容量Cd1〜Cd4の静電容量の変化となって現れる。具体的には、検出容量Cd1、Cd4は、互いに同じ変化(+ΔC2)を示す。また、検出容量Cd2、Cd3は、互いに同じ変化であり且つ検出容量Cd1、Cd4の変化(+ΔC2)に対して相補的な変化(−ΔC2)を示す。例えば、検出容量Cd1、Cd4の各電極間隔が狭くなり、その静電容量がΔC2だけ増加したときには、検出容量Cd2、Cd3の電極間隔が広くなり、その静電容量がΔC2だけ減少する。
回路チップ3には、搬送波信号生成部11、振動信号生成部12、チャージアンプ13および検出部14が形成されている。搬送波信号生成部11は、搬送波Vsを生成する。搬送波Vsは、端子P9cおよび接続ラインL9を介してセンサチップ2に供給される。振動信号生成部12は、振動信号Vv1〜Vv4を生成する。振動信号Vv1〜Vv4は、端子P5c〜P8cおよび接続ラインL5〜L8を介してセンサチップ2の振動部8に供給される。振動部8の振動容量Cv1〜Cv4は、固定電極に振動信号Vv1〜Vv4が供給されることにより、振動子5、6をX軸方向に変位させる静電気力を発生する。図示しないが、振動信号生成部12には、センサチップ2から振動子5、6のX軸方向への振動成分を表すX軸振動信号が与えられている。振動信号生成部12は、そのX軸振動信号に基づいて、振動子5、6が所定の振幅および周波数でX軸方向に振動するように振動信号Vv1〜Vv4の生成をフィードバック制御する。
チャージアンプ13は、全差動構成のC/V変換回路であり、センサチップ2に設けられた検出容量Cd1〜Cd4の変化を電圧信号に変換して出力する。チャージアンプ13は、全差動型のオペアンプOP1、積分容量Ci1〜Ci4およびスイッチ素子S1〜S10により構成されている。スイッチ素子S1〜S10は、図1では単なるスイッチのシンボルで描いているが、実際には図2に示すような構成になっている。すなわち、図2に示すように、スイッチ素子S1〜S10は、いずれも、Nチャネル型のMOSトランジスタM1およびPチャネル型のMOSトランジスタM2からなるCMOSのアナログスイッチ15として構成されている。
本実施形態では、スイッチ素子S1〜S4により、オペアンプOP1への入力(検出容量Cd1〜Cd4とオペアンプOP1との間の接続状態)を切り替える入力スイッチ手段16が構成されている。また、スイッチ素子S5〜S8により、積分容量Ci1〜Ci4の接続状態を切り替える積分容量スイッチ手段17が構成されている。また、スイッチ素子S9、S10によりリセットスイッチ手段18が構成されている。
端子P1cはオペアンプOP1の反転入力端子(一方の入力端子)に接続され、端子P2cはオペアンプOP1の非反転入力端子(他方の入力端子)に接続されている。端子P1cは、スイッチ素子S1(第1スイッチ素子に相当)を介して端子P4cに接続されるとともに、スイッチ素子S3(第3スイッチ素子に相当)を介して端子P3cに接続されている。端子P2cは、スイッチ素子S2(第2スイッチ素子に相当)を介して端子P3cに接続されるとともに、スイッチ素子S4(第4スイッチ素子に相当)を介して端子P4cに接続されている。
オペアンプOP1の反転入力端子と非反転出力端子との間には、スイッチ素子S5および積分容量Ci1(第1積分容量に相当)の直列回路と、スイッチ素子S6および積分容量Ci2(第2積分容量に相当)の直列回路と、スイッチ素子S9とが、互いに並列に接続されている。オペアンプOP1の非反転入力端子と反転出力端子との間には、スイッチ素子S7および積分容量Ci3(第1積分容量に相当)の直列回路と、スイッチ素子S8および積分容量Ci4(第2積分容量に相当)の直列回路と、スイッチ素子S10とが、互いに並列に接続されている。積分容量Ci1、Ci3は、互いに同一の静電容量となっている。また、積分容量Ci2、Ci4は、互いに同一の静電容量となっている。
検出部14(検出手段に相当)は、チャージアンプ13の出力信号に基づいて、外部からセンサ部4に加わるY軸方向の加速度およびZ軸を中心とした回転の角速度を検出する。検出部14は、タイミング信号生成部19(スイッチ制御手段に相当)、サンプルホールド回路20(以下、S/H回路20と称す)などから構成されている。
タイミング信号生成部19には、搬送波Vsが与えられている(図示省略)。タイミング信号生成部19は、搬送波Vsに同期したタイミングでスイッチ素子S1〜S10のオン/オフを制御する。図3は、搬送波Vs、スイッチ素子S1〜S10の切り替えタイミングおよびS/H回路20の動作状態を示している。図3に示すように、タイミング信号生成部19は、搬送波Vsの立ち上がりに同期してスイッチ素子S1〜S8のオン/オフを制御する。これにより、チャージアンプ13の接続状態(第1検出状態および第2検出状態)が搬送波Vsの1周期毎に切り替えられる。
すなわち、タイミング信号生成部19は、第1検出状態にあっては、スイッチ素子S1、S2、S6、S8をオフするとともに、スイッチ素子S3、S4、S5、S7をオンする。これにより、検出容量Cd1、Cd3の各固定電極が共通接続された上でオペアンプOP1の反転入力端子に接続されるとともに、検出容量Cd2、Cd4の各固定電極が共通接続された上でオペアンプOP1の非反転入力端子に接続される。また、オペアンプOP1の反転入力端子と非反転出力端子との間に積分容量Ci1が接続されるとともに、オペアンプの非反転入力端子と反転出力端子との間に積分容量Ci3が接続された状態となる。つまり、積分容量Ci1、Ci3がオペアンプOP1の帰還容量として機能する。なお、図1におけるスイッチ素子S1〜S8の切り替え状態は、第1検出状態のものを表している。
また、タイミング信号生成部19は、第2検出状態にあっては、スイッチ素子S1、S2、S6、S8をオンするとともに、スイッチ素子S3、S4、S5、S7をオフする(図1に示すスイッチの切り替え状態とは反対の切り替え状態)。これにより、検出容量Cd1、Cd4の各固定電極が共通接続された上でオペアンプOP1の反転入力端子に接続されるとともに、検出容量Cd2、Cd3の各固定電極が共通接続された上でオペアンプOP1の非反転入力端子に接続される。また、オペアンプOP1の反転入力端子と非反転入力端子との間に積分容量Ci2が接続されるとともに、オペアンプOP1の非反転入力端子と反転出力端子との間に積分容量Ci4が接続された状態となる。つまり、積分容量Ci2、Ci4がオペアンプOP1の帰還容量として機能する。
図3に示すように、タイミング信号生成部19は、搬送波Vsの立ち上がりに同期してスイッチ素子S9、S10オンする。すなわち、タイミング信号生成部19は、第1検出状態から第2検出状態への切り替えを行うと同時に、あるいは、第2検出状態から第1検出状態への切り替えを行うと同時に、スイッチ素子S9、S10をオンする。これにより、そのときに帰還容量として機能する積分容量の端子間が短絡され、電荷がリセットされる。図3に示すように、タイミング信号生成部19は、搬送波Vsの立ち下りに同期してスイッチ素子S9、S10をオフする。これにより、積分容量への電荷の転送が可能な状態となる。
S/H回路20は、チャージアンプ13の出力信号を所定のタイミングでサンプルし、そのサンプルした信号を所定期間ホールドして、図示しない後段の回路(増幅回路、A/D変換回路、制御回路など)に出力する。図3に示すように、S/H回路20は、搬送波Vsの立ち上がりに同期してサンプリングを開始する。そのサンプリング状態は、搬送波Vsの次の立ち下がりと立ち上がりとの間のタイミングまで継続される。S/H回路20は、サンプリングを終了した後、搬送波Vsの次の立ち上がりまで、そのサンプルした信号をホールドする。
次に、本実施形態の作用について説明する。
チャージアンプ13は、図3における時刻t1〜時刻t4の期間に第1検出状態になり、時刻t4〜時刻t7の期間に第2検出状態になるものとする。第1検出状態は、オペアンプOP1の反転入力端子に検出容量Cd1、Cd3の各静電容量を足し合わせたものが与えられるとともに、非反転入力端子に検出容量Cd2、Cd4の各静電容量を足し合わせたものが与えられる状態である。第2検出状態は、オペアンプOP1の反転入力端子に検出容量Cd1、Cd4の各静電容量を足し合わせたものが与えられるとともに、非反転入力端子に検出容量Cd2、Cd3の各静電容量を足し合わせたものが与えられる状態である。
さて、各検出容量Cd1〜Cd4のY軸方向の加速度およびZ軸を中心とした回転の角速度に伴う変化分は、以下の(1)〜(4)式により表される。ただし、各検出容量の変化分を、それぞれΔCd1〜ΔCd4としている。
ΔCd1=+ΔC1+ΔC2 …(1)
ΔCd2=−ΔC1−ΔC2 …(2)
ΔCd3=+ΔC1−ΔC2 …(3)
ΔCd4=−ΔC1+ΔC2 …(4)
第1検出状態において、オペアンプOP1の反転入力端子には、下記(5)式に示す静電容量が与えられる。
(C+ΔCd1)+(C+ΔCd3)=2・C+2・ΔC1 …(5)
すなわち、第1検出状態において、オペアンプOP1の反転入力端子には、2つの検出容量(Cd1、Cd3)の初期状態の静電容量の和(初期容量)に、加速度に伴う振動成分である「ΔC1」の2倍の静電容量を加算したものが与えられる。この際、角速度に伴う振動成分(+ΔC2、−ΔC2)は打ち消される。
また、第1検出状態において、オペアンプOP1の非反転入力端子には、下記(6)式に示す静電容量が与えられる。
(C+ΔCd2)+(C+ΔCd4)=2・C−2・ΔC1 …(6)
すなわち、第1検出状態において、オペアンプOP1の非反転入力端子には、2つの検出容量(Cd2、Cd4)の初期状態の静電容量の和(初期容量)に、加速度に伴う振動成分である「ΔC1」の2倍の静電容量を減算したものが与えられる。この際、角速度に伴う振動成分(−ΔC2、+ΔC2)は打ち消される。
このような第1検出状態では、オペアンプOP1の作用により、初期容量は打ち消され、加速度に伴う各振動子5、6のY軸方向への振動成分だけが帰還容量として機能する積分容量Ci1、Ci3に転送されることになる。ただし、第1検出状態において、時刻t1〜時刻t2の期間には、スイッチ素子S9、S10がオンされているため、上記検出容量の変化分が積分容量Ci1、Ci3に転送されない。時刻t2においてスイッチ素子S9、S10がオフされた後、検出容量の変化分が積分容量Ci1、Ci3に転送される。
その後、時刻t4までの期間には、チャージアンプ13から上記検出容量の変化分に応じた電圧信号が出力される。S/H回路20は、時刻t1の時点からチャージアンプ13の出力信号をサンプルし続け、時刻t3の時点においてホールド動作に転じる。このような一連の動作により、第1検出状態において、加速度に伴う各振動子5、6の振動成分に応じた信号がS/H回路20から後段の回路に出力される。そして、後段の回路において、S/H回路20から出力される信号に基づいてY軸方向の加速度が検出される。
第2検出状態において、オペアンプOP1の反転入力端子には、下記(7)式に示す静電容量が与えられる。
(C+ΔCd1)+(C+ΔCd4)=2・C+2・ΔC2 …(7)
すなわち、第2検出状態において、オペアンプOP1の反転入力端子には、2つの検出容量(Cd1、Cd4)の初期状態の静電容量の和(初期容量)に、角速度に伴う振動成分である「ΔC2」の2倍の静電容量を加算したものが与えられる。この際、加速度に伴う振動成分(+ΔC1、−ΔC1)は打ち消される。
また、第2検出状態において、オペアンプOP1の非反転入力端子には、下記(8)式に示す静電容量が与えられる。
(C+ΔCd2)+(C+ΔCd3)=2・C−2・ΔC2 …(8)
すなわち、第2検出状態において、オペアンプOP1の非反転入力端子には、2つの検出容量(Cd2、Cd3)の初期状態の静電容量の和(初期容量)に、角速度に伴う振動成分である「ΔC2」の2倍の静電容量を減算したものが与えられる。この際、加速度に伴う振動成分(−ΔC1、+ΔC1)は打ち消される。
このような第2検出状態では、オペアンプOP1の作用により、初期容量は打ち消され、角速度に伴う各振動子5、6のY軸方向への振動成分だけが帰還容量として機能する積分容量Ci2、Ci4に転送されることになる。ただし、第2検出状態において、時刻t4〜時刻t5の期間には、スイッチ素子S9、S10がオンされているため、上記検出容量の変化分が積分容量Ci2、Ci4に転送されない。時刻t5においてスイッチ素子S9、S10がオフされた後、検出容量の変化分が積分容量Ci2、Ci4に転送される。
その後、時刻t7までの期間には、チャージアンプ13から上記検出容量の変化分に応じた電圧信号が出力される。S/H回路20は、時刻t4の時点からチャージアンプ13の出力信号をサンプルし続け、時刻t6の時点においてホールド動作に転じる。このような一連の動作により、第2検出状態において、角速度に伴う各振動子5、6の振動成分に応じた信号がS/H回路20から後段の回路に出力される。そして、後段の回路において、S/H回路20から出力される信号に基づいてZ軸を中心とした回転の角速度が検出される。
以上説明したように、本実施形態によれば次のような効果が得られる。
第1検出状態において、角速度に伴う検出容量Cd1〜Cd4の変化分は打ち消され、検出容量Cd1〜Cd4の初期容量と加速度に伴う検出容量Cd1〜Cd4の変化分がチャージアンプ13に入力される。チャージアンプ13では、オペアンプOP1の作用により、初期容量がキャンセルされ、加速度に伴う検出容量Cd1〜Cd4の変化分に応じた電圧信号が出力される。このような構成により、センサ部4に作用するY軸方向の加速度を精度よく検出することができる。
第2検出状態において、加速度に伴う検出容量Cd1〜Cd4の変化分は打ち消され、検出容量Cd1〜Cd4の初期容量と角速度に伴う検出容量Cd1〜Cd4の変化分がチャージアンプ13に入力される。チャージアンプ13では、オペアンプOP1の作用により、初期容量がキャンセルされ、角速度に伴う検出容量Cd1〜Cd4の変化分に応じた電圧信号が出力される。このような構成により、センサ部4に作用するZ軸を中心とした回転の角速度を精度よく検出することができる。
加速度に伴う検出容量Cd1〜Cd4の変化(ΔC1)は、角速度に伴う検出容量の変化(ΔC2)に対し、比較的大きい(例えば、一桁または二桁程度異なる)。そのため、チャージアンプ13によるC/V変換のゲイン(増幅率)を一つの固定値にしか設定できないとすると、次のような問題が生じる。すなわち、加速度に合わせたゲインに設定すると、角速度を検出する際に出力信号のS/Nが低下する。一方、角速度に合わせたゲインに設定すると、加速度を検出する際に出力信号が飽和する可能性がある。
これに対し、本実施形態では、第1検出状態におけるチャージアンプ13の増幅率、つまり加速度の検出感度は、帰還容量として機能する積分容量Ci1、Ci3の静電容量値により設定が可能である。これら積分容量Ci1、Ci3は、第2検出状態では帰還容量として機能しない。従って、角速度の検出感度の調整とは独立して、加速度の検出感度を調整することが可能になる。そのため、Z軸を中心とした回転の角速度の検出感度の調整状態に影響を受けることなく、Y軸方向の加速度の検出感度を最適な値に設定することができる。
また、第2検出状態におけるチャージアンプ13の増幅率、つまり角速度の検出感度は、帰還容量として機能する積分容量Ci2、Ci4の静電容量値により設定が可能である。これら積分容量Ci2、Ci4は、第1検出状態では、帰還容量として機能しない。従って、加速度の検出感度の調整とは独立して、角速度の検出感度を調整することが可能になる。そのため、Y軸方向の加速度の検出感度の調整状態に影響を受けることなく、Z軸を中心とした回転の角速度の検出感度を最適な値に設定することができる。
入力スイッチ手段16を構成するスイッチ素子S1〜S4および積分容量スイッチ手段17を構成するスイッチ素子S5〜S8のオン/オフが切り替えられる際、その切り替えに伴うスイッチングノイズが生じる可能性がある。このようなスイッチングノイズがチャージアンプ13の出力に悪影響を及ぼす可能性がある。すなわち、スイッチ素子のオン/オフ切り替え時に発生するチャージインジェクションやクロックフィードスルーにより、帰還容量として機能する積分容量Ci1〜Ci4に余分な電荷が転送(注入)された場合、チャージアンプ13の出力信号にノイズ成分が重畳することになる。そのような場合、加速度または角速度の検出精度が低下するおそれがある。そこで、本実施形態では、第1検出状態および第2検出状態の切り替えが行われた後、スイッチ素子S9、S10をオンすることで、帰還容量として機能する積分容量Ci1〜Ci4の端子間を短絡する。その後、スイッチ素子S9、S10をオフし、積分容量Ci1〜Ci4への電荷転送を行う。このようにすることで、仮に、各スイッチ素子S1〜S8の切り替えに伴って積分容量Ci1〜Ci4に余分な電荷が注入されていたとしても、その余分な電荷が積分容量Ci1〜Ci4から放電された後に、積分容量Ci1〜Ci4への電荷転送が行われることになる。従って、本実施形態によれば、各スイッチ素子S1〜S8のスイッチングノイズの影響を極力排除した上で、チャージアンプ13によるC/V変換動作を実行することができる。
本実施形態では、一つのオペアンプOP1を主体として全差動型に構成されたチャージアンプ13を用い、入力スイッチ手段16の作用によって単一のオペアンプOP1への入力を時分割で切り替えることで、Y軸方向の加速度およびZ軸を中心とした回転の角速度のそれぞれを検出可能にしている。このような構成によれば、複数のオペアンプを用いて加速度および角速度を検出する構成に比べ、回路面積を大幅に低減することが可能になる。また、全差動型のチャージアンプ13を用いることにより、シングルエンド型のチャージアンプを用いる構成に比べてコモンモードノイズの低減が図れる。そのため、このような面からも加速度および角速度の検出精度が向上するということが言える。
入力スイッチ手段16を構成するスイッチ素子S1〜S4および積分容量スイッチ手段17を構成するスイッチ素子S5〜S8は、いずれもCMOSのアナログスイッチ15により構成されている。一般に、アナログスイッチ15を形成するために必要な回路面積は、オペアンプを形成するために必要な回路面積に比べると非常に小さい。従って、入力スイッチ手段16および積分容量スイッチ手段17が追加されることで、上記した回路面積の低減効果が損なわれることはない。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について図4および図5を参照しながら説明する。
図4は、第1の実施形態における図1相当図であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。図4に示す加速度および角速度検出装置31は、図1に示した加速度および角速度検出装置1に対し、可動部7、振動部8および出力部9に代えて可動部32、振動部33および出力部34を備えている点と、振動信号生成部12に代えて振動信号生成部35を備えている点と、チャージアンプ13に代えてチャージアンプ36を備えている点とが異なる。
可動部32は、X軸およびZ軸の方向に変位可能な振動子37(第3振動子に相当)を備えている。振動部33(振動手段に相当)は、振動容量Cv5、Cv6を備えている。振動容量Cv5、Cv6は、振動子37をX軸方向に振動させる静電気力を発生するためのものである。振動容量Cv5、Cv6の一方の電極は、振動子37の一部により構成されており、振動子37と一体的に変位する可動電極である。振動容量Cv5、Cv6の各可動電極は、共通接続されており、端子P9sおよび接続ラインL9を介して回路チップ3から搬送波Vsが与えられる。振動容量Cv5、Cv6の他方の電極は固定電極であり、それら固定電極には回路チップ3からそれぞれ振動信号Vv5、Vv6が与えられる(図示省略)。
出力部34は、振動子37のZ軸方向への変位に応じて静電容量が相補的に変化する一対の検出容量Cd5、Cd6(第5、第6の検出容量に相当)を備えている。検出容量Cd5、Cd6の初期状態(振動子37の変位に応じた変化を示す前の状態)における静電容量は、互いに同じ値(C)になっている。検出容量Cd5、Cd6の一方の電極は、振動子37の一部により構成されており、振動子37と一体的に変位する可動電極である。検出容量Cd5、Cd6の各可動電極は、共通接続されており、端子P9sおよび接続ラインL9を介して回路チップ3から搬送波Vsが与えられる。検出容量Cd5、Cd6の他方の電極は固定電極である。検出容量Cd5、Cd6の固定電極は、それぞれ端子P11s、P12sに接続されている。センサチップ2が備える端子P11s、P12sは、それぞれ接続ラインL11、L12を介して、回路チップ3が備える端子P11c、P12cに接続されている。
振動子37は、回路チップ3から与えられる振動信号Vv5、Vv6が適宜制御されることにより定常的にX軸方向に振動する。このような構成において、Y軸を中心とした回転がセンサ部4に加わると、可動部32には、その回転の角速度の大きさに応じたコリオリ力が作用して、Z軸方向に沿った振動が発生する。そのときの振動子37の振動方向は、Z軸方向である。そのZ軸方向の振動状態は、出力部34の検出容量Cd5、Cd6の静電容量の変化となって現れる。
振動信号生成部35は、振動信号Vv5、Vv6を生成する。振動信号Vv5、Vv6は、図示しない端子および接続ラインを介してセンサチップ2の振動部33に供給される。振動部33の振動容量Cv5、Cv6は、固定電極に振動信号Vv5、Vv6が供給されることにより、振動子37をX軸方向に変位させる静電気力を発生する。図示しないが、振動信号生成部35には、センサチップ2から振動子37のX軸方向への振動成分を表すX軸振動信号が与えられている。振動信号生成部35は、そのX軸振動信号に基づいて、振動子37が所定の振幅および周波数でX軸方向に振動するように振動信号Vv5、Vv6の生成をフィードバック制御する。
チャージアンプ36は、チャージアンプ13が備える構成に対し、さらに、スイッチ素子S11〜S16および積分容量Ci5、6を備えている。本実施形態では、スイッチ素子S1〜S4およびスイッチ素子S11〜S14により、入力スイッチ手段38が構成されている。また、スイッチ素子S5〜S8およびスイッチ素子S15、S16により積分容量スイッチ手段39が構成されている。
端子P1cは、スイッチ素子S11を介してオペアンプOP1の反転入力端子に接続されている。端子P2cは、スイッチ素子S12を介してオペアンプOP1の非反転入力端子に接続されている。端子P11cは、スイッチ素子S13を介してオペアンプOP1の反転入力端子に接続されている。端子P12cは、スイッチ素子S14を介してオペアンプOP1の非反転入力端子に接続されている。
オペアンプOP1の反転入力端子と非反転出力端子との間には、スイッチ素子S15および積分容量Ci5の直列回路が接続されている。オペアンプOP1の非反転入力端子と反転出力端子との間には、スイッチ素子S16および積分容量Ci6の直列回路が接続されている。積分容量Ci5、Ci6は、互いに同一の静電容量となっている。
検出部14は、チャージアンプ36の出力信号に基づいて、外部からセンサ部4に加わるY軸を中心とした回転の角速度を検出する。検出部14のタイミング信号生成部19は、搬送波Vsに同期したタイミングでスイッチ素子S1〜S16のオン/オフを制御する。図5は、第1の実施形態における図3相当図である。図5に示すように、タイミング信号生成部19は、搬送波Vsの立ち上がりに同期してスイッチ素子S1〜S8およびS11〜S16のオン/オフを制御する。これにより、チャージアンプ13の接続状態(第1検出状態、第2検出状態および第3検出状態)が搬送波Vsの1周期毎に切り替えられる。
すなわち、タイミング信号生成部19は、第1検出状態および第2検出状態にあっては、スイッチ素子S11、S12をオンするとともにスイッチ素子S13〜S16をオフした上で、スイッチ素子S1〜S8を第1の実施形態と同様に制御する。また、タイミング信号生成部19は、第3検出状態にあっては、スイッチ素子S1〜S8、S11およびS12をオフするとともに、スイッチ素子S13〜S16をオンする。なお、スイッチ素子S1〜S4はオンしてもよい。そのため、図5では、第3検出状態(時刻t7〜時刻t10)におけるスイッチ素子S1〜S4の状態を「不定」としている。
これにより、検出容量Cd5の固定電極がオペアンプOP1の反転入力端子に接続されるとともに、検出容量Cd6の固定電極がオペアンプOP1の非反転入力端子に接続される。また、オペアンプOP1の反転入力端子と非反転出力端子との間に積分容量Ci5が接続されるとともに、オペアンプOP1の非反転入力端子と反転出力端子との間に積分容量Ci6が接続された状態となる。つまり、積分容量Ci5、Ci6がオペアンプOP1の帰還容量として機能する。なお、図4におけるスイッチ素子S1〜S16の切り替え状態は、第3検出状態のものを表している。
図5に示すように、タイミング信号生成部19は、第2検出状態から第3検出状態への切り替えを行うと同時に、あるいは、第3検出状態から第1検出状態への切り替えを行うと同時に、スイッチ素子S9、S10をオンする。
次に、本実施形態の作用について説明する。
チャージアンプ36は、図5における時刻t7〜時刻t10の期間に第3検出状態になるものとする。第3検出状態は、オペアンプOP1の反転入力端子に検出容量Cd5の静電容量が与えられるとともに、非反転入力端子に検出容量Cd6の静電容量が与えられる状態である。第3検出状態において、オペアンプOP1の反転入力端子には、検出容量Cd5の初期状態の静電容量(初期容量)に、Y軸を中心とした回転の角速度に伴う静電容量の変化を加算したものが与えられる。また、オペアンプOP1の非反転入力端子には、検出容量Cd6の初期状態の静電容量(初期容量)に、上記角速度に伴う静電容量の変化を加算したものが与えられる。
このような第3検出状態では、オペアンプOP1の作用により、初期容量は打ち消され、上記角速度に伴う振動子37のZ軸方向への振動成分だけ帰還容量として機能する積分容量Ci5、Ci6に転送されることになる。ただし、第3検出状態において、時刻t7〜時刻t8の期間には、スイッチ素子S9、S10がオンされているため、上記検出容量の変化分が積分容量Ci5、Ci6に転送されない。時刻t8においてスイッチ素子S9、S10がオフされた後、検出容量の変化分が積分容量Ci5、Ci6に転送される。
その後、時刻t10までの期間には、チャージアンプ36から上記検出容量の変化分に応じた電圧信号が出力される。S/H回路20は、時刻t7の時点からチャージアンプ36の出力信号をサンプルし続け、時刻t9の時点においてホールド動作に転じる。このような一連の動作により、第3検出状態において、角速度に伴う振動子37の振動成分に応じた信号がS/H回路20から後段の回路に出力される。そして、後段の回路において、S/H回路20から出力される信号に基づいてY軸を中心とした回転の角速度が検出される。
以上説明したように、本実施形態によれば次のような効果が得られる。
第3検出状態において、検出容量Cd5、Cd6の初期容量とY軸を中心とした回転の角速度に伴う検出容量Cd5、Cd6の変化分がチャージアンプ36に入力される。チャージアンプ36では、オペアンプOP1の作用により、初期容量がキャンセルされ、上記角速度に伴う検出容量Cd5、Cd6の変化分に応じた電圧信号が出力される。このような構成により、センサ部4に作用するY軸を中心とした回転の角速度を精度よく検出することができる。
第3検出状態におけるチャージアンプ36の増幅率、つまりY軸を中心とした回転の角速度の検出感度は、帰還容量として機能する積分容量Ci5、Ci6の静電容量値により設定が可能である。これら積分容量Ci5、Ci6は、第1検出状態および第2検出状態では帰還容量として機能しない。従って、Y軸方向の加速度およびZ軸を中心とした回転の角速度(他の角速度と称す)の検出感度の調整とは独立して、Y軸を中心とした回転の角速度の検出感度を調整することが可能になる。そのため、加速度および他の角速度の検出感度の調整状態に影響を受けることなく、Y軸を中心とした回転の角速度の検出感度を最適な値に設定することができる。
本実施形態では、一つのオペアンプOP1を主体として全差動型に構成されたチャージアンプ36を用い、入力スイッチ手段38の作用によって単一のオペアンプOP1への入力を時分割で切り替えることにで、Y軸方向の加速度、Z軸を中心とした回転の角速度およびY軸を中心とした回転の角速度のそれぞれを検出可能にしている。このような構成によれば、複数のオペアンプを用いて加速度および2種類の角速度を検出する構成に比べ、回路面積を大幅に低減することが可能になる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について図6および図7を参照しながら説明する。
図6は、第1の実施形態における図1相当図であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。図6に示す加速度および角速度検出装置41は、図1に示した加速度および角速度検出装置1に対し、チャージアンプ13に代えてチャージアンプ42を備えている点が異なる。
チャージアンプ42は、チャージアンプ13が備える構成に対し、さらに、スイッチ素子S41〜S44および積分容量Ci41〜Ci44を備えている。本実施形態では、スイッチ素子S5〜S8およびスイッチ素子S41〜S44により積分容量スイッチ手段43が構成されている。オペアンプOP1の反転入力端子と非反転出力端子との間には、スイッチ素子S41および積分容量Ci41の直列回路と、スイッチ素子S42および積分容量Ci42の直列回路とが互いに並列に接続されている。オペアンプOP1の非反転入力端子と反転出力端子との間には、スイッチ素子S43および積分容量Ci43の直列回路と、スイッチ素子S44および積分容量Ci44の直列回路とが互いに並列に接続されている。
積分容量Ci41、Ci43は、第1積分容量に相当するものであり、互いに同一の静電容量となっている。積分容量Ci42、Ci44は、第2積分容量に相当するものであり、互いに同一の静電容量となっている。すなわち、本実施形態では、積分容量Ci1、Ci3、Ci41およびCi43という複数の容量素子から第1積分容量が構成されている。また、積分容量Ci2、Ci4、Ci42、Ci44という複数の容量素子から第2積分容量が構成されている。
第1積分容量を構成する容量素子のうち、積分容量Ci1、Ci3の静電容量をC11とし、積分容量Ci41、Ci43の静電容量をC12とすると、各静電容量C11、C12の関係は下記(9)式により表される。
C11<C12 …(9)
第2積分容量を構成する容量素子のうち、積分容量Ci2、Ci4の静電容量をC21とし、積分容量Ci42、Ci44の静電容量をC22とすると、各静電容量C21、C22の関係は下記(10)式により表される。
C21<C22 …(10)
本実施形態の搬送波Vsは、第1の実施形態における搬送波Vsの2倍の周波数となっている。タイミング信号生成部19は、このような搬送波Vsに同期したタイミングでスイッチ素子S1〜S10およびS41〜S44のオン/オフを制御する。タイミング信号生成部19は、基本的には、第1の実施形態と同様に搬送波Vsの立ち上がりに同期して各スイッチ素子のオン/オフを制御する。ただし、本実施形態のタイミング信号生成部19による各スイッチ素子の制御は、第1の実施形態に対し、以下の点において異なる。
図7は、搬送波Vs、積分容量スイッチ手段43の各スイッチ素子の切り替えタイミングおよびチャージアンプ42の入出力信号を示している。本実施形態では、チャージアンプ13の接続状態(第1検出状態および第2検出状態)が搬送波Vsの2周期毎に切り替えられる。すなわち、第1検出状態が2回繰り返された後、第2検出状態が2回繰り返される、というように各状態が切り替えられる。
1回目の第1検出状態と、2回目の第1検出状態とは、帰還容量として機能する積分容量が異なる。すなわち、1回目の第1検出状態(図7の時刻t1〜時刻t3の期間)では、積分容量スイッチ手段43において、スイッチ素子S5、S7がオンされるとともに、スイッチ素子S6、S8およびS41〜S44がオフされる。これにより、1回目の第1検出状態では、比較的静電容量の小さい積分容量Ci1、Ci3がオペアンプOP1の帰還容量として機能する。一方、2回目の第1検出状態(図7の時刻t3〜時刻t5の期間)では、積分容量スイッチ手段43において、スイッチ素子S5〜S8、S42およびS44がオフされるとともに、スイッチ素子S41、S43がオンされる。これにより、2回目の第1検出状態では、比較的静電容量の大きい積分容量Ci41、Ci43がオペアンプOP1の帰還容量として機能する。
なお、図示は省略するが、第2検出状態についても、第1検出状態と同様に、1回目と2回目とにおいて、帰還容量として機能する積分容量が異なるように、積分容量スイッチ手段43が制御される。
次に、本実施形態の作用について説明する。
1回目の第1検出状態(時刻t1〜時刻t3の期間)には、積分容量Ci1、Ci3が帰還容量として機能するように積分容量スイッチ手段43が制御される。これにより、チャージアンプ42のC/V変換動作におけるゲインは比較的低くなる。従って、チャージアンプ42から出力される電圧信号は、オペアンプOP1の出力可能な電圧範囲(レンジ)の下限に近いような値となる。続いて、2回目の第1検出状態(時刻t3〜時刻t5の期間)には、積分容量Ci41、Ci43が帰還容量として機能するように積分容量スイッチ手段が制御される。これにより、チャージアンプ42のC/V変換動作におけるゲインは、比較的高くなる。従って、チャージアンプ42から出力される電圧信号は、オペアンプOP1のレンジの上限(レンジmax)に近い値となる。
このようにして、第1検出状態において、ゲインの異なる2回のC/V変換が行われる。その結果、S/H回路20は、時刻t2の時点および時刻t4の時点におけるチャージアンプ42の出力信号を、それぞれホールドして後段の回路に出力する。後段の回路では、S/H回路20から出力された2つの電圧信号を比較し、大きいほうの値に基づいて加速度を検出する。ただし、S/H回路20の出力信号が、飽和判定しきい値を超えている場合、その信号を採用せずに他方の信号に基づいて加速度を検出する。なお、飽和判定しきい値は、オペアンプOP1のレンジの上限よりも所定値だけ低い値に設定されている。
このような構成によれば、図7の時刻t1〜時刻t5の期間のように、チャージアンプ42の入力信号(加速度に伴う検出容量の変化)が比較的小さい場合には、比較的大きいゲインのC/V変換の結果(電圧信号)を用いて加速度が検出されることになる。一方、図7の時刻t6〜時刻t10の期間のように、チャージアンプ42の入力信号(加速度に伴う検出容量の変化)が比較的大きい場合、比較的高いゲインでC/V変換が行われると、オペアンプOP1の出力が飽和することがある。このように飽和した出力信号に基づいて加速度を検出した場合、その検出精度が著しく低下することになる。そのため、チャージアンプ42の入力信号が比較的大きい場合には、比較的小さいゲインのC/V変換の結果を用いて加速度が検出されることになる。
このような本実施形態の構成によれば、チャージアンプ42への入力信号の大きさ、つまり、センサ部4に作用する加速度または角速度の大きさに応じて、チャージアンプ42によるC/V変換動作のゲインを2段階に変更することが可能である。従って、入力信号(検出容量Cd1〜Cd4の静電容量の変化)が小さい場合に比較的高いゲインでC/V変換を行い、入力信号が大きい場合に比較的低いゲインでC/V変換を行うことで、入力信号の大小にかかわらず、オペアンプOP1のレンジが有効に活用されるため、S/N比が向上するという効果が得られる。
(第4の実施形態)
以下、本発明の第4の実施形態について図8および図9を参照しながら説明する。
図8は、第1の実施形態における図1相当図であり、第1の実施形態と同一部分には同一符号を付して説明を省略する。図8に示す加速度および角速度検出装置51は、図1に示した加速度および角速度検出装置1に対し、チャージアンプ13に代えてチャージアンプ52を備えている点が異なる。
チャージアンプ52は、チャージアンプ13が備える構成に対し、さらに、スイッチ素子S51、S52を備えている。本実施形態では、スイッチ素子S1〜S4およびスイッチ素子S51、S52により入力スイッチ手段53が構成されている。スイッチ素子S51(第5スイッチ素子に相当)は、端子P1cとオペアンプOP1の反転入力端子との間の接続経路を開放可能に設けられている。スイッチ素子S52(第6スイッチ素子に相当)は、オペアンプOP1の非反転入力端子との間の接続経路を開放可能に設けられている。なお、スイッチ素子S51、S52がオンされた状態のチャージアンプ52は、第1の実施形態のチャージアンプ13と同一の接続形態となる。
図9は、第1の実施形態における図3相当図である。図9に示すように、タイミング信号生成部19は、スイッチ素子S51、S52をオンにした上で、第1の実施形態と同様に搬送波Vsの立ち上がりに同期してスイッチ素子S1〜S8のオン/オフを制御する。これにより、第1の実施形態と同様に、チャージアンプ52の接続状態が搬送波Vsの1周期毎に切り替えられる。
このような本実施形態の構成によっても、第1の実施形態と同様の作用および効果が得られる。さらに、本実施形態の構成によれば、以下のような効果も得られる。すなわち、上記構成では、第1検出状態および第2検出状態のいずれの接続状態においても、オペアンプOP1の各入力端子と検出容量Cd1〜Cd4との間は、1つのスイッチ素子(S1〜S4、S51、S52のうちいずれかのスイッチ素子)を介して接続されることになる。そのため、各検出容量Cd1〜Cd4のそれぞれからオペアンプOP1の各入力端子に至る信号伝送経路におけるインピーダンスが概ね一致することになる。従って、チャージアンプ52において、入力信号(電荷)の伝送経路のインピーダンス相違によるC/V変換の誤差が低減される。これにより、本実施形態の構成によれば、第1の実施形態に比べ、加速度および角速度の検出精度が一層向上することになる。
また、本実施形態の加速度および角速度検出装置51は、以下のように、振動子5、6の異常を診断することが可能である。すなわち、タイミング信号生成部19は、第1診断状態にあっては、入力スイッチ手段53において、スイッチ素子S1〜S4をオフするとともに、スイッチ素子S51、S52をオンする。積分容量スイッチ手段17については、任意の積分容量を帰還容量として機能させるように制御すればよい。
このような第1診断状態では、検出容量Cd1の固定電極がオペアンプOP1の反転入力端子に接続されるとともに、検出容量Cd2の固定電極が非反転入力端子に接続された状態になる。すなわち、振動子5のY軸方向の変位に伴う振動成分がチャージアンプ52に入力される。検出部14は、このような第1診断状態におけるチャージアンプ52の出力信号に基づいて、振動子5の異常診断を行う。例えば、振動子5にY軸方向の加速度またはZ軸を中心とした回転の角速度を作用させた状態であるにもかかわらず、チャージアンプ52の出力信号が無い(出力電圧がほぼゼロである)場合、振動子5または振動子5に関連する構成に異常があると判断することができる。
また、タイミング信号生成部19は、第2診断状態にあっては、入力スイッチ手段53において、スイッチ素子S1、S2、S51、S52をオフするとともに、スイッチ素子S3、S4をオンする。積分容量スイッチ手段17については、任意の積分容量を帰還容量として機能させるように制御すればよい。
このような第2診断状態では、検出容量Cd3の固定電極がオペアンプOP1の反転入力端子に接続されるとともに、検出容量Cd4の固定電極が非反転入力端子に接続された状態になる。すなわち、振動子6のY軸方向の変位に伴う振動成分がチャージアンプ52に入力される。検出部14は、このような第2診断状態におけるチャージアンプ52の出力信号に基づいて、振動子6の異常診断を行う。異常診断の方法としては、振動子5の異常診断の方法と同様のことが可能である。このように、本実施形態によれば、振動子5、6の自己診断を行うことができる。
(その他の実施形態)
なお、本発明は上記し且つ図面に記載した各実施形態に限定されるものではなく、次のような変形または拡張が可能である。
チャージアンプが備えるオペアンプを用いて、検出部14としての機能(増幅、A/D変換など)をも実現する構成としてもよい。図10は、巡回型の信号処理回路の構成を概略的に示している。図10に示す信号処理回路61は、チャージアンプが備える単一のオペアンプに対し、複数のキャパシタおよびスイッチを追加することで実現することができる。このような構成の信号処理回路61によれば、C/V変換〜A/D変換までの一連の信号処理を単一のオペアンプを用いて実行することが可能になるため、さらなる回路面積の低減効果が得られる。
スイッチ素子は、図2に示した構成に限らずともよい。例えば、図11に示すような構成でもよい。図11(a)は、Nチャネル型のMOSトランジスタ71によりスイッチ素子を構成している。このような構成によれば、CMOSのアナログスイッチに対し、通過可能な電圧範囲が狭くなるものの、回路面積をさらに削減することができる。また、図示しないが、バイポーラトランジスタにより構成することも可能である。その場合、通過可能な信号の大電力化が可能になる。
図11(b)は、CMOSのアナログスイッチを2つ用いた構成である。一方のアナログスイッチがメインスイッチ部72に相当し、他方のアナログスイッチがダミースイッチ部73に相当する。ダミースイッチ部73は、メインスイッチ部72に直列接続されるとともに、自身の両端子間(ソース・ドレイン間)が短絡されている。すなわち、ダミースイッチ部73は常時オン状態である。このため、図11(b)のスイッチ素子のオン/オフは、メインスイッチ部72のオン/オフにのみ依存する。このような構成によれば、入力スイッチ手段および積分容量スイッチ手段のオン/オフ(状態)が切り替えられる際に生じるノイズによる検出精度の低下を抑制することができる。その理由は以下のとおりである。
すなわち、各スイッチ手段の状態が切り替えられる際には、メインスイッチ部72のMOSトランジスタの寄生容量による電荷が、帰還容量として機能する積分容量に注入されるおそれがある。積分容量への不要な電荷注入が行われると、チャージアンプの出力信号に不要な成分が重畳し、検出精度が低下してしまう。しかし、図11(b)の構成では、メインスイッチ部72に直列接続されたダミースイッチ部73のMOSトランジスタの作用により、メインスイッチ部72のMOSトランジスタによる電荷注入効果が打ち消される。そのため、各スイッチ手段の状態が切り替えられる際に生じるノイズが検出精度に及ぼす影響を排除し、加速度および角速度の検出精度を良好に維持することができる。
さらに、ダミースイッチ部73を構成するMOSトランジスタのチャンネル幅を、メインスイッチ部72を構成するMOSトランジスタのチャンネル幅の1/2に設定するとよい。このようにすれば、上記電荷注入効果をほぼ完全に相殺することが可能になる。
本発明は、容量検出型の振動式の加速度および角速度検出装置において、1つの軸方向の加速度および1つの軸まわりの角速度を検出する構成(例えば第1の実施形態の構成)や、1つの軸方向の加速度および2つの軸まわりの角速度を検出する構成(例えば第2の実施形態の構成)に限らず、所定数(例えば1〜3)の軸方向の加速度および所定数(例えば1〜3)の軸まわりの角速度を検出する構成全般に適用することが可能である。なお、上記各実施形態の構成に比べ、検出する加速度および角速度が増加する場合であっても、入力スイッチ手段および積分容量スイッチ手段のスイッチ素子を追加するだけでよい。そのため、回路面積の低減効果については一層高まることになる。
図面中、1、31、41、51は加速度および角速度検出装置、5、6は振動子(第1および第2振動子)、8、33は振動部(振動手段)、13、36、42、52はチャージアンプ、14は検出部(検出手段)、15はアナログスイッチ、16、38、53は入力スイッチ手段、17、39、43は積分容量スイッチ手段、18はリセットスイッチ手段、19はタイミング信号生成部(スイッチ制御手段)、37は振動子(第3振動子)、72はメインスイッチ部、73はダミースイッチ部、Cd1〜Cd4は検出容量(第1〜第4検出容量)、Cd5、Cd6は検出容量(第5および第6検出容量)、Ci1、Ci3、Ci41、Ci43は積分容量(第1積分容量)、Ci2、Ci4、Ci42、Ci44は積分容量(第2積分容量)、Ci5、Ci6は積分容量(第3積分容量)、OP1はオペアンプ、S1〜S4はスイッチ素子(第1〜第4スイッチ素子)、S5〜S8、S11〜S16、S41〜S44はスイッチ素子、S51はスイッチ素子(第5スイッチ素子)、S52はスイッチ素子(第6スイッチ素子)を示す。

Claims (7)

  1. 互いに直交する第1軸および第2軸の各方向に変位可能な第1振動子および第2振動子と、
    前記第1振動子および前記第2振動子を前記第1軸方向であり且つ互いに反対の方向に振動させる振動手段と、
    前記第1振動子の前記第2軸方向の変位に応じて静電容量が相補的に変化する第1検出容量および第2検出容量と、
    前記第2振動子の前記第2軸方向の変位に応じて静電容量が相補的に変化する第3検出容量および第4検出容量と、
    前記検出容量の変化を電圧信号に変換して出力する全差動構成のチャージアンプと、
    前記チャージアンプの出力信号に基づいて、前記第2軸方向の加速度と、前記第1軸および前記第2軸のそれぞれに直交する第3軸を中心とした回転の角速度とを検出する検出手段とを備え、
    前記チャージアンプは、一つのオペアンプと、前記オペアンプへの入力を切り替える入力スイッチ手段と、第1積分容量と、第2積分容量と、前記第1積分容量および前記第2積分容量のいずれか一方が前記オペアンプの帰還容量として機能するように前記積分容量の接続状態を切り替える積分容量スイッチ手段と、前記積分容量の両端を短絡可能なリセットスイッチ手段とを備え、
    前記検出手段は、前記入力スイッチ手段、前記積分容量スイッチ手段および前記リセットスイッチ手段の動作を制御するスイッチ制御手段を備え、
    前記スイッチ制御手段は、
    第1検出状態にあっては、前記第1検出容量および前記第3検出容量の変化が加算された上で前記オペアンプの一方の入力端子に入力されるとともに前記第2検出容量および前記第4検出容量の変化が加算された上で前記オペアンプの他方の入力端子に入力されるように前記入力スイッチ手段を制御し、前記第1積分容量が前記帰還容量として機能するように前記積分容量スイッチ手段を制御し、
    第2検出状態にあっては、前記第1検出容量および前記第4検出容量の変化が加算された上で前記オペアンプの一方の入力端子に入力されるとともに前記第2検出容量および前記第3検出容量の変化が加算された上で前記オペアンプの他方の入力端子に入力されるように前記入力スイッチ手段を制御し、前記第2積分容量が前記帰還容量として機能するように前記積分容量スイッチ手段を制御し、
    前記検出状態の切り替えが行われた後、前記積分容量の端子間を短絡するように前記リセットスイッチ手段を制御し、
    前記検出手段は、前記第1検出状態における前記チャージアンプの出力信号に基づいて前記第2軸方向の加速度を検出し、前記第2検出状態における前記出力信号に基づいて前記第3軸を中心とした回転の角速度を検出することを特徴とする加速度および角速度検出装置。
  2. 前記入力スイッチ手段は、前記検出容量および前記オペアンプ間の信号経路に介在するスイッチ素子により構成され、
    前記積分容量スイッチ手段は、前記積分容量および前記オペアンプ間の信号経路に介在するスイッチ素子により構成され、
    前記スイッチ素子は、メインスイッチ部と、前記メインスイッチ部に直列接続されるとともに両端子間が短絡されたダミースイッチ部とから構成され、
    前記メインスイッチ部および前記ダミースイッチ部は、CMOSのアナログスイッチにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載の加速度および角速度検出装置。
  3. 前記第1軸および前記第3軸の各方向に変位可能な第3振動子と、前記第3振動子の前記第3軸方向の変位に応じて静電容量が相補的に変化する第5検出容量および第6検出容量とを備え、
    前記振動手段は、前記第3振動子を前記第1軸方向に振動させ、
    前記チャージアンプは、第3積分容量を備え、
    前記スイッチ制御手段は、第3検出状態にあっては、前記第5検出容量の変化が前記オペアンプの一方の入力端子に入力されるとともに前記第6検出容量の変化が前記オペアンプの他方の入力端子に入力されるように前記入力スイッチ手段を制御し、前記第3積分容量が前記帰還容量として機能するように前記積分容量スイッチ手段を制御し、
    前記検出手段は、前記第3検出状態における前記チャージアンプの出力信号に基づいて前記第2軸を中心とした回転の角速度を検出することを特徴とする請求項1または2に記載の加速度および角速度検出装置。
  4. 前記積分容量は、それぞれが、互いに静電容量の異なる複数の容量素子からなり、
    前記スイッチ制御手段は、切り替え対象とする前記積分容量の前記複数の容量素子のいずれか一つが前記帰還容量として機能するように前記積分容量スイッチ手段を制御することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の加速度および角速度検出装置。
  5. 前記第1検出容量および前記第2検出容量の一方の電極は、互いに共通接続され、
    前記第1検出容量および前記第2検出容量の他方の電極は、それぞれ前記オペアンプの一方の入力端子および他方の入力端子に接続され、
    前記第3検出容量および前記第4検出容量の一方の電極は、互いに共通接続され、
    前記入力スイッチ手段は、前記第4検出容量の他方の電極および前記オペアンプの一方の入力端子間に接続された第1スイッチ素子と、前記第3検出容量の他方の電極および前記オペアンプの他方の入力端子間に接続された第2スイッチ素子と、前記第3検出容量の他方の電極および前記オペアンプの一方の入力端子間に接続された第3スイッチ素子と、前記第4検出容量の他方の電極および前記オペアンプの他方の入力端子間に接続された第4スイッチ素子とを備え、
    前記スイッチ制御手段は、
    前記第1検出状態にあっては、前記第1スイッチ素子および前記第2スイッチ素子をオフするとともに、前記第3スイッチ素子および前記第4スイッチ素子をオンし、
    前記第2検出状態にあっては、前記第1スイッチ素子および前記第2スイッチ素子をオンするとともに、前記第3スイッチ素子および前記第4スイッチ素子をオフすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の加速度および角速度検出装置。
  6. 前記第1検出容量および前記第2検出容量の一方の電極は、互いに共通接続され、
    前記第3検出容量および前記第4検出容量の一方の電極は、互いに共通接続され、
    前記入力スイッチ手段は、前記第4検出容量の他方の電極および前記オペアンプの一方の入力端子間に接続された第1スイッチ素子と、前記第3検出容量の他方の電極および前記オペアンプの他方の入力端子間に接続された第2スイッチ素子と、前記第3検出容量の他方の電極および前記オペアンプの一方の入力端子間に接続された第3スイッチ素子と、前記第4検出容量の他方の電極および前記オペアンプの他方の入力端子間に接続された第4スイッチ素子と、前記第1検出容量の他方の電極および前記オペアンプの一方の入力端子間に接続された第5スイッチ素子と、前記第2検出容量の他方の電極および前記オペアンプの他方の入力端子間に接続された第6スイッチ素子とを備え、
    前記スイッチ制御手段は、
    前記第1検出状態にあっては、前記第1スイッチ素子および前記第2スイッチ素子をオフするとともに、前記第3スイッチ素子、前記第4スイッチ素子、前記第5スイッチ素子および前記第6スイッチ素子をオンし、
    前記第2検出状態にあっては、前記第1スイッチ素子、前記第2スイッチ素子、前記第5スイッチ素子および前記第6スイッチ素子をオンするとともに、前記第3スイッチ素子および前記第4スイッチ素子をオフすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の加速度および角速度検出装置。
  7. 前記スイッチ制御手段は、
    第1診断状態にあっては、前記第1スイッチ素子、前記第2スイッチ素子、前記第3スイッチ素子および前記第4スイッチ素子をオフするとともに、前記第5スイッチ素子および前記第6スイッチ素子をオンし、
    第2診断状態にあっては、前記第1スイッチ素子、前記第2スイッチ素子、前記第5スイッチ素子および前記第6スイッチ素子をオフするとともに、前記第3スイッチ素子および前記第4スイッチ素子をオンし、
    前記検出手段は、前記第1診断状態における前記チャージアンプの出力信号に基づいて前記第1振動子の診断を行い、前記第2診断状態における前記出力信号に基づいて前記第2振動子の診断を行うことを特徴とする請求項6に記載の加速度および角速度検出装置。
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