JPH10318755A - 加速度角速度センサ - Google Patents

加速度角速度センサ

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JPH10318755A
JPH10318755A JP9132423A JP13242397A JPH10318755A JP H10318755 A JPH10318755 A JP H10318755A JP 9132423 A JP9132423 A JP 9132423A JP 13242397 A JP13242397 A JP 13242397A JP H10318755 A JPH10318755 A JP H10318755A
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JP
Japan
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acceleration
vibrating
vibration
angular velocity
vibrator
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JP9132423A
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Inventor
Nobuyoshi Sugitani
伸芳 杉谷
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一の振動子で角速度および互いに直交する
2方向の加速度を検出する加速度角速度センサを提供す
ること。 【解決手段】 振動子と、振動子を励振する励振手段
と、振動子の振動を検出する検出手段とを備えた加速度
角速度センサであって、振動子は、XYZ三次元直交座
標空間においてY方向に延びる四角柱形状の第1振動片
と、この第1振動片と同一形状であって第1振動片と平
行に並んで配置された第2振動片と、XY平面上で第1
振動片と第2振動片とを連結する振動子基体とを有し、
励振手段は第1振動片および第2振動片をX方向に互い
に逆相で振動させるものであり、検出手段は、第1およ
び第2振動片のそれぞれのZ方向およびX方向の振動を
検出し、第1および第2振動片のZ方向振動の差からY
軸周りの角速度を検出し、第1および第2振動片のZ方
向振動の和からZ方向の加速度を検出し、第1および第
2振動片のX方向振動の和からX方向の加速度を検出す
るものであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、角速度と互いに直
交する2方向の加速度とを検出する加速度角速度センサ
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年においては、自動車の種々の走行制
御は、車輌の旋回角速度、前後加速度、横加速度等に基
づいて行われることが多く、これらの情報を得るため
に、各車輌には角速度センサおよび加速度センサが搭載
されている。
【0003】一方、車輌におけるこれらのセンサの搭載
スペースは限られており、できるだけ小さな空間内に収
納したいという要求がある。
【0004】このような要求を満たすためになされた発
明として、特開平2−310418号公報に開示された
加速度・角速度検出装置がある。この検出装置は、面方
向を90度ずらして長手方向に2枚繋げた薄板を一対の
音叉に構成し、この音叉の支持部に近い側の薄板の面を
一対の音叉軸を含む面に垂直な方向とした振動子を有す
る。そして、支持部に近い側の薄板に励振用電極を設
け、支持部に遠い側の薄板に検出用電極を設けており、
検出用電極から得た振動情報から角速度情報と加速度情
報を検出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この従来の加速度・角
速度検出装置によれば、検出用電極が設けられているの
は、一対の音叉軸を含む面と平行な薄板であるため、加
速度に関しては、その薄板が撓む方向、すなわち一対の
音叉軸を含む面と垂直な方向の加速度のみしか検出でき
ない。
【0006】このような従来の加速度・角速度検出装置
を自動車に搭載した場合を考えると、この検出装置によ
っては、車輌の旋回角速度の他には、前後加速度または
横加速度のいずれか一方の加速度しか検出できず、互い
に直交する2方向の加速度を得るためには、さらに、別
の加速度センサを搭載しなければならなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の加速度角速度セ
ンサはこのような問題を解決するためになされたもので
あり、振動子と、振動子を励振する励振手段と、振動子
の振動を検出する検出手段とを備え、振動子は、XYZ
三次元直交座標空間においてY方向に延びる四角柱形状
の第1振動片と、この第1振動片と同一形状であって第
1振動片と平行に並んで配置された第2振動片と、XY
平面上で第1振動片と第2振動片とを連結する振動子基
体とを有し、励振手段は第1振動片および第2振動片を
X方向に互いに逆相で振動させるものであり、検出手段
は、第1および第2振動片のそれぞれのZ方向およびX
方向の振動を検出し、第1および第2振動片のZ方向振
動の差からY軸周りの角速度を検出し、第1および第2
振動片のZ方向振動の和からZ方向の加速度を検出し、
第1および第2振動片のX方向振動の和からX方向の加
速度を検出するものであることを特徴とする。
【0008】この加速度角速度センサによれば、単一の
振動子の振動状態から角速度および互いに直交する2方
向の加速度を検出することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態である
加速度角速度センサの振動子を示す斜視図であり、図2
は図1のII−II断面図である。振動子1は振動子基
体2から2本の振動片3および4が突出した板状の音叉
型振動子であり、ここではステンレスのような金属を用
いている。振動片3および4は断面が略正方形の柱状体
であり、XY平面に平行な板体である振動子基体3から
所定間隔を隔てて+Yの向きに同じ長さだけ突出してい
る。
【0010】振動片3および4の根本部には、それぞれ
励振素子11、12と振動検出素子13〜16が設けら
れている。励振素子11、12および振動検出素子13
〜16は、いずれも、片面が振動片に接着され他方の面
全体に膜状の電極が形成された板状の圧電材料で構成さ
れている。圧電材料には種々のものがあるが、ここでは
PZTが用いられている。
【0011】励振素子11、12は、表面および裏面間
に電圧が与えられると逆圧電効果によりPZTが極性に
応じて面方向に延伸または収縮することを利用して振動
片3および4を揺動させるものである。たとえば、励振
素子11に電圧を印加して励振素子11がY方向に縮む
と振動片3は外側に屈曲し、この電圧印加を止めれば元
に戻る。このような電圧印加を周期的に行えば、振動片
3はX方向に振動する。同様に、励振素子12を用いて
振動片4をX方向に励振することができる。なお、励振
方法は後述する。
【0012】振動検出素子13〜16は、圧電材料の圧
電効果を利用するものである。すなわち、面方向の伸び
縮みによって、PZTの表面と裏面との間に電位差が生
じることを利用して振動片の振動を検出するものであ
る。振動片3および4がZ方向に振動すると、その振動
に伴う屈曲によって検出素子13および14は面方向に
伸び縮みし、その表面および裏面の間に伸び縮み量に応
じた電位差が発生する。同様に、振動片3および4がX
方向に振動すると、検出素子15および16が面方向に
伸び縮みし、その表面および裏面の間に伸び縮み量に応
じた電位差が発生する。これらの素子に現れる電位差に
基づいて、この振動子1に加わる角速度および加速度に
応じた信号、すなわち、角速度検出信号や加速度検出信
号を後述する検出回路により求める。
【0013】ここで、図3および図4を用いて角速度検
出の原理を説明する。振動子1の振動片3および4が図
3に示すように左右逆相でX軸方向に励振され、この状
態で振動子1がY軸を中心に角速度Ωで回転すると、図
4に示すように、振動子1の振動片3および4には、F
=2mV・Ωで表されるコリオリの力FがZ方向に発生
する。ここに、mは振動片の質量、Vは振動速度であ
る。このコリオリの力Fの発生によって、振動片3およ
び4はX方向の振動に対して90度位相がずれてZ方向
に左右逆相で振動する。したがって、振動片3および4
のZ方向の振動からY軸周りの角速度を求めることがで
きる。
【0014】つぎに、加速度検出の原理を説明する。振
動子1の振動子基体2が図示省略した測定対象たとえば
車輌に固定されており、その測定対象が+Xの向きに加
速して移動したとすると、振動片3および4はその先端
部が慣性によって取り残されるため、共に、−Xの向き
に加速度に応じて屈曲する。振動片3および4は、通常
は、上述した角速度検出のためにX方向に互いに逆相で
励振されているので、−Xの向きの屈曲は、励振振動の
−X側へのオフセットとして現れる。逆に、測定対象が
−Xの向きに加速して移動したとすると、励振振動の+
X側へのオフセットとして現れる。したがって、このオ
フセット量を検出すれば、X方向の加速度を逆算して求
めることができる。
【0015】Z方向の加速度も同様にして求めることが
できる。すなわち、測定対象が+Zの向きに加速して移
動すれば、振動片3および4は、−Zの向きに加速度に
応じて屈曲する。振動片3および4は、角速度に応じて
Z方向に互いに逆相で振動しており、その振動の−Z側
へのオフセットとして現れる。逆に、測定対象が−Zの
向きに加速して移動したとすると、+Z側へのオフセッ
トとして現れる。したがって、このオフセット量を検出
すれば、Z方向の加速度を逆算して求めることができ
る。
【0016】つぎに、このような原理に基づいて、角速
度検出信号、X方向加速度検出信号およびZ方向加速度
検出信号を求める検出回路およびその動作を図5の回路
および図6の波形図を用いて説明する。なお、図5には
励振回路も併せて描かれている。また、図6(a)〜
(m)の各波形の脇に添えてある数字は、その波形を出
力する回路要素に付した番号である。
【0017】振動子1は2本の振動片3、4を有する音
叉であり、振動片3、4は形状や材質で決まる固有振動
数でX方向に互いに逆相で振動する。励振回路20は、
その振動を一定の振幅で継続させるために、固有振動数
と一致した周波数の励振信号を出力する回路である。
【0018】チャージアンプ(電荷アンプ)21〜24
は、圧電効果によって各検出素子13〜16の表面電極
に発生した電荷量を反転増幅して電圧値に変換する増幅
回路である。図6(a)の波形は、振動子1が固有振動
数でX方向に振動して検出素子15または16が伸び縮
みし、その伸び縮みに伴って発生する電荷の変化を示し
ている。図示の例では、振動片3および4がX方向加速
度のために+X側にオフセットしており、検出素子16
にはそのオフセット分がプラス側に重畳され、検出素子
15にはマイナス側に重畳される。したがって、それぞ
れの検出素子に接続されるチャージアンプ21、22の
出力信号は図6(b)、(c)のようになる。
【0019】加算増幅器25はチャージアンプ21およ
び22の出力電圧を加算して増幅する回路であり、加算
することにより、X方向加速度によるオフセット成分が
相殺され、図6(e)に示すような零レベルを振幅の中
心とした波形となる。この信号は励振振動を表す信号で
あり、位相変調回路29で位相を90度ずらされ、さら
にパルス成形回路30で矩形波に成形される。位相変調
回路29およびパルス成形回路30の出力波形をそれぞ
れ図6(f)および(g)に示す。パルス成形回路30
の出力信号は励振回路20に入力され、利得調整されて
励振信号として励振素子11、12に与えられる。な
お、位相変調回路29において90度位相を異ならせる
のは、振動片の励振振動と励振信号とが90度位相がず
れているからである。
【0020】差動増幅器26は、チャージアンプ21お
よび22の出力信号の差をとる回路であり、その出力波
形を図6(d)に示す。既に述べたように、検出素子1
6では、励振振動による電荷に対してX方向加速度成分
がプラス側に重畳され、検出素子15ではX方向加速度
成分がマイナス側に重畳されているので、その差をとる
ことによりX方向振動の和をとることになり、励振振動
成分が相殺されると共にX方向加速度成分が2倍となっ
て残る。したがって、出力端子32にはX方向加速度に
応じた電圧のX方向加速度検出信号が得られる。
【0021】チャージアンプ23および24からは、そ
れぞれ振動片4および3のZ方向の振動に応じた電圧信
号が出力される。既に述べたように、振動子1がY軸周
りに角速度Ωで回転しているとすると、X方向に振動し
ている振動片3および4に対してF=2mV・Ωで表さ
れるコリオリの力FがZ方向に発生し、励振振動に対し
て90度位相がずれたZ方向の振動が左右逆相で発生す
る。また、この例では振動片3および4がZ方向加速度
のために−Z側にオフセットしており、検出素子13、
14にはそのオフセット分がプラス側に重畳されてい
る。このような振動に基づくチャージアンプ23および
24の出力信号を図6(h)および(i)に示す。
【0022】差動増幅器27はチャージアンプ23およ
び24の出力信号の差動増幅を行う回路であり、これに
よってZ方向振動の差をとり、Z方向加速度成分を除去
すると共に、角速度成分を加算する。差動増幅器27の
出力信号は図6の(j)のように、励振信号と同期した
正弦波信号となる。これを、同期検波積分回路31によ
り励振信号の基礎信号であるパルス成形回路30の出力
信号で同期検波し(図6(l)参照)、さらに積分して
平滑化することにより角速度Ωに応じた電圧値を示す角
速度検出信号が得られる。図6(m)は同期検波積分回
路31の出力信号、すなわち、出力端子34に現れる角
速度検出信号を示している。
【0023】加算増幅器28はチャージアンプ23およ
び24の出力信号を加算する回路であり、これによりZ
方向振動の和をとり、コリオリの力に基づくZ方向振動
成分すなわち角速度成分を除去すると共に、Z方向加速
度成分を加算する。これにより、図6(k)のような信
号が得られ、加算増幅器28の出力信号のレベルはZ方
向加速度を表す信号となる。
【0024】以上説明したように、出力端子32にはX
方向加速度に応じた電圧レベルとなるX方向加速度検出
信号(X方向G検出信号)が得られ、出力端子33には
Y軸周りの角速度Ωに応じた電圧レベルとなる角速度検
出信号が得られ、出力端子34にはZ方向加速度に応じ
た電圧レベルとなるZ方向加速度検出信号(Z方向G検
出信号)が得られる。
【0025】これらの信号は、図示省略した演算回路に
入力され、それぞれに電圧レベルに対応するX方向加速
度、角速度Ω、Z方向加速度が算出される。
【0026】つぎに、本発明の第2実施形態を図7〜図
11を用いて説明する。図7は第2実施形態に用いられ
る振動子41を示す斜視図である。この振動子41の形
状は第1実施形態の振動子1と同様の音叉型形状であ
り、振動子基体42からXY平面において互いに平行な
2本の振動片43および44が互いに同じ長さで+Yの
向きに突出している。第1実施形態の振動子1との大き
な相違点は材質であり、この振動子41は振動子自体が
圧電材料でできている。したがって、振動片に電圧印加
用の電極を直接張り付け、振動子自体が逆圧電効果によ
り歪むことを利用して振動させる。また、振動検出につ
いても、検出電極を振動片に直接張り付け、振動による
変形により振動片に発生する誘電分極を検出電極で直接
検出する。なお、この実施形態では圧電材料として水晶
が用いられている。
【0027】このような振動子41を第1実施形態の振
動子1と同様の方向の励振および振動検出を行うための
電極配置を図8および図9に示す。図8は図7のIIX
−IIX断面図であり、駆動用電極およびX方向加速度
検出用電極の配置を示している。図9は図7のIX−I
X断面図であり、角速度検出用電極およびZ方向加速度
検出用電極の配置を示している。この電極を用いて、振
動片を互いに逆相でX方向に励振させ、コリオリの力に
よるZ方向の振動に基づいてY軸周りの角速度を検出
し、X方向の振動のオフセット成分からX方向の加速度
を検出し、Z方向の振動のオフセット成分からZ方向の
加速度を検出する。
【0028】振動子41は水晶の単結晶基板から図7に
示すように音叉型に切り出されたものである。天然の水
晶は、一般に柱状結晶であり、この柱状結晶の縦方向の
中心軸すなわち<0001>結晶軸はZ軸または光軸と
規定され、Z軸を通り柱状結晶の各表面に垂直に交わる
線はY軸または機械軸と規定される。また、Z軸を通り
この柱状結晶の縦方向の稜線と直交する線はX軸または
電気軸と規定される。
【0029】振動子41に用いられている単結晶基板は
Z板と呼ばれる基板であり、水晶結晶方位のZ軸に垂直
ないし略垂直な面で切り出された単結晶基板である。し
たがって、結晶方位のZ軸と図面上の振動子41の配置
方向を示す上述したZ軸とは一致している。また、水晶
のX軸およびY軸は互いに直交するものが3組あり、そ
のうちの一組と図面上の振動子41の配置方向を示すX
軸およびY軸とが一致している。なお、振動子1に用い
られる水晶は人工水晶であるがその構造は天然の水晶と
同じである。
【0030】つぎに、この振動子41の振動片をX軸方
向に励振させるための逆圧電効果の作用を図8を用いて
説明する。振動片43および44は同様の原理に基づい
て励振するので、代表して振動片43を例に説明する。
端子P+に正の電圧、端子P−に負の電圧を印加したと
する。上下面の電極45および46から側面の電極49
に向かう矢印のような電界が生じる。この電界のうちZ
方向成分については圧電効果および逆圧電効果が現れな
いので、逆圧電効果に影響のある成分は破線の矢印で示
すような−Xの向きの電界であり、これが振動片43の
−X側の半分の領域に生じる。
【0031】X軸の負の向きに電界が与えらると逆圧電
効果により水晶はY軸方向に縮む。したがって、振動片
43の−X側が縮むことになり振動片43は−X側に屈
曲する。同様の原理により、振動片44は、電極53、
54、56が図示のように配置されているため+X側が
Y方向に縮み、+X側に屈曲する。すなわち、振動片4
3および44は先端がX方向に開くように屈曲する。端
子P+およびP−への印加極性を反転させると、逆に振
動片43の−X側および振動片44の+X側がそれぞれ
Y方向に伸び、振動片43および44の先端がX方向に
閉じるように屈曲する。
【0032】したがって、端子P+およびP−への印加
極性を周期的に切り替えれば振動片43および44をX
方向に互いに逆相で励振させることができる。なお、端
子P+およびP−へ印加する励振信号は、後述する回路
により振動子41の固有振動に基づいて生成される。
【0033】つぎに振動検出について説明する。X方向
の振動は振動片43および44の側面のY方向の伸び縮
みとなって現れる。電極47、48、50は振動片43
の+X側半分のY方向の伸び縮みを検出し、電極51、
52、55は振動片44の−X側半分のY方向の伸び縮
みを検出する。
【0034】振動片43の+X側がY方向に伸びると+
Xの向きに誘電分極が生じ、電極47および48に正の
電荷、電極50に負の電荷が生じる。逆に、Y方向に縮
むと−Xの向きに誘電分極が生じ、電極47および48
に負の電荷、電極50に正の電荷が生じる。したがっ
て、端子S12+および端子S12−に現れる電荷の変
化を検出すれば、振動片43のX方向の屈曲、すなわ
ち、振動を検出することができる。同様に、端子S11
+および端子S11−に現れる電荷の変化を検出すれ
ば、振動片44のX方向の屈曲、すなわち、振動を検出
することができる。
【0035】Z方向の振動の検出は図9に示すように、
振動片43および44のそれぞれの4つのエッジ部に設
けられた電極57〜64により検出する。振動片43が
+Zの向きに屈曲すると、振動片43の上側の半分がY
方向に縮み、下側の半分がY方向に伸びる。水晶の圧電
効果により、Y方向に縮むとX方向の誘電分極が生じ、
Y方向に伸びると逆向きのX方向の誘電分極が生じる。
そして、誘電分極の強さは伸縮の大きさに依存するので
上面または下面において強く現れ、中間部に向かうほど
弱い。したがって、誘電分極は振動片43の4つのエッ
ジ部に集中して現れ、電極57、58に同一極性の電荷
が集まり、電極59、60にそれと逆の極性の電荷が集
まる。振動片43が下側に振れると、同様の原理に基づ
いて上述したものと全く逆の極性が現れる。すなわち、
電極57、58を共通接続した端子S22+と、電極5
9、60を共通接続した端子S22−との電位差から振
動片43のZ方向の振動を検出できる。
【0036】一方、振動片44は振動片43とは逆相で
振動するので、振動片44の電極61、62、63、6
4には、これらと同じ位置にある振動片43の電極5
9、60、57、58に逆極性の電荷が集まり、端子S
21+と端子S21−との電位差から振動片44のZ方
向の振動を検出できる。
【0037】つぎに、この振動片43、44をX方向に
逆相で励振し、X方向振動およびZ方向振動から、角速
度検出信号、X方向加速度検出信号およびZ方向加速度
検出信号を求める回路と、その動作を図10の回路図お
よび図11の波形図を用いて説明する。
【0038】図10において、端子P+、P−、S11
+、S11−、S12+、S12−、S21+、S21
−、S22+、S22−は、図8および図9に示す同一
符号の端子と同じものである。また、励振回路70、チ
ャージアンプ72〜79、差動増幅器80〜83、8
5、86、加算増幅器84、87、位相変調回路88、
パルス成形回路89、同期検波積分回路90のそれぞれ
の機能は、第1実施形態の図5に示す回路における同一
名の要素と同じであるので説明は省略する。なお、反転
回路71は励振回路70の極性を反転させる回路であ
る。
【0039】図11は図10の各要素の出力信号波形を
示す波形図であり、(a)〜(u)までの各波形の脇に
添えてある数字は、その波形を出力する回路要素に付し
た番号である。
【0040】図11(a)は、振動片の振動により電極
47、48と電極50との間、および電極55と電極5
1、52との間に生じる電位差を示したものである。差
動増幅器80の出力信号、すなわちチャージアンプ72
と73の出力信号の差信号は、振動片44のX方向の励
振振動にX方向の加速度成分がオフセットとして加わっ
た振動を示す(図11(b)(c)(d)参照)。差動
増幅器81の出力信号、すなわちチャージアンプ74と
75の出力信号の差は、振動片44とは逆相の振動片4
3のX方向の励振振動にX方向の加速度成分がオフセッ
トとして加わった振動を示す(図11(e)(f)
(g)参照)。
【0041】この差動増幅器80と81のそれぞれの出
力信号を差を差動増幅器85でとることにより、振動片
43と44のX方向振動の和をとることになり、励振振
動成分を除去してX方向加速度成分が抽出される。すな
わち、図11(h)に示す差動増幅器85の出力信号が
X方向加速度検出信号として出力端子91に現れる。
【0042】加算増幅器84により差動増幅器80と8
1のそれぞれの出力信号の和をとるとX方向加速度成分
が除去され、図11(i)に示すような零レベルを振幅
の中心とした正弦波形となる。この信号は励振振動を表
す信号であり、位相変調回路88で位相を90度ずらさ
れ、さらにパルス成形回路89で矩形波に成形される。
位相変調回路88およびパルス成形回路89の出力波形
をそれぞれ図11(j)および(k)に示す。パルス成
形回路89の出力信号は励振回路70に入力され、利得
調整されて励振信号として端子P+に与えられ、さらに
反転回路71で極性を反転して端子P−に与えられる。
位相変調回路88において90度位相を異ならせるの
は、第1実施形態と同様に、振動片の励振振動と励振信
号とが90度位相がずれているからである。
【0043】差動増幅器82の出力信号は、チャージア
ンプ76および77の出力信号の差であり、振動片44
のコリオリの力によるZ方向の振動にZ方向の加速度成
分がオフセットとして加わった振動を示す(図11
(l)(m)(n)参照)。差動増幅器83の出力信
号、すなわちチャージアンプ78と79の出力信号の差
は、振動片44とは逆相の振動片43のZ方向の振動に
Z方向の加速度成分がオフセットとして加わった振動を
示す(図11(o)(p)(q)参照)。
【0044】差動増幅器86によって差動増幅器82の
出力信号と差動増幅器83の出力信号の差をとると、振
動片43と44のZ方向振動の差をとることになり、Z
方向加速度成分が除去されて角速度に基づくコリオリの
力による成分のみが残る(図11(r)参照)。これを
同期検波積分回路90で検波および平滑化を行うことに
より、角速度に応じた電圧値を示す角速度検出信号を得
る(図11(u)参照)。
【0045】加算増幅器87によって差動増幅器82の
出力信号と差動増幅器83の出力信号の和をとると、振
動片43と44のZ方向振動の和をとることになり、角
速度成分が除去されZ方向の加速度成分のみが残り、こ
れがそのままZ方向加速度検出信号となる(図11
(s)参照)。
【0046】以上説明したように、出力端子91にはX
方向加速度に応じた電圧レベルとなるX方向加速度検出
信号が得られ、出力端子92にはY軸周りの角速度Ωに
応じた電圧レベルとなる角速度検出信号が得られ、出力
端子93にはZ方向加速度に応じた電圧レベルとなるZ
方向加速度検出信号が得られる。
【0047】これらの信号は、図示省略した演算回路に
入力され、それぞれに電圧レベルに対応するX方向加速
度、角速度Ω、Z方向加速度が算出される。
【0048】図12は本発明の第3実施形態に用いられ
る振動子であり、第1および第2振動子が音叉型であっ
たのに対して、この振動子101はH型をしている。す
なわち、この振動子101は、XY平面においてY方向
に並列配置した2本の第1振動片109および第2振動
片110を有し、その長手方向のほぼ中央でX方向に延
在する振動子基体102により連結した構造を有する。
【0049】第1振動片109は振動子基体102との
連結部を堺にして第1振動片前側部103と第1振動片
後側部105で構成されており、第2振動片110は振
動子基体102との連結部を堺にして第2振動片前側部
104と第1振動片後側部106で構成されている。換
言すると、第1振動片前側部103および第2振動片前
側部104は互いに同じ長さで振動子基体102から+
Yの向きに突出し、第1振動片後側部105および第2
振動片後側部106は振動子基体102から−Yの向き
に同じ長さで突出している。
【0050】第1振動片後側部105および第2振動片
後側部106は、第1振動片前側部103および第2振
動片前側部104に対して細く且つ長い寸法となってい
る。このような形状とすることにより、ほぼ同軸上に配
置されている第1振動片前側部103と第1振動片後側
部105、並びに、第2振動片前側部104と第2振動
片後側部106が、それぞれX方向振動に関しては連成
せずZ方向振動に関しては連成するという特性を持たせ
ることができる。
【0051】そこで、第1振動片前側部103および第
2振動片前側部104を互いに逆相でX方向に励振させ
た状態で、振動子101がY軸周りに回転すると、その
回転角速度に応じてコリオリの力により第1振動片前側
部103および第2振動片前側部104が互いに逆相で
Z方向に振動する。このように第1および第2振動片1
03および104は、共にX方向とZ方向の双方に振動
するが、上述したように振動子の構造上の特徴から、Z
方向の振動だけが第1振動片後側部105および第2振
動片後側部106に大きく伝達される。したがって、第
1振動片後側部105および第2振動片後側部106で
Z方向振動の検出を行えば、Z方向振動にとってノイズ
であるX方向励振振動の影響を受けない。
【0052】また、第1振動片後側部105および第2
振動片後側部106は、振動子101が支持棒107、
固定片108を介して固定されている車輌等の測定対象
がX方向あるいはZ方向に加速度的に移動したときに、
それぞれに−Xの向きあるいは−Zの向きに屈曲する。
この屈曲量を第1または第2実施形態と同様に検出すれ
ば、X方向加速度検出信号、Z方向加速度検出信号を得
ることができる。この場合、特に、X方向の振動が第1
振動片後側部105および第2振動片後側部106には
ほとんど生じていないため、高いS/N比でX方向加速
度検出信号を得ることができる。
【0053】H型振動子を形成する際に圧電材料を用い
ない場合は、第1実施形態のような励振素子および振動
検出素子を適当な場所に設け、図5に示す回路と同じ技
術思想に基づいて励振および検出用の回路を構成すれば
よい。H型振動子として水晶のような圧電材料を用いる
場合には、第2実施形態のような励振電極および振動検
出電極を適当な場所に設け、図10に示す回路と同じ技
術思想に基づいて励振および検出用の回路を構成すれば
よい。
【0054】なお、第1実施形態では励振素子および検
出素子の圧電材料としてPZTを用いたがこれに限定さ
れるものではない。また、第2実施形態では振動子を構
成する圧電材料として水晶を用いたが他の圧電材料でも
よく、また、励振または検出方法も実施形態に限定され
ない。
【0055】圧電材料が異なれば、その励振の方法や検
出の方法が異なることがあるが、要するに、第1および
第2振動片のZ方向振動の差からY軸周りの角速度を検
出し、第1および第2振動片のZ方向振動の和からZ方
向の加速度を検出し、第1および第2振動片のX方向振
動の和からX方向の加速度を検出すればよい。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の加速度角
速度センサによれば、単一の振動子における2つの振動
片の2方向の振動を組み合わせを換えて加算もしくは減
算することにより、角速度および互いに直交する2方向
の加速度を検出することができる。したがって、この加
速度角速度センサをたとえば車輌に搭載すれば、車輌の
ヨーレイト、前後加速度、横加速度を全て検出すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加速度角速度センサの第1実施形態に
用いられる振動子を示す斜視図。
【図2】図1のII−II断面図。
【図3】第1実施形態における振動子1の励振状態を示
す図。
【図4】第1実施形態における振動子1の回転に伴うコ
リオリの力による振動状態を示す図。
【図5】第1実施形態の励振および振動検出回路を示す
回路図。
【図6】第1実施形態の励振および振動検出回路の動作
を示す波形図。
【図7】本発明の加速度角速度センサの第2実施形態に
用いられる振動子を示す斜視図。
【図8】図7のIIX−IIX断面図。
【図9】図7のIX−IX断面図。
【図10】第2実施形態の励振および振動検出回路を示
す回路図。
【図11】第2実施形態の励振および振動検出回路の動
作を示す波形図。
【図12】本発明の加速度角速度センサの第3実施形態
に用いられる振動子を示す斜視図。
【符号の説明】
1、41、101…振動子、2、42、102…振動子
基体、3、43、109…第1振動片、4、44、11
0…第2振動片、11、12…励振素子、13〜16…
振動検出素子、20、70…励振回路、21〜24、7
2〜79…チャージアンプ、25、28、84、87…
加算増幅器、26、27、80〜83、85、86…差
動増幅器、29、88…位相変調回路、30、89…パ
ルス成形回路、31、90…同期検波積分回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 振動子と、前記振動子を励振する励振手
    段と、前記振動子の振動を検出する検出手段とを備え、 前記振動子は、XYZ三次元直交座標空間においてY方
    向に延びる四角柱形状の第1振動片と、この第1振動片
    と同一形状であってXY平面上で第1振動片と平行に並
    んで配置された第2振動片と、この第1振動片と第2振
    動片とを連結する振動子基体とを有し、 前記励振手段は前記第1振動片および第2振動片をX方
    向に互いに逆相で振動させるものであり、 前記検出手段は、前記第1および第2振動片のそれぞれ
    のZ方向およびX方向の振動を検出し、前記第1および
    第2振動片のZ方向振動の差からY軸周りの角速度を検
    出し、前記第1および第2振動片のZ方向振動の和から
    Z方向の加速度を検出し、前記第1および第2振動片の
    X方向振動の和からX方向の加速度を検出するものであ
    ることを特徴とする加速度角速度センサ。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001194155A (ja) * 2000-01-13 2001-07-19 Yoshiro Tomikawa 運動センサ
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JP2009025283A (ja) * 2007-07-19 2009-02-05 Konkuk Univ Industrial Cooperation Corp 一体型加速度計・角速度計システム
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