JP5104083B2 - 電力変換装置および電力変換方法 - Google Patents

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Description

本発明は、直流電源の出力をPWM(Pulse Width Modulation)変調することにより、交流電力へと変換し、この交流電力を負荷に対して供給する電力変換装置および電力変換方法に関する。
直流電力を3相交流電力に変換する電力変換装置は、スイッチング素子が直列に接続されたアームが基本単位となっており、上側のスイッチング素子と下側のスイッチング素子とが交互にオン/オフされる。
従来の電力変換装置では、上側のスイッチング素子と下側のスイッチング素子とが同時にオンして短絡することを防止するために、オン/オフの切替の際に、上側と下側のスイッチング素子が同時にオフとなる短絡防止時間(デッドタイムとも呼ばれる)が設けられている。
このデッドタイムの存在に起因し、制御装置より出力される電圧指令値と実際に出力される電圧との間に誤差(以下、誤差電圧をいう)が発生し、出力電圧に歪みが生じることがあるため、電圧指令値に対して一定値の補償電圧を加算することで、誤差電圧を補償する技術が知られている(下記特許文献1参照)。
特開2002−95262号公報
しかしながら、従来の電力変換装置は、電圧指令値に対して、一定値の補償電圧を加算することで誤差電圧を補償しているが、搬送波周波数が変化する電力変換装置に適用した場合には、誤差電圧の補償が十分に行われず、負荷へと供給される電流にリプルが現れてしまい、負荷の出力が変動してしまうという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、搬送波の周波数を変化させた場合に、誤差電圧に起因する出力変動を抑制することを目的とする。
本発明は、搬送波の周波数の変化に応じて指令値を補償するようにした。
本発明によれば、搬送波の周波数の変化に応じて、指令値を補償するようにしたため、誤差電圧に起因する出力変動を抑制することができる。
以下に、本発明の第1乃至第5の実施形態に係る電力変換装置について、図1乃至図23を参照して説明する。
(第1の実施形態)
まず本発明の第1の実施形態となる電力変換装置を図1〜10を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態となる電力変換装置の構成を説明する図である。
電力変換装置は、直流電力を充放電可能なバッテリ(直流電源)1と、バッテリ1が蓄えている直流電力を交流電力に変換し、モータ6へと出力するインバータ2と、インバータ2からモータ6へと出力される交流電力の出力電流Iを電流検出値として検出する電流検出部3と、この電流検出部3により検出された電流検出値と電流指令発生装置5より出力される電流指令値とに基づいてインバータ2を制御する制御装置4とから構成されている。
なお図1に示す電力変換装置では制御装置4と電流指令発生装置5とを別の構成として図示しているが、一つのコントローラに搭載されているものであっても良く、図1では説明のために、便宜的に異なる構成として分けている。
インバータ2は、図2に示すように、バッテリ1より直流電圧V+、V−が供給される。インバータ2は、6個のトランジスタTu+、Tu−、Tv+、Tv−、Tw+、Tw−と6個のダイオードの並列回路から構成されている。トランジスタTu+、Tu−、Tv+、Tv−、Tw+、Tw−はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体素子により構成されている。
電流検出部3は、インバータ2のu相、v相、w相の各相の出力電流Iu、Iv、Iwを電流検出値として検出する3つの電流センサ3a、3b、3cからなり、検出された電流検出値を制御装置4へと出力している。なお以下で各相の電流センサ3a、3b、3cを区別する必要がない場合には、単に電流検出部3と表記したうえで、説明を行う。
制御装置4は、図3に示すように、電流指令発生装置5から出力される電流指令値と電流検出部3から出力される電流検出値とに基づいて、電圧指令を発生する電圧指令発生部41と、搬送波信号を生成する搬送波信号生成部42と、後述するデッドタイム補償補正電圧ΔVを出力するデッドタイム補償部44と、デッドタイム補償補正電圧ΔVと電圧指令とを加算した指令値信号を出力する加算器46と、この指令値信号と搬送波信号とを比較(PWM比較)し、インバータ2のトランジスタをオン・オフさせる制御信号を生成する制御信号生成部43と、搬送波信号の周波数(搬送波周波数)fcを変化させる搬送波周波数変化部45とから構成される。
搬送波信号生成部42は、搬送波周波数変化部45より出力される搬送波周波数fcに基づいて、搬送波信号を周波数変調し、搬送波信号を生成する。
制御信号生成部43は、加算器46から出力される指令値信号と搬送波信号の大小関係を、コンパレータを用いて、比較することでパルス状の制御信号を生成し、インバータ2へと出力する。
デッドタイム補償部44は、図4に示すように、一定の電圧であるデッドタイム補償電圧ΔV1を発生するデッドタイム補償電圧発生部441と、搬送波周波数変化部45の搬送波周波数fcに同期して、搬送波補正電圧ΔV2を発生する搬送波補正電圧発生部442と、デッドタイム補償電圧ΔV1と搬送波補正電圧ΔV2とを加算して、デッドタイム補償補正電圧ΔVを加算器46に出力する加算部443とから構成される。
ここで、制御装置4にデッドタイム補償部44を設ける理由を図5〜7を参照して以下に説明する。図5は、図2に示すインバータ2を簡略化した図である。上述したように、バッテリ1は、直流電圧V+、V−をインバータ2に供給している。また、トランジスタTu+、Tu−のゲート端子には、制御信号生成部43(図3参照)により生成された制御信号が入力されている。
この制御信号は、制御信号生成部43において、指令値信号と搬送波信号とを比較(PWM比較)し、比較した信号の大小関係から生成されたオン・オフのパルス信号である。この制御信号に基づいて、トランジスタTu+、Tu−をオン・オフ動作させることにより、インバータ2からモータ6に電力を供給している。
図6は、図5に示すトランジスタTu+、Tu−のゲート端子に入力される制御信号のタイムチャートである。図6(a)は、動作遅れがないと仮定した場合の理想的なトランジスタTu+、Tu−のゲート端子に入力される制御信号のタイムチャートを示している。しかし、図6(a)に示すようなオン・オフ動作を行った場合、実際に用いられているトランジスタTu+、Tu−には動作遅れがあるため、正側と負側とのオン・オフ切り替え時に、トランジスタTu+、Tu−が同時にオンする状態が生じる可能性がある。
この場合、電源が短絡したことになりトランジスタTu+、Tu−を破壊する虞がある。この短絡状態を防止するため、図6(b)に示すようにトランジスタTu+、Tu−がオンするタイミングを、図6(a)に示すタイミングよりも、数μsec程度遅らせることで、トランジスタTu+、Tu−が同時にオンすることを防止している。この数μsec程度の時間遅れを、短絡防止時間であるデッドタイムTdとして設定している。
このデッドタイムTdの期間中、トランジスタTu+、Tu−は両方オフとなっているため、インバータ2の出力電圧は無制御状態となり、この期間は出力電流Iの向きのみによって決定される電圧が出力されてしまうため、このデッドタイムTd期間におけるインバータ2の出力電圧は、誤差電圧として作用する。この誤差電圧が生じないように予め誤差電圧分を考慮した指令値とするためにデッドタイム補償部44にデッドタイム補償電圧発生部441が設けられている。
図7は搬送波周波数fcを一定とした場合の出力電圧とデッドタイム補償電圧ΔV1を説明する図である。図7では、搬送波周波数fcが一定の場合において、上記デッドタイムTdの期間を設けたうえで、デッドタイム補償を行った場合と、デッドタイムTdの期間を設けたうえで、デッドタイム補償を行わなかった場合との搬送波信号一周期分の出力電圧とデッドタイム補償電圧ΔV1とを表している。
図7(a)において、Aは指令値を表し、Bはデッドタイム補償を行わなかった場合の出力電圧を表し、Cはデッドタイム補償を行った場合の出力電圧を表している。図7(b)はデッドタイム補償を行った場合のデッドタイム補償電圧ΔV1を表している。なお、デッドタイム補償電圧ΔV1は一定電圧である。
図7より、デッドタイム補償を行わなかった場合、出力電圧が指令値よりも低いことが分かる。一方、デッドタイム補償を行った場合、出力電圧は指令値とほぼ等しくなる。
しかし、搬送波周波数fcを時間と共に変化させた場合には、上述したデッドタイム補償を行っても、インバータ2の出力電流Iに電流リプルが現れ、特にモータ6が低速、軽負荷運転の場合、電流リプルに起因して出力変動、回転むらが大きくなるという問題があった。そこで、第1の実施形態では、図7(b)のデッドタイム補償に対して、更に補正を行うことで、電流リップルおよびこの電流リップルに起因する出力変動、回転むらを抑制するようにしている。
図8は、搬送波信号生成部42(図3参照)から出力される搬送波信号を説明する図である。図8(a)は、搬送波周波数fcが一定の場合の搬送波信号(破線)と、搬送波周波数fcが時間と共に変化する搬送波信号(実線)を表している。そして、図8(b)は、図8(a)の実線で表した搬送波信号の搬送波周波数fcの時間変化を表したものである。なお、図8(a)および(b)は、搬送波周波数fc一周期分の波形を示している。
図9は、搬送波補正電圧発生部442(図4参照)より出力される搬送波補正電圧ΔV2を説明する図である。図9(a)は、搬送波周波数変化部45から出力される搬送波周波数fcの時間変化を表している。図9(b)は、デッドタイム補償電圧発生部441から発生するデッドタイム補償電圧ΔV1を表している。デッドタイム補償電圧ΔV1は一定値である。図9(c)は、搬送波補正電圧発生部442から発生する搬送波補正電圧ΔV2を表している。図9(c)に示すように、搬送波補正電圧ΔV2は、搬送波周波数変化部45の搬送波周波数fcに同期している。具体的には、搬送波周波数をfc(t)、電源電圧をVdc、搬送波周波数fc(t)の平均値をfaとするとそれぞれ以下のように表される。
ΔV1=fa×Td×Vdc
ΔV2(t)={fc(t)−fa}×Td×Vdc
ΔV(t)=ΔV1+ΔV2(t)=fc(t)×Td×Vdc
デッドタイム補償電圧発生部441のデッドタイム補償電圧ΔV1と搬送波補正電圧発生部442の搬送波補正電圧ΔV2を加算する加算部443からの出力であるデッドタイム補償補正電圧ΔV(t)がデッドタイム補償部44の出力信号となる。
すなわち、デッドタイム補償補正電圧ΔV(t)は搬送波周波数fc(t)に比例するので、デッドタイム補償部44は、搬送波周波数fc(t)が時間と共に変化しても、搬送波周波数fc(t)の時間変化に対応したデッドタイム補償補正電圧ΔV(t)を出力できる。
図10は、図2に示すインバータ2から出力される出力電流Iの波形を説明する図である。図10において、波形Dは指令値からの理想的な出力電流波形を示している。波形Eは搬送波周波数fcを時間と共に変化させ、デッドタイム補償補正電圧ΔVを、仮に一定値であるデッドタイム補償電圧ΔV1とした場合の出力電流波形を表している。波形Fは搬送波周波数fcの時間変化に応じてデッドタイム補償補正電圧ΔVが変化する場合の出力電流波形を表している。波形Dと波形Eとの誤差と、波形Dと波形Fと誤差とを比較すると、波形Dに対する誤差は、波形Eに比べ波形Fの方が10%程度低減する結果が得られている。更に、波形Eと波形Fのリプルの大きさを比較すると、波形Fの方が小さくなっている。
以上説明したように、デッドタイム補償電圧発生部441から発生するデッドタイム補償電圧ΔV1と、搬送波補正電圧発生部442から発生し、時間変化する搬送波周波数fcに同期する搬送波補正電圧ΔV2とを加算部443で加算したデッドタイム補償補正電圧ΔV(t)をデッドタイム補償部44から出力し、このデッドタイム補償補正電圧ΔV(t)と、電圧指令発生部41から発生する電圧指令とを加算器46で加算した指令値信号を制御信号生成部43に出力し、制御信号生成部43においてこの指令値信号と搬送波信号生成部42の出力である搬送波信号とを比較して、制御信号を生成し、この制御信号をインバータ2のトランジスタTu+、Tu−、Tv+、Tv−、Tw+、Tw−のゲート端子に出力するようにしたので、搬送波周波数fcを変化させた場合でも、誤差電圧の発生を抑制しつつ、電流リップルおよびこの電流リップルに起因する出力変動、回転むらを抑制することができるという効果を得られる。
また、搬送波周波数fcの時間変化に応じてデッドタイム補償補正電圧ΔVを変化させることで、実際にインバータ2からモータ6に供給された出力電流Iの指令値からの理想的な出力電流Iに対する誤差を低減することができる。更に、搬送波周波数fcを変化させているので、搬送波周波数fcおよびそのn次高調波の周波数に対するノイズレベルの高いスペクトル成分を有するスイッチングノイズを低減することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態となる電力変換装置について、第1の実施形態の電力変換装置と異なる点を中心に図11〜13を参照して説明する。なお、第2の実施形態について、第1の実施形態と同様の構成には同じ番号を付す。
第2の実施形態の電力変換装置が、第1の実施形態の電力変換装置と異なるのは、制御装置のデッドタイム補償部が異なる点であるため、その点について以下詳細に説明する。
図11は、本発明の第2の実施形態となる電力変換装置の制御装置14を説明する図である。
制御装置14は、図11に示すように、電流指令発生装置5から出力される電流指令値と電流検出部3から出力される電流検出値とに基づいて、電圧指令を発生する電圧指令発生部41と、搬送波信号を生成する搬送波信号生成部42と、デッドタイム補償補正電圧ΔVを出力するデッドタイム補償部144と、デッドタイム補償補正電圧ΔVと電圧指令とを加算した指令値信号を出力する加算器46と、この指令値信号と搬送波信号とを比較し、インバータ2のトランジスタをオン・オフさせる制御信号を生成する制御信号生成部43と、搬送波周波数fcを変化させる搬送波周波数変化部45とから構成されている。そして、制御装置14は、第1の実施形態と異なり、電圧指令発生部41以外に、デッドタイム補償部144にも電流検出部3の電流検出値が入力されている。
デッドタイム補償部144は、図12に示すように、電流検出部3の電流検出値に基づいて、出力電流Iの極性を判別する電流極性判別部1444と、デッドタイム補償電圧ΔV1を発生するデッドタイム補償電圧発生部1441と、搬送波周波数変化部45の搬送波周波数fcに同期して、搬送波補正電圧ΔV2を発生する搬送波補正電圧発生部1442と、デッドタイム補償電圧ΔV1と搬送波補正電圧ΔV2とを加算して、デッドタイム補償補正電圧ΔVを加算器46に出力する加算部443とから構成されている。
電流極性判別部1444は、電流検出部3から出力される電流検出値を用いて、出力電流Iの極性を判別し、判別した結果である電流極性信号を、デッドタイム補償電圧発生部1441および搬送波補正電圧発生部1442に出力する。
デッドタイム補償電圧発生部1441は、電流極性判別部1444から出力される電流極性信号の極性が正の場合、デッドタイム補償電圧ΔV1として正の一定値を発生する。一方、電流極性判別部1444から出力される電流極性信号の極性が負の場合、デッドタイム補償電圧ΔV1として負の一定値を発生する。
搬送波補正電圧発生部1442は、電流極性判別部1444から出力される電流極性信号の極性が正の場合、時間と共に変化する搬送波周波数fcの傾きと同じ傾きで時間変化する搬送波補正電圧ΔV2を発生する。一方、電流極性判別部1444から出力される電流極性信号の極性が負の場合、時間と共に変化する搬送波周波数fcの傾きと符号が逆で数値が同じ傾きで時間変化する搬送波補正電圧ΔV2を発生する。
図13は、図12に示すデッドタイム補償補正電圧ΔVを説明する図である。ここで、図13(a)は電流検出部3により検出された電流検出値の時間変化を表し、図13(b)はデッドタイム補償電圧ΔV1を表している。図13(c)は搬送波周波数fcの時間変化を表し、図13(d)は搬送波補正電圧ΔV2を表している。図13(e)はデッドタイム補償補正電圧ΔVを表している。なお、図13(a)〜(e)は電流検出値一周期分の波形を示している。
図13(a)に示すように、電流極性判別部1444が、電流検出部3の電流検出値より極性を正と判別した場合(図13において右側)、デッドタイム補償電圧発生部1441はデッドタイム補償電圧ΔV1を正の一定値とし(図13(b)参照)、搬送波補正電圧発生部1442は、時間と共に変化(図13(c)参照)する搬送波周波数fcの傾きと同じ傾きで時間変化する搬送波補正電圧ΔV2(図13(d)参照)を発生する。
一方、図13(a)に示すように、電流極性判別部1444が、電流検出部3の電流検出値の極性を負と判別した場合(図13において左側)、デッドタイム補償電圧発生部1441はデッドタイム補償電圧ΔV1を負の一定値とし(図13(b)参照)、搬送波補正電圧発生部1442は、時間と共に変化(図13(c)参照)する搬送波周波数fcの傾きと符号が逆で数値が同じ傾きで時間変化する搬送波補正電圧ΔV2(図13(d)参照)を発生する。
更に、加算部443は、上記のデッドタイム補償電圧ΔV1と上記の搬送波補正電圧ΔV2とを加算したデッドタイム補償補正電圧ΔV(図13(e)参照)を加算器46に出力する。加算器46では、第1の実施形態と同様に、上記デッドタイム補償補正電圧ΔVと電圧指令を加算することで指令値信号として、制御信号生成部43へと出力し、制御信号生成部43において、この指令値と搬送波信号生成部42の出力である搬送波信号とから制御信号を生成し、この制御信号をインバータ2のトランジスタTu+、Tu−、Tv+、Tv−、Tw+、Tw−のゲート端子に出力する。
以上、説明したように、第2の実施形態の制御装置14では、デッドタイム補償部144に、電流検出部3の電流検出値より極性を判別し、デッドタイム補償電圧発生部1441および搬送波補正電圧発生部1442に、電流検出値の極性を示す電流極性信号を出力する電流極性判別部1444を設け、電流検出値の極性が正の場合、デッドタイム補償電圧発生部1441からデッドタイム補償電圧ΔV1として正の一定値を発生させつつ、搬送波補正電圧発生部1442から時間と共に変化する搬送波周波数fcの傾きと同じ傾きで時間変化する搬送波補正電圧ΔV2を発生させ、一方、電流検出値の極性が負の場合、デッドタイム補償電圧発生部1441からデッドタイム補償電圧ΔV1として負の一定値を発生させつつ、搬送波補正電圧発生部1442から時間と共に変化する搬送波周波数fcの傾きと符号が逆で数値が同じ傾きで時間変化する搬送波補正電圧ΔV2を発生させるようにしたので、第1の実施の形態と同様に、搬送波周波数fcを変化させた場合でも、誤差電圧の発生を抑制しつつ、電流リップルおよびこの電流リップルに起因する出力変動、回転むらを抑制することができるという効果を得られる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態となる電力変換装置について、第1の実施形態の電力変換装置と異なる点を中心に図14〜16を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成には同じ番号を付す。
第3の実施形態の電力変換装置が、第1の実施形態の電力変換装置と異なるのは、制御装置のデッドタイム補償部が異なる点であるため、その点について以下詳細に説明する。
図14は、本発明の第3の実施形態となる電力変換装置の制御装置24を説明する図である。
制御装置24は、図14に示すように、電流指令発生装置5から出力される電流指令値と電流検出部3から出力される電流検出値とに基づいて、電圧指令を発生する電圧指令発生部41と、搬送波信号を生成する搬送波信号生成部42とを備える。そして、デッドタイム補償補正電圧ΔVを出力するデッドタイム補償部244と、デッドタイム補償補正電圧ΔVと電圧指令とを加算した指令値信号を出力する加算器46とを備える。更に、この指令値信号と搬送波信号とを比較(PWM比較)し、インバータ2のトランジスタをオン・オフさせる制御信号を生成する制御信号生成部43と、搬送波周波数fcを変化させる搬送波周波数変化部45とを備えている。また、デッドタイム補償部244は、搬送波周波数変化部45の搬送波周波数fcに同期して、デッドタイム補償補正手段電圧ΔVを発生する電圧補償部2441を備えている。
図15(a)は、第3の実施形態における搬送波周波数変化部45から出力される搬送波周波数fcの時間変化を表している。図15(b)は、図14における電圧補償部2441から発生するデッドタイム補償補正電圧ΔVを表している。デッドタイム補償補正電圧ΔVは、搬送波周波数変化部45の搬送波周波数fcに同期している。具体的には、搬送波周波数fcの時間変化をfc(t)、搬送波周波数fcの最小値をfc1、搬送波周波数fcの最大値をfc2、デッドタイムをTd、電源電圧をVdcとすると、デッドタイム補償補正電圧ΔV(t)は以下のように表される。
ΔV(t)=|fc(t)−fc1|×Td×Vdc (1)
または、
ΔV(t)=|fc(t)−fc2|×Td×Vdc (2)
なお、デッドタイムTdは一定値である。
図15(b)に示すように、この第3の実施形態では、式(2)から算出したデッドタイム補償補正電圧ΔV(t)を用いている。しかし、式(1)から算出したデッドタイム補償補正電圧ΔV(t)を用いても良い。このように図15(b)に示すように、デッドタイム補償補正電圧ΔV(t)は搬送波周波数fc(t)に同期する。従って、電圧補償部2441は、搬送波周波数fc(t)が時間と共に変化しても搬送波周波数fc(t)の時間変化に同期したデッドタイム補償補正電圧ΔV(t)を出力することができる。
次に図16は、第3の実施形態におけるインバータ2から出力される出力電圧の波形を説明する図であり、図16(a)は、第3の実施形態における搬送波周波数変化部45から出力される搬送波周波数fcの時間変化を表している。
また、図16(b)は、第3の実施形態におけるインバータ2の出力電圧波形を表している。図16(b)において、波形Gは図16(a)のように搬送波周波数fcを時間と共に変化させた場合の出力電圧波形を表している。一方、波形Hは搬送波周波数fcの時間変化に応じて電圧補償部2441のデッドタイム補償補正電圧ΔVを図15(b)のように変化させた場合の出力電圧波形を表している。波形Gと波形Hとを比較すると、波形Gでは搬送波周波数fcの変化に同期した電圧リプルが見られる。
しかし、搬送波周波数fcの時間変化に応じたデッドタイム補償補正電圧ΔVを生じさせるようにすることで、波形Gで見られた、搬送波周波数fcを変化させることで生じるリプルを抑制することができている。すなわち、出力電圧に誤差電圧が含まれていた場合でも、誤差電圧をほぼ一定値にすることができる。
以上より、第3の実施形態のデッドタイム補償部244は、誤差電圧が一定値になるように、搬送波周波数fcの最大値fc2または最小値fc1に基づいて、デッドタイム補償補正電圧ΔVを変化させる。すなわち、デッドタイム補償部244(電圧補償部2441)は、搬送波周波数fc(t)の時間変化に同期したデッドタイム補償補正電圧ΔV(t)を出力する。これによって、搬送波周波数fcの変動によるインバータ2の出力誤差、つまり電圧(電流)リプルの発生を抑制できる。更に、第1の実施形態と同様に、搬送波周波数fcを変化させているので、搬送波周波数fcおよびそのn次高調波の周波数に対するノイズレベルの高いスペクトル成分を有するスイッチングノイズを低減することができる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態となる電力変換装置について、第3の実施形態と異なる点を中心に図17〜18を参照して説明する。なお、第4の実施形態について、第3の実施形態と同様の構成には同じ番号を付す。ここで、第4の実施形態の電力変換装置が、第3の実施形態の電力変換装置と異なるのは制御装置のデッドタイム補償部が異なる点であるため、その点について以下詳細に説明する。
図17は、本発明の第4の実施形態となる電力変換装置の制御装置34を説明する図である。
制御装置34は、図17に示すように、電流指令発生装置5から出力される電流指令値と電流検出部3から出力される電流検出値とに基づいて、電圧指令を発生する電圧指令発生部41と、搬送波信号を生成する搬送波信号生成部42とを備える。更に、デッドタイム補償補正電圧ΔVを出力するデッドタイム補償部344と、デッドタイム補償補正電圧ΔVと電圧指令とを加算した指令値信号を出力する加算器46とを備える。更に、この指令値信号と搬送波信号から制御信号を生成する制御信号生成部43と、搬送波周波数fcを変化させる搬送波周波数変化部45とを備えている。
また、デッドタイム補償部344は、図17に示すように、電流検出部3から出力される電流検出値に基づいて、電流検出値の極性を判別する電流極性判別部3441と、搬送波周波数変化部45の搬送波周波数fcに同期して、デッドタイム補償補正電圧ΔVを発生する電圧補償部3442から構成されている。
電流極性判別部3441は電流検出部3の電流検出値の極性を判別する。この判別された電流極性信号を、電圧補償部3442に出力する。そして、電圧補償部3442は、電流極性判別部3441から出力される電流検出値の極性が正の場合、時間と共に変化する搬送波周波数fcの傾きと同じ傾きで時間変化するデッドタイム補償補正電圧ΔVを発生する。一方、電流極性判別部3441から出力される電流検出値の極性が負の場合、時間と共に変化する搬送波周波数fcの傾きと符号が逆で数値が同じ傾きで時間変化するデッドタイム補償補正電圧ΔVを発生する。
図18は、第4の実施形態におけるデッドタイム補償補正電圧ΔVを説明する図である。
図18(a)は電流検出部3で検出される電流検出値の時間変化を表し、図18(b)は搬送波周波数fcの時間変化を表し、図18(c)はデッドタイム補償補正電圧ΔVを表している。なお、図18(a)〜(c)は電流検出値の一周期分の波形を示している。
図18(a)に示すように、電流極性判別部3441が、電流検出部3の電流検出値の極性を正と判別した場合(図18において左側)、電圧補償部3442は、時間と共に変化する搬送波周波数fc(図18(b)参照)の傾きと同じ傾きで時間変化するデッドタイム補償補正電圧ΔV(図18(c)参照)を発生する。一方、図18(a)に示すように、電流極性判別部3441が、電流検出部3の電流検出値の極性を負と判別した場合(図18において右側)、電圧補償部3442は、時間と共に変化する搬送波周波数fc(図18(b)参照)の傾きと符号が逆で数値が同じ傾きで時間変化するデッドタイム補償補正電圧ΔV(図18(c)参照)を発生する。
具体的には、搬送波周波数fcの時間変化をfc(t)、搬送波周波数fcの最小値をfc1、搬送波周波数fcの最大値をfc2、デッドタイムをTd、電源電圧をVdcとすると、デッドタイム補償補正電圧|ΔV(t)|は以下のように表される。
|ΔV(t)|=|fc(t)−fc1|×Td×Vdc (3)
または、
|ΔV(t)|=|fc(t)−fc2|×Td×Vdc (4)
なお、デッドタイムTdは一定値である。
図18(c)に示したように、この第4の実施形態では、式(3)から算出したデッドタイム補償補正電圧ΔV(t)を用いている。しかし、式(4)から算出したデッドタイム補償補正電圧ΔV(t)を用いても良い。このように図18に示すように、デッドタイム補償補正電圧ΔV(t)は搬送波周波数fc(t)に同期する。従って、電圧補償部3442は、搬送波周波数fc(t)が時間と共に変化しても搬送波周波数fc(t)の時間変化に同期したデッドタイム補償補正電圧ΔV(t)を出力することができる。よって、出力電圧に誤差電圧が含まれていた場合でも、誤差電圧を一定値にすることができる。
以上説明したように、第4の実施形態のデッドタイム補償部344は、誤差電圧が一定値になるように、搬送波周波数fcの最大値fc2または最小値fc1に基づいて、デッドタイム補償補正電圧ΔVを変化させる。すなわち、デッドタイム補償部344は、搬送波周波数fc(t)の時間変化に同期したデッドタイム補償補正電圧ΔV(t)を出力する。これから、第3の実施形態と同様に、搬送波周波数fcの変動によるインバータ2の出力誤差、つまり電圧(電流)リプルの発生を抑制できる。更に、デッドタイム補償部344は、電流検出部3の電流検出値に基づいて出力電流Iの極性を判別する電流極性判別部3441からの判別結果に基づいて、デッドタイム補償補正電圧ΔV(t)の極性を変化させる。従って、電流検出部3の電流検出値の極性が変わる場合でも、搬送波周波数fcの変動によるインバータ2の出力誤差の発生、つまり電圧(電流)リプルの発生を低減することができる。
更に、第3の実施形態と同様に、搬送波周波数fcを変化しているので、搬送波周波数fcおよびそのn次高調波の周波数に対するノイズレベルの高いスペクトル成分を有するスイッチングノイズを低減することができる。
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態となる電力変換装置について、第4の実施形態と異なる点を中心に図19〜23を参照して説明する。なお、第5の実施形態について、第4の実施形態と同様の構成には同じ番号を付す。ここで、第5の実施形態の電力変換装置が、第4の実施形態の電力変換装置と異なるのは、モータが同期モータ16になる点と、同期モータ16が位置検出器8を備える一方、インバータ12と同期モータ16との間に電流検出部3を設けていない点であるため、その点について以下詳細に説明する。
図20は、第5の実施形態におけるインバータ12を説明する図である。
第5の実施形態のインバータ12は、図20に示すように、シャント抵抗部7と電流推定装置9を備えている。
シャント抵抗部7は、トランジスタTu−、Tv−、Tw−のマイナス側に直列に接続されたシャント抵抗7a、7b、7cから構成される。
電流推定装置9は、シャント抵抗7a、7b、7cの端子電圧に基づいて、インバータ12の出力電流Iの推定を行う。更に、搬送波周波数fcの変化に同期させて、インバータ12に供給する制御信号を時間と共に変化させるため、制御装置54から電流推定装置9に、搬送波周波数変化部45の搬送波情報を供給している。
図21は、図20に示すシャント抵抗部7の端子電圧と搬送波信号の関係を説明する図である。なお、シャント抵抗部7の端子電圧は、シャント抵抗7a、7b、7cの端子電圧(三相分)のうち、一つ(一相分)の端子電圧を示している。図21(a)はインバータ12のトランジスタTu+、Tu−、Tv+、Tv−、Tw+、Tw−をオン・オフさせる制御信号を生成するための搬送波信号を表している。図21(b)はシャント抵抗7a、7b、7cの端子電圧(一相分)を表している。また、図21(c)はインバータ12の出力電流Iを表している。
電流推定装置9では、図21(c)の出力電流Iをシャント抵抗7a、7b、7cの端子電圧より推定する。図21(b)の点線で示すように、電流推定装置9は、搬送波信号の山(ピーク)時にシャント抵抗7a、7b、7cの端子電圧を検出する。なお、電流推定装置9は、搬送波周波数fcを変化させた場合でも、後述する搬送波周波数変化部45の搬送波情報を用いて、常に搬送波信号の山時にシャント抵抗7a、7b、7cの端子電圧を検出している。
図22は、第5の実施形態における制御装置54を説明する図である。
制御装置54は、位置検出器8からの位置検出値を用いて、電流指令発生装置5から出力される3層量の電流指令値を2相量の電流指令値に変換する座標変換部5401を備えている。
また、位置検出器8からの位置検出値を用いて、電流推定装置9から出力される3相量の電流推定値を2相量の電流推定値に変換する座標変換部5402を備えている。
また、座標変換部5401および座標変換部5402で変換されたq軸成分を介して電圧指令を発生する電圧指令発生部5404と、搬送波信号を生成する搬送波信号生成部42と、後述するデッドタイム補償補正電圧ΔVqを出力するデッドタイム補償部544とを備える。
このデッドタイム補償部544は、図19に示す同期モータ16のd−q軸成分のうち、q軸成分の電圧指令を補償するq軸電圧のデッドタイム補償補正電圧ΔVqを出力する。
また、デッドタイム補償補正電圧ΔVqと電圧指令を加算した指令値信号を出力する加算器46と、この加算器46から出力された2層量の指令値信号を3相量の指令値信号に変換する座標変換部5403とを備えている。
また、座標変換部5403から出力される指令値信号と搬送波信号生成部42から出力される搬送波信号とに基づいて、制御信号を生成する制御信号生成部43と、搬送波周波数fcを変化させる搬送波周波数変化部45とを備えている。ここで、位置検出器8は、永久磁石同期モータ16の磁極の位置をエンコーダを用いて検出し、位置検出値を出力する。また、デッドタイム補償部544は、搬送波周波数変化部45の搬送波周波数fcに同期して、デッドタイム補償補正電圧ΔVqを発生する電圧補償部5441を備えている。また、搬送波周波数変化部45は、電流推定装置9に搬送波情報として搬送波周波数fcを出力している。
図23は、第5の実施形態におけるデッドタイム補償補正電圧ΔVqを説明する図である。図23(a)は、図22における搬送波周波数変化部45から出力される搬送波周波数fcの時間変化を表している。図23(b)は、図22における電圧補償部5441から発生するデッドタイム補償補正電圧ΔVq(t)を表している。デッドタイム補償補正電圧ΔVq(t)は、搬送波周波数変化部45が出力する搬送波周波数fcに同期している。
具体的には、搬送波周波数fcの時間変化をfc(t)、搬送波周波数fcの最小値をfc1、搬送波周波数fcの最大値をfc2、デッドタイムをTd、電源電圧をVdcとすると、デッドタイム補償補正電圧ΔVq(t)は以下のように表される。
ΔVq(t)=√(3/2)×|fc(t)−fc1|×Td×Vdc (5)
または、
ΔVq(t)=√(3/2)×|fc(t)−fc2|×Td×Vdc (6)
なお、デッドタイムTdは一定値である。
また、モータは同期モータ16であり、q軸電圧のみを補正する。
図23(b)に示したように、この第5の実施形態では、式(6)から算出したデッドタイム補償補正電圧ΔVq(t)を用いている。しかし、式(5)から算出したデッドタイム補償補正電圧ΔVq(t)を用いても良い。
このように図23に示すように、デッドタイム補償補正電圧ΔVq(t)は搬送波周波数fc(t)に同期する。電圧補償部5441は、搬送波周波数fc(t)が時間と共に変化しても搬送波周波数fc(t)の時間変化に同期したデッドタイム補償補正電圧ΔVq(t)を出力できる。よって、出力電圧に誤差電圧が含まれていた場合でも、誤差電圧を一定値にすることができる。
以上より、第5の実施形態のデッドタイム補償部544は、誤差電圧が一定値になるように、搬送波周波数fcの最大値fc2または最小値fc1に基づいて、デッドタイム補償補正電圧ΔVqを変化させる。すなわち、デッドタイム補償部544は、搬送波周波数fc(t)の時間変化に同期したデッドタイム補償手段出力ΔVq(t)を出力する。これから、第4の実施形態と同様に、搬送波周波数fcの変動によるインバータ12の出力誤差、つまり電圧(電流)リプルの発生を抑制できる。更に、第5の実施形態では、モータが同期モータ16であるため、q軸電圧のみ補償することで、電流極性判別部3441を付加せずに、搬送波周波数fcを変化させた場合でも、電圧(電流)リプルの発生を抑制できる。また、第4の実施形態と同様に、搬送波周波数fcを変化させているので、搬送波周波数fcおよびそのn次高調波の周波数に対するノイズレベルの高いスペクトル成分を有するスイッチングノイズを低減することができる。
なお、以上に述べた実施形態は、本発明の実施の一例であり、本発明の範囲はこれらに限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載した範囲内で、他の様々な実施形態に適用可能である。例えば、第1乃至第5の実施形態では、直流電源としてバッテリを示したが、特にこれに限定されるものでなく、商用電源からの交流電圧を整流して直流電圧とするコンバータ回路でも良い。
また、第1乃至第5の実施形態では、負荷としてモータ6を示しているが、特にこれに限定されるものでなく、他の負荷にも適用可能である。
また、第1乃至第5の実施形態では、制御装置4、14、24、34、54に設けられた電圧指令発生部41、5404から電圧指令が加算器46に出力されているが、特にこれに限定されるものでなく、外部から電圧指令の形式で入力しても良い。
また、第1乃至第4の実施形態では、制御信号生成部43は、加算器46の指令値信号と搬送波信号の大小関係をコンパレータを用いて比較しているが、特にこれに限定されるものでなく、指令値信号と搬送波信号とを演算によって比較しても良い。同様に、第5の実施形態では、制御信号生成部43は、座標変換部5403からの指令値信号と搬送波信号の大小関係をコンパレータを用いて比較しているが、特にこれに限定されるものでなく、指令値信号と搬送波信号とを演算によって比較しても良い。
また、第1乃至第5の実施形態では、搬送波信号生成部42は、搬送波周波数変化部45の搬送波周波数fcを周波数変調し、搬送波信号を生成しているが、特にこれに限定されるものでなく、搬送波周波数変化部45からの電圧波形に基づいて、電圧制御発振器(VCO:Voltage Control Oscillator)を用いることにより、搬送波信号を発生させても良い。
また、第1乃至第4の実施形態では、電流検出部3としてインバータ2とモータ6との間に電流センサ3a、3b、3cを設けたが、特にこれに限定されるものでなく、インバータ2とモータ6との間にシャント抵抗を挿入して電流検出をしても良い。更に、電流センサ3a、3b、3cを各相に設けたが、電流センサは2つとし、残りの相は演算によって求めても良い。
また、第5の実施形態では、シャント抵抗部7として、インバータ12のトランジスタTu−、Tv−、Tw−に直列にシャント抵抗7a、7b、7cを接続し、シャント抵抗7a、7b、7cの端子電圧を検出し、電流推定装置9よりインバータ12の出力電流Iの推定を行った場合を示したが、特にこれに限定されるものではなく、第1乃至4の実施形態のように、インバータ2とモータ6との間に電流検出部3を設けても良い。
また、第5の実施形態では、位置検出器8は、同期モータ16の磁極の位置をエンコーダを用いて検出したが、特にこれに限定されるものではなく、レゾルバなどを用いて検出をしても良い。
また、第1乃至第5の実施形態では、搬送波周波数fcを三角波状に時間変化させた場合について説示したが、特にこれに限定されるものでなく、搬送波周波数fcをランダムに時間変化させても良い。
また、第1乃至第5の実施形態では、デッドタイム補償補正電圧ΔV、ΔVqを計算式から算出して、制御したが、特にこれに限定されるものでなく、予めマップを用意し、マイコンに読み込ませて制御させても良い。
また、第1乃至第5の実施形態のインバータ2、12にリアクトルL、コンデンサCを備えていても良い。
本発明の第1の実施形態となる電力変換装置の制御装置を説明する図 図1に示すインバータを説明する図 図1に示す制御装置を説明する図 図3に示すデッドタイム補償部を説明する図 図2に示すインバータを簡略化した図 図5に示すトランジスタに入力される制御信号のタイムチャート 搬送波周波数を一定とした場合の出力電圧とデッドタイム補償電圧を説明する図 図3に示す搬送波信号生成部から出力された搬送波信号を説明する図 図4に示す搬送波補正電圧を説明する図 図2に示すインバータから出力される出力電流の波形を説明する図 本発明の第2の実施形態の制御装置を説明する図 図11に示すデッドタイム補償部を説明する図 図12に示すデッドタイム補償部出力を説明する図 本発明の第3の実施形態の制御装置を説明する図 図14に示すデッドタイム補償補正電圧を説明する図 図14に示すインバータから出力される出力電圧の波形を説明する図 本発明の第4の実施形態の制御装置を説明する図 図17に示すデッドタイム補償補正電圧を説明する図 本発明の第5の実施形態となる電力変換装置の制御装置を説明する図 図19に示す電力変換装置を説明する図 図20に示すシャント抵抗部の端子電圧と搬送波信号の関係を説明する図 図19に示す制御装置を説明する図 図22に示すデッドタイム補償補正電圧を説明する図
符号の説明
1 直流電源、
2、12 インバータ、
3 電流検出部、
3a、3b、3c 電流センサ、
4、14、24、34、56 制御装置、
5 電流指令発生装置、
6 モータ、
7 シャント抵抗部、
7a、7b、7c シャント抵抗、
8 位置検出器、
9 電流推定装置、
16 同期モータ、
41 電圧指令発生部、
42 搬送波信号生成部、
43 制御信号生成部、
44、144、244、344、544 デッドタイム補償部、
45 搬送波周波数変化部、
46 加算器、
441 デッドタイム補償電圧発生部、
442 搬送波補正電圧発生部、
443 加算部、
1441 デッドタイム補償電圧発生部、
1442 搬送波補正電圧発生部、
1444 電流極性判別部、
2441、5441 電圧補償部、
3441 電流極性判別部、
3442 電圧補償部、
5401、5402、5403 座標変換部、
5404 電圧指令発生部、

Claims (13)

  1. 直流電圧を出力する電源と、
    指令値を出力する指令値出力手段と、
    前記指令値出力手段が出力する指令値に対して補償を行い、指令値信号を出力する補償手段と、
    搬送波を出力する搬送波出力手段と、
    前記搬送波の周波数を変化させる周波数変化手段と、
    前記指令値信号と前記搬送波とを比較し、この比較に応じた制御信号を生成する制御信号生成手段と、
    前記制御信号生成手段によって生成された制御信号に基づいて、スイッチング素子を開閉制御することで、前記電源が出力する直流電圧を交流電圧に変換して負荷へと出力するインバータと、
    を備え、
    前記補償手段が出力する指令値信号は電圧量であり、
    前記補償手段は、
    前記指令値に対して、一定値の補償電圧を発生する補償電圧発生手段と、
    前記搬送波周波数の変化に対応した搬送波補正電圧を発生する搬送波補正電圧発生手段と、
    前記指令値に対して、前記補償電圧と前記搬送波補正電圧とを加算した補償補正電圧を指令値信号として出力する加算手段と、
    を備え、
    前記周波数変化手段が変化させる搬送波周波数に対応させて、前記指令値を補償する
    ことを特徴とする電力変換装置。
  2. 請求項1記載の電力変換装置であって、
    前記補償手段は、前記搬送波周波数の変化に同期して前記指令値を補償することを特徴とする電力変換装置。
  3. 請求項記載の電力変換装置であって、
    前記搬送波補正電圧は、前記搬送波周波数の変化と同期する電力変換装置。
  4. 請求項記載の電力変換装置であって、
    前記インバータから出力される電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段により検出された電流に基づいて、極性を判別する電流極性判別手段とを備え、
    前記搬送波補正電圧発生手段は、前記電流極性判別手段が判断する極性の判別に基づいて、前記搬送波補正電圧の極性を変化させることを特徴とする電力変換装置。
  5. 請求項記載の電力変換装置であって、
    前記搬送波補正電圧発生手段は、前記極性の判別が正の場合、時間と共に変化する前記搬送波の周波数の変化の傾きと同じ傾きで変化する前記搬送波補正電圧を発生させ、前記極性の判別が負の場合、時間と共に変化する前記搬送波の周波数の傾きと符号が逆で数値が同じ傾きで変化する前記搬送波補正電圧を発生する電力変換装置。
  6. 請求項記載の電力変換装置であって、
    前記スイッチング素子は直列に接続されていて、
    前記補償補正電圧をΔV(t)、前記搬送波周波数の変化をfc(t)、前記スイッチング素子が同時に開状態となるように設定される短絡防止時間をTd、前記電源が出力する直流電圧をVdcとすると、
    ΔV(t)=fc(t)×Td×Vdcで表される電力変換装置。
  7. 請求項記載の電力変換装置であって、
    前記搬送波補正電圧ΔV2(t)は、前記搬送波の周波数の平均値をfa、前記搬送波の周波数の変化をfc(t)、前記スイッチング素子が同時に開状態となるように設定される短絡防止時間をTd、前記電源が出力する直流電圧をVdcとすると、
    ΔV2(t)={fc(t)−fa}×Td×Vdc
    で表される電力変換装置。
  8. 請求項記載の電力変換装置であって、
    前記補償電圧をΔV1、前記搬送波の周波数の平均値をfa、前記スイッチング素子が同時に開状態となるように設定される短絡防止時間をTd、前記電源が出力する直流電圧をVdcとすると、
    ΔV1=fa×Td×Vdcで表される電力変換装置。
  9. 請求項記載の電力変換装置であって、
    前記補償補正電圧をΔV(t)、前記搬送波の周波数の時間変化をfc(t)、前記搬送波の周波数の最小値をfc1、前記搬送波の周波数の最大値をfc2、前記スイッチング素子が同時に開状態となるように設定される短絡防止時間をTd、前記電源が出力する直流電圧をVdcとすると、
    ΔV(t)=|fc(t)−fc1|×Td×Vdc、
    または、
    ΔV(t)=|fc(t)−fc2|×Td×Vdc、
    で表される電力変換装置。
  10. 請求項記載の電力変換装置であって、
    前記負荷は同期モータであり、
    この同期モータの磁極位置を検出する位置検出手段と、
    前記位置検出手段が検出した磁極位置に基づいて、前記同期モータの二相量と三相量とを座標変換する座標変換手段とを備え、
    前記補償手段は、前記同期モータのq軸電圧を補償する電力変換装置。
  11. 請求項10記載の電力変換装置であって、
    前記q軸電圧を補償するための前記補償補正電圧ΔVq(t)は、前記搬送波の周波数の時間変化をfc(t)、前記搬送波の周波数の最小値をfc1、前記スイッチング素子が同時に開状態となるように設定される短絡防止時間をTd、前記電源が出力する直流電圧をVdcとすると、
    ΔVq(t)=√(3/2)×|fc(t)−fc1|×Td×Vdc、
    または、
    ΔVq(t)=√(3/2)×|fc(t)−fc2|×Td×Vdc
    で表される電力変換装置。
  12. 請求項1乃至請求項1記載の電力変換制御装置であって、
    前記搬送波周波数変化手段は、前記搬送波の周波数を一定周期で変化させる電力変換装置。
  13. 直流電圧を出力する電源と、
    指令値を出力する指令値出力手段と、
    前記指令値出力手段が出力する指令値に対して補償を行い、指令値信号を出力する補償手段と、
    搬送波を出力する搬送波出力手段と、
    前記搬送波の周波数を変化させる周波数変化手段と、
    前記指令値信号と前記搬送波とを比較し、この比較に応じた制御信号を生成する制御信号生成手段と、
    前記制御信号生成手段によって生成された制御信号に基づいて、スイッチング素子を開閉制御することで、前記電源が出力する直流電圧を交流電圧に変換して負荷へと出力するインバータと、
    を備え、
    前記補償手段は、
    前記周波数変化手段が変化させる搬送波周波数に対応させて、前記指令値を補償し、補償補正電圧を指令値信号として出力し、
    前記補償補正電圧をΔV(t)、前記搬送波周波数の変化をfc(t)、前記スイッチング素子が同時に開状態となるように設定される短絡防止時間をTd、前記電源が出力する直流電圧をVdcとすると、
    ΔV(t)=fc(t)×Td×Vdcで表される電力変換装置。
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