JP5104054B2 - 半導体光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体光素子及びその製造方法に関する。
下記特許文献1等において、半導体メサ部をp型半導体層およびn型半導体層を含む埋込層で埋め込んだ構造の半導体光素子であって、p型半導体埋込層にp型不純物のZnが添加されているものが知られている。このような素子においては、p型半導体埋込層のZnが活性層中に拡散した場合に、素子の信頼性低下やレーザ特性の劣化等が生じてしまう。
特開平7−254750号公報
発明者らは、鋭意研究の末、活性層中にZnが拡散する事態を有意に抑制することができる技術を新たに見出した。
すなわち、本発明は上述の課題を解決するためになされたものであり、活性層中へZnの拡散が抑制された半導体光素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る半導体光素子は、基板と、基板上に形成され、活性層とp型クラッド層とn型クラッド層とを有する半導体メサ部と、Si不純物及びZn不純物を含み、半導体メサ部の活性層の側面のみに設けられた窪み部に埋め込まれたInP半導体からなり、リン雰囲気を形成するためのガス及びSiを含む原料ガスを供給しながら、Si不純物を含むInPのマストランスポートを生じさせることにより形成される拡散防止部と、Zn不純物を含み、半導体メサ部の周囲を埋め込む半導体埋込層とを備え、拡散防止部は、Zn濃度がSi濃度よりも高くなっており、且つ、p型導電型である。
この半導体光素子においては、半導体メサ部の活性層には窪み部が設けられており、その窪み部が拡散防止部によって埋め込まれている。この拡散防止部は、不純物としてSiを含んでいるため、半導体メサ部の周囲を埋め込む半導体埋込層からのZn不純物をトラップする。従って、この半導体光素子においては、拡散防止部により活性層中へZnの拡散が効果的に抑制されている。
また、活性層とp型クラッド層との間に介在するノンドープ若しくはSiドープの拡散防止層をさらに備える態様でもよい。この場合、p型クラッド層がZnを含む場合であっても、拡散防止層によりp型クラッド層から活性層へのZnの拡散が効果的に抑制される。
また、活性層がAlを含む半導体材料で構成されている態様でもよい
本発明に係る半導体光素子の製造方法は、基板上に、活性層とp型クラッド層とn型クラッド層とを形成する工程と、活性層、p型クラッド層及びn型クラッド層を有する半導体メサ部を形成する工程と、半導体メサ部の活性層の側面を選択的にエッチングして、活性層に窪み部を形成する工程と、窪み部を、Si不純物を含む拡散防止部で埋め込む工程と、半導体メサ部の周囲を、Zn不純物を含む半導体埋込層で埋め込む工程とを含み、窪み部を拡散防止部で埋め込む工程は、リン雰囲気を形成するためのガス及びSiを含む原料ガスを供給しながら、Si不純物を含むInPのマストランスポートを生じさせることにより、拡散防止部を形成する工程である
この半導体光素子の製造方法においては、半導体メサ部の活性層に窪み部が設けられ、その窪み部が拡散防止部によって埋め込まれる。この拡散防止部は、不純物としてSiを含んでいるため、半導体メサ部を埋め込む半導体埋込層からのZnをトラップする。従って、この半導体光素子の製造方法においては、拡散防止部により活性層中へZnの拡散が効果的に抑制された半導体光素子を得ることができる。
また、前記活性層、前記p型クラッド層及び前記n型クラッド層を形成する工程の際に、活性層とp型クラッド層との間に、ノンドープ若しくはSiドープの拡散防止層を介在させる態様でもよい。この場合、p型クラッド層がZnを含む場合であっても、拡散防止層によりp型クラッド層から活性層へのZnの拡散が効果的に抑制される。さらに、リン雰囲気を形成するための原料ガスはPH ガスであり、前記Siを含む前記原料ガスは、Si ガスである態様でもよい。
本発明によれば、活性層中へZnの拡散が抑制された半導体光素子及びその製造方法が提供される。
以下、添付図面を参照して本発明を実施するにあたり最良と思われる形態について詳細に説明する。なお、同一又は同等の要素については同一の符号を付し、説明が重複する場合にはその説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る半導体光素子1Aを模式的に示した断面図である。半導体光素子1Aは、例えば半導体レーザであり、図1に示すように、半導体基板10と、半導体基板10上に設けられた半導体メサ部2Mと、半導体メサ部2Mの両側面上に設けられた半導体埋込層70とを備えている。
半導体基板10は、n型不純物としてSnがドープされたn型InP基板である。この半導体基板10の成長面は(001)面となっている。
半導体メサ部2Mは、<110>方向に延びており、下部のn型クラッド層20と、上部のp型クラッド層40aと、n型クラッド層20とp型クラッド層40aとの間に介在する活性層30とによって構成されている。活性層30は、AlGaInAsで構成されており、多重量子井戸構造(井戸層とバリア層とが交互に積層された構造:MQW)となっている。活性層30は、より具体的には、バンドギャップ波長組成1.4μmのAlGaInAs材料で厚さ5nmの10層の井戸層と、バンドギャップ波長組成1.1μmのAlGaInAs材料で厚さ8nmの11層のバリア層とが、交互に積層されて構成されている。
n型クラッド層20は、1.0×1018cm−3のドーピング濃度でSi不純物がドープされたInP層であり、その厚さは約0.5μmとなっている。さらに、p型クラッド層40aは、0.8×1018cm−3のドーピング濃度でZn不純物がドープされたInP層であり、その厚さは約0.4μmとなっている。
半導体埋込層70は、半導体メサ部2Mの両側面上に設けられており、半導体メサ部2Mを埋め込んでいる。半導体埋込層70は、半導体メサ部2Mの側面に近い方から、p型の第1半導体埋込層70a、n型の第2半導体埋込層70b及びp型の第3半導体埋込層70cの順に積層された多層構造となっている。
第1半導体埋込層70aは、1.0×1018cm−3のドーピング濃度でZn不純物がドープされたInP層であり、その厚さ(最大厚さ)は約1.0μmとなっている。第2半導体埋込層70bは、2.0×1018cm−3のドーピング濃度でSi不純物がドープされたInP層であり、その厚さ(最大厚さ)は約1.0μmとなっている。第3半導体埋込層70cは、0.3×1018cm−3のドーピング濃度でZn不純物がドープされたInP層であり、その厚さ(最大厚さ)は約0.3μmとなっている。
そして、半導体光素子1Aには、上述した半導体メサ部2M及び半導体埋込層70を覆うように、p型クラッド層40b及びコンタクト層80が順次積層されている。クラッド層40bは、半導体メサ部2Mのクラッド層40a及び半導体埋込層70の第3半導体埋込層70cの上に設けられている。クラッド層40bは、1.0×1018cm−3のドーピング濃度でZn不純物がドープされたInP層であり、その厚さは約1.0μmとなっている。コンタクト層80は、1.0×1019cm−3のドーピング濃度でZn不純物がドープされたInGaAs層であり、その厚さは約0.5μmとなっている。
コンタクト層80上には絶縁層64が形成されており、この絶縁層64は、例えば、酸化シリコン、窒化シリコンなどのシリコン系無機絶縁材料によって構成されており、その厚さは約0.1μm〜0.5μmとなっている。また、絶縁層64は、半導体メサ部2Mの位置に合わせた開口部64aを有している。すなわち、絶縁層64の開口部64aの形状は、半導体メサ部2Mの延在方向<110>方向に沿って延びるストライプ形状となっている。そして、開口部64aの幅は、半導体メサ部2Mの幅より広くなっている。このような開口部64aを有する絶縁層64により、半導体光素子1Aの駆動の際、半導体メサ部2Mの活性層30に注入される電流が流れる領域を限定することが可能となっている。
そして、絶縁層64と絶縁層64の開口部64a内において露出するコンタクト層80とを覆うようにp側電極90aが設けられている。また、半導体基板10の裏面上には、n側電極90bが設けられている。
さらに、半導体光素子1Aには、活性層30の両側に窪み部66が形成されており、その窪み部66を埋めるように拡散防止部62が形成されている。
窪み部66は、半導体メサ部2Mのうちの活性層30の部分にのみ選択的に形成されている。拡散防止部62は、Si不純物を含むInPで構成されており、その形成にはマストランスポートを利用することができる。
すなわち、半導体光素子1Aにおいては、半導体メサ部2Mの活性層30には窪み部66が設けられており、その窪み部66がSi不純物を含む拡散防止部62よって埋め込まれている。そのため、半導体メサ部2Mの活性層30と半導体メサ部2Mに隣り合う半導体埋込層70との間には上記拡散防止部62が介在している。それにより、例えば、その後の結晶成長や電極形成工程などの高温の熱処理を含む工程をおこなった場合においても、活性層30へ半導体埋込層70(第1半導体埋込層70aや第3半導体埋込層70c)からZnが拡散しようとしても、そのZnが拡散防止部62によってトラップされる。
従って、半導体光素子1Aにおいては、上記拡散防止部62により活性層30中へZnの拡散が効果的に抑制されている。
それにより、活性層30中へのZnの拡散に起因する不具合(例えば、非発光センターが形成されて、光の吸収が増大し、レーザの閾値電流が増大してしまうこと、発光効率が低下してしまうこと等)を有意に阻止することができる。
発明者らは、上述したように活性層30がAlを含む半導体材料(AlGaInAs)で構成されている場合には、上記不具合の他に、以下のような事態が生じうることを新たに見出した。すなわち、Alを含む活性層30中へZnが拡散した場合には、たとえその拡散量がわずかであっても、活性層30中に転位等の結晶欠陥が導入され、その結晶欠陥よって素子寿命の短縮や信頼性の低下が招かれてしまう。
ところが、上述した半導体光素子1Aのように、拡散防止部62によって活性層30中へのZnの拡散を効果的に抑制することで、活性層30がAlを含む半導体材料で構成されている場合であっても、素子寿命の短縮や信頼性の低下を抑制することができる。
次に、上述した半導体光素子1Aの製造方法を図2〜図5を参照しつつ説明する。ここで、図2〜図5は、本実施形態に係る半導体光素子1Aの製造方法の各工程を模式的に示す図である。半導体光素子1Aは、例えば下記各工程を順に経ることによって製造される。
[半導体層形成工程]
まず、図2に示すように、半導体基板10上に半導体層2Aを形成する。半導体層2Aは、半導体基板10上に、n型クラッド層20、活性層30、p型クラッド層40a及びキャップ層50を順次成長して形成される。n型クラッド層20は、1.0×1018cm−3のドーピング濃度でSi不純物がドープされたInP層であり、その厚さが約0.5μmとなるように形成する。活性層30は、バンドギャップ波長組成が1.4μmで厚みが5nmのAlGaInAs材料からなる井戸層とバンドギャップ波長組成が1.1μmで厚みが8nmのAlGaInAs材料からなるバリア層を交互に積層した10層の井戸層からなるノンドープの多重量子井戸構造(MQW構造)となるように形成する。なお、活性層30は、その発光波長が、ほぼ1.31μmとなるように、井戸層の厚さ及び組成が調整される。p型クラッド層40aは、0.8×1018cm−3のドーピング濃度でZn不純物がドープされたInP層であり、その厚さが約0.4μmとなるように形成する。p型のキャップ層50は、0.2×1018cm−3のドーピング濃度でZn不純物がドーピングされたInGaAs層であり、その厚さが約0.2μmとなるように形成する。これらの層の成長には、例えば有機金属気相成長(MetalOrganic Vapor Phase Epitaxy:MOVPE)を用いることができる。なお、活性層30の成長は、酸素の取り込みを低減するため、690℃以上の温度でおこなった。
[半導体メサ部形成工程]
次に、図3に示すように、上記の半導体層2Aから半導体メサ部2Bを形成する。半導体メサ部2Bは、半導体層2Aに対して例えばブロムメタノールを用いたウェットエッチングを行うことで形成する。まず、半導体層2A上に絶縁体(例えばSiN)を堆積させ、通常のフォトリソグラフィー技術を用いて、例えば、幅1.0μm程度及び長さ300μm程度の<110>方向に延びるストライプ状の絶縁層60を形成する。その後、絶縁層60をマスクとしてウェットエッチングを行う。このウェットエッチングは、半導体メサ部2Bの深さが2.0〜2.5μmとなり、半導体基板10が露出するまでおこなわれる。このエッチングによりストライプ状の絶縁層60が形成されていない部分の半導体層2Aは除去され、<110>方向に延びる半導体メサ部2Bが形成される。
なお、InGaAsキャップ層50のサイドエッチングレートは、その下層のp型クラッド層40aのサイドエッチングレートよりも大きいため、半導体メサ部2Bが順メサ形状のストライプメサ構造となり、ストライプメサ上の絶縁層60にひさし部が形成される。
[窪み部の形成工程]
続いて、図4に示すように、半導体メサ部2Bの活性層30の両側面に窪み部66を形成する。窪み部66は、活性層30の両側面を選択的に約0.15μm程度エッチングすることで形成される。このエッチングは、例えば硫酸と過酸化水素水と水の混合溶液(HSO:H:HO(1:10:220))を用いたウェットエッチングである。
[拡散防止部形成工程]
さらに、図5に示すように、窪み部66を埋めるように拡散防止部62を形成する。この拡散防止部62は、570℃以上の高温下でInPのマストランスポートを生じさせることにより形成される。具体的には、所定の熱処理(685℃、20分)をPHガスとSiガスとを供給しつつおこなうことにより、Si不純物を含むInPのマストランスポートを生じさせる。その結果、活性層30の窪み部66内において拡散防止部62が成長して、その拡散防止部62が窪み部66を埋める。
PHガスは、InP結晶中のP元素の脱離に起因した空孔の発生を抑制する作用も有する。必要に応じて、InGaAsキャップ層などのAs元素を含む結晶中からのAs元素の脱離に起因した空孔の発生を抑制するために、Asを含む原料ガスとしてAsHガスも供給してもよい。Siガスは、Siを含む原料ガスとして供給される。なお、リン雰囲気を形成するためのPHの流量は100sccm、Siガス(ジシランガス)の供給量は、濃度20ppmの希釈ガスで0.01〜0.5sccm(例えば、0.1sccm)等を選択することができる。
なお、窪み部66のない活性層30の側面へのマストランスポートは非常に困難であるが、本実施形態のように、活性層30の側面に窪み部66を設けることで活性層30の側面にマストランスポートが生じやすくなる。
[埋込層形成工程]
そして、図6に示すように、電流狭窄構造を構成する半導体埋込層70を、例えば、MOVPE法により形成する。半導体埋込層70は、半導体メサ部2Bの両側面上にp型の第1半導体埋込層70a、n型の第2半導体埋込層70b及びp型の第3半導体埋込層70cを順次成長することによって形成される。このとき、p型不純物原料ガスとしてはDEZn(ジエチル亜鉛)が用いられ、n型不純物原料ガスとしてはSi(ジシラン)が用いられる。
半導体埋込層70の形成後、例えばフッ酸水溶液を用いたウェットエッチングによりストライプ状の絶縁層60を除去する。引き続きエッチングをおこない、さらにキャップ層50を選択的に除去する。キャップ層50の除去には、例えばリン酸と過酸化水素水との混合水溶液(HPO:H(5:1))を用いたウェットエッチングが利用される。キャップ層50の除去後に、n型クラッド層20、活性層30及びp型クラッド層40aからなる半導体メサ部2Mが得られる。
[クラッド層及びコンタクト層形成工程]
次に、図7に示すように、第2クラッド層40b及びコンタクト層80を形成する。この工程では、半導体メサ部2Mのクラッド層40a及び半導体埋込層70の上にクラッド層40b及びコンタクト層80が順次に成長される。これらの層の形成には、例えば、MOVPE法が用いられる。
[絶縁層形成工程]
次に、図1に示したように、コンタクト層80上に絶縁層64を形成する。絶縁層64の成膜には例えばCVD法が用いられ、絶縁層64のパターニングには、公知のフォトリソグラフィー法及びエッチング法が用いられる。
[電極形成工程]
そして、絶縁層64上及びコンタクト層80上にp側電極90aを蒸着により形成する。その後、半導体基板10の裏面上にn側電極90bを蒸着により形成する。電極90bを形成する前に、半導体基板10の裏面を研磨して、半導体基板10の厚みを100μm程度にすることが好ましい。
これにより、図1に示される半導体光素子1Aの製作が完了する。
以上で説明した本実施形態に係る半導体光素子1Aの製造方法では、活性層30の側面に窪み部66が形成され、その窪み部66が、半導体埋込層70からのZnをトラップする拡散防止部62よって埋め込まれるため、活性層30中へZnの拡散が効果的に抑制された半導体光素子1Aが得られる。
すなわち、Si不純物を含む拡散防止部62を形成することで、後続の埋込層形成工程や電極形成工程での熱処理により半導体埋込層70中のZnが拡散したとしても、拡散防止部62中のSiが効果的にそのZnの拡散を抑制し、活性層30へZnが拡散する事態を効果的に防止される。
なお、拡散防止部62は、後続の埋込層形成工程やコンタクト層形成工程の際の高温熱処理により、半導体埋込層70からのZnを含むようになり、Zn濃度がSi濃度よりも高くなり、最終的にp型導電型の半導体として機能する。このように、拡散防止部62がp型導電型である場合、n型導電型である場合に比べて電気抵抗が大きい(電気伝導度が小さい)ため、拡散防止部62を流れるリーク電流が低減され活性層30に効率的に電流が狭窄される。
(第2実施形態)
次に、第1実施形態に係る半導体光素子1Aとは異なる態様の半導体光素子1Bについて説明する。第2実施形態に係る半導体光素子1Bは、図8に示すように活性層30とp型クラッド層40aとの間に拡散防止層42が介在している点で、半導体光素子1Aと異なっており、その他の点では同一若しくは同様である。
拡散防止層42は、0.2×1018cm−3のドーピング濃度でSi不純物がドープされたInP層であり、その厚さは約0.2μmとなっている。この拡散防止層42は、活性層30に直接接するように積層されている。
この半導体光素子1Bにおいても、半導体光素子1A同様、半導体メサ部2Mの活性層30には窪み部66が設けられており、その窪み部66がSiを含む拡散防止部62よって埋め込まれているため、拡散防止部62により活性層30中へZnの拡散が効果的に抑制されている。その上、半導体光素子1Bにおいては、活性層30とp型クラッド層40aとの間に介在する拡散防止層42が、p型クラッド層40aから活性層30へ拡散するZnをトラップするため、活性層30へのZnの拡散が効果的に抑制されている。
つまり、半導体光素子1Bは、活性層30の半導体埋込層70側及びp型クラッド層40a側が、拡散防止部62及び拡散防止層42で覆われているため、第1実施形態に係る半導体光素子1Aよりもより高い確度で活性層30へのZnの拡散を抑制することができる。
次に、上述した半導体光素子1Bの製造方法を図9〜図14を参照しつつ説明する。ここで、図9〜図14は、本実施形態に係る半導体光素子1Bの製造方法の各工程を模式的に示す図である。半導体光素子1Bは、例えば下記各工程を順に経ることによって製造される。
[半導体層形成工程]
まず、図9に示すように、半導体基板10上に半導体層2Aを形成する。半導体層2Aは、半導体基板10上に、n型クラッド層20、活性層30、拡散防止層42、p型クラッド層40a及びキャップ層50を順次成長して形成される。n型クラッド層20は、1.0×1018cm−3のドーピング濃度でSi不純物がドープされたInP層であり、その厚さが約0.5μmとなるように形成する。活性層30は、ノンドープのAlGaInAs材料(バンドギャップ波長1.4μm)からなる厚みが5nmの井戸層とノンドープのAlGaInInAs材料(バンドギャップ波長1.1μm)からなるバリア層とが交互に積層さて、10層の井戸層からなる多重量井戸構造となるように形成する。なお、活性層30は、その発光波長が、ほぼ1.31μmとなるように井戸層の厚さ及び組成が調整される。拡散防止層42は、0.2×1018cm−3のドーピング濃度でSi不純物がドープされたInP層であり、その厚さが約0.2μmとなるように形成する。p型クラッド層40aは、0.8×1018cm−3のドーピング濃度でZn不純物がドープされたInP層であり、その厚さが約0.2μmとなるように形成する。p型のキャップ層50は、0.2×1018cm−3のドーピング濃度でZn不純物がドーピングされたInGaAs層であり、その厚さが約0.2μmとなるように形成する。これらの層の成長には、例えば有機金属気相成長を用いることができる。なお、活性層30の成長は、酸素の取り込みを低減するため、690℃以上の温度でおこなった。
[半導体メサ部形成工程]
次に、図10に示すように、第1実施形態と同様にして、上記の半導体層2Aから半導体メサ部2Bを形成する。半導体メサ部2Bは、半導体層2Aに対して例えばブロムメタノールを用いたウェットエッチングを行うことで形成する。
[窪み部の形成工程]
続いて、図11に示すように、半導体メサ部2Bの活性層30の両側面に窪み部66を形成する。窪み部66は、活性層30の両側面を選択的に約0.15μm程度エッチングすることで形成される。このエッチングは、例えば硫酸と過酸化水素水と水の混合溶液(HSO:H:HO(1:10:220))を用いたウェットエッチングである。
[拡散防止部形成工程]
さらに、図12に示すように、第1実施形態と同様にして、窪み部66を埋めるように拡散防止部62を形成する。この拡散防止部62は、570℃以上の高温下でInPのマストランスポートを生じさせることにより形成される。
[埋込層形成工程]
そして、図13に示すように、電流狭窄構造を構成する半導体埋込層70を、例えば、MOVPE法により形成する。半導体埋込層70は、半導体メサ部2Bの両側面上にp型の第1半導体埋込層70a、n型の第2半導体埋込層70b及びp型の第3半導体埋込層70cを順次成長することによって形成される。
半導体埋込層70の形成後、例えばフッ酸水溶液を用いたウェットエッチングによりストライプ状の絶縁層60を除去する。引き続きエッチングをおこない、さらにキャップ層50を選択的に除去する。キャップ層50の除去には、例えばリン酸と過酸化水素水との混合水溶液(HPO:H(5:1))を用いたウェットエッチングが利用される。キャップ層50の除去後に、n型クラッド層20、活性層30、拡散防止層42及びp型クラッド層40aからなる半導体メサ部2Mが得られる。
[クラッド層及びコンタクト層形成工程]
次に、図14に示すように、第2クラッド層40b及びコンタクト層80を形成する。この工程では、半導体メサ部2Mのクラッド層40a及び半導体埋込層70の上にクラッド層40b及びコンタクト層80が順次に成長される。これらの層の形成には、例えば、MOVPE法が用いられる。
[絶縁層形成工程]
図8に示したように、コンタクト層80上に絶縁層64を形成する。絶縁層64の成膜には例えばCVD法が用いられ、絶縁層64のパターニングには、公知のフォトリソグラフィー法及びエッチング法が用いられる。
[電極形成工程]
そして、絶縁層64上及びコンタクト層80上にp側電極90aを蒸着により形成する。その後、半導体基板10の裏面上にn側電極90bを蒸着により形成する。電極90bを形成する前に、半導体基板10の裏面を研磨して、半導体基板10の厚みを100μm程度にすることが好ましい。
これにより、図8に示される半導体光素子1Bの製作が完了する。
以上で説明した本実施形態に係る半導体光素子1Bの製造方法では、活性層30の側面に窪み部66が形成され、その窪み部66が、半導体埋込層70からのZnをトラップする拡散防止部62よって埋め込まれるため、活性層30中へZnの拡散が効果的に抑制された半導体光素子1Bが得られる。その上、活性層30とZn不純物がドープされたp型クラッド層40aとの間に介在させた拡散防止層42により、活性層30中へZnの拡散がより効果的に抑制された半導体光素子1Bが得られる。
すなわち、Si不純物を含む拡散防止部62及び拡散防止層42を設けることで、後続の埋込層形成工程や電極形成工程での熱処理により、半導体埋込層70中やp型クラッド層40aのZnが拡散したとしても、拡散防止部62中及び拡散防止層42のSiが効果的にそのZnの拡散を抑制し、活性層30へZnが拡散する事態が効果的に防止される。
なお、拡散防止層42は、後続の埋込層形成工程やコンタクト層形成工程の際の高温熱処理により、半導体埋込層70やp型クラッド層40aからのZnを含むようになり、Zn濃度がSi濃度よりも高くなり、最終的に高抵抗のp型導電型半導体として機能するようになる。拡散防止層42は、必ずしもSi不純物を含む必要はなく、適宜ノンドープに変更することが可能であり、この場合にもZnをトラップして、p型クラッド層40aから活性層30へZnが拡散する事態が抑制される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明してきたが、そのような実施形態は本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。例えば、半導体光素子1A及び半導体光素子1Bは、LED、ファブリペロー型量子細線レーザ、量子箱レーザ、又は、量子箱活性層を有する面発光レーザ等であってもよい。また、活性層30は、多重量子井戸構造のものに限らず、単一量子井戸構造やバルク構造のものであってもよい。また、多重量子井戸構造の上下にAlGaInAs光閉じ込め層(SCH層)を設けた活性層であってもよい。さらに、上記実施形態では、n型の半導体基板を用いた素子についてのみ説明したが、p型の半導体基板を用いて、層のn/p導電型を逆にした半導体光素子に変更することもできる。
第1実施形態に係る半導体光素子を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る半導体光素子の製造方法の一工程を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る半導体光素子の製造方法の一工程を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る半導体光素子の製造方法の一工程を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る半導体光素子の製造方法の一工程を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る半導体光素子の製造方法の一工程を模式的に示す図である。 第1実施形態に係る半導体光素子の製造方法の一工程を模式的に示す図である。 第2実施形態に係る半導体光素子を模式的に示す図である。 第2実施形態に係る半導体光素子の製造方法の一工程を模式的に示す図である。 第2実施形態に係る半導体光素子の製造方法の一工程を模式的に示す図である。 第2実施形態に係る半導体光素子の製造方法の一工程を模式的に示す図である。 第2実施形態に係る半導体光素子の製造方法の一工程を模式的に示す図である。 第2実施形態に係る半導体光素子の製造方法の一工程を模式的に示す図である。 第2実施形態に係る半導体光素子の製造方法の一工程を模式的に示す図である。
符号の説明
1A、1B…半導体光素子、2A…半導体層、2B、2M…半導体メサ部、10…半導体基板、20…クラッド層、30…活性層、40a…クラッド層、40b…クラッド層、42…拡散防止層、50…キャップ層、60…絶縁層、62…拡散防止部、64…絶縁層、64a…開口部、66…窪み部、70…半導体埋込層、70a…第1半導体埋込層、70b…第2半導体埋込層、70c…第3半導体埋込層、80…コンタクト層、90a…電極、90b…電極。

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板上に形成され、活性層とp型クラッド層とn型クラッド層とを有する半導体メサ部と、
    Si不純物及びZn不純物を含み、前記半導体メサ部の前記活性層の側面のみに設けられた窪み部に埋め込まれたInP半導体からなり、リン雰囲気を形成するためのガス及びSiを含む原料ガスを供給しながら、Si不純物を含むInPのマストランスポートを生じさせることにより形成される拡散防止部と、
    Zn不純物を含み、前記半導体メサ部の周囲を埋め込む半導体埋込層と
    を備え
    前記拡散防止部は、Zn濃度がSi濃度よりも高くなっており、且つ、p型導電型である、半導体光素子。
  2. 前記活性層と前記p型クラッド層との間に介在するノンドープ若しくはSiドープの拡散防止層をさらに備える、請求項1に記載の半導体光素子。
  3. 前記活性層がAlを含む半導体材料で構成されている、請求項1又は2に記載の半導体光素子。
  4. 基板上に、活性層とp型クラッド層とn型クラッド層とを形成する工程と、
    前記活性層、前記p型クラッド層及び前記n型クラッド層を有する半導体メサ部を形成する工程と、
    前記半導体メサ部の前記活性層の側面を選択的にエッチングして、前記活性層に窪み部を形成する工程と、
    前記窪み部を、Si不純物を含む拡散防止部で埋め込む工程と、
    前記半導体メサ部の周囲を、Zn不純物を含む半導体埋込層で埋め込む工程と
    を含み、
    前記窪み部を前記拡散防止部で埋め込む工程は、リン雰囲気を形成するためのガス及びSiを含む原料ガスを供給しながら、Si不純物を含むInPのマストランスポートを生じさせることにより、前記拡散防止部を形成する工程である、半導体光素子の製造方法。
  5. 前記活性層、前記p型クラッド層及び前記n型クラッド層を形成する工程の際に、前記活性層と前記p型クラッド層との間に、ノンドープ若しくはSiドープの拡散防止層を介在させる、請求項に記載の半導体光素子の製造方法。
  6. 前記リン雰囲気を形成するための原料ガスはPH ガスであり、前記Siを含む前記原料ガスは、Si ガスである、請求項5に記載の半導体光素子の製造方法。
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