JP5103165B2 - 蓋付きカップ容器 - Google Patents
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Description
また近年では、蓋付きカップ容器を開封させるのに要する力を低減することで開封性を向上させることに対する要望も高まっている。
また、本発明の蓋付きカップ容器は、開口部がシール部材によって封止されたカップ本体に、前記シール部材を破断して開封する切刃部材を備えた蓋体が被着されてなる蓋付きカップ容器であって、前記切刃部材は、前記蓋体における天壁部の上面視において一方向に沿って延在し、その中間部分が前記天壁部に第1ヒンジ部を介して連結されたレバー部と、前記一方向に沿って延在し、前記一方向における一端側部分が第2ヒンジ部を介して前記蓋体に連結され、かつ前記一方向における他端側部分にシール部材側に向けて突出する切刃が形成された切刃部と、を備え、前記切刃は、レバー部の前記一方向における一端側部分に前記シール部材側から対向し、前記切刃部には、前記切刃で破断された前記シール部材の開口部分に連通する流出孔が形成されていることを特徴とする。
この発明では、切刃部材がレバー部および切刃部を備え、切刃がレバー部の前記一端側部分に前記シール部材側から対向しているので、レバー部の前記一方向における他端部を引き上げてこのレバー部を第1ヒンジ部回りに回動させると、レバー部の前記一端側部分が切刃に向けて前進移動してこの切刃をシール部材側に向けて押し下げ、これにより切刃でシール部材を破断させることが可能になる。したがって、指で直接切刃に触れなくても蓋付きカップ容器を開封することが可能になり、この開封時に指がカップ本体内に入り込む等して内容物に接するのを防ぐことができる。
また、この開封時にレバー部を前述のように回動させることから梃子作用が奏されることになり、レバー部に加える力を、指で直接切刃を押し込む場合と比べて小さくしても、切刃でシール部材を確実に破断することが可能になり、蓋付きカップ容器の開封性を向上させることができる。
この場合、切刃部を係止して破断姿勢に保持する係止部が設けられているので、開封後に、シール部材において切刃で破断した開口部分を通してカップ本体内から内容物を取り出すときに、この内容物から、前記破断姿勢にある切刃部に、この切刃部を前記開口部分に近づけるように押し戻す力が作用しても、この力に抗して切刃部を前記破断姿勢に保持することが可能になり、内容物を取り出す過程で切刃部が前記開口部分を塞ぐのを防ぐことができる。
この場合、蓋体の前記当接部分にシール部が形成されているので、シール部材の前記開口部分を通してカップ本体内から内容物を取り出すときに、この内容物がシール部材上に溜まっても、この内容物が蓋体とカップ本体との間から漏出するのを抑制することができる。
そして、カップ本体11の胴部15は、上側から下側に向かうに従い漸次縮径している。また、カップ本体11の上端開口縁には、その径方向の外側に向けて突出するフランジ部11bが全周にわたって設けられている。このフランジ部11bの上面に前記シール部材12が貼着されて前記開口部11aが封止されている。
さらに本実施形態では、円環板20には、その全周にわたって縦断面視U字状のシール部20aが形成されている。図示の例では、シール部20aは、円環板20の上面には環状溝を形成し、かつ下面には環状突部を形成するように縦断面視U字状に形成され、蓋体22がカップ本体11に装着された状態で、シール部20aは押し潰されてカップ本体11のフランジ部11bの上面にシール部材12を介して密接するようになっている。
以上より、天壁部25は、一端側部分25b、他端側部分25c、板体25eおよび連結片25fを備え、これらが一体に形成されて構成されている。
図示の例では、切刃部30の全体がレバー部27よりも下側(シール部材12側)に配置されている。また、第1ヒンジ部26は、連結片25fの前記一方向Aにおける他端部に設けられ、第2ヒンジ部28は、連結片25fの前記一方向Aにおける一端部に設けられている。なお、第1ヒンジ部26は、前記軸線Oよりも前記一方向Aの一端側に離れている。
これらの第1支持部32および第2支持部33によってレバー部27の引き上げ片27cが上下方向から挟み込まれて固定できるようになっている。
なお、図示の例では、切刃部30は、前記一方向Aに沿って第2ヒンジ部28側(他端部側)から切刃29側(一端部側)に向かうに従い漸次上方に向けて延在している。また、切刃29は、カップ本体11の開口部11aにおける外周縁の一部にその上方から対向している。
係止部31は、各板体25eが互いに対向する方向に突出する突部とされ、切刃29でシール部材12を破断する過程で、切刃部30の前記他端部における両側部分が、係止部31に当接して弾性変形させられつつこの係止部31を乗り越えるようになっている。
まず、レバー部27の引き上げ片27cを引き上げて、このレバー部27を第1ヒンジ部26回りに回動させる。すると、レバー部27の押下部27bが切刃部30の切刃29に向けて前進移動し、この押下部27bが、切刃29を下方に向けて押し下げつつ切刃部30を第2ヒンジ部28回りに回動させて、この切刃29によりシール部材12を破断させることによって蓋付きカップ容器10を開封する。
その後、レバー部27を逆向きに回動させて、その下側を第1支持部32で支持させかつ上側を第2支持部33で支持させた元の位置に戻すことで、窪み部を構成する天壁部25の前記一端側部分25b内に、レバー部27の押下部27bを位置させる。そして、シール部材12において切刃29で破断された開口部分からレバー部27の押下部27bに形成された切欠き部27eを通して、カップ本体11内の内容物を流出させる。
したがって、内容物を前述のようにカップ本体11内から流出させるときに、レバー部27が第1ヒンジ部26回りに回動してその姿勢が不安定になるのを防ぐことが可能になり、内容物の流出孔である前記切欠き部27eの位置を安定させることができる。
また、開封後に、窪み部を構成する天壁部25の一端側部分25b内に、内容物の流出孔である切欠き部27eが形成された押下部27bを位置させた状態で、カップ本体11内の内容物を取り出すので、シール部材12の前記開口部分から流出させた内容物の一部が天壁部25上に残った場合においても、この内容物が天壁部25上の広い範囲にわたって拡散するのを抑えて、前記一端側部分25b内に留め易くすることが可能になる。したがって、繰り返し内容物を取り出す場合の使い勝手を向上させることもできる。
この実施形態に係る蓋付きカップ容器40に備えられた蓋体41の天壁部42には、図4から図6に示されるように、前記一方向Aの一端部側に位置する第1貫通孔42aと他端部側に位置する第2貫通孔42bとが形成されている。第1貫通孔42aにおける前記一方向Aの一端部は天壁部42の外周面よりも前記径方向の内側に位置し、第2貫通孔42bにおける前記一方向Aの他端部も天壁部42の外周面より前記径方向の内側に位置している。
図示の例では、第1ヒンジ部44は、天壁部42において第1貫通孔42aと第2貫通孔42bとの間に位置する中央部分42cに設けられ、第2ヒンジ部46は、第1貫通孔42aの内周面において前記一方向Aの一端に位置する部分に設けられている。なお、第1ヒンジ部44は、前記軸線Oよりも前記一方向Aの他端側に離れている。
切刃部48は、前記切刃47と、第2ヒンジ部46から上方に向けて延びる立ち上がり壁48aと、この立ち上がり壁48aから前記一方向Aの他端側に向かうに従い漸次上方に向けて延在しその先端に前記切刃47が連結された連結壁48bと、を備えている。また、切刃47において前記一方向Aの他端側を向く表面には被押下部47aが突設されている。図示の例では、この被押下部47aは、上方から下方に向かうに従い漸次、前記一方向Aの他端側に向けて突出高さが低くなっている。また、本実施形態では、切刃部48において、立ち上がり壁48aから連結壁48bにわたって飲み口孔48cが形成されている。
そして、この被押下部47aの上端縁から連結壁48bの先端部にわたって、レバー部45の押下部45bが配置されている。なお、押下部45bの先端部45dは、連結壁48bの上面形状に沿うように前記一方向Aの他端側から一端側に向かうに従い漸次上方に向けて延在している。
まず、レバー部45の引き上げ片45cを引き上げて、このレバー部45を第1ヒンジ部44回りに回動させる。すると、レバー部45の押下部45bが切刃部48の切刃47に向けて前進移動し、この押下部45bが、被押下部47aおよび連結壁48bを介して切刃47を下方に向けて押し下げつつ切刃部48を第2ヒンジ部46回りに回動させて、この切刃47によりシール部材12を破断させることによって蓋付きカップ容器40を開封する。
以上の構成においても図1から図3で示した実施形態と同様の作用効果が奏功される。
また、本実施形態の蓋体41においても、図6に示されるように、レバー部45を、前述のようにシール部材12を破断するときの姿勢とは逆に、引き上げ片45cが下方に位置し押下部45bが上方に位置するようなほぼ直立姿勢にした状態で成形される。
例えば、図1から図3で示した蓋付きカップ容器10では、蓋体22の円環板20に、その全周にわたって縦断面視U字状のシール部20aを形成したが、これに代えて例えば、円環板20の上面に環状溝が形成されておらず円環板20の下面に形成された環状突部のみからなるシール部を採用してもよい。また、円環板20の下面に形成する環状突部は、縦断面視中実の凸曲面状に形成してもよいし、あるいは板状に形成してもよく、その形態は適宜変更してもよい。
さらに、図1から図3で示した蓋付きカップ容器10において、第1支持部32および第2支持部33の双方を設けたが、一方のみ設けてもよいし、両者ともに設けなくてもよい。
11 カップ本体
11a 開口部
11b フランジ部
12 シール部材
20 円環板(当接部分)
20a シール部
21、43 切刃部材
22、41 蓋体
25、42 天壁部
26、44 第1ヒンジ部
27、45 レバー部
27b、45b 押下部(レバー部の一端側部分)
28、46 第2ヒンジ部
29、47 切刃
30、48 切刃部
31 係止部
A 一方向
Claims (4)
- 開口部がシール部材によって封止されたカップ本体に、前記シール部材を破断して開封する切刃部材を備えた蓋体が被着されてなる蓋付きカップ容器であって、
前記切刃部材は、前記蓋体における天壁部の上面視において一方向に沿って延在し、その中間部分が前記天壁部に第1ヒンジ部を介して連結されたレバー部と、
前記一方向に沿って延在し、その基端部が第2ヒンジ部を介して前記蓋体に連結され、かつ先端部にシール部材側に向けて突出する切刃が形成された切刃部と、を備え、
前記切刃は、レバー部の前記一方向における一端側部分に前記シール部材側から対向し、
前記レバー部及び前記切刃部のうち、何れか一方には、前記切刃で破断された前記シール部材の開口部分に連通する流出孔が形成され、
前記蓋体における前記天壁部は、前記レバー部の前記一方向における他端側部分を上下方向の両側から挟み込んで固定する第1支持部及び第2支持部を備えていることを特徴とする蓋付きカップ容器。 - 開口部がシール部材によって封止されたカップ本体に、前記シール部材を破断して開封する切刃部材を備えた蓋体が被着されてなる蓋付きカップ容器であって、
前記切刃部材は、前記蓋体における天壁部の上面視において一方向に沿って延在し、その中間部分が前記天壁部に第1ヒンジ部を介して連結されたレバー部と、
前記一方向に沿って延在し、前記一方向における一端側部分が第2ヒンジ部を介して前記蓋体に連結され、かつ前記一方向における他端側部分にシール部材側に向けて突出する切刃が形成された切刃部と、を備え、
前記切刃は、レバー部の前記一方向における一端側部分に前記シール部材側から対向し、
前記切刃部には、前記切刃で破断された前記シール部材の開口部分に連通する流出孔が形成されていることを特徴とする蓋付きカップ容器。 - 請求項1または請求項2記載の蓋付きカップ容器であって、
前記蓋体には、切刃部を第2ヒンジ部回りに回動させて破断姿勢にすることにより切刃でシール部材を破断したときに、この切刃部を係止して破断姿勢に保持する係止部が設けられていることを特徴とする蓋付きカップ容器。 - 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の蓋付きカップ容器であって、
前記カップ本体の開口周縁部にはその径方向の外側に向けて突出するフランジ部が全周にわたって設けられ、このフランジ部の表面に前記シール部材が貼着されて前記開口部が封止され、
前記蓋体においてシール部材を介して前記フランジ部の表面に当接する当接部分には、その全周にわたって縦断面視U字状のシール部が形成されていることを特徴とする蓋付きカップ容器。
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