JP4432333B2 - 開封機能付口栓 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体用紙容器のミシン目又は切れ目を内面から封止フィルムで封止する注出孔予定位置上に接着して用いる開封機能付口栓に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙を主体とした積層シートからなる液体用紙容器の少なくとも中央に直線状のミシン目又は切れ目を入れた注出孔予定位置は、内面から貼着する封止フィルムで封止されているが、この注出孔予定位置上に接着して用いる口栓としては、封止フィルムを破断する開封機能をもつ開封機能付口栓(10)であり、例えば、図4(a)及び(b)に示すように、口栓本体(100)の後方に、薄肉ヒンジ線(101)を介して蓋部(200)を開閉可能に連結し、口栓本体の開口部(130)に、下方に開封突起部(163)をもつ開封部(162)とこの開封部の後方に操作部(164)を薄肉ヒンジ線(161)を介して接続する開封機能部(160)を、操作部の下方の両側に、ヒンジピン(165)を突設させて接続して一体成形した開封機能付口栓(10)が知られている(例えば、特許文献1参照)。この開封機能付口栓を、液体用紙容器の封止フィルムで封止された注出孔予定位置上に接着して用いると、図4(a)乃至(e)に示すように、容器を開封するときに、図4(a)及び(b)に示すように、蓋部(200)を後方へ薄肉ヒンジ線(101)を支線として開き、図4(c)及び(d)に示すように、開封機能部(160)の操作部(164)を前方へヒンジピン(165)を回転軸として回転して直立させると、開封部(162)の下方に設けられた開封突起部(163)によって、容器の注出孔予定位置を封止していた封止フィルムが破断されて、容器が開封する。そして、図4(e)に示すように、操作部(164)を後方へ元の水平状態に戻すと、操作部と開封部(162)との間に設けられた薄肉ヒンジ線(161)で折れ曲がり、開封部がほぼ垂直に垂下したままの状態で残る。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−59399号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の液体用紙容器のミシン目又は切れ目をもつ注出孔予定位置を封止する封止フィルムには、バリヤ層として一般にアルミニウム箔層が使用されていた。このアルミニウム箔層は、酸素や水蒸気などに対するバリヤ性が優れているが、使用後の廃棄物処理として、焼却時に残存滓が残ったり、再利用も難しく、環境保全上に好ましくない問題があった。このため、ポリエチレンテレフタレートフィルムに酸化ケイ素などの金属や金属酸化物を蒸着させた蒸着フィルムがバリヤ層として使用されるようになった。しかしながら、このバリヤ層に蒸着フィルムを使用した封止フィルムは、従来のバリヤ層にアルミニウム箔を使用した封止フィルムに比較して、破断力を必要とするため、開封部と操作部を薄肉ヒンジ線を介して接続し、この開封機能部を口栓本体にヒンジピンで接続して一体成形した上述の従来の開封機能付口栓では、構造的に強度が弱く、破断力が小さいため、封止フィルムを破断しにくいことがあった。
【0005】
本発明は、上述の従来の開封機能付口栓の問題を解決したものであり、液体用紙容器のミシン目又は切れ目をもつ注出孔予定位置を封止する封止フィルムのバリヤ層に酸化ケイ素などの蒸着フィルムが用いられていても、封止フィルムを容易に完全に破断することができる開封機能付口栓を提供するものである。
【0006】
すなわち、本発明は、口栓本体の後方の周壁に、蓋部を薄肉ヒンジ線を介して開閉可能に接続する箱形状のプラスチック製の口栓であって、蓋部の天板下面に口栓本体との封止リングを垂設し、口栓本体の底板の前方側に開口部を設け、該開口部の上方に、下端で開封する開封突起部を前方から左右両側の外周下面に連続して垂設し、後方側の上面に摺接面をもつ開封フラップの後方側端を、開口部後方側端の底板に薄肉ヒンジ線を介して接続し、該薄肉ヒンジ線の後方側の隣接位置の底板に、左右方向で前記開封フラップの左右幅の抜きスリットを設け、該抜きスリットの左右両側の底板上に相対向する一対の支え柱を立設し、該支え柱間の上端位置に摺接丸棒を橋設して取付台部を立設し、該取付台部の摺接丸棒に、前方側の摺接先端部と後方側の操作部からなり、該操作部の前方側縁部の下面に摺接取付部を垂設する別体の操作部材を、回転可能に取り付けたことを特徴とする開封機能付口栓である。
【0007】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の開封機能付口栓の実施の形態について、図を用いて詳細に説明する。
図1(a)は、一実施形態の開封機能付口栓の構造を示す断面図であり、図1(b)は、その蓋部を開いたときの平面図で、図1(c)は、操作部材を操作したときの開封部の状態を示す説明図である。図2は、図1のA部分の拡大断面図である。図3は、図1の開封機能付口栓の構成を示す分解説明図である。
【0008】
本実施形態の開封機能付口栓(10)は、図3に示すように、蓋部(200)を薄肉ヒンジ線(101)を介して後方の周壁(110)に開閉可能に接続する平面外周形状の前方が円弧状で左右両側及び後方が直線状の箱状の口栓本体(100)と操作部材(300)の二つの部材とからなり、口栓本体に操作部材を取り付けるものである。蓋部付口栓本体は、通常、ヒンジ効果が良好なポリプロピレンのような熱可塑性樹脂を用いて射出成形法により作製され、操作部材も、通常、適度の剛性をもつポリプロピレンのような熱可塑性樹脂を用いて射出成形法により作製されるものである。
【0009】
本実施形態の開封機能付口栓(10)の構造は、図1(a)及び(b)に示すように、蓋部(200)の天板(210)下面に、口栓本体(100)の周壁(110)上端部内周面に外周面を密接する封止リング(211)を垂設するものである。必要に応じては、図2に示すように、蓋部(200)の封止リング(211)の前方側の先端部外周面に咬合凸部(212)を設け、口栓本体(100)の前方側の周壁(110)先端部内周面に咬合凹部(111)を設けて取り外し可能に適度にしかりと咬合させてもよい。また、蓋部を開閉し易くするために、蓋部の前方側の先端に開閉用突起を設けてもよい。
【0010】
そして、図1(a)及び(b)に示すように、口栓本体(100)の底板(120)の前方側に開口部(130)を設け、この開口部の上方に、底板の開口部後方側端と薄肉ヒンジ線(102)を介して接続する開封フラップ(140)を設けるものである。この開封フラップの前方から左右両側の外周下面に連続させて、液体用紙容器のミシン目又は切れ目をもつ注出孔予定位置の封止フィルムを破断するための開封突起部(141)を垂設し、後方側の上面に段差を設けて操作部材(300)の摺接先端部(310)と摺接する水平な摺接面(142)を形成し、この摺接面の後方側に、図1(c)に示すように、操作部材(300)の摺接先端部(310)と当接する下方へ傾斜する当接面(143)を設けるものである。図1(a)に示すように、薄肉ヒンジ線(102)の後方側の隣接位置の底板(120)に、左右方向で開封フラップの左右幅の抜きスリット(121)を設け、この抜きスリットの左右両側の底板上に相対向する一対の支え柱(151)を立設し、この支え柱間の上端位置に摺接丸棒(152)を橋設して取付台部(150)を立設するものである。なお、抜きスリット(121)は、口栓本体(100)を射出成形するときに、上方の摺接丸棒(152)を形成する金型ブロックを抜くために必要となるものである。
【0011】
そして、図3に示すように、口栓本体(100)の取付台部(150)の摺接丸棒(152)に、前方側の摺接先端部(310)と後方側の操作部(320)と下面の摺接取付部(330)からなる別体の操作部材(300)を、回転可能に取り付けるものである。なお、操作部材の摺接取付部には、口栓本体の取付台部の摺接丸棒に、取り外し可能に咬合摺接する咬合摺接溝(331)を設けるものである。
【0012】
上述の本実施形態の開封機能付口栓を、液体用紙容器のミシン目又は切れ目を封止フィルムで封止した注出孔予定位置上に、開封部を合わせて下面を接着剤などで接着して立設し、この開封機能付口栓を、図1(c)に示すように、蓋部(200)を後方へ薄肉ヒンジ線(101)を支線として回転して開き、口栓本体(100)内の操作部材(300)の操作部(320)を前方に起こすと、操作部材が、口栓本体の底板(120)に立設する取付台部(150)の摺接丸棒(152)を回転軸として前方へ回転し、操作部材の摺接先端部(310)が開封フラップ(140)の摺接面(142)を摺動し、開封フラップが薄肉ヒンジ線(102)を支線として下方へ折り曲げられる。このとき、開封フラップの前方側より左右両側に連続して垂設されている開封突起部(141)の下端により、液体用紙容器の注出孔予定位置を封止している封止フィルムが破断されて、容器が大きく開口する。操作部材の前方への回転は、操作部材の摺接先端部が開封フラップの傾斜当接面(143)に当接した位置で止まる。このとき、開封フラップは、薄肉ヒンジ線(102)を支線に底板(120)に対してほぼ垂直に垂下した状態となる。そして、操作部材の操作部を後方へ倒して元の水平状態にする。開封フラップは、垂直に垂下した状態のまま残る。内容物を注出したのち、蓋部を薄肉ヒンジ線(101)を支線として前方へ回転して閉じ、口栓を封止する。
【0013】
従来の開封機能付口栓(10)は、図4(b)に示すように、開封部(162)と操作部(164)を薄肉ヒンジ線(161)を介して接続し、この開封機能部(160)を口栓本体(100)にヒンジピン(165)で接続して一体成形したものであり、開封機能部(160)に強度をもたすことが難しかったが、本実施形態の開封機能付口栓(10)は、図1(a)及び図3に示すように、開封フラップ(140)の後方端を底板(120)の開口部(130)後方側端に薄肉ヒンジ線(102)を介して接続し、この薄肉ヒンジ線(102)の後方側の隣接位置の底板(120)上に、左右位置で相対向する一対の支え柱(151)を設け、この支え柱間の上端位置に摺接丸棒(152)を橋設して取付台部(150)を立設し、この取付台部の摺接丸棒に、前方側の摺接先端部(310)と後方側の操作部(320)とからなる別体の操作部材(300)を、下面の摺接取付部(330)により回転可能に取り付けるものであるので、口栓本体(100)の開封フラップ(140)及び取付台部(150)と別体の操作部材(3009に適正な強度を構造上容易にもたせることができる。このため、液体用紙容器の注出孔予定位置上に接着された本実施形態の開封機能付口栓は、操作部材を操作することにより、ミシン目又切れ目をもつ注出孔予定位置を封止する封止フィルムのバリヤ層に酸化ケイ素などの蒸着フィルムが用いられていても、封止フィルムを容易に完全に開封フラップで破断することができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明の開封機能付口栓は、開封機能部分に構造上、適正な強度を持たせることが容易であり、液体用紙容器のミシン目又は切れ目をもつ注出孔予定位置を封止する封止フィルムへの破断力が強く、封止フィルムのバリヤ層に酸化ケイ素などの蒸着フィルムが用いられていても、容易に完全に破断することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の一実施形態の開封機能付口栓の断面図であり、(b)は、蓋部を開いたときの平面図で、(c)は、操作部材を操作したときの開封部の状態を示す説明図である。
【図2】図1のA部分の拡大断面図である。
【図3】図1の開封機能付口栓の構成を示す分解説明図である。
【図4】従来の一例の開封機能付口栓の開封機能部の操作における作動状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10……開封機能付口栓
100……口栓本体
101,102,161……薄肉ヒンジ線
110……周壁
111……咬合凹部
120……底板
121……抜きスペース
130……開口部
140……開封フラップ
141,163……開封突起部
142……摺接面
143……傾斜当接面
150……取付台部
151……支え柱
152……摺接丸棒
160……開封機能部
162……開封部
164,320……操作部
165……ヒンジピン
200……蓋部
210……天板
211……封止リング
212……咬合凸部
300……操作部材
310……摺接先端部
330……摺接取付部
331……咬合摺接溝
Claims (1)
- 口栓本体の後方の周壁に、蓋部を薄肉ヒンジ線を介して開閉可能に接続する箱形状のプラスチック製の口栓であって、蓋部の天板下面に口栓本体との封止リングを垂設し、口栓本体の底板の前方側に開口部を設け、該開口部の上方に、下端で開封する開封突起部を前方から左右両側の外周下面に連続して垂設し、後方側の上面に摺接面をもつ開封フラップの後方側端を、開口部後方側端の底板に薄肉ヒンジ線を介して接続し、該薄肉ヒンジ線の後方側の隣接位置の底板に、左右方向で前記開封フラップの左右幅の抜きスリットを設け、該抜きスリットの左右両側の底板上に相対向する一対の支え柱を立設し、該支え柱間の上端位置に摺接丸棒を橋設して取付台部を立設し、該取付台部の摺接丸棒に、前方側の摺接先端部と後方側の操作部からなり、該操作部の前方側縁部の下面に摺接取付部を垂設する別体の操作部材を、回転可能に取り付けたことを特徴とする開封機能付口栓。
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JP2003061077A JP4432333B2 (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 開封機能付口栓 |
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JP2003061077A JP4432333B2 (ja) | 2003-03-07 | 2003-03-07 | 開封機能付口栓 |
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