以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
<第1の実施形態>
図3は本発明の第1の実施形態に係る画像形成装置のシステム構成を示す概略断面図で、同図は複写機に紙折り装置を搭載して画像形成装置を構成した例を示している。図4、図5、図6及び図7は紙折り装置の動作を示す側面図である。図8は紙折り装置の駆動構成を示す図、図9及び図10は偏向手段の構成を示す斜視図、図11は折りローラの中央部の加圧機構を示す斜視図である。図12は紙折り装置の制御構成を示すブロック図である。図13及び図14は本実施形態における処理手順を示すフローチャート、図15、図16及び図17は本実施形態における用紙の折りローラへの進入時の状態を示す拡大図である。
まず、図3を参照し、全体の構成について説明する。このシステムは複写機装置本体200と紙折り装置1とからなり、紙折り装置1を複写機装置本体200の背面に連結し、用紙の端面折りとジャバラ状折りを可能としたものである。紙折り装置1は、本体との連結部1a、用紙先端の端面を折る端面折り部2、用紙を搬送方向にジャバラ状に折る紙折り部3、及び折られた用紙を排出しスタックするトレイ13からなっている。
複写機装置本体200には画像読取装置205が配置されていると共に、その下部に手差し給紙台208が配置されている。この手差し給紙台208に用紙をセットすると、用紙はレジストロール207のニップで一旦停止し、タイミングをとって作像ユニット206に供給される。作像ユニット206は、図示しない感光体に画像データに対応した潜像が形成され、この潜像がトナーにより現像され、このトナーが用紙に転写され、定着装置210により定着されるようにしてある。定着装置210でトナーが定着された記録済用紙は記録済用紙排出ロール211により、紙折りを行う場合は紙折り装置1へ排出される。また、紙折りを行わない場合は、図示されていない切換爪により上排紙ローラ209により本体胴内へ排出される。
用紙を折る場合は記録済用紙排出ロール211より用紙は紙折り装置1に送られ、入口搬送ローラ対6,7にて用紙が送られ、用紙端面を折る場合は端面折り部2により用紙先端の端面が折られる。用紙は端面折り部2により先端の端面が折られた後、紙折り部3により搬送方向にジャバラ状に折られ、折られた用紙はトレイ13にスタックされる。
紙折り部3は用紙を搬送方向に対してジャバラ状に折る機能を有する。図3の紙折り部3の要部を拡大したのが図4である。
図4において用紙Pの先端を検出する先端検知センサ15が紙折り部3の入口に配置され、その下流側に搬送ローラ対14が設けられる。その下流側には搬送ローラ対14によって搬送される用紙搬送方向に対し、用紙を垂直方向に搬送する折りローラ対11,12が配置されている。折りローラ対11,12は同期して正転あるいは逆転し、用紙をジャバラ状に折る。折りローラ対11(11a,11b),12(12a,12b)の外側にはそれぞれ折り幅左検知センサ16、折り幅右検知センサ17が設けられ、用紙先端及び折った用紙の折り端面を検出する。また折りローラ対11,12の間には下ガイド板18が配置され、折った用紙の端面をローラ対11,12に案内する。
搬送ローラ対14の外側には偏向手段20,21が設けられ、用紙先端の案内を折りローラ対11,12のいずれかに切り換える。偏向手段20,21はそれぞれ下折りローラ11b,12bに当接するように設定された円弧状の軌跡を有し、駆動ギヤ22,23により前記円弧状の軌跡に沿った進出後退動作が行われる。用紙先端はこの偏向手段20,21により折りローラ対11,12近傍に案内され、折りローラ対11,12のニップに進入する。このとき偏向手段20、21のどちらを動かすかにより、折りローラ対11,12どちらのニップに用紙先端を進入させるかが選択される。ここでは図において右側の折りローラ対12に案内する偏向手段20を右偏向手段、左側の折りローラ対11に案内する偏向手段21を左偏向手段とする。さらに、この偏向手段20,21は図6に示すように用紙折り時は用紙の内側を折りローラ対11,12いずれかのニップに案内する構成でもある。このとき、偏向手段20,21の先端に構成されたコロ20a,21aがそれぞれ下折りローラ11b,12bに当接する。なお、動作は後述の図13及び図14のフローチャートを参照して別途説明する。
偏向手段20,21の構成を図9の分解斜視図に示す。図9に示した偏向手段は左偏向手段21であるが、右偏向手段20も左右対称で同一の構成である。左偏向手段21の両側にギヤ部21b′を有する側板21bを配置し、両側板21bをつなぎ、用紙先端をガイドする案内板21dを側板21b間に設ける。さらにステー21eも側板21b間に設け、側板21bを支持する。ステー21eには図4の偏向手段ホームポジションセンサ(以降 偏向手段HPセンサと呼ぶ)24,25を遮光する遮光板21cを有する。また両側板21b間先端には最大用紙幅以上の幅を有するコロ21aを有し、コロ21aは両側板だけでなく、案内板21dの先端部21gに複数の軸受を設け、コロ21aの回転と荷重を受けてコロ21に撓みが生じないように当該コロ21aを支持している。ここでは案内板21dの先端部21gはコロ21aの全幅を支持しているが、部分的に支持しても良い。また先端部21gはテフロン(登録商標)コーティングされているが、案内板21d自身を摩擦係数の低い樹脂材料を用いても良い。また、コロ21aはパイプ材であっても良い。なお、右偏向手段20も同様に側板20bを有し、この側板にはギヤ部20b′が設けられている。
さらに両側板21bの外側には複数個のコロ21fが突設されている。図10に示すように、このコロ21fは偏向手段20,21の両外側に構成された一対のレール60を有し、偏向手段20,21がそれぞれ下折りローラ11b,12bに当接するよう、レール60にはレール溝60a,60bを円弧状に構成し、偏向手段20,21が円軌跡を描いて上下動する構成にしている。このレール溝60a,60b内をコロ21fが当接し、偏向手段20,21のギヤ部20b’,21b’が駆動ギヤ22,23とかみ合い、コロ21fがレール溝60a,60b内を転がることにより、偏向手段20,21はそれぞれ下折りローラ11b,12bに当接、離間するよう円弧軌跡を描いて回転する。
本実施形態に係る紙折り装置1は図8に示す駆動構成を有する。この駆動構成では、搬送ローラ対14の駆動側ローラは端部に連結されたプーリ50により駆動ベルト51を介して搬送モータ52の回転を伝達し、搬送方向(図8中の矢印方向)に回転している。また、搬送ローラ対14の中央近傍に先端検知センサ15が設けられている。
偏向手段20,21の駆動については左右対称で同一の駆動構成であるため、ここでは左偏向手段21を使って説明する。まず、左偏向手段21の両端のギヤ部21b’には駆動ギヤ23がそれぞれ噛合されている。両端の駆動ギヤ23は1本の同一駆動軸54上に固定し駆動するため、駆動軸54が回転する量だけ同一駆動軸54と平行に左偏向手段21が移動することになる。駆動軸54はトルクリミッタ42bを介して従動プーリ42aと連結され、従動プーリ42aと駆動プーリ40は駆動ベルト41により連結駆動される。さらに駆動プーリ40と同一軸39上の駆動プーリ55は駆動ベルト37を介して偏向手段左モータ36と連結されている。従って、偏向手段左モータ36が矢印方向に回転すると左偏向手段21が矢印方向に移動する。そのとき、左偏向手段21にトルクリミッタ42bの回転負荷トルク以上の負荷がかかった場合、トルクリミッタ42bと従動プーリ42aの間でトルクを発生させながら滑る構成になっている。さらに偏向手段21の端部には遮光板21cが配置され、偏向手段21が上昇待機している位置で偏向手段左HPセンサ25を遮光し、これにより待機位置が検出される。なお、右偏向手段20についても同様の構成で図8中では右偏向手段20が下降時の回転方向を示している。ただし、右偏向手段20では、符号43は偏向手段右モータ、符号44は駆動ベルト、符号45は駆動プーリ、符号46は軸、符号47aは駆動プーリ、符号49は従動プーリ、符号48は駆動ベルト、符号47bはトルクリミッタ、符号53は駆動軸であり、前記駆動ギヤ22を介して右偏向手段20を左偏向手段21と同様に駆動する。
前記折りローラ対11,12は次のようにして駆動される。すなわち、上折りローラ11aの端部には折りローラ駆動プーリ35、上折りローラ12aの端部には折りローラ駆動プーリ33bが連結され、折りローラ駆動プーリ35と折りローラ駆動プーリ33bは駆動ベルト34により連結されている。さらに、折りローラ駆動プーリ33bと一体化されたプーリ33aは駆動ベルト31を介して、従動プーリ57aと連結され、さらに従動プーリ57aと一体化された従動プーリ57bは駆動ベルト56を介して折りモータ30側の駆動プーリと連結されている。従って、折りモータ30が図中の矢印方向に回転すると、上折りローラ11a,12aは同期して矢印方向に回転する。さらに図示されていない駆動ベルトが上折りローラ11a,12aと下折りローラ11b,12bを連結することにより、折りモータ30が回転すると折りローラ対11,12は同期して上下折りローラ11a,12a、11b,12bとも搬送方向に回転する構成となっている。さらに両折りローラ対11,12の外側中央近傍にそれぞれ折り幅右検知センサ17、折り幅左検知センサ16が配置されている。
図11は折りローラ11,12の中央部の加圧機構を示す斜視図である。同図に示すように折りローラ対11a,11bは上側の折りローラ11aが固定され、下側の折りローラ11bは両端で軸受11fを介して両端レバー11gにより支持されている。両端レバー11gは一対の支持板11hの支点軸11iを中心に揺動可能に支持され、前記軸受11fとは支点軸11iに関して反対側に位置する端部に引っ張りスプリング11jが係止され、前記両端レバー11gの前記端部を下方に弾性付勢している。この両端レバー11gと引っ張りスプリングの作用により前記下側の折りローラ11bが上側の折りローラ11a側に弾性付勢されている。このように下側の折りローラ11bは上側の折りローラ11aに対して両端部で加圧する構成となっている。
このようにして弾性付勢するだけで充分ではあるが、折りローラ11a,11bが細い場合、特に軸部材が細い場合に、撓みにより中央部の押圧力が不足することも考えられる。このような懸念がある場合には、支持板11hの支点軸中心11kと同一軸線上に支点軸中心を構成し、片側に回転軸が前記支点軸中心11kと平行な一対のコロ11m,11nを有する中央レバー11oをローラ11bの中央付近の下側に設ける。その際、前記一対のコロ11m,11nによってローラ11bを転動自在に支持させ、前記両端レバー11gと同様にスプリング11jによって折りローラ11bが折りローラ11aを中央で加圧するようにしている。なお、3個のスプリング11jは同一の特性のものとする。これにより、折りローラ対11a,11bの撓みを均等にすることが可能となり、両者間のニップの均一化をより向上させることができる。その結果、折りによって用紙に対する皺の発生を最小限に抑えることができる。
また、図11では左側の折りローラ対11a,11bについて説明しているが、右側の折りローラ対12a,12bについても同様であることは言うまでもない。
図12は制御回路の概略を示すブロック図である。複写機本体200の制御部は操作部201及び本体制御基板202から構成され、紙折り装置1の制御部は、紙折りコントローラ100、先端検知センサ15、偏向手段右HPセンサ24、偏向手段左HPセンサ25、折り幅左検知センサ16、折り幅右検知センサ17等の各センサと、折りモータ30、搬送モータ52、偏向手段右モータ43及び偏向手段左モータ36等の各駆動部とから構成されている。紙折りコントローラ100は各モータ30,52,43,36を駆動制御し、本体の操作部201から折り種類、サイズ等の入力信号を本体制御基板202が受け、紙折りコントローラ100は本体制御基板から受信した前記情報と、先端検知センサ15、偏向手段右HPセンサ24、偏向手段左HPセンサ25、折り幅左検知センサ16、折り幅右検知センサ17等の各センサからセンサ情報に基づいて折りモータ30、搬送モータ52、偏向手段右モータ43及び偏向手段左モータ36の各モータを制御し、用紙に対して所定の折りを施す。
紙折り装置の一連の紙折り動作について図13及び図14のフォローチャートを参照して説明する。これらのフローチャートに示された処理は、紙折りコントローラ100の図示しないCPUが図示しないROMに格納されたプログラムを図示しないRAMをワークエリアとして使用し、実行される。以下、詳述する。
まず、図12に示した本体操作部201より紙折りありの信号が入力されると、その信号が本体制御基板202を経由して、紙折りコントローラ100に送られる。これにより紙折り装置1側では、図13のフローチャートがスタートし、図8の搬送モータ52がONし、図4の搬送ローラ対14が矢印方向に回転をはじめる(ステップS0)。次に、複写機本体200から用紙が送られ、用紙先端が先端検知センサ15を通過し、先端検知センサ15のON信号が紙折りコントローラ100に入力される(ステップS1)。次いで、図12の本体操作部201から入力された紙折り種類の信号により最初の用紙搬送が右側の折りローラ12に入れる紙折り種類であるかどうかが判断される(ステップS2)。ここでは紙折り種類の信号が、最初の用紙搬送が右側の折りローラ12に入れる紙折り種類である場合について説明する。次いで、図8の折りモータ30がONし、図4の矢印方向(ここでは正転とする)に回転を開始し(ステップS3)、図8の偏向手段右モータ43がONし、図4の右偏向手段20が実線位置から破線位置に向かって移動を開始する(このときの回転方向を正転とする)(ステップS4)。
このとき偏向手段右HPセンサ24がOFFし(ステップS5)、右偏向手段20が実線位置から破線位置に達する駆動時間T1秒後、偏向手段右モータ43がOFFする(ステップS6)。このとき図4のように右偏向手段20の先端のコロ20aと下折りローラ12bとは当接せず、若干の隙間がある状態で右偏向手段20を停止させる。この状態で図4のように用紙Pの先端は右側の折りローラ対12のニップに進入し、折り幅右検知センサ17がONする(ステップS7)。その後、右偏向手段20を待機位置に戻すため、偏向手段右モータ43が逆転方向にONし(ステップS8)、偏向手段右HPセンサ24がONし(ステップS9)、偏向手段右モータ43がOFFし(ステップS10)、右偏向手段20は図4の実線位置の待機状態に戻る。
次に用紙先端が右側の折りローラ対12に進入後、次の折りの有無の判断を行い(ステップS11)、次の折りがあれば、折り幅右検知センサ17がONしてからT4秒後、折りモータ30がOFF停止し(ステップS12)、今度は用紙の内側を左折りローラ対11のニップに案内するため、図8の偏向手段左モータ36がONし、図5の左偏向手段21が矢印方向に向かって移動を開始する(このときの回転方向を正転とする)(ステップS13)。このとき偏向手段左HPセンサ25がOFFする(ステップS14)。
左偏向手段21の動作と同時に図5のように先端検知センサ15がONしてからT3秒後、折りモータ30が逆転方向にONする(ステップS15)。このとき用紙のたるむスピードより左偏向手段21の移動速度の方を速く設定しているため、図5破線のように用紙のたるみがなくなり、用紙と左偏向手段21の先端のコロ21aが当接する。このとき左偏向手段21の移動速度が用紙のたるむスピード以上には移動できなくなるため、図8のトルクリミッタ42bに負荷がかかり、トルクリミッタ42bと駆動プーリ42aの間でトルクを発生させながら滑り始める。従って、トルクリミッタ42bの空転トルク分、用紙に対し左偏向手段21の先端のコロ21aが張力を与え、用紙が張った状態を保ちながら移動し、図6のように左偏向手段21の先端のコロ21aは用紙を左側の下折りローラ11bに当接させる。
さらに図15に示すように先端のコロ21aと下折りローラ11bはトルクリミッタ42bの空転トルク分の加圧力Fが与えられ、用紙Pはさらに一点鎖線のように用紙をたるませ、ループを形成し、ループの頂点が図15のように矢印方向に回転する左折りローラ対11のニップにくわえ込まれ、用紙が左側に折られる。用紙はさらに送られ続け、折られた用紙の先端は折り幅左センサ16に達し、折り幅左センサ16がONする(ステップS16)。その後、左偏向手段21を待機位置に戻すため、偏向手段左モータ36を停止させ(ステップS17)、さらに逆転方向にONし(ステップS18)、偏向手段左HPセンサ25がONし(ステップS19)、偏向手段左モータ43がOFFし(S20)、右偏向手段21は図4の実線位置の待機状態に戻り、これで1回目折りが終了する。
一方、ステップS11の次の折りがあるかないかの判断で、折りがない場合は排紙方向が左折りローラ対側にあるため、一度スイッチバックしてから排出することになり、右折りローラ対12が用紙を搬送した状態で用紙後端が先端検知センサ15を抜け、先端検知センサ15がOFFすると、折りモータ30が停止し(ステップS22)、今度は折りモータ30を逆転し(ステップS23)、用紙後端を左折りローラ対11に向けて搬送させ排出動作フローCに入る。
また、ステップS2の最初の用紙搬送が右側の折りローラ12に入れる紙折り種類であるかどうかの判断で左側の折りローラ11に入れる紙折り種類である場合は、右側の折りローラ12に入れる場合と左右逆の違いでステップS24〜S42までステップS3からステップS21までと同様に動作させる。ただし、ステップS32の次の折りの有無の判断で、折りがない場合は排紙方向が左折りローラ対11側にあり、一度スイッチバックしてから排出する必要がないため、そのまま排出動作フローCに入る。
ここで、繰り返し折りがあるかないかの判断を行い(ステップS21,S42)、1回目折りが左側である場合で繰り返し折りがあるときは右側の繰り返し折りのフローBに入り、繰り返し折りがない場合は、一度スイッチバックしてから排出する必要がないため、そのまま排出動作フローCに入る。
また、1回目折りが右側である場合で、繰り返し折りがあるときは左側の繰り返し折りのフローAに入り、繰り返し折りがない場合は、一度スイッチバックしてから排出する必要があるため、右折りローラ対12が用紙を搬送した状態で用紙後端が先端検知センサ15を抜け、OFFすると折りモータ30がOFF停止し(ステップS43)、今度は折りモータ30を逆転し(ステップS44)、用紙後端を左折りローラ対11に向けて搬送させ排出動作フローCに入る。
次に繰り返し折りのフローA、Bの場合、左折りのフローAでは1回目折りのステップS12〜S21とほぼ同一で、ステップS48の折りモータ30を逆転させるタイミングが、繰り返し折りの場合、折り幅右検知センサ17がONしてからT6秒後である(図7参照)。同様に右折りのフローBでは1回目折りのステップS33〜S42とほぼ同一で、ステップS58の折りモータ30を正転させるタイミングが、繰り返し折りの場合、折り幅右検知センサ16がONしてからT6秒後である。その後、さらに繰り返し折りがある場合は、フローA、Bを繰り返し、最終折りが右側の場合は、排紙方向が左折りローラ対側にあるため、一度スイッチバックしてから排出することになり、右折りローラ対12が用紙を搬送した状態で用紙後端が先端検知センサ15を抜け、先端検知センサ15がOFFすると、折りモータ30が停止する(ステップS65)。そして、今度は折りモータ30を逆転し(ステップS66)、用紙後端を左折りローラ対11に向けて搬送させ、排出動作フローCに入る。最終折りが左側の場合は、そのまま排出動作フローCに入る。
最後に排出動作フローCで用紙後端が折り幅左検知センサ16を通過し、折り幅左検知センサ16がOFF(ステップS67)した後、折りモータ30を停止させ(ステップS68)、搬送モータ52を停止させ(ステップS69)排出が完了する。
このように用紙を右折り、左折りと繰り返し折りを重ねると用紙は折られた束となり、折りローラ対11,12にニップされ搬送される。このような用紙束の状態では図16、図17(左折りローラ対11にくわえ込まれる場合の状態)に示すように用紙がループを形成し、折りローラ対11,12のニップに進入する。用紙が繰り返し折られると、折られた用紙の折り目の度合いにより用紙束は膨らみ、図16では用紙束の厚みはTの状態である。この用紙束が左折りローラ対11に進入するときは、偏向手段21の先端コロ21aが図17のようにトルクリミッタ42bの空転トルク分の加圧力Fを与えながら用紙束を下折りローラ11bに当接させるため、用紙束の厚みは束の膨らみがつぶされ、用紙自身の厚みを積み重ねた厚さに近い厚みT’となる。この状態から用紙Pが一点鎖線のようにループを形成し矢印方向に回転する左折りローラ対11にニップに進入し、くわえ込まれ、用紙が左側に折られる。
本実施形態では図3のように繰り返しジャバラ状に折られた用紙を排出ローラ19によりトレイ13にスタックするが、ジャバラ状に折られた用紙をさらにクロス状に折り(後述の第4の実施形態参照)、あるサイズに縦横折るフォルダーに用いる場合でも同様で、フォルダーのクロス折り機構に本実施形態を用いることも可能である。
なお、本実施形態では、図10に示すようにコロ21fは偏向手段20,21の両外側に構成された一対のレール60に沿って移動する。その際、偏向手段20,21がそれぞれ下折りローラ11b,12bに当接するように円軌跡を描いて上下動する。この場合、レール溝60a,60bが交差する溝の部分はコロ21fを案内できないため、スムーズな偏向手段20,21の円軌跡で上下動ができず、用紙の搬送スピードに影響を与えることも考えられる。図18は図10に示した偏向手段の駆動機構の変形例である。この変形例では図18に示すように、偏向手段20,21がそれぞれ下折りローラ11b,12bに当接するよう、回転支点軸20i,21iによって揺動可能に支持された偏向手段レバー20h、21hを設け、偏向手段20,21が円軌跡を描いて上下動する構成にしたものである。レバー20h,21hの円弧部の外周部には前記駆動ギヤ22,23とそれぞれ噛合するギヤ部20b’、21b’が形成され、駆動ギヤ22,23から駆動力を得て、偏向手段レバー20h、21hが回転支点軸20i、21iを中心に回転動作をすることにより、偏向手段20,21はそれぞれ下折りローラ11b,12bに当接、離間するよう円弧軌跡を描いて上下動する。このように構成すると、偏向手段レバー20h,21hが回転支点軸20i、21iを中心に回転(揺動)動作をするので、スムーズな動作が可能となり、用紙の搬送スピードに影響を与えることはない。
また、このようにレバー20h,21hを使用した場合、これらのレバー20h,21hを利用してジャム処理を簡単に行うことができる。すなわち、図19に示すように偏向手段21(20も同様)の端部に取手21lを設けるとともに、下折りローラ11bのローラ軸の端部にはジャム除去ダイヤル11dを設ける。なお、この実施形態では、取手21lは装置前側のレバー21hまたは両端のレバー21hをつなぐステー21eに設けられている。また、ジャム除去ダイヤル11dは上折りローラ11a側に設けても良い。ジャム発生時に偏向手段21がホームポジションに復帰できない場合は、操作部201の表示部にメッセージを表示し、ユーザに取手21lを図の矢印方向に回避させるよう促す。
このように構成すると、偏向手段20,21のギヤ部20b’、21b’が駆動ギヤ22,23とかみ合い、駆動を伝達しているが、駆動ギヤ22,23はトルクリミッタを介して駆動が伝達されるため、ジャム発生により偏向手段20,21がジャム用紙により食い込み、偏向手段21をホームポジションに復帰させる駆動力を与えてもトルクリミッタで滑って復帰できなくなることがある。このような場合には、サービスマンコール(故障)が行われることになるが、このようなサービスマンコールを避けるため、ユーザに取手21を使って図の矢印方向に偏向手段20,21を移動させ、ジャム除去を促すようにする。そして、ユーザがジャム処理を実行し、ジャムした用紙が除去されると、偏向手段20,21を復帰させる。これによりサービスマンコールの発生を防止した上で、操作性の向上も図ることができる。
以上のように本実施形態によれば、偏向手段20,21が用紙を折る側の前記折りローラ対11,12の下側折りローラ11b,12bに用紙を当接し、折る用紙を搬送し折り込むことにより、図15のように用紙のループを折りローラ近傍で形成することができ、結果形成されたループの半径も小さくすることができるので、ループの折りローラニップに進入するときの抵抗を小さくし、用紙と下側折りローラとのスリップをより小さくし、狙った位置で正確に折ることが可能となる。また繰り返し折ったときでも図16及び図17に示すように用紙束の膨らみをできるだけ小さくし、折り回数が増えた場合、用紙ループ形成のばらつきを小さくし、狙った位置で正確に折ることが可能となる。
また、前記偏向手段20,21の先端に回転自在なコロ20a,21aを備え、そのコロ20a,21aが前記折りローラ対11,12の下側折りローラ11b,12bに用紙Pを当接させることにより、用紙Pと折りローラ11b,12bのスリップをなくし、搬送精度を向上させることができる。
また、前記偏向手段20,21の先端に回転自在なコロを配置することにより、コロ20a,21aが折りローラ11b,12bと当接したときの負荷を軽減し、折りローラ11b,12bの送り精度を安定させ、狙った位置で正確に折ることができる。
また、前記コロ20a,21aを折り対象となる用紙の用紙幅以上の長さを有する1本のコロから構成すると、コロ20a,21aと折りローラ11b,12bが当接したときの用紙Pの加圧力を幅方向に均等にすることが可能となり、ループ状の用紙が折りローラニップに進入するとき、用紙の幅方向の波打ちをなくし皺の発生を防止することができる。
また、前記コロ20a,21aをパイプ状のコロから構成すると、偏向手段20,21の重量を軽くし、トルクリミッタ42b,47bの空転トルクを小さくすることができ、図15及び図17に示したようにコロ21aの加圧力Fのばらつきを小さくし、狙った位置で正確に折ることが可能となる。また、トルクリミッタ42b,47bの空転トルクを小さくできるため、偏向手段20,21の駆動モータも小さくできコストダウンが可能となる。
また、前記コロ20a,21aが幅方向に偏向手段自身で支持されていることにより、コロ20a,21aと折りローラ11b,12bが当接したときのコロ20a,21aの撓みを防止し、用紙Pへの加圧力を幅方向に均等に設定することが可能となり、ループ状の用紙が折りローラニップに進入するとき、用紙の幅方向の波打ちをなくし皺の発生を防止することができる。
また、前記コロ20a,21aを受ける個所がテフロン(登録商標)コーティングされていることにより、コロ20a,21aが折りローラ11b,12bと当接したときのコロ20a,21aの回転負荷を軽減し、折りローラ11b,12bの送り精度を安定させ、狙った位置で正確に折ることが可能となる。
また、前記偏向手段20,21を摩擦係数の小さい樹脂材料よって形成することにより、コロ20a,21aが折りローラ11b,12bと当接したときのコロ20a,21aの回転負荷を軽減し、折りローラ11b,12bの送り精度を安定させ、狙った位置で正確に折ることが可能となる。さらに、図4の用紙先端を偏向手段20,21によって折りローラ11b,12bにガイドするときの抵抗を小さくし、用紙先端が折りローラ11b,12bへ進入するときのタイミングのばらつきを小さくし、1回目の折り位置のばらつきを小さくすることができる。
また、前記コロ20a,21aを案内板21dの先端部あるいは複数の軸受部材で受けることにより、偏向手段20,21のソリに対し、局部的にコロ20a,21aと軸受部が当たることを防止し、軸受部の偏摩耗による、コロ20a,21aの経時的な撓みを防止し、狙った位置で正確に折ることが可能となる。
また、搬送ローラ対14が用紙先端を第1もしくは第2の折りローラ対11,12に給送するときは前記コロ20a,21aが第1もしくは第2の下側折りローラ11b,12bに当接しないようにしたことにより、図4の用紙先端を偏向手段20,21によって折りローラ11b,12bにガイドするときコロ20a,21aは搬送方向に対し逆方向に回転することはないので、コロ20a,21aの抵抗を小さくし、用紙先端が折りローラ11b,12bへ進入するときのタイミングのばらつきを小さくし、1回目の折り位置のばらつきを小さくできる。
また、偏向手段20,21の移動軌跡が円弧状であることから、偏向手段20,21を折りローラニップ近傍で当接させることができ、図15のように用紙のループを折りローラ11,12近傍で形成することが可能となり、結果形成されたループの半径も小さくすることができる。これにより、ループの折りローラニップに進入するときの抵抗を小さくし、用紙と下側折りローラ11b,12bとのスリップをより小さくし、狙った位置で正確に折ることが可能となる。
また、前記偏向手段20,21が用紙に一定の張力を与えながら、用紙Pを折る側の折りローラ対の下側折りローラ11b,12bに当接させ、搬送して折り込むことにより、図15のように用紙のループを折りローラ11,12近傍で形成することができ、結果形成されたループの半径も小さくすることが可能となる。これにより、ループの折りローラニップに進入するときの抵抗を小さくし、用紙と下側折りローラとのスリップをより小さくし、狙った位置で正確に折ることができる。
また、繰り返し折ったときでも図16及び図17のように用紙束の膨らみをできるだけ小さくし、折り回数が増えた場合、用紙ループ形成のばらつきを小さくし、狙った位置で正確に折ることが可能となる。さらに、用紙に一定の張力を与え用紙のたるみを取り除き、狙った位置を正確に折りローラ対の下側折りローラに当接させることにより狙った位置で正確に折ることができる。
また、偏向手段20,21の用紙に一定の張力を与える機構が偏向手段駆動部であることにより、偏向手段動作力が常に一定に保たれることにより、図15及び図17にあるコロ加圧力Fが安定し、狙った位置で正確に折ることが可能となる。
また、偏向手段20,21の移動速度が用紙のたるみ移動速度以上であることより、偏向手段20,21の動作タイミング、位置制御を正確に行わずとも、偏向手段20,21の先端を用紙Pに当接させて一定の張力を与え用紙のたるみを取り除き、狙った位置を正確に折ってローラ対の下側折りローラ11b,12bに当接させることができる。これにより狙った位置で正確に折ることが可能となり、偏向手段20,21nの動作タイミング、位置制御を不要または簡素化することができる。
さらに、前記偏向手段20,21の動作前の偏向手段先端と用紙に隙間がないので、偏向手段動作時に偏向手段先端と用紙に衝撃を与える接触が発生しない。これにより、用紙に破れ等のダメージを与えることなく狙った位置で正確に折ることが可能となる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
偏向手段20,21はそれぞれ下折りローラ11b,12bに当接するよう円弧状の軌跡を有し、駆動ギヤ22,23により、偏向手段20,21が回転駆動される。用紙先端はこの偏向手段20,21により折りローラ対11,12近傍に案内され、折りローラ対11,12のニップに進入する。このとき偏向手段20,21のどちらを動かすかにより、折りローラ対11,12どちらのニップに用紙先端を進入させるかを選択する。ここでは右側の折りローラ対12に案内する偏向手段20を右偏向手段、左側の折りローラ対11に案内する偏向手段21を左偏向手段とする。さらに、この偏向手段20,21は図22のように用紙折り時は偏向手段20,21が用紙の内側を折りローラ対11,12どちらのニップに案内する構成でもある。このとき、図20、図24及び図25に示すように偏向手段20,21の先端に構成された円弧形状部20h,21hがそれぞれ下折りローラ11b,12bの両端にストッパとして同軸上に構成された円筒状のカラー11c,12cに当接する。このとき下折りローラ11b,12bの半径よりカラー11c,12cの半径が用紙1枚の厚み以上大きく設定してある。従って円弧形状部20h,21hがそれぞれカラー11c,12cに当接したとき用紙1枚以上の隙間ができる。また、本実施例では下折りローラ11b,12b及びカラー11c,12cの材料は金属で下折りローラ11b,12bはウレタンコーティングされている。
偏向手段20,21自体は第1の実施形態における図9と同様であるが、両側板間先端には最大用紙幅以上の幅を有する円弧形状部20h,21hを有し、円弧形状部20h,21hは用紙間の摩擦係数より円弧形状部20h,21hと用紙間の摩擦係数より低く設定するためフッ素系樹脂コーティングされている。すなわち、本実施形態では、第1の実施形態におけるコロ21aに代えて板金の先端をR形状として簡略化している。その際、図26(a)に示すように板金で一体化した部品形状21jとし、さらに先端の半径Rを小さくするために、図26(b)に示すように例えば板金の板厚が1mmの場合、先端半径Rを1mmになるよう先端部を曲げ返した部品形状21kとすることもできる。このように板金によって先端Rと案内板21dを一体化することによりコストダウンとなり、さらに先端部を曲げ返すことにより、先端半径Rを板厚まで小さくすることができる。これにより、折りローラ対11,12いずれかのニップのより近くまで用紙を案内することができ、折り位置のばらつきを小さくすることが可能となる。
本実施形態における紙折り装置1の一連の紙折り動作は第1の実施形態における図13及び図14のフローチャートの手順と同様であるが、本実施形態では、円筒状のカラー11c,12cを備えていることから細部で若干異なっている点がある。そこで、主に異なっている点について説明する。
まず、図12の本体操作部201より紙折りありの信号が入力されると、その信号が本体制御基板202を経由して紙折りコントローラ100に送られる。その場合、紙折り装置1側では、図13のフローチャートがスタートし、図8の搬送モータ52がONし、図20の搬送ローラ対14が矢印方向に回転をはじめる(ステップS0)。次に本体より用紙が送られ用紙先端が先端検知センサ15を通過し、先端検知センサ15のON信号が紙折りコントローラ100に入力される(ステップS1)。次に本体操作部201より入力された紙折り種類の信号が最初の用紙搬送が右側の折りローラ12に入れる紙折り種類であるかどうかが判断される(ステップS2)。図8の折りモータ30がONし、図20の矢印方向(ここでは正転とする)に回転する(ステップS3)。次に図8の偏向手段右モータ43がONし、図20の右偏向手段20が実線位置から破線位置に向かって移動を開始する(このときの回転方向を正転とする)(ステップS4)。
このとき偏向手段右HPセンサ24がOFFし(ステップS5)、右偏向手段20が実線位置から破線位置に達する駆動時間T1秒後、偏向手段右モータ43がOFFする(ステップS6)。このとき図20に示すように右偏向手段20の先端の円弧形状部20hと下折りローラ12b両端のカラー12cと当接し、用紙1枚の厚み以上の隙間がある状態で右偏向手段20を停止させる。この状態で図20に示すように用紙Pの先端は右側の折りローラ対12のニップに進入し、折り幅右検知センサ17がONする(ステップS7)。その後、右偏向手段20を待機位置に戻すため、偏向手段右モータ43が逆転方向にONし(ステップS8)、偏向手段右HPセンサ24がONし(ステップS9)、偏向手段右モータ43がOFFし(ステップS9)、右偏向手段20は図4の実線位置の待機状態に戻る。
次に用紙先端が右側の折りローラ対12に進入後、次の折りがあるかないかの判断を行い(ステップS11)、次の折りがある場合について説明する。折り幅右検知センサ17がONしてからT4秒後、折りモータ30がOFF停止し(ステップS12)、今度は用紙の内側を左折りローラ対11のニップに案内するため、図8の偏向手段左モータ36がONし、図21の左偏向手段21が矢印方向に向かって移動を開始する(このときの回転方向を正転とする)(ステップS13)。このとき偏向手段左HPセンサ25がOFFする(ステップS14)。
左偏向手段21の動作と同時に図21に示すように先端検知センサ15がONしてからT3秒後、折りモータが逆転方向にONする(ステップS15)。このとき用紙のたるむスピードより左偏向手段21の移動速度の方を速く設定しているので、図21において破線で示すように用紙のたるみがなくなり、用紙と左偏向手段21の先端の円弧形状部21hが当接する。このとき左偏向手段21の移動速度は用紙のたるむスピード以上に速くできないので、左偏向手段21は用紙のたるむスピード以上の速度で移動できなくなる。その結果、図8のトルクリミッタ42bに負荷がかかり、トルクリミッタ42bと駆動プーリ42aの間でトルクを発生させながら滑り始める。従って、トルクリミッタ42bの空転トルク分、用紙に対し左偏向手段21の先端の円弧形状部21hが張力を与え、用紙が張った状態を保ちながら移動し、図22に示すように左偏向手段21の先端の円弧形状部21hは用紙を左側の下折りローラ11bにガイドしながら下折りローラ11bの両端のカラー11cに当接する。さらに図27のように用紙Pはさらに一点鎖線のようにたるんでループが形成され、ループの頂点が図27のように矢印方向に回転する左折りローラ対11のニップにくわえ込まれ、用紙Pは左側に折られる。用紙Pはさらに送られ続け、折られた用紙Pの先端は折り幅左センサ16に達しONする(ステップS16)。その後、左偏向手段21を待機位置に戻すため、偏向手段左モータ36を停止させ(ステップS17)、さらに逆転方向にONし(ステップS18)、偏向手段左HPセンサ25がONし(ステップS9)、偏向手段左モータ43がOFFし(ステップS20)、右偏向手段21は図20の実線位置の待機状態に戻り、これで1回目折りが終了する。
もし、ステップS11の次の折りがあるかないかの判断で、折りがない場合は排紙方向が左折りローラ対側にあるため、一度スイッチバックしてから排出することになり、右折りローラ対12が用紙を搬送した状態で用紙後端が先端検知センサ15を抜けOFFすると折りモータ30がOFF停止し(ステップS22)、今度は折りモータ30を逆転し(ステップS23)、用紙後端を左折りローラ対11に向けて搬送させ排出動作フローCに入る。
また、ステップS2の最初の用紙搬送が右側の折りローラ12に入れる紙折り種類であるかどうかの判断で左側の折りローラ11に入れる紙折り種類である場合は、右側の折りローラ12に入れる場合と左右逆の違いでS24〜S42まで同様に動かす。ただし、S32の次の折りがあるかないかの判断で、折りがない場合は排紙方向が左折りローラ対側にあり、一度スイッチバックしてから排出する必要がないため、そのまま排出動作フローCに入る。
ここで、繰り返し折りがあるかないかの判断を行い(ステップS21,S42)、1回目折りが左側である場合で繰り返し折りがあるときは右側の繰り返し折りのフローBに入り、繰り返し折りがない場合は、一度スイッチバックしてから排出する必要がないため、そのまま排出動作フローCに入る。
また、1回目折りが右側である場合で繰り返し折りがあるときは左側の繰り返し折りのフローAに入り、繰り返し折りがない場合は、一度スイッチバックしてから排出する必要があるため、右折りローラ対12が用紙を搬送した状態で用紙後端が先端検知センサ15を抜けOFFすると折りモータ30がOFFして停止し(ステップS43)、今度は折りモータ30を逆転し(ステップS44)、用紙後端を左折りローラ対11に向けて搬送させ排出動作フローCに入る。
繰り返し折りのフローA、Bの場合では、左折りのフローAでは1回目折りのフローS12〜S21とほぼ同一でS48の折りモータ30を逆転させるタイミングが繰り返し折りの場合、折り幅右検知センサ17がONしてからT6秒後に逆転させている。同様に右折りのフローBでは1回目折りのフローS33〜S42とほぼ同一でS58の折りモータ30を正転させるタイミングが繰り返し折りの場合、折り幅右検知センサ16がONしてからT6秒後に逆転させている(図23参照)。その後のさらに繰り返し折りがある場合は、フローA、Bを繰り返し、最終折りが右側の場合は、排紙方向が左折りローラ対側にあるため、一度スイッチバックしてから排出することになり、右折りローラ対12が用紙を搬送した状態で用紙後端が先端検知センサ15を抜けOFFすると折りモータ30がOFF停止し(ステップS65)、今度は折りモータ30を逆転し(ステップS66)、用紙後端を左折りローラ対11に向けて搬送させ排出動作フローCに入る。最終折りが左側の場合は、そのまま排出動作フローCに入る。
最後に排出動作フローCで用紙後端が折り幅左検知センサ16を通過し、折り幅左検知センサ16がOFF(ステップS67)した後、折りモータ30を停止させ(ステップS68)搬送モータ52を停止させ(ステップS69)排出が完了する。
このように用紙を右折り、左折りと繰り返し折りを重ねると用紙は折られた束となり、折りローラ対11,12にニップされ搬送される。このような用紙束の状態では図27及び図28(この図の場合は左折りローラ対11にくわえ込まれる場合)のように用紙がループを形成し、折りローラ対11,12にニップに進入する。用紙が繰り返し折られると折られた用紙の折り目の度合いにより用紙束は膨らみ図28では用紙束の厚みはTの状態である。用紙束の厚みTは折りにより用紙2枚以上の厚みがあるため、当然円弧形状部20h,21hと下折りローラ11b,12bの両端のカラー11c,12cとはそれぞれ当接することはない。従って、この用紙束が左折りローラ対11に進入時は偏向手段21の先端円弧形状部21hが図29のようにトルクリミッタ42bの空転トルク分の加圧力Fを与えながら用紙束を下折りローラ11bに当接させるため、用紙束の厚みは束の膨らみがつぶされ用紙自身の厚みを積み重ねた厚さに近い厚みT’となる。この状態から用紙Pが一点鎖線のようにループを形成し、矢印方向に回転する左折りローラ対11にニップに進入し、くわえ込まれ、用紙が左側に折られる。
次に第2の実施形態の変形例について説明する。この変形例は、第2の実施形態における偏向手段20,21に図30のように板バネ21m(図30は左折りローラ対11にくわえ込みの状態を示すものであることから、右折りローラ対12側の板バネ20mは図示されていない)を設けたものである。さらに円弧形状部20h,21hが下折りローラ11b,12bの両端のカラー11c,12cもしくは用紙とそれぞれ当接するとき、板バネ20m、21mは用紙を折りローラ対11,12の上側折りローラ11a,12aにそれぞれ当接する構成となっている。その他の各部は、第2の実施形態と同一である。
なお、本実施形態では図3のように繰り返しジャバラ状に折られた用紙を排出ローラ19によりトレイ13にスタックするが、ジャバラ状に折られた用紙をさらにクロス状に折り、あるサイズに縦横折るフォルダーに用いる場合でも同様で、フォルダーのクロス折り機構に本実施形態を用いることも可能である。
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
以上のように本実施形態によれば偏向手段20,21が用紙を折る側の前記折りローラ対11,12の下側折りローラ11b,12bに対し、用紙1枚分以上の隙間を有し、折る用紙を支持し、折り回数が増えると用紙Pを前記折りローラ対の下側折りローラ対11b,12bに前記偏向手段20,21が当接し前記折りローラ対11,12に用紙を案内することにより、図27に示すように用紙Pのループを折りローラ近傍で形成することができ、結果形成されたループの半径も小さくすることができるので、ループの折りローラニップに進入するときの抵抗を小さくし、用紙Pと下側折りローラ11b,12bとのスリップをより小さくし、狙った位置で正確に折ることが可能となる。また繰り返し折ったときでも図28及び図29に示すように用紙束の膨らみをできるだけ小さくし、折り回数が増えた場合、用紙ループ形成のばらつきを小さくし、狙った位置で正確に折ることができる。
また偏向手段20,21が前記折りローラ対11,12の下側折りローラ11b,12bに対し、用紙1枚分以上の隙間を有するためのストッパ(円筒状のカラー11c,12c)を有するので、用紙が1枚分の厚さのとき、図27に示すようにストッパと前記偏向手段が当接するため、前記折りローラ11,12と前記偏向手段20,21が直接当接することなく、前記偏向手段20,21が前記折りローラ11,12に接触し、前記偏向手段20,21が前記折りローラ11,12に持っていかれ、機械が破損することがない。これにより、安全な折り装置を供給することができる。
また、図28、図29に示すように用紙が1折りの場合でも、前記ストッパと前記偏向手段の隙間が用紙1枚分以上あるため、当接する用紙束の膨らみをできるだけ小さくし、折り回数が増えた場合、用紙ループ形成のばらつきを小さくし、狙った位置で正確に折ることができる。
また、偏向手段20,21の先端が固定された円弧形状を有することにより、図27に示すように用紙のループを折りローラ近傍で形成することができ、狙った位置で正確に折ることができる。また、強度的にも偏向手段全体の強度で下側折りローラに当接するため、前記偏向手段の撓みも小さくでき、均一な圧力で用紙を前記下側折りローラに当接させることが可能となり、皺等の発生を防止できる。
また、偏向手段20,21の先端の円弧形状表面の摩擦係数を紙と紙同士の摩擦係数以下に設定することにより、図29のように複数回折りで、用紙束を前記偏向手段20,21が下側折りローラ11b,12bに当接するとき、用紙束の用紙と用紙の間で滑るのではなく、用紙と偏向手段の間で滑るため、用紙束ずれを防止し、狙った位置で正確に折ることができる。
また、偏向手段20,21の先端の円弧形状表面をフッ素系樹脂コーティングすることにより、さらに円弧形状表面の摩擦係数を小さくでき、狙った位置でより正確に折ることが可能となる。その際、板金によって先端Rと案内板21dを一体化することによりコストダウンとなり、さらに先端部を曲げ返すことにより、先端半径Rを板厚まで小さくすることができる。これにより、折りローラ対11,12いずれかのニップのより近くまで用紙を案内することができ、折り位置のばらつきを小さくすることが可能となる。
また、第1及び第2の折りローラ11,12が及び前記カラー11c,12cが同一材料もしくは同種材料であることにより、使用環境下での温度変化に対し、折りローラ11,12及び前記カラー11c,12cが膨張、縮小したとしても、同じ変化量が同じであるため、前記用紙1枚分以上の隙間は変化せず、機械が破損することがなく安全な紙折り装置を提供することができる。
また、第1及び第2の折りローラ11,12がウレタンコーティングされた金属ローラであり、前記カラー11c,12cが金属コロであることにより、前記折りローラ11,12の摩擦係数を確保し、狙った位置で正確に折ることが可能となり、かつ、用紙1枚分以上の隙間は変化しないので、機械が破損することがなく、安全な紙折り装置を提供することができる。
また、偏向手段20,21に第1もしくは第2の折りローラ11,12の上側折りローラ11a,12aに用紙を当接する加圧手段を備えているので、用紙と前記上側折りローラ11a,12aとの搬送力を確保し、スリップを防止することができる。これにより、より狙った位置で正確に折ることができる。
また、第1もしくは第2の折りローラ11,12の上側折りローラ11a,12aに用紙を当接する加圧手段が板バネ20mであることにより、用紙の先端進入時のカイド機能を持たせかつ用紙と前記上側折りローラとの搬送力を確保できるので安定した搬送性能を発揮できる。
<第3の実施形態>
以下、第3の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
図31及び図32は第3の実施形態に係る紙折り装置の偏向手段の調整動作を示す説明図である。ここでは左偏向手段21を使って説明する。
左偏向手段21の両端のギヤ部21b’には駆動ギヤ23a,23bがそれぞれ噛合している。駆動ギヤ23a,23bは1本の駆動軸54に共に固定され駆動されるため、駆動軸54が回転する分、駆動軸54と平行に左偏向手段21が移動することになる。駆動軸54は駆動プーリ42a、駆動プーリ40、駆動ベルト41、軸39、駆動プーリ55、駆動ベルト37、偏向手段左モータ36と連結され(図8参照)、偏向手段左モータ36の回転により左偏向手段21を移動させる。ここで、左偏向手段21の両端ギヤ部21b’の一方に噛合する駆動ギヤ23bはもう一方の駆動ギヤ23aと回転方向で位置調整が可能となっており、駆動ギヤ23bを駆動ギヤ23aに対し矢印A方向に回転調整すると偏向手段先端奥側21gは矢印a方向に調整される。このとき、偏向手段先端手前側21f移動は発生しない。
同様に図32では、左偏向手段21の手前側ギヤ部21jには駆動ギヤ27aが、奥側ギヤ部21kには駆動ギヤ27bがそれぞれ噛合している。駆動ギヤ27a,27bはそれぞれ異なる駆動軸54a,54bに固定されて駆動するため、駆動軸54a,54bが回転する分、左偏向手段21が移動することになる。また、偏向手段先端手前側21f、偏向手段先端奥側21gの相対的位置はそれぞれの駆動により変化する。両端の駆動ギヤ27a,27bはそれぞれ駆動プーリ28a,28b、駆動プーリ40a,40b、駆動ベルト41a,41b、軸39a,39b、駆動プーリ55a,55b、駆動ベルト37a,37b、偏向手段左モータ36a,36bと連結され、偏向手段左モータ36a,36bの回転により左偏向手段21を移動させる。さらに、偏向手段21の端部には遮光板21d,21eが設けられ、折りローラ先端21aが折りローラ対11の下折りローラ11bに当接した位置で偏向手段左位置センサ26a,26bを遮光し、折りローラ当接位置を検出する。偏向手段左モータ36a,36bは偏向手段左位置センサ26a,26bの情報に基づいて回転量が制御され、偏向手段先端手前側21e、偏向手段先端奥側21fの相対的位置が等しくなるよう調整する。
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
以上のように本実施形態によれば、偏向手段20,21の偏向手段先端両側の相対位置が調整可能なので、偏向手段両端部の移動量を等しくできるのみならず、偏向手段先端部を当接させる折りローラ対11,12の下側折りローラ11b,12bと偏向手段先端の相対位置も平行にすることができる。これにより偏向手段先端部の用紙への片当たりによるスキューや折りずれを防止することが可能となる。その結果、コロ加圧力Fが安定し、より正確に狙った位置で折ることができる。
また、偏向手段20,21の両端駆動部が異なる駆動源により駆動され、偏向手段先端両側の相対位置をセンサ26a,26bにより検出し、異なる駆動源により相対位置調整を行うことができるので、紙折り機動作中に偏向手段両端部の移動量を等しくする調整、偏向手段先端両側の相対位置調整、偏向手段先端部を当接させる折りローラ対の下側折りローラとの相対位置関係調整が可能となり、用紙種類、折り回数によらず、常に偏向手段先端部の用紙への片当たりによるスキューや折りずれを防止することができる。これにより、コロ加圧力Fが安定し、より正確に狙った位置で折ることができる。
<第4の実施形態>
以下、第4の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
本実施形態は、前記紙折り部3でジャバラ状に折られた用紙をさらにジャバラ折りとは直交する方向に再度ジャバラ状に折るクロス部を備えたシート処理装置に関するものである。このようなクロス部を備えたシート処理装置では、ジャバラ折りされた用紙をさらに折ることから、折りローラ対11a,11bのニップに用紙先端が挿入される際、図33(特に丸印部分を拡大した図)に示すようにくさび状にずれてしまうことがあり、このようなずれが生じると、用紙の外側の長さと内側の長さで差が発生し、その長さの差により次の折りで折り目がきれいに折れず、箱形に折れてしまったりΣ型に折れてしまったりすることがある。本実施形態は、このような現象に対処するためのものである。
本実施形態に係るシステムも第1の実施形態と同様に複写機本体200の背面側に紙折り装置1が連結されたものである。本実施形態に係る紙折り装置1は、図34に示すように連結部1aから搬入された用紙の端面を折る端面折り部2、端面折り部2の搬送方向下流側に配置され、用紙をジャバラ状に折る紙折り部3、ジャバラ状に折られた用紙の搬送方向を切り換える搬送切換部71、搬送方向が切り換えられた用紙を折るクロス折り部72、クロス折り部72でA4の大きさに折られた用紙を表裏反転させる反転部73、さらに反転された用紙を回転させる回転部74、及びトレイ75から主に構成されている。また、紙折り装置1は第2の用紙搬入口としての手差し台76を構成する手差し部77を有し、複写機装置本体200を通さず(オフライン)に用紙を挿入し、折り処理を行うことも可能である。また、複写機装置本体200から搬入された用紙に対して折り処理を行うオンライン操作は複写機装置本体200に設けられた操作部220から行い、紙折り装置1の手差し部77から挿入された用紙に対して折り処理を行うオフライン操作は紙折り装置1に設けられた操作部78から行う。
前記オンライン操作では、前記操作部220に用紙のサイズ、折りの種類等を設定する。次に画像読取装置205の下部に設けられた手差し給紙台208に用紙をセットする。この用紙はレジストローラ207により一旦停止され、タイミングをとって作像ユニット206に供給される。作像ユニット206は、図示しない感光体に画像データに対応した潜像が形成され、この潜像がトナーにより現像され、このトナーが用紙に転写され、定着装置210により定着される公知のものである。定着装置210でトナーが定着された記録済用紙は記録済用紙排出ロール211により、紙折りを行う場合は紙折り機1へ排出される。紙折りを行わない場合は、図示しない切換爪に導かれ、上排紙ローラ209により本体胴内へ排出される。
用紙を折る場合は記録済用紙排出ロール211により用紙は紙折り機1に送られ、連結部1aを通り端面折り部2に送られる。用紙端面を折る場合は、端面折り部2で用紙先端の端面が折られる。このとき端面折り部2は搬送しながら用紙端面を折る。端面折り部2で用紙先端の端面が折られた用紙は、紙折り部3で搬送方向にジャバラ状に折られ、搬送切換部71に送られる。搬送切換部71に送られたジャバラ状に折られた用紙は図34のA方向矢視図である図35に示すようにスキュー補正部71aでスキュー補正が行われ、穿孔が必要な場合はジャバラ状に折られた用紙をパンチ71bで穿孔し、クロス折り部72に用紙を送る。
クロス折り部72に送られたジャバラ状に折られた用紙はジャバラ折りの折り方向と直交する方向に再度ジャバラ状に折り、A4サイズの大きさに折り込む。この折り機構は基本的には、下側折りローラ72a,72bに設けられたベルト72cを除いて第1の実施形態と同等である。そのため、下側折りローラ72a,72bは下側折りローラ11b,12bに、上側折りローラ72d,72eは上側折りローラ11a,12aにそれぞれ対応する。すなわち、これらの折りローラ72a,72b,72d,73eは第1の実施形態における折りローラ対11,12と同等であり、加圧側の折りローラ72a,72bにはテンションローラ72fによって加圧された状態でベルト72cが巻き付けられている。
A4サイズに折られた用紙はトレイ75に排出したときに転写面が下になるように、折り種類によっては用紙を反転部7により反転し、さらに、トレイ75に排出したときに図面の向きが揃うように、かつ、折り種類で用紙が図面等向き同一になるように回転部74で左右90°回転し、前記向きが揃った用紙をトレイ9に排出する。
前記オフライン操作では、手差し台76上のサイドフェンス15を折り対象となる用紙の幅に図35に示すサイドフェンス79を合わせ、手差し台76にセットした用紙を図29の矢印方向に挿入する。すると用紙サイズセンサ81により用紙を検知し、所定のタイミングで手差し搬送ローラ対80が回転し、用紙Pをくわえ込んで一端停止する。一方、ユーザは操作部78に用紙のサイズ、折りの種類等を設定し、スタートボタンを押す。すると手差し搬送ローラ対80が再度回転し、用紙Pが矢印方向に搬送され、端面折り部2に用紙Pが送られる。以降はオンライン操作と同様である。
その他、特に説明しない各部は前述の第1の実施形態と同等に構成され、同等に機能する。
このように下側折りローラ72a,72bに折りベルト72cを巻き付けると、用紙束先端が折りベルト11eに当接したときの抵抗を小さくし、くさび状にずれることを防止できる。従ってジャバラ折りされた用紙の先端部が箱形に折れてしまったりΣ型に折れることを最小限に抑えることができる。
<第5の実施形態>
以下、第5の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は適宜省略する。
本実施形態は、1面目の折り幅を自動調整するシート処理装置に関するものである。図36に示すようにジャバラ折りする際に用紙先端が右折りローラ12a,12bのニップに進入し先端検知センサ17がONする時間Taは、用紙のカール方向、用紙束の厚み等により変動する。従って、折り幅右検知センサ17から用紙先端の停止位置までの長さlがばらつき、その長さlのばらつきが直接次の折り位置の長さに影響する。そこで、本実施形態では、用紙先端が右折りローラ12a,12bのニップに進入し、折り幅右検知センサ17がONする時間Taを測定し、折りモータ30がOFF停止するタイミングT4を測定された時間Taに基づいて補正することにより、折り幅右検知センサ17から用紙先端の停止位置までの長さlを一定にするようにした。
このときの処理手順を図37のフローチャートに示す。このフローチャートでは、図13に示した第1の実施形態におけるステップS1、ステップS7、ステップS28が異なるだけなので、異なる点について重点的に説明し、重複する説明は適宜省略する。
図37において、図12の本体操作部201より紙折りありの信号が入力されると、その信号が本体制御基板202を経由して、紙折りコントローラ100に送られる。その場合、紙折り装置1側では、図37のフローチャートがスタートし、図8の搬送モータ52がONし、図4の搬送ローラ対14が矢印方向に回転をはじめる(ステップS0)。次に、複写機本体200から用紙が送られ、用紙先端が先端検知センサ15を通過し、先端検知センサ15のON信号が紙折りコントローラ100に入力される。このとき、長さ補正タイマTaがスタートし、計測開始する。(ステップS1′)。次に図12の本体操作部201より入力された紙折り種類の信号により最初の用紙搬送が右側の折りローラ12に入れる紙折り種類であるかどうかが判断される(ステップS2)。右側の折りローラ12に入れる紙折り種類であれば、図8の折りモータ30がONし、図4の矢印方向(ここでは正転とする)に回転を開始し(ステップS3)、図8の偏向手段右モータ43がONし、図4の右偏向手段20が実線位置から破線位置に向かって移動を開始する(このときの回転方向を正転とする)(ステップS4)。
このとき偏向手段右HPセンサ24がOFFし(ステップS5)、右偏向手段20が実線位置から破線位置に達する駆動時間T1秒後、偏向手段右モータ43がOFFする(ステップS6)。このとき図4のように右偏向手段20の先端のコロ20aと下折りローラ12bとは当接せず、若干の隙間がある状態で右偏向手段20を停止させる。この状態で図4のように用紙Pの先端は右側の折りローラ対12のニップに進入し、折り幅右検知センサ17がONする。このときステップS1の長さ補正タイマTaをストップする(ステップS7′)。さらに先端検知センサ14ONから折り幅右センサ17ONまでの理想時間をTAとすると、折りモータ30がOFF停止するタイミングT4は、
T4 ← T4 + (TA − Ta)
に補正される。
その後、右偏向手段20を待機位置に戻すため、偏向手段右モータ43が逆転方向にONし(ステップS8)、偏向手段右HPセンサ24がONし(ステップS9)、偏向手段右モータ43がOFFし(ステップS10)、右偏向手段20は図4の実線位置の待機状態に戻る。以下、ステップS11以降の処理を実行する。
一方、ステップS2で最初の用紙搬送が右側折りローラ12に入れる紙折り種類でなければ、ステップS24に移行し、ステップS28′、ステップS28′−1で左側の偏向手段21に対して前記ステップS7′、S7′−1と同様の処理を行ってT4を補正し、ステップS29以降の処理を実行する。
その他の各ステップは前述の図12の処理手順と同一に処理される。
このように処理すると、用紙先端が右折りローラ12a,12bのニップに進入し、先端検知センサ17がONする時間Taを測定し、折りモータ30がOFF停止するタイミングT4を測定されたTaに基づいて補正することにより、先端検知センサ17から用紙先端の停止位置までの長さlが一定になる。つまり、第1面の折り幅のばらつきを小さくできる。この動作は折り目が重ならない上記第1面折りの他に第2面についても行うことが同様にできることは言うまでもない。なお、左折りローラ11a,11bについても同様である。
なお、これまでに述べた紙折り装置1は複写機本体200から出力された画像形成済みの用紙(記録シート)を折るものであるが、複写機自体は画像読取装置を備えた画像形成装置であることから、読み取った画像を記録用紙に印字して出力する機能があればよい。従って、画像形成装置(複写機の画像形成部)としては、例えば電子写真方式の画像形成装置やインクジェット方式の画像形成装置など、公知の方式もしくは構成の画像形成装置を使用することができる。