JP5100441B2 - 非水電解質電池 - Google Patents

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Description

本発明は、非水電解質電池に関する。
従来のリチウムイオン二次電池に代表される非水電解質電池の集電体として用いられるアルミニウム箔には圧延時の圧延油が残留している。集電体であるアルミニウム箔が電極層形成領域と電極層未形成領域を有し、電極層未形成領域をリード取出し部に用いる構造において、圧延油がアルミニウム箔の電極層未形成領域に残留すると、濡れ性が低いために、リード取出し部にリードを溶接する際の溶接性を低下させる。溶接性の低下は、リードと集電体の接触抵抗を増大させて大電流特性の障害になる。
特許文献1には、集電体であるアルミニウム箔の残留圧延油を除去し、電極塗工スラリーとアルミニウム箔の濡れ性を改善することが開示されている。
特開2005−50679号公報
しかしながら、集電体であるアルミニウム箔が前述したように電極層形成領域と電極層未形成領域を有し、電極層未形成領域をリード取出し部に用いる構造において、特許文献1のように電極塗工スラリーとアルミニウム箔との濡れ性を高めると、本来、電極層未形成領域となる部分にまで電極塗工スラリーが流れ込む。その結果、電極層未形成領域(リード取出し部)に流れ込んだ塗工剤の脱落に起因して短絡またはリード取出し部の抵抗増加を生じる虞がある。
本発明は、塗工剤の脱落に起因する短絡またはリード取出し部の抵抗増大を招くことなく、リード取出し部とリードとの溶接接続性を向上した非水電解質電池を提供することを目的とする。
本発明の第1態様によると、外装材;
前記外装材内に収納され、複数の正極、複数の負極およびこれら正極、負極間に介在されるセパレータを積層した構造の電極群;
前記複数の正極に接続された正極リード;
前記複数の負極に接続された負極リード;
前記外装材に収容された非水電解質
を備え、
前記各正極は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、集電体本体およびこの本体から一体的に突出したリード取出し部を有する集電体と、この集電体本体の片面もしくは両面に形成された正極活物質を含む正極層とを有し、各リード取出し部が溶接により互いに接合して束ねられ、
前記各正極のリード取出し部は、20℃の水に対する接触角が45°以下、前記集電体本体は20℃の水に対する接触角が45°を超え、
前記正極リードは、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、前記束ねられた複数の正極のリード取出し部に溶接により接続され、
前記各負極は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、集電体本体およびこの本体から一体的に突出したリード取出し部を有する集電体と、この集電体本体の片面もしくは両面に形成された負極活物質を含む負極層とを有し、各リード取出し部が溶接により互いに接合して束ねられ、
前記各負極のリード取出し部は、20℃の水に対する接触角が45°以下、前記集電体本体は20℃の水に対する接触角が45°を超え、かつ
前記負極リードは、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、前記束ねられた複数の負極のリード取出し部に溶接により接続されることを特徴とする非水電解質電池が提供される。
本発明の第2態様によると、外装材;
前記外装材内に収納され、正極、複数の負極およびこれら正極、負極間に介在されるセパレータを渦巻状に捲回した構造の電極群;
前記正極に接続された正極リード;
前記負極に接続された負極リード;
前記外装材に収容された非水電解質
を備え、
前記正極は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、帯状の集電体本体およびこの集電体本体から一体的に突出した複数のリード取出し部を有する集電体と、この帯状の集電体本体の片面もしくは両面に形成された正極活物質を含む正極層とを備え、各リード取出し部が溶接により互いに接合して束ねられ、
前記正極の各リード取出し部は、20℃の水に対する接触角が45°以下、前記集電体本体は20℃の水に対する接触角が45°を超え、
前記正極リードは、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、前記正極の束ねられた複数のリード取出し部に溶接により接続され、
前記負極は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、帯状の集電体本体およびこの集電体本体から一体的に突出した複数のリード取出し部を有する集電体と、この帯状の集電体本体の片面もしくは両面に形成された負極活物質を含む負極層とを備え、各リード取出し部が溶接により互いに接合して束ねられ、
前記負極の各リード取出し部は、20℃の水に対する接触角が45°以下、前記集電体本体は20℃の水に対する接触角が45°を超え、かつ
前記負極リードは、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、前記負極の束ねられた複数のリード取出し部に溶接により接続されることを特徴とする非水電解質電池が提供される。
本発明の第3態様によると、外装材;
前記外装材内に収納され、正極、複数の負極およびこれら正極、負極間に介在されるセパレータを渦巻状に捲回した構造の電極群;
前記正極に接続された正極リード;
前記負極に接続された負極リード;
前記外装材に収容された非水電解質
を備え、
前記正極は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、帯状の集電体本体およびこの集電体本体の長手方向に沿う側面に一体的に形成された帯状のリード取出し部を有する集電体と、この帯状の集電体本体の片面もしくは両面に形成された正極活物質を含む正極層とを備え、前記リード取り出し部が前記電極群の一方の渦巻状面に渦巻状に突出し、
前記正極のリード取出し部は、20℃の水に対する接触角が45°以下、前記集電体本体は20℃の水に対する接触角が45°を超え、
前記正極リードは、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、前記正極の渦巻状に突出したリード取出し部の複数個所に溶接により接続され、かつ溶接により互いに接合して束ねられた複数の中間リードと、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、束ねられた中間リードに溶接により接続された主リードとを備え、
前記負極は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、帯状の集電体本体およびこの集電体本体の長手方向に沿い前記正極のリード取出し部と反対側の側面に一体的に形成された帯状のリード取出し部を有する集電体と、この帯状の集電体本体の片面もしくは両面に形成された負極活物質を含む負極層とを備え、前記リード取り出し部が前記電極群の他方の渦巻状面に渦巻状に突出し、
前記負極のリード取出し部は、20℃の水に対する接触角が45°以下、前記集電体本体は20℃の水に対する接触角が45°を超え、
前記負極リードは、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、前記負極の渦巻状に突出したリード取出し部の複数個所に溶接により接続され、かつ溶接により互いに接合して束ねられた複数の中間リードと、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、束ねられた中間リードに溶接により接続された主リードとを備えることを特徴とする非水電解質電池が提供される。
本発明によれば、塗工剤の脱落に起因する短絡またはリード取出し部の抵抗増大を招くことなく、リード取出し部とリードとの溶接接続性を向上した大電流特性の優れた非水電解質電池を提供できる。
以下、本発明の実施形態に係る非水電解液電池を図面を参照して詳細に説明する。なお、各図は発明の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る非水電解質電池の断面図、図2の(A)は図1の非水電解質電池に組み込まれる正極の正面図、図2の(B)は図1の非水電解質電池に組み込まれる負極の正面図、図3は図1の非水電解質電池に組み込まれる電極群の斜視図である。
矩形外装材1は、例えば正極端子を兼ねる矩形(角形)金属缶(例えばアルミニウム缶)2と、この金属缶2の開口部に溶接により気密に取り付けられた例えばアルミニウムからなる蓋体3とから構成されている。ガス抜き穴4は、蓋体3の中心に開口されている。図示しない金属薄膜(例えばアルミニウム薄膜)は、ガス抜き穴4およびその近傍の蓋体3裏面に溶接等により取付けられ、外装材1内のガス圧が一定の値を超えると、破断してガスを外装材1の外部に逃散させる。矩形正極端子5は、ガス抜き穴4から例えば左側に位置する蓋体3に一体的に突起されている。断面T形の負極端子6は、ガス抜き穴4から例えば右側に位置する蓋体3の矩形絶縁リング7に嵌入して気密に固定されている。
矩形積層電極群8は外装材1の金属缶2内に収納されている。矩形電極群8は、複数の図2の(A)に示す正極9および複数の図2の(B)に示す負極10を図3に示すように九十九状に折り込んだセパレータ11の折り曲げ部に交互に挿入して積層し、セパレータ11の端部を矩形柱状の積層物の外周側面を覆うように巻装した構造を有する。このような矩形積層電極群8は、九十九状に折り込んだセパレータ11の面が上下端面になるように前記金属缶2内に挿入して収納される。
正極9は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金、(例えば純度99%以上のアルミニウム箔)、からなる集電体12を有する。集電体12は、矩形細長の集電体本体12aと、この集電体本体12aの例えば左上端の一部から一体的に突出したリード取出し部12bとから構成されている。正極活物質を含む正極層(図示せず)は集電体12の集電体本体12bの片面もしくは両面に形成されている。各正極9において、リード取出し部12bは20℃の水に対する接触角が45°以下、集電体本体12aは20℃の水に対する接触角が45°を超える性状を有する。各正極9は、九十九状に折り込んだセパレータ11の折り曲げ部に集電体12のリード取出し部12bが図3に示すように積層方向に配列されるように挿入されている。これらのリード取出し部12bは溶接により互いに接合して束ねられている。
負極10は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金、(例えば純度99%以上のアルミニウム箔)、からなる集電体13を有する。集電体13は、矩形細長の集電体本体13aと、この集電体本体13aの例えば右上端の一部から一体的に突出したリード取出し部13bとから構成されている。負極活物質を含む負極層(図示せず)は集電体13の集電体本体13bの片面もしくは両面に形成されている。各負極10において、リード取出し部13bは20℃の水に対する接触角が45°以下、集電体本体13aは20℃の水に対する接触角が45°を超える性状を有する。各負極10は、九十九状に折り込んだセパレータ11の折り曲げ部に集電体13のリード取出し部13bが図3に示すように積層方向に配列されるように挿入されている。これらのリード取出し部13bは溶接により互いに接合して束ねられている。
純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる正極リード14は、その下端が複数の正極9の束ねられたリード取出し部12bに溶接により接続され、他端が正極端子5直下の蓋体3下面に溶接により接続されている。
純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる負極リード15は、その下端が複数の負極10の束ねられたリード取出し部13bに溶接により接続され、他端が蓋体3下面に露出した負極端子6の下端面に溶接により接続されている。
なお、第1実施形態でのリード取出し部相互の接続およびリード取出し部とリードの接続等に用いられる溶接は、例えばレーザー溶接、抵抗溶接、超音波溶接が挙げられる。
以下、非水電解質電池の各部材について詳細に説明する。
1)正極
正極は、前述したように純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金から作られる集電体の集電体本体の片面もしくは両面に正極活物質、導電剤および結着剤を含む正極層を形成した構造を有する。
正極活物質は、種々の酸化物、硫化物等を用いることができる。例えば、二酸化マンガン(MnO2)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLixMn24またはLixMnO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLixNiO2)、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物{例えばLiNi1-y-zCoyz2(MはAl,CrおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)、0≦y≦0.5、0≦z≦0.1}、リチウムマンガンコバルト複合酸化物{例えばLiMn1-y-zCoyz2(MはAl,CrおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)、0≦y≦0.5、0≦z≦0.1}、リチウムマンガンニッケル複合化合物{例えばLiMnxNix1-2x2(MはCo,Cr,AlおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素、1/3≦x≦1/2;例えばLiMn1/3Ni1/3Co1/32、LiMn1/2Ni1/22}、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物(LixMn2-yNiy4)、オリビン構造を有するリチウムリン酸化物(LixFePO4、LixFe1-yMnyPO4、LixCoPO4など)、硫酸鉄(Fe2(SO43)、バナジウム酸化物(例えばV25)などが挙げられる。また、ポリアニリンやポリピロールなどの導電性ポリマー材料、ジスルフィド系ポリマー材料、イオウ(S)、フッ化カーボンなどの有機材料および無機材料も用いることができる。なお、前記化学式においてx、y、zについて規定がない場合は、それぞれ0以上1以下の範囲であることが好ましい。
より好ましい活物質は、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケルコバルト複合酸化物、リチウムマンガンニッケル複合化合物、スピネル型リチウムマンガンニッケル複合酸化物、リチウムマンガンコバルト複合酸化物、リチウムリン酸鉄が挙げられる。これらの活物質を用いることによって、高電圧の非水電解質電池を得ることができる。
導電剤は、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛、コークス等を用いることができる。
結着剤は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム等を用いることができる。
活物質、導電剤および結着剤の配合割合は、活物質80〜95重量%、導電剤3〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
集電体は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金の板(例えばアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔)から形成される。集電体は、特にJIS H 0001のアルミニウム箔が好ましい。このようなアルミニウム箔は、硬質で加工時の変形が小さいために、例えば正極およびセパレータと共に捲回して渦巻状の電極群を製作する際の変形を抑制して短絡等の歩留まり低下を低減することが可能になる。
アルミニウム箔およびアルミニウム合金箔の平均結晶粒径は50μm以下、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは5μm以下であることが望ましい。平均結晶粒径を50μm以下にすることによって、アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の強度を飛躍的に増大させることができるため、正極を高いプレス圧で高密度化することが可能になり、電池容量を増大させることができる。
平均結晶粒径は次のようにして求められる。集電体表面の組織を光学顕微鏡で組織観察し、1mm×1mm内に存在する結晶粒の数nを求める。このnを用いてS=1x106/n(μm2)から平均結晶粒子面積Sを求める。得られたSの値から下記(A)式により平均結晶粒子径d(μm)を算出する。
d=2(S/π)1/2 (A)
アルミニウム箔およびアルミニウム合金箔の平均結晶粒径は、材料組織、不純物、加工条件、熱処理履歴、ならびに焼鈍条件など複数の因子から複雑な影響を受けて変化する。結晶粒径は、集電体の製造工程の中で、前記諸因子を組合せて調整することが可能である。
アルミニウム箔およびアルミニウム合金箔の厚さは、20μm以下、より好ましくは15μm以下である。アルミニウム合金は、マグネシウム、亜鉛、ケイ素、などの元素を含む合金が好ましい。一方、前記合金中に鉄、銅、ニッケル、クロムなどの遷移金属を含む場合、その含有量は1重量%以下である。
正極の集電体において、集電体本体(正極層形成領域)は20℃の水に対する接触角が45°以下、リード取出し部(正極層未形成領域)は20℃の水に対する接触角が45°を超える性状を示す。
ここで、接触角は図12に示すように集電体であるアルミニウム箔(またはアルミニウム合金箔)61上に0.1mlの純水(温度20℃)を落とし、水滴62とアルミニウム箔61が接する接点P1と水滴62の頂点P2とを結んだ直線63を描き、この直線63とアルミニウム箔61面とのなす角度θBを測定し、この角度θBの2倍の角度をアルミニウム箔61面と水滴62の接線64とがなす角θA(接触角)を求めることができる。集電体のリード取出し部の接触角は、電池内から正極を取出し、正極から露出したリード取出し部を切り出して測定できる。一方、集電体の集電体本体の接触角は電池内から正極を取り出し、その正極層を除去した後の集電体本体から測定することができる。
集電体のリード取出し部の20℃の水に対する接触角は、30°以下、さらに好ましくは20°以下にすることが望ましい。集電体の集電体本体の20℃の水に対する接触角は60°以上、さらに好ましくは90°以上にすることが望ましい。
このような20℃の水に対する接触角が45°以下のリード取出し部および20℃の水に対する接触角が45°を超える集電体本体を有する集電体を備えた正極は、例えば次のような方法で作製することができる。
まず、正極活物質、結着剤および導電剤を適当な溶媒に懸濁させて塗工スラリーを調製する。この塗工スラリーを純度99%以上のアルミニウム箔または純度99%以上のアルミニウム合金箔からなる集電体のうちの集電体本体、すなわちリード取出し部を除く集電体の片面または両面に塗布し、乾燥して正極層を形成する。つづいて、正極層が形成された集電体を大気圧プラズマ装置のチャンバ内の例えばホルダに設置した後、高周波電力の供給により大気圧雰囲気のチャンバ内にプラズマを発生させる。このとき、集電体の露出したリード取出し部がプラズマに曝されてその表面の圧延油が除去される。
このような方法で得られた正極において、集電体のリード取出し部は圧延油の除去によって20℃の水に対する接触角が45°以下の性状、集電体の集電体本体は圧延油が残ったままで、20℃の水に対する接触角が45°を超える性状を示す。
3)負極
負極は、既述したように純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金から作られる集電体の集電体本体の片面もしくは両面に負極活物質、結着剤および必要により導電剤を含む負極層を形成した構造を有する。
負極活物質は、制限されないが、リチウムイオンを0.4V vs Li/Li+以上の電位で吸蔵放出するリチウム化合物が好ましい。
リチウム化合物は、例えばリチウム酸化物、リチウム硫化物、リチウム窒化物等を用いることができる。これらの中には、未充電状態ではリチウムを含まないが、充電によりリチウムを含むようになる化合物も含まれる。
リチウム酸化物は、例えばチタン含有金属複合酸化物、SnB0.40.63.1などのアモルファススズ酸化物、SnSiO3などのスズ珪素酸化物、SiOなどの酸化珪素、WO3などのタングステン酸化物等を用いることができる。中でも、チタン含有金属複合酸化物が好ましい。
チタン含有金属複合酸化物は、例えばリチウムチタン酸化物、酸化物の合成時はリチウムを含まないチタン系酸化物等を用いることができる。リチウムチタン酸化物は、例えばスピネル構造を有するチタン酸リチウム、ラムスデライト構造を有するチタン酸リチウムなどが挙げられる。スピネル構造を有するチタン酸リチウムは、例えばLi4+xTi512(xは充放電反応により−1≦x≦3の範囲で変化する)などが挙げられる。ラムスデライト構造を有するチタン酸リチウムは、例えばLi2+yTi37(yは充放電反応により−1≦y≦3の範囲で変化する)などが挙げられる。チタン系酸化物は、例えばTiO2、TiとP、V、Sn、Cu、NiおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有する金属複合酸化物などが挙げられる。TiO2は、アナターゼ型で熱処理温度が300〜500℃の低結晶性のものが好ましい。TiとP、V、Sn、Cu、NiおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有する金属複合酸化物は、例えばTiO2−P25、TiO2−V25、TiO2−P25−SnO2、TiO2−P25−MeO(MeはCu、NiおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素)などを用いることができる。この金属複合酸化物は、結晶性が低く、結晶相とアモルファス相が共存、もしくはアモルファス相単独で存在したミクロ構造を有することが好ましい。このようなミクロ構造の金属複合酸化物は、サイクル性能を大幅に向上させることが可能になる。中でも、リチウムチタン酸化物、TiとP、V、Sn、Cu、NiおよびFeからなる群から選ばれる少なくとも1つの元素を含有する金属複合酸化物が好ましい。なお、このような金属複合酸化物において、酸素のモル比は酸素ノンストイキオメトリー等の影響によって値は変化しうる。
硫化物は、例えばTiS2などの硫化チタン、MoS2などの硫化モリブデン、FeS、FeS2、LixFeS2などの硫化鉄などが挙げられる。
窒化物は、例えばリチウムコバルト窒化物(例えば、LixCoyN、0<x<4,0<y<0.5)などが挙げられる。
このような活物質の中でも、特にLi4+xTi512のようなスピネル構造を有するチタン酸リチウム、FeS、FeS2から選ばれる1つを含むことが好ましく、最も好ましい活物質はスピネル構造を有するチタン酸リチウムである。
結着剤は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴムなどを用いることができる。
導電剤は、例えばアセチレンブラック、ケッチェンブラックのようなカーボンブラック、黒鉛、コークス、炭素繊維、金属粉末等を用いることができる。
活物質、結着剤および導電剤の配合割合は、活物質80〜98重量%、結着剤2〜7重量%、導電剤0〜20重量%の範囲にすることが好ましい。
集電体は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金の板(例えばアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔)から形成される。集電体は、特にJIS H 0001のアルミニウム箔が好ましい。このようなアルミニウム箔は、硬質で加工時の変形が小さいために、例えば正極およびセパレータと共に捲回して渦巻状の電極群を製作する際の変形を抑制して短絡等の歩留まり低下を低減することが可能になる。
アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔は、平均結晶粒径が50μm以下であることが好ましい。このような平均結晶粒径を持つアルミニウム箔またはアルミニウム合金箔は、強度を飛躍的に増大できるため、負極を高いプレス圧で高密度化することが可能となり、電池容量を増大させることができる。また、高温環境下(40℃以上)における過放電サイクルでの集電体の溶解・腐食劣化を防ぐことができるため、負極インピーダンスの上昇を抑制することができる。さらに、出力特性、急速充電、充放電サイクル特性も向上させることができる。より好ましい平均結晶粒径は30μm以下、更に好ましくは5μm以下である。平均結晶粒径は、前記正極で説明したのと同様な方法で求められる。
アルミニウム箔またはアルミニウム合金箔の厚さは、20μm以下、より好ましくは15μm以下にすることが望ましい。
負極の集電体において、集電体本体(負極層形成領域)は20℃の水に対する接触角が45°以下、リード取出し部(負極層未形成領域)は20℃の水に対する接触角が45°を超える性状を示す。
ここで、接触角は前記正極で説明したのと同様な方法で求めることができる。集電体のリード取出し部の接触角は、電池内から負極を取出し、負極から露出したリード取出し部を切り出して測定できる。一方、集電体の集電体本体の接触角は電池内から負極を取り出し、その負極層を除去した後の集電体本体から測定することができる。
集電体のリード取出し部の20℃の水に対する接触角は、30°以下、さらに好ましくは20°以下にすることが望ましい。集電体の集電体本体の20℃の水に対する接触角は60°以上、さらに好ましくは90°以上にすることが望ましい。
このような20℃の水に対する接触角が45°以下のリード取出し部および20℃の水に対する接触角が45°を超える集電体本体を有する集電体を備えた負極は、例えば次のような方法で作製することができる。
まず、負極活物質、結着剤および必要により導電剤を適当な溶媒に懸濁させて塗工スラリーを調製する。この塗工スラリーを純度99%以上のアルミニウム箔または純度99%以上のアルミニウム合金箔からなる集電体のうちの集電体本体、すなわちリード取出し部を除く集電体の片面または両面に塗布し、乾燥して負極層を形成する。つづいて、負極層が形成された集電体を大気圧プラズマ装置のチャンバ内の例えばホルダに設置した後、高周波電力の供給により大気圧雰囲気のチャンバ内にプラズマを発生させる。このとき、集電体の露出したリード取出し部がプラズマに曝されてその表面の圧延油が除去される。
このような方法で得られた負極において、集電体のリード取出し部は圧延油の除去によって20℃の水に対する接触角が45°以下の性状、集電体の集電体本体は圧延油が残ったままで、20℃の水に対する接触角が45°を超える性状を示す。
4)セパレータ
セパレータは、例えばポリオレフィン、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ビニロン等のポリマーから得られる多孔質フィルムまたは不織布が用いられる。ここでセパレータの材料は1種類もしくは2種類以上の組み合わせから選ばれる。特にポリオレフィン、セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ビニロンのいずれかからなる不織布が好ましい。
5)非水電解質
この非水電解質は、非水溶媒と、この非水溶媒に溶解される電解質塩を含む。また、非水溶媒中にはポリマーを含んでもよい。
電解質塩は、例えばLiPF6、LiBF4、Li(CF3SO22N(ビストリフルオロメタンスルホニルアミドリチウム;通称LiTFSI)、LiCF3SO3(通称LiTFS)、Li(C25SO22N(ビスペンタフルオロエタンスルホニルアミドリチウム;通称LiBETI)、LiClO4、LiAsF6、LiSbF6、ビスオキサラトホウ酸リチウム(LiB(C242(通称LiBOB))、ジフルオロ(トリフルオロ−2−オキシド−2−トリフルオロ−メチルプロピオナト(2−)−0,0)ホウ酸リチウム(LiBF2(OCOOC(CF32)(通称LiBF2(HHIB)))等のリチウム塩が挙げられる。これらの電解質塩は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。特にLiPF6、LiBF4が好ましい。
電解質塩濃度は、1.5M以上、3M以下にすることが好ましい。このような電解質濃度の規定によって、電解質塩濃度の上昇による粘度増加の影響を抑えつつ、高負荷電流を流した場合の性能をより向上することが可能になる。
非水溶媒は、特に限定されるものではないが、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、1,2−ジメトキシエタン(DME)、γ−ブチロラクトン(GBL)、テトラヒドロフラン(THF)、2−メチルテトラヒドロフラン(2−MeHF)、1,3−ジオキソラン、スルホラン、アセトニトリル(AN)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネイト(DMC)、メチルエチルカーボネイト(MEC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等を用いることができる。これらの溶媒は一種類で使用してもよいし二種類以上を混合して用いてもよい。中でもγ−ブチロラクトンが好ましい。また、溶媒を二種類以上組み合わせる場合、すべての溶媒に誘電率が20以上のものの中から選ぶことが好ましい。
非水電解質には、添加剤が加えられてもよい。添加剤は、特に限定されるものではないが、ビニレンカーボネイト(VC)、ビニレンアセテート(VA)、ビニレンブチレート、ビニレンヘキサネート、ビニレンクロトネート、カテコールカーボネート等が挙げられる。添加剤の濃度は、非水電解質に対して外率で0.1重量%以上、3重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以上、1重量%以下である。
以上、第1実施形態によれば図1〜図3に示す積層電極群8に組み込まれる複数の正極9の純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる集電体12において、複数のリード取出し部12bを20℃の水に対する接触角が45°以下の性状、つまり高い濡れ性を示す性状にすることによって、各正極9のリード取出し部12bを互いに接合して束ねるための溶接による接続性を向上できる。また、束ねられたリード取出し部12bと正極リード14との溶接による接続性も向上できる。
同様に積層電極群8に組み込まれる複数の負極10の純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる集電体13において、リード取出し部13bを20℃の水に対する接触角が45°以下の性状、つまり高い濡れ性を示す性状にすることによって、複数のリード取出し部13bを互いに接合して束ねるための溶接による接続性、束ねられたリード取出し部13bと負極リード15との溶接による接続性も向上できる。
したがって、複数の正極9および負極10にリード14,15を接続する構造において、集電体12,13のリード取出し部12b、13bの20℃の水に対する接触角を45°以下の性状にすることによって、複数のリード取出し部相互の接続性を向上でき、かつ束ねられたリード取出し部とリード間の接続性を向上できるため、大電流特性の優れた非水電解電池を提供できる。
また、第1実施形態によれば積層電極群8に組み込まれる複数の正極9の純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる集電体12において、正極層が形成される集電体本体12aを20℃の水に対する接触角が45°を超える性状、つまり濡れ性が劣る性状、にすることによって、正極活物質を含む塗工スラリーを集電体本体12aに塗布する際、塗工スラリーが集電体12の正極層未形成領域であるリード取出し部12bへの流れ込み(はみ出し)が抑制または防止できる。
同様に複数の負極10の純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる集電体13において、負極層が形成される集電体本体13aを20℃の水に対する接触角が45°を超える性状、つまり濡れ性が劣る性状、にすることによって、負極活物質を含む塗工スラリーを集電体本体13aに塗布する際、塗工スラリーが集電体13の負極層未形成領域であるリード取出し部13bへの流れ込み(はみ出し)が抑制または防止できる。
その結果、正極9、負極10のリード取出し部12b、13bに流れ込んだ塗工剤の脱落に起因する短絡またはリード取出し部の抵抗増加を防止できるため、非水電解質電池の歩留まり向上に大きく寄与できる。
特に、リチウム吸蔵電位が0.4V vs Li/Li+以上の負極活物質を含む負極層を有する負極10において、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる集電体13のリード取出し部13bをプラズマ雰囲気等に曝して、その表面の残留圧延油を除去して、20℃の水に対する接触角を45°以下の性状にすることによって、自己放電を低減した非水電解質電池を得ることができる。
すなわち、従来の非水電解質電池の集電体として用いられるアルミニウム箔には圧延時の圧延油が残留している。この圧延油は、一般的なリチウムイオン二次電池の正極電位では充電時に分解されるが、リチウム吸蔵電位が0.4V vs Li/Li+以上の負極活物質を含む負極では圧延油の分解反応が起こらずそのまま残留する。この残留圧延油がアルミニウム箔の集電体の負極層未形成領域であるリード取出し部に存在すると、自己放電を促進する。このようなことから、集電体13のリード取出し部13bをプラズマ雰囲気等に曝して、その表面の残留圧延油を除去し、20℃の水に対する接触角を45°以下の性状にすることによって、自己放電を低減した高信頼性の非水電解質電池を提供できる。
なお、前述した図1〜図3に示す第1実施形態に係る非水電解質電池において、積層電極群は九十九折りにしたセパレータを用いる形態に限らず、例えば複数枚の矩形形セパレータを複数枚の正極、負極に間に介在して積層してもよい。
(第2実施形態)
図4は、第2実施形態に係る非水電解質電池を示す断面図、第5図の(A)は図4の非水電解質電池に組み込まれる正極の展開図、図5の(B)は図4の非水電解質電池に組み込まれる負極の展開図、図6は図4の非水電解質電池に組み込まれる電極群の上面図、図7は電極群の直線部に負極のリード取出し部が並んで配列させるための展開した負極の複数のリード取出し部の位置関係を説明する図である。
矩形外装材21は、例えば正極端子を兼ねる矩形(角形)金属缶(例えばアルミニウム缶)22と、この金属缶22の開口部に溶接により気密に取り付けられた例えばアルミニウムからなる蓋体23とから構成されている。ガス抜き穴24は、蓋体23の中心に開口されている。図示しない金属薄膜(例えばアルミニウム薄膜)は、ガス抜き穴24およびその近傍の蓋体23裏面に溶接等により取付けられ、外装材21内のガス圧が一定の値を超えると、破断してガスを外装材21の外部に逃散させる。矩形正極端子25は、ガス抜き穴24から例えば左側に位置する蓋体23に一体的に突起されている。断面T形の負極端子26は、ガス抜き穴24から例えば右側に位置する蓋体23の矩形絶縁リング27に嵌入して気密に固定されている。
扁平渦巻状電極群28は外装材21の金属缶22内に収納されている。扁平渦巻状電極群28は、図5の(A)に示す帯状の正極29および図5の(B)に示す帯状の負極30を図6に示すように帯状のセパレータ31を介して渦巻状に捲回し、プレス成形して扁平にした構造を有する。このような扁平渦巻状電極群28は、渦巻状の面が上下端面になるように金属缶22内に挿入して収納される。
正極29は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金、(例えば純度99%以上のアルミニウム箔)、からなる集電体32を有する。集電体32は、帯状の集電体本体32aと、この集電体本体32aから一体的に突出した複数の短冊状リード取出し部32bとから構成されている。正極活物質を含む正極層(図示せず)は集電体32の集電体本体32bの片面もしくは両面に形成されている。正極29において、複数のリード取出し部32bは20℃の水に対する接触角が45°以下、好ましくは30°以下、さらに好ましくは20°以下の性状を有する。集電体本体32aは、20℃の水に対する接触角が45°を超え、好ましくは60°以上、さらに好ましくは90°以上の性状を有する。正極29の各リード取付け部32bは、展開した正極の複数のリード取出し部を後述の位置に設定することにより、図6に示すように扁平渦巻状電極群28の直線部方向に対して直角方向に並んで配列される。これらのリード取出し部32bは溶接により互いに接合して束ねられている。
負極30は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金、(例えば純度99%以上のアルミニウム箔)、からなる集電体33を有する。集電体33は、帯状の集電体本体33aと、この集電体本体33aから一体的に突出した複数の短冊状リード取出し部33bとから構成されている。負極活物質を含む負極層(図示せず)は集電体33の集電体本体33bの片面もしくは両面に形成されている。負極30において、複数のリード取出し部33bは20℃の水に対する接触角が45°以下、好ましくは30°以下、さらに好ましくは20°以下の性状を有する。集電体本体33aは、20℃の水に対する接触角が45°を超え、好ましくは60°以上、さらに好ましくは90°以上の性状を有する。負極の各リード取付け部33bは、展開した負極の複数のリード取出し部を後述の位置に設定することにより、図6に示すように扁平渦巻状電極群28の直線部方向に対して直角方向に並んで配列される。これらのリード取出し部33bは溶接により互いに接合して束ねられている。
複数のリード取出し部の位置設定について、次に詳述する。例えば扁平渦巻状電極群29の直線部方向に対して直角方向に並んで配列される負極30の複数のリード取出し部33bに着目し、それらの扁平渦巻状電極群29での巻始めから巻終わりに向かう位置をS1、S2,S3,S4,S5とすると、各リード取出し部33bの位置関係は展開した負極を示す図7から算出することができる。すなわち、複数のリード取出し部33bは扁平渦巻状電極群29の直線部(長さL)に位置させることにすると、直線部の任意の点(L1、L2間、ここでL1+L2=L、L1≠L2である)位置されることになる。
図7に示すように巻始め側のリード取出し部33bの位置S1とこれより巻終わり側に隣接するリード取出し部33bの位置S2との間隔は、L2+(Dnπ)/2+L2の式から算出できる。ここで、Dnは負極が巻始めから位置S2まで捲回したときの総厚さである。位置S2,S3の間隔は、L1+(Dn+1π)/2+L1の式、位置S3,S4の間隔はL2+(Dn+2π)/2+L2の式、S4,S5の間隔はL1+(Dn+3π)/2+L1の式から、それぞれ算出できる。ここで、Dn+1、Dn+2およびDn+3はそれぞれ負極が巻始めから位置S3、位置S4および位置S5まで捲回したときの総厚さである。
このような式に基づいて帯状の集電体本体33aから一体的に突出する複数のリード取出し部33bの位置(それらリード取出し部33bの間隔)を決定することにより、複数のリード取出し部33bを図6に示すように扁平渦巻状電極群29に直線部方向に対して直角方向に並んで配列させることが可能になる。
なお、正極についても同様に帯状の集電体本体32aから一体的に突出する複数のリード取出し部32bの位置(それらリード取出し部32bの間隔)を決定することにより、複数のリード取出し部32bを図6に示すように扁平渦巻状電極群29に直線部方向に対して直角方向に並んで配列させることが可能になる。
純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる正極リード34は、その下端が正極29の束ねられた複数のリード取出し部32bに溶接により接続され、他端が正極端子25直下の蓋体23下面に溶接により接続されている。
純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる負極リード35は、その下端が負極10の束ねられた複数のリード取出し部33bに溶接により接続され、他端が蓋体23下面に露出した負極端子26の下端面に溶接により接続されている。
なお、第2実施形態でのリード取出し部相互の接続およびリード取出し部とリードの接続等に用いられる溶接は、例えばレーザー溶接、抵抗溶接、超音波溶接が挙げられる。
非水電解質電池の各部材の詳細は、第1実施形態で説明したのと同様である。
20℃の水に対する接触角が45°以下の複数の短冊状リード取出し部および20℃の水に対する接触角が45°を超える帯状の集電体本体を有する集電体を備えた正極は、例えば次のような方法で作製することができる。
まず、正極活物質、結着剤および導電剤を適当な溶媒に懸濁させて塗工スラリーを調製する。この塗工スラリーを純度99%以上のアルミニウム箔または純度99%以上のアルミニウム合金箔からなる集電体のうちの帯状の集電体本体、すなわち複数のリード取出し部を除く集電体の片面または両面に塗布し、乾燥して正極層を形成する。つづいて、正極層が形成された集電体を大気圧プラズマ装置のチャンバ内の例えばホルダに設置した後、高周波電力の供給により大気圧雰囲気のチャンバ内にプラズマを発生させる。このとき、集電体の露出した複数のリード取出し部がプラズマに曝されてその表面の圧延油が除去される。
このような方法で得られた正極において、集電体の複数リード取出し部は圧延油の除去によって20℃の水に対する接触角が45°以下の性状、集電体の集電体本体は圧延油が残ったままで、20℃の水に対する接触角が45°を超える性状を示す。
また、20℃の水に対する接触角が45°以下の複数のリード取出し部および20℃の水に対する接触角が45°を超える集電体本体を有する集電体を備えた負極は、例えば次のような方法で作製することができる。
まず、負極活物質、結着剤および必要により導電剤を適当な溶媒に懸濁させて塗工スラリーを調製する。この塗工スラリーを純度99%以上のアルミニウム箔または純度99%以上のアルミニウム合金箔集電体のうちの帯状の集電体本体、すなわち複数のリード取出し部を除く集電体の片面または両面に塗布し、乾燥して負極層を形成する。つづいて、負極層が形成された集電体を大気圧プラズマ装置のチャンバ内の例えばホルダに設置した後、高周波電力の供給により大気圧雰囲気のチャンバ内にプラズマを発生させる。このとき、集電体の露出した複数のリード取出し部がプラズマに曝されてその表面の圧延油が除去される。
このような方法で得られた負極において、集電体のリード取出し部は圧延油の除去によって20℃の水に対する接触角が45°以下の性状、集電体の集電体本体は圧延油が残ったままで、20℃の水に対する接触角が45°を超える性状を示す。
以上、第2実施形態によれば図4〜図6に示す扁平渦巻状電極群28に組み込まれる正極29の純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる集電体32において複数のリード取出し部32bを20℃の水に対する接触角が45°以下の性状、つまり高い濡れ性を示す性状にすることによって、正極29の各リード取出し部12bを互いに接合して束ねるための溶接による接続性を向上できる。また、束ねられたリード取出し部32bと正極リード34との溶接による接続性も向上できる。
同様に扁平渦巻状電極群28に組み込まれる負極30の純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる集電体33において、複数のリード取出し部33bを20℃の水に対する接触角が45°以下の性状、つまり高い濡れ性を示す性状にすることによって、複数のリード取出し部33bを互いに接合して束ねるための溶接による接続性、束ねられたリード取出し部33bと負極リード35との溶接による接続性も向上できる。
したがって、正極29および負極30の集電体32,33において帯状の集電体本体32a,33aから複数の短冊状リード取り出し部32b、33bを一体的に突出させ、リード取出し部にリード34,35を接続する多点接続構造において、集電体32,33の複数のリード取出し部32b、33bの20℃の水に対する接触角を45°以下の性状にすることによって、複数のリード取出し部相互の接続性を向上でき、かつ束ねられたリード取出し部とリード間の接続性を向上できるため、大電流特性の優れた非水電解電池を提供できる。
また、正極層が形成される集電体本体32aおよび負極層が形成される集電体本体33bを20℃の水に対する接触角が45°を超える性状にすることによって、第1実施形態で説明したのと同様に、塗工スラリーを塗工する工程での正極29、負極30のリード取出し部32b、33bへの塗工スラリーの流れ込み(はみ出し)を抑制または防止して塗工剤の脱落に起因する短絡またはリード取出し部の抵抗増加を防止できるため、非水電解質電池の歩留まり向上に大きく寄与できる。
特に、リチウム吸蔵電位が0.4V vs Li/Li+以上の負極活物質を含む負極層を有する負極30において、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる集電体33のリード取出し部33bをプラズマ雰囲気等に曝して、その表面の残留圧延油を除去して、20℃の水に対する接触角を45°以下の性状にすることによって、第1実施形態で説明したのと同様に、自己放電を低減した非水電解質電池を得ることができる。
(第3実施形態)
図8は、第3実施形態に係る非水電解質電池を示す断面図、第9図の(A)は図8の非水電解質電池に組み込まれる負極の展開図、図9の(B)は図8の非水電解質電池に組み込まれる正極の展開図、図10は図8の非水電解質電池に組み込まれる扁平渦巻状電極群の斜視図である。
矩形外装材41は、例えば正極端子を兼ねる矩形(角形)金属缶(例えばアルミニウム缶)42と、この金属缶42の開口部に溶接により気密に取り付けられた例えばアルミニウムからなる蓋体43とから構成されている。ガス抜き穴44は、蓋体43の中心に開口されている。図示しない金属薄膜(例えばアルミニウム薄膜)は、ガス抜き穴44およびその近傍の蓋体43裏面に溶接等により取付けられ、外装材41内のガス圧が一定の値を超えると、破断してガスを外装材41の外部に逃散させる。矩形正極端子45は、ガス抜き穴44から例えば左側に位置する蓋体43に一体的に突起されている。断面T形の負極端子46は、ガス抜き穴44から例えば右側に位置する蓋体43の矩形絶縁リング47に嵌入して気密に固定されている。
扁平渦巻状電極群48は外装材41の金属缶42内に収納されている。扁平渦巻状電極群48は、図9の(B)に示す帯状の正極49および図9の(A)に示す帯状の負極50を帯状のセパレータ(図示せず)を介して渦巻状に捲回し、プレス成形して扁平にした構造を有する。このような扁平渦巻状電極群48は、渦巻状の面が上下端面になるように金属缶42内に挿入して収納される。
正極49は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金、(例えば純度99%以上のアルミニウム箔)、からなる集電体51を有する。集電体51は、帯状の集電体本体51aと、この集電体本体51aの長手方向に沿う側面に一体的に形成された帯状のリード取出し部51bとから構成されている。正極活物質を含む正極層(図示せず)は集電体51の集電体本体51bの片面もしくは両面に形成されている。リード取出し部51bは、図10に示すように扁平渦巻状電極群48の一方の渦巻状の面(金属缶42に収納された状態で金属缶42の底側の面)から渦巻状に突出している。正極49において、渦巻状に突出したリード取出し部51bは20℃の水に対する接触角が45°以下、好ましくは30°以下、さらに好ましくは20°以下の性状を有する。集電体本体51aは、20℃の水に対する接触角が45°を超え、好ましくは60°以上、さらに好ましくは90°以上の性状を有する。
負極50は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金、(例えば純度99%以上のアルミニウム箔)、からなる集電体52を有する。集電体52は、帯状の集電体本体52aと、この集電体本体52aの長手方向に沿い前記正極49のリード取出し部51bと反対側の側面に一体的に形成された帯状のリード取出し部52bとから構成されている。負極活物質を含む負極層(図示せず)は集電体52の集電体本体52bの片面もしくは両面に形成されている。リード取出し部52bは、図10に示すように扁平渦巻状電極群48の他方の渦巻状の面(金属缶42に収納された状態で蓋体43側の面)から渦巻状に突出している。負極50において、渦巻状に突出したリード取出し部52bは20℃の水に対する接触角が45°以下、好ましくは30°以下、さらに好ましくは20°以下の性状を有する。集電体本体52aは、20℃の水に対する接触角が45°を超え、好ましくは60°以上、さらに好ましくは90°以上の性状を有する。
純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる複数の正極中間リード53は、正極49の渦巻状に突出したリード取出し部51bの複数個所に溶接により接続されている。これらの正極中間リード53は、溶接により互いに接合して束ねられている。純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる正極主リード54は、一端が束ねられた正極中間リード53に抵抗溶接により接続され、他端が金属缶42の底部内面に溶接により接続されている。このような複数の正極中間リード53および正極主リード54により正極リードを構成している。
純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる複数の負極中間リード55は、負極50の渦巻状に突出したリード取出し部52bの複数個所に溶接により接続されている。これらの負極中間リード55は、溶接により互いに接合して束ねられている。純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる負極主リード56は、一端が束ねられた負極中間リード55に抵抗溶接により接続され、他端が蓋体43下面に露出した負極端子46の下端面に溶接により接続されている。このような複数の負極中間リード55および負極主リード56により負極リードを構成している。
なお、第3実施形態でのリード取出し部と中間リードの接続および中間リードと主リードの接続等に用いられる溶接は、例えばレーザー溶接、抵抗溶接、超音波溶接が挙げられる。
非水電解質電池の各部材の詳細は、第1実施形態で説明したのと同様である。
20℃の水に対する接触角が45°以下の渦巻状に突出したリード取出し部および20℃の水に対する接触角が45°を超える帯状の集電体本体を有する集電体を備えた正極は、例えば次のような方法で作製することができる。
まず、正極活物質、結着剤および導電剤を適当な溶媒に懸濁させて塗工スラリーを調製する。この塗工スラリーを純度99%以上のアルミニウム箔または純度99%以上のアルミニウム合金箔からなる集電体のうちの集電体本体、すなわちリード取出し部を除く集電体の片面または両面に塗布し、乾燥して正極層を形成する。つづいて、正極層が形成された集電体を大気圧プラズマ装置のチャンバ内の例えばホルダに設置した後、高周波電力の供給により大気圧雰囲気のチャンバ内にプラズマを発生させる。このとき、集電体の露出したリード取出し部がプラズマに曝されてその表面の圧延油が除去される。
このような方法で得られた正極において、集電体の渦巻状に突出したリード取出し部は圧延油の除去によって20℃の水に対する接触角が45°以下の性状、集電体の集電体本体は圧延油が残ったままで、20℃の水に対する接触角が45°を超える性状を示す。
また、20℃の水に対する接触角が45°以下の渦巻状に突出したリード取出し部および20℃の水に対する接触角が45°を超える集電体本体を有する集電体を備えた負極は、例えば次のような方法で作製することができる。
まず、負極活物質、結着剤および必要により導電剤を適当な溶媒に懸濁させて塗工スラリーを調製する。この塗工スラリーを純度99%以上のアルミニウム箔または純度99%以上のアルミニウム合金箔集電体のうちの集電体本体、すなわち渦巻状に突出したリード取出し部を除く集電体の片面または両面に塗布し、乾燥して負極層を形成する。つづいて、負極層が形成された集電体を大気圧プラズマ装置のチャンバ内の例えばホルダに設置した後、高周波電力の供給により大気圧雰囲気のチャンバ内にプラズマを発生させる。このとき、集電体の露出したリード取出し部がプラズマに曝されてその表面の圧延油が除去される。
このような方法で得られた負極において、集電体の渦巻状に突出したリード取出し部は圧延油の除去によって20℃の水に対する接触角が45°以下の性状、集電体の集電体本体は圧延油が残ったままで、20℃の水に対する接触角が45°を超える性状を示す。
以上、第3実施形態によれば図8〜図10に示す扁平渦巻状電極群48に組み込まれる正極49の純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる集電体51において渦巻状に突出したリード取出し部51bを20℃の水に対する接触角が45°以下の性状、つまり高い濡れ性を示す性状にすることによって、正極49の渦巻状に突出したリード取出し部51bに複数の正極中間リード53を溶接する際、高い接続信頼性を達成できる。
同様に扁平渦巻状電極群48に組み込まれる負極50の純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる集電体52において、渦巻状に突出したリード取出し部52bを20℃の水に対する接触角が45°以下の性状、つまり高い濡れ性を示す性状にすることによって、負極50の渦巻状に突出したリード取出し部52bに負極中間リード55を溶接する際、高い接続信頼性を達成できる。
したがって、正極49および負極50における集電体51,52の渦巻状に突出したリード取り出し部51b、52bに複数の正極中間リード53、複数の負極中間リード55をそれぞれ接続する多点接続構造において、集電体51,52の渦巻状に突出したリード取出し部51b、52bを20℃の水に対する接触角を45°以下の性状にすることによって、渦巻状に突出したリード取り出し部51b、52bと複数の中間リード53,55間の高い接続信頼性を確保できるため、大電流特性の優れた非水電解電池を提供できる。
また、正極層が形成される集電体本体51aおよび負極層が形成される集電体本体52bを20℃の水に対する接触角が45°を超える性状にすることによって、第1実施形態で説明したのと同様に、塗工スラリーを塗工する工程での正極49、負極50のリード取出し部51b、52bへの塗工スラリーの流れ込み(せり出し)を抑制または防止して塗工剤の脱落に起因する短絡またはリード取出し部の抵抗増加を防止できるため、非水電解質電池の歩留まり向上に大きく寄与できる。
特に、リチウム吸蔵電位が0.4V vs Li/Li+以上の負極活物質を含む負極層を有する負極50において、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる集電体52のリード取出し部52bをプラズマ雰囲気等に曝して、その表面の残留圧延油を除去して、20℃の水に対する接触角を45°以下の性状にすることによって、第1実施形態で説明したのと同様に、自己放電を低減した非水電解質電池を得ることができる。
(第4実施形態)
図11は、第4実施形態に係る非水電解質電池を示す断面図である。なお。図11において第3実施形態の説明で用いた図8〜図10と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
第4実施形態に係る非水電解質電池は、図11に示すように外装材41の金属缶42内面に有底矩形筒状の絶縁部材57が設けられている。この絶縁部材は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)のような合成樹脂から作られ、例えばコーティング等により金属缶42内面に形成されている。第3実施形態と同様な構成および構造の扁平渦巻状電極群48は、外装材41の金属缶42内に横置きに収納されている。すなわち、金属缶42は横長形状を有し、扁平渦巻状電極群48はその対向する2つの渦巻状の面が金属缶42の側面側に位置するように金属缶42内に横置きに収納されている。
純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる複数の正極中間リード53および同材質の複数の負極中間リード55は、扁平渦巻状電極群48の一方(例えば左側)の渦巻状の面に正極の渦巻状に突出したリード取出し部51bおよび他方(例えば右側)渦巻状の面に負極の渦巻状に突出したリード取出し部52bに扁平渦巻状電極群48の蓋体43側(上部側)において軸方向に並ぶように溶接により接続されている。これらの正極、負極の中間リード53、55は、溶接により互いに接合して束ねられている。
純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる正極主リード54は、一端が束ねられた正極中間リード53にその側部側から抵抗溶接により接続され、他端が正極端子45直下の蓋体43下面に溶接により接続されている。純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなる負極主リード56は、一端が束ねられた負極中間リード55にその側部側から抵抗溶接により接続され、他端が蓋体43下面に露出した負極端子46の下端面に溶接により接続されている。
なお、第4実施形態でのリード取出し部と中間リードの接続および中間リードと主リードの接続等に用いられる溶接は、例えばレーザー溶接、抵抗溶接、超音波溶接が挙げられる。
以上、第4実施形態によれば前述した第3実施形態と同様に大電流特性の優れた非水電解電池を提供でき、かつ非水電解質電池の歩留まり向上に大きく寄与できる。また、リチウム吸蔵電位が0.4V vs Li/Li+以上の負極活物質を含む負極層を有する負極を備えた非水電解質電池において、自己放電を低減することができる。
さらに、扁平渦巻状電極群48を外装材41の金属缶42内に横置きに収納し、かつ複数の正極中間リード53および複数の負極中間リード55を扁平渦巻状電極群48の正極、負極の渦巻状に突出したリード取出し部51b、52bにそれぞれ扁平渦巻状電極群48の蓋体43側(上部側)において軸方向に並ぶように溶接により接続することによって、負極の主リード56の他端のみならず正極の主リード54の他端も比較的肉厚の蓋体43側に引き出して接続できるため、第3実施形態のように正極の主リード54を肉薄の金属缶42底部に接続する場合に比べて組立てが容易になると共に、接続信頼性を向上できる。
以下、本発明の実施例を前述した図面を参照して詳細に説明する。
(実施例1)
<正極の作製>
正極活物質であるLiCoO289重量%と、導電剤である黒鉛粉末3重量%およびアセチレンブラック3重量%と、結着剤であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%とをn−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶媒に分散して正極用途工スラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmの純度99%以上のアルミニウム箔に塗布、乾燥、プレスを行って密度3.3g/cm3の正極層を形成して正極素材を作製した。
<負極の作製>
負極活物質であるLi4Ti51291重量%と、導電剤であるグラファイト7重量%と、結着剤であるPVdF2重量%とをN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液中で混合することにより負極用塗工スラリーを調製した。このスラリーを厚さ15μmの純度99%以上のアルミニウム箔からなる集電体に塗布し、乾燥し、プレスを行って密度2.1g/cm3の負極層を形成した負極素材を作製した。
<非水電解質の調製>
エチレンカーボネート(EC):プロピレンカーボネート(PC):γーブチロラクトン(GBL)を体積比で1:1:4の割合で混合した混合溶媒に2MのLiBF4を混合して非水電解質を調製した。
<電池の組み立て>
前記正極素材を打ち抜いて正極を作製した。この打ち抜き片(正極)は、前述した図2の(A)に示すようにアルミニウム箔の集電体が矩形形状の集電体本体と、この集電体本体から一体的に突出された短冊状リード取出し部とを有し、集電体本体に正極層が形成された構造を有する。この正極を大気圧プラズマ装置のチャンバ内のホルダに設置し、高周波電力の供給により大気圧雰囲気のチャンバ内にプラズマを発生させて集電体の露出したリード取出し部をプラズマに曝した。リード取出し部は、この処理により20℃の水に対する接触角が20°の性状になった。
同様に、前記負極素材を打ち抜いて正極を作製した。この打ち抜き片(負極)は、前述した図2の(B)に示すようにアルミニウム箔の集電体が矩形形状の集電体本体と、この集電体本体から一体的に突出された短冊状リード取出し部とを有し、集電体本体に負極層が形成された構造を有する。負極を大気圧プラズマ装置のチャンバ内のホルダに設置し、高周波電力の供給により大気圧雰囲気のチャンバ内にプラズマを発生させて集電体の露出したリード取出し部をプラズマに曝した。リード取出し部は、この処理により20℃の水に対する接触角が20°の性状になった。
なお、正極の正極層で覆われた集電体本体および負極の負極層で覆われた集電体本体は、20℃の水に対する接触角が105°であった。
次いで、矩形形状の正極および負極をそれぞれ九十九状に折り込んだセルロースの不織布からなるセパレータの折り曲げ部に交互に挿入して積層し、セパレータの端部を矩形柱状の積層物の外周側面を覆うように巻装し、プレス成形して前述した図3に示す矩形積層電極群を作製した。つづいて、電極群の複数の正極および複数の負極のリード取出し部をそれぞれレーザー溶接により接合して束ねた後、束ねられた各リード取出し部にアルミニウムからなる正極、負極のリードをそれぞれレーザー溶接により接合して接続した。ひきつづき、前述した図1に示すガス抜き穴、正極端子および負極端子を有するアルミニウムからなる蓋体を用意し、電極群から延びる正極リードを正極端子直下の蓋体下面にレーザー溶接により接合して接続し、負極リードを蓋体下面に露出した負極端子の下端面にレーザー溶接により接合して接続した。蓋体が接続された電極群を厚さ0.5mmの矩形アルミニウム缶に挿入し、電解液を注液した後、蓋体をアルミニウム缶の開口部に嵌合させ、レーザー溶接により蓋体を缶に接合して気密に封止することにより電池容量が1Ahの前述した図1に示す構造の角形非水電解質電池を組み立てた。
(実施例2)
実施例1の正極素材を打ち抜いて正極を作製した。この打ち抜き片(正極)は、前述した図5の(A)に示すようにアルミニウム箔の集電体が帯状の集電体本体と、この集電体本体から一体的に突出された複数の短冊状リード取出し部とを有し、帯状の集電体本体に正極層が形成された構造を有する。この正極を大気圧プラズマ装置のチャンバ内のホルダに設置し、高周波電力の供給により大気圧雰囲気のチャンバ内にプラズマを発生させて集電体の露出した複数のリード取出し部をプラズマに曝した。複数のリード取出し部は、この処理により20℃の水に対する接触角が20°の性状になった。
同様に、実施例1の負極素材を打ち抜いて負極を作製した。この打ち抜き片(負極)は、前述した図5の(B)に示すようにアルミニウム箔の集電体が帯状の集電体本体と、この集電体本体から一体的に突出された複数の短冊状リード取出し部とを有し、帯状の集電体本体に負極層が形成された構造を有する。この負極を大気圧プラズマ装置のチャンバ内のホルダに設置し、高周波電力の供給により大気圧雰囲気のチャンバ内にプラズマを発生させて集電体の露出した複数のリード取出し部をプラズマに曝した。複数のリード取出し部は、この処理により20℃の水に対する接触角が20°の性状になった。
なお、正極層で覆われた集電体本体および負極層で覆われた集電体本体は、20℃の水に対する接触角が105°であった。
また、正極および負極の複数のリード取出し部の位置(間隔)は前述した第2実施形態および図6、図7に従い、セパレータと共に渦巻状に捲回し、プレス成形して得られた扁平渦巻状電極群の直線部にその直線部に対して直角方向に正極、負極の複数のリード取出し部がそれぞれ配列するように設定した。
次いで、得られた正極および負極の間にセルロース不織布からなる帯状のセパレータを介して捲回し、プレス成形して図6に示すように正極、負極の複数のリード取出し部が直線部に対して直角方向にそれぞれ配列された扁平渦巻状電極群を作製した。つづいて、電極群の正極および負極の複数のリード取出し部をそれぞれレーザー溶接により接合して束ねた後、束ねられた各リード取出し部にアルミニウムからなる正極、負極のリードをそれぞれレーザー溶接により接合して接続した。ひきつづき、前述した図4に示すガス抜き穴、正極端子および負極端子を有するアルミニウムからなる蓋体を用意し、電極群から延びる正極リードを正極端子直下の蓋体下面にレーザー溶接により接合して接続し、負極リードを蓋体下面に露出した負極端子の下端面にレーザー溶接により接合して接続した。蓋体が接続された電極群を厚さ0.5mmの矩形アルミニウム缶に挿入し、実施例1と同様な電解液を注液した後、蓋体をアルミニウム缶の開口部に嵌合させ、レーザー溶接により蓋体を缶に接合して気密に封止することにより電池容量が1Ahの前述した図4に示す構造の角形非水電解質電池を組み立てた。
(実施例3)
実施例1の正極素材を打ち抜いて正極を作製した。この打ち抜き片(正極)は、前述した図9の(B)に示すようにアルミニウム箔の集電体が帯状の集電体本体と、この集電体本体の長手方向に沿う側面に一体的に形成された帯状のリード取出し部とを有し、帯状の集電体本体に正極層が形成された構造を有する。この正極を大気圧プラズマ装置のチャンバ内のホルダに設置し、高周波電力の供給により大気圧雰囲気のチャンバ内にプラズマを発生させて集電体の露出した帯状のリード取出し部をプラズマに曝した。帯状のリード取出し部は、この処理により20℃の水に対する接触角が20°の性状になった。
同様に、実施例1の負極素材を打ち抜いて正極を作製した。この打ち抜き片(負極)は、前述した図9の(A)に示すようにアルミニウム箔の集電体が帯状の集電体本体とこの集電体本体の長手方向に沿う側面に一体的に形成された帯状のリード取出し部とを有し、帯状の集電体本体に負極層が形成された構造を有する。この負極を大気圧プラズマ装置のチャンバ内のホルダに設置し、高周波電力の供給により大気圧雰囲気のチャンバ内にプラズマを発生させて集電体の露出した帯状のリード取出し部をプラズマに曝した。帯状のリード取出し部は、この処理により20℃の水に対する接触角が20°の性状になった。
なお、正極層で覆われた集電体本体および負極層で覆われた集電体本体は、20℃の水に対する接触角が105°であった。
次いで、得られた正極および負極の間にセルロース不織布からなる帯状のセパレータを介して捲回し、プレス成形して扁平渦巻状電極群を作製した。負極のリード取出し部は、前述した図10に示すように電極群上側の渦巻面から渦巻状に突出している。正極のリード取出し部は、図10に示すように電極群下側の渦巻面から渦巻状に突出している。つづいて、前述した図10に示すように電極群の正極および負極の渦巻状に突出したリード取出し部の複数個所にアルミニウムからなる複数の中間リードをそれぞれレーザー溶接により接続した後、それら正極、負極の複数の中間リードをレーザー溶接により接合して束ねた。束ねられた各中間リードにアルミニウムからなる主リードをそれぞれレーザー溶接により接合して接続した。ひきつづき、前述した図8に示すガス抜き穴、正極端子および負極端子を有するアルミニウムからなる蓋体を用意し、電極群から延びる負極の主リードを蓋体下面に露出した負極端子の下端面にレーザー溶接により接合して接続した。蓋体が接続された電極群を厚さ0.5mmの矩形アルミニウム缶に挿入し、電極群の正極から延びる主リードをアルミニウム缶の底部内面にレーザー溶接により接合して接続し、実施例1と同様な電解液を注液した後、蓋体をアルミニウム缶の開口部に嵌合させ、レーザー溶接により蓋体を缶に接合して気密に封止することにより電池容量が1Ahの前述した図4に示す構造の角形非水電解質電池を組み立てた。
(実施例4)
実施例3と同様な正極および負極の中間リードを接続した扁平渦巻状電極群を厚さ0.5mmの角形アルミニウム缶にその渦巻面が缶の内側面に対向するように横置きに収納した以外、実施例3と同様な方法で電池容量が1Ahの前述した図11に示す構造の角形非水電解質電池を組み立てた。
(比較例1)
正極および負極の集電体の短冊状リード取出し部へのプラズマ照射を行わない以外、実施例1と同様の非水電解質電池を組み立てた。なお、これらのリード取出し部は20℃の水に対する接触角が105°であった。
(比較例2)
正極および負極の集電体の複数の短冊状リード取出し部へのプラズマ照射を行わない以外、実施例2と同様の非水電解質電池を組み立てた。なお、これらのリード取出し部は20℃の水に対する接触角が105°であった。
(比較例3)
正極および負極の集電体の帯状のリード取出し部へのプラズマ照射を行わない以外、実施例3と同様の非水電解質電池を組み立てた。なお、これらのリード取出し部は20℃の水に対する接触角が105°であった。
(比較例4)
正極および負極の集電体の帯状のリード取出し部へのプラズマ照射を行わない以外、実施例4と同様の非水電解質電池を組み立てた。なお、これらのリード取出し部は20℃の水に対する接触角が105°であった。
得られた実施例1〜4および比較例1〜4の非水電解質電池について、下記方法により電池抵抗および大電流放電特性を評価した。
<電池抵抗の評価>
得られた電池を満充電の状態まで充電した後、0.5Ah分の放電を行い放電深度50%の状態とした。放電深度50%の電池の開回路電圧(V1)を測定した。この電池を40Aの電流値で放電を行ったときの5秒後の電圧値(V2)を測定した。これらの測定結果から40A、5秒放電時の電池抵抗を次式(1)により求めた。
電池抵抗(Ω)=(V1−V2)/40 …(1)
例えば、実施例1ではV1が2.368V、V2が2.121Vであり、これらの電圧値を前記式(1)に代入することにより電池抵抗が約0.00618Ω(約6.18mΩ)であることが求められる。
<大電流放電特性の評価>
電池抵抗を測定した後の電池を満充電の状態まで充電した後、1Cの放電電流で電池電圧が2Vに達するまで放電を行ったときの放電容量(C1)を測定した。さらに、再び電池を満充電の状態まで充電した後、20Cの放電電流で電池電圧が2Vに達するまでの放電を行ったときの放電容量(C20)を測定した。これらの測定結果から1C放電容量に対する20C放電容量の維持率を次式(2)により求めた。
放電容量維持率=(C20/C1)×100 …(2)
例えば実施例1ではC1が1003mAh、C20が804mAhであり、これらの放電容量を前記式(2)に代入することにより放電容量維持率が約80.16%であることが求められる。
このような実施例1〜4および比較例1〜4の電池の電池抵抗および大電流放電特性を下記表1に示す。
Figure 0005100441
前記表1から明らかなように実施例1〜4の電池は、これら実施例1に対応する比較例1〜4の電池に比べて電池抵抗および大電流放電特性がいずれも優れていることがわかる。
(比較例5)
アルミニウム箔からなる負極集電体を大気圧プラズマ装置のチャンバ内のホルダに設置し、高周波電力の供給により大気圧雰囲気のチャンバ内にプラズマを発生させて集電体全面をプラズマに曝した。この処理により集電体は20℃の水に対する接触角が20°の性状になった。得られた負極集電体を用いて実施例1と同様な方法により負極素材を作製し、打ち抜き加工により前述した図2の(B)に示す形状の負極を作製した。この負極を用いた以外、実施例1と同様な電池容量が1Ahの前述した図1に示す構造の角形非水電解質電池を組み立てた。
得られた比較例5および前記実施例1の500個の非水電解質電池について、下記方法により歩留まり(不良電池個数)を調べた。
<歩留りの評価>
比較例5および実施例1の方法で500個の電池を組立て、これらの電池を満充電の状態で25℃環境下30日間放置した後、再び満充電状態になるように追充電を実施し、その際の充電容量が電池容量の10%以上であれば電池内部に短絡部分が存在すると判断し不良判定した。
その結果、実施例1では不良電池が500個中1個であるのに対し、比較例5では不良電池が500個中6個と歩留まりが低いことが確認された。
本発明の第1実施形態に係る非水電解質電池を示す断面図。 図1の非水電解質電池に組み込まれる正極、負極を示す正面図。 図1の非水電解質電池に組み込まれる電極群の斜視図。 本発明の第2実施形態に係る非水電解質電池を示す断面図。 図4の非水電解質電池に組み込まれる正極、負極の展開図。 図4の非水電解質電池に組み込まれる電極群の上面図。 電極群の直線部に負極のリード取出し部が並んで配列させるための展開した負極の複数のリード取出し部の位置関係を説明する図。 本発明の第3実施形態に係る非水電解質電池を示す断面図。 図8の非水電解質電池に組み込まれる負極、正極の展開図。 図8の非水電解質電池に組み込まれる扁平渦巻状電極群の斜視図。 本発明の第4実施形態に係る非水電解質電池を示す断面図。 20℃の水に対する接触角を説明するための図。
符号の説明
1,21,41…外装材、2,22,42…金属缶(アルミニウム缶)、3,23,43…蓋体、6,26,46…負極端子、8,28,48…電極群、9,29,49…正極、10,30,50…負極、11,31…セパレータ、12,32,51…正極の集電体、12a,32a,51a…集電体本体、12b,32b,51b…リード取出し部、13,33,52…負極の集電体、13a,33a,52a…集電体本体、13b,33b,52b…リード取出し部、14,34…正極リード、15,35…負極リード、53…正極中間リード、54…正極主リード、55…負極中間リード、56…負極主リード。

Claims (4)

  1. 外装材;
    前記外装材内に収納され、複数の正極、複数の負極およびこれら正極、負極間に介在されるセパレータを積層した構造の電極群;
    前記複数の正極に接続された正極リード;
    前記複数の負極に接続された負極リード;
    前記外装材に収容された非水電解質
    を備え、
    前記各正極は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、集電体本体およびこの本体から一体的に突出したリード取出し部を有する集電体と、この集電体本体の片面もしくは両面に形成された正極活物質を含む正極層とを備え、各リード取出し部が溶接により互いに接合して束ねられ、
    前記各正極のリード取出し部は、20℃の水に対する接触角が45°以下、前記集電体本体は20℃の水に対する接触角が45°を超え、
    前記正極リードは、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、前記束ねられた複数の正極のリード取出し部に溶接により接続され、
    前記各負極は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、集電体本体およびこの本体から一体的に突出したリード取出し部を有する集電体と、この集電体本体の片面もしくは両面に形成された負極活物質を含む負極層とを有し、各リード取出し部が溶接により互いに接合して束ねられ、
    前記各負極のリード取出し部は、20℃の水に対する接触角が45°以下、前記集電体本体は20℃の水に対する接触角が45°を超え、かつ
    前記負極リードは、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、前記束ねられた複数の負極のリード取出し部に溶接により接続されることを特徴とする非水電解質電池。
  2. 外装材;
    前記外装材内に収納され、正極、負極およびこれら正極、負極間に介在されるセパレータを渦巻状に捲回した構造の電極群;
    前記正極に接続された正極リード;
    前記負極に接続された負極リード;
    前記外装材に収容された非水電解質
    を備え、
    前記正極は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、帯状の集電体本体およびこの集電体本体から一体的に突出した複数のリード取出し部を有する集電体と、この帯状の集電体本体の片面もしくは両面に形成された正極活物質を含む正極層とを備え、各リード取出し部が溶接により互いに接合して束ねられ、
    前記正極の各リード取出し部は、20℃の水に対する接触角が45°以下、前記集電体本体は20℃の水に対する接触角が45°を超え、
    前記正極リードは、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、前記正極の束ねられた複数のリード取出し部に溶接により接続され、
    前記負極は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、帯状の集電体本体およびこの集電体本体から一体的に突出した複数のリード取出し部を有する集電体と、この帯状の集電体本体の片面もしくは両面に形成された負極活物質を含む負極層とを備え、各リード取出し部が溶接により互いに接合して束ねられ、
    前記負極の各リード取出し部は、20℃の水に対する接触角が45°以下、前記集電体本体は20℃の水に対する接触角が45°を超え、かつ
    前記負極リードは、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、前記負極の束ねられた複数のリード取出し部に溶接により接続されることを特徴とする非水電解質電池。
  3. 外装材;
    前記外装材内に収納され、正極、負極およびこれら正極、負極間に介在されるセパレータを渦巻状に捲回した構造の電極群;
    前記正極に接続された正極リード;
    前記負極に接続された負極リード;
    前記外装材に収容された非水電解質
    を備え、
    前記正極は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、帯状の集電体本体およびこの集電体本体の長手方向に沿う側面に一体的に形成された帯状のリード取出し部を有する集電体と、この帯状の集電体本体の片面もしくは両面に形成された正極活物質を含む正極層とを備え、前記リード取り出し部が前記電極群の一方の渦巻状面に渦巻状に突出し、
    前記正極のリード取出し部は、20℃の水に対する接触角が45°以下、前記集電体本体は20℃の水に対する接触角が45°を超え、
    前記正極リードは、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、前記正極の渦巻状に突出したリード取出し部の複数個所に溶接により接続され、かつ溶接により互いに接合して束ねられた複数の中間リードと、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、束ねられた中間リードに溶接により接続された主リードとを備え、
    前記負極は、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、帯状の集電体本体およびこの集電体本体の長手方向に沿い前記正極のリード取出し部と反対側の側面に一体的に形成された帯状のリード取出し部を有する集電体と、この帯状の集電体本体の片面もしくは両面に形成された負極活物質を含む負極層とを備え、前記リード取り出し部が前記電極群の他方の渦巻状面に渦巻状に突出し、
    前記負極のリード取出し部は、20℃の水に対する接触角が45°以下、前記集電体本体は20℃の水に対する接触角が45°を超え、
    前記負極リードは、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、前記負極の渦巻状に突出したリード取出し部の複数個所に溶接により接続され、かつ溶接により互いに接合して束ねられた複数の中間リードと、純度99%以上のアルミニウムまたは純度99%以上のアルミニウム合金からなり、束ねられた中間リードに溶接により接続された主リードとを備えることを特徴とする非水電解質電池。
  4. 前記正極および負極の集電体は、JIS H 0001のアルミニウム箔であることを特徴とする請求項1ないし3いずれか記載の非水電解質電池。
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