JP5099773B2 - 底質環境改善材およびその利用 - Google Patents

底質環境改善材およびその利用 Download PDF

Info

Publication number
JP5099773B2
JP5099773B2 JP2008144696A JP2008144696A JP5099773B2 JP 5099773 B2 JP5099773 B2 JP 5099773B2 JP 2008144696 A JP2008144696 A JP 2008144696A JP 2008144696 A JP2008144696 A JP 2008144696A JP 5099773 B2 JP5099773 B2 JP 5099773B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen peroxide
bottom mud
improving material
water
environment improving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008144696A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009291668A (ja
Inventor
聡 浅岡
民次 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hiroshima University NUC
Original Assignee
Hiroshima University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hiroshima University NUC filed Critical Hiroshima University NUC
Priority to JP2008144696A priority Critical patent/JP5099773B2/ja
Publication of JP2009291668A publication Critical patent/JP2009291668A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5099773B2 publication Critical patent/JP5099773B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/30Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies
    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Landscapes

  • Treatment Of Sludge (AREA)

Description

本発明は、水域環境改善材およびその利用に関するものであり、詳しくは、アルカリ金属塩の過酸化水素付加物およびアルカリ土類金属塩の過酸化水素付加物から選ばれる1種以上の過酸化水素付加物と、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石とを含み、底泥を分解可能な底質環境改善剤、およびこれを用いた底泥の酸化方法および底泥の分解方法に関する。
近年、全国各地の湾、河川および湖などでは水域環境および底質の汚染が拡大している所が多くなってきていると言われている。水域環境および底質の汚染は、生活廃水および畜産排水等からの有機物の流入量の増大によるものであり、自然循環浄化能力以上に、海底、川底、湖底に有機物がヘドロとして底質へ厚く堆積している所も多い。閉鎖性水域など、汚染が顕著である場所においては、海水の交換が悪く海底に堆積したヘドロのような底泥の分解によって水中の酸素が消費され、生物に有毒な硫化水素の発生や貧酸素化による生態系の斃死などの現象が発生し、漁業や生活環境に大きな被害が多発している。
このような水域環境を改善する方法の1つとしては、底層への酸素の供給が挙げられる。しかしながら、従来、直接酸素ガスまたは空気をバブリングする手法が一般的に行われてきたが、酸素ガスや空気をコンプレッサー等で供給するため、エネルギーが必要であるばかりでなく、酸素供給地点の数十メートル以内の狭い範囲に一時的に効果があるのみであった。また、酸素供給装置が大型であり、水中に浸漬することから装置の設置費用、ランニングコストおよびメインテナンス費用が高額となるなどの問題点が多くあった。
その他の方法としては、消石灰と過酸化カルシウム等の酸素供給剤とを含み、自崩壊性を有する底質改善用造粒体が知られている(特許文献1)。
特許第2719716号(1997年11月21日登録)
しかしながら、上記特許文献1に記載された発明は、消石灰による底質のpH上昇と、過酸化水素付加物による酸素供給のみを目的としたものであり、底泥の分解まで意図したものではないため、底泥を分解し、かつ、水域の貧酸素化を防ぐことはできない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、底泥を効率的に分解可能な水域環境改善材、これを用いた底泥の酸化方法および底泥の分解方法を提供することにある。
本発明者は、底質等の水域に酸素を短時間で十分量供給し、かつ、底泥を効率的に分解可能な水域環境改善材について鋭意検討した結果、過炭酸ナトリウム等の過酸化水素付加物と、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石と、を含む水域環境改善材が、短時間で水域に酸素を供給でき、かつ、底泥を効率的に分解しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明に係る水域環境改善材は、アルカリ金属塩の過酸化水素付加物およびアルカリ土類金属塩の過酸化水素付加物から選ばれる1種以上の過酸化水素付加物と、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石と、を含むことを特徴としている。
鉄鋼スラグは、製鉄業から大量に発生する副産物で、鉄源として有用であり、水中でゆるやかに第一鉄イオンを溶出させることができる。また、製鉄業および製鋼・圧延業は資源有効利用促進法によって特定省資源業種に指定されており、鉄鋼スラグの利用促進が強く求められている。また、鉄鉱石は、水中で鉄鋼スラグよりもゆるやかに第一鉄イオンを溶出させることができる。
上記構成によれば、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石によって第一鉄イオンがゆるやかに供給されるので、フェントン反応によって過酸化水素付加物由来の過酸化水素から持続的にヒドロキシラジカルを生成させることができる。一方で、過酸化水素付加物の分解によって生じ、第一鉄イオンと反応しなかった過酸化水素が分解して酸素が供給される。それゆえ、底泥を短時間で酸化的な状態にし、持続的に底泥をラジカル分解することができる。また、酸素が供給されるので、底泥を分解しても、貧酸素状態を招くことはない。したがって、水域の冨栄養化を防止しつつ、貧酸素状態を回避できるため、底質を含めて水域環境を効率的に、かつ持続的に改善することができる。
本発明に係る水域環境改善材は、上記過酸化水素付加物が、炭酸ナトリウム過酸化物であることが好ましい。炭酸ナトリウム過酸化物は分解の過程で過酸化水素を生じるので、第一鉄イオンの触媒作用によってヒドロキシラジカルを生成しうる。したがって、上記構成によれば、底泥のラジカル分解を効率的に進行させることができる。
また、本発明に係る水域環境改善材は、上記過酸化水素付加物が、炭酸カルシウム過酸化物であることが好ましい。
炭酸カルシウムは、過酸化水素を安定に保持することができ、炭酸カルシウムが水に徐々に溶解するのに伴い、過酸化水素が徐々に放出される。したがって、上記構成によれば、徐放性、継続性のある水域環境改善材を提供することができる。
本発明に係る底泥の酸化方法は、本発明に係る水域環境改善材を水域に添加することを特徴としている。
上記構成によれば、水域環境改善材に含まれる過酸化水素付加物が分解されて過酸化水素が生成し、当該過酸化水素が、水域環境改善材に含まれる鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石由来の第一鉄イオンと反応してヒドロキシラジカルが生成する。また、第一鉄イオンと反応しなかった過酸化水素が分解して酸素が生成する。
よって、極度に還元的な底泥であっても、速やかに酸化的な状態に改善することができる。それゆえ、底泥を分解されやすい状態にすることができると共に底泥を迅速に酸化分解することができる。また、水域の貧酸素状態を改善することができる。
本発明に係る底泥の分解方法は、本発明に係る水域環境改善材を水域に添加するステップ1と、還元型の底泥に光を照射するステップ2と、を含むことを特徴としている。
上記構成によれば、ステップ1によって生成した過酸化水素が分解して酸素を発生し、底質へ酸素を供給し、底泥を酸化する。また、ステップ2ではフェントン反応によってヒドロキシラジカルが生成し、底泥を強力に分解する。この分解過程(底泥の光酸化)は第二鉄イオンを第一鉄イオンへと還元する反応とカップリングしており、鉄の触媒サイクルを形成することができる。そのため、第一鉄イオンを補充することなく、底泥を分解することができる。その結果、非常に効率よく底泥の分解を行うことができる。
以上のように、本発明に係る水域環境改善材は、少なくとも1種以上のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩の過酸化水素付加物と、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石と、を含むという構成である。
それゆえ、水域の冨栄養化を防止しつつ、貧酸素状態を回避できるため、底質等の水域環境を持続的かつ効率的に改善することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態について説明すれば以下のとおりであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
(1.水域環境改善材)
一実施形態において、本発明に係る水域環境改善材は、アルカリ金属塩の過酸化水素付加物およびアルカリ土類金属塩の過酸化水素付加物から選ばれる1種以上の過酸化水素付加物と、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石と、を含む。
上記「アルカリ金属塩の過酸化水素付加物」「アルカリ土類金属塩の過酸化水素付加物」とは、アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩に過酸化水素が付加物を形成した物質のことであり、水中で解離し過酸化水素を放出可能な過酸化水素付加物であればよい。例えば、炭酸ナトリウム過酸化物、炭酸カリウム過酸化物、炭酸カルシウム過酸化物、炭酸バリウム過酸化物、炭酸マグネシウム過酸化物、酸化カルシウム過酸化物等を挙げることができる。上記過酸化水素付加物は、水中で解離し容易に過酸化水素を放出するため、過酸化水素供給源として作用することができる。
上記過酸化水素付加物は、アルカリ金属塩の過酸化水素付加物およびアルカリ土類金属塩の過酸化水素付加物から選ばれる1種以上の過酸化水素付加物であればよい。例えば、アルカリ金属塩の過酸化水素付加物またはアルカリ土類金属塩の過酸化水素付加物を単独で用いてもよいし、アルカリ金属塩の過酸化水素付加物および/またはアルカリ土類金属塩の過酸化水素付加物を2種以上組み合わせて用いてもよい。
本明細書において、用語「鉄鋼スラグ」は、鉱滓と同義であり、乾式製錬工程から排出される酸化物融液またはその凝固体のことである(理化学辞典第4版669頁、岩波書店)。鉄鋼スラグは、炉内で目的金属から分離された鉱石中の脈石成分や燃料中の灰分を主体としているが、融点の低下と流動性の改善のために加えられる融材を含んでいてもよい。また、鉄鋼スラグには、塩化カルシウム、消石灰、石灰窒素、過燐酸石灰、石灰石、炭酸カルシウム、貝殻等のカルシウム含有化合物、リン安、燐酸等のリン含有化合物、塩化カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム等のカリウム含有化合物、尿素、硫安、硝安、等が添加されていても良い。
鉄鋼スラグは、例えば、高炉スラグ、製鋼スラグのいずれであってもよく、高炉スラグは徐冷スラグであっても水砕スラグであってもよい。また、製鋼スラグとしては、転炉スラグであっても電気炉スラグであってもよく、電気炉スラグとしては、酸化スラグであっても還元スラグであってもよい。なお、これらの鉄鋼スラグは、1種類のみ用いてもよいし、複数種を組み合わせて用いてもよい。
このように、鉄鋼スラグとしては特に限定されるものではないが、中でも、高炉水砕スラグを好ましく用いることができる。高炉水砕スラグは、鉄鋼製造工程において副産物として発生する鉄鋼スラグの一種であり、製鋼工程で生成される。製鋼スラグはリンやケイ素等の無機栄養塩を溶出することが知られている。このため底質の汚染が顕著であり、富栄養化が進んだ場所においては、高炉水砕スラグの使用が好適である。なお、高炉水砕スラグは水域の環境改善に用いられているが(例えば特開2004−24204号公報)、汚濁した底泥に対して覆砂という形で撒かれており、本水域環境改善材の用途とは異なるものである。
鉄鋼スラグの粒径は特に限定されるものではない。また、鉄鋼スラグの組成や比重も特に限定されるものではないが、底泥の分解効率を高めるため、水底に沈殿するものであることが好ましい。
鉄鋼スラグは、第一鉄イオンを徐放することができるので、上記過酸化水素付加物から供給される過酸化水素と持続的に反応し、ヒドロキシラジカルを生成することができる。そして、上記ヒドロキシラジカルが底泥をラジカル反応によって分解することができる。このように、本発明に係る水域環境改善材は、一時的にではなく、持続的に底泥を分解することができるため、底質の環境改善に非常に有用である。
鉄鉱石も、鉄鋼スラグと同様に持続的な底泥の分解を行う上で有用である。鉄鉱石としては、特に限定されるものではなく、赤鉄鉱、磁鉄鉱、黄鉄鉱、リョウ鉄鉱などを用いることができる。上記鉄鉱石は、1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いても良い。鉄鉱石の形態は特に限定されるものではないが、第一鉄イオンを放出しやすくするためには表面積を増やすことが好ましいため、粉体状であることが好ましい。
上記水域環境改善材において、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石は触媒として作用するものであるため、混合割合は特に限定されない。また、過酸化水素付加物の割合は、水域環境改善材100重量%に対して0.5〜1重量%程度であれば、発泡が穏やかであるため好ましい。ただし、上記水域環境改善材に占める過酸化水素付加物の割合は底泥の還元状態の度合いによるため、具体的な割合は限定されるものではなく、底泥の還元状態の度合いに基づいて適宜決定すればよい。
上記水域環境改善材を製造する方法は特に限定されるものではない。例えば、上記過酸化水素付加物と、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石を、従来公知の攪拌機等を用いて適宜混合することによって製造することができる。また、上記水域環境改善材の形態は特に限定されるものではなく、使用目的に応じて適宜変更することができる。例えば、粉体であってもよいし、ペレット状の錠剤であってもよい。
例えば、底質の環境悪化の防止または維持を目的とする場合は、ペレット状の錠剤に造粒し、過酸化水素および酸素の発生を粉体状の水域環境改善材よりも徐放性として、持続的に底泥の酸化的分解を行うことができるようにすればよい。
また、早急に環境改善を図りたい場合は、粉体状の水域環境改善材を底泥に混合すればよい。これにより、ペレット状の錠剤を用いる場合よりも速やかに酸素の供給と酸化還元電位の上昇が行われ、その結果、底泥の酸化的分解を促すことができる。
粉体状の水域環境改善材の粒径は特に限定されるものではない。上記粉体を調製する方法は特に限定されるものではなく、従来公知のロールミル等を用いて調製すればよく、必要に応じて、JIS標準篩等を用いて粒径を調製すればよい。
また、上記造粒を行う方法としては特に限定されるものではなく、例えば粉体状の上記水域環境改善材を、ブリケットマシン等による加圧成形、ドラムやパンによる転動造粒、押出成形機による造粒など、従来公知の造粒方法を用いて適宜造粒すればよい。水域環境改善材を造粒する場合、含水すると体積が膨張し、造粒組成物が自ら崩壊して比表面積を大きくするようにすることが好ましい。そのために、造粒成形の事前に、生石灰、ドロマイト焼成物、モンモリロナイト等の崩壊剤を適宜混合してもよい。これにより、造粒した場合でも水域環境改善材の比表面積を大きくすることができるため、フェントン反応を速やかに進行させることができ、反応効率を向上させることができる。
造粒した水域環境改善材の比重は、特に限定されるものではないが、ゆっくりと沈降させることを意図する場合は比重1.1〜1.2が好ましく、底質の中まで沈みこませることを意図する場合は比重1.2以上であることが好ましい。
上記水域環境改善材は、上記過酸化水素付加物と、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石以外のその他の成分を含んでいてもよい。上記その他の成分としては、例えばバインダーを挙げることができる。バインダーとしては限定されないが、例えば、水ガラス、マグネシウム塩、水酸化ナトリウム等を挙げることができる。また、上記その他の成分の上記水域環境改善剤における含有量は、35重量%以下であることが好ましい。
一実施形態において、本発明に係る水域環境改善材は、上記過酸化水素付加物が炭酸ナトリウム過酸化物であることが好ましい。炭酸ナトリウム過酸化物の水溶液は、容易に炭酸ナトリウムと過酸化水素とに分解するため、過酸化水素の供給材として有用である。生じた過酸化水素は、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石由来の第一鉄イオンとフェントン反応によってヒドロキシラジカルを生成し、当該ヒドロキシラジカルは底泥のラジカル分解に使用される。
炭酸ナトリウム過酸化物からの過酸化水素の発生は以下の式(1)によって表され、ヒドロキシラジカルの発生は以下の式(2)によって表される。
2NaCO・3H+2HO→4Na+2HCO +2OH+3H・・・(1)
Fe2++H→Fe3++HO+OH・・・(2)
他の実施形態において、本発明に係る水域環境改善材は、上記過酸化水素付加物が炭酸カルシウム過酸化物であることが好ましい。上述のように、炭酸カルシウムは、過酸化水素を安定に保持することができ、炭酸カルシウムが水に徐々に溶解するのに伴い、過酸化水素が徐々に放出される。よって、継続的な底泥の分解を行いたい場合に特に有効である。
上記炭酸カルシウム過酸化物は、天然物であってもよいが、人為的に炭酸カルシウムに過酸化物を保持させたものであってもよい。炭酸カルシウムに過酸化物を保持させる方法としては、特に限定されるものではないが、例えば炭酸カルシウムに過酸化水素の蒸気を噴霧する方法が挙げられる。この場合、下記の式(3)に示すように過酸化水素が炭酸カルシウムに保持される。
2CaCO+3H→2CaCO・3H・・・(3)
炭酸カルシウムとしては必ずしも純品を用いる必要はなく、例えばカキ殻や石灰石等のように、炭酸カルシウムを主成分とする物を用いてもよい。この場合、過酸化水素の蒸気を噴霧する等の方法によって過酸化水素を保持させたカキ殻や石灰石等を、上記炭酸カルシウム過酸化物として用いてもよい。この場合、過酸化水素を保持させたカキ殻や石灰石等の形態は特に限定されるものではない。例えば、粉体状、塊状であってもよく、カキ殻や石灰石等を破砕せずにそのままの形態で用いたものでもよい。ただし、カキ殻等の表面積を増やすことによって過酸化水素をより多く保持させることができるため、粉体状であることが好ましい。
なお、上記「主成分」とは、カキ殻等の炭酸カルシウムを主成分とする物の重量を100重量%とした場合に、炭酸カルシウムを50重量%以上含むことをいう。炭酸カルシウム過酸化物からの過酸化水素の発生は以下の式(4)によって表される。
2CaCO・3H+2HO→2Ca2++2HCO +2OH+3H・・・(4)
式(4)で表される反応によって発生した過酸化水素は、式(2)に示すようにフェントン反応によるヒドロキシラジカルの発生に用いられる。
このように、本発明に係る水域環境改善材由来の過酸化水素は、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石由来の第一鉄イオンとのフェントン反応によってヒドロキシラジカルを発生させる。一方で、第一鉄イオンと反応しなかった過酸化水素は、分解して酸素を発生する。それゆえ、上記ヒドロキシラジカルおよび酸素の発生によって、底質の酸化還元電位は上昇して酸化的な状態になる。そのため、底泥の酸化的分解を促進することができる。また、硫化水素を酸化によって除去することもできる。
上記過酸化水素付加物が炭酸カルシウム過酸化物である場合は、式(4)に示す反応によって発生したカルシウムイオンが底泥を中和するため、底泥のpHを上昇させることができる。その結果、硫酸還元菌を失活させることができる。また、カルシウムと硫化水素が反応して硫化カルシウムが生成し硫化水素が低減される。さらに、炭酸カルシウムを主成分とする物としてカキ殻を用いた場合は、通常廃棄されるカキ殻を、底質改善のために有効利用することができるというメリットもあり、循環型社会の実現に寄与することができる。
本明細書において用語「水域」とは、水質および底質(底泥)を含むものであり、また、海水域および淡水域のいずれをも含むものである。また、用語「底質」とは用語「底泥」と同義であり、水域の底部に堆積した有機物および/または栄養塩類を含む堆積物のことをいう。例えば、ヘドロを挙げることができる。上記有機物の具体的な成分は無限に存在し、特に限定されるのもではない。上記栄養塩類としては例えば、窒素およびリンが作る塩類を挙げることができる。
上記水域環境改善材の使用方法は特に限定されるものではないが、水域に散布して使用することが好ましい。水域への散布とは、水上または水中から上記水域環境改善材を投入する方法を基本とするが、水底の底泥上に当該水域環境改善材を散布する方法でもよい。底泥に確実に到達させ、底泥と反応させるためには、造粒した水域環境改善材を用いることが好ましい。また、底泥に直接上記水域環境改善材を混合してもよい。散布量、散布頻度は特に限定されるものではないが、定期的に散布水域の底質および水質の環境を調査し、適宜散布量、散布頻度を調整することが好ましい。
(2.底泥の酸化方法)
本発明に係る底泥の酸化方法は、本発明に係る水域環境改善材を水域に添加するものである。
本発明に係る水域環境改善材を水域に添加することによって、上記水域環境改善材に含まれる過酸化水素付加物は容易に分解し、上記式(1)、(4)のように過酸化水素を発生する。上記過酸化水素付加物については、既に説明したとおりである。
上記過酸化水素は、上記水域環境改善材に含まれる鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石に含まれる第一鉄イオンと反応し、上記式(2)に示すように、ヒドロキシラジカルを生成する。
また、第一鉄イオンと反応しなかった過酸化水素は、分解して酸素を発生する。本発明に係る水域環境改善材を水域に添加することによって、上記ヒドロキシラジカルおよび酸素が生成し、底質の酸化還元電位が上昇し、底質が酸化的な状態に変化するため、底泥を分解されやすい状態にすることができる。また、水域の貧酸素状態を改善することができる。
水域環境改善材を水域に添加する方法は、特に限定されるものではない。例えば、水域に散布する方法、底泥に直接上記水域環境改善材を混合する方法等を挙げることができる。
(3.底泥の分解方法)
本発明に係る底泥の分解方法は、本発明に係る水域環境改善材を水域に添加するステップ1と、還元型の底泥に光を照射するステップ2と、を含む。図1は、本発明に係る底泥の分解方法の概念図を示すものである。
本発明に係る水域環境改善材を水域に添加することによって、上記水域環境改善材に含まれる過酸化水素付加物は容易に分解し、上記式(1)、(4)のように過酸化水素を発生する。上記過酸化水素付加物については、既に説明したとおりである。
上記過酸化水素は、上記水域環境改善材に含まれる鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石に含まれる第一鉄イオンと反応し、上記式(2)に示すように、ヒドロキシラジカルを生成する。
上記ヒドロキシラジカルは、ラジカル反応によって底泥から水素を引き抜くことによって、底泥を酸化的に分解することができる。このように、本発明に係る方法では、上記水域環境改善材を水域に添加すると、過酸化水素付加物から過酸化水素および/または酸素が生成し、生成した過酸化水素が、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石からゆるやかに供給される第一鉄イオンとのフェントン反応により分解され、ヒドロキシラジカルが生成し、当該ヒドロキシラジカルが底泥を酸化的に分解する。よって、底質の富栄養状態を持続的かつ効率的に解消することができる。
上記水域は特に限定されるものではないが、中でも、底質に多量の底泥が蓄積されている内湾、内海、湖沼等の閉鎖性水域に本発明に係る底泥の分解方法を適用すれば、当該水域の環境を大幅に改善することができる。特に富栄養化の影響で底質に多量の底泥が蓄積している水域に本方法を適用することが最も効果的である。
上記水域環境改善材を水域に添加することによって、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石由来の第一鉄イオンは、図1に示すように、酸化されて第二鉄イオンとなる。この反応と共役してヒドロキシラジカルが生成する。一方で、還元型の底泥の光照射下での酸化によって第二鉄イオンは第一鉄イオンへと還元される。このように第二鉄イオンが再び第一鉄イオンに還元されるため、鉄を常に溶解度の大きい2価の溶存態に保つことができる。また、第一鉄イオンを補う必要がなく、繰り返し使用することができるため、図1に示す鉄の触媒サイクル(鉄サイクル)を促進することができ、底泥の分解効率を向上させることができる。
上記「還元型の底泥」とは、酸化還元電位がマイナスである底泥を示す。還元型の底泥へ光を照射する方法は、特に限定されるものではない。例えば、太陽光を上記還元型の底泥に照射するだけでもよいし、従来公知の光源を用いて光を照射してもよい。上記光源としては、例えば、発光ダイオードのような点光源や、蛍光灯のような線光源等を挙げることができる。照射される光の波長としては、特に限定されるものではなく、可視から紫外領域の光であれば酸化反応を進行させることができる。
還元型の底泥を光によって酸化することによって、同時に第二鉄イオンが第一鉄イオンへ還元され底泥の酸化還元電位がプラスに転じる。
なお本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
〔水域環境改善材による底泥の酸化〕
ベントス類を除去した大河入り江(広島県広島市)の底泥の湿重量100重量%に対して、(1)高炉水砕スラグ(粒径1−3 mm;JFE製、PTCスラグ)10重量%、(2)炭酸ナトリウム過酸化物(過炭酸ソーダ PC−2;松尾薬品産業(株))0.5重量%、または、(3)上記炭酸ナトリウム過酸化物0.5重量%および上記高炉水砕スラグ10重量%を添加して混合し、84.5mlのシール容器(各試験区3本立て)に充填後、蓋を被せて太陽光下で放置し、酸化還元電位(以下「ORP」と略記する)の経時変化を測定した。以下、上記(1)を高炉水砕スラグ区、(2)を炭酸ナトリウム過酸化物区、(3)を併用区と称する。また、対照としては底泥のみを用いた。
図2は、各試験区のORPの経時変化を示すものである。高炉水砕スラグ区ではORPの上昇は認められなかった。炭酸ナトリウム過酸化物区と併用区とを比較すると、併用区の方が初期のORPの上昇が顕著でかつ、試験期間を通して炭酸ナトリウム過酸化物区よりもORPが高い傾向を示した。
炭酸ナトリウム過酸化物単独では主として過酸化水素起源の酸素による酸化のみであるが、高炉水砕スラグと併用するとスラグが鉄源となって式(2)に示すフェントン反応によってヒドロキシラジカルの生成も同時に進行するため、ORPをさらに上昇させることができたと考えられる。このように、本法は非常に微量な素材量(0.5重量%炭酸ナトリウム過酸化物+10重量%高炉水砕スラグ)で極度に還元的な底泥を極めて短時間(30分以内)に酸化的な状態に改善することができるため、非常に有用であるといえる。
本発明に係る水域環境改善材は、アルカリ金属塩の過酸化水素付加物およびアルカリ土類金属塩の過酸化水素付加物から選ばれる1種以上の過酸化水素付加物と、鉄鋼スラグおよび/または鉄鉱石と、を含むので、底泥を効率的に分解することができる。したがって、漁業、水産業、環境産業、鉄鋼業等の産業に幅広く利用することが可能である。
図1は、本発明に係る底泥の分解方法の概念図を示すものである。 図2は、実施例における(1)高炉水砕スラグ区、(2)炭酸ナトリウム過酸化物区、(3)併用区のORPの経時変化を示すものである。

Claims (5)

  1. アルカリ金属塩の過酸化水素付加物およびアルカリ土類金属塩の過酸化水素付加物から選ばれる1種以上の過酸化水素付加物と、鉄鋼スラグと、を含むことを特徴とする底質環境改善材
  2. 上記過酸化水素付加物が、炭酸ナトリウム過酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の底質環境改善材
  3. 上記過酸化水素付加物が、炭酸カルシウム過酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の底質環境改善材
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の底質環境改善材を水域に添加することを特徴とする底泥の酸化方法。
  5. 請求項1から3のいずれか1項に記載の底質環境改善材を水域に添加するステップ1と、
    還元型の底泥に光を照射するステップ2と、を含むことを特徴とする底泥の分解方法。
JP2008144696A 2008-06-02 2008-06-02 底質環境改善材およびその利用 Expired - Fee Related JP5099773B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008144696A JP5099773B2 (ja) 2008-06-02 2008-06-02 底質環境改善材およびその利用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008144696A JP5099773B2 (ja) 2008-06-02 2008-06-02 底質環境改善材およびその利用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009291668A JP2009291668A (ja) 2009-12-17
JP5099773B2 true JP5099773B2 (ja) 2012-12-19

Family

ID=41540359

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008144696A Expired - Fee Related JP5099773B2 (ja) 2008-06-02 2008-06-02 底質環境改善材およびその利用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5099773B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012161754A (ja) * 2011-02-08 2012-08-30 Kajima Corp 底質改善構造体及び底質改善方法
DE202012006218U1 (de) 2012-06-27 2012-09-25 Hiwin Technologies Corp. Wälzlager
JP5940047B2 (ja) * 2013-12-25 2016-06-29 株式会社Tio技研 廃水浄化材
JP6499562B2 (ja) * 2015-11-02 2019-04-10 宍道湖漁業協同組合 湖底部又は湾底部で発生する硫化水素の無害化方法、及びそのシステム
CN117417070B (zh) * 2023-10-20 2024-06-11 广东海洋大学 一种养殖水域中抗生素抗性基因去除装置和快速检测方法

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60261600A (ja) * 1984-06-07 1985-12-24 Sumitomo Cement Co Ltd 底質改良組成物及び工法
JP2719716B2 (ja) * 1989-02-18 1998-02-25 日本石灰工業組合 自崩壊性を有する水質及び底質改善用造粒体
JP2968018B2 (ja) * 1990-03-02 1999-10-25 株式会社片山化学工業研究所 水中用過酸化水素製剤とその用途
JPH06254545A (ja) * 1991-07-09 1994-09-13 Tomoji Tanaka ゴルフ場、養魚場の溜池水の浄化
JPH0952092A (ja) * 1995-08-16 1997-02-25 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 廃水処理方法
JP4048273B2 (ja) * 2002-02-27 2008-02-20 独立行政法人産業技術総合研究所 紫外・可視光活性触媒
JP2004042011A (ja) * 2002-07-15 2004-02-12 Toru Ueda 生石灰を用いた石油系汚染土壌の早期浄化方法及び緑化法
JP2005046711A (ja) * 2003-07-28 2005-02-24 Kurita Water Ind Ltd 有機物含有水の処理方法および処理剤
JP4945742B2 (ja) * 2004-08-06 2012-06-06 国立大学法人広島大学 底質改善材およびそれを用いる底質改善方法
JP2006167713A (ja) * 2004-11-19 2006-06-29 Dowa Mining Co Ltd 汚染土壌または汚染地下水の浄化方法
JP2006326121A (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Adeka Corp 化学物質分解剤およびこれを用いた浄化方法
JP4548782B2 (ja) * 2005-06-09 2010-09-22 オルガノ株式会社 有機汚染物質の浄化方法
JP2007209824A (ja) * 2005-10-04 2007-08-23 Dowa Holdings Co Ltd 汚染土壌または汚染地下水の浄化方法
JP2007125521A (ja) * 2005-11-07 2007-05-24 Japan Organo Co Ltd 廃水の処理装置および方法
JP2007238356A (ja) * 2006-03-07 2007-09-20 Jfe Steel Kk 酸素発生剤及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009291668A (ja) 2009-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN100491276C (zh) 高浓度氨氮废水的组合式处理方法
CN102348648B (zh) 煤气化废水的处理方法
JP5099773B2 (ja) 底質環境改善材およびその利用
CN106957070A (zh) 一种快速高效氨氮去除剂及其制备方法和应用
CN108059229A (zh) 一种铁碳活化过硫酸盐处理高浓度难降解碱性废液的方法
KR100757518B1 (ko) 폐산, 폐알칼리 및 슬러지의 처리 및 자원화 방법
CN106391674A (zh) 一种含氰废渣的无害化处理方法
CN109650492A (zh) 一种铁碳微电解填料及其制备方法
CN100404085C (zh) 含砷废弃物无害化处理方法
Miao et al. Norfloxacin degradation in synthetic human urine using nickel converter slag-laterite heterogeneous Electro-Fenton process
JP2009118834A (ja) 微生物活性剤
JP2008126159A (ja) 水質改善剤、液状水質改善剤の製造方法および液状洗剤
KR100426470B1 (ko) 패각을 이용한 바다비료 제조방법
KR101002191B1 (ko) 슬러지 및 폐수 감소 및 가스 처리 방법
CN115244012A (zh) 处理水、沉积物和/或淤泥的方法
JP2006224087A (ja) 硝酸性窒素を含む排水の処理方法
JP6890960B2 (ja) 脱窒反応促進材組成物
JP5135552B2 (ja) 水域投入用製鋼スラグの製造方法
CN111285454B (zh) 一种铜活化二氧化硫脲还原降解卤代有机物的水处理方法
RU2450979C2 (ru) Способ очистки цианидсодержащих вод
JP4269087B2 (ja) 硝酸態窒素除去用活性化材の製造方法
Mulopo Direct elemental sulphur recovery from gold acid mine drainage streams
EP1256278A1 (en) Phytoplankton growth inhibitors and method of water purification with the use of the same
JP2005095758A (ja) 無機態窒素・リン含有水の処理方法及び装置
JP2003071493A (ja) 硝酸性窒素等除去用組成物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110330

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120117

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120124

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120313

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120911

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120920

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151005

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5099773

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees