JP5099524B2 - 窒化物半導体発光素子とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は窒化物半導体発光素子とその製造方法に関し、特に、主面に掘り込み領域を有する窒化物半導体基板を含む窒化物半導体発光素子とその製造方法の改善に関する。
GaN、AlN、InNおよびそれらの混晶に代表される窒化物半導体材料を利用して、紫外光から可視光の波長領域で発振する半導体レーザ素子が試作されている。このような半導体レーザ素子の基板にはGaN基板が用いられることが多く、GaN基板を含む半導体レーザ素子が各研究機関において精力的に研究されている。
しかし、現在ではGaN基板を含む半導体レーザ素子の歩留まり(例えば1枚のウエハから得られる良品素子の割合)が低く、素子のコストダウン等のためにも歩留まりの改善の必要性が高い。この歩留まりが低い原因の一つとして、レーザ素子におけるクラックの発生が挙げられる。
したがって、本出願人は、過去において特開2004−356454号公報に示されているように、窒化物半導体基板にストライプ状の掘り込み領域を形成し、その基板上に複数の窒化物半導体層を積層してレーザ素子を形成することによってクラック発生の抑制を行ってきた。
特開2004−356454号公報
本発明者は、窒化物半導体レーザ素子のクラック抑止を目的として、掘り込み領域を形成した無極性面および半極性面の主面を有する窒化物半導体基板上に窒化物半導体層を堆積することを試みた。なお、以後において、無極性面および半極性面の主面を有する窒化物半導体基板は、それぞれ無極性面基板および半極性面基板とも略称される。また、極性面の主面を有する窒化物半導体基板は、極性面基板とも略称される。さらに、主面に掘り込みを有する基板は、掘り込み基板とも略称される。
図2の模式的な断面図に示されているように、掘り込み領域Bを形成した無極性面基板または半極性面基板1001上に、AlGaNの3元混晶層1002が厚さ2μmに成膜された。この場合に、基板1001の掘り込み領域B以外の領域A上の領域C内において、AlxGa1-xN層のAl組成xが層厚方向において変動を生じることが分かった。そして、極性面基板上に堆積された窒化物半導体層に比べて、無極性面基板または半極性面基板上に堆積された窒化物半導体層において、層厚方向におけるAl組成xの変動がより顕著であることが分かった。なお、この場合において、設定された平均のAl組成はx=0.05であった。
図2に示されているような掘り込み基板1001を使用して半導体レーザ素子を作製する場合、通常ではクラッド層はAlGaNで形成される。この際に、領域C内においてAlxGa1-xNクラッド層のAl組成xが層厚方向に変動すれば、半導体レーザ素子の光閉じ込め効果が設計予想からはずれ、期待した光閉じ込め効果が得られなくなる。その結果として、レーザ素子の製造歩留まりが大きく低下することが分かった。実際に、掘り込み領域を有しない基板上でx=0.05のAlxGa1-xNクラッド層を堆積する条件と同じ堆積条件で掘り込み基板上にAlxGa1-xNクラッド層を形成した場合、最大でx=0.15程度の高濃度領域が発生することが分かった。
そこで、本発明は、窒化物半導体発光素子のクラックの発生を防ぎかつ基板の掘り込み領域以外の領域上における窒化物半導体層の組成変動を抑制して、高い歩留まりで窒化物半導体発光素子を得ることを目的としている。
本発明による窒化物半導体発光素子は、掘り込み領域が形成された主面を有する窒化物半導体基板と、掘り込み領域上に形成された結晶成長抑制膜と、結晶成長抑制膜および基板の主面を覆うように堆積された複数の窒化物半導体層を含み、結晶成長抑制膜はアルミニウム窒化物またはアルミニウム酸窒化物であることを特徴としている。
なお、窒化物半導体基板の主面は、半極性面または無極性面であり得る。この無極性面は、{1−100}面であり得る。
掘り込み領域は、結晶成長抑制膜で埋め込まれていないことが望まれる。結晶成長抑制膜の厚さは、掘り込み領域の深さの半分以下であることが好ましい。掘り込み領域の底部上に形成されている結晶成長抑制膜の厚さt1は、掘り込み領域の側部上に形成されている結晶成長抑制膜の厚さt2より大きいことが好ましい。
複数の窒化物半導体層内には、光導波路構造が形成され得る。この光導波路構造と結晶成長抑制膜との間の距離は、10μm以上離れていることが好ましい。
上述のような窒化物半導体発光素子は、窒化物半導体基板の一主面に掘り込み領域を形成し、掘り込み領域上に結晶成長抑制膜を形成し、そして結晶成長抑制膜および基板の主面を覆うように複数の窒化物半導体層を堆積させる工程を含むことによって製造することができる。
上述の結晶成長抑制膜は、その厚さが薄い場合には、窒化物半導体層が堆積される際に基板と窒化物半導体層の少なくともいずれかと反応して結晶成長抑制領域に変化し得る。
本発明によれば、窒化物半導体発光素子において、窒化物半導体基板上の窒化物半導体層内の組成変動およびクラックの発生を抑制することができ、製造歩留まりを顕著に改善することができる。
本発明による半導体レーザ素子の一例を図解する模式図である。 掘り込み基板上に堆積された窒化物半導体層を示す模式的断面図である。 掘り込み基板上に結晶成長する窒化物半導体層において組成変動が生じる過程を図解する模式的断面図である。 本発明による窒化物半導体積層構造の一例を示す模式的断面図である。 基板における種々の形態の掘り込み領域を例示する模式的断面図である。 本発明による処理基板を作製する過程の一例を図解する模式的断面図である。 本発明による処理基板における種々の形態の結晶成長抑制膜を示す模式的断面図である。 従来の掘り込み基板上に堆積された窒化物半導体層に関するX線強度プロファイルを示すグラフである。 本発明による処理基板上に堆積された窒化物半導体層に関するX線強度プロファイルを示すグラフである。 本発明による処理基板上に堆積された窒化物半導体層の表面モフォロジーを示す図である。 従来の掘り込み基板上に堆積された窒化物半導体層の表面モフォロジーを示す図である。 本発明による処理基板において結晶成長抑制領域が形成される過程を図解する模式的断面図である。 基板におけるストライプ状掘り込み領域の結晶方位関係の一例を示す模式的平面図である。 ストライプ状溝を有する基板上に窒化物半導体層が成長する場合にエッジグロースが生じる場合と生じない場合を示す模式的断面図である。
以下において、本発明による種々の実施形態を説明するに際して、いくつかの用語の意味を予め明らかにしておく。
まず、「掘り込み領域」とは、例えば図5の模式的断面図に示されているように、窒化物半導体基板の主面に形成されたストライプ状の凹部または溝を意味する。掘り込み領域の断面形状は、必ずしも図5(a)に示されたような矩形状である必要はなく、図5(b)に示されているように逆三角形状または逆台形状であってもよく、凹部の底部と上部の段差を生じさせるものであればよい。また、図5に示された溝と丘は1方向に沿って加工されたストライプ状の配列であるが、溝または丘が互いに交差し合った桝目状の配列であってもよい。また、同一基板上の複数の掘り込み領域は、それらの断面形状、深さf、および幅gの少なくともいずれかにおいて互いに異なっていてもよい。また、同一基板上の複数の掘り込み領域の間隔が変動していてもよい。
なお、本願の図面において、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法関係を表わしてはいない。
「掘り込み基板」とは、上記のような掘り込み領域が形成された窒化物半導体基板を意味する。
「窒化物半導体基板」とは、AlxGayInzN(0≦x≦1;0≦y≦1;0≦z≦1;x+y+z=1)からなる基板を意味する。ただし、窒化物半導体基板の窒素原子のうちで、その約10%以下がAs、P、またはSbの原子で置換されてもよい(ただし、基板の六方晶系が維持されることが前提)。また、窒化物半導体基板中に、Si、O、Cl、S、C、Ge、Zn、Cd、Mg、またはBeがドーピングされてもよい。n型窒化物半導体としては、これらのドーピング材料のうちでも、Si、O、およびClが特に好ましい。
本発明によれば、図2に示されているような窒化物半導体基板1001上の領域C内において、窒化物半導体層1002の組成変動を効果的に抑制することができる。そのような窒化物半導体基板の主面は、無極性面である{11−20}面(A面)もしくは{1−100}(M面)、または半極性面である{1−102}面(R面)、{1−101}面(P面)、もしくは{11−22}面であり得て、またこれらの結晶面方位から15°以内のオフ角度を有する基板主面であれば本発明の効果を得ることができる。さらに、基板主面が極性面である{0001}面(C面)である場合でも、本発明の効果を得ることができる。
本発明者は、図2に示されているような窒化物半導体基板1001上に窒化物半導体層1002を堆積した場合に、なぜ領域C内において窒化物半導体層の組成が変動するかを詳細に調べた。
図3の模式的断面図を参照して、説明を簡明にするために、掘り込み領域を有する窒化物半導体基板31上において図4の模式的断面図中のn型Al0.05Ga0.95Nクラッド層(厚さ2.2μm)41を堆積した場合に関して、その掘り込み領域内におけるAl組成変動の状況を説明する。
図3(a)では、窒化物半導体基板31の{1−100}主面において、幅5μmで深さ3μmのストライプ状掘り込み領域が、<0001>軸方向に平行でかつ400μmの周期で形成されている。MOCVD(有機金属化学気相堆積)装置内で1100℃の基板温度に設定された図3(a)の基板上に、図4に示されたn型Al0.05Ga0.95Nクラッド層(厚さ2.2μm)41が堆積される。
この場合、そのクラッド層が成長し始める初期の段階では、図3(b)に示すように、領域C上のクラッド層はAlGaN層32となるが、溝の内部に形成される窒化物半導体層33はAlを含まないGaN層またはAlGaN層32に比べてAl組成比が低いAlGaN層が堆積される。これは、基板の上表面に堆積される窒化物半導体層32の成長速度に比べて、溝の内部に形成される窒化物半導体層33の成長速度が速く、Alの拡散定数がGaの拡散定数より小さいために、窒化物半導体層33内に十分なAlが供給されないことによって引き起こされる。
図3(c)までの結晶成長では、溝内にGaが優先的に流れ込むので、基板の上表面上におけるAlGaN層32のAl組成比は設計値に比べて高い値となってしまう。他方、図3(d)に示されているように、溝の内部が窒化物半導体層で完全に埋った後においては、AlよりGaが優先的に溝の内部に流れ込むことがなくなるので、基板の上表面上においてAlGaNクラッド層34のAl組成がAlGaNクラッド層32に比べて低下する。
このように、溝を有する基板上に窒化物半導体層を成長させる場合に、AlとGaの拡散定数の違いから、基板の上表面上のクラッド層32と34においてAlの組成変動が起こることが分かった。なお、このような組成変動は掘り込み領域が窒化物半導体基板の極性面に形成されている場合でも起こるが、無極性面または半極性面に掘り込み領域が形成されている場合に顕著に観測され、発光素子設計の観点からぜひとも抑制しなくてはならない問題であることも分かった。
<実施形態1>
(参考としての従来の掘り込み基板)
まず、本発明の実施形態1に関連する参考として、従来の掘り込み基板上にそのまま窒化物半導体積層構造を成長させた場合が説明される。この場合、図3(a)に示された窒化物半導体基板31上において、図4に示された複数の窒化物半導体薄層41−49がMOCVDで堆積される。
図4を参照して、基板40(この参考例の場合は図3(a)の基板31に対応)上に、厚さ2.2μmのn型Al0.05Ga0.95Nクラッド層41、厚さ0.1μmのn型GaNガイド層44、厚さ4nmのInGaN層と厚さ8nmのInGaN層を含む2QW(2量子井戸)活性層45、厚さ20nmのp型Al0.15Ga0.85N蒸発防止層46、厚さ0.05μmのp型GaNガイド層47、厚さ0.5μmのp型Al0.05Ga0.95Nクラッド層48、および厚さ0.1μmのp型GaNコンタクト層49が順番に積層される。
ここで用いた基板はGaN基板であり、その主面の{1−100}面には、幅5μmで深さ3μmのストライプ状掘り込みが、<0001>方向に平行にかつ400μm周期でRIE(反応性イオンエッチング)、ICP(誘導結合プラズマ)などの気相エッチングで形成される。
図13の模式的平面図に示すように、窒化物半導体基板131の{1−100}主面において、<0001>方向(c軸方向)に平行にストライプ状の掘り込み領域132を形成することが好ましい。c軸に平行方向にストライプ状掘り込み領域形成すれば、その上に堆積される窒化物半導体層にエッジグロース(溝のエッジ部における異常成長)が発生せず、窒化物半導体層の厚さがより広い範囲で均一になり得る。
図14(a)の模式的断面図は、溝を有する基板140上において窒化物半導体層141に発生したエッジグロース142の一例を示している。他方、図14(b)は、溝を有する基板140上において窒化物半導体層141にエッジグロースが発生しない場合を示している。
レーザ素子において光導波路領域を生じるリッジストライプは、掘り込み領域の上方ではなくて、それ以外の丘領域の上方に形成する方が層厚の均一性などの観点から好ましい。窒化物半導体層の厚さがより広い範囲で均一であれば、レーザ素子のチップサイズを小さくして、1枚のウエハから取れるレーザ素子数を増やことができる。しかし、レーザ素子のサイズを小さくして多くの素子を得るためには、リッジストライプを掘り込み領域の近傍に形成しなくてはならない。この場合に、掘り込み領域の近傍における層厚の均一性が、素子の歩留まりの観点から必要である。通常では、基板140に掘り込み領域を形成すれば、掘り込み領域の両脇に窒化物半導体層141の厚さが増大するエッジグロース142が発生する(図14(a)参照)。このエッジグロースの発生を防止するために、図13におけるように、窒化物半導体基板131の{1−100}主面において<0001>方向に平行にストライプ状掘り込み領域132を形成することが好ましい。
(本実施形態1の処理基板)
図6(a)から(f)の模式的断面図は、本実施形態1おいて使用される処理基板の作製過程を図解している。まず、図6(a)において、窒化物半導体基板60の上面を覆うように、厚さ1μmのSiO2等の膜61がスパッタ法で成膜される(この成膜法は、電子ビーム蒸着、プラズマCVDなどであってもよい)。その後、図6(b)では、一般的なフォトリソグラフィを利用して、[0001]方向に平行なストライプ状ウインドウが幅5μmでかつ周期400μmでレジスト層62内に形成される。なお、図6(b)においては、図面の簡略のために1つのストライプ状ウインドウのみが示されている。ここでのストライプ状ウインドウの周期は、作製される半導体レーザ素子のリッジストライプ方向と垂直な方向における素子幅で決められる。すなわち、レーザ素子の幅を200μmにしたい場合には、ストライプ状ウインドウの周期も200μmに設定すればよい。
図6(c)においては、レジスト層62をマスクとして、SiO2層61をRIE法などでエッチングする。このエッチング後に、アセトン、エタノールなどを用いた有機洗浄によってレジスト層62が除去される。なお、レジスト層62を除去せずに、そのまま次工程を行ってもよい。その後、図6(d)に示すように、SiO2層61をマスクとして利用しながら、SiO2層61およびGaN基板60がICP法またはRIE法によりエッチングされる。この場合、GaN基板60のエッチング深さは、例えば5μmである。すなわち、図6(d)における掘り込み深さd1がエッチング深さを表している。
図6(e)においては、結晶成長抑制膜として厚さ0.2μmのアルミニウム窒化物(AlN)層63がスパッタ法で成膜される(この成膜法は、電子ビーム蒸着、プラズマCVD法、ECR(電子サイクロトロン共鳴)プラズマスパッタなどであってもよい)。その後、図6(f)に示すように、HFなどのエッチャントを用いたリフトオフ法によって、SiO2層61を除去して、アルミニウム窒化物(AlN)層63が掘り込み溝内に残される。
図7(a)の模式的断面図は上述の図6の工程を経て得られた処理基板を示し、図7(b)と(c)は図6に類似の工程によって得られる変形例の処理基板を示している。図7において、参照符合D1は結晶成長抑制膜の幅、D2は溝開口部の幅、t1は溝底部における結晶成長抑制膜の厚さ、t2は溝側部における結晶成長抑制膜の厚さ、t3は溝内の結晶成長抑制膜の上端から基板上面までの距離、そしてt4は溝開口部を超えて基板上面に広がった結晶成長抑制膜の幅を表している。
図7(a)では、結晶成長抑制膜の幅D1は溝開口部の幅D2と同じである。他方、図7(b)では結晶成長抑制膜の幅D1は溝開口部の幅D2より狭く、図7(c)では結晶成長抑制膜の幅D1は溝開口部の幅D2より広くて基板上面にも広がっている。
図7(b)と(c)の処理基板の作製例においては、まず窒化物半導体基板が図6(a)から(d)までの同じ工程で処理される。その後、HFなどのエッチャントによってSiO2層61を除去して、掘り込み領域が形成された窒化物半導体基板を得る。この後、基板上面の全域にレジストが塗布される。そして、図7(b)または(c)の処理基板を得る場合に対応して、溝の開口部に比べて狭いまたは広い範囲でレジスト層がフォトリソグラフィによって除去される。その後、結晶成長抑制膜がスパッタ法、EB蒸着法、プラズマCVD法などにより形成され、リフトオフ法によって溝の開口部より狭いまたは広い範囲の結晶成長抑制膜が残される。
本発明において、エッチング方法としては、気相エッチングを用いてもよいし、液相のエッチャントを用いてエッチングを行ってもよい。また、掘り込み領域の形成に関しては、GaN基板上に一度GaN、InGaN、AlGaN、InAlGaN、InAlN等の窒化物半導体層を成長させた後に掘り込み領域を形成してもよい。すなわち、基板上に窒化物半導体層の結晶成長を一度行なった後に掘り込み領域を形成し、その上にさらに窒化物半導体積層構造を成長させる場合であっても、本発明を適用することができる。
本実施形態1では、図7(a)に示されているような基板(図4における基板40に相当)上に図4中の窒化物半導体層41−49をMOCVDで成長させて窒化物半導体ウエハを作製する。また、参考のために、図3(a)に示されているような従来の掘り込み基板上に図4中の窒化物半導体層41−49をMOCVDで成長させて窒化物半導体ウエハをも作製する。これらのウエハは、同様の工程で半導体レーザ素子に加工される。
半導体レーザ素子に加工するプロセスは一般的によく知られているので、ここではその概要のみが図1を参照しつつ説明される。まず、窒化物半導体積層構造11において、電流狭窄のためのストライプ状リッジ12が形成される。SiO2膜13から露出されたリッジ頂面のp型窒化物半導体上に、例えばPd/Pt/Au=15nm/15nm/200nmのp電極14が形成される。基板10aの下面の研削研磨を行った後に、その基板下面に例えばHf/Al/Mo/Pt/Au=5nm/150nm/36nm/18nm/200nmのn電極が形成される。このウエハは、リッジストライプ12に直交する面で複数のバーの状態に分割される。このとき、半導体レーザ素子のキャビティ長が300μmから1800μmの範囲になるように分割される。本実施形態1の場合では、キャビティ長が600μmに設定された。その後、各バーは複数の半導体レーザ素子にチップ分割される。
図1(a)と(b)は、上述のようにして作製された本実施形態1による半導体レーザ素子を示す模式的な断面図と上面図である。図1(a)において、処理基板10aは{1−100}主面を有するn型GaN基板あり、図4における基板40に相当する。図6の方法によって、処理基板10aには掘り込み領域16が形成されており、この掘り込み領域内の側面部と底面部にはAlNの結晶成長抑制膜10bが形成されている。この場合に、図7(a)に示されているような厚さt1が20nmであり、厚さt2が8nmであった。すなわち、結晶成長抑制膜10bは、掘り込み領域16の底面上に比べて側面上において薄くされている。
以上のようにして得られた本実施形態1による処理基板上に形成された半導体レーザ素子においては、従来の掘り込み基板上に形成された半導体レーザ素子に比べて、素子歩留まりが顕著に改善された。
(掘り込み領域側面部の傾斜)
本実施形態1では、結晶成長抑制膜の形成方法としてECRスパッタ装置を用いている。しかし、EB蒸着などを用いた場合には、掘り込みの側面部上において結晶成長抑制膜の厚さが極端に薄くなって連続膜状に形成されないか、または結晶成長抑制膜全く形成されないことがある。このような状況は、掘り込み領域の側面の傾斜角を調整することによって回避することができる。すなわち、図3(a)に示した傾斜角γが、掘り込み領域のエッチング条件を制御することによって、90度より大きくされ得る。このように側面部の傾斜角γを90度より大きくすることによって、その側面部において効率よく結晶成長抑制膜を形成することが可能になる。
(リッジトライプと結晶成長抑制膜との距離)
図1(a)において、リッジストライプ12と結晶成長抑制膜10bとの間の距離dは40μmに設定されている。
結晶成長抑制膜の端の領域においては、その上に成長する窒化物半導体層の厚さが結晶成長抑制膜のない領域と異なる傾向にあり、またAlGaNを形成した場合にはAlの組成が変動する傾向にある。このような層厚と組成の変動は、結晶成長抑制膜の端から10μm程度離れた領域まで起こり得る。したがって、リッジトライプ(光導波路構造)12は、結晶成長抑制膜の端から10μm以上離れた領域に形成されることが好ましい。図7(b)と(c)の場合においても、リッジトライプ12は、結晶成長抑制膜の端から10μm以上離した領域に形成されることが好ましい(d≧10μm)。
(AlGaNクラッド層の組成変動抑制)
結晶成長抑制膜を有しない従来の掘り込み基板と本実施形態1による処理基板との各基板上に堆積された窒化物半導体層に関して、X線回折装置にて2θ/ωスキャンを行いってX線強度プロファイルが測定された。
図8のグラフは従来の掘り込み基板上に堆積された窒化物半導体層に関するX線強度プロファイルを示し、図9のグラフは本実施形態1による処理基板上に堆積された窒化物半導体層に関するX線強度プロファイルを示している。これらのグラフにおいて、横軸はスキャン角度2θ/ωを表し、縦軸はX線強度を表している。また、これらのグラフ中でピークAはGaN基板からの信号であり、ピーク群Bは厚さ2.2μmのn型Al0.05Ga0.95Nクラッド層41からの信号である。
図8では、ピーク群Bが分離した3つのピークを含み、n型Al0.05Ga0.95Nクラッド層の組成が大きく変動していることが分かる。すなわち、ピーク群B中の各ピークの位置がAlの組成を反映している。この組成変動の原因とメカニズムは、図3を参照して前述した通りである。このX線測定から、Alの組成比xが0.1程度まで増加した領域があることが分かった。SEM(走査型電子顕微鏡)による観察から、図3に示したように層厚方向に組成変動があることも確認された。
図9では、ピークBが単一のピークを示しており、Alの組成が変動していないことを表している。SEMによる観察でも組成変動を示す像コントラストが見られず、顕著に組成変動を抑制できていることが分かる。このようなAlの組成変動を防止することにより、半導体レーザ素子のFFP(遠視野像)のバラツキが大幅に改善され、素子の歩留まりが顕著に改善された。
(表面モフォロジーの改善)
図10は本実施形態1による処理基板を用いて作製された窒化物半導体ウエハの表面モフォロジーを示し、図11は従来の掘り込み基板を用いて作製された窒化物半導体ウエハの表面モフォロジーを示している。図10(a)はウエハ表面の光学顕微鏡写真であって、2本の黒線は基板の掘り込み領域上に残存するくぼみであり、これらの黒線の間隔は掘り込み領域の周期である400μmに対応している。図10(b)は、図10(a)に対応する掘り込み領域の近傍を示す模式的断面図である。同様に、図11(a)は図10(a)と同じ倍率の光学顕微鏡写真であり、図11(b)は図11(a)に対応する掘り込み領域の近傍を示す模式的断面図である。
図11に示すように、従来の掘り込み基板10a上に堆積された窒化物半導体層100の表面にはくぼみが見られず、掘り込み領域が完全に埋っている。さらに[11−20]方向に平行に波状の表面凹凸が顕著に現れ、表面モフォロジーが悪化している。この表面モフォロジーの悪化は窒化物半導体層の厚さの変動に起因しており、ウエハ面内において層厚変動があることが断面SEM観察によって分かった。このように、表面モフォロジーの悪化は層厚の面内変動に起因しているので、この層厚変動を抑制する必要がある。この層厚の面内変動は、掘り込み領域が完全に埋って、掘り込み領域上の窒化物半導体層の表面くぼみが無くなった後に顕著に現れる。
他方、本実施形態1で作製された窒化物半導体ウエハは、図10に示すように、掘り込み領域に形成された結晶成長抑制膜10b上の窒化物半導体層表面にくぼみ101が残っていることが分かる。さらに[11−20]方向に平行に現れる波状の表面凹凸が顕著に抑制され、層厚の面内変動も抑制されることが分かった。これは、掘り込み領域内に形成された結晶成長抑制膜10bによって窒化物半導体層の成長が抑制され、掘り込み領域上の窒化物半導体層の表面にくぼみが残ったからであると考えられる。
そして、表面にくぼみが残っているために、窒化物半導体層に発生するクラックも抑制することができ、成膜後発生したクラックは0本であった。
また、掘り込み領域上の窒化物半導体層表面に形成されたくぼみ部分の斜面102が{1−100}面と等価な面になれば表面モフォロジーが顕著に改善されることが分かった。窒化物半導体層の表面と掘り込み領域上のくぼみ部分の斜面とがなす角を図10(b)に示すようにθとすれば、θがほぼ120度になったときにくぼみ部分の斜面が{1−100}面と等価な面となる。本実施形態1の場合、効率よくくぼみ部分の斜面が{1−100}面と等価な面にすることができる。これによって、より表面モフォロジーが良好になり得る。これは、上記二つの斜面が等価な結晶面になることによって結晶成長速度が同じになり、層厚の変動が抑制されるものと考えられる。
さらに、ウエハの一部に異常個所があってそれが原因で層厚変動が起こっても、掘り込み領域によって400μm間隔で[11−20]方向の結晶成長が分断されるので、層厚変動の影響が拡散しないと考えられる。このため、掘り込み領域の間隔は1mm以下であって、400μm以下であることが好ましい。他方、この間隔が5μm以下になれば、レーザ素子のリッジストライプを形成できなくなるので好ましくない。
(掘り込み領域の形状)
掘り込み領域は、図5に示すように窒化物半導体基板表面でストライプ状に加工された溝または凹部を意味する。掘り込み領域の深さは、図5中の符合fで示されているように、基板表面から溝の底部までの距離となる。クラックを有効に抑止するための掘り込み深さは、0.1μm以上15μm以下であることが必要である。溝が浅過ぎれば結晶成長抑制膜ですぐに埋ってしまうので0.1μm以上の深さが必要であり、15μm以上の深さではプロセス時間が長くなる。
掘り込み領域の開口幅は、図5中の符合gで示すように、掘り込み基板表面の開口幅として定義される。この開口幅としては、1μm以上50μm以下であることが好ましい。掘り込み領域上にレーザ素子のリッジストライプを形成することは好ましくないので、開口幅が50μmより大きくなれば、ウエハ面内で有効使用できない領域が増えて、1枚のウエハからのレーザ素子の取れ数が減少するので好ましくない。他方、開口幅gが1μmより小さければ、掘り込み領域がすぐに埋め込まれやすいので好ましくない。
(結晶成長抑制膜の厚さ)
結晶成長抑制膜の厚さに関して、掘り込み領域の溝が結晶成長抑制膜で完全に埋ってしまった状態では、クラックの発生が防止され得ないので好ましくない。図7(a)における厚さt1は、掘り込み深さf(図5中の符合fを参照)の半分以下であること好ましい。また厚さt2は、掘り込み領域の開口幅g(図5中のgを参照)の半分以下であることが好ましい。厚さt1とt2がこれらの値より大きければ、掘り込み領域が確保できず、クラックの抑制効果がなくなり、またクラッド層の組成変動が大きくなる。t1とt2の関係としては、t1≧t2の場合が、結晶成長抑制膜の剥がれなどの不良が減少する観点から好ましい。
(結晶成長抑制領域)
結晶成長抑制膜の厚さが10−50nm程度に薄い場合、窒化物半導体層を700℃から1000℃程度の成長温度で成膜を行った際に、基板である窒化物半導体と混ざり合いって混晶化する。この現象が、図12の模式的断面図を参照して説明される。
図12(a)において、掘り込み領域内にAlN(窒化アルミニウム)の結晶成長抑制膜が形成される。この時、結晶成長抑制膜の厚さt1とt2はともに10nmであった。その後、MOCVD装置内に基板を搬入し、1000℃の結晶成長温度でn型GaN層121を成長させた。この時、図12(b)に示されているように、結晶成長抑制膜であるAlNと窒化物半導体基板(GaN基板)が、1000℃の温度で反応してAlGaNの混晶に変化する。このように、最終的に結晶成長抑制膜として存在しなくなって、掘り込み領域の側面部と底面部が基板と組成の異なる領域120になっていても、結晶成長抑制膜と同じ効果をもたらすことが分かった。そこで、本願明細書においては、掘り込み領域の側面部と底面部において、基板と組成が異なる領域120を結晶成長抑制領域と呼ぶことにする。
このような場合には、結晶成長抑制膜の厚さが消失していても、結晶成長抑制領域が基板に形成されていればよい。もちろん、図7(b)と(c)の結晶成長抑制膜の厚さが消失して結晶成長抑制領域になった場合でも、同様の効果が認められる。図7(c)の場合には、掘り込み領域外の基板上表面にも、結晶成長抑制領域が形成されることになる。結晶成長抑制膜の厚さが大きい場合にはその一部が基板と反応して結晶成長抑制領域を形成し、その上に結晶成長抑制膜が残って2層構造になることがあるが、その場合においても本発明の効果が得られる。
結晶成長抑制膜の境界部には、一般に表面段差が生じる。しかし、結晶成長抑制膜と基板と混晶化して結晶成長抑制領域が形成される場合には、結晶成長抑制領域の境界部に表面段差が形成されにくい。このような表面段差を有しない結晶成長抑制領域を利用した場合の方が、結晶層の成長がスムーズに行われ、表面モフォロジーの観点から好ましい。
結晶成長抑制膜がAlON(アルミニウム酸窒化物)である場合には、GaN基板との反応によって、結晶成長抑制領域はAlGaONとなる。
また、結晶成長抑制膜は基板と反応するだけでなく、その上に成長する窒化物半導体層とも反応する場合がある。この反応も、結晶成長抑制の効果を生じるので好ましい。さらに、結晶成長抑制膜は基板と反応しなくてもその上に成長する窒化物半導体層と反応する場合もあり、この場合にも本発明の効果が得られる。結晶成長抑制膜がSiO2、Al23などの酸化物膜の場合には、結晶成長抑制膜と窒化物半導体層とは、エピタキシャルの関係にない。しかし、結晶成長抑制膜がアルミニウム酸窒化物膜(AlOx1-xに含まれる酸素量xが0.4以下の場合)またはアルミニウム窒化物膜である場合には、結晶成長抑制膜上で窒化物半導体層がエピタキシャル成長し得る。この場合は、結晶成長抑制領域と基板表面との境界において結晶成長が非常にスムーズであるので、表面モフォロジーの観点からより好ましい。また、結晶成長抑制膜がアルミニウム酸窒化物膜またはアルミニウム窒化物膜である場合、窒化物半導体基板と反応することが多い。
上述のように、結晶成長抑制膜は、基板もしくは窒化物半導体層、または基板および窒化物半導体層の両方と反応することがある。例えば、結晶成長抑制膜にAlONを用いれば、掘り込み領域において基板と窒化物半導体層の界面で、Alまたは酸素の濃度が周囲に比べて高くなる。すなわち、使用した結晶成長抑制膜に含まれる元素の濃度が、界面付近で増加する。
(結晶成長抑制膜の種類)
結晶成長抑制膜としては、アルミニウム窒化物膜、アルミニウム酸窒化物膜、アルミニウムとガリウムの窒化物膜が好ましい。これらの材料の結晶成長抑制膜を用いることによって、結晶成長層におけるクラックの抑制効果、表面モフォロジーの改善効果、クラッド層のAl組成変動抑制効果のすべてにおいて高い効果を得ることができる。上記材料は窒化物半導体層と同じ結晶構造をとり得るので、結晶成長抑制膜の領域とそれ以外の領域とで結晶構造が連続的になって好ましい。これらの理由により、上記の好ましい効果が得られるものと考えられる。
結晶成長抑制膜の材料として次に好ましいのは、シリコン(Si)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、ジルコニア(Zr)、イットリア(Y)、ニオビウム(Nb)、ハフニウム(Hf)、およびタンタル(Ta)の酸化物、酸窒化物、または窒化物である。これらの材料に次いで好ましいのは、モリブデン、タングステン、タンタルなどの高融点金属である。
結晶成長抑制領域として、アルミニウムの窒化物、アルミニウムの酸窒化物、アルミニウムとガリウムの窒化物、アルミニウムとガリウムの酸窒化物が好ましい。
(結晶成長抑制膜の形態)
図7(a)、(b)および(c)のいずれのパターンの結晶成長抑制膜を利用した場合においても、図9に示すような組成変動を抑制する効果が得られた。なお、t4の範囲としては、0μm<t4≦30μmであることが好ましい。
<実施形態2>
本発明の実施形態2は基本的には実施形態1に類似しているが、本実施形態2ではGaN基板の{1−100}主面において、<11−20>方向に平行であって5μm幅と3μm深さを有するストライプ状掘り込み領域が400μm周期で気相エッチングによって形成された。結晶成長抑制膜としては、AlOx1-x(x=0.1)が用いられた。結晶成長抑制膜の形状としては図7(b)の形状が用いられ、この場合の距離t3は0.5μmに設定された。このような処理基板を用いた本実施形態2の場合でも、レーザ素子におけるクラック発生の抑制、表面モフォロジーの改善、AlGaN層における組成変動の抑制などの効果が得られる。
<実施形態3>
本発明の実施形態3も基本的には実施形態1に類似しているが、本実施形態3ではGaN基板の主面が{11−20}面であり、<1−100>方向に平行であって5μm幅と3μm深さを有するストライプ状掘り込み領域が400μm周期で気相エッチングによって形成された。結晶成長抑制膜としては、AlNが用いられた。結晶成長抑制膜の形状としては図7(c)の形状が用いられ、この場合の厚さt4は2μmに設定された。このような処理基板を用いた本実施形態3の場合でも、レーザ素子におけるクラック発生の抑制、表面モフォロジーの改善、AlGaN層における組成変動の抑制などの効果が得られる。
<実施形態4>
本発明の実施形態4も基本的には実施形態1に類似しているが、本実施形態4ではGaN基板の{11−20}主面において、<0001>方向に平行であって5μm幅と3μm深さを有するストライプ状掘り込み領域が400μm周期で気相エッチングによって形成された。結晶成長抑制膜としては、SiO2が用いられた。結晶成長抑制膜の形状としては図7(a)の形状が用いられ、この場合の厚さt1は0.3μmで厚さt2は0.1μmであった。このような処理基板を用いた本実施形態4の場合でも、レーザ素子におけるクラック発生の抑制、表面モフォロジーの改善、AlGaN層における組成変動の抑制などの効果が得られる。
<実施形態5>
本発明の実施形態5も基本的には実施形態1に類似しているが、本実施形態5ではGaN基板の主面が{11−22}半極性面であり、<−1−123>方向に平行であって5μm幅と3μm深さを有するストライプ状掘り込み領域が400μm周期で気相エッチングによって形成された。結晶成長抑制膜としては、Al23が用いられた。結晶成長抑制膜の形状としては図7(a)の形状が用いられ、この場合の厚さt1は0.3μmで厚さt2は0.1μmであった。このような処理基板を用いた本実施形態5の場合でも、レーザ素子におけるクラック発生の抑制、表面モフォロジーの改善、AlGaN層における組成変動の抑制などの効果が得られる。
以上のように、本発明によれば、窒化物半導体発光素子において、窒化物半導体基板上の窒化物半導体層内の組成変動およびクラックの発生を抑制することができ、製造歩留まりを顕著に改善することができる。
10a,1001 窒化物半導体基板、10b 結晶成長抑制膜、1002 窒化物半導体層、12 リッジストライプ、13 電流狭窄用SiO2膜、14 p型用電極、15 n型用電極、16 掘り込み領域、31 {1−100}主面を有する窒化物半導体基板、32 AlGaN層、33 窒化物半導体層、34 クラッド層、40 窒化物半導体基板、41 n型Al0.05Ga0.95Nクラッド層、44 n型GaNガイド層、45 2QW(2量子井戸)活性層、46 p型Al0.15Ga0.85N蒸発防止層、47 p型GaNガイド層、48 p型Al0.05Ga0.95Nクラッド層、49 p型GaNコンタクト層、60 窒化物半導体基板、61 SiO2層、62 レジスト層、63 アルミニウム窒化物(AlN)層、101 くぼみ、102 くぼみ101の斜面、120 結晶成長抑制領域、121 窒化物半導体層、131 窒化物半導体基板、132 掘り込み領域、140 掘り込み基板、141 窒化物半導体層、142 エッジグロース部。

Claims (14)

  1. 掘り込み領域が形成された主面を有する窒化物半導体基板と、前記掘り込み領域上に形成された結晶成長抑制膜と、前記結晶成長抑制膜および前記基板の前記主面を覆うように堆積された複数の窒化物半導体層を含み、前記結晶成長抑制膜がアルミニウム窒化物またはアルミニウム酸窒化物であることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  2. 前記窒化物半導体基板の前記主面が半極性面または無極性面であることを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体発光素子。
  3. 前記窒化物半導体基板の前記主面が{1−100}面であることを特徴とする請求項に記載の窒化物半導体発光素子。
  4. 前記掘り込み領域が前記結晶成長抑制膜で埋め込まれていないことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  5. 前記結晶成長抑制膜の厚さが前記掘り込み領域の深さの半分以下であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  6. 前記掘り込み領域の底部上に形成されている前記結晶成長抑制膜の厚さt1が、前記掘り込み領域の側部上に形成されている前記結晶成長抑制膜の厚さt2より大きいことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  7. 前記複数の窒化物半導体層内に光導波路構造が形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  8. 前記光導波路構造と前記結晶成長抑制膜との間の距離が10μm以上であることを特徴とする請求項に記載の窒化物半導体発光素子。
  9. 窒化物半導体基板の一主面に掘り込み領域を形成し、前記掘り込み領域上に結晶成長抑制膜を形成し、そして前記結晶成長抑制膜および前記基板の前記主面を覆うように複数の窒化物半導体層を堆積させる工程を含み、前記結晶成長抑制膜がアルミニウム窒化物またはアルミニウム酸窒化物であることを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
  10. 掘り込み領域が形成された主面を有する窒化物半導体基板と、前記掘り込み領域に形成された結晶成長抑制領域と、前記結晶成長抑制領域および前記基板の前記主面を覆うように堆積された複数の窒化物半導体層を含み、前記結晶成長抑制領域はアルミニウムとガリウムを含む窒化物またはアルミニウムとガリウムを含む酸窒化物からなることを特徴とする窒化物半導体発光素子。
  11. 前記窒化物半導体基板の前記主面が半極性面または無極性面であることを特徴とする請求項10に記載の窒化物半導体発光素子。
  12. 前記窒化物半導体基板の前記主面が{1−100}面であることを特徴とする請求項11に記載の窒化物半導体発光素子。
  13. 前記複数の窒化物半導体層内に光導波路構造が形成されていることを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の窒化物半導体発光素子。
  14. 窒化物半導体基板の一主面に掘り込み領域を形成し、前記掘り込み領域上に結晶成長抑制領膜を形成し、そして前記結晶成長抑制膜および前記基板の前記主面を覆うように複数の窒化物半導体層を堆積させるとともに前記結晶成長抑制膜が結晶成長抑制領域に変化する工程を含み、前記結晶成長抑制膜がアルミニウム窒化物またはアルミニウム酸窒化物であることを特徴とする窒化物半導体発光素子の製造方法。
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