JP5098713B2 - 音響信号処理システム及びプログラム - Google Patents

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この発明は、外部から入力する複数の各音響信号を、複数の送信ポートから音響信号処理装置に送信する信号入力装置と、音響信号を録音する複数のトラックを備えた音響信号処理装置とを備えた音響信号処理システム及び、コンピュータをこのような音響信号処理システムとして機能させるためのプログラムに関する。
従来から、PC等のコンピュータを、音響信号を録音する複数のトラックを備えた音響信号処理装置として機能させるためのプログラムとして、種々のDAW(Digital Audio Workstation)アプリケーション(以下、「DAWアプリ」という)が知られている。
また、DAWアプリを起動したPCと、音響信号を複数のポートから送信して外部装置に入力する信号入力装置とを接続して、DAWアプリが実現するトラックにより、外部装置から供給される音響信号を録音することも行われている。
ところで、外部装置から入力される音響信号をDAWアプリに録音させる場合、信号を受信するポートと録音に用いるトラックとを対応付ける必要がある。しかし、DAWアプリを実行するコンピュータのハードウェアにはバリエーションが多く、入出力インタフェースとしても、端子LSIや増設カード等、種々のハードウェアが使用される。
オーディオ波形データの入出力について言えば、マザーボード上のLSIのオーディオ入出力端子を用いる場合もあるし、USB(Universal Serial Bus)やIEEE1394(Institute of Electrical and Electronic Engineers 1394)で接続された、入出力端子を備える周辺機器を用いる場合もある。そして、これらの場合、コンピュータがオーディオ波形データを受け取るポートの名称は、オーディオ入出力端子を提供しているLSIや周辺機器に応じた名称となる。
従来のDAWアプリにおいては、このような状況で、固定された名称を用いて各トラックに対する波形データ入力元を設定できるようにするため、「仮想バス」の機能を設けることが行われている。
この機能は、データ入力時について言えば、入力端子(周辺機器の端子の場合もある)から入力されたオーディオ波形データをいずれかのポートで受け取る場合、まずバス(仮想バス)を作成してそのポートに接続し、録音に用いるトラックには、波形データ入力元としてそのバスを指定する、というものである。
そして、この機能によれば、トラックの入力元としては、ユーザが作成し、自由に名前をつけられるトラックを指定できる。従って、あるハードウェア環境で作製したトラックの設定データを、別のハードウェア環境で利用する場合でも、ポートとバスの間の接続さえハードウェア環境に合わせて設定すれば、トラックの設定はそのまま利用できる。このため、仮想バス機能を採用することにより、トラックの設定データの転用を容易にし、システムの運用性や利便性を高めることができる。
このようなDAWアプリについては、例えば非特許文献1に記載されている。
「Cubase(登録商標)4 オペレーションマニュアル」、[online]、2007年、Steinberg Media Technologies GmbH.、[2008年3月11日検索]、インターネット<URL:http://www.steinberg.net/1172_0.html>
ところで、上述のような仮想バス機能を採用する場合、オーディオ波形データの入力を受け付けるポートとその波形データを録音するトラック、あるいは音響信号が入力する(外部装置の)端子とその音響信号を録音するトラックとの対応関係については、間にバスが介在する分、分かりづらくなってしまうという問題があった。
また、各トラックに対する入力元の設定は、従来は、バス名により行っていたため、ここでトラックの入力元として設定するバスが物理的な信号供給元デバイスのどのポート又は入力端子に対応するのかは、ユーザが判断しなければならず、設定の難易度が高かった。
なお、この問題については、仮想バス機能を用いず、トラックの入力元として直接ポートを設定する場合でも、同様に発生するものである。
また、専用のハードウェアを用いて構成される音響信号処理装置においても、同様に起こり得るものである。
この発明は、このような問題を解決し、外部装置から送信される音響信号を音響信号処理装置の複数のトラックで録音する場合でも、トラックと、信号供給元デバイスとの対応関係を分かり易くすることを目的とする。
この発明は、上記の目的を達成するため、外部から入力する複数の各音響信号を、複数の送信ポートから音響信号処理装置に送信する信号入力装置と、それぞれ上記信号入力装置が送信した音響信号を受信する複数の受信ポートと、それぞれその複数の受信ポートのいずれかに接続され、その受信ポートで受信された音響信号を入力する複数のバスと、それぞれそのバスのいずれかから供給される音響信号の録音を行う複数のトラックとを有する音響信号処理装置と、を備えた音響信号処理システムにおいて、上記信号入力装置に、上記複数の送信ポートの各々と対応する表示器と、上記音響信号処理装置から受信した制御データに応じてその表示器の表示内容を制御する表示制御手段とを設け、上記音響信号処理装置に、上記複数のバスの各々について、どの信号入力装置の送信ポートから送信された音響信号を受信する受信ポートと接続されているかを記憶する記憶手段と、ユーザの操作に応じて上記複数のトラックのいずれかを選択する選択手段と、その選択手段がいずれかのトラックを選択した場合に、そのトラックに音響信号を供給するバスを検索する検索手段と、その検索手段が条件に合うバスを発見し、かつ、上記記憶手段に記憶している情報に基づき、その発見したバスが、自機から表示器の表示内容を制御可能な信号入力装置から送信される音響信号を受信する受信ポートに接続されたバスであると判断した場合に、その発見したバスが接続する受信ポートに対して音響信号を送信する信号入力装置に対し、その受信ポートに対して音響信号を送信する送信ポートと対応する表示器に、上記選択手段が選択したトラックと対応する送信ポートであることを示す表示を行わせるための第1の制御データを送信する制御データ送信手段とを設けたものである。
このような音響信号処理システムにおいて、上記音響信号処理装置に、処理に使用するバス及びトラックと、各バスが接続される受信ポートと、各トラックへの信号入力元となるバスとを定めるプロジェクトデータを読み込み、そのプロジェクトデータに従って、バス及びトラックの構成変更及び信号入力元の設定を行う設定読込手段と、上記設定読込手段がプロジェクトデータを読み込んて新たな設定を行った場合に、その設定後の各トラックについてそのトラックに音響信号を供給するバスを検索する第2の検索手段と、その検索手段が条件に合うバスを発見し、かつ、上記記憶手段に記憶している情報に基づき、その発見したバスが、自機から表示器の表示内容を制御可能な信号入力装置から送信される音響信号を受信する受信ポートに接続されたバスであると判断した場合に、その発見したバスが接続する受信ポートに対して音響信号を送信する信号入力装置に対し、その受信ポートに対して音響信号を送信する送信ポートと対応する表示器に、その送信ポートから出力される音響信号が上記トラックの少なくとも1つに供給されることを示す表示を行わせるための第2の制御データを送信する第2の制御データ送信手段とを設けるとよい。
さらに、上記音響信号処理装置に、ユーザの操作に応じて上記トラックに対する音響信号の入力元となるバスを変更する変更手段と、上記変更手段による指定の変更に応じて、(a)上記記憶手段に記憶している情報に基づき、その発見したバスが、自機から表示器の表示内容を制御可能な信号入力装置から送信される音響信号を受信する受信ポートに接続されたバスであると判断し、かつ、その変更前のバスが上記変更に係るトラック以外のトラックには信号を入力していないと判断した場合に、その変更前のバスが接続されている受信ポートに音響信号を入力する信号入力装置に対し、その受信ポートに対して音響信号を送信する送信ポートと対応する表示器に、その送信ポートから出力される音響信号は上記トラックのいずれにも供給されないことを示す表示を行わせるための第3の制御データを送信し、(b)上記記憶手段に記憶している情報に基づき、その発見したバスが、自機から表示器の表示内容を制御可能な信号入力装置から送信される音響信号を受信する受信ポートに接続されたバスであると判断した場合に、その変更後のバスが接続されている受信ポートに音響信号を入力する信号入力装置に対し、その受信ポートに対して音響信号を送信する送信ポートと対応する表示器に、その送信ポートから出力される音響信号が上記トラックのいずれかに新たに供給されるようになった旨を示す表示を行わせるための第4の制御データを送信する第3の制御データ送信手段を設けるとよい。
また、この発明のプログラムは、コンピュータに、外部の信号入力装置の複数の送信ポートから送信されてくる複数の音響信号を、複数の受信ポートで受信する機能と、それぞれ上記複数の受信ポートのいずれかに接続され、その受信ポートで受信された音響信号を入力する複数のバスの機能と、それぞれそのバスのいずれかから供給される音響信号の録音を行う複数のトラックの機能とを実現させるためのプログラムであって、該コンピュータを、上述した音響信号処理システムを構成し得る、上述の各手段を有する音響信号処理装置として機能させるためのプログラムである。
以上のようなこの発明の音響信号処理システムによれば、外部装置から送信される音響信号を音響信号処理装置の複数のトラックで録音する場合でも、トラックと、信号供給元デバイスとの対応関係を分かり易くすることができる。
また、この発明のプログラムによれば、コンピュータを上記のような音響信号処理システムを構成し得る音響信号処理装置として機能させ、同様な効果を得ることができる。
以下、この発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
まず、図1に、この発明の音響信号処理システムの実施形態である音響信号処理システムを構成するPC及び信号入力装置の機能構成を示す。なお、図1には、音響信号処理に関連する部分の機能のみを示している。
図1に示す通り、この実施形態においては、汎用コンピュータであるPC10と、信号入力装置30とを、音楽LAN50を介してデータ送受信が可能なように接続して音響信号処理システム1を構成している。
このうちPC10は、各種音楽I/O(入出力部)11,各種音楽I/Oドライバ12,API(Application Program Interface)13,DAW(Digital Audio Workstation)アプリ20を備える。これらのうち、各種音楽I/O11以外は、ソフトウェアにより実現される機能を示す。PC10のハードウェアについては後述する。
そして、各種音楽I/O11は、オーディオ形式の波形データや、MIDI(Musical Instruments Digital Interface:登録商標)形式の演奏データ、相手機器に特定の動作を指示するコマンド等の制御データを送受信するためのインタフェースである。具体的には、例えば本件出願人が提唱する音楽データ通信規格であるmLAN規格による通信を行うためのIEEE1394規格のインタフェースを用いることができる。その他にも、USB規格やイーサネット(登録商標)規格のインタフェースを用いることも考えられる。
各種音楽I/Oドライバ12は、各種音楽I/O11を駆動して信号入力装置30を始めとする外部装置と通信を行わせる機能を有し、そのためのドライバプログラムをCPUに実行させることにより実現される。具体的には、ここではMIDIデータの送受信を行わせるための各種MIDIドライバ12aと、任意のデータのシリアル通信を行わせるためのシリアル通信ドライバ12bと、デジタル音響信号であるオーディオ波形データ(以下単に「波形データ」と言った場合にはこれを指すものとする)の送受信を行わせるための各種WAVEドライバ12cとを用意している。
これらのドライバは、PC10の電源投入時に起動され各種音楽I/Oの入出力動作を制御している。そして、音楽LAN50に外部装置が接続されたことを検出したとき、対応するドライバとその外部装置およびその他装置との間で制御信号のやり取りを行い、PC10との間にその外部装置の機能に応じた仮想通信路を設定する。
シリアル通信用の仮想通信路を設定する場合は、接続された外部装置側の備えるシリアル通信用ポートがその仮想通信路に接続されるとともに、PC10側では、シリアル通信ドライバ12aによりシリアル通信用のポートが生成されその仮想通信路に接続される。波形データ通信用の仮想伝送路を設定する場合は、その外部装置の備える波形通信用ポート(送信ポート又は受信ポート)がその仮想伝送路に接続されるとともに、PC10側では、WAVEドライバ12cにより波形データ通信用ポート(受信ポート又は送信ポート)が生成されその仮想伝送路に接続される。MIDI通信用の仮想通信路についても同様に、外部装置側とPC10側の両方で、それぞれMIDI通信用ポートが接続される。
API13は、OS(Operating System)によって提供され、アプリケーションプログラムを動作させる際に利用できるプログラムインタフェースである。各種音楽I/Oドライバ12中のドライバが送受信するデータは、このAPI13を介してDAWアプリ20のバス等から提供又はバス等に供給される。
DAWアプリ20は、ユーザの操作に従い、入力される波形データや演奏データを記録(録音)したり、記録済みの波形データや演奏データを読み出して出力(再生)したり、演奏データに基づいて波形データを生成したり(自動演奏)、これらの波形データに対してミキシング、イコライジング、エフェクト付与等の処理を行ったり(信号処理)する機能を有する。そして、これらの機能は、この発明のプログラムの実施形態であるアプリケーションプログラムをPC10のCPUに実行させることにより実現される。
DAWアプリ20は、より具体的には、GUI(Graphical User Interface)制御部21,MIDI処理部22,オーディオ処理部23,リモート制御部24を有する。
そして、GUI制御部21は、ディスプレイにGUIを表示させ、ユーザの操作を受け付けたり、DAWアプリ20における各種の設定内容や、動作状態、処理対象のデータの内容等を表示したりする機能を有する。
MIDI処理部22は、MIDI形式の演奏データに関する録音,再生,自動演奏等の処理を行う機能を有する。
オーディオ処理部23は、オーディオ形式の波形データに関する録音,再生,信号処理等の処理を行う機能を有する。
これらのMIDI処理部22とオーディオ処理部23において、録音と再生は、複数のトラックを用意してトラック毎に行うことができる。すなわち、信号入力装置30等から入力する複数チャンネル(ch)のデータを、それぞれ別々のトラックに入力して個別に録音することができるし、複数のトラックで再生したデータに個別に出力先を指定して出力を行うこともできる。
また、図1には明確に示していないが、DAWアプリ20には、各種音楽I/O11で受信した波形データをトラックに供給するためのバス(仮想バス)を設けている。このバスは、後述するプロジェクトデータにより指定される対応関係に従い、外部装置が特定のポートから送信してPC10側の特定の受信ポートで受信した波形データをAPI13から受け取って入力し、この波形データを特定のトラックに供給する機能を有する。トラックからのデータ出力についても、送信すべきデータを同様にバスを介して送信ポートに供給する。
なお、バスにおいて、API13から受け取った波形データに対してレベル、周波数特性、音像定位位置等を調整できるようにしてもよい。
リモート制御部24は、外部装置から送信されてくるコマンドを解釈し、その内容に応じてDAWアプリ20における設定内容を変更したり、動作の開始や停止を行ったりする機能を有する。また逆に、PC10側でDAWアプリ20に対して特定の操作がなされた場合に、その操作に応じた制御データを外部装置に送信し、外部装置にその制御データに応じた動作を行わせる機能も有する。
なお、制御データの転送は、シリアル通信ドライバ12bを用いてシリアル通信で行ってもよい。しかしここでは、制御データをMIDIデータとして記載し、各種MIDIドライバ12aが用意した制御データ通信用ポートを介して転送するようにしている。
次に、上述したPC10及び信号入力装置30のハードウェア構成について説明する。
まず図2に、上述したPC10のハードウェア構成を示す。
PC10は、ハードウェアとしては公知のPCを用いて構成することができる。例えば、CPU61,ROM62,RAM63,HDD(ハードディスクドライブ)64,UI(ユーザインタフェース)65,通信インタフェース(I/F)66を備え、これらがシステムバス67により接続された構成とすることができる。
そして、CPU61に、ROM62やHDD64に記憶されている適当なプログラムを実行させることにより、上述した各部の機能を実現させることができる。また、UI65は、ディスプレイやキーボード、マウス等、ユーザに情報を提示し、またユーザからの操作を受け付けるためのインタフェースである。これらのインタフェースとして、PC10の外部のデバイスを利用するようにしてもよいことはもちろんである。
また、通信I/F66は、図1に示した各種音楽I/O11を含む。
次に、図3に、信号入力装置30のハードウェア構成を示す。また、図4に、信号入力装置30の操作パネルの構成を示す。
信号入力装置30は、少なくとも、信号入出力端子40に接続されたケーブルから入力される音響信号に対し、レベル調整等の簡単な信号処理を行って複数のポートから送信し、これをPC10等の外部装置に入力する機能を有する装置である。
そして、信号入力装置30は、図3に示すように、CPU31,ROM32,RAM33,ポート選択スイッチ34,ポート状態表示ランプ35,その他UI36,DSP(Digital Signal Processor)37,AD/DA変換部38,通信I/F39を有し、これらがシステムバス41により接続されている。また、DSP37,AD/DA変換部38,通信I/F39は、波形データを伝送するためのオーディオバス42によっても接続されている。信号入出力端子40は、AD/DA変換部38に接続されている。
このうち、CPU31,ROM32,RAM33の機能は、上記のPC10の場合と同様であり、CPU31がROM32に記憶されている適当なプログラムを実行することにより、通信I/F39を介した通信、DSP37による信号処理、ポート選択スイッチ34の操作検出、ポート状態表示ランプ35の点灯制御、後述するポートのモード設定等、種々の制御機能を実現する。
また、ポート選択スイッチ34は、外部装置への波形データの送信に用いる各ポートと対応するように設けた操作子であり、各ポートの選択に用いる。以後、特に断らない場合、信号入力装置30の「スイッチ」と言った場合には、このポート選択スイッチ34を指すことにする。
ポート状態表示ランプ35は、外部装置への波形データの送信に用いる各ポートと対応するように設けた表示器であり、各ポートの状態、特に外部装置との接続の状態に関する表示に用いる。以後、特に断らない場合、信号入力装置30の「ランプ」と言った場合には、このポート状態表示ランプ35を指すことにする。
ここでは、信号入力装置30には、外部装置への波形データの送信に用いるポートは信号入力端子の数に合わせて8つ設けており、図4に示すように、操作パネル100上には、1番目から8番目のポートと対応するポート選択スイッチ34及びポート状態表示ランプ35を、発光ダイオードランプを内蔵したスイッチとして設けている。
その他UI36は、DSP37における処理内容を設定したり、各ポートのモードを設定/表示したりするための操作子や表示器である。ここでは、図4に示すように、各ポートから送信する波形データのレベルを個別に設定するためのレベルつまみ101、装置全体としての出力信号レベルを設定するためのマスタレベルつまみ102、その他種々の操作や表示に用いる操作子群103及びランプ群104を設けている。
DSP37は、外部装置に対して入出力する波形データのレベル調整や、ポートがステレオモードの場合にはパンニングを行う音響信号処理手段である。なお、これら以外の信号処理を行うことも妨げられない。
AD/DA変換部38は、信号入出力端子40から入力するアナログ音響信号をデジタルの波形データに変換したり、逆に、通信I/F39を介して外部装置から受信した波形データをアナログ音響信号に変換して信号入出力端子40に供給する機能を有する。
信号入出力端子40は、ケーブルを接続してアナログ音響信号を入出力するための端子である。また、デジタル音響信号を入出力するための端子を設けることも当然可能であり、この場合には、AD/DA変換部38を介さずに、端子をオーディオバス42に接続すればよい。
またここでは、この入出力端子とポートとを1対1対応させており、例えば、信号入力端子1つに対し、信号送信用のポートを1つ設け、その端子から入力したアナログ音響信号に係る波形データは、その対応するポートから出力するようにしている。
通信I/F39は、音楽LAN50に接続してPC10等の外部装置との間で波形データを送受信するためのインタフェースであり、PC10側と同様、適当な規格のインタフェースを採用することができる。
また、信号入力装置30においては、各出力ポートはモノラルモード又はステレオモードで動作させることが可能である。モノラルモードは、各ポートからそれぞれモノラルの波形データを送信するモードであり、ステレオモードは、2つのポートを組にして、それらのポートからLとRの2chのステレオ波形データを送信するモードである。このとき、組にしたポートからの出力信号については、レベル調整を連動させたり、パンニング調整を行ったりすることができる。また、ステレオモードにする場合には、ここでは、隣接する2n−1番目と2n番目のポート(nは自然数)を組(ステレオペア)にするようにしている。
この実施形態の特徴は、以上のような信号入力装置30が複数のポートから送信してPC10に入力する波形データを、DAWアプリ20の複数のトラックで録音する場合における、データ伝送経路の設定や表示に関する機能である。そこで、以下、この機能について説明する。
まず、図5を用いて、信号入力装置30の信号入力端子から入力した音響信号が、録音に使用するDAWアプリ20のトラックに入力されるまでの伝送経路について説明する。なお、PC10中のDAWアプリ20は、図5に示したもの以外の伝送経路も備えるが、ここでは、この実施形態の特徴に関連する部分を抜き出して示した。
まず、信号入力装置30側においては、上述の通り信号入力端子と送信ポートは1対1対応で設けられているため、入力端子から入力した音響信号は、必要に応じてAD変換やレベル調整を施された上で、対応する送信ポートから波形データとして出力される。
そして、その波形データは、PC10側では、WAVEドライバ12cが信号入力装置30側の送信ポートと対応付けて用意した受信ポートで受信する。
また、PC10は、図5に示すように、複数の信号入力装置30から波形データを受信可能であり、この場合、受信ポートは波形データ送信元の装置毎に用意される。また、全く同じ機種の複数の信号入力装置30から波形データを受信する場合でも、WAVEドライバ12cは、チェーン接続における接続順、IPアドレス、MACアドレス等により各装置を区別し、各受信ポートがどの装置のどのポートと対応するものであるのかを認識することができる。
また、図5に示した入力バス25,入力パッチ26,オーディオトラック27は、DAWアプリ20が提供する機能である。
このうち入力バス25は、後述するプロジェクトデータによって指定される特定の受信ポートで受信した波形データを入力する。図5でAPI13のボックス中に示した矢印が、バスと入力元受信ポートとの対応関係を示す。
なお、入力バス25には、モノラルバス(MO_Inx)とステレオバス(ST_Inx)がある。このうちモノラルバスは、信号入力装置30の1つのポートから送信され、PC10の1つの受信ポートで受信された波形データをモノラル波形データとして入力するバスである。一方、ステレオバスは、信号入力装置30の2つのポートから送信され、PC10の2つの受信ポートで受信された波形データを2ch(チャンネル)のステレオ波形データとして入力するバスである。
なお、信号入力装置30側のポートのモードと、そのポートから送信された波形データを入力する入力バス25のタイプとが一致している必要はない。すなわち、モノラルモードの2つのポートから送信された波形データをステレオバスに入力することも可能であるし、ステレオモードで組になっているポートのうち1つから送信された波形データをモノラルバスに入力することも可能である。
また、入力バス25は、ユーザの指示に従って又は自動的に、PC10のハードウェアの能力が許す範囲で任意の数だけ作成可能である。そして、入力バス25を作成した後、どの受信ポートで受信した波形データをそのバスに入力するかを設定することにより、バスに波形データが入力される状態とすることができる。このような設定を行うことを、バスと受信ポート(さらにはその受信ポートと対応する信号入力装置30側の送信ポート)とを「接続する」と言うことにする。
またここでは、バスと受信ポートとの接続に関し、各受信ポートは1つのバスにしか接続できず、各バスは1つ(ステレオバスの場合には各ch1つずつ)の受信ポートとしか接続できないようにしている。従って、あるバスをある受信ポートと接続した場合、その受信ポートと、その受信ポートがそれまで接続されていたバスとの間の接続は、切断されることになる。
なお、どのバスとも接続されない受信ポートがあってもよいし、どの受信ポートとも接続されないバスがあってもよい。また、これらの規則は、後に変形例で述べるように、必須のものではない。
次に、入力パッチ26は、後述するプロジェクトデータの内容に従い、特定の入力バスに入力した波形データを、特定のオーディオトラックに供給するルーティング機能を有する。図5で入力パッチ26のボックス中に示した矢印が、バスと入力元受信ポートとの対応関係を示す。
ユーザは、各オーディオトラック27について、どの入力バスからの波形データを入力するかを設定することにより、オーディオトラック27にその入力バスから波形データが供給される状態とすることができる。このような設定を行うことを、トラックとバスとを「接続する」と言うことにする。
なお、トラックとバスとの接続に関し、ここでは、1つのバスを複数のトラックと接続することを許可する一方、1つのトラックを複数のバスと接続することは許可しないようにしている。また、どのトラックとも接続されないバスがあってもよいし、どのバスとも接続されないトラックがあってもよい。また、バスやトラックのタイプ(モノラル/ステレオ)については、接続に当たって必ずしも考慮する必要はない。この点については後述する。
次に、オーディオトラック27は、図1のオーディオ処理部23の説明で述べたトラックであり、少なくともそのトラックに入力する波形データの録音を行う機能を有する。また、オーディオトラック27も、ユーザの指示に従って又は自動的に、PC10のハードウェアの能力が許す範囲で任意の数だけ作成可能である。
また、オーディオトラック27にもモノラルトラック(Tr_Mox)とステレオトラック(Tr_STx)がある。このうち、モノラルトラックは、1chのモノラル波形データを入力して録音するトラックであり、ステレオトラックはLR2chのステレオ波形データを入力してch毎に録音するトラックである。
基本的に、モノラルトラックはモノラルバスから波形データを入力して録音し、ステレオトラックはステレオバスから波形データを入力して録音するためのものであるが、これには限られない。例えば、モノラルバスの波形データをステレオトラックに入力する場合、トラックのLとRの両方のchに同じ波形データを入力すればよい。また、ステレオバスの波形データをモノラルトラックに入力する場合、LとRのいずれかのバスの波形データを選択して入力すればよい。
音響信号処理システム1においては、以上のような伝送経路により、信号入力装置30の各入力端子から入力する音響信号を、入力バス25を介して所望のオーディオトラック27に入力し、録音することができる。この場合において、図の矢印を逆に辿るとわかるように、いずれかのオーディオトラックを指定すれば、そのトラックに入力する波形データの供給元である信号入力装置30側の送信ポートや入力端子を特定することができる。
次に、図6に、上述の入力バス25に関する設定を行うための画面の表示例を示す。
図6に示すオーディオバス登録画面200は、PC10のディスプレイに表示されるGUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェース)であり、図5に示した入力バス25の作成、消去、受信ポートへの接続の設定等の指示を行うための画面である。
そして、オーディオバス登録画面200には、入出力選択タブ201,バス追加ボタン202,プリセット読込ボタン203,バス一覧表示部210を有する。
このうち入出力選択タブ201は、バス一覧表示部210に、図5に示した入力バスの情報を表示させるか、不図示の出力バスの情報を表示させるかを選択するためのボタンである。図では、入力バスが選択された状態を示している。なお、出力バスについては、この実施形態の特徴と特に関係ないため、詳細な説明は省略する。
バス追加ボタン202は、バスの追加を指示するためのボタンである。このボタンの押下により追加可能なバスは、入出力選択タブ201で選択されている種類のバス(図の例では入力バス)である。
この画面で設定される入力バスの設定は、画面上で右クリックして表示されるメニュー中の「保存」を選択することにより、プリセットメモリに保存される。プリセット読込ボタン203は、プリセットメモリのプリセットを選択するためのボタンである。このボタンを押下すると、プリセットメモリ中のプリセットが一覧表示され、その中の所望のプリセットを選択して現在の入力バスの設定とすることができる。
バス一覧表示部210は、現在DAWアプリ20において作成されているバスのうち、入出力選択タブ201で選択されている種類のバスの情報を一覧形式で示す表示部である。そして、バス一覧表示部210中には、バス名称表示部211,バスタイプ表示部212,接続デバイス表示部213,接続ポート表示部214を設けている。
このうち、バス名称表示部211は、バス名称を表示する表示部である。この名称は、自動で設定するようにしても、ユーザが設定できるようにしてもよい。
バスタイプ表示部212は、バスのタイプ(モノラル/ステレオ)を表示する表示部である。このタイプは、バスの作成時に決定され、その後変更することはできない。
接続デバイス表示部213は、バスに入力される波形データを供給する装置(信号入力装置30等)の名称を表示する表示部である。この情報は、単独で変更することはできず、接続先のポートを指定した際に、それに伴って自動的に設定される。また、装置の名称は、必ずしも個体が識別できるものでなくてもよく、機種やメーカーの名称、あるいはアドレス等のデバイスの位置を示す情報であってもよい。
接続ポート表示部214は、バスに接続されている受信ポートのIDを表示する表示部である。なお、ポートIDの表示は、バス全体ではなく、バス中の各chと対応させて行う。バス一覧表示部210においては、画面左側に各バスと対応する展開ボタン215を設けており、「+」の状態ではバス全体の情報のみが表示されるが、これをクリックして「−」の状態にすることにより、バス中の各chに関する情報を表示させることができる。モノラルバスの場合には、1つのバスには1chしかないが、ステレオバスの場合には、ST_In1の欄に示すように、LとRの2つのchがある。
また、接続ポート表示部214において、各chと対応する接続先ポートの表示を右クリックすることにより、そのバスを接続可能な受信ポートのリストを表示させ、そのリストからポートを選択して接続先として設定することができる。この設定に応じて、上記の接続デバイス表示部213に表示される装置名称も自動的に設定される。
なお、各ポートID及び装置の名称は、WAVEドライバ12cの機能により自動的に決定され、どのような名称となるかはドライバの機能に依存する。ポートIDについては、単に番号のみの場合もあるし、接続先装置の名称を確認した上で、その名称を含むIDを付す場合もある。いずれにしろ、通常は、信号入力装置30側の端子との対応関係がある程度把握できるようなIDが付されるよう配慮されていると考えられる。
次に、図7に、入力バスの追加を指示するための画面の表示例を示す。
図7に示す入力バス追加画面300も、PC10のディスプレイに表示されるGUIであり、入力バス25の追加を指示するための画面である。
この画面は、オーディオバス登録画面200において、入出力選択タブ201で入力バスが選択されている状態でバス追加ボタン202が押下された場合に表示される画面である。そして、バスタイプ指定部301,バス数指定部302,OKボタン303,キャンセルボタン304を備えている。
このうちバスタイプ指定部301及びバス数指定部302はそれぞれ、追加するバスのタイプ及び数の指定を受け付ける部分である。そして、これらの指定を行った後、OKボタン303を押下することにより、指定内容に従ったタイプ及び数のバスを追加することができる。
ただし、この時点では接続先のポートは設定されないので、作成したバスに波形データを入力するためには、オーディオバス登録画面200において接続先を設定する必要がある。
キャンセルボタン304を押下した場合には、バスの追加を行わずに入力バス追加画面300を閉じてオーディオバス登録画面200に戻る。
次に、図8に、上述のトラックに関する設定を行うための画面の表示例を示す。
図8に示すトラック制御画面400も、PC10のディスプレイに表示されるGUIであり、上述のトラックに関する設定を行うための画面である。そして、このトラック制御画面400には、トラック設定ウィンドウ410と、録再操作ウィンドウ430とが含まれる。
このうち、トラック設定ウィンドウ410は、図5に示したオーディオトラック27に加え、MIDI処理部22に設けられ、MIDI形式のデータを取り扱うMIDIトラックに関する設定を行うための画面である。そして、作成するトラックの各々について1行の設定及び表示欄を設け、対応するトラックに関する設定の受け付け及び情報の表示を行うことができるようにしている。
そして、トラック設定ウィンドウ410の各行には、録音待機ボタン411,ミュートボタン412,タイプ表示部413,名称設定部414,入力元バス設定部415,出力先バス設定部416を設けている。
録音待機ボタン411は、各トラックの録音待機/解除をトグルで切り換えるためのボタンである。ミュートボタン412は、各トラックのミュートオン/オフをトグルで切り換えるためのボタンである。
録音の開始が指示された場合(録音ボタン435をオンして開始ボタン434をオンしたとき)、その時点で録音待機状態のトラックの録音が開始され、入力する波形データの記録が行われると共に、それ以外のトラックのうちのミュート(再生オフ)されていないトラックの再生が開始され、記録されている波形データが読み出され出力される。一方、再生の開始が指示された場合(録音ボタン435をオフして開始ボタン434をオンしたとき)には、その時点でミュートされていないトラックの再生が開始され、記録されている波形データが読み出され出力される。
タイプ表示部413は、トラックのタイプが、オーディオトラックのうちモノラルトラック(MO)であるかステレオトラック(ST)であるか、またはMIDIトラック(MIDI)であるかを表示する表示部である。
名称設定部414は、トラックの名称を入力して設定するための領域である。
入力元バス設定部415は、入力パッチ26により各トラックと接続する入力バスを設定するための領域である。プルダウンボタン415aを押下することにより、現在作成されている入力バスのリストを表示させ、その中から接続先のバスを選択して設定することができる。なお、オーディオトラックはオーディオバスに、MIDIトラックはMIDIバスにのみ接続することができる。
出力先バス設定部416は、各トラックからの波形データの出力先を設定するための領域である。図5では図示を省略したが、各オーディオトラックに入力する波形データあるいは各オーディオトラックで再生した波形データは、出力バスと出力ポートを介して、図5に示した入力時の経路と概ね逆の経路により、信号入力装置30に対して送信し、出力端子から出力させることができる。出力先バス設定部416では、その際に波形データの出力先となる出力バスを設定する。
この設定は、プルダウンボタン416aを押下することにより、現在作成されている出力バスのリストを表示させ、その中から接続先のバスを選択して設定することができる。このとき、複数のトラックの出力先を同じバスとすることも可能であり、この場合、そのバスにおいて、その複数のトラックからの波形データがミキシングされた後、次段に供給される。なお、出力についても、オーディオトラックはオーディオバスに、MIDIトラックはMIDIバスにのみ接続することができる。
図8に示した例は、上から5つのオーディオトラックに、入力元として入力バスST_In1,MO_In3,ST_In2,MO_IN2,MO_IN2が設定され(4番目と5番目の入力バスについては入力元が同じである)、出力先として全て出力バスST_Out1が設定されている状態である。
MIDIトラックについては、ここでは詳細な説明は省略する。
また、トラック設定ウィンドウ410には、トラック内容表示部420も設けている。
トラック内容表示部420は、各トラックにおけるデータの記憶状況及び録音や再生の進行状況を表示する部分である。横軸は時間を示す、バー421がデータの記録されている時間帯を示す。また、カーソル422が、録音又は再生を開始する位置又は実行中の位置を示す。また、スライダ423及びその上下のスクロールボタンにより、画面をスクロールさせ、トラック設定ウィンドウ410に表示させるトラックを変更することができる。
また、録再操作ウィンドウ430は、録音や再生の開始及び停止に関する操作を受け付けるためのウィンドウである。そして、巻き戻しボタン431及び早送りボタン432により、巻き戻し及び早送りの実行を指示することができる。停止ボタン433により、再生,録音,巻き戻し及び早送りの停止を指示することができる。開始ボタン434により、再生及び録音の開始を指示することができる。録音ボタン435により、開始ボタン434の押下により再生を開始するか録音を開始するかをトグルで切り換えることができる。録再位置表示部436は、カーソル422が示す位置を、トラックの先頭からの時間で表示する部分である。
次に、図9に、プロジェクトデータの構成例を示す。
このプロジェクトデータは、、オーディオトラックおよびMIDIトラックを管理するデータであり、DAWアプリ20におけるデータの伝送経路の設定内容及び、DAWアプリ20との間で通信を行う各装置の情報を示すデータである。そして、特定の時点のプロジェクトデータを、PC10のHDD64や、USBメモリあるいはメモリカードのような着脱可能な記録媒体、またはPC10から通信可能な外部装置の記録媒体等にプロジェクトファイルとして記憶させておくことができる。また、ユーザの指示に応じてこのプロジェクトファイルからプロジェクトデータ読み出して、DAWアプリ20の動作にデータ保存時の設定内容を反映させることもできる。
具体的なデータの内容としては、プロジェクトデータは、ヘッダ、オーディオトラックのデータ、MIDIトラックのデータ、入力バスのデータ、その他バスのデータ、接続デバイスのデータ、およびその他のデータを含む。このうち、この実施形態の特徴に関連するのは、オーディオトラックのデータ、入力バスのデータ、および接続先デバイスのデータであるので、これらについてより詳細に説明する。
まず、オーディオトラックのデータは、DAWアプリ20において作成されている(使用する)各オーディオトラックについて、その名称や接続先、信号処理内容等を規定するデータである。
より具体的には、各オーディオトラックにつき、トラックID,トラック名,トラックタイプ,入力元バスID(及びch),出力先バスID,レベル,パン,リージョンリスト及びその他データが含まれる。
これらのうち、トラックID,トラック名及びトラックタイプはそれぞれ、トラックのID、名称及びトラックがステレオかモノラルかを示すデータである。
入力元バスID及び出力先バスIDはそれぞれ、該当トラックに波形データを入力する入力バス及び該当トラックから波形データを出力する出力バスのIDである。これらのIDは、後述のバスIDを用いて規定する。また、ステレオの入力バスをモノラルトラックに接続する場合には、LとRのどちらのchの信号をトラックに入力するかも入力元バスIDと共に規定する。
レベル及びパンは、トラックからの波形データ出力時に出力データに対して行うレベル調整及びパンニング(ステレオトラックの場合のみ)の内容を示すパラメータである。
リージョンリストは、該当トラックにおいて波形データが記録されている各時間領域(リージョン)の情報として、トラックの時間軸における各リージョンの再生開始時刻、波形ファイル名、ファイル内の再生範囲等の情報を規定したものである。
オーディオトラックの録音を行うときには、HDD64中に新規に1つの波形ファイルが作成され、そのトラックに入力している音響信号がその波形ファイルに記録されるとともに、リージョンリストには再生開始時刻、その波形ファイルの名称、そのファイル内の波形を再生すべき範囲を示す再生範囲等のデータが追加される。これにより、そのトラックの時間軸上に、その波形ファイルに記録された音響信号が追加で配置されたことになる。
オーディオトラックの再生を行うときには、そのトラックのリージョンリストより、再生開始時刻が早い順に、各リージョンの再生開始時刻、波形ファイル名、再生範囲等のデータが順次読み出され、再生開始時刻が示すタイミングで、波形ファイル名の示す波形ファイルの、再生範囲の示す範囲の波形が読み出され再生される。
次に、入力バスのデータは、DAWアプリ20において作成されている(使用する)波形データ伝送用の各入力バスについて、その名称や接続先、信号処理内容等を規定するデータである。
より具体的には、各入力バスにつき、バスID,バス名,ch数,信号入力元ポートID,レベル,パン及びその他データが含まれる。
これらのうち、バスID及びバス名はそれぞれ、バスのID及び名称を示すデータである。
ch数は、該当バスで伝送する波形データのch数(Ncとする)を示し、実質的にバスのタイプを示すデータである。ch数が1の場合にはそのバスはモノラルバスであり、ch数が2の場合にはそのバスはステレオバスであるためである。ここではNcは1又は2であるが、Ncが3以上のバスを作成できるようにすることも、もちろん考えられる。
信号入力元ポートIDは、該当ポートへの波形データ入力元となる受信ポートのIDである。該当バスが複数chの波形データを伝送する場合、その各chについて、入力元ポートのIDを個別に規定する。なお、ポートIDをキーに接続先デバイスのデータをサーチすれば、そのIDに係るポートがどのデバイスとの通信に用いるポートであるかを把握することができる。
レベル及びパンは、バスからの波形データ出力時に出力データに対して行うレベル調整及びパンニング(ステレオバスの場合のみ)の内容を示すパラメータである。
また、接続先デバイスのデータは、PC10と通信し、DAWアプリ20との間でデータの入力及び/又は出力を行う各装置について、その名称やその装置との通信に使用するポート等を規定するデータである。
より具体的には、各装置につき、デバイスID,デバイス名,タイプ,制御ポートID,オーディオポート情報,MIDIポート情報及びその他データが含まれる。
これらのうち、デバイスID、デバイス名及びタイプはそれぞれ、該当装置のID、名称及びタイプを示す。また、装置IDは、DAWアプリ20が各装置を一意に特定できるように付すIDである。名称は、図6に示した画面の接続デバイス表示部213に表示させる名称である。タイプは、装置の機種を示すデータである。
制御ポートIDは、該当装置との間の制御データの送受信に使用するポートのIDである。
オーディオポート情報は、該当装置との間の波形データの送受信に使用するポートの情報である。より具体的には、波形データの受信に使用するポート数Npr及び送信に使用するポート数Npt及び、その各ポートのポートIDである。送信と受信の一方しかしない場合には、NprやNptが0になる場合もある。
MIDIポート情報は、該当装置との間のMIDIデータ(制御データとして送受信するものを除く)の送受信に使用するポートの情報である。形式としては、オーディオポート情報と同様である。
以上の情報のうち、各ポートIDは、各種I/Oドライバ12が通信用のポートを作成したときに、OSによってそのポートに対して割り当てられたIDである。OSは、異なるポートに対して同じIDを割り当てることはない。
音楽LAN50に接続される装置の中には、図9に示される接続先デバイスのデータの内容を、DAWアプリ20とその接続先装置との通信により自動設定できる機種(自動設定タイプ)と、自動設定できない機種(手動設定タイプ)とがある。
自動設定タイプの装置については、DAWアプリ20は、自身の起動時ないし接続先装置の接続時に制御ポートを介して接続先装置との通信を行い、デバイスID、デバイス名、タイプ、オーディオとMIDIの各受信ポート数Nprおよび送信ポート数Nptを取得して、図9の接続先デバイスのデータの1つのデバイスのデータとして登録する。
さらに、接続先装置から、その接続先装置の備える各送信ポートや各受信ポートが、それぞれ音楽LAN50上のどの仮想通信路に接続されているかを示す情報を取得し、その情報に基づいて各種I/Oドライバ12の各受信ポートや各送信ポートの何れと接続されているかを判定し、判定されたポートを示す情報を登録する。
手動設定タイプの機種については、対応するデバイスのデータを、ユーザが手動で登録する。なお、この実施例では、LAN25に接続されている全部のデバイスのデータが正しく登録されているものとする。
なお、接続先デバイスのデータは、プロジェクトデータ保存時の機器の接続状態を反映しているが、プロジェクトデータの読出時には、実際の機器の接続状態と一致している保証はない。そこで、DAWアプリ20は、プロジェクトデータの読出時には、接続先デバイスのデータそのものは自身の動作に反映させず、読出時にドライバあるいはOSが持っている接続先デバイスのデータを、プロジェクトデータの内容と照合する。そして、入力バスのデータのうち信号入力元ポートIDについては、プロジェクトデータとして保存されている接続先デバイスのデータと、読出時にドライバあるいはOSが持っているデータとが一致する範囲でのみ、自身の動作に反映させ、それ以外の部分は、バスへの入力元ポートなし、すなわちバスと受信ポートとの間の接続が切断されたものとして取り扱うようにしている。
次に、PC10のCPU61及び信号入力装置30のCPU31が実行する、この実施形態の特徴に関連する処理について説明する。以下に説明する処理のうち、PC10のCPU61が実行する部分は全て、DAWアプリのプログラムを実行することにより、DAWアプリ20の機能の一部として実行するものである。この意味で、以下の図において、PC10側の処理は、「DAW側処理」と記載している。
まず図10に、プロジェクトファイルの読み込み指示があった場合の処理のフローチャートを示す。
PC10のCPU61は、プロジェクトファイルの読み込みが指示された場合、図10の左側のフローチャートの処理を開始する。
そして、まず読み込みを指定されたプロジェクトファイル中のプロジェクトデータを読み出す(S11)と共に、ドライバあるいはOSに問い合わせ、現在存在する受信ポートを確認する(S12)。
その後、ステップS11で読み出したプロジェクトデータに従い、入力バスのデータに規定される入力バスを作成してそれぞれ信号入力元の受信ポートと接続する(S13)。このとき、プロジェクトデータ中の信号入力元ポートIDで規定されるポートのうち、現在存在するポートとのみ接続すればよいことは、上述の通りである。また、バスを受信ポートと接続することにより、そのバスは、そのポートに信号を供給する装置とも間接的に接続されることになる。
次に、CPU61は、ステップS11で読み出したプロジェクトデータに従い、オーディオトラックのデータに規定されるトラックを作成してそれぞれ信号入力元のバスと接続する(S14)。
ここまでの処理により、信号入力装置30等の外部装置からPC10に入力される波形データを、その波形データを録音すべきオーディオトラックに供給するための論理的な伝送路を形成することができる。なお、プロジェクトファイルを読み込む際には、それまでに作成されていたバスやトラックは全て削除され、プロジェクトファイルのデータに従ったバスやトラックが存在するようになる。
その後、CPU61は、その他の箇所についてもプロジェクトデータの内容をDAWアプリ20における信号処理に反映させる(S15)。詳細な説明は省略するが、この処理には、トラックと出力ポートの接続、MIDIデータ用の伝送路の形成等が含まれる。
また、このステップS15までの処理において、CPU61は設定読込手段として機能する。
次に、CPU61は、ここまでの処理で設定した設定内容に基づき、図8に示したトラック制御画面400及び図6に示したオーディオバス登録画面200をディスプレイに表示させる(S16)。
その後、PC10と接続されている信号入力装置の中に、DAWアプリ20の表示制御機能に対応した装置があるか否か判断する(S17)。この判断は、接続先装置の機種情報を、予め記憶している、表示制御機能に対応した機種のリストと比較したり、接続先装置に問い合わせをしたりすることにより、行うことができる。また、ここでいう表示制御機能とは、相手装置が有する、ポートと対応させて設けた表示器(ここではランプ35)の表示内容を制御する機能である。この点は、特に断らない限り以下も同様である。
なお、ある装置が表示制御機能に対応するとは、具体的に述べると、その装置が、DAWアプリ20から送信される表示器の制御内容を制御するための制御データを解釈して実行できるということである。その制御データのプロトコルが機種ごとに異なる場合、DAWアプリ20は、その装置に対応したプロトコルの制御データを送信するようにすればよい。
ステップS17でYESであれば、すなわち自機の表示制御機能に対応した装置が発見された場合、その発見した装置に、全ランプ消灯を指示する制御データを送信する(S18)。
そして、表示制御機能に対応する信号入力装置30がこの制御データを受信すると、CPU31が図10の右側のフローチャートの処理を開始し、全ポートのランプ35を消灯する(S31)。図中の矢印は、根元側のステップで送信されるデータを受信したことをトリガに、その受信した装置において、先端側の処理が開始されることを示す。以下の図においても同様である。
またCPU61は、ステップS18の後、現在存在している各オーディオトラックにつき、信号入力元のバスに接続されている装置及びポートを検索する(S19)。この処理は、図9に示される入力バスのデータと接続先のデバイスのデータと各オーディオトラックの入力元の設定とに基づいて、各オーディオトラックから図5に示した信号伝送路の矢印を逆に辿り、そのトラックに入力する波形データの供給元となっている信号入力装置及びその送信ポートを特定するものである。
そして、ステップS19で自機の表示制御機能に対応した装置のポートを発見した場合には(S20のYES)、その発見した各装置に、発見した各ポートのランプ点灯を指示する制御データ(第2の制御データ)を送信して(S21)、処理を終了する。
また、表示制御機能に対応する信号入力装置30がこの制御データを受信すると、指示されたポートのランプ35を点灯する(S32)。
また、CPU61は、ステップS17でNOの場合又はステップS20でNOの場合には、制御データを送信しても接続先装置における表示を制御できず、意味がないため、そのまま処理を終了する。
以上の処理において、ステップS19では、CPU61が第2の検索手段として機能し、ステップS20,S21ではCPU61が第2の制御データ送信手段として機能する。また、ステップS31,S32ではCPU31が表示制御手段として機能する。
そして、以上の処理を実行することにより、DAWアプリ20がプロジェクトファイルを読み込んでそのデータに従ってトラックやバスの構成を変更した場合、PC10に接続される各信号入力装置(のうち表示制御機能に対応している装置)について、少なくとも1つのトラックに対する波形データの供給元となっているポートと対応する表示器に、その旨の表示(ここではランプの点灯)を行わせることができる。
従って、ユーザは、トラックに波形データを記録したい場合にどの端子にケーブルを接続すればよいか、あるいはトラックに所望のポートが接続されているか等、トラックと信号入力装置との間の接続状態を、その間の信号伝送経路の構成に関わらず、容易に認識することができる。
次に、図11に、入力バスの作成指示があった場合の処理のフローチャートを示す。
PC10のCPU61は、図7に示した入力バス追加画面300において入力バスの追加指示がなされた場合、図11のフローチャートの処理を開始する。そして、指定された種類の入力バスを指定された本数作成し(S41)、処理を終了する。ここでは、バスと受信ポートとの接続は特に行う必要はない。
次に、図12に、入力バスに対する受信ポートの接続指示があった場合の処理のフローチャートを示す。
PC10のCPU61は、図6に示したオーディオバス登録画面200において入力バスに対する受信ポートの接続指示がなされた場合、図12のフローチャートの処理を開始する。そして、指定された入力バスの指定されたchを、指定された受信ポートと接続すし(S51)、処理を終了する。この処理により、指定された入力バスは、接続先の受信ポートに信号を供給する装置とも間接的に接続されることになる。
次に、図13に、オーディオトラックの選択指示があった場合の処理のフローチャートを示す。
PC10のCPU61は、図8に示したトラック制御画面400において、オーディオトラックの選択指示がなされた場合、図13の左側のフローチャートに示す処理を開始する。なお、トラックの選択については、トラックの表示をクリックして1つのみ選択することも、範囲指定により複数のトラックを同時に選択することもできる。
この処理においては、CPU61はまず指示に係るトラックを選択状態にする(S61)。そして、選択状態にした各オーディオトラックにつき、図9に示される入力バスのデータと接続先のデバイスのデータとに基づいて、信号入力元のバスに接続されている装置及びポートを検索する(S62)。この検索は、図10のステップS19と同旨である。
そして、DAWアプリ20の表示制御機能に対応した装置のポートを発見した場合(S63のYES)、その発見した各装置に、発見した各ポートのランプ点滅を指示する制御データ(第1の制御データ)を送信して(S64)、処理を終了する。
また、表示制御機能に対応する信号入力装置30がこの制御データを受信すると、CPU31が図13の右側のフローチャートの処理を開始し、指示されたポートのランプ35を所定時間点滅させた後、同ポートのランプを点灯させる(S71,S72)。
また、CPU61は、ステップS63でNOの場合には、接続先装置における表示を制御できないため、そのまま処理を終了する。
以上の処理において、ステップS61,S62ではそれぞれ、CPU61が選択手段及び検索手段として機能し、ステップS63,S64ではCPU61が制御データ送信手段として機能する。また、ステップS71,S72ではCPU31が表示制御手段として機能する。
そして、以上の処理を実行することにより、選択されたオーディオトラックのうち少なくとも1つのトラックに対する波形データの供給元となっているポートと対応する表示器に、その旨の表示(ここではランプの点滅)を行わせることができる。なお、このようなポートの表示器は、図10の処理により既に点灯されているはずであるから、図13の処理により、ランプの表示は、点灯→点滅→点灯と変化することになる。
そしてユーザは、以上の表示により、所望のトラックと信号入力装置との間の接続状態を、その間の信号伝送経路の構成に関わらず、容易に認識することができる。
次に、図14に、オーディオトラックの入力元バス変更指示があった場合の処理のフローチャートを示す。
PC10のCPU61は、図8に示したトラック制御画面400において、オーディオトラックの入力元バス変更指示がなされた場合、図14の左側のフローチャートに示す処理を開始する。
この処理においては、CPU61はまず指示に係るトラックを変更後のバスに接続する(S81)。そして、変更前の入力元バスに接続されている装置及びポートを検索する(S82)。この検索は、図10のステップS19と同旨である。
そして、DAWアプリ20の表示制御機能に対応した装置のポートを発見した場合(S83のYES)、変更前のバスがもうどのオーディオトラックにも接続されていなければ(S84のNO)、その発見した装置に、発見したポートのランプ消灯を指示する制御データ(第3の制御データ)を送信する(S85)。
また、表示制御機能に対応する信号入力装置30がこの制御データを受信すると、CPU31が図14の右側のフローチャートの処理を開始し、指示されたポートのランプ35を消灯する(S91)。
ステップS84でYESの場合には、まだ該当ポートからの波形データが少なくとも1つのトラックに供給されていることを表示させておくので、ステップS85の処理は行わない。ステップS83でNOの場合には、接続先装置における表示を制御できないため、やはりステップS85の処理は行わない。
いずれの場合も、CPU61は次に、変更後の入力元バスに接続されている装置及びポートを検索する(S86)。この検索も、図10のステップS19と同旨である。
そして、DAWアプリ20の表示制御機能に対応した装置のポートを発見した場合(S87のYES)、その発見した装置に、発見したポートのランプ点滅を指示する制御データ(第4の制御データ)を送信して(S88)、処理を終了する。
この制御データを受信した場合の信号入力装置30側の処理は、図13の場合と同様であるが、点滅の時間や態様を変えるようにしてもよい。
ステップS87でNOの場合には、接続先装置における表示を制御できないため、そのまま処理を終了する。
以上の処理において、ステップS81ではCPU61が変更手段として機能し、ステップS82乃至S88ではCPU61が第3の制御データ送信手段として機能する。また、ステップS71,S72,S91ではCPU31が表示制御手段として機能する。
そして、以上の処理を実行することにより、接続先変更によりどのオーディオトラックの波形データ供給元でもなくなったポートと対応する表示器に、その旨の表示(ここではランプの消灯)を行わせることができる。
また、接続先変更により新たに支持に係るオーディオトラックに対する波形データ供給元となったポートと対応する表示器にも、その旨の表示(ここではランプの点滅)を行わせることができる。なお、変更前にはこのポートがどのオーディオトラックの波形データ供給元でもなかった場合には、ランプの表示は、消灯→点滅→点灯と変化することになる。また、変更前からこのポートがいずれかのオーディオトラックの波形データ供給元になっていた場合には、ランプの表示は、点灯→点滅→点灯と変化することになる。
そしてユーザは、以上の表示により、接続先の変更を行ったトラックと信号入力装置との間の接続状態を、その間の信号伝送経路の構成に関わらず、容易に認識することができる。
なお、図12の処理によりバスと受信ポートとを接続した際にも、この接続により新たにいずれかのオーディオトラックの波形データ供給元になったり、どのオーディオトラックの波形データ供給元でもなくなったりしたポートがある場合には、上記の図14の場合と同様な処理により、ランプにそれらの情報を表示させるようにしてもよい。
次に、図15に、信号入力装置においてポート選択スイッチの操作があった場合の処理のフローチャートを示す。
信号入力装置30のCPU31は、ポート選択スイッチ34の操作を検出すると、図15の左側のフローチャートに示す処理を開始する。そして、PC10のDAWアプリ20に対し、スイッチが操作された旨及び操作されたスイッチと対応するポート番号を示す制御データを送信する。
この制御データは、DAWアプリ20において、このフローチャートを用いて説明する信号伝送路の設定機能である簡易設定機能で規定されたプロトコルに従う。また、この制御データを送信できるということは、この装置は、DAWアプリ20の簡易設定機能に対応した装置ということになる。
そして、PC10のCPU61は、この制御データを受信すると、図15の右側のフローチャートに示す処理を開始する。
この処理は、ポート選択スイッチ34の操作されたポートから出力される波形データを、選択状態(図13のステップS61参照)となっているオーディオトラックに供給するための信号伝送経路の設定を行う処理である。そこで、まずいずれかのオーディオトラックが選択状態になっているか否か判断し(S111)、選択状態のトラックがなければ、そのまま処理を終了する。
一方、選択状態になっているトラックがあれば、まずその1つを処理対象とする(S112)。処理対象の選択基準は、IDの最も小さいもの等、任意でよい。しかしこの最初の処理対象は、ステップS114のポート選択処理で参照されるため、ユーザにわかり易いものが好ましい。
その後、図9の入力バスのデータと接続先デバイスのデータとに基づいて、制御データ送信元の装置のスイッチが操作されたポートが、PC10の受信ポートを介してDAWアプリ20のいずれかの入力バスに接続されているか否か判断する(S113)。もし接続されていなければ、まずポートとバスの間の接続を行うべく、図16に示すポート接続処理を行う(S114)。
このポート接続処理においては、CPU61はまず、新たなバスのバスIDを決定して図9の入力バスのデータにそのバスのデータを追加し、そこに処理対象のオーディオトラックのタイプに応じたチャンネル数Ncを設定することにより、処理対象のオーディオトラックと同じタイプ(モノラル/ステレオ)の入力バスを新たに作成する(S131)。ここでは、作成するバスは、処理対象のトラックへ波形データを供給するためのものであることを考慮して、トラックとタイプを揃えている。
その後、作成したバスがモノラルバスであれば(S132)、制御データ送信元の装置に対し、スイッチの操作されたポートをバスの種類に合わせてモノラルモードに設定するよう指示する(S133)。
制御データ送信元の信号入力装置30は、この指示を受けると、図16の右側のフローチャートの処理を開始し、指示されたポートをモノラルモードに設定する(S151)と共に、その結果をDAWアプリ20に返す(S152)。なお、指示されたポートがもともとステレオモードであり、ステップS151の処理により指示されたポートを含むステレオペアを解除して両方のポートをモノラルモードに設定してしまっても、ペア相手のポートといずれかのバスとの間の接続があった場合には、その接続は維持しておくことができる。
また、CPU61は、設定結果の返答を受け取ると、ステップS131で作成したバスを、モノラルモードに設定したポートと対応する受信ポートに接続し(S134)、図15の処理に戻る。
ここまでの処理で、スイッチの操作されたポートから出力される波形データを、DAWアプリ20のバスに入力する信号伝送経路を形成することができる。
一方、ステップS132でステレオバスであった場合には、制御データ送信元装置の、スイッチの操作されたポートと組(ステレオペア)になるポートが、いずれかの入力バスと接続されているか否か判断する(S135)。そして、接続されていた場合、画面に警告を表示し、ユーザの指示を受ける(S136)。
信号入力装置30において、スイッチの操作されたポートがモノラルモードである場合、そのポートと組になるポートがモノラルモードで動作していずれかのバスに接続されている可能性がある。このようなケースで、スイッチの操作されたポートをステレオモードに設定すると、組になる相手の接続が強制解除されてしまうことになるため、これを行ってよいか否かの指示を受け付けるものである。
図17に、この警告画面の例を示す。この画面においては、強行又はキャンセルの指示を受け付ける。
そして、強行の指示を受けた場合(S137のYES)、CPU61は、スイッチが操作されたポートと組になるポートと入力バスとの間の接続を解除する(S138)。その後、制御データ送信元の装置に対し、スイッチの操作されたポートと、そのポートと組になるポートとを、バスの種類に合わせてステレオモードに設定するよう指示する(S139)。
制御データ送信元の信号入力装置30は、この指示を受けると、図16の右側のフローチャートの処理を開始し、指示されたポートを組にしてステレオモードに設定する(S161)と共に、その結果をDAWアプリ20に返す(S162)。
また、CPU61は、設定結果の返答を受け取ると、ステップS131で作成したバスを、ステレオモードに設定したポートと対応する受信ポートに接続し(S140)、図15の処理に戻る。
ステレオバスを作成した場合も、ここまでの処理で、スイッチの操作されたポートから出力される波形データを、DAWアプリ20のバスに入力する信号伝送経路を形成することができる。
また、図17の画面でキャンセルの指示があった場合(S137のNO)には、ポートとバスの接続を中止する(S141)。この場合、バスとトラックの接続を行っても、スイッチの操作されたポートからトラックへの信号伝送路の形成はできないため、図15の処理には戻らずにこのまま処理を終了する。
また、ステップS135でNOの場合には、ユーザの指示を受ける必要はないため、そのままステップS139に進む。
図15の説明に戻る。
ステップS113でスイッチが操作されたポートとバスとの接続を確認できるか、ステップS114で接続を行うことができた場合、処理はステップS115に進む。以下は、スイッチが操作されたポートと接続されているバス(接続先バス)を、選択状態のトラックに接続する処理である。
そして、この部分の処理ではまず、CPU61は、図9のオーディオトラックのデータと入力バスのデータとに基づいて、処理対象のトラックと接続先バスが同じタイプか否か判断する(S115)。ここで同じタイプであれば、特に問題はないため、図9の処理対象のトラックのデータの入力元バスIDに接続先バスのバスIDを設定することにより、処理対象のオーディオトラックを接続先バスに接続し(S116)、まだ処理対象としていない選択状態のオーディオトラックがあればそのトラックの1つを次の処理対象として(S120,S121)、ステップS115からの処理を繰り返す。
一方、ステップS115で同じでない場合、ディスプレイに警告画面を表示させ、ユーザの指示を受け付ける。図16のポート接続処理でバスを生成した場合にはトラックとタイプが異なることはないが、ステップS113でYESとなる場合には、タイプが異なることもあり得る。また、警告画面は、処理対象トラックがステレオトラックであるかモノラルトラックであるかによって異なる。
まず図18に、ステレオトラックの場合の表示例を示す。
この画面においては、接続又はスキップの指示を受け付ける。そして、この画面において接続の指示がなされた場合、ステップS118からS119に進み、処理対象のオーディオトラックを接続先バスに接続する。なお、ステレオトラックにモノラルバスを接続した場合でも、トラックの両方のchに同じ信号が録音されるのみで、特に不具合は起こらない。スキップの指示がなされた場合、今回の処理対象トラックについてはバスとの接続は行わず、ステップS120に進む。
また、図19に、モノラルトラックの場合の表示例を示す。
この画面においては、L接続、R接続又はスキップの指示を受け付ける。モノラルトラックにステレオバスを接続する場合、LとRの何れかのchの信号のみをトラックに入力するため、接続するのであればどちらのchの信号を入力するのかをユーザに選択させるためである。
そして、この画面においてL接続又はR接続の指示がなされた場合、ステップS118からS119に進み、その指示内容に従って処理対象のオーディオトラックを接続先バスに接続する。スキップの指示がなされた場合は、上記のモノラルトラックの場合と同様、バスとの接続は行わずにステップS120に進む。
また、ステップS115乃至S121の処理を繰り返し、全ての選択状態のオーディオトラックについて処理が完了すると、ステップS120でNOとなり、図15の処理は終了する。
以上の処理において、ステップS101ではCPU31が操作内容送信手段として機能する。また、ステップS113でYESのケースではCPU61が第1の設定手段として機能し、NOのケースではCPU61が第2の設定手段として機能する。
そして、以上の処理をCPUに実行させることにより、ユーザは、録音に使用したいトラックを選択し、信号入力装置30側でそのトラックに信号を供給したいポートと対応するボタンを押下するだけで、それらのポートとトラックとの間で信号を伝送する伝送経路を自動的に設定することができる。従って、仮想バスを利用し、途中の伝送経路が複雑になる場合でも、伝送経路の設定を簡単な操作で行うことができる。
以上でこの実施形態の説明を終了するが、システムや装置の構成、画面の構成、データの構成、具体的な処理内容、操作方法等が上述の実施形態で説明したものに限られないことはもちろんである。
例えば、図15のステップS114において、図16に示したポート接続処理に代えて、図20に示すポート接続処理を行うようにしてもよい。
この処理を行う場合、CPU61は、まず制御データ送信元の装置に対し、スイッチの操作されたポートのモードを問い合せる(S171)。そして、これに対し制御データ送信元の信号入力装置30から返答があると(S181)、返答されたモードと対応するタイプ(モノラル/ステレオ)の入力バスを新たに作成する(S172)。その後、その作成したバスを、スイッチの操作されたポートと対応する受信ポートと接続し(S173)、図15の処理に戻る。バスがステレオバスであれば、そのバスを、スイッチの操作されたポートと組になるポートと対応する受信ポートとも接続する。
図16に示した処理では、新たに作成するバスのタイプを接続予定のトラックのタイプに基づいて決めたが、図20の処理では、接続先のポートのモードに基づいて決めている。このようにすれば、少なくともポートとバスの接続は必ず行うことができるという点で好ましい。ただし、新たに作成するバスの種類をユーザの思い通りに定め易いという点では、図16の処理の方が好ましいと言える。
なお、図16に示した処理で、信号入力装置30側のポートのモードを変更することは、必須ではない。バス側とポート側でモードを整合させないまま接続することもできる。
また、別の変形として、上述した実施形態では、1つの受信ポートは1つのバスにのみ接続できるようにしていたが、1つの受信ポートを複数のバスに接続できるようにすることも考えられる。このようにしても、図5にした伝送経路において、矢印を逆に辿ることは可能であり、上述の実施形態で説明した処理を同じように実行して、同様な効果を得ることができる。
また、1つの受信ポートを、使用可能な各タイプのバス1本ずつに接続できるようにしてもよい。あるモノラルバスに接続したポートは、他のモノラルバスには接続できないが、ステレオバスには接続できる等である。
さらに、この場合において、ポートとバスの接続関係を固定化してしまうと、信号伝送経路の管理が容易になる。例えば、ある装置からの波形データを受信する1〜8番目の受信ポートを、それぞれ1〜8番目のモノラルバスに接続すると共に、番号の若い方から順に2つずつ組にして1〜4番目のステレオバスに接続する等である。
このような接続形式にしても、バスとトラックの間の接続を適切に行うことにより、信号入力装置の所望のポートから出力される波形データを所望のトラックに入力できるという点では、ポートとバスの接続関係を自由に定めた場合と、さほど変わらない効果を得ることができる。
一方、ポートとバスの接続関係を固定化してしまえば、4ch,5.1ch,6.1ch等の多chサラウンド音声を入力するバス及びトラックを設ける場合でも、ポートとバスの接続関係を容易に管理することができる。
また、ポートとバスの接続関係を固定化する場合、信号入力装置においてポート選択スイッチの操作があった場合の処理として、図15に示した処理に代えて、図21に示す処理を行うようにしてもよい。
この処理でも、信号入力装置30側の処理と、DAWアプリ20側のステップS111の処理は、図15の場合と同じである。そして、ステップS111でYESの場合、制御データ送信元の装置のスイッチが操作されたポートが、自機の受信ポートを介して対応する各種入力バス(例えばモノラルバスとステレオバスの両方)に接続されているか否か判断する(S192)。そして、1種類でも接続されていなければ、未接続の対応する入力バスを作成し、そのポートと対応する受信ポートと接続する(S193)。このとき、信号入力装置30側のポートのモードについて考慮する必要はない。
そして、いずれの場合も、選択状態の各オーディオトラックを順次処理対象として(S194,S198,S199)、処理対象のトラックを、スイッチが操作されたポートと接続されている同じタイプのバスと接続する(S195〜S197)。
以上の処理によっても、少なくとも図15に示した処理の場合と同様な効果を得ることができる。
また、上記の変形の他、上述した実施形態のように1つの受信ポートが1つのバスにのみ接続できるようにする構成で、4ch,5.1ch,6.1ch等の多chサラウンド音声を入力するバス及びトラックを作成可能とする構成も採用可能である。もちろん、3種類以上のタイプのバス及びトラックを作成可能としてもよい。これらの場合でも、図10乃至図21を用いて説明した処理は、同様に適用可能である。モノラルのバス及びトラックに関する取扱いは同じでよいし、サラウンドバス/トラックについては(ステレオもサラウンドの一種とする)、そのch数に応じてステレオバスに準じる取扱いをすればよい。
また、上述した実施形態では仮想バス機能を用いる例について説明したが、図10,図13及び図14に示した、ランプの点灯制御に関する処理は、仮想バス機能を用いない場合、すなわちトラックを直接受信ポートに接続する場合でも、同様に適用可能である。ステップS19等の検索処理は、トラックに入力する波形データの供給元となっている信号入力装置及びその送信ポートを特定するものであり、トラックとポートの間にバスが介在しない場合でも、このような検索は可能である。
また、信号入力装置30においてポートと対応する表示器としてランプを用いる例について説明したが、ランプ以外の、セグメント式やドットマトリクス式の表示パネルを用いてもよいことはもちろんである。また、ポートの状態の表示を、点灯/消灯/点滅だけでなく、点灯色、図形、文字等を用いて行ってもよいことも、もちろんである。
また、操作子やランプは、それ単独の物理的実体を備えるものでなく、タッチパネルやディスプレイを利用し、画面上に表示したものでもよい。
また、上述した実施形態では、信号入力装置30は端子から入力する音響信号をこれと対応する出力ポートから出力する装置としたが、出力ポートから出力する音響信号の一部が、内蔵の記録媒体に予め録音しておいた信号を再生したものであってもよい。また、端子とポートの対応関係も、必ずしも1対1でなくてもよい。
また、信号入力装置30が、レコーダ、エフェクタ、シンセサイザ、音源装置等の音響信号処理措置に波形データ送出機能を設けた装置であってもよい。
また、DAWアプリを実行するPCに代えて、音響信号処理装置として、専用のハードウェアを用いて構成されたデジタルミキサ等の装置に、上述したランプの制御や信号伝送経路の設定を行う機能を設けてもよい。
また、複数の異なる機種の信号入力装置をPC10に接続してもよい。信号入力装置と音響信号処理装置との間の通信方式も、波形データのリアルタイム伝送が可能であれば、有線、無線を問わずに、任意の方式を利用可能である。
また、この発明のプログラムは、コンピュータを音響信号処理装置として機能させて上述したような機能を実現させるためのプログラムであり、予めROMやHDD等に記憶させておくほか、CD−ROMあるいはフレキシブルディスク等の不揮発性記録媒体(メモリ)に記録して提供し、そのメモリからこのプログラムをRAMに読み出させてCPUに実行させたり、プログラムを記録した記録媒体を備える外部機器あるいはプログラムをHDD等の記憶手段に記憶した外部機器からダウンロードして実行させたりしても、同様の効果を得ることができる。
また、以上述べてきた構成及び変形例は、矛盾しない範囲で適宜組み合わせて適用することも可能である。
以上の説明から明らかなように、この発明の音響信号処理システム又はプログラムによれば、外部装置から送信される音響信号を音響信号処理装置の複数のトラックで録音する場合でも、トラックと、信号供給元デバイスとの対応関係を分かり易くすることができる。
従って、この発明を適用することにより、操作性のよい音響信号処理システムを提供することができる。
この発明の音響信号処理システムの実施形態である音響信号処理システムを構成するPC及び信号入力装置の機能構成を示すブロック図である。 図1に示したPCのハードウェア構成を示す図である。 図1に示した信号入力装置のハードウェア構成を示す図である。 図1に示した信号入力装置の操作パネルの構成を示す図である。 図1に示した信号入力装置の信号入力端子から入力した音響信号が、録音に使用するDAWアプリのトラックに入力されるまでの伝送経路について説明するための図である。
DAWアプリにおいて入力バスに関する設定を行うための画面の表示例を示す図である。 同じく入力バスの追加を指示するための画面の表示例を示す図である。 同じくトラックに関する設定を行うための画面の表示例を示す図である。 プロジェクトデータの構成例を示す図である。 プロジェクトファイルの読み込み指示があった場合にPC及び信号入力装置のCPUが実行する処理のフローチャートである。
入力バスの作成指示があった場合にPCのCPUが実行する処理のフローチャートである。 入力バスに対する受信ポートの接続指示があった場合にPCのCPUが実行する処理のフローチャートである。 オーディオトラックの選択指示があった場合にPC及び信号入力装置のCPUが実行する処理のフローチャートである。 オーディオトラックの入力元バス変更指示があった場合にPC及び信号入力装置のCPUが実行する処理のフローチャートである。 信号入力装置においてポート選択スイッチの操作があった場合にPC及び信号入力装置のCPUが実行する処理のフローチャートである。
図15に示したポート接続処理のフローチャートである。 図16のステップS136で表示させる警告画面の例を示す図である。 処理対象トラックがステレオトラックである場合に図15のステップS117で表示させる警告画面の例を示す図である。 処理対象トラックがモノラルトラックである場合に図15のステップS117で表示させる警告画面の例を示す図である。 図16に示したポート接続処理の変形例を示すフローチャートである。 図15に示した処理の変形例を示すフローチャートである。
符号の説明
10…PC、11…各種音楽I/O、12…各種音楽I/Oドライバ、12a…各種MIDIドライバ、12b…シリアル通信ドライバ、12c…各種WAVEドライバ、13…API、20…DAWアプリ、21…GUI制御部、22…MIDI処理部、23…オーディオ処理部、24…リモート制御部、25…入力バス、26…入力パッチ、27…オーディオトラック、30…信号入力装置、31,61…CPU、32,62…ROM、33,63…RAM、34…ポート選択スイッチ、35…ポート状態表示ランプ、36…その他UI、37…DSP、38…AD/DA変換部、39,66…通信I/F、40…信号入出力端子、41,67…システムバス、42…オーディオバス、65…UI

Claims (6)

  1. 外部から入力する複数の各音響信号を、複数の送信ポートから音響信号処理装置に送信する信号入力装置と、
    それぞれ前記信号入力装置が送信した音響信号を受信する複数の受信ポートと、それぞれ該複数の受信ポートのいずれかに接続され、該受信ポートで受信された音響信号を入力する複数のバスと、それぞれ該バスのいずれかから供給される音響信号の録音を行う複数のトラックとを有する音響信号処理装置と、
    を備えた音響信号処理システムであって、
    前記信号入力装置に、
    前記複数の送信ポートの各々と対応する表示器と、
    前記音響信号処理装置から受信した制御データに応じて該表示器の表示内容を制御する表示制御手段とを設け、
    前記音響信号処理装置に、
    前記複数のバスの各々について、どの信号入力装置の送信ポートから送信された音響信号を受信する受信ポートと接続されているかを記憶する記憶手段と、
    ユーザの操作に応じて前記複数のトラックのいずれかを選択する選択手段と、
    該選択手段がいずれかのトラックを選択した場合に、該トラックに音響信号を供給するバスを検索する検索手段と、
    該検索手段が条件に合うバスを発見し、かつ、前記記憶手段に記憶している情報に基づき、その発見したバスが、自機から表示器の表示内容を制御可能な信号入力装置から送信される音響信号を受信する受信ポートに接続されたバスであると判断した場合に、その発見したバスが接続する受信ポートに対して音響信号を送信する信号入力装置に対し、その受信ポートに対して音響信号を送信する送信ポートと対応する表示器に、前記選択手段が選択したトラックと対応する送信ポートであることを示す表示を行わせるための第1の制御データを送信する制御データ送信手段とを設けたことを特徴とする音響信号処理システム。
  2. 請求項1に記載の音響信号処理システムであって、
    前記音響信号処理装置が、
    処理に使用するバス及びトラックと、各バスが接続される受信ポートと、各トラックへの信号入力元となるバスとを定めるプロジェクトデータを読み込み、該プロジェクトデータに従って、バス及びトラックの構成変更及び信号入力元の設定を行う設定読込手段と、
    前記設定読込手段がプロジェクトデータを読み込んて新たな設定を行った場合に、該設定後の各トラックについて該トラックに音響信号を供給するバスを検索する第2の検索手段と、
    該検索手段が条件に合うバスを発見し、かつ、前記記憶手段に記憶している情報に基づき、その発見したバスが、自機から表示器の表示内容を制御可能な信号入力装置から送信される音響信号を受信する受信ポートに接続されたバスであると判断した場合に、その発見したバスが接続する受信ポートに対して音響信号を送信する信号入力装置に対し、その受信ポートに対して音響信号を送信する送信ポートと対応する表示器に、該送信ポートから出力される音響信号が前記トラックの少なくとも1つに供給されることを示す表示を行わせるための第2の制御データを送信する第2の制御データ送信手段とを設けたことを特徴とする音響信号処理システム。
  3. 請求項1又は2に記載の音響信号処理システムであって、
    前記音響信号処理装置が、
    ユーザの操作に応じて前記トラックに対する音響信号の入力元となるバスを変更する変更手段と、
    前記変更手段による指定の変更に応じて、(a)前記記憶手段に記憶している情報に基づき、その発見したバスが、自機から表示器の表示内容を制御可能な信号入力装置から送信される音響信号を受信する受信ポートに接続されたバスであると判断し、かつ、その変更前のバスが前記変更に係るトラック以外のトラックには信号を入力していないと判断した場合に、その変更前のバスが接続されている受信ポートに音響信号を入力する信号入力装置に対し、その受信ポートに対して音響信号を送信する送信ポートと対応する表示器に、該送信ポートから出力される音響信号は前記トラックのいずれにも供給されないことを示す表示を行わせるための第3の制御データを送信し、(b)前記記憶手段に記憶している情報に基づき、その発見したバスが、自機から表示器の表示内容を制御可能な信号入力装置から送信される音響信号を受信する受信ポートに接続されたバスであると判断した場合に、その変更後のバスが接続されている受信ポートに音響信号を入力する信号入力装置に対し、その受信ポートに対して音響信号を送信する送信ポートと対応する表示器に、該送信ポートから出力される音響信号が前記トラックのいずれかに新たに供給されるようになった旨を示す表示を行わせるための第4の制御データを送信する第3の制御データ送信手段を設けたことを特徴とする音響信号処理システム。
  4. コンピュータに、外部の信号入力装置の複数の送信ポートから送信されてくる複数の音響信号を、複数の受信ポートで受信する機能と、それぞれ前記複数の受信ポートのいずれかに接続され、該受信ポートで受信された音響信号を入力する複数のバスの機能と、それぞれ該バスのいずれかから供給される音響信号の録音を行う複数のトラックの機能とを実現させるためのプログラムであって、
    前記コンピュータを、
    前記複数のバスの各々について、どの信号入力装置の送信ポートから送信された音響信号を受信する受信ポートと接続されているかを記憶する記憶手段と、
    ユーザの操作に応じて前記複数のトラックのいずれかを選択する選択手段と、
    該選択手段がいずれかのトラックを選択した場合に、該トラックに音響信号を供給するバスを検索する検索手段と、
    該検索手段が条件に合うバスを発見し、かつ、前記記憶手段に記憶している情報に基づき、その発見したバスが、自機から表示器の表示内容を制御可能な信号入力装置から送信される音響信号を受信する受信ポートに接続されたバスであると判断した場合に、その発見したバスが接続する受信ポートに対して音響信号を送信する信号入力装置に対し、その受信ポートに対して音響信号を送信する送信ポートと対応する表示器に、前記選択手段が選択したトラックと対応する送信ポートであることを示す表示を行わせるための第1の制御データを送信する制御データ送信手段として機能させるためのプログラム。
  5. 請求項4に記載のプログラムであって、
    前記コンピュータを、さらに、
    処理に使用するバス及びトラックと、各バスが接続される受信ポートと、各トラックへの信号入力元となるバスとを定めるプロジェクトデータを読み込み、該プロジェクトデータに従って、バス及びトラックの構成変更及び信号入力元の設定を行う設定読込手段と、
    前記設定読込手段がプロジェクトデータを読み込んて新たな設定を行った場合に、該設定後の各トラックについて該トラックに音響信号を供給するバスを検索する第2の検索手段と、
    該検索手段が条件に合うバスを発見し、かつ、前記記憶手段に記憶している情報に基づき、その発見したバスが、自機から表示器の表示内容を制御可能な信号入力装置から送信される音響信号を受信する受信ポートに接続されたバスであると判断した場合に、その発見したバスが接続する受信ポートに対して音響信号を送信する信号入力装置に対し、その受信ポートに対して音響信号を送信する送信ポートと対応する表示器に、該送信ポートから出力される音響信号が前記トラックの少なくとも1つに供給されることを示す表示を行わせるための第2の制御データを送信する第2の制御データ送信手段として機能させるためのプログラム。
  6. 請求項4又は5に記載のプログラムであって、
    前記コンピュータを、さらに、
    ユーザの操作に応じて前記トラックに対する音響信号の入力元となるバスを変更する変更手段と、
    前記変更手段による指定の変更に応じて、(a)前記記憶手段に記憶している情報に基づき、その発見したバスが、自機から表示器の表示内容を制御可能な信号入力装置から送信される音響信号を受信する受信ポートに接続されたバスであると判断し、かつ、その変更前のバスが前記変更に係るトラック以外のトラックには信号を入力していないと判断した場合に、その変更前のバスが接続されている受信ポートに音響信号を入力する信号入力装置に対し、その受信ポートに対して音響信号を送信する送信ポートと対応する表示器に、該送信ポートから出力される音響信号は前記トラックのいずれにも供給されないことを示す表示を行わせるための第3の制御データを送信し、(b)前記記憶手段に記憶している情報に基づき、その発見したバスが、自機から表示器の表示内容を制御可能な信号入力装置から送信される音響信号を受信する受信ポートに接続されたバスであると判断した場合に、その変更後のバスが接続されている受信ポートに音響信号を入力する信号入力装置に対し、その受信ポートに対して音響信号を送信する送信ポートと対応する表示器に、該送信ポートから出力される音響信号が前記トラックのいずれかに新たに供給されるようになった旨を示す表示を行わせるための第4の制御データを送信する第3の制御データ送信手段として機能させるためのプログラム。
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