JP5098377B2 - 車両ステアリング用伸縮軸 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の操舵機構部に組込み、雄軸と雌軸を回転不能に嵌合した車両ステアリング用伸縮軸に関する。
図7は、一般的な自動車の操舵機構部15を示すものである。この操舵機構部15は、車体側のメンバ1にアッパブラケット2とロアブラケット3とを介して取付けられたステアリングコラム4と、このステアリングコラム4に回転自在に支持されたステアリングシャフト5と、このステアリングシャフト5の上端に装着されたステアリングホイール6と、ステアリングシャフト5の下端にカルダン軸継手7を介して連結された中間(インターミディエイト)シャフト8と、この中間シャフト8にカルダン軸継手9を介して連結されたピニオンシャフト10と、ピニオンシャフト10に連結したステアリングラック軸11と、このステアリングラック軸11を支持して車体の別のフレーム12に弾性体13を介して固定されたステアリングラック支持部材14とで構成されている。
中間シャフト8は、雄スプライン軸8aと雌スプライン軸8bとを嵌合した伸縮軸が採用されている(以下、伸縮軸8と称する)。この伸縮軸8には、自動車が走行する際に発生する軸方向の変位を吸収し、ステアリングホイール6上にその変位や振動を伝えない性能が要求される。
このような性能は、車体がサブフレーム構造となっていて、操舵機構部15の上部を固定するメンバ1とステアリングラック支持部材14が固定されているフレーム12とが別体となっており、ステアリングラック支持部材14がゴムなどの弾性体13を介してフレーム12に締結固定されている構造の場合に要求される。
また、その他のケースとして、カルダン軸継手9をピニオンシャフト10に締結する際に、作業者が、作業者が伸縮軸8を一旦収縮させからピニオンシャフト10に嵌合させて締結させるために伸縮機能が必要とされる。
さらに、操舵機構部15の上部にあるステアリングシャフト5も、雄スプライン軸5aと雌スプライン軸5bとを嵌合したものである(以下、伸縮軸5と称する)。この伸縮軸5は、運転者が自動車を運転するのに最適な運転姿勢を確保するためにステアリングホイール6の位置を軸方向に移動し、その位置を調整するテレスコ機能が要求されるため、軸方向に伸縮する機能が要求される。
ここで、伸縮軸5,8には、雄軸スプライン5a,8a及び雌スプライン軸5b,8bの嵌合部におけるガタ音を低減すること、ステアリングホイール6上のガタ感を低減すること、さらには、軸方向摺動時における摺動抵抗を低減することが要求される。
そこで、例えば特許文献1のように、伸縮軸5,8の雄スプライン軸5a,8aに対して、ナイロン膜をコーティングし、さらに摺動部にグリースを塗布し、金属騒音、金属打音等を吸収または緩和すると共に摺動抵抗の低減と回転方向ガタの低減とを行ってきた。この場合、ナイロン膜を形成する工程としてはシャフトの洗浄→プライマー塗布→加熱→ナイロン粉末コート→粗切削→仕上げ切削→雄スプライン軸との選択嵌合が行われている。最終の切削加工は、既に加工済みの雄スプライン軸の加工精度に合わせてダイスを選択して加工を行う。
特開2006−123820号公報
しかしながら、上述したようにナイロン膜を形成した伸縮軸は、最終の仕上げ切削を高精度に仕上げるために、加エコストが非常に高くなるという問題点があった。
また、膜の材料として、非強化のナイロンを使用しているため、徐々にへたり(クリープ)が発生し、雄スプライン軸と雌スプライン軸との間に微小なガタが発生する場合があった。
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、耐クリープ性が向上し、ガタ発生が少ない低加工コストの車両ステアリング用伸縮軸を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、請求項1に係る車両ステアリング装置用伸縮軸は、車両の操舵機構部に組み込み、雄軸と雌軸を回転不能に且つ摺動自在に嵌合した車両ステアリング用伸縮軸において、前記雄軸の外周に、或いは前記雌軸の内周に、板状充填剤を5〜50wt%で含有する合成樹脂組成物からなる樹脂層を一体に設け、前記板状充填剤は、モース硬度が4以下のものであり、マイカ、タルク、カオリン、鱗片状チタン酸塩から選ばれる少なくともーつとし、アミノシランカップリング剤によるアミノシラン処理が施されているとともに、前記板状充填剤を含有させるベース樹脂をポリアミド樹脂とした。
また、請求項記載の発明は、請求項1記載の車両ステアリング用伸縮軸において、前記樹脂層は、前記雄軸の外周に設けた樹脂スリーブである。
また、請求項記載の発明は、請求項1記載の車両ステアリング用伸縮軸において、前記樹脂層は、前記雌軸の内周に設けた樹脂皮膜である。
また、請求項4記載の発明は、車両の操舵機構部に組み込み、雄軸と雌軸を、互いの回転を不能とする回転不能部材を介して軸方向に移動自在に嵌合した車両ステアリング用伸縮軸において、前記回転不能部材に摺動する前記雄軸の外周に、或いは前記雌軸の内周に、板状充填剤を5〜50wt%で含有する合成樹脂組成物からなる樹脂層を一体に設け、前記板状充填剤は、モース硬度が4以下のものであり、マイカ、タルク、カオリン、鱗片状チタン酸塩から選ばれる少なくともーつとし、アミノシランカップリング剤によるアミノシラン処理が施されているとともに、前記板状充填剤を含有させるベース樹脂をポリアミド樹脂とした。
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の車両ステアリング用伸縮軸において、前記回転不能部材及び前記雄軸が摺動する場合には、前記樹脂層を前記雄軸の外周に設けた樹脂スリーブとし、前記回転不能部材及び前記雌軸が摺動する場合には、前記樹脂層を前記雌軸の内周に設けた樹脂皮膜とする。
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項記載の車両ステアリング用伸縮軸において、前記樹脂層の厚さは、100〜2000μmの範囲に設定されている。
また、請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項記載の車両ステアリング用伸縮軸において、前記板状充填剤を含有させるベース樹脂を、23℃の温度環境下で24時間放置した後の吸水率が0.1wt%以下の樹脂を使用する。
また、請求項8記載の発明は、請求項1乃至7の何れか1項記載の車両ステアリング用伸縮軸において、前記樹脂層は、前記雄軸の外周に、或いは前記雌軸の内周に、有機官能基がアミノ基、或いはエポキシ基のシランカップリング剤層を設けてから加熱圧入、或いはインサート成形され、さらに高周波加熱により前記雄軸の外周に、或いは前記雌軸の内周に接着されている。
本発明に係る車両ステアリング用伸縮軸によれば、耐クリープ性に優れ、ガタが発生せず摺動安定性が向上した低コストの車両ステアリング用伸縮軸を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図7で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図1は本発明に係る第1実施形態の車両ステアリング用伸縮軸(以下、伸縮軸)の分解斜視図であり、図2は第1実施形態の伸縮軸の雄スプライン軸の横断面図である。
図1に示すように、本実施形態の伸縮軸20は、相互にスプライン嵌合した雄スプライン軸21と雌スプライン軸22とで構成されている。
図2に示すように、雄スプライン軸21の外周面には、樹脂スリーブ23が嵌合されている。樹脂スリーブ23は、別体で射出成形した後、雄スプライン軸21に圧入することで固定してよいし、雄スプライン軸21をコアにしたインサート成形で形成してもよい。
樹脂スリーブ23の厚さは、100〜2000μmの範囲に設定されている。樹脂スリーブ23の厚さが100μm未満の場合は、一定以上の強度が確保するのが難しく、使用中に亀裂等の発生するおそれがある。それに対して、樹脂スリーブ23の厚さが2000μmを越える場合には、温度上昇時に雌スプライン軸22との間の線膨張係数の差が増大してガタが大きくなるおそれがある。
樹脂スリーブ23の樹脂材料は、モース硬度が4以下の板状充填剤を合成樹脂組成物全量に対して5〜50wt%(重量%)、より好ましくは15〜40wt%を含有するように設定されている。充填剤の含有量が5wt%未満の場合は、耐クリープ性が低下し、充填剤の含有量が50wt%を超える場合には、耐クリープ性は向上するものの、成形時の流動性が悪くなり、樹脂スリーブ23を均一な厚さで成形するのが困難になるので好ましくない。
モース硬度が4以下の板状充填剤としては、表1に示すように、モース硬度を示す板形状のものが使用されている。具体的には、マイカ、タルク、カオリン、鱗片状チタン酸塩等である。
Figure 0005098377
マイカとしては、白雲母(マスコバイト)、金雲母(フロコバイト)が好適である。黒雲母(バイオタイト)は脆いので好ましくない。カオリンは、分子式Al23・2SiO2・2H2Oで示すカオリナイトに代表される鉱物からなるものである。
鱗片状チタン酸塩は、例えば大塚化学製テラセス(商標登録)等のレヒドロサイト型のもので、分子式K0.4Mg0.4Ti1.64である。
上記の板状充填剤は、補強効果は針状充填剤に比べて低いものの、その形状から補強の異方性がほとんどないため、本実施形態のように薄肉の樹脂スリーブ23であっても、表面にヒケが発生することがなく、表面精度が高度となる。また、板状充填剤である無機フィラーは、一般的にミネラルと呼ばれるが、ミネラルとしては炭酸カルシウムも該当する。しかしながら、炭酸カルシウムは、不定形のため補強性がほとんどないため、増量剤としては働くが、添加によって逆に強度が低下するので好ましくない。
そして、表1のように充填剤のモース硬度を4以下とすると、雌スプライン軸22を熱処理等の硬質化処理を実施していない鉄(生材:モース硬度4)製としても、表面を傷つけることはなく、特に硬質化処理を行っている鉄材を用いる必要がないため、低コスト化が可能となる。また、表1の板状充填剤は、ベース樹脂に対する接着性を考慮して、シランカップリング剤等の表面処理が行われたものを使用すると、樹脂全体の強度が向上するので、さらに好適である。
また、表1で示した充填剤を含有させるベース樹脂としては、一定以上の耐熱性を有するものが好ましく、具体的には、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46、ポリアミド12、ポリアミド11、変性ポリアミド6T、ポリアミド9T、ポリアミドMXD6等のポリアミド樹脂、ポリビニリデンフルオライド、四フッ化エチレン−エチレン共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体等のフッ素樹脂等が使用されている。
前述した充填剤を含有させるベース樹脂の中で、23℃、24hr後の吸水率が0.1wt%以下と低いポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリビニリデンフルオライド、四フッ化エチレン−エチレン共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体等のフッ素樹脂が更に好適である。
また、前述のフッ素樹脂の中で、四フッ化エチレン−エチレン共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン−パーフルオロビニルエーテル共重合体は、樹脂自体の静摩擦係数が0.1以下(対磨き鋼)と低いので、合成樹脂組成物全体の摩擦係数もその分低い。そのため、本発明の樹脂スリーブに使用される合成樹脂組成物のベース樹脂に使用した場合には、摺動性が向上する。そして、上述した合成樹脂組成物には、さらに、酸化防止剤・熱安定剤等の各種添加剤や、耐衝撃性を改善するために、エチレンプロピレン非共役ジエンゴム(EPDM)、微粒子状のアクリルゴム、微粒子状のアクリロニトリルブタジエンゴム等のゴム状物質を含有させる配合としてもよい。
また、充填剤を含有させるベース樹脂にポリアミド樹脂を用いた場合、雄スプライン軸21の表面と樹脂スリーブ23の内周面との間に接着層を設けると、吸水による寸法変化をさらに抑制することができる。ここで、接着層を形成するには、例えば、雄スプライン軸21の表面にシランカップリング剤を塗布してから、樹脂スリーブ23を加熱圧入、或いはインサート成形後、高周波加熱を行う方法がある。高周波加熱を行う方法では、強固な接着層が形成すると同時に、雄スプライン軸21の表面に隣接する樹脂スリーブ23の内周面(界面)のみが溶融し、圧入(インサート成形)によって発生した残留応力の除去を併せて行うこともできる。
そして、高周波加熱時の、雄スプライン軸21の表面温度は、200〜450℃で行うと、接着力が強固になる。加熱雰囲気は大気中でもよいが、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気中で行うと、樹脂等の酸化劣化を抑制することができる。
接着に用いられるシランカップリング剤は、その化学構造の一端に加水分解性基であるアルコキシ基を有しており、このアルコキシ基が加水分解して水酸基に変化し、この水酸基が金属表面の水酸基と脱水縮合を起こすことにより、金属との間で高い結合力を持つ共有結合を形成する。また、他端には有機官能基を有しており、この有機官能基がポリアミド樹脂の分子構造中のアミド結合と結合する。そして、これらの結合により、芯管と樹脂部とが強固に結合される。
なお、有機官能基としては、アミノ基、エポキシ基が好適であり、このような有機官能基を有するシランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。特に、有機官能基としてエポキシ基を持つものは、アミド結合との反応性が高くなる。
接着層を芯管の外周面とより強固に結合させるために、雄スプライン軸21の表面に、表面水酸基が増やすために、酸素プラズマ等による表面処理を施すと更に好適である。
また、接着力の増加を含めて、樹脂スリーブ23と雄スプライン軸21の密着性の向上と雄スプライン軸21の境界部の滑り抜け防止を目的にして、雄スプライン軸21の表面には、予めエアーブラスト加工等を施しておいてもよい。エアーブラスト後の雄スプライン軸21の表面の粗さとしては、Ra1.0〜2.0程度が適当である。
また、雄スプライン軸21の表面の粗面化は、他のベース樹脂を使用した場合でも、界面部の接合性(密着性)が向上するので好適である。
したがって、本実施形態によると、合成樹脂組成物全量に対して5〜50wt%の板状充填剤を含有した樹脂スリーブ23が雄スプライン軸21に嵌合されているので、耐クリープ性に優れた伸縮軸20を得ることができる。
また、充填剤のモース硬度を、鉄のモース硬度の4以下とすることで、雌スプライン軸22を鉄の生材で形成しても摩耗が発生しにくいことから、伸縮軸20の低コスト化を図ることができる。
また、合成樹脂組成物のベース樹脂として、吸水率が0.1wt%以下の低吸水樹脂を用いているので、高温多湿環境であっても、摺動安定性が向上した伸縮軸20を得ることができる。
さらに、樹脂スリーブ23の厚さを100〜2000μmの範囲に設定しているので、使用中の亀裂等の発生を防止して一定以上の強度を確保することができ、温度上昇時に雌スプライン軸22との間の線膨張係数の差を抑制してガタ付きを防止することができる。
なお、図1及び図2の第1実施形態では、雄スプライン軸21の外周面に樹脂スリーブ23を嵌合した伸縮軸20について説明したが、本発明の要旨がこれに限定されるものではなく、図3の第2実施形態で示すように、雌スプライン軸22の内周面に、モース硬度が4以下の充填剤を5〜50wt%含有する合成樹脂組成物からなる樹脂皮膜24を、樹脂スリーブ23と同様の厚さ等の条件、ベース樹脂、充填剤で形成する場合であっても、耐クリープ性に優れ、高温多湿環境であっても摺動安定性が向上し、低コストの伸縮軸20を製造することができる。
次に、図4及び図5は、本発明に係る第3実施形態の伸縮軸を示すものである。
図4は第3実施形態の伸縮軸の横断面図であり、図5は雄シャフトに樹脂スリーブを取付け、雌シャフトを外嵌する前の状態を示す斜視図である。
図4に示すように、本実施形態の伸縮軸30は、雄シャフト31、雌シャフト32及び雄シャフト31の外周に嵌合されている環状の樹脂スリーブ33とで構成されている。
雄シャフト31は中実柱形状であり、その外周には、軸心から放射状に突出し、90度間隔をあけて軸方向凸条34が4個形成されている。
雌シャフト32は中空筒形状であり、その内周には、雄シャフト31の軸方向凸条34と同一位相位置に、軸直角断面が略コ字形状の軸方向溝35が4個形成されている。
樹脂スリーブ33は中空筒形状であり、雄シャフト31の軸方向凸条34と雌シャフト32の軸方向溝35との間の隙間を埋めるように、雄シャフト31の外周に外嵌されている。この樹脂スリーブ33の外周には、軸方向に所定間隔をあけた位置で周方向に連続する環状凹部36が複数形成されており、この環状凹部36に潤滑剤が溜まるようにしている。
そして、本実施形態も、樹脂スリーブ33は厚さを100〜2000μmの範囲に設定しており、合成樹脂組成物全量に対して5〜50wt%の板状充填剤を含有したものが雄シャフト31に嵌合されている。また、樹脂スリーブ33の板状充填剤のモース硬度は、鉄のモース硬度の4以下としているとともに、樹脂スリーブ33の合成樹脂組成物のベース樹脂として、吸水率が0.1wt%以下の低吸水樹脂が用いられている。さらに、環状凹部36に溜まる充填剤は、シランカップリング剤等の表面処理が行われたものを使用している。
したがって、上記構成の本実施形態の伸縮軸30も、第1実施形態の伸縮軸20と同様の効果を奏することができる。
なお、雌シャフト32の軸方向溝35に、モース硬度が4以下の板状充填剤を5〜50wt%含有する合成樹脂組成物からなる樹脂皮膜を、樹脂スリーブ33と同様の厚さ等の条件、ベース樹脂、充填剤で形成する場合であっても、耐クリープ性に優れ、高温多湿環境であっても摺動安定性が向上し、低コストの伸縮軸30を製造することができる。
次に、図6は、本発明に係る第4実施形態の伸縮軸を示す横断面図である。
第4実施形態の伸縮軸40は、雄シャフト41と、雌シャフト42と、雌シャフト42の内周全域に形成した樹脂皮膜43と、雌シャフト42に固定した回転不能部材44とで構成されている。
雄シャフト41は中実柱形状であり、その外周には、軸心から放射状に突出し、120度間隔をあけて軸方向凸条45が3個形成されている。
雌シャフト42は中空筒形状であり、その内周には、雄シャフト41の軸方向凸条45と同一位相位置に、軸直角断面が略コ字形状の軸方向溝46が3個形成されている。
また、雄シャフト41の軸方向凸条45の外周には、軸方向溝46の内周に当接することで雄シャフト41及び雌シャフト42の回転を不能とし、雌シャフト42を軸方向に摺動させる回転不能部材44が固定されている。
そして、雌シャフト42の内周全域に形成されている樹脂皮膜43は、厚さを100〜2000μmの範囲に設定しており、合成樹脂組成物全量に対して5〜50wt%の板状充填剤を含有した皮膜である。この樹脂皮膜43の板状充填剤のモース硬度は、鉄のモース硬度の4以下としているとともに、樹脂皮膜43の合成樹脂組成物のベース樹脂として、吸水率が0.1wt%以下の低吸水樹脂が用いられている。
したがって、上記構成の本実施形態の伸縮軸40も、第1実施形態の伸縮軸20と同様の効果を奏することができる。
なお、雌シャフト42の軸方向溝46に回転不能部材44を固定する場合には、雄シャフト41に、モース硬度が4以下の板状充填剤を5〜50wt%含有する合成樹脂組成物からなる樹脂スリーブを外嵌すると、樹脂皮膜43と同様の厚さ等の条件、ベース樹脂、充填剤で形成する場合であっても、耐クリープ性に優れ、高温多湿環境であっても摺動安定性が向上し、低コストの伸縮軸40を製造することができる。
次に、第1実施形態で示した合成樹脂組成物が異なる樹脂スリーブ23を雄スプライン軸21に嵌合した複数種類の伸縮軸20の摺動安定性と耐久性について評価した結果を表2に示す。
なお、雄スプライン軸21は外径20mm、長さ140mmのものを使用し、この雄スプライン軸21の樹脂スリーブ23(長さ50mm)を嵌合する部分の表面粗さをエアーブラストでRa1.0〜1.5に粗い面としている。
そして、実施例1の樹脂スリーブ23は、雄スプライン軸21をコアにしたインサート成形により、厚さ500μmで形成されている。そして、合成樹脂組成物は、PA66(ポリアミド66樹脂:例えば宇部興産製UBEナイロン2020UW1;銅系熱安定剤含有)60wt%と、白雲母(例えば山口雲母工業所製造粒雲母粉ミカレット21P5(330)、アミノシラン処理、平均粒径23μm)40wt%とを含有している。
また、実施例2の樹脂スリーブ23は厚さ500μmで形成している。合成樹脂組成物は、PA6(ポリアミド6樹脂:例えば宇部興産製UBEナイロン(商標登録)1022U;銅系熱安定剤含有)60wt%と、白雲母表面処理品(例えば山口雲母工業所製造粒雲母粉ミカレット21P5(330)、アミノシラン処理、平均粒径23μm)40wt%とを含有している。
また、実施例3の樹脂スリーブ23は、合成樹脂組成物のベース樹脂を、PA9T(ポリアミド9T樹脂:例えばクラレ製ジェネスタN100OA)を60wt%と、タルク表面処理品(例えば浅田製粉製HT―100B、シランカップ剤処理、平均粒度4.3μm)40wt%とを含有している。
比較例1は、従来の工程(雄スプライン軸の表面にナイロン膜をコーティングし、摺動部にグリースを塗布する工程:シャフトの洗浄→プライマー塗布→加熱→ナイロン粉末コート→粗切削→仕上げ切削→雄スプライン軸)で、洗浄後にプライマー処理を行った雄スプライン軸の表面に、ナイロン11(例えばアルケマ製リルサンBMN O TLD、熱安定剤・UV安定剤添加グレード)の粉末コーティングを実施して皮膜を形成し、その後、切削加工で膜厚500μmに調整した雄スプライン軸21を形成した。
比較例2は、実施例1と略同じで、樹脂スリーブ23を、PA66のみで形成している。
(摺動安定性の評価)
実施例1〜実施例3及び比較例1〜2の摺動安定性の評価は、各雄スプライン軸試験体(実施例1〜3及び比較例1〜2)の表面にグリース塗布してから雌スプライン軸22に圧入し、50℃、50%RHの環境下(以下、条件Iと称する)、或いは、60℃
、90%RHの環境下(以下、条件IIと称する)で放置し、所定時間経過後(70h、
300h、500h)に摺動荷重を測定し、初期に対して20wt%を超えて向上したものを不合格「×」とし、それ以下のものを合格「○」とした。
(耐久性の評価)
摺動安定性を確認した各雄スプライン軸試験体(実施例1〜3及び比較例1〜2)を、30℃、50%RHの環境下(以下、条件IIIと称する)、50℃、90%RHの環境
下(以下、条件IVと称する)、80℃、50%RHの環境下(以下、条件Vと称する)
、80℃、90%RHの環境下(以下、条件VIと称する)で10万回の摺動を行い、初
期の騒音レペルに対して、2dB以上を越えて騒音レベルが向上したものを不合格「×」、騒音レベルの向上が2dB以下のものを合格「○」とした。
Figure 0005098377
表2に示すように、板状充填剤を含有させた合成樹脂組成物を用いて樹脂スリーブ23を形成することにより、摺動安定性が向上したことがわかる。そして、摺動安定性は、ベース樹脂に低吸水樹脂を用いることで、高温多湿環境でも優れた安定性を示すことがわかる。
また、耐久性は常温、常湿環境では大差が見られないものの、クリープが加速する高温環境や吸水寸法変化が拡大する多湿環境では、実施例3で示した合成樹脂組成物を用いたものに優位性が見られた。
本発明に係る第1実施形態の車両ステアリング用伸縮軸の分解斜視図である。 本発明に係る第1実施形態の雄軸の横断面図である。 本発明に係る第2実施形態の雌軸の横断面図である。 本発明に係る第3実施形態の伸縮軸の横断面図である。 本発明に係る第3実施形態の雄シャフトにスリーブを取付け、雌シャフトを外嵌する前の状態を示す斜視図である。 本発明に係る第4実施形態の伸縮軸の横断面図である。 自動車の操舵機構部を概略的に示した図である。
符号の説明
20…伸縮軸、21…雄スプライン軸(雄軸)、22…雌スプライン軸(雌軸)、23…樹脂スリーブ(樹脂層)、24…樹脂皮膜(樹脂層)、30…伸縮軸、31…雄シャフト(雄軸)、32…雌シャフト(雌軸)、33…樹脂スリーブ(樹脂層)、34…軸方向凸条、35…軸方向溝、36…環状凹部、40…伸縮軸、41…雄シャフト(雄軸)、42…雌シャフト(雌軸)、43…樹脂皮膜(樹脂層)、44…回転不能部材、45…軸方向凸条、46…軸方向溝

Claims (8)

  1. 車両の操舵機構部に組み込み、雄軸と雌軸を回転不能に且つ摺動自在に嵌合した車両ステアリング用伸縮軸において、
    前記雄軸の外周に、或いは前記雌軸の内周に、板状充填剤を5〜50wt%で含有する合成樹脂組成物からなる樹脂層を一体に設け、
    前記板状充填剤は、モース硬度が4以下のものであり、マイカ、タルク、カオリン、鱗片状チタン酸塩から選ばれる少なくともーつとし、アミノシランカップリング剤によるアミノシラン処理が施されているとともに、
    前記板状充填剤を含有させるベース樹脂をポリアミド樹脂としたことを特徴とする車両ステアリング用伸縮軸。
  2. 前記樹脂層は、前記雄軸の外周に設けた樹脂スリーブであることを特徴とする請求項1記載の車両ステアリング用伸縮軸。
  3. 前記樹脂層は、前記雌軸の内周に設けた樹脂皮膜であることを特徴とする請求項1記載の車両ステアリング用伸縮軸。
  4. 車両の操舵機構部に組み込み、雄軸と雌軸を、互いの回転を不能とする回転不能部材を介して軸方向に移動自在に嵌合した車両ステアリング用伸縮軸において、
    前記回転不能部材に摺動する前記雄軸の外周に、或いは前記雌軸の内周に、板状充填剤を5〜50wt%で含有する合成樹脂組成物からなる樹脂層を一体に設け、
    前記板状充填剤は、モース硬度が4以下のものであり、マイカ、タルク、カオリン、鱗片状チタン酸塩から選ばれる少なくともーつとし、アミノシランカップリング剤によるアミノシラン処理が施されているとともに、
    前記板状充填剤を含有させるベース樹脂をポリアミド樹脂としたことを特徴とする車両ステアリング用伸縮軸。
  5. 前記回転不能部材及び前記雄軸が摺動する場合には、前記樹脂層を前記雄軸の外周に設けた樹脂スリーブとし、前記回転不能部材及び前記雌軸が摺動する場合には、前記樹脂層を前記雌軸の内周に設けた樹脂皮膜とする請求項4記載の車両ステアリング用伸縮軸。
  6. 前記樹脂層の厚さは、100〜2000μmの範囲に設定されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の車両ステアリング用伸縮軸。
  7. 前記板状充填剤を含有させるベース樹脂を、23℃の温度環境下で24時間放置した後の吸水率が0.1wt%以下の樹脂を使用することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の車両ステアリング用伸縮軸。
  8. 前記樹脂層は、前記樹脂層は、前記雄軸の外周に、或いは前記雌軸の内周に、有機官能基がアミノ基、或いはエポキシ基のシランカップリング剤層を設けてから加熱圧入、或いはインサート成形され、さらに高周波加熱により前記雄軸の外周に、或いは前記雌軸の内周に接着されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の車両ステアリング用伸縮軸。
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