JP2011111112A - 車両ステアリング用伸縮軸 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両の操舵機構部に組み込み、雄軸と雌軸を回転不能に且つ摺動自在に嵌合した車両ステアリング用伸縮軸において、耐ヘタリ性が向上しガタ発生が少なく、また、耐摩耗性を向上させた車両ステアリング用伸縮軸を提供する。
【解決手段】車両の操舵機構部に組み込み、雄軸21と雌軸22を回転不能に且つ摺動自在に嵌合した車両ステアリング20用伸縮軸において、前記雄軸と前記雌軸との間に、架橋処理をした合成樹脂組成物からなる樹脂層23を設けた。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の操舵機構部に組込み、雄軸と雌軸を回転不能に且つ摺動自在に嵌合した車両ステアリング用伸縮軸に関する。
図8は、一般的な自動車の操舵機構部15を示すものである。この操舵機構部15は、車体側のメンバ1にアッパブラケット2とロアブラケット3とを介して取付けられたステアリングコラム4と、このステアリングコラム4に回転自在に支持されたステアリングシャフト5と、このステアリングシャフト5の上端に装着されたステアリングホイール6と、ステアリングシャフト5の下端にカルダン軸継手7を介して連結された中間(インターミディエイト)シャフト8と、この中間シャフト8にカルダン軸継手9を介して連結されたピニオンシャフト10と、ピニオンシャフト10に連結したステアリングラック軸11と、このステアリングラック軸11を支持して車体の別のフレーム12に弾性体13を介して固定されたステアリングラック支持部材14とで構成されている。
中間シャフト8は、雄スプライン軸8aと雌スプライン軸8bとを嵌合した伸縮軸が採用されている(以下、伸縮軸8と称する)。この伸縮軸8には、自動車が走行する際に発生する軸方向の変位を吸収し、ステアリングホイール6上にその変位や振動を伝えない性能が要求される。
このような性能は、車体がサブフレーム構造となっていて、操舵機構部15の上部を固定するメンバ1とステアリングラック支持部材14が固定されているフレーム12とが別体となっており、ステアリングラック支持部材14がゴムなどの弾性体13を介してフレーム12に締結固定されている構造の場合に要求される。
また、その他のケースとして、カルダン軸継手9をピニオンシャフト10に締結する際に、作業者が伸縮軸8を一旦収縮させからピニオンシャフト10に嵌合させて締結させるために伸縮機能が必要とされる。
さらに、操舵機構部15の上部にあるステアリングシャフト5も、雄スプライン軸5aと雌スプライン軸5bとを嵌合したものである(以下、伸縮軸5と称する)。この伸縮軸5は、運転者が自動車を運転するのに最適な運転姿勢を確保するためにステアリングホイール6の位置を軸方向に移動し、その位置を調整するテレスコ機能が要求されるため、軸方向に伸縮する機能が要求される。
ここで、伸縮軸5,8には、雄軸スプライン5a,8a及び雌スプライン軸5b,8bの嵌合部におけるガタ音を低減すること、ステアリングホイール6上のガタ感を低減すること、さらには、軸方向摺動時における摺動抵抗を低減することが要求される。
そこで、例えば特許文献1のように、伸縮軸の摺動部に合成樹脂組成物からなる樹脂層を設け、樹脂層を介して雄軸スプラインを雌スプライン軸に対して摺動させる構造が提案されている。このように、樹脂層を設けることにより、樹脂材料が持つ自己潤滑性や柔軟性によって、伸縮軸が滑らかに摺動することができる。
ところが、長期にわたる使用において、樹脂層に塗布されるグリース切れによる摩耗や、樹脂材料の持つ柔軟性に起因してヘタリを引き起こしガタが発生する虞がある。また、特許文献2のように、耐ヘタリ性向上のために充填材を含有させると、長期使用によって摩耗が発生した際、摩擦面に充填材が露出するため、摩擦相手材を損傷させるだけでなく、伸縮軸の摺動が不安定となる虞がある。
特開2008−2630号公報 特開2008−168890号公報
そこで、本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、耐摩耗性や耐ヘタリ性を向上させることによりガタの発生を抑制でき、また、摩耗が発生しても摩擦相手材を損傷させるたり、摺動性能が低下することが無い車両ステアリング用伸縮軸を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に係る車両ステアリング用伸縮軸は、車両の操舵機構部に組み込み、雄軸と雌軸を回転不能に且つ摺動自在に嵌合した車両ステアリング用伸縮軸において、前記雄軸と前記雌軸との間に、架橋処理をした合成樹脂組成物からなる樹脂層を設けたことを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の車両ステアリング用伸縮軸において、前記架橋処理は、加熱処理によって行われることを特徴とする。
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の車両ステアリング用伸縮軸において、前記合成樹脂組成物は、ポリアミドやポリフェニレンサルファイドに代表されるようなエンジニアリングプラスチック或いはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)に代表されるスーパーエンジニアリングプラスチックからなることを特徴とする。
また、請求項4記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両ステアリング用伸縮軸において、前記合成樹脂組成物には、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートまたはエチレングリコールジメタクリレートのような特定の多官能モノマーが含まれることを特徴とする。
また、請求項5記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1項に記載の車両ステアリング用伸縮軸において、前記特定の多官能モノマーの配合量が、樹脂100質量部に対して0.2〜7質量部であることを特徴とする。
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5の何れか1項に記載の車両ステアリング用伸縮軸において、前記樹脂層を、前記雄軸の外周に設けた樹脂スリーブとしたことを特徴とする。
また、請求項7記載の発明は、請求項1乃至6の何れか1項に記載の車両ステアリング用伸縮軸において、前記樹脂層は、前記雌軸の内周に設けた樹脂皮膜であることを特徴とする。
本発明に係る車両ステアリング用伸縮軸によれば、ガタの発生を抑制でき、また、摩耗が発生しても摩擦相手材を損傷させるたり、摺動性能が低下することが無い車両ステアリング用伸縮軸を得ることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図8で示した構成と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図1は本発明に係る第1実施形態の車両ステアリング用伸縮軸(以下、伸縮軸)の分解斜視図であり、図2は第1実施形態の伸縮軸の雄スプライン軸の横断面図である。
図1に示すように、本実施形態の伸縮軸20は、相互にスプライン嵌合した雄スプライン軸(雄軸)21と雌スプライン軸(雌軸)22とで構成されている。
図2に示すように、雄スプライン軸21の外周面には、樹脂スリーブ23が嵌合されている。樹脂スリーブ23は、別体で射出成形した後、雄スプライン軸21に圧入することで固定してよいし、雄スプライン軸21をコアにしたインサート成形で形成してもよい。
樹脂スリーブ23の厚さは、100〜2000μmの範囲に設定されているのが好ましい。樹脂スリーブ23の厚さが100μm未満の場合は、一定以上の強度を確保するのが難しく、使用中に亀裂等の発生するおそれがある。それに対して、樹脂スリーブ23の厚さが2000μmを越える場合には、温度上昇時に雌スプライン軸22との間の線膨張係数の差が増大してガタが大きくなるおそれがある。
樹脂スリーブ23の材料としては、ベース樹脂はポリアミド樹脂等のエンジニアリングプラスチック(引張り強度60MPa以上、シャルピー衝撃値50J/m以上、曲げ弾性率2.4GPa以上)、ポリエーテルエーテルケトン等のスーパーエンジアリングプラスチック(上記を満たし、ASTM D648熱変形温度150℃以上)等であり、特にその種類は制限されるものではない。しかし、後述される架橋機構から、水素の引き抜きを容易にして架橋をより進行させるために、分子構造中にメチレン鎖(−(CH2)n−)に有することが好ましく、繰り返し単位中にベンゼン環を有する芳香族ポリアミド樹脂よりは脂肪族ポリアミド樹脂の方が好ましい。具体的には、ポリアミド6(ナイロン6)、ポリアミド66(ナイロン66)、ポリアミド46(ナイロン46)、ポリアミド12(ナイロン12)、ポリアミド11(ナイロン11)、ポリアミド6−12(ナイロン6−12)等のポリアミド樹脂を好適に用いることができる。また、これらの多くは、PPS樹脂、PEEK樹脂、ポリイミドPI樹脂に比べて安価であるという利点を有する。
上記ポリアミド樹脂には、分子中に2個以上の炭素間二重結合をする多官能モノマー(以下、「特定の多官能モノマー」という)が配合される。この特定の多官能モノマーは、いわゆる架橋助剤として機能する。このような特定の多官能モノマーとしては、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン、ジイソプロペニルベンゼン、N,N´−m−フェニレンビスマレイミド、ポリブタジエン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート等が挙げられ、これらは単独または2種以上組み合わせ使用される。中でも、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートがより円滑に架橋反応を進めることから好ましい。
また、特定の多官能モノマーの添加量は、ポリアミド樹脂100質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜7質量部である。特定の多官能モノマーが0.01質量部未満では、絶対量が少なすぎて架橋が殆ど進行しない。また、特定の多官能モノマーが10質量部を超える場合には、架橋度の更なる増大がみられないとともに、未反応物等が残存してプラスチック樹脂スリーブの物性低下を引き起こす可能性が高くなる。尚、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレートを用いる場合、その添加量は0.2〜7質量部が好ましい。
本発明において架橋は加熱により行うが、ポリアミド樹脂中における特定の多官能モノマーによる架橋反応は、次のような機構によるものと考えられる。即ち、先ず加熱初期において何らかのラジカルが発生し、そのラジカルが特定の多官能モノマーの炭素間二重結合に付加し、2次ラジカルを生じる。そして、この2次ラジカルが、ポリアミド樹脂のアミド結合の間に存在するメチレン水素を引き抜き、それにより発生したポリアミド樹脂の分子ラジカル同士が特定の多官能モノマーにより数箇所で結合され、架橋構造が構築される。但し、このラジカルの発生自体の数が少なく、反応が進むのが遅いため、成形工程には影響が無い。
また、このようにラジカル発生及び特定の多官能モノマーの反応が遅いことは、製造上大きな利点になる。即ち、ポリアミド樹脂と、特定の多官能モノマーを配合したポリアミド樹脂のペレットを事前に調製することができ、これらの保管が可能となり、実際の製造において、事前に調製したペレットを成形機に投入すれば樹脂スリーブの成形を即時開始することができる。これに対し、架橋剤として一般的な有機過酸化物は、単独でもポリアミド樹脂のアミド結合の間に存在するメチレン水素を引き抜いて架橋が進行するため、成形直前にポリアミド樹脂に有機過酸化物を添加して混練する必要があり、製造開始毎に成形原料の調製が必要になる。
ポリアミド樹脂には、機械的強度の向上を目的として、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維、チタン酸カリウムウィスカーやホウ酸アルミニウムウィスカー等のウィスカーを補強材として配合することが好ましい。補強材は、ポリアミド樹脂との接着性を高めたり、分散性を高めるために、カップリング剤等による表面処理が施されていてもよい。補強材の配合量は、ポリアミド樹脂の種類や補強材の種類、あるいは樹脂スリーブ形状等によっても異なるが、ポリアミド樹脂組成物全量に対して10〜40質量%、好ましくは15〜30質量%である。補強材の配合量が10質量%未満では、補強効果が小さく、樹脂スリーブとしての実用性が低い。一方、補強材が40質量%を超える場合は、成形原料の溶融粘度が高すぎて成形性が悪くなり、複雑な形状の樹脂スリーブを精度よく成形するのが困難になる。
また、ポリアミド樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で、熱や光による劣化を防止するために、ヨウ化化合物等の熱安定剤、アミン化合物やフェノール化合物等の酸化防止剤、光安定化剤を添加できる。更には、固体潤滑剤、潤滑油、着色剤、帯電防止剤、離型剤、流動性改良剤、結晶化促進剤等を適宜添加してもよい。
本発明の伸縮軸用樹脂スリーブを得るには、ポリアミド樹脂に特定の多官能モノマー配合したペレットと、補強材及びその他の添加剤を、好ましくは射出成形機に投入し、この射出成形機の加熱部にて溶融混練を行う。この間に上記の架橋反応が進行し、所定の樹脂スリーブ形状(例えば、図1に示した形状)に成形した時点では架橋物として樹脂スリーブが得られる。離型後、ポリアミド樹脂の融点以下の温度、70〜290℃、好ましくは70〜200℃にて加熱処理を行い、架橋を更に進行させる。尚、この加熱処理は、酸化劣化を防ぐために、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス雰囲気もしくは真空下で行うことが望ましい。また、加熱処理後に直ちに空気中に出さず、同一雰囲気で室温程度にまで徐冷することにより酸化劣化を防止できる。
尚、一般的な射出成形機では、数平均分子量が50,000程度までの樹脂に対しては精度よく安定して成形することできる。そこで、本発明においても、上記のポリアミド樹脂として、数平均分子量が30,000以下、好ましくは10,000〜20,000のものを用いる。このような比較的低分子量のポリアミド樹脂を用いることにより、従来通りに射出成形を実施でき、製造コストの上昇を抑えることができる。
また、ポリアミド樹脂は、数平均分子量100,000前後を境にして剛性に大きな差が出てくる。そこで本発明においても、架橋後のポリアミド樹脂の数平均分子量が100,000以上、好ましくは300,000以上、特に好ましくは500,000以上になるように架橋条件を調整する。
このようにして得られる樹脂スリーブは、母材であるポリアミド樹脂が架橋されて高分子量化(数平均分子量100,000以上)しており、従来よりも優れた剛性や耐摩耗性を有する、また、高度に架橋されていることから、分子間の広がりが抑えられるため、吸水による膨張も抑制され、寸法変化も小さくなる。
なお、図1及び図2の第1実施形態では、雄スプライン軸21の外周面に樹脂スリーブ23を嵌合した伸縮軸20について説明したが、図3の第2実施形態で示すように、雌スプライン軸22の内周面に、合成樹脂組成物からなる樹脂皮膜24を、樹脂スリーブ23と同様の厚さ等の条件、ベース樹脂、充填剤で形成することもできる。
この場合であっても、耐摩耗性や耐ヘタリ性を向上させることによりガタの発生を抑制でき、また、摩耗が発生しても摩擦相手材を損傷させるたり、摺動性能が低下することが無い車両ステアリング用伸縮軸を得ることが出来る。
以下、実施例及び比較例として、本発明に係る合成樹脂組成物について更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
[実施例、比較例]
(1)円板試験片の製作
実施例の円板試験片は、ポリアミド66(宇部興産(株)製2020B)のペレットに、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレート(日本化成(株)製「タイク」)を1.0質量%混合して2軸押出し機に投入し、混練温度280〜290℃で押出し混練を行い、成形用ペレットを作製した。そして、成形用ペレットをインラインスクリュー式射出成形機に投入して、円板(図4参照)に成形した。離型後、円板をアルゴンガス中で80℃にて24時間加熱処理を行い、アルゴンガス中で室温まで徐冷した。
比較例の円板試験片は、ポリアミド66(宇部興産(株)製2020B)のペレットをインラインスクリュー式射出成形機に投入して、実施例と同様の円板に成形した。
(2)摩耗試験
図4に示すように、円板試験片30上に載置した軸受鋼球31、31に、49Nの垂直荷重Fを負荷し、鋼球31を10mm/sの速度で、摺動距離5mm(往復10mm)で摺動させ摩耗試験を行った。往復摺動回数は5万回で総滑り距離は500mである。使用した鋼球31は直径3/8インチで、材質はSUJ2(熱処理なし)である。また、鋼球31と円板試験片30との間はグリース潤滑している。そして、加熱架橋処理を行っていないポリアミド66樹脂円板(比較例)の測定値を100%として、相対値を求めた。結果を図5に示す。
図5から明らかなように、加熱架橋処理を行っていない試験片の摩耗深さと比較して、加熱架橋処理を行った試験片は摩耗が抑制されていることが分かる。このことによって、加熱架橋処理によって、樹脂材料の耐摩耗性が向上していることが示された。
(3)圧縮クリープ試験
図6に示すように、厚さ3mmの円板試験片30を一対の圧縮冶具41、41で挟持し、円板試験片30の厚さ方向に圧縮応力Pを負荷し、耐ヘタリ特性の評価を行った。圧縮応力Pは40Mpa,圧縮時間は3時間である。試験雰囲気温度は150℃である。そして、加熱架橋処理を行っていないポリアミド66樹脂円板(比較例)の測定値を100%として、相対値を求めた。結果を図7に示す。なお、図中の圧縮へたり量ε(%)は、以下の式(1)にて算出した値である。
ε=[(t0−t1)/t0]・100・・・・(1)
t0:初期厚み
t1:試験後の厚み
図7から明らかなように、加熱架橋処理を行っていない試験片の圧縮ひずみと比較して、加熱架橋処理した試験片は圧縮ひずみが抑制されていることが分かる。このことによって、加熱架橋処理によって、樹脂材料の耐ヘタリ性が向上していることが示された。
本発明に係る第1実施形態の車両ステアリング用伸縮軸の分解斜視図である。 本発明に係る第1実施形態の雄軸の横断面図である。 本発明に係る第2実施形態の雌軸の横断面図である。 摩耗試験方法を説明する図である。 摩耗試験の結果を示すグラフである。 圧縮クリープ試験方法を説明する図である。 圧縮クリープ試験の結果を示すグラフである。 自動車の操舵機構部を概略的に示した図である。
1…車体側のメンバ、2…アッパブラケット、3…ロアブラケット、4…ステアリングコラム、5…ステアリングシャフト、6…ステアリングホイール、7…カルダン軸継手、9…カルダン軸継手、10…ピニオンシャフト、11…ステアリングラック軸11、12…車体の別のフレーム、13…弾性体、14…ステアリングラック支持部材、15…操舵機構部、20…伸縮軸(車両ステアリング用伸縮軸、ステアリングシャフト、中間シャフト)、21…雄スプライン軸(雄軸)、22…雌スプライン軸(雌軸)、23…樹脂スリーブ(樹脂層)、24…樹脂皮膜(樹脂層)、30…円板試験片、31…軸受鋼球、41…圧縮冶具

Claims (7)

  1. 車両の操舵機構部に組み込み、雄軸と雌軸を回転不能に且つ摺動自在に嵌合した車両ステアリング用伸縮軸において、
    前記雄軸と前記雌軸との間に、架橋処理をした合成樹脂組成物からなる樹脂層を設けたことを特徴とする車両ステアリング用伸縮軸。
  2. 前記架橋処理は、加熱処理によって行われることを特徴とする請求項1記載の車両ステアリング用伸縮軸。
  3. 前記合成樹脂組成物は、ポリアミドやポリフェニレンサルファイドに代表されるようなエンジニアリングプラスチック或いはポリエーテルエーテルケトン(PEEK)に代表されるスーパーエンジニアリングプラスチックからなることを特徴とする請求項1又は2記載の車両ステアリング用伸縮軸。
  4. 前記合成樹脂組成物には、トリアリルイソシアヌレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートまたはエチレングリコールジメタクリレートのような架橋助剤が含まれることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両ステアリング用伸縮軸。
  5. 前記架橋助剤の配合量が、樹脂100質量部に対して0.2〜7質量部であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の車両ステアリング用伸縮軸。
  6. 前記樹脂層を、前記雄軸の外周に設けた樹脂スリーブとしたことを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の車両ステアリング用伸縮軸。
  7. 前記樹脂層は、前記雌軸の内周に設けた樹脂皮膜であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の車両ステアリング用伸縮軸。
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