JP5610015B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電動モータの出力を減速して伝達する減速ギヤ機構を備える電動パワーステアリング装置に関する。
自動車等に組み込まれる電動パワーステアリング装置には、電動モータに比較的高速回転、低トルクのものが使用されるため、電動モータとステアリングシャフトとの間に減速ギヤ機構が組み込まれている。この減速ギヤ機構としては、平歯車やその他の歯車を使用したものも知られているが、一組で大きな減速比が得られる等の理由から、ウォームとウォームに噛み合うウォームホイールとから構成される減速ギヤ機構を使用するのが一般的である。ここで、ウォームは電動モータの回転軸に連結される駆動ギヤであり、ウォームホイールは従動ギヤである。
このような減速ギヤ機構では、ウォームホイールとウォームの両方を金属製にすると、ステアリングホイールの操作時に歯打ち音や振動音等の不快音が発生するという不具合を生じることから、従来においては、ウォームを金属製とした場合は、ウォームホイールとして、金属製の芯管の外周部にギヤ歯を有する樹脂部を一体に成形したものを使用することで騒音対策を行っている。
上記樹脂部の樹脂組成物としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等のベース樹脂に、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維強化材を配合した材料や、繊維強化材を含有しないMC(モノマーキャスト)ナイロン(登録商標)、ポリアミド6、ポリアミド66等の材料が提案されている。しかし、近年では、耐疲労性、寸法安定性やコストを考慮して、繊維強化材を含有しないMCナイロン(登録商標)や、繊維強化材としてガラス繊維を含有するポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46等が主流になっている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、小型高出力な自動車に搭載するために、電動パワーステアリング装置がコンパクトになってきており、それに伴い減速ギヤ機構のギヤ比を大きくする必要が出てきている。その結果、ウォームホイールのギヤ歯とウォームのギヤ歯との間の接触面圧が増大し、その接触部分で発生する摺動音が問題になりつつある。
このような摺動音の低減対策として、ポリフェニレンサルファイド(PPS)やポリアミドなどの合成樹脂に強化繊維材を含有させたものをエラストマー変性して弾性率を下げた樹脂組成物を用いてウォームホイールを作製する技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特公平6−60674号公報 特開平10−141477号公報
しかしながら、上記特許文献2では、エラストマー変性された合成樹脂強化材は、エラストマー変性したことで弾性率は低下したものの、引張強度,曲げ強度,疲労強度等の強度も低下するため、樹脂製のギヤ歯部分に連続して圧縮・引張・曲げ応力が作用する電動パワーステアリング装置用減速ギヤの信頼性を低下させる問題があった。
また、強化繊維材として、一般的な鉄鋼材料より硬質なガラス繊維や炭素繊維を使用しているため、ウォームホイールに噛合する鉄製のウォームのギヤ歯面に生じる摩耗量が大きくなり、それによって更に摺動音が大きくなることが懸念される。また、この摩耗を抑制するために、金属製のウォームのギヤ歯面に硬質化処理等を施すことも行われているが、コストアップにつながる。
さらに、合成樹脂に含有している強化繊維材が剛直で減衰特性が低いために、合成樹脂強化材全体としても、摺動音の低減効果は十分なものではなかった。
本発明は、このような不都合を解消するためになされたものであり、その目的は、減速ギヤ機構の摺動音を低減することができ、静音性を向上することができる電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明の上記目的は、電動モータの出力を減速して伝達する減速ギヤ機構を備える電動パワーステアリング装置であって、減速ギヤ機構は、ギヤ歯が樹脂部で形成されたギヤを備え、ギヤは、芯管の外周部に樹脂部が一体に形成されており、ギヤは、ウォームホイールであり、ウォームホイールに噛合する金属製のウォームを備え、ウォームに硬質化処理が施されておらず、樹脂部は、引張強度が2GPa以上で、且つ引張弾性率が50GPa以上の有機繊維材を10〜40重量%含有する樹脂組成物により形成され、有機繊維材が、パラ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維、及びポリパラフェニレンベンズビスオキサザール(PBO)繊維から選ばれる少なくとも1つであると共に、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びビスマレイミド樹脂から選ばれる少なくとも1つのサイジング剤で処理され、有機繊維材の長さは、7〜11mmに設定され、樹脂組成物のベース樹脂は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする電動パワーステアリング装置の構成により達成される。
本発明の電動パワーステアリング装置によれば、少なくともギヤ歯が樹脂部で形成されたギヤを備え、樹脂部は、引張強度が2GPa以上で、且つ引張弾性率が50GPa以上の有機繊維材を10〜40重量%含有する樹脂組成物により形成されるため、金属材料に対して傷付性がなく、且つ柔軟性を有するギヤを得ることができる。これにより、減速ギヤ機構の摺動音を低減することができ、静音性を向上することができる。
また、本発明の電動パワーステアリング装置によれば、また、ガラス繊維より低密度な有機繊維材を使用しているので、ウォームホイールの軽量化を図ることができる。さらに、金属製のウォームよりも柔軟な有機繊維材を使用しているので、ウォームの硬質化処理を省略することができ、製造コストを削減することができる。
また、本発明の電動パワーステアリング装置によれば、有機繊維材の長さは、7〜11mmに設定されているため、射出成形によって得られる樹脂部のギヤ歯内において、有機繊維材をより長い状態で存在させることができ、強度が高く好適であると共に、製造コストを削減することができる。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の第1実施形態を説明するための概略構成図である。 図1に示す電動パワーステアリング装置に組み込まれる減速装置を説明するための一部切欠断面図である。 図2に示す減速ギヤ機構を説明するための斜視図である。 第2実施形態に係る減速ギヤ機構を説明するための斜視図である。 第3実施形態に係る減速ギヤ機構を説明するための斜視図である。 第4実施形態に係る減速ギヤ機構を説明するための斜視図である。 第5実施形態に係る減速ギヤ機構を説明するための斜視図である。
以下、本発明に係る電動パワーステアリング装置に組み込まれる減速ギヤ機構の各実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図3を参照して、本発明に係る電動パワーステアリング装置に組み込まれる減速ギヤ機構の第1実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の電動パワーステアリング装置10は、上部舵輪軸11aと下部舵輪軸11bとで構成される舵輪軸(ステアリングシャフト)11を備えており、この舵輪軸11は、舵輪軸ハウジング12の内部に軸芯回りに回転可能に支持される。舵輪軸ハウジング12は、車室内部の所定位置に、その下部を前方に向けて傾斜した状態に固定される。
また、上部舵輪軸11aの上端には、不図示の舵輪が固定されている。さらに、上部舵輪軸11aと下部舵輪軸11bとは、不図示のトーションバーにより結合されており、舵輪から上部舵輪軸11aを経て下部舵輪軸11bに伝達される操蛇トルクがトーションバーに検出され、検出された操蛇トルクに基づいて減速装置20の電動モータ13の出力が制御される。
舵輪軸11の下端には、継手14,15を介してラック・ピニオン式運動変換機構16が取り付けられる。このラック・ピニオン式運動変換機構16は、長手方向を車両の左右方向として車両前部のエンジンルーム内に略水平に配置され、軸方向に移動自在なラック軸17と、ラック軸17の軸芯に対して斜めに支持されてラック軸17の歯部に噛合する歯部を有するピニオンを含むピニオン軸18と、ラック軸17とピニオン軸18を支承する筒状のラック軸ケース19と、を備える。
図2に示すように、減速装置20内には、本実施形態の減速ギヤ機構30が組み込まれている。この減速ギヤ機構30は、ギヤであるウォームホイール31と、ウォームホイール31が噛合するウォーム32と、を備え、ギヤケース33に収納される。
また、ウォーム32の両端部には、ウォーム軸32a,32bが一体に形成されており、ウォーム軸32a,32bは、軸受部34a,34bを介して回転可能に支持され、ウォーム軸32bは、電動モータ13の駆動軸13aにスプライン或いはセレーション結合される。そして、ウォームホイール31の芯管31aが下部舵輪軸11bに結合され、電動モータ13の回転力がウォーム32及びウォームホイール31を経て下部舵輪軸11bに減速されて伝達される。
ウォームホイール31は、図3に示すように、金属製の芯管31aの外周部に後述する樹脂組成物からなる樹脂部31bが射出成形等により一体に形成される。また、樹脂部31bの外周面にはギヤ歯31cが形成される。また、本実施形態では、ウォーム32の材質は特に限定されず、例えば、金属製とすることができる。
そして、本実施形態では、樹脂部31bは、引張強度が2GPa以上で、且つ引張弾性率が50GPa以上の有機繊維材、例えば、表1に示すパラ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維、及びポリパラフェニレンベンズビスオキサザール繊維等の有機繊維材を10〜40重量%含有する樹脂組成物により形成される。
Figure 0005610015
パラ系アラミド繊維としては、具体的には、ポリパラフェニレンテレフタラミドと、それに第3成分としてジアミンを共重合させて延伸性等を改善したコポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタラミドがある。ポリアリレート繊維は、二価フェノールと芳香族ジカルボン酸との重縮合物である全芳香族ポリエステル繊維のことである。PBO繊維は、ポリパラフェニレンベンズビスオキサゾール(又はポリパラフェニレンベンゾビスオキサザール)繊維のことである。
引張強度が2GPa以上で、且つ引張弾性率が50GPa以上の有機繊維材としては、表1に示すパラ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維、及びポリパラフェニレンベンズビスオキサザール繊維以外に、超高分子量ポリエチレン繊維やPAN系炭素繊維がある。但し、超高分子量ポリエチレン繊維は、融点が140℃程度であるため、使用時に軟化する可能性がある。また、PAN系炭素繊維は、繊維自体が剛直であるため、鉄系の相手材を傷付ける可能性があり、また、減衰特性も劣るため、適用は好ましくない。さらに、メタ系アラミド繊維は、強度不十分のため、適用に好ましくない。
これに対して、表1に示すパラ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維、及びポリパラフェニレンベンズビスオキサザール繊維は、高強度でありながら柔軟性を有し、繊維自体の減衰特性に優れるため、これを有機繊維材としてベース樹脂に含有させることで、合成樹脂強化材全体の減衰特性を格段に向上させることができ、摺動音の低減が可能となる。
また、本実施形態では、表1に示すパラ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維、及びポリパラフェニレンベンズビスオキサザール繊維は、ベース樹脂との接着性を向上させるために、繊維表面にウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ビスマレイミド樹脂から選ばれる少なくとも1つのサイジング剤で処理されている。
また、有機繊維材の繊維径は、平均直径で6〜21μmが好ましく、より好ましくは8〜15μmである。有機繊維材の平均直径が6μm未満の場合は、繊維径が細すぎて一本あたりの強度が低くなり、安定した製造が難しく実用性が低い。一方、有機繊維材の平均直径が21μmを越える場合は、繊維一本あたりの強度は増加するものの、繊維が太く、また、本数が少なくなるため、樹脂部31bのギヤ歯31cの均一な樹脂強化が困難になり、好ましくない。
有機繊維材の長さは、樹脂部31bのギヤ歯31c内でできるだけ長い状態で存在することが強度の面では好適である。その点では、樹脂部31bの射出成形に用いるペレットは、有機繊維材の1〜3mm程度の短繊維(チョップドストランド)がランダムに分散した短繊維ペレット(ペレット長:約3mm)に比べて、有機繊維材がペレットに対して平行に配向している長繊維ペレット(ペレット長が7〜11mm)を用いた方が、射出成形によって得られる樹脂部31bのギヤ歯31c内において、有機繊維材をより長い状態で存在させることが可能であり、強度が高く好適であると共に、製造コストを削減可能である。
なお、表1に示す有機繊維材の一部に、鉄系材料への傷付性がなく強度が低いものの耐熱性に優れる高耐熱性有機繊維材を混在させてもよい。具体的には、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維やポリイミド(PI)繊維等である。
樹脂部31bを形成する樹脂組成物中の有機繊維材の含有量は、樹脂組成物全体の10重量%以上40重量%以下、より好ましくは15重量%以上30重量%以下である。有機繊維材の含有量が10重量%未満であると、機械的強度の向上があまり得られず、樹脂ギヤとしての実用性が低い。一方、有機繊維材の含有量が40重量%を超えると、溶融成形時の樹脂組成物の流動性を充分に確保することが困難となり、射出成形等で成形する場合、生産性等に影響を及ぼし、好ましくない。
また、樹脂部31bを形成する樹脂組成物のベース樹脂としては、一定以上の耐熱性を有する熱可塑性樹脂を使用することができる。また、ギヤ歯31cとして要求される耐疲労性を満足するために、結晶性樹脂が好適であり、具体的には、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂等である。
ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド46等の耐疲労性に優れる分子構造中にアミド結合を多く含有する脂肪族ポリアミド樹脂の他、吸水による寸法変化を抑えることを優先する場合は、より低吸水な芳香族ポリアミド樹脂、或いは分子構造中にアミド結合が少ない脂肪族ポリアミド、いわゆるハイナイロンを使用するとより好適である。ハイナイロンとしては、融点が200℃のポリアミド610、ポリアミド612等を好適に使用することができる。芳香族ポリアミド樹脂としては、ポリアミド6T/6I等の変性ポリアミド6T、ポリアミドMXD6、ポリアミド9T、ポリアミド4T等を使用することができる。
なお、表1に示す有機繊維材の他に、樹脂の熱劣化等を防止する添加剤を別途添加してもよい。添加剤としては、アミン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、ヨウ化銅−ヨウ化カリウム系熱安定剤等を例示できる。これらの中で、アミン系酸化防止剤、ヨウ化銅−ヨウ化カリウム系熱安定剤は、耐熱性の向上効果が大きく、より好適である。
また、芯管31aと樹脂部31bとの密着性の向上と芯管31aの境界部の滑り抜け防止を目的として、芯管31aの外周面には、予めショットブラストやローレット加工等を施しておいてもよい。この場合、特にローレット加工が好ましく、ローレット加工のV字状溝の深さは0.2〜0.8mm、特に0.3〜0.7mmが適当である。
以上説明したように、本実施形態の電動パワーステアリング装置10によれば、ウォームホイール31の樹脂部31bは、引張強度が2GPa以上で、且つ引張弾性率が50GPa以上の有機繊維材を10〜40重量%含有する樹脂組成物により形成されるため、金属材料に対して傷付性がなく、且つ柔軟性を有するウォームホイール31を得ることができる。これにより、減速ギヤ機構30の摺動音を低減することができ、静音性を向上することができる。また、ガラス繊維より低密度な有機繊維材を使用しているので、ウォームホイール31の軽量化を図ることができる。さらに、金属製のウォーム32よりも柔軟な有機繊維材を使用しているので、ウォーム32の硬質化処理を省略することができ、製造コストを削減することができる。
(第2実施形態)
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置に組み込まれる減速ギヤ機構の第2実施形態として、図4に示すように、減速ギヤ機構は、平歯車を使用した減速ギヤ機構40であってもよい。この減速ギヤ機構40は、ギヤである第1平歯車41と、第1平歯車41が噛合する第2平歯車42と、を備える。第1平歯車41は、金属製の芯管41aの外周部に本実施形態の樹脂組成物からなる樹脂部41bが射出成形等により一体に形成され、この樹脂部41bの外周面にギヤ歯41cが形成される。
(第3実施形態)
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置に組み込まれる減速ギヤ機構の第3実施形態として、図5に示すように、減速ギヤ機構は、はすば歯車を使用した減速ギヤ機構50であってもよい。この減速ギヤ機構50は、ギヤである第1はすば歯車51と、第1はすば歯車51が噛合する第2はすば歯車52と、を備える。第1はすば歯車51は、金属製の芯管51aの外周部に本実施形態の樹脂組成物からなる樹脂部51bが射出成形等により一体に形成され、この樹脂部51bの外周面にギヤ歯51cが形成される。
(第4実施形態)
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置に組み込まれる減速ギヤ機構の第4実施形態として、図6に示すように、減速ギヤ機構は、かさ歯車を使用した減速ギヤ機構60であってもよい。この減速ギヤ機構60は、ギヤである第1かさ歯車61と、第1かさ歯車61が噛合する第2かさ歯車62と、を備える。第1かさ歯車61は、金属製の芯管61aの外周部に本実施形態の樹脂組成物からなる樹脂部61bが射出成形等により一体に形成され、この樹脂部61bの外周面にギヤ歯61cが形成される。
(第5実施形態)
また、本発明に係る電動パワーステアリング装置に組み込まれる減速ギヤ機構の第5実施形態として、図7に示すように、減速ギヤ機構は、ハイポイドギヤを使用した減速ギヤ機構70であってもよい。この減速ギヤ機構70は、ギヤである第1ハイポイドギヤ71と、第1ハイポイド歯車71が噛合する第2ハイポイドギヤ72と、を備える。第1ハイポイドギヤ71は、金属製の芯管71aの外周部に本実施形態の樹脂組成物からなる樹脂部71bが射出成形等により一体に形成され、この樹脂部71bの外周面にギヤ歯71cが形成される。
なお、本発明は、上記各実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
例えば、上記第1実施形態では、芯管の外周部に樹脂部を一体成形したウォームホイールを例示したが、樹脂部のみでウォームホイールを構成してもよい。
次に、本発明の効果を確認するために、実施例1〜4及び比較例1〜3のウォームホイールについて摺動音の評価試験を行った。なお、ウォームホイールについては、図3に示すウォームホイール31と同様のものを使用した。
(実施例1)
芯管31a:深さ0.5mmのローレット加工を施した外径65mm、幅16mmのS45C製。
樹脂部31b:ポリアミド66(ベース樹脂)にパラ系アラミド繊維(サイジング剤処理されたコポリパラフェニレン−3,4’−オキシジフェニレンテレフタラミド、繊維径12μm/本)を20重量%含有させた樹脂組成物の長繊維強化ペレット(ペレット長:9mm=繊維長さ)を用い、芯管31aをコアにしてディスクゲートでインサート成形(射出成形)して、外周部に切削代を残したはすば形状を有し、内径69mm、外径85mm、幅17mmの樹脂部31bを成形し、その後、切削加工で樹脂部31bの外周部にウォームホイールのギヤ歯31cを形成する。
(実施例2)
ベース樹脂をポリアミドMXD6樹脂とした以外は、実施例1と同様にしてウォームホイールを作製した。
(実施例3)
樹脂部31b:ポリアミド9T(ベース樹脂)にサイジング剤処理されたポリアリレート繊維(クラレ製ベクトラン高強力タイプ、繊維径約10μm/本、繊維長さ1mm)のカットファイバーを20重量%含有させた樹脂組成物の短繊維強化ペレットを用いた以外は、実施例1と同様にしてウォームホイールを作成した。
(実施例4)
ベース樹脂を直鎖状PPS樹脂とした以外は、実施例1と同様にしてウォームホイールを作製した。
(比較例1)
ポリアミド66(ベース樹脂)にガラス繊維を25重量%含有させた樹脂組成物(宇部興産(株)製UBEナイロン2020GU5、Cu系添加剤含有)を用いた以外は、実施例1と同様にしてウォームホイールを作成した。
(比較例2)
ポリアミド66(ベース樹脂)にガラス繊維を20重量%含有させた樹脂組成物(宇部興産(株)製UBEナイロン2020GU4、Cu系添加剤含有)90重量%に対して10重量%の酸変性EPDMを添加したものを用いた以外は、実施例1と同様にしてウォームホイールを作成した(特開平10−141477号公報)。
(比較例3)
直鎖状PPS樹脂(ベース樹脂)に炭素繊維を20重量%含有させた樹脂組成物(ポリプラスチック製フォートロン2130A1)を用いた以外は、実施例1と同様にしてウォームホイールを作成した。
(摺動音評価)
実施例1〜4及び比較例1〜3のウォームホイールの各試験体を、図2に示す減速装置20に組み込んで無響音室に放置し、電動モータ13で減速装置20を駆動して発生する騒音を指向性マイクで録音し、FFT解析を実施した。周波数帯(500〜1000Hz)での平均騒音レベル(POA)[回転数は、270deg/s]を、各試験体の曲げ弾性率と共に表2に示す。
Figure 0005610015
表2から明らかなように、減衰特性に優れる有機繊維を含有する実施例1〜4は、比較例1〜3と比較して摺動音が低減されているのがわかり、特に、エラストマー変性されて曲げ弾性率が更に低下している比較例2と比較して、更に樹脂全体として減衰特性が向上し、摺動音が低下していることがわかった。
10 電動パワーステアリング装置
20 減速装置
30 減速ギヤ機構
31 ウォームホイール(ギヤ)
31a 芯管
31b 樹脂部
31c ギヤ歯
32 ウォーム

Claims (1)

  1. 電動モータの出力を減速して伝達する減速ギヤ機構を備える電動パワーステアリング装置であって、
    前記減速ギヤ機構は、ギヤ歯が樹脂部で形成されたギヤを備え、
    前記ギヤは、芯管の外周部に前記樹脂部が一体に形成されており、
    前記ギヤは、ウォームホイールであり、前記ウォームホイールに噛合する金属製のウォームを備え、前記ウォームに硬質化処理が施されておらず、
    前記樹脂部は、引張強度が2GPa以上で、且つ引張弾性率が50GPa以上の有機繊維材を10〜40重量%含有する樹脂組成物により形成され、
    前記有機繊維材が、パラ系アラミド繊維、ポリアリレート繊維、及びポリパラフェニレンベンズビスオキサザール(PBO)繊維から選ばれる少なくとも1つであると共に、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、及びビスマレイミド樹脂から選ばれる少なくとも1つのサイジング剤で処理され、
    前記有機繊維材の長さは、7〜11mmに設定され、
    前記樹脂組成物のベース樹脂は、熱可塑性樹脂であることを特徴とする電動パワーステアリング装置。
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