JP5098288B2 - 二次電池用正極層及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、固体二次電池等に使用される二次電池用正極層及びその製造方法に関する。
近年、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、モーターを動力源とする自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に用いられる高性能リチウム電池等二次電池の需要が増加している。
使用される用途が広がるのに伴い、二次電池のさらなる安全性の向上及び高性能化が要求されている。
リチウム電池の安全性を確保する方法としては、有機溶媒電解質に代えて無機固体電解質を用いることが有効である。
無機固体電解質は、その性質上一般に不燃で、通常使用される有機溶媒電解質と比較し安全性の高い材料である。そのため、該電解質を用いた全固体リチウム電池の高性能化が望まれている。
例えば、特許文献1には、硫化リチウム及び五硫化二リンから製造された結晶成分を含有するリチウムイオン伝導性固体電解質が高いイオン伝導度を示すことが開示されている。
また、特許文献2には、コバルト酸リチウムと結晶性リチウム伝導性固体電解質の混合物からなる正極を用いる電池が開示されている。
WO2005/078740パンフレット WO2005/119706パンフレット
本発明の目的は、レート特性に優れた二次電池が得られる正極層及びその製造方法を提供することである。
本発明によれば、以下の二次電池用正極層及びその製造方法等が提供される。
1.下記式で表される金属酸リチウムと、リチウム・リン硫化物系ガラスとからなる混合物を成形した後に、熱処理する二次電池用正極層の製造方法。
LiXO
(式中、Xは、Co、Mn又はNiであり、Y及びZは、それぞれ1〜10の整数である。)
2.前記金属酸リチウムの表面が、金属酸化物でコーティングされている1の二次電池用正極層の製造方法。
3.前記金属酸リチウムが、コバルト酸リチウムであり、
前記金属酸化物が、チタン酸スピネル、タンタル系酸化物、ニオブ系酸化物から選択される少なくとも1つである2の二次電池用正極層の製造方法。
4.1〜3のいずれかの製造方法により得られる二次電池用正極層。
5.正極と、負極と、前記正極及び負極間に挟持された固体電解質層とを有し、前記正極が、4の正極層から製造されている固体二次電池。
本発明によれば、レート特性に優れた二次電池が得られる正極層及びその製造方法が提供できる。
本発明の二次電池用正極層の製造方法は、下記式で表される金属酸リチウムと、リチウム・リン硫化物系ガラスとからなる混合物を成形した後に、熱処理して、正極層を得る。熱処理することにより、硫化物系ガラスは、よりイオン伝導性が高い結晶性のガラスセラミックスに変わる。
LiXO
(式中、Xは、Co、Mn又はNiであり、Y及びZは、それぞれ1〜10の整数である。)
二次電池の正極においては、電子伝導性に加えてイオン伝導度を向上させるため、極材の粒子同士が密着し、粒子間の接合点や面を多く存在させ、イオン伝導パスをより多く確保することが重要である。そのため、イオン伝導活物質を混合し、極材とする。
金属酸リチウムと、リチウム・リン硫化物系ガラスの混合比(重量比)は、好ましくは50〜80:50〜20である。
成形体の形状は、シート、ペレット等でよく、正極層として、そのまま、又は切断等して使用できる形状である。
正極原料の粉末を、所定の形状に成形し、連続して、熱処理するようにすると効率的に正極層を製造できる。
熱処理の温度は通常150℃〜360℃である。150℃未満では、硫化物系ガラスのガラス転移点以下の温度であるため結晶化が進行しにくい。一方、360℃を超えると、後述する特有の結晶構造を有する結晶ガラスが生成されない恐れがある。熱処理温度は200℃〜350℃がより好ましく、250℃〜300℃が特に好ましい。熱処理時間は、結晶が生成する条件であれば特に限定はなく、瞬時であっても長時間であっても構わない。また、熱処理温度までの昇温パターンについても特に限定はない。
成形方法は、特に限定されないが、プレス成形、ロールプレス等が使用できる。プレス成形する際の、プレス圧力は、通常、0.1〜100MPa程度である。
本発明によれば、正極原料の粉末を成形した後に、加熱処理することにより、レート特性やサイクル特性など電池特性に優れる正極を製造することができる。
このメカニズムは以下のように考えられる。結晶性ガラスセラミックスの固体電解質と比較して、ガラス状の固体電解質は軟らかいため、プレス等の成形をした場合、コバルト酸リチウムと、リチウム・リン硫化物系ガラスの粒子同士の界面が融合(あるいは密着)し易い。このため、イオン伝導パスの形成が密となる。このようなガラス状固体電解質を含む成形体を加熱処理して、結晶成分を形成させてもイオン伝導パスは維持される。その結果、結晶成分によるイオン伝導性の向上とあいまって、高イオン伝導性の正極が形成される。
金属酸リチウムは、LiXOで表され、Xは、Co、Mn又はNiであり、Y及びZは、それぞれ1〜10の整数である。
好ましい金属酸リチウムとしては、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)等が挙げられ、これらを2種以上混合して用いてもよい。
上記金属酸リチウムは、レート特性を改善するために、表面をコーティング材で被覆してもよい。また、表面をコーティング材で被覆した金属酸リチウムを用いた場合、放充電時に電極と電解質の界面で発生する副反応が抑制されるため、サイクル特性が改善されることが考えられる。
コーティング材としては、チタン酸スピネル、タンタル系酸化物、ニオブ系酸化物等が挙げられ、具体的には、LiTi12,LiTaO,LiNbO,LiAlO,LiZrO,LiWO,LiTiO,Li,LiPO,LiMoO,LiBO等が挙げられる。
上記コーティング材を金属酸リチウム粒子の表面に被覆する方法としては、スプレーコーティングが挙げられる。例えば、金属酸リチウムの表面をコーティング材が分散したエタノール等の溶液でスプレーコーティングし、これを加熱することで、コーティング材が被覆した金属酸リチウム粒子が得られる。
上記金属酸リチウムに被覆したコーティング層の厚みは通常、0.5〜50nmであり、好ましくは1〜40nmである。
本発明に使用するリチウム・リン硫化物系電解質は、硫化リチウムと五硫化二燐(P)、又は硫化リチウムと単体燐及び単体硫黄、さらには硫化リチウム、五硫化二燐、単体燐及び/又は単体硫黄から製造できる。
上記のリチウム・リン硫化物系電解質を製造するための硫化リチウムは、特に制限なく工業的に入手可能なものが使用できるが、高純度のものが好ましい。
好ましくは、硫化リチウムは、硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下であり、かつN−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下、より好ましくは0.1質量%以下である。硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%以下であると、溶融急冷法やメカニカルミリング法で得られる固体電解質は、ガラス状電解質(完全非晶質)となる。即ち、硫黄酸化物のリチウム塩の総含有量が0.15質量%を越えると、得られる電解質は、最初から結晶化物の恐れがあり、この結晶化物のイオン伝導度は低い。さらに、この結晶化物について熱処理を施しても結晶化物には変化がなく、高イオン伝導度のリチウムイオン伝導性無機固体電解質を得ることができないおそれがある。
また、N−メチルアミノ酪酸リチウムの含有量が0.15質量%以下であると、N−メチルアミノ酪酸リチウムの劣化物がリチウム電池のサイクル性能を低下させることがない。
このように不純物が低減された硫化リチウムを用いると、高イオン伝導性電解質が得られる。
高イオン伝導性電解質の製造に用いられる硫化リチウムの製造法としては、少なくとも上記不純物を低減できる方法であれば特に制限はない。
例えば、以下の方法で製造された硫化リチウムを精製することにより得ることができる。
以下の製造法の中では、特にa又はbの方法が好ましい。
a.非プロトン性有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを0〜150℃で反応させて水硫化リチウムを生成し、次いでこの反応液を150〜200℃で脱硫化水素化する方法(特開平7−330312号公報)。
b.非プロトン性有機溶媒中で水酸化リチウムと硫化水素とを150〜200℃で反応させ、直接硫化リチウムを生成する方法(特開平7−330312号公報)。
c.水酸化リチウムとガス状硫黄源を130〜445℃の温度で反応させる方法(特開平9−283156号公報)。
硫化リチウムの精製方法としては、特に制限はない。好ましい精製法としては、例えば、国際公開WO2005/40039号等に記載の方法が挙げられる。
具体的には、硫化リチウムを、有機溶媒を用い、100℃以上の温度で洗浄する。洗浄に用いる有機溶媒は、非プロトン性極性溶媒であることが好ましく、さらに、硫化リチウムの製造に使用する非プロトン性有機溶媒と洗浄に用いる非プロトン性極性有機溶媒とが同一であることがより好ましい。
洗浄に好ましく用いられる非プロトン性極性有機溶媒としては、例えば、アミド化合物、ラクタム化合物、尿素化合物、有機硫黄化合物、環式有機リン化合物等の非プロトン性の極性有機化合物が挙げられ、単独溶媒、又は混合溶媒として好適に使用することができる。特に、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)は、良好な溶媒として選択される。
洗浄に使用する有機溶媒の量は特に限定されず、また、洗浄の回数も特に限定されないが、2回以上であることが好ましい。洗浄は、窒素、アルゴン等の不活性ガス下で行うことが好ましい。
洗浄された硫化リチウムを、洗浄に使用した有機溶媒の沸点以上の温度で、窒素等の不活性ガス気流下、常圧又は減圧下で、5分以上、好ましくは約2〜3時間以上乾燥することにより、好適に用いられる硫化リチウムを得ることができる。
は、工業的に製造され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。尚、Pに代えて、相当するモル比の単体リン(P)及び単体硫黄(S)を用いることもできる。単体リン(P)及び単体硫黄(S)は、工業的に生産され、販売されているものであれば、特に限定なく使用することができる。
硫化リチウムと、五硫化二燐及び/又は単体燐及び単体硫黄の混合モル比は、通常50:50〜80:20、好ましくは60:40〜75:25である。
特に好ましくは、LiS:P=68:32〜74:26(モル比)程度である。
ガラス状の電解質を製造する方法としては、例えば、溶融急冷法やメカニカルミリング法(MM法)が挙げられる。
溶融急冷法による場合、PとLiSを所定量乳鉢にて混合し、ペレット状にしたものをカーボンコートした石英管中に入れ真空封入する。一定の反応温度で反応させた後、氷中に投入し急冷することにより、硫化物ガラスが得られる。
この際の反応温度は、好ましくは400℃〜1000℃、より好ましくは800℃〜900℃である。また、反応時間は、好ましくは0.1時間〜12時間、より好ましくは1〜12時間である。上記反応物の急冷温度は、通常10℃以下、好ましくは0℃以下であり、その冷却速度は通常1〜10000K/sec程度、好ましくは1〜1000K/secである。
MM法による場合、PとLiSを所定量乳鉢にて混合し、メカニカルミリング法にて一定時間反応させることにより、硫化物ガラスが得られる。
上記原料を用いたメカニカルミリング法は、室温で反応を行うことができる。MM法によれば、室温でガラス状電解質を製造できるため、原料の熱分解が起らず、仕込み組成のガラス状電解質を得ることができるという利点がある。また、MM法では、ガラス状電解質の製造と同時に、ガラス状電解質を微粉末化できるという利点もある。
MM法は種々の形式の粉砕法を用いることができるが、遊星型ボールミルを使用するのが特に好ましい。遊星型ボールミルは、ポットが自転回転しながら、台盤が公転回転し、非常に高い衝撃エネルギーを効率良く発生させることができる。
MM法の回転速度及び回転時間は特に限定されないが、回転速度が速いほど、ガラス状電解質の生成速度は速くなり、回転時間が長いほどガラス質状電解質ヘの原料の転化率は高くなる。
例えば、遊星型ボールミル機を使用した場合、回転速度を数十〜数百回転/分とし、0.5時間〜100時間処理すればよい。
以上、溶融急冷法及びMM法による硫化物ガラスの具体例を説明したが、温度条件や処理時間等の製造条件は、使用設備等に合わせて適宜調整することができる。
本発明の固体二次電池は、正極と、負極と、正極及び負極間に挟持された固体電解質層から構成され、正極が、上記の方法で製造される正極層である。
図1は本発明に係る固体二次電池の一実施形態を示す概略断面図である。
全固体二次電池1は、正極10及び負極30からなる一対の電極間に固体電解質層20が挟持されている。正極10及び負極30にはそれぞれ集電体40及び42が設けられている。この電池1の正極10は、上記の方法で製造されたものである。
負極30に使用する負極材としては、電池分野において負極活物質として使用されているものが使用できる。例えば、炭素材料、具体的には、人造黒鉛、黒鉛炭素繊維、樹脂焼成炭素、熱分解気相成長炭素、コークス、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、フルフリルアルコール樹脂焼成炭素、ポリアセン、ピッチ系炭素繊維、気相成長炭素繊維、天然黒鉛及び難黒鉛化性炭素等が挙げられる。またはその混合物でもよい。好ましくは、人造黒鉛である。
また、金属リチウム、金属インジウム、金属アルミ、金属ケイ素等の金属自体や他の元素、化合物と組み合わせた合金を、負極材として用いることができる。負極材についても電解質等のイオン伝導活物質を混合することが好ましい。
導電助剤として、電子が正極活物質間で円滑に移動するようにするために、電気的に導電性を有す物質を適宜添加してもよい。電気的に導電性を有する物質としては特に限定しないが、アセチレンブラック、カーボンブラック、カーボンナノチューブのような導電性物質又はポリアニリン、ポリアセチレン、ポリピロールのような導電性高分子を単独又は混合して用いることができる。
集電体40,42として、銅、マグネシウム、ステンレス鋼、チタン、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、アルミニウム、ゲルマニウム、インジウム、リチウム、又はこれらの合金等からなる板状体や箔状体等が使用できる。
固体電解質層20を構成する固体電解質は、特に限定されず、有機化合物、無機化合物、あるいは有機・無機両化合物からなる材料を用いることができ、リチウムイオン電池分野で公知のものが使用できる。正極層10で用いたリチウム・リン硫化物系ガラスやそのセラミックスも使用できる。
固体二次電池は、上述した電池用部材を貼り合せ、接合することで製造できる。接合する方法としては、各部材を積層し、加圧・圧着する方法や、2つのロール間を通して加圧する方法(roll to roll)等がある。
また、接合面にイオン伝導性を有する活物質や、イオン伝導性を阻害しない接着物質を介して接合してもよい。
接合においては、固体電解質の結晶構造が変化しない範囲で加熱融着してもよい。
製造例1
(1)硫化リチウム(LiS)の製造
撹拌翼のついた10リットルオートクレーブにN−メチル−2−ピロリドン(NMP)3326.4g(33.6モル)及び水酸化リチウム287.4g(12モル)を仕込み、300rpm、130℃に昇温した。昇温後、液中に硫化水素を3リットル/分の供給速度で2時間吹き込んだ。続いてこの反応液を窒素気流下(200cc/分)昇温し、反応した硫化水素の一部を脱硫化水素化した。昇温するにつれ、上記硫化水素と水酸化リチウムの反応により副生した水が蒸発を始めたが、この水はコンデンサにより凝縮し系外に抜き出した。水を系外に留去すると共に反応液の温度は上昇するが、180℃に達した時点で昇温を停止し、一定温度に保持した。脱硫化水素反応が終了後(約80分)反応を終了し、硫化リチウムを得た。
(2)硫化リチウムの精製
上記(1)で得られた500mLのスラリー反応溶液(NMP−硫化リチウムスラリー)中のNMPをデカンテーションした後、脱水したNMP 100mLを加え、105℃で約1時間撹拌した。その温度のままNMPをデカンテーションした。さらにNMP 100mLを加え、105℃で約1時間撹拌し、その温度のままNMPをデカンテーションし、同様の操作を合計4回繰り返した。デカンテーション終了後、窒素気流下230℃(NMPの沸点以上の温度)で硫化リチウムを常圧下で3時間乾燥した。得られた硫化リチウム中の不純物含有量を測定した。
尚、亜硫酸リチウム(LiSO)、硫酸リチウム(LiSO)並びにチオ硫酸リチウム(Li)の各硫黄酸化物、及びN−メチルアミノ酪酸リチウム(LMAB)の含有量は、イオンクロマトグラフ法により定量した。その結果、硫黄酸化物の総含有量は0.13質量%であり、LMABは0.07質量%であった。
(3)硫化物ガラスの製造
上記のようにして製造したLiSとP(アルドリッチ製)を68対32のモル比に調製した混合物を約1gと直径10mmのアルミナ製ボール10ケとを45mLのアルミナ製容器に入れ、遊星型ボールミル(フリッチュ社製:型番P−7)にて、窒素中、室温(25℃)にて、回転速度を370rpmとし、20時間メカニカルミリング処理することで、白黄色の粉末である硫化物ガラスを得た。
得られた粉末について、粉末X線回析測定(CuKα:λ=1.5418Å)をしたところ、非晶質体特有のブロードな形を示していることから、この粉末がガラス化(非晶質化)していることが確認できた。
実施例1
正極活物質であるコバルト酸リチウムと、製造例1(3)で得られた粉末状の硫化物ガラスを重量比で60:40に混合した。この混合物と、製造例1(3)で得られた粉末状の硫化物ガラスのみを、プレス成形によりそれぞれ層状に貼り合わせた後、250℃で1時間加熱処理を行った。この積層体を正極層及び固体電解質層とし、負極にインジウムを用いて、テスト用電池を作製した。このテスト用電池を、7.5mA/cmの電流密度において定電流で充放電させることによりレート特性を評価した。その際、充放電の上限電圧を4.2V、下限電圧を1.0Vとした。すなわち充電時、4.2Vまでテスト用電池の電圧が上昇したところで放電に移り、1.0Vに達した時点で評価を終了した。その結果、7.5mA/cmでの充放電が可能であったことから、レート特性に優れると判断した。
比較例1
製造例1(3)で得られた硫化物ガラスを250℃で1時間加熱処理して、ガラスセラミックを得た。このガラスセラミックとコバルト酸リチウムを混合したものを正極層用材料として用い、ガラスセラミックだけを固体電解質層用材料として用いて、プレス成形により貼り合わせて積層体を作成した。この積層体を正極層及び固体電解質層とし、負極にインジウムを用いて、テスト用電池を作製し、実施例1と同様にしてレート特性を評価した。その結果、7.5mA/cmでの充放電はできず、レート特性に劣るものであった。
本発明の製造方法は、高性能全固体電池等の二次電池の正極層を製造するために使用できる。また、本発明の正極層は、二次電池に使用できる。
本発明に係る固体二次電池の一実施形態を示す概略断面図である。
符号の説明
1 全固体二次電池
10 正極
20 固体電解質層
30 負極
40,42 集電体

Claims (5)

  1. 下記式で表される金属酸リチウムと、リンを含むリチウムイオン伝導性の硫化物系ガラスとからなる混合物を成形した後に、熱処理することにより前記硫化物系ガラスを結晶化してリンを含む硫化物系ガラスセラミックスとし、
    前記硫化物系ガラスセラミックスの結晶成分が前記硫化物系ガラスのガラス成分よりイオン伝導度が高い二次電池用正極層の製造方法。
    LiXO
    (式中、Xは、Co、Mn又はNiであり、Y及びZは、それぞれ1〜10の整数である。)
  2. 前記金属酸リチウムの表面が、金属酸化物でコーティングされている請求項1記載の二次電池用正極層の製造方法。
  3. 前記金属酸リチウムが、コバルト酸リチウムであり、
    前記金属酸化物が、チタン酸スピネル、タンタル系酸化物、ニオブ系酸化物から選択される少なくとも1つである請求項2記載の二次電池用正極層の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の製造方法により得られる二次電池用正極層。
  5. 正極と、負極と、前記正極及び負極間に挟持された固体電解質層とを有し、
    前記正極が、請求項に記載の正極層から製造されている固体二次電池。
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